JP2014034466A - 糸継装置、及びロービング製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い糸継効率及び糸継後の糸継部分に十分な引張強度を与える糸継装置を提供し、さらに、当該糸継装置を備えた生産効率の高いロービング製造装置を提供する。
【解決手段】糸継空間形成部1に予備ケーキ15から引き出された糸継用のストランド15aが仮止めされ、糸継空間Sが形成されたときにガス噴射部3からストランド15aにガスを噴射することによりストランド15aと糸条Gとを絡み合わせて糸継を行う糸継装置100であって、糸継空間Sの糸条走行方向の長さをL1、糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように、糸継空間形成部1が構成されてある。
【選択図】図1
【解決手段】糸継空間形成部1に予備ケーキ15から引き出された糸継用のストランド15aが仮止めされ、糸継空間Sが形成されたときにガス噴射部3からストランド15aにガスを噴射することによりストランド15aと糸条Gとを絡み合わせて糸継を行う糸継装置100であって、糸継空間Sの糸条走行方向の長さをL1、糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように、糸継空間形成部1が構成されてある。
【選択図】図1
Description
本発明は、糸継装置、及び当該糸継装置を備えたロービング製造装置に関する。
プリント配線板、ガラス繊維強化プラスチック(FRP、FRTP)等の工業製品の原材料として使用されるガラス繊維は、溶融ガラスを紡糸することによって得られる直径数μm〜数十μmのガラス繊維モノフィラメントを、数十本から数千本集束してガラス繊維束とし、これを一旦ドラムに巻き取ってケーキと呼ばれる状態に加工する。その後、ケーキからガラス繊維束を巻き戻し、このガラス繊維束に撚りをかけたガラスヤーンの形態や、ガラス繊維束をさらに複数本束ねて合糸したガラスロービングの形態で出荷される。
ここで、複数のケーキから引き出されたストランド(ガラス繊維束)が合糸された糸条からなるガラスロービングの製造工程では、例えば、ケーキに巻かれているストランドを使い果たして新たなケーキに切り替える場合や、ケーキから引き出されたストランドが不意に切断されてしまった場合、糸条を構成するストランドの本数が不足するため、糸条の一部が細くなった縮径部が発生する。この場合、糸条の縮径部を回復させるための糸継作業が必要となる。現在、糸条の縮径部に予備のストランドを絡めることにより自動的に糸継を行う糸継装置(スプライサー)が開発されている。
特許文献1では、糸継作業空間においてガス噴射部からガスを噴射することにより予備の糸継用のストランドと糸条とを絡めて糸継を行い、自動的に縮径部を回復させる糸継装置が開示されている。
特許文献1に記載の糸継装置は、糸継作業前の糸継用ストランドの状態を調整する調整手段を設け、当該調整手段により糸継用ストランドのテンション及び配置を最適化して糸継用ストランドと糸条との糸継効率を上げている。一方、糸継装置においては、糸継用ストランドと糸条とを絡み合わせる糸継空間の形態が糸継の成功率や糸継部の品質に関係し、この点については、特許文献1では十分な検討がなされていない。従って、特許文献1に記載の糸継装置においては、糸継効率の向上及び糸継後の糸継部分の引張強度の向上のための改善の余地が大きいと考えられる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い糸継効率及び糸継後の糸継部分に十分な引張強度を与える糸継装置を提供することを目的とする。さらに、当該糸継装置を備えた、生産効率の高いロービング製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い糸継効率及び糸継後の糸継部分に十分な引張強度を与える糸継装置を提供することを目的とする。さらに、当該糸継装置を備えた、生産効率の高いロービング製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る糸継装置の特徴構成は、
糸条の走行を支持する支持部と、
前記支持部に対して相対移動可能に構成するとともに、前記支持部と当接することにより前記糸条に対して糸継を行う糸継空間を形成する糸継空間形成部と、
前記糸継空間形成部又は前記支持部に設けられるガス噴射部と、
を備え、
前記糸継空間形成部に予備ケーキから引き出された糸継用のストランドが仮止めされ、前記糸継空間が形成されたときに前記ガス噴射部から前記ストランドにガスを噴射することにより前記ストランドと前記糸条とを絡み合わせて糸継を行う糸継装置であって、
前記糸継空間の糸条走行方向の長さをL1、前記糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように、前記糸継空間が構成されていることにある。
糸条の走行を支持する支持部と、
前記支持部に対して相対移動可能に構成するとともに、前記支持部と当接することにより前記糸条に対して糸継を行う糸継空間を形成する糸継空間形成部と、
前記糸継空間形成部又は前記支持部に設けられるガス噴射部と、
を備え、
