JP4417702B2 - タイヤコード及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、2本のコード端部同士を接続して得られる接合部の強度と径を本体コード並みに維持したタイヤコード、及びそのタイヤコードで補強された空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのカーカス層やベルト補強層等の補強材として、シングルのタイヤコードを用いてタイヤ周方向で補強部材間にジョイントを生じさせない構造にすること、また緯糸を用いずにタイヤコードを引き揃えゴム被覆したものを補強材としてタイヤの軽量化やユニフォミティーを向上することが行われている。
このような用途に用いる長尺のタイヤコードを得るためには、2本のコード端部を機械的に結ぶノット法や、旋回空気流を利用し撚り掛けるエアージョイント法等により短尺のコードを継ぎ合わせる、また、糸端部を重ね合わせて撚を加えると共に接着剤で接着し長尺化することが知られている(特許文献1,2)。
また、接着剤処理等の処理済みのシングルタイヤコードは、コードを1本ずつ処理する方法では極めて生産効率が悪いことから、タイヤコードを経糸としたすだれ織物長手方向の両端部において、経糸の端部がその片側に隣接する経糸の端部と交互に結接され任意の複数本の経糸が連続してなるすだれ織物を接着剤処理した後、経糸を取り出すことで長尺の処理済みタイヤコードが得られるタイヤ補強用コードすだれ織物が開示されている(特許文献3)。
特開2002−362836号公報 特開平11−256455号公報 特開平11−245614号公報
ところで、シングルタイヤコードを引き揃えゴム被覆された補強材を作製するには、例えば、多数のコードを櫛状の筬やハーモニカ状のガイド穴に通す等の手段で一定のピッチに配列させ押出機やカレンダー装置に供給してゴムをトッピングすることにより、経糸のみからなる長尺のトッピングシートを得ることができ、タイヤの補強材として好適に使用することができる。
しかしながら、前記の長尺のタイヤコードにはノット法やエアージョイント法等による接合部が所々に存在しており、これを前記のように押出機等のトッピング工程に供給した場合、コードから突出した結び目やフィラメント、或いはコード径より大きい径の接合部が筬やガイド穴に引っ掛かったり、接続強度の不足からトッピング中にコードが破断することがある。
一旦、コード破断のようなトラブルが起こると押出機の口金部を分解し、コードを配列して筬やガイド穴に通し直すという人手と時間を要する煩雑な作業を必要とし、また、ノットセンサによってコード中の接合部を検出することもできるが、この場合はコード破断が生じないように運転を制御してトッピング加工を行うため、低速運転による手間や作業効率の低下、さらには低速運転中のコードピッチの乱れやゴム厚みの変化などトッピング精度の低下を招くという問題がある。
また、上記トッピングシートをタイヤ補強材に使用する場合、コードの接合部の強度不足や結び目等の突出部がタイヤ性能に悪影響を及ぼすおそれがあることから接合部を除去して使用する必要があり、その工数増加や材料損失の要因となっている。
本発明は、主として空気入りタイヤの補強材に用いられるタイヤコードであって、2本のコードを簡易な方法によって形成される接合部を介して簡単に、短時間に接続し、接合部の強度と径を本体コード並みに維持した長尺のタイヤコード、及びそのタイヤコードを用いて補強されたタイヤ性能を確保した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、多数のフィラメントからなる2本のコードが、接合部を介し接続されたタイヤコードであって、前記接合部が、両コード端部における該接合部を構成するフィラメントの一部がそれぞれ切断除去され、残余のフィラメントが収束されて一体に接着され形成されてなることを特徴とするタイヤコードである。
本発明のタイヤコードによれば、簡易な方法で接合部を形成し2本のコードを接続し、接合部の強度と径を本体コード並みに維持した連続するタイヤコードを容易に得ることができ、ゴム押出機やカレンダー装置等を用いたトッピング加工時のコード破断などの工程トラブルを防止して連続運転を可能とし、また接合部がタイヤ中に含まれてもタイヤ性能を低下させることがない。さらに、コード端部での接続を繰り返すことで、無限長さのタイヤコードを得ることができるようになる。この場合、コード端の接合部において切断除去されるフィラメント数は、2本のコート共に構成フィラメント数のおよそ半数以下、好ましくは同数とし、残余のフィラメント数の合計を本体コードとほぼ同等とすることが好ましい。
請求項2の発明は、前記コードが複数のフィラメント束に下撚と上撚を施してなるタイヤコードであって、前記接合部が、両コード端部の上撚を解撚して下撚糸に分離し該解撚部からそれぞれ少なくとも1本の下撚糸が切断除去され、残余の下撚糸を互いに撚り合わせると共に下撚糸同士が接着され形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤコードである。
請求項3の発明は、前記コードが複数のフィラメント束に下撚と上撚を施してなるタイヤコードであって、前記接合部が、両コード端部の上撚を解撚して下撚糸に分離し該解撚部からそれぞれ少なくとも1本の下撚糸が切断除去され、残余の下撚糸を互いに引き揃えて重ね合わせ部を形成し、該重ね合わせ部の下撚糸同士が接着され形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤコードである。
請求項4の発明は、前記コードが複数のフィラメント束に下撚と上撚を施してなるタイヤコードであって、前記接合部が、両コード端部の上撚を解撚して下撚糸に分離し該解撚部からそれぞれ少なくとも1本の下撚糸が切断除去され、一方のコードの下撚糸に他方の下撚糸を螺旋状に巻き付けると共に下撚糸同士が接着され形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤコードである。
請求項2〜4に記載の発明のタイヤコードによれば、2本撚又は3本撚以上のタイヤコードのコード端部の上撚を解撚し、該解撚部から下撚糸の少なくとも1本を切断除去した後、接合部を構成する残余の下撚糸同士を撚り合わせる、又は引き揃えて重ね合わせる、或いは巻き付かせることで下撚糸を収束し接着することで、熟練を要さずに簡単に、短時間で接合部を形成し、接合部の強度と径を本体コード並みに維持する連続したタイヤコードを容易に得られる。
このコード接合部の形成は、特別な設備や装置を要さずに、鋏などの簡易な道具を用いて手作業でも容易に実施することができるので、タイヤコードを材料として処理する準備過程での全ての工程においてコードの接続作業が可能となる。
請求項5の発明は、前記接合部の接着手段が接着剤であることを特徴とするタイヤコードであり、接合部の接着強度と下撚糸やフィラメントを接着固化することで収束性を向上し、接合部の強度と径を確保し工程通過性を確実に向上することができる。
請求項6の発明は、前記接合部の長さが、3〜25mmであることを特徴とするタイヤコードであり、接合部形成の作業性と接合部の強度を確保するものとなる。
請求項7の発明は、前記接合部の径が、本体コード径の0.7〜1.1倍であることを特徴とするタイヤコードであり、これにより、コード接合部がトッピング加工時に筬やガイド穴に引っ掛かったり詰まったりして破断することなくスムーズに通過することができ、コードの破断などのトラブル発生時の煩雑な作業を解放して加工効率を向上する。また、トッピングシート表面に接合部の膨らみや凹みを生じることがなく、シートの外観を良好にするだけでなくユニフォミティーなどタイヤ性能を向上することができる。
請求項8の発明は、前記接合部におけるコード強力が、本体コード強力の60%以上であることを特徴とするタイヤコードであり、これにより、トッピング加工時のコードテンションによるコード破断を防ぐと共に、接合部がそのままタイヤ中に含まれても補強性を低下させることなく、耐久性などのタイヤ基本性能を確保することができる。
請求項9の発明は、前記2本のコードが接着剤処理と熱処理が施された処理済コードであることを特徴とするタイヤコードであり、長尺化されたタイヤコードがそのままトッピング装置に使用でき、また、コードが熱セットされているので解撚や接続作業が容易なものとなる。ここで、処理済とは、RFL処理液やメッキ等による接着剤処理と熱処理を含むものをいう。
請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤコードで補強されたことを特徴とする空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤによれば、コード接合部の強度や径が本体コード並みに維持されるので、この接合部がタイヤ中に含まれてもタイヤ強度の低下や接合部が異物化することなく、かつ材料損失を生じずに耐久性やユニフォミティーなどの性能を確保し、またシートの薄肉化によるタイヤ軽量化にも寄与することができる。
この発明のタイヤコードによれば、接合部の強度と径を本体コード並みに維持する連続したタイヤコードが容易に得られ、さらにコード端部の接合を繰り返すことで無限長さのタイヤコードを得ることもできる。これにより、押出機やカレンダー装置を用いたシングルコードのトッピング加工において、コード破断などのトラブル発生を防止して連続運転を可能とし、トラブル時の煩雑な復旧作業から解放し、かつ緯糸無しのトッピングシートの生産効率を著しく向上する。
また、本発明の空気入りタイヤは、コード接合部の強度や径が本体コード並みに維持されているので、この接合部がそのままタイヤ中に含まれてもタイヤ強度を低下させることがなく、耐久性やユニフォミティーなどのタイヤ性能を確保し、軽量化に寄与することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係るタイヤコード1を示し、図2はそのコードの接続方法の1例を示す模式図である。
図1,2に示すタイヤコード1は、ポリエステル、ナイロン、アラミド、レーヨンなど各種有機繊維の多数のフィラメントからなるフィラメント束に下撚を施して下撚糸を形成し、この下撚糸の複数本に上撚を施して構成された、いわゆる2本撚コードや3本撚コードと呼ばれるもので、RFL処理等の接着剤処理と熱処理が施された処理済みコードである。
具体的には、有機繊維の所定繊度のマルチフィラメント原糸、例えば930dtex、1110dtex、1400dtex、1670dtex、2100dtex等の原糸に下撚を施したフィラメント束を2本以上合わせて上撚を施した、例えば930dtex/2、1110dtex/2、1670dtex/2、1670dtex/3等で表されるタイヤコードである。もちろん、フィラメント束の原糸に下撚のみを施した単糸からなる、1400dtex/1等で表される片撚コードも用いることができる。
ここで、図1,2に示すタイヤコード1は、2本撚構造(例えば、1670dtex/2)のタイヤコードであり、2本のコード11,12が接合部13を介して接続され1本の連続したコードとなっている。
タイヤコード1は、2本のコード11,12の両コード端部11e,12eから上撚を解撚して下撚糸11aと11b、12aと12bに分離し、接合部13に相当する下撚糸の1本がそれぞれ切断除去され、残余の下撚糸11a,12aが互いに撚り合わせると共に下撚糸同士が接着されて接合部13を形成し、この接合部13を介して1本の連続したタイヤコードに接続されたものである。