前記糸継空間形成部に予備ケーキから引き出された糸継用のストランドが仮止めされ、前記糸継空間が形成されたときに前記ガス噴射部から前記ストランドにガスを噴射することにより前記ストランドと前記糸条とを絡み合わせて糸継を行う糸継装置であって、
前記糸継空間の糸条走行方向の長さをL1、前記糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように、前記糸継空間が構成されていることにある。
上記課題で説明したように、従来の糸継装置では、糸継効率及び糸継後の糸継部分の引張強度において、改善の余地があった。糸継用のストランドのテンション及び配置を最適化して、糸継用のストランドと糸条との糸継作業をより効率的に行い、糸継後の糸継部分の引張強度をさらに高めることが望まれている。
そこで、本発明者らは、鋭意検討したところ、糸継空間のサイズに着目し、糸継空間の糸条走行方向の長さをL1、糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように糸継空間を構成することで、ガス噴射部からのガス噴射により糸継空間の内部に理想的な旋回流が発生し、当該旋回流が糸継空間全体に亘って良好に維持されることを見出した。この糸継空間内で発生した旋回流により、糸継用のストランドは糸条の周りを糸条走行方向下流側に向かって糸継空間内を螺旋状に旋回することができるため、糸継用のストランドは糸条に効率よく絡み、その結果、糸継の効率及び糸継後の糸継部分の引張強度を向上させることが可能となった。したがって、本構成の糸継装置は、糸継作業の効率を高めると同時に、巻き取られるロービングの品質を維持することができる。また、本構成の糸継装置は、糸継空間のサイズのみに着目した技術であって、追加の部材を必要としないので、装置構成が複雑化しない。
そこで、本発明者らは、鋭意検討したところ、糸継空間のサイズに着目し、糸継空間の糸条走行方向の長さをL1、糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように糸継空間を構成することで、ガス噴射部からのガス噴射により糸継空間の内部に理想的な旋回流が発生し、当該旋回流が糸継空間全体に亘って良好に維持されることを見出した。この糸継空間内で発生した旋回流により、糸継用のストランドは糸条の周りを糸条走行方向下流側に向かって糸継空間内を螺旋状に旋回することができるため、糸継用のストランドは糸条に効率よく絡み、その結果、糸継の効率及び糸継後の糸継部分の引張強度を向上させることが可能となった。したがって、本構成の糸継装置は、糸継作業の効率を高めると同時に、巻き取られるロービングの品質を維持することができる。また、本構成の糸継装置は、糸継空間のサイズのみに着目した技術であって、追加の部材を必要としないので、装置構成が複雑化しない。
本発明に係る糸継装置において、
前記糸継空間が形成されたときに当該糸継空間の糸条走行方向の上流側部分にガスが噴射されるように、前記ガス噴射部が設けられることが好ましい。
前記糸継空間が形成されたときに当該糸継空間の糸条走行方向の上流側部分にガスが噴射されるように、前記ガス噴射部が設けられることが好ましい。
本構成の糸継装置は、糸継空間の糸条走行方向の上流側部分にガスが噴射されるようにガス噴射部が設けられていることから、糸継空間の糸条の走行方向の上流側部分から下流側部分に向かって、ガスの旋回流が糸継空間内の略全領域において発生する。これにより、糸継用のストランドは、噴射したガスの旋回流に乗って糸条の周りを糸継空間の糸条走行方向の上流側部分から下流側部分に向かって糸継空間内の略全ての空間を螺旋状に旋回することとなるため、糸継空間内の略全ての領域で糸継用のストランドが糸条に効率的に絡み合うことが可能となる。したがって、本構成の糸継装置は、糸継の効率をさらに高めることができるとともに、糸継後の糸継部分の引張強度をさらに高めることができる。
本発明に係る糸継装置において、
前記糸継空間が形成されたときに当該糸継空間の糸条走行方向の下流側部分に前記ストランドが位置するように、前記ストランドが仮止めされていることが好ましい。
前記糸継空間が形成されたときに当該糸継空間の糸条走行方向の下流側部分に前記ストランドが位置するように、前記ストランドが仮止めされていることが好ましい。
糸継を行う場合、糸継用のストランドは、糸継空間に発生するガスの旋回流に乗って螺旋状に旋回するが、糸継空間形成部に仮止めされた糸継空間から延出している糸継用のストランドの余剰部は、旋回流が直接的には作用しないので糸条にうまく絡まない場合があり、糸継後も糸条からほつれたような状態となることがある。本構成の糸継装置では、糸継用のストランドが糸継空間の糸条走行方向の下流側部分に位置するように、当該ストランドが仮止めされているため、糸条走行方向下流側の糸継空間から延出した糸継用のストランドの余剰部の長さを最小にすることができる。その結果、糸継が完了した糸条から糸継用のストランドがほつれる部分が少なくなり、巻き取られるロービングの品質を維持することができる。
本発明に係る糸継装置において、前記糸継空間が2<(L1/L2)<3となるように、前記糸継空間形成部が構成されていることが好ましい。