すなわち、図2に示すように、接合部13は、両コード端部11e,12eから接合部13に該当する長さLの上撚が解撚され、それぞれ下撚糸11aと11b、12aと12bに分離され(図2(b))、解撚された下撚糸は、それぞれの一方11b,12bが解撚端部11d,12dで切断除去される(同(c))。次に、残余の下撚糸11a,12aが互いに撚り合わされ、下撚糸端部11cと12d及び12cと11dを突き合わせ部Tで突き合わせ状になるように接合部13を形成し(同(d))、この接合部13の全体と突き合わせ部Tの近傍に接着剤Cを付与(同(e))し接着固化して形成され、図1に示す接合部13を介して接続された1本の連続するタイヤコード1が得られる。
ここで、この両コード11,12の上撚を解撚する際、両コード共に解撚長さを接合部13に該当する長さLに揃えること、双方の下撚糸を切断除去する長さを揃えることが重要であり、特に撚り合わされる残余の下撚糸11a,12aの長さL1とL2を同一にすることが肝要である。このL1とL2の長さが異なると、下撚糸11aと12aを撚合わせ接合部13を形成するに当たり、下撚糸端部11cと12d及び12cと11dの突き合わせ部Tでの突き合わせ状態が不良となり、両端部間に隙間を生じ強度が確保できなくなったり、一方の下撚糸に弛みを生じて接合部13の径を大きくしてしまい、後述する工程性に支障を来すようになる。
上記コード11,12端部の上撚を解撚し下撚糸を切断除去する方法は、例えば、錐や毛抜き、ピンセット、鋏などの簡単な道具を用いて手作業で行うことができ、また、解撚機や圧縮空気を作用させ解撚する方法なども挙げられる。また、下撚糸同士を撚り合わせる方法も、手作業で下撚糸を突き合わせ状に重ね合わせて指先で揉み合わせるようにしたり、糸継ぎ装置や圧縮空気を利用し撚り合わせる方法などが挙げられが、いずれも特に制限されるものではなく、手作業によって解撚、切断、撚り合わせ加工する方法が簡易であり、特別な道具や装置を不要として利便性がよい。
接合部13に使用される接着剤Cは、撚り合わせ状態にある接合部13の下撚糸11a,12a間及びその表層のフィラメント間、また接合部13近傍の下撚糸間にも接着剤を浸透させて接続を強固なものとする観点から、溶液型の速乾性接着剤が好ましく、例えばポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリル酸エステル系等の接着剤が挙げられる。特に接着速度が速く、常温で短時間に簡単な作業で強度の高い接着力が得られることから、シアノアクリレート系の接着剤を使用するのが好ましい。
この接合部13が接着剤Cによって接着されることで、接合部13の接合強度を強固なものとし、また下撚糸11a,12aやそのフィラメントの収束性を向上し、さらに下撚糸切断端11c,11d、12c,12dでの剥離や飛び出しを防いで形状を良好に保ち、接合部13の強度と径を確保し工程通過性を良好にすることができる。
なお、前記接合部13の接着方法は、上記接着剤によるものの他に、直火、熱電対、超音波、赤外線などを用いた融着や溶着手段であってもよく、接合部13の強度、径や外形形状を維持できるものであれば限定されることはない。
接合部13の長さLは、3〜25mm程度であることが好ましく、さらには5〜15mmであることが好ましい。長さLが3mm未満であると、上撚の解撚及び下撚糸の撚り合わせ作業が困難となり良好な接続状態が得難く、接合部の強度も十分得られなくなる。逆に、Lが25mmを越えると接合強度は本体コードと同等レベルに向上するが、上撚の解撚及び下撚糸の撚り合わせ作業が煩雑となって不必要な工数がかかり、また撚り合わせ状態が不均一となり強度を低下させることもある。従って、Lが3〜25mmの範囲であれば作業性と品質を両立し、接合部13の強度と径を十分確保できるようになる。
上記により得られたタイヤコード1の接合部13の径D1は、本体コード径D0の0.7〜1.1倍であり、好ましくは0.8〜1.05倍であって、さらには0.9〜1.0倍、すなわち本体コード径とほぼ同等にあることが望ましい。
接合部の径D1がD0の0.7倍未満であると、接合部13の構成フィラメント数が事実上不足することとなり十分な接合強度が確保できず、トッピング時テンションによるコード破断やタイヤの補強性を低下させる。D1が1.1倍を超えると、タイヤコード1が筬やガイド穴を通過する際に接合部13が筬の目や穴に引っ掛かる確率が急上昇し、コード破断などのトラブルが多発するようになる。
これにより、コード接合部13の径D1が本体コードとほぼ同等のものとなり、従来の接続方法によるこぶ状の結び目やフィラメントのひげ状飛び出しがなくなり、トッピング加工時にタイヤコード1の接合部13が櫛状の筬やハーモニカ状のガイド穴に引っ掛かったり詰まったりしてコード破断やガイド穴の詰まりを生じることなく、またカレンダー加工時のロール溝からの脱線を防ぐことができ、これらのトラブル時の煩雑な復旧作業を解放して加工効率を向上する。また、シート表面に接合部13の膨らみや凹みを生じることなくトッピングシートの外観を良好にすると共にユニフォミティーなどタイヤ性能を向上することができる。
この接合部13には、図3に示すように、ラッピング糸14をラッピングしてもよい。これにより、接合部13の外形形状をより安定なものとすることができ、接合部13の径Dを確実に維持し、下撚糸の突き合わせ端部やフィラメントの突出等を抑え、工程通過性とタイヤ品質を良好なものとすることができる。
また、接合部13におけるコード強力は、本体コード強力の60%以上であることが好ましく、さらに70%以上であることがより好ましい。これにより、トッピング加工時の巻取り側及び引出し側の反対方向から掛かる両テンションによるコード破断の発生を防ぐと共に、接合部13がタイヤ中、特にカーカス層にそのまま含まれても補強性を低下させることなく、タイヤ耐久性を確保するものとなる。
このようにして得られたタイヤコード1は、2本のコード端部からコードを構成するフィラメントや下撚糸の略半数ずつ(3本撚りコードでは下撚糸の1本と2本)が切断除去され、残余のフィラメントや下撚糸が撚り合わされて接合部13を形成するので、すなわち接合部13を構成するフィラメント数がコード本体とほぼ同一にして構成されることになり、接合部13の強度と径を本体コードと同等にある連続したタイヤコードとなる。
このコード端部での接続を繰り返すことでさらにコードは長尺化され、無限長さのタイヤコードとすることも可能であり、トッピング工程においてコード破断などのトラブルを発生することなく空気入りタイヤに用いるに好適な補強材を得ることができるようになる。
この長尺のタイヤコードは、長さの不揃いなシングルコードを接続して得られるが、元コードとしては、シングルコード処理機によるもの、コードセッターを用いて複数本のコードを同時に処理したもの、タイヤコードの処理済みすだれ織物から取り出したシングルコード等処理済みコードを用いることができ、また、処理済みすだれ織物の隣接する経糸の端部に上記接合部を形成しすだれ織物中のタイヤコードを連続化し後、長尺のタイヤコードを織物端部から取り出すこともできる。また、未処理のすだれ織物の経糸端部に接合部を形成して経糸同士を連続化した後、接着処理を行ってタイヤコードを取り出すこともできる。
また、上記接合部13の形成は、タイヤコードを材料として処理する準備過程での全ての工程において実施することができる。例えば、シングルコード処理機やコードセッターにより処理された後のシングルコードを接続する、処理済みすだれ織物から取り出したシングルコードを接続する、処理済みのタイヤコードすだれ織物の隣接する経糸端部同士を接続してその側端部から長尺化されたコードを順に取り出しボビンやリールに巻き取り使用することができ、又、トッピング装置のクリールスタンドで接続する、コード送り出し途中で短尺コードを接続し直接トッピング装置に供給する等の各段階で接続作業を実施することができる。また、未処理コードの段階で接続した後、処理を行ったものでもよい。
なお、上記タイヤコードは、炭素繊維やガラス繊維、極細スチールコードなどの無機繊維であっても、もちろん本発明を実施することができる。
[第2の実施形態]
図4、図5は第2の実施形態に係るタイヤコード15、及びそのコードの接続方法を示す模式図である。第2の実施形態のタイヤコード15は、コードの接続方法を第1の実施形態と異なるものとする以外は前記タイヤコード1の場合と同様であり、接続方法以外の他の説明は省略する。
図4,5に示すタイヤコード15は、2本撚構造(例えば、1670dtex/2)のタイヤコードであり、2本のコード151,152がコード端部151e,152eにおいて接合部153を介して接続され1本の連続したものとなったコードである。
タイヤコード15は、2本のコード151,152からコード接合部153に相当するそれぞれの下撚糸の1本が切断除去され、残余の下撚糸同士151a,152aが互いに引き揃えられて重ね合わせ部を形成し、該重ね合わせ部の下撚糸同士が接着されて接合部153を形成し、この接合部153を介して1本の連続したタイヤコードに接続されたものである。
すなわち、図5に示すように、接合部153は、両コード端部151e,152eから接合部153に該当する長さLの上撚が解撚され、それぞれ下撚糸151aと151b、152aと152bに分離され(図5(b))、解撚された下撚糸はそれぞれの一方151b,152bが解撚端部151d,152dで切断除去される(同(c))。次に、残余の下撚糸151a,152aの端部151c,152cを、突き合わせ部T’でそれぞれの解撚端部152d、151dに突き合わせた状態で引き揃えて重ね合わせて接合部153を形成し(同(d))、この接合部153の全体とその近傍に接着剤Cを付与(同(d))し接着固化し、図4に示す連続したタイヤコード15が得られる。
この場合も、両コード151,152の上撚を解撚する際、両コード共に解撚長さを接合部153に該当する長さLに揃えること、双方の下撚糸を切断除去する長さを揃える必要があり、特に重ね合わせる下撚糸151a,152aの長さLを同一にすることが重要となる。
この第2の実施形態のタイヤコード15においても、前記タイヤコード1と同様に、接合部の形成が容易であり、接合部の強度や径を本体並みに維持したものとなってコードの工程通過性とタイヤ性能を確保するものとなる。
[第3の実施形態]
図6は第3の実施形態に係るタイヤコード16である。第3の実施形態のタイヤコード16は、コードの接続方法を前記第1及び第2の実施形態と異なるものとする以外は前記タイヤコード1,15の場合と同様であり、接続方法以外の他の説明は省略する。
図6に示すタイヤコード16は、2本撚構造(例えば、1670dtex/2)のタイヤコードであり、コード切断端161e,162eを有す2本のコード161,162が接合部163を介して接続され1本の連続したものとなったコードであり、前記第1及び第2の実施形態の場合と同様に、2本のコード161,162からコード接合部163に相当するそれぞれの下撚糸の1本が切断除去され、一方のコードの下撚糸162aに他方の下撚糸161aを螺旋状に巻き付けると共に下撚糸同士が接着されて接合部163を形成し、この接合部163を介して1本の連続したタイヤコード16に接続されたものである。
タイヤコード16の場合、接合部163は、両コード端部から接合部163に該当する長さの上撚が解撚され、それぞれの下撚糸の一方が切断除去された後、残余の下撚糸161a,162aの内、一方の下撚糸162aに他方の下撚糸161aを螺旋状に巻き付けて接合部163を形成し、この接合部163の全体とその近傍に接着剤Cを付与し接着固化して、図6に示す連続したタイヤコード16が得られる。