糸継空間の糸条走行方向の長さを大きく構成すると、糸継空間が拡大するため、糸継後のロービングの引張強度を高めることができる。ここで、糸継空間形成部に仮止めされている糸継用のストランドは、待機状態ではテンションが掛かっておらず静置された状態となっているため、糸継用のストランドが緩んで膨らみ易い状態となっている。このとき、糸継空間の糸条走行方向の長さL1を大きくし過ぎると、糸継空間形成部が支持部に当接して糸継空間を形成する際に、膨らんだ糸継用のストランドが支持部と糸継空間形成部との間に挟み込まれる虞がある。そうなると、糸継用のストランドが糸条に対して効率的に絡み合うことができず、糸継作業が失敗する可能性が高くなる。本構成の糸継装置であれば、糸継空間のサイズが2<(L1/L2)<3となるように、糸継空間形成部が構成されているので、糸継空間の糸条走行方向の長さが大きくなり過ぎず、糸継用のストランドが緩んで膨らむ前に、糸継空間形成部が支持部に当接して糸継空間が形成され、糸継用のストランドが支持部と糸継空間形成部との間に挟み込まれることを防止することができる。また、糸継空間形成部の糸条走行方向の長さを大きくし過ぎた場合、作業員が糸継用のストランドを糸継空間形成部に仮止めし難くなることがあるが、糸継空間のサイズを2<(L1/L2)<3に設定した本構成の糸継装置であれば、作業員は容易に糸継用のストランドを糸継空間形成部に仮止めすることができ、作業性が低下することはない。
本発明に係る糸継装置において、
糸継対象となる糸条に対して前記ストランドの状態を調整する調整手段が設けられていることが好ましい。
糸継対象となる糸条に対して前記ストランドの状態を調整する調整手段が設けられていることが好ましい。
本構成の糸継装置は、糸条に対してストランドの状態を調整する調整手段が設けられているので、糸条に対する糸継用のストランドの位置を最適化することができる。特に、糸条に対して糸継用のストランドを合わせるセンタリング調整を行う場合に、調整手段は有効である。さらに、調整手段により糸継用のストランドに作用する過剰なテンションを緩めることができるため、糸継の効率を向上させることができるとともに、急激な張力の増加による糸継用のストランドの切断を防止することができる。
上記課題を解決するための本発明に係るロービング製造装置の特徴構成は、
上記何れか一つに記載の糸継装置を備えることにある。
上記何れか一つに記載の糸継装置を備えることにある。
本構成のロービング製造装置は、上記何れか一つに記載の糸継装置であることから、糸継を効率的に行うことができ、さらにロービングの糸継部分の引張強度を高めることができる。したがって、本構成のロービング製造装置によれば、ロービングの生産効率を上げることができるとともに、ロービングの品質を維持することができる。
図1〜図6に基づいて本発明に係る糸継装置100、及び当該糸継装置100を用いたロービング製造装置200に関する実施形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<ロービング製造装置>
図1は、本発明のロービング製造装置200の全体の概略構成図である。図1に示すように、ロービング製造装置200は、複数のガラス繊維束(以下、「ストランド」と称する。)を合糸してなる糸条Gを巻き取ってガラスロービングを製造する装置であり、ケーキ支持装置10に支持された4つのケーキ11、12、13、及び14からストランド11a、12a、13a、及び14aを夫々引き出して、それらを第1合流部X1で束ねて合糸した糸条Gを巻取装置60によって回転コレット61に巻き取るように構成されている。なお、糸条Gを「本線」と称する場合がある。ストランド11a、12a、13a、及び14aは、夫々赤外線センサー31、32、33、及び34によって糸切れの有無の検査が行われる。ここで「糸切れ」とは、ストランドを使い果たして新たなケーキに切り替える際の空白状態や、ケーキから引き出されたストランドが切断された状態を含む。また、ケーキ支持装置10には、ケーキ11、12、13、及び14とは別に、予備の糸継ぎ用のストランド15aが巻かれた予備ケーキ15が設けられる。予備ケーキ15から引き出されている糸継用のストランド15aも赤外線センサー35によって監視されている。糸継用のストランド15aは、第1合流部X1を通して糸継装置100において待機状態にされている。糸継用のストランド15aを第1合流部X1に通す理由は、糸継後、糸継用のストランド15aが本線を構成する通常のストランドとして利用されることになるからである。ここで、例えば、ケーキ11から引き出されているストランド11aが切断した場合、糸条Gを構成するストランドの本数が4本から3本に減少するため、糸条Gが細くなってしまう。この状態を「縮径部」(後述の図4bのR)とする。糸条Gに縮径部Rが発生した場合、縮径部Rを元の状態に回復させるために糸継装置100において糸継作業が実行される。例えば、ストランド11aが切断したことを赤外線センサー31が検知すると、予備ケーキ15から引き出された糸継用のストランド15aが糸条Gに絡められる。これにより、糸条Gを構成するストランドが3本から4本に増加するため、糸条Gに発生していた縮径部Rは元の状態の太さに回復する。糸継ぎに使用された糸継用のストランド15aは、以後、通常のストランドとして本線を構成することになり、切断したストランド11aを供給するケーキ11は、予備ケーキとして利用されることとなる。