この場合、巻き付ける側の下撚糸161aの解撚長さを、巻き付け代を考慮して巻き付けられる側の下撚糸162aより長くしておく必要がある。なお、巻き付けられ側の不要部分は、接合部163の形成後に切断除去してもよい。
この第3の実施形態のタイヤコード16においても、前記タイヤコード1,15と同様に、接合部の形成が容易であって、接合部の強度や径を本体と同等にあるコードを簡単に得ることができ、コードの工程通過性とタイヤ性能を確保するものとなる。
また、図7は、3本撚りコード17(例えば、1670dtex/3)を第3の実施形態の接続方法で接合部173を形成し連続化したものである。
図7に示すタイヤコード17は、3本撚の上撚を解撚後の2本のコード171,172において、コード171に1本の下撚糸171aを残し、コード172に2本の下撚糸172a,172bを残して他を切断除去し(図7(b))、3本の下撚糸171a,172a,172bによって接合部173を形成する場合であり、コード172側の2本の下撚糸172a,172bを引き揃えた状態にしてコード171の下撚糸171aを螺旋状に巻き付けて接合部173を形成し、接合部173とその近傍に接着剤を付与し接着固化して連続コード17(同(a))としたものである。
この実施形態の接続方法では、2本と1本の下撚糸を撚り合わせる場合のように撚り合わせ本数が異なって撚りのバランスが取り難く困難な場合、或いは生コードのようにヤーンに熱セットがかかっておらずに柔軟で撚り合わせが困難な場合などの接続作業が実施しやすくなる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、処理済みのタイヤコードすだれ織物から、隣接する経糸端部同士が接続された経糸をタイヤコードとして取り出すことで、効率よく得られる長尺のタイヤコードである。
図8は第4の実施形態に係るすだれ織物2の1例を示し、図9はその一部の拡大図である。図に示すように、このすだれ織物2は、ポリエステルやナイロン、アラミド、レーヨンなどのタイヤコードを経糸とし、数百〜数千本の多数本の経糸20と、これらの経糸20の長手方向所要間隔毎に打ち込まれて各経糸20を繋ぐ緯糸30とにより、数十〜数千mの長尺に製織されたものである。
緯糸30は、織物の側端部で折返すことにより1本の緯糸を連続して打ち込むほか、両側端部で折り返し切断した緯糸を打ち込んで製織する(タックイン方式)こともでき、その打ち込み間隔は、処理後のすだれ織物2からの経糸20の引き出し作業を容易にする範囲で、例えば10〜100mm程度の比較的大きな範囲に設定することができる。
この緯糸30には、接着剤処理により経糸20と緯糸30が強固に接着された状態になると、経糸20の切り離しが困難になる場合があるので、緯糸30にテフロン(登録商標)コーティング加工を施して接着性を低下させておいてもよい。
こうして製織したすだれ織物2は、通常の手段により必要な接着剤処理及び熱処理等の処理を、通常のタイヤコード用ディッピングマシンを用いて容易に行なえる。
本発明のすだれ織物2においては、織物長手方向の両端部a,bにおいて、前記経糸20の端部がその片側に隣接する経糸20の端部と両端の接合部で交互に接続されて、複数本の経糸20が連続している。図において、21は一方の側端から奇数番目の経糸、22は前記側端から偶数番目の経糸を示し、4はその接合部を示している。
前記経糸20の接続の具体的形態として、図8及び図9に示すように、各経糸がその両端で交互に連続するように、各経糸21または22の端部が、織物長手方向の一端部aにおいては、その両隣の経糸のうちのいずれか一方側の経糸22または21の端部と、また織物長手方向の他端部bにおいては、前記両隣の経糸のうち前記とは反対側の経糸22または21の端部とそれぞれ接続されている。
すなわち、織物長手方向の一端部aでは、前記奇数番目の経糸21の端部21aが次の偶数番目の経糸22の端部22aと接続されるとともに、織物長手方向の他端部bでは、前記偶数番目の経糸22の端部22bが次の奇数番目の経糸21の端部21bと接続されて、各経糸21,22が両端部a,bで交互に連続している。
前記すだれ織物2の場合、各経糸21,22がその両端で交互に接続されて1本に連続している。そのため、このすだれ織物2の各経糸20を側端から順次引き出す等の手段によりコードとして取り出すことによって全ての経糸20が連続した長尺のタイヤコードが得られ、シングルコードの製造コストを大幅に低減することができる。
前記の経糸端部における接続は、上記の第1の実施形態と同様に行われ、すなわち経糸両端部21aと22a、及び21bと22bの接合部に相当する部分の上撚をそれぞれ解撚して下撚糸に分離し、前記下撚糸の一部を切断除去して残余の下撚糸同士を撚り合わせて接合部4を形成し、接合部4とその近傍に接着剤を付与し接着固化させ接続されることによる。
従って、すだれ織物2から取り出されたタイヤコードは、その接合部4において織物本体部の経糸20並みの強度と径を有する長尺のタイヤコードとなり、押出機やカレンダー装置によるトッピング加工においてコード破断などのトラブルを発生することのないタイヤ補強材に適したものとなる。
なお、前記の経糸端部における接続は、すだれ織物2の製織方向の始端側の端部については製織開始時に、また終端側の端部については製織終了時に行うのが好適であるが、このほか、製織後の適当な時期、接着剤処理等の処理の前後に接続することもできる。
また、すだれ織物2は、一般に織始めおよび織終りの両端部に、50〜150mmの程度の幅で緯糸30の打込み密度を密にしたタビー6a,6bが形成されており、経糸20の端部は前記タビー6a,6bより所要の長さ延出しているので、経糸端部に接合部4を形成して接続し本発明を実施するのは容易である。
この第4の実施形態によれば、すだれ織物長手方向の端部で片側に隣接する任意の経糸同士が接続され連続しているため、接着剤処理等の処理を施した後、このすだれ織物の経糸を側端から順に取り出すことによって、接合部の強度と径とを本体コードと同等に維持した、少なくともすだれ織物の長さの2倍以上の長尺のタイヤコードが効率良く得られ、シングルコードの製造コストの大幅な低減が図られる。
上記のすだれ織物は、各経糸の端部が、織物長手方向の一端部において、その両隣の経糸のうちいずれか一方側の経糸の端部と接続されるとともに、織物長手方向の他端部において、前記両隣の経糸のうち前記とは反対側の経糸の端部と接続されて、各経糸が両端部で交互に連続しているものでもよい。
これにより、各経糸が織物長手方向の両端部で交互に接続されて1本に連続していることになり、このすだれ織物側端から経糸を順次連続して取り出すことにより、すだれ織物の全ての経糸が1本に連続した極めて長尺のコードが得られるようになる。
[変形例]
また、前記すだれ織物において、側端から数えて任意の奇数番目の経糸とこれに隣接する偶数番目の経糸とが端部で接続されず、該経糸の非接続端部を織物長手方向の少なくとも一方の端部に残しておくことにより、該すだれ織物の長さの数倍の長さを持つ複数の長尺のタイヤコードを得ることができる。
図10及び図11は、前記のすだれ織物2の接続形態の変形例として、側端から数えて任意の奇数番目の経糸21とこれに隣接する偶数番目の経糸22とを端部で接続することなく、経糸端部21,22を非接続端部20a,20bとして残した場合を示している。
図10に示すすだれ織物2aは、織物長手方向の一端部aにおいて、隣接する非接続の経糸21,22の双方を非接続端部20aとして残した場合を示し、図11に示すすだれ織物2bは、織物長手方向の一端部aに、非接続の経糸20の端部20aを、他端部bに非接続の経糸20の端部20bをそれぞれ残した場合を示している。
この変形例のすだれ織物2a,2bによれば、該すだれ織物から各経糸20を側端から順に取り出すことにより、織物端部の非接合部で分離した複数本分(図の場合は3本以上)の経糸長さのタイヤコードを得ることができる。
前記の非接合部の個所は、該すだれ織物2a,2bから得ようとするコードの長さや本数に応じて任意に設定でき、また異なった長さのタイヤコードを取り出すことも可能になる。
上記の各すだれ織物2,2a,2bは、通常、図12のように、接着剤処理等の処理後にロール状に巻回しておくが、この際、側端の経糸20の端部20c及び経糸20の非接続端部20aが、該すだれ織物2の巻回体5表面に存るように巻回しておくことが好ましい。これにより、例えばすだれ織物2をロール状の巻回体5から引き出しながら、経糸20を取り出し長尺のタイヤコードを得る方法を容易に実施できるようになる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態は、前記すだれ織物2のロール状の巻回体5から経糸20を取り出し効率よく長尺のタイヤコードを得るものである。
図13に示すように、すだれ織物2の巻回体5を巻心51を上下方向にして軸方向一方端側を上方に解放させて支持装置8に支持し、経糸20を巻回体5の上方端側から軸方向に引き出すことで、すだれ織物2の側端部から経糸20を順次引き出し、巻回体端部52で折り返して下方側の経糸20を連続して取り出すことができる。取り出された経糸20は、回転自在のガイド部材54とガイドローラ53を経てボビン55等に巻き取られる。この取り出し方法は特開2000−199168号公報に記載の方法に基づいて容易に実施することができる。
さらに、図14に示すように、すだれ織物2の2本の巻回体5a,5bを巻心51を軸として上下に2本立てとして軸方向両端側を解放させて支持装置8に支持し、巻回体5aの最下端側の経糸端部20dと巻回体5bの最上端側の経糸端部20eとを上記第2の実施形態の接続方法に従い接合部4aで接続し、経糸20を巻回体5aの上方端側から軸方向に順次引き出すことで、2本の巻回体5a,5bのすだれ織物2から連続して経糸20を取り出すことができ、シングルコードの製造効率を向上すると共により長尺なコードが得られるようになる。
上記第1〜第5の実施形態のようにして得られた長尺のタイヤコードは、必要な本数をガイド穴や筬に通す等の手段で所定のピッチで配列させて、押出機やカレンダー装置に供給しゴムをトッピングすることにより、加工中にコード破断やカレンダーロール溝からの脱線などのトラブルを発生することなく緯糸を有さない長尺のトッピングシートを得ることができ、例えば図15に示す空気入りタイヤ7のカーカス層71やベルト層72或いはベルト補強層74やベルト端部補強層75、サイド補強層73などに、緯糸による弊害を解消したタイヤ補強材として好適に使用することができ、さらに、従来のすだれ織物をトッピングした場合に生じる経糸と緯糸との織り目による段差を無くしてトッピングシートの薄肉化を図りタイヤの軽量化やコスト低減に寄与することができる。
また、この処理済みのシングルタイヤコードは、そのままタイヤ成型工程でタイヤ周方向にほぼ0°の角度でスパイラル状に巻付け、その上にトレッドやサイドのゴムを被覆して加硫一体化することにより、タイヤ周方向でジョイント部を生じさせない、例えばベルト補強層74やベルト端部補強層75、サイド補強層73などの補強コードとして使用することができる。
そして、前記トッピングシートやシングルコードをタイヤ補強材に使用する場合、コード接合部の強度や径が本体コード並みに維持されるので、タイヤへの適用時に接合部を除去する必要がなく、タイヤ製造工数増やタイヤ材料の損失を生じることなく空気入りタイヤの耐久性やユニフォミティー等の性能を確保することができる。
以下に実施例によって本発明を更に説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
[実施例1]