図1は、本発明のロービング製造装置200の全体の概略構成図である。図1に示すように、ロービング製造装置200は、複数のガラス繊維束(以下、「ストランド」と称する。)を合糸してなる糸条Gを巻き取ってガラスロービングを製造する装置であり、ケーキ支持装置10に支持された4つのケーキ11、12、13、及び14からストランド11a、12a、13a、及び14aを夫々引き出して、それらを第1合流部X1で束ねて合糸した糸条Gを巻取装置60によって回転コレット61に巻き取るように構成されている。なお、糸条Gを「本線」と称する場合がある。ストランド11a、12a、13a、及び14aは、夫々赤外線センサー31、32、33、及び34によって糸切れの有無の検査が行われる。ここで「糸切れ」とは、ストランドを使い果たして新たなケーキに切り替える際の空白状態や、ケーキから引き出されたストランドが切断された状態を含む。また、ケーキ支持装置10には、ケーキ11、12、13、及び14とは別に、予備の糸継ぎ用のストランド15aが巻かれた予備ケーキ15が設けられる。予備ケーキ15から引き出されている糸継用のストランド15aも赤外線センサー35によって監視されている。糸継用のストランド15aは、第1合流部X1を通して糸継装置100において待機状態にされている。糸継用のストランド15aを第1合流部X1に通す理由は、糸継後、糸継用のストランド15aが本線を構成する通常のストランドとして利用されることになるからである。ここで、例えば、ケーキ11から引き出されているストランド11aが切断した場合、糸条Gを構成するストランドの本数が4本から3本に減少するため、糸条Gが細くなってしまう。この状態を「縮径部」(後述の図4bのR)とする。糸条Gに縮径部Rが発生した場合、縮径部Rを元の状態に回復させるために糸継装置100において糸継作業が実行される。例えば、ストランド11aが切断したことを赤外線センサー31が検知すると、予備ケーキ15から引き出された糸継用のストランド15aが糸条Gに絡められる。これにより、糸条Gを構成するストランドが3本から4本に増加するため、糸条Gに発生していた縮径部Rは元の状態の太さに回復する。糸継ぎに使用された糸継用のストランド15aは、以後、通常のストランドとして本線を構成することになり、切断したストランド11aを供給するケーキ11は、予備ケーキとして利用されることとなる。
<糸継装置>
図1に示すように、糸継装置100は、糸継空間形成部1と、支持部2と、ガス噴射部3とを備えている。糸継空間形成部1は、糸継を行わない時に支持部2の上方に一定距離離間した状態で待機し、糸継作業時には支持部2に対して相対移動して支持部2と当接状態となり、糸継空間形成部1と支持部2との間に糸条Gに対して糸継を行うための円筒形の糸継空間(後述の図2のS)を形成する。したがって、糸継空間形成部1及び支持部2には、糸継作業を行うための糸継空間Sの少なくとも一部が形成されている。糸継空間形成部1の糸条Gの走行方向下流側部分には、糸継用のストランド15aを仮止めするための把持部4が備えられている。糸継用のストランド15aは、糸継空間形成部1の糸継空間Sを形成する部分を通り、把持部4により仮止めされている。
図1に示すように、糸継装置100は、糸継空間形成部1と、支持部2と、ガス噴射部3とを備えている。糸継空間形成部1は、糸継を行わない時に支持部2の上方に一定距離離間した状態で待機し、糸継作業時には支持部2に対して相対移動して支持部2と当接状態となり、糸継空間形成部1と支持部2との間に糸条Gに対して糸継を行うための円筒形の糸継空間(後述の図2のS)を形成する。したがって、糸継空間形成部1及び支持部2には、糸継作業を行うための糸継空間Sの少なくとも一部が形成されている。糸継空間形成部1の糸条Gの走行方向下流側部分には、糸継用のストランド15aを仮止めするための把持部4が備えられている。糸継用のストランド15aは、糸継空間形成部1の糸継空間Sを形成する部分を通り、把持部4により仮止めされている。
支持部2は、継ぎ合わせ対象となる糸条Gの走行を支持する。「糸条の走行を支持する」とは、糸条Gが支持部2を円滑に走行することを支援することを意味し、糸条Gが支持部2に直接接触することを要するものではない。支持部2には、糸継空間形成部1と当接状態にあるときに、糸継用のストランド15aにガス流を噴射するガス噴射部3が設けられている。ガス噴射部3には、空気や窒素ガス等のガス流を噴射するガス供給源50が接続されている。糸継空間形成部1が移動して支持部2と当接し、糸継空間Sが形成されると、ガス供給源50からガスが供給され、ガス噴射部3からガス流が噴射される。
図1に示されるように、糸継用のストランド15aは、糸継空間Sの外で把持部4により仮止めされていることから、糸継用のストランド15aには、糸継空間Sの外に延出した糸継用のストランド15aの余剰部Yが存在する。余剰部Yは、糸継空間形成部1の糸条Gの走行方向の下流側端部から外方に延出している。余剰部Yは、糸継空間S内で発生するガスの旋回流の作用を直接的に受けないため、糸条Gに絡み付かない場合がある。そこで、本実施形態では、把持部4を糸継空間形成部1の糸条Gの走行方向下流側の上部に配置し、当該把持部4により余剰部Yを仮止めしている。例えば、把持部4の配置箇所を、糸継空間形成部1の長さ(後述のL1に相当)に対し、糸継空間形成部1の糸条Gの走行方向上流側の端部から50%以上離れた位置とすることが好ましい。このように、糸継空間Sの糸条走行方向の下流側部分に糸継用のストランド15aが位置するように、把持部4で糸継用のストランド15aを仮止めすることで、糸継空間Sの外に延出している余剰部Yの長さを最小にすることができる。その結果、糸継が完了した糸条からストランドがほつれる部分が少なくなり、巻き取られるロービングの品質を維持することができる。