ポリエステル1670dtex/2(撚り数38×38回/10cm)の2本の処理済みタイヤコードを、第1の実施形態の接続方法に従い接合部の長さを0〜25mmに変更した連続する試験用コードを作製し、それぞれのコード接合部の引張強さと径を測定し、本体コードと比較した。なお、接合部長さ0mmとは、コード端末同士の突き合わせによる接続である。結果を表1に示す。
各試験用コードは、図2に示すように、2本のコード11,12の両端部11e,12eから接合部13に該当する長さL(3〜25mm)の上撚を解撚しそれぞれ下撚糸11aと11b、12aと12bとに分離し、解撚した下撚糸のそれぞれの一方11b,12bを解撚端部11d,12dで鋏を用いて切断し除去した。次に、L1,L2の長さを調整し、上撚の撚りくせ形状の残る下撚糸11a,12aを両手に持って互いに撚り合わせ下撚糸端部を突き合わせ状(T)にして接合部13を形成し、この接合部13の全体とその両隣接部5mmにシアノアクリレート系1液型の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、アロンアルファ201)を付与して浸透させて接着し、図1に示す接合部13を形成し連続コードを得た。引張強さ及び径は、JIS L1017に準拠し測定した。
Figure 0004417702
表1に示す通り、接合部の引張強さは、接合部の長さが3mmの場合は本体コードより4%程度の強度の低下が見られるが実用上で問題のないレベルにあり、5mm以上であれば何れもコード本体と遜色のない強度が得られ、25mmを越えて接合部を形成する必要がないことが明らかである。また、接合部の径は、本体コードと同等にあり、工程通過性に悪影響しないことが分かる。
[実施例2]
次ぎに、上記実施例1に従う接続方法により接合部長さを10mmに形成した接合部を平均100m毎に有しているポリエステル1670dtex/2(撚り数38×38回/10cm)の処理済タイヤコードを用いて、図16の押出機口金内部9の概略図に示す多数本のコード91を一定ピッチで配列するためにコードを挿通するハーモニカ状のガイド穴95を有するダイインサート93と、トッピングシートのゴム厚みを決めるダイスロート92、及びトッピングゴムを供給する押出機(図示せず)を備えたスチーラスチックシステム(米国、スチーラスチック社製)を使用し、コード打ち込み密度23本/25mm、トッピング厚み1.1mm、シート幅10cmのトッピングシート94に加工した。
このトッピングシート94をコードに対して90°の角度で所定長さに裁断したシート片を並列し突き合わせジョイントしたカーカス用補強材(A)を作製し、また、接合部を含まない同構造のタイヤコードを用いて同様にカーカス用補強材(B)を作製した。このカーカス用補強材(A)、(B)を用いて、図15に示す空気入りラジアルタイヤのカーカス層71に2プライで適用し、サイズ215/45R17のタイヤを試作(タイヤA、タイヤBとする)した。なお、ベルト層72はスチールコード2+2×0.25、打ち込み密度20本/25mmの2プライとした。
両コードのトッピング加工時のコード破断発生の有無と同トッピング工程全体にわたる工程通過性を評価し、さらに、タイヤA,Bの高荷重耐久性を下記試験法に従い評価した。結果を表2に示す。
高荷重耐久性:標準リムを用いて空気圧220kPaに調整し、ドラム径1700mmの鋼製ドラムを備えたドラム試験機により、速度120Km/時間で、JATMA規定の標準荷重の90%を負荷して8時間、次いで100%負荷で10時間、次に標準荷重の110%負荷で22時間走行し、故障が発生しなければそのまま走行時間を延長し、合計の走行距離が1万Kmまで走行させた。走行後タイヤの外観の異常有無、及びタイヤを解体しカーカスコード切れの有無を観察した。
Figure 0004417702
表2に示すように、両コード共にトッピング時にコード破断の発生が無く、全トッピング工程を通じて工程性に問題は無く、本発明のタイヤコードの工程通過性が良好であることが分かる。また、タイヤAとタイヤB共に、高荷重耐久性ドラム試験において1万Kmを完走し、走行後のカーカスにはコード切れが認められず、耐久性能は両者同等にある。
[実施例3]
ポリエステル1670dtex/2(撚り数38×38回/10cm)の2本の処理済みタイヤコードを、第2の実施形態の接続方法に従い接合部の長さを8mmに形成し、接合部の全体とその両隣接部4mmにシアノアクリレート系1液型の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、アロンアルファ201)を付与して浸透させて接着し、図4に示す接合部を形成した実施例の連続コードを得た。コード接合部の引張強さと径を測定し、本体コードと比較した。結果を表3に示す。
Figure 0004417702
実施例のタイヤコードは、その接合部の引張強さ、径共に本体コードと同等であり、何ら遜色のない品質でありトッピング作業やタイヤ性能を確保するものとなることが分かる。
[実施例4]
ポリエステル1670dtex/2(撚り数38×38回/10cm)の2本の処理済みタイヤコードを、第3の実施形態の接続方法に従い接合部の長さを8mmに形成し、接合部の全体とその両隣接部4mmを実施例3と同様に瞬間接着剤(アロンアルファ201)を用いて接着し、図6に示す接合部を形成した実施例の連続コードを得た。コード接合部の引張強さと径を測定し、本体コードと比較した。結果を表4に示す。
Figure 0004417702
実施例のタイヤコードは、その接合部の引張強さ、径共に本体コードと同等にあり、その品質には差異のないことが明白である。
[実施例5]