図2は、糸継空間形成部1と支持部2とが当接した状態にある糸継装置100の概略断面図である。糸継空間形成部1は、図2に示すように、糸継作業時には支持部2と当接状態となり、円筒形の糸継空間Sを形成する。糸継空間形成部1に備えられている把持部4は、糸条Gの走行方向から見て糸継空間形成部1の略中央上方部に設けられた把持部材4aと、把持部材4aに巻き付けられた糸継用のストランド15aを仮止めするための留め具4bとを備えている。これにより、把持部材4aに糸継用のストランド15aが巻き付けられ、その巻き付けられた状態で留め具4bを用いて糸継用のストランド15aを仮止めする。
留め具4bは、糸継用のストランド15aを仮止めするものであるため、把持部材4aに対して着脱可能な構造を有している。本実施形態では、留め具4bとして、リングマグネットを用いている。リングマグネットは、積層する枚数を変化させることで磁力を調節することができるので、把持力を容易に変更することができる。したがって、リングマグネットを用いれば、把持部4の把持力を好適な範囲である0.1〜1.1g重/mm2に調整可能である。把持力が0.1g重/mm2以上であれば、糸継用のストランド15aが把持部4から脱落することがない。また、把持力が1.1g重/mm2以下であれば、糸継作業を実行する際の糸継用のストランド15aの動きが邪魔されない。その結果、より確実に糸継作業を行うことができる。
支持部2には、糸継空間S内にガスを噴射させるためのガス噴射部3が備えられている。ガス噴射部3は、ガス供給源50から供給されるガスを通す噴射管40と、糸継空間Sの内壁面20に形成されたガスを糸継空間Sに噴射するための噴射口41とから構成される。糸継作業時に噴射口41から噴射されたガス流は、糸継空間Sの内壁面20に沿って糸条Gの走行方向下流側に向けて螺旋状に進行する旋回流となる。旋回流は、把持部材4aに仮止めされている糸継用のストランド15aに直接作用する。糸継用のストランド15aは、旋回流を受けると、把持部材4aから外れて糸継空間Sの内部で旋回流に乗って糸条Gの周りを螺旋状に動くことになる。これにより、糸継用のストランド15aと糸条Gとが十分に絡み合い、効率よく且つ確実に糸継が行われる。なお、噴射口41から噴射されたガス流は、糸条Gにも間接的に作用し、ガス流によってほぐされた糸条Gに糸継用のストランド15aが絡められることになる。
本実施形態では、ガス流が糸継用のストランド15aに直接作用するように、ガス噴射部3の噴射口41を糸継空間Sの壁面周方向に設けているが、ガス流が糸条Gに直接作用するように、ガス噴射部3の噴射口41を糸継空間Sの中心方向に向けてもよく、あるいは、糸継用のストランド15aと糸条Gとの両方にガス流が直接作用するように、ガス噴射部3の噴射口41を二つ設けてもよい。
本実施形態では、ガス流が糸継用のストランド15aに直接作用するように、ガス噴射部3の噴射口41を糸継空間Sの壁面周方向に設けているが、ガス流が糸条Gに直接作用するように、ガス噴射部3の噴射口41を糸継空間Sの中心方向に向けてもよく、あるいは、糸継用のストランド15aと糸条Gとの両方にガス流が直接作用するように、ガス噴射部3の噴射口41を二つ設けてもよい。
図3は、本発明の糸継装置100を構成する支持部2を上方から見た概略図である。白抜きの矢印は糸条Gの走行方向を示している。また、噴射口41から噴射される螺旋状のガス流を点線矢印で示してある。糸継空間Sは、糸継空間形成部1と支持部2とが当接することにより円筒形の空間として形成されるが、図3では円筒形の糸継空間Sの下半分を示してある。糸継空間S内に理想的なガスの旋回流を発生させることは、糸継の成功率を高めるとともに、糸継後の糸継部分の引張強度を向上させることに有効となる。本発明者らによる鋭意研究の結果、図3に示されるように、糸継空間Sの糸条Gの走行方向の長さをL1、糸条Gの走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、L1がL2より長くなる((L1/L2)>1)ように糸継空間Sを構成すると、噴射口41から噴射したガスが理想的な旋回流を形成し、糸継用のストランド15aが旋回流に乗って糸条Gの周りを螺旋状に旋回することを見出した。ここで、糸条Gの走行方向と直交する方向の長さL2は、糸継空間Sの走行方向視における断面図形において、最も大きい距離を取ることができる区間の長さである。例えば、糸継空間Sの走行方向視における断面図形が真円の場合、L2は当該真円の直径に相当し、楕円の場合、L2は当該楕円の長軸に相当する。糸継空間Sを(L1/L2)>1となるように構成すると、糸継用のストランド15aが糸条Gの周囲にしっかりと絡まり、糸継の効率を高めることができる。また、糸継用のストランド15aと糸条Gとの糸継部分が長くなり、糸継部分の引張強度を向上させることができる。なお、糸継空間S内に理想的な旋回流を発生させるためのL1とL2との関係は、(L1/L2)>1であればよいが、好ましくは1<(L1/L2)<3であり、さらに好ましくは2<(L1/L2)<3である。
ところで、糸継空間SのL1の長さを大きくすると、糸継空間Sの拡大により糸継後のロービングの引張強度を高めることができるが、糸継空間形成部1に仮止めされている糸継用のストランド15aは、待機状態ではテンションが掛かっておらず静置された状態となっているため、糸継用のストランド15aが緩んで膨らみ易い状態となっている。糸継用のストランド15aが膨らんだ状態で糸継空間形成部1と支持部2とが当接して糸継空間Sを形成すると、糸継用のストランド15aが糸継空間形成部1と支持部2との間に挟み込まれてしまい、その結果、糸継用のストランド15aが糸条Gに対して効率的に絡み合うことができず、糸継作業が失敗して糸継の作業効率を下げてしまうことがある。しかし、糸継空間Sのサイズを1<(L1/L2)<3となるように構成すると、糸継空間Sの糸条走行方向の長さが大きくなり過ぎず、糸継用のストランド15aが緩んで膨らむ前に、糸継空間形成部1が支持部2に当接して糸継空間Sが形成される。その結果、糸継用のストランド15aが支持部2と糸継空間形成部1との間で挟み込まれてしまうことはなく、糸継作業が中断することはない。また、作業員は容易に糸継用のストランド15aを糸継空間形成部1に仮止めすることができる。さらに、糸継空間Sを2<(L1/L2)<3となるように構成すると、作業効率を維持しながらさらに糸継の効率を高め、糸継後のロービングの糸継部分の引張強度を向上させることができる。
図3に示されるように、噴射口41から噴射されるガスは、糸継空間Sが形成されたときに糸継空間Sの糸条Gの走行方向の上流側部分に噴射されるように、ガスの噴射口41が上流側部分に設けられていることが好ましい。例えば、噴射口41の設置箇所を、糸継空間Sの糸条Gの走行方向の長さL1に対し、糸継空間Sの糸条Gの走行方向上流側の端部から25%以内の位置とすることが好ましい。この場合、噴射口41から噴射されたガス流は、円筒状の糸継空間Sの内周面に沿って、糸継空間Sの略全領域で旋回流を形成する。これにより、糸継用のストランド15aは、ガスの旋回流に乗って糸条Gの周りに螺旋状に旋回するため、糸継空間Sの略全領域で糸条Gに絡み合うことになり、糸継の効率、及び糸継後のロービングの引張強度がさらに向上する。
<糸継作業の動作>
次に、本発明の糸継装置100を用いて実行する糸継作業の動作について説明する。図4及び図5は、糸継動作を段階的に説明する糸継装置100の要部構成図である。
次に、本発明の糸継装置100を用いて実行する糸継作業の動作について説明する。図4及び図5は、糸継動作を段階的に説明する糸継装置100の要部構成図である。
図4(a)は、糸切れが発生していない段階の図であり、糸継作業が発生していない通常時の状態を示している。この状態では、糸継空間形成部1、ガス噴射部3、及び把持部4は待機状態となっている。本線を構成する正常な糸条Gは、支持部2を通り、図外の巻取装置60に向かって走行している。糸継用のストランド15aは、糸継空間形成部1の下部を通り、把持部4の把持部材4aに巻かれて、糸継用のストランド15aが脱落しない程度の把持力で留め具4bにより把持されている。糸継空間形成部1は支持部2から離間した状態で待機しており、ガス供給源50からガス噴射部3へのガスの供給は停止されている。
図4(b)は、糸切れが発生した段階の図であり、糸条Gに縮径部Rが発生した状態を示している。図1に示したストランド11a、12a、13a、及び14aの少なくとも一本に糸切れが生じた場合、本線を構成するストランドの本数が減少し、糸条Gが細くなった縮径部Rが発生する。赤外線センサー31、32、33、及び34は各ストランドの糸切れを検知し、別に設けられた図示しないコンピュータに検知信号を送信する。その際、コンピュータは、糸継装置100に糸継作業を行うよう指示する。同時に、ガス供給源50からガスを供給するため準備が始まる。なお、赤外線センサー31、32、33、及び34からの検知信号を、コンピュータを介さずに、糸継作業を行う各部に直接送信するように構成することも可能である。
図5(c)は、糸継装置100が作動した段階の図であり、糸継空間形成部1が支持部2に当接した状態を示している。この状態において糸継作業が行われる。糸継作業は、赤外線センサー31、32、33、及び34が糸切れを検知してから所定の時間経過後に行われる。糸切れが検知されると、所定のタイミングで糸継空間形成部1が支持部2に向けて下方に移動する。糸継空間形成部1が支持部2に当接すると、両者間に糸継空間Sが形成され、当該糸継空間Sの内部で糸継作業が行われる。糸継作業は、支持部2に設けられたガス噴射部3にガス供給源50からガスが供給されると直ちに糸継空間Sの内部にガス流が噴射され、把持部4に把持されている糸継用のストランド15aにガスが吹き付けられるとともに、糸継空間Sの内壁に沿って旋回流となり、その結果、糸継用のストランド15aは糸継空間Sの内部で螺旋状に動き回り、糸条Gの縮径部Rに絡み付く。その後、糸継用のストランド15aは、糸条Gの走行とともに予備ケーキ15から連続的に引き出される。