ナイロン66、1400dtex/2(撚り数32×32回/10cm)のタイヤコードを経糸とするすだれ織物(コード打ち込み密度23本/25mm、織物幅1m、織物長500m、緯糸は30番手綿糸、緯糸打ち込み間隔3cm)を作製した。この際、このすだれ織物両端部の経糸端部を、実施例1と同様の接続方法で図8のすだれ織物2に示すように接続し、織物全体の経糸が1本に連続するコードとなるように接合部を形成した。次に、RFL接着剤処理と熱処理を常法に従いディッピングマシンを用いて処理し、処理済みタイヤコードのすだれ織物を得、この織物の巻回体から、図13に示す方法で経糸を側端部から順次取り出して長尺のタイヤコードを得た。
このタイヤコードの取り出し作業において、コードの破断や接合部での取り出し不具合を起こすことなく、すだれ織物全体から全ての経糸を1本のタイヤコードとして取り出すことができた。
さらに、このタイヤコードを用いて、実施例2と同様にスチーラスチックシステムを使用し、コード打ち込み密度25本/25mm、トッピング厚み1.2mm、シート幅10cmのトッピングシートに加工して、タイヤ用補強材を作製した。
スチーラスチックシステムを使用したトッピング加工においても、コード破断などのトラブルを一切発生することなく全てのコードをトッピングすることができた。すなわち、すだれ織物から経糸を取り出して得られたタイヤコードにおいても、コード接合部の強度低下やコード径の増大などの異常が発生していないことを示し、これによりシングルコードの製造効率を大幅に改善し、シングルコードのコスト低減を実現することができる。
この発明のタイヤコードは、コード接合部の強度と径を本体コード並みに維持する長尺のシングルタイヤコードであり、緯糸無しトッピングシートを効率よく製造して空気入りタイヤのカーカス、ベルト、ベルト補強層、サイドウォール等の各部位の補強材として使用することができる。また、タイヤ以外の工業用品や車両用部品等、例えばVベルトやコンベアベルト、空気バネ、自動車用フレキシブルカップリングなどの補強材としても利用できる。
第1の実施形態のタイヤコードを示す正面図である。 第1の実施形態の接合部の形成を説明する模式図である。 第1の実施形態の変形例を示す正面図である。 第2の実施形態のタイヤコードを示す正面図である。 第2の実施形態の接合部の形成を説明する模式図である。 第3の実施形態のタイヤコードを示す正面図である。 第3の実施形態の変形例を示す正面図である。 第4の実施形態のすだれ織物を示す一部を省略した平面図である。 同上の拡大図である。 変形例のすだれ織物を示す一部を省略した平面図である。 さらに他の変形例のすだれ織物を示す一部を省略した平面図である。 すだれ織物をロール状に巻回した斜視図である。 第5に実施形態の経糸引き出し方法を示す概略斜視図である。 経糸の引き出し方法の他の例を示す概略斜視図である。 実施例の空気入りラジアルタイヤの半断面図である。 押出機口金の内部を示す概略図である。
符号の説明
1,11,12……タイヤコード
11a,11b,12a,12b……下撚糸
13……接合部
C……接着剤

Claims (10)

  1. 多数のフィラメントからなる2本のコードが、接合部を介し接続されたタイヤコードであって、
    前記接合部が、両コード端部における該接合部を構成するフィラメントの一部がそれぞれ切断除去され、残余のフィラメントが収束されて一体に接着され形成されてなる
    ことを特徴とするタイヤコード。
  2. 前記コードが複数のフィラメント束に下撚と上撚を施してなるタイヤコードであって、
    前記接合部が、両コード端部の上撚を解撚して下撚糸に分離し該解撚部からそれぞれ少なくとも1本の下撚糸が切断除去され、残余の下撚糸を互いに撚り合わせると共に下撚糸同士が接着され形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤコード。
  3. 前記コードが複数のフィラメント束に下撚と上撚を施してなるタイヤコードであって、
    前記接合部が、両コード端部の上撚を解撚して下撚糸に分離し該解撚部からそれぞれ少なくとも1本の下撚糸が切断除去され、残余の下撚糸を互いに引き揃えて重ね合わせ部を形成し、該重ね合わせ部の下撚糸同士が接着され形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤコード。
  4. 前記コードが複数のフィラメント束に下撚と上撚を施してなるタイヤコードであって、
    前記接合部が、両コード端部の上撚を解撚して下撚糸に分離し該解撚部からそれぞれ少なくとも1本の下撚糸が切断除去され、一方のコードの下撚糸に他方の下撚糸を螺旋状に巻き付けると共に下撚糸同士が接着され形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤコード。
  5. 前記接合部の接着手段が接着剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤコード。
  6. 前記接合部の長さが、3〜25mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤコード。
  7. 前記接合部の径が、本体コード径の0.7〜1.1倍であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤコード。
  8. 前記接合部におけるコード強力が、本体コード強力の60%以上であることを特徴とする請求項7に記載のタイヤコード。
  9. 前記2本のコードが接着剤処理と熱処理が施された処理済コードであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤコード。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のタイヤコードで補強された
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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