図5(d)は、糸継が終了した段階の図であり、糸継作業が完了した状態を示している。糸継空間形成部1は元に存在した位置に退行する。糸継ぎに使用された糸継用のストランド15aは、以後は通常のストランドとしてそのまま利用され、第2合流部X2で糸条Gと合わされて本線となる。糸継作業が完了した糸条Gは、図外の巻取装置60に巻き取られてガラスロービングとなる。図4及び図5の一連の工程の後は、次回の糸継作業に備えて、把持部4に新たな予備のストランドがセットされる。
<糸継用ストランドの調整>
糸継装置100には、糸継対象となる糸条Gに対してストランドの状態を調整する調整手段5を設けることも可能である。
糸継装置100には、糸継対象となる糸条Gに対してストランドの状態を調整する調整手段5を設けることも可能である。
図6は、調整手段5を備えた糸継装置100の動作を説明する図である。調整手段5は、例えば、ハンガー等の引掛手段で構成され、糸継空間形成部1に対して連動可能に構成されている。図6(a)は、調整手段5の作動前の図であり、糸継作業が発生していない通常時の状態を示している。この状態では、糸継空間形成部1及び調整手段5は待機状態となっている。糸切れが検知されると、図6(b)に示されるように、糸継空間形成部1が支持部2に向けて下方に移動する。それとともに、調整手段5は支持部2に接近するように変位し、糸継用のストランド15aを糸条Gの直上に位置するように最適化する。特に、糸条Gに対して糸継用のストランド15aを合わせるセンタリング調整を行う。これにより、糸継用のストランド15aと糸条Gとを確実に絡ませることができ、糸継の効率を向上させることが可能となる。また、調整手段5は、糸継空間形成部1とともに下方に移動するため、糸継空間形成部1の移動により生じる糸継用のストランド15aに掛かる過剰なテンションを緩めることができる。その結果、糸継用のストランド15aの切断を防止することが可能となる。
調整手段5の位置は、調整手段5に通された直後の糸継用のストランド15aが、把持部4の略中央に設けられた把持部材4aに巻き付けられている糸継用のストランド15aに対して最短距離でつながるように合わせられる。最適には、上方視で、糸継用のストランド15aと糸条Gとが略重なるように調整手段5の位置合わせ(センタリング調整)を行う。このような位置に調整すれば、把持部4で仮止めされている糸継用のストランド15aが無理に引っ張られたり、糸継用のストランド15aの絡み合い部分の長さが不足したりする虞がない。さらに、調整手段5の位置を最適に調節することによって、糸継作業を行うための糸継空間Sの内部でも糸継用のストランド15aを糸条Gの走行方向の直上に位置するように設定することができる。これにより、糸継空間Sの内部に発生するガスの旋回流を最大限に利用して、糸条Gの周りに糸継用のストランド15aを螺旋状に旋回させ、糸継用のストランド15aと糸条Gとを十分に絡み合わせることができる。その結果、糸条Gの糸継部分の強度を向上させることができる。また、位置合わせを実行することにより、糸継の効率及び糸継部分の引張強度をさらに高めることができる。
本発明の糸継装置の実施例について説明する。本発明に従い、糸継空間のL2に対するL1の長さ、及びガスの噴射口の位置を変更した糸継装置について、以下の糸継試験を実施した。糸継試験では、糸継された糸条における糸の絡まり状態、巻き取られたロービングからの糸の解舒不良発生率、糸条の糸継部分の引張強度、及び糸継成功率について測定又は評価した。糸の解舒不良は、糸の解舒時におけるロービングの引っ掛かりを意味する。糸の解舒不良発生率とは、後に製造されたロービングからの糸の解舒不良の発生割合をパーセント表示したものであり、糸継部分の引張強度とは、比較例における糸継部分の引張強度を100として表した指数であり、糸継成功率とは、試行した糸継回数に対して糸継ぎに成功した回数をパーセント表示したものである。糸の絡まり状態については、熟練した作業者による目視確認で行い、引張強度については、ガラス繊維一般試験方法として規定されているJIS R3420(2006)に略準じる内容で測定した。JIS R3420(2006)によれば、引張試験に供する試料の一条件として、「僅かでもループ又は結びを生じさせてはならない。」と規定されているが、本実施例は糸継部分の引張強度を測定する試験であるため、上記条件については満たしていない。JIS R3420(2006)に規定されるその他の条件については、すべて満たしている。
実施例1は、L1/L2=2となるように糸継空間形成部及び支持部を設定し、ガスの噴射口を支持部側の糸継空間の中央部分に設けた。実施例2は、L1/L2=3となるように糸継空間形成部及び支持部を設定し、ガスの噴射口を支持部側の糸継空間の中央部分に設けた。実施例3は、L1/L2=3となるように糸継空間形成部及び支持部を設定し、ガスの噴射口を支持部側の糸継空間の糸条走行方向の上流側部分に設けた。比較例は、従来の糸継装置を用いて糸継作業を行っており、L1とL2との長さは略同じ(L1/L2=1)に構成され、ガスの噴射口は支持部側の糸継空間の中央部分に設けている。試験結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1は、糸の絡まり状態が良好であり、ロービングの糸の解舒不良発生率が低く、糸継部分の引張強度及び糸継の成功率が高くなった。実施例2では、実施例1よりもさらに糸継部分の引張強度及び糸継の成功率が高くなった。実施例3では、ガスの噴射口を糸条走行方向の上流側部分に設けることにより、糸の絡まり状態が特に優れており、ロービングからの糸の解舒不良発生率が極めて低く、糸継部分の引張強度及び糸継の成功率がさらに高くなることが確認された。一方、比較例は、糸の絡まり状態が不良であることから、ロービングの糸の解舒不良発生率が高くなるとともに、糸継部分の引張強度の低下及び糸継の成功率の低下にもつながっていると考えられる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、仮止めされた糸継用のストランド15aは、糸継空間S内で発生する旋回流により把持部材4aから外れるように構成した例を示したが、把持部材4aから糸継用のストランド15aを解除するためにガスの噴射と連動して、把持部材4aの把持力を弱めて、糸継用のストランド15aが自動的に外れるように構成してもよい。
(1)上記実施形態では、仮止めされた糸継用のストランド15aは、糸継空間S内で発生する旋回流により把持部材4aから外れるように構成した例を示したが、把持部材4aから糸継用のストランド15aを解除するためにガスの噴射と連動して、把持部材4aの把持力を弱めて、糸継用のストランド15aが自動的に外れるように構成してもよい。
(2)上記実施形態では、ガス噴射部3を支持部2に設けている例を示したが、糸継空間形成部1に設けてもよい。これにより、ガス流を、糸継用のストランド15aに強く作用させることができ、糸継用のストランド15aを把持部4から容易に外すことができる。
本発明に係る糸継装置、及び当該糸継装置を備えたロービング製造装置は、プリント配線板、ガラス繊維強化プラスチック(FRP、FRTP)等の工業製品の原材料として使用されるガラス繊維をガラスロービングの形態に加工する製造工程において、ガラス繊維に糸切れが発生した場合に利用可能である。また、ガラス繊維以外の繊維(例えば、合成繊維、天然繊維、炭素繊維)における糸継作業にも利用可能である。
1 糸継空間形成部
2 支持部
3 ガス噴射部
5 調整手段
15 予備ケーキ
15a 糸継用のストランド
100 糸継装置
200 ロービング製造装置
G 糸条
S 糸継空間
2 支持部
3 ガス噴射部
5 調整手段
15 予備ケーキ
15a 糸継用のストランド
100 糸継装置
200 ロービング製造装置
G 糸条
S 糸継空間
Claims (6)
- 糸条の走行を支持する支持部と、
前記支持部に対して相対移動可能に構成するとともに、前記支持部と当接することにより前記糸条に対して糸継を行う糸継空間を形成する糸継空間形成部と、
前記糸継空間形成部又は前記支持部に設けられるガス噴射部と、
を備え、
前記糸継空間形成部に予備ケーキから引き出された糸継用のストランドが仮止めされ、前記糸継空間が形成されたときに前記ガス噴射部から前記ストランドにガスを噴射することにより前記ストランドと前記糸条とを絡み合わせて糸継を行う糸継装置であって、
前記糸継空間の糸条走行方向の長さをL1、前記糸条走行方向と直交する方向の長さをL2とした場合、(L1/L2)>1となるように、前記糸継空間形成部が構成されている糸継装置。 - 前記糸継空間が形成されたときに当該糸継空間の糸条走行方向の上流側部分にガスが噴射されるように、前記ガス噴射部が設けられている請求項1に記載の糸継装置。
- 前記糸継空間が形成されたときに当該糸継空間の糸条走行方向の下流側部分に前記ストランドが位置するように、前記ストランドが仮止めされている請求項1又は2に記載の糸継装置。
- 前記糸継空間が2<(L1/L2)<3となるように、前記糸継空間形成部が構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の糸継装置。
- 糸継対象となる糸条に対して前記ストランドの状態を調整する調整手段が設けられている請求項1〜4の何れか一項に記載の糸継装置。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の糸継装置を備えたロービング製造装置。
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JP2012178239A JP2014034466A (ja) | 2012-08-10 | 2012-08-10 | 糸継装置、及びロービング製造装置 |
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JP2021050060A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-01 | 日本電気硝子株式会社 | ロービングの糸継ぎ方法、糸継ぎ装置、及びロービング |
JP2021098568A (ja) * | 2019-12-20 | 2021-07-01 | 日本電気硝子株式会社 | ロービングの製造方法 |
JP2021147234A (ja) * | 2020-03-23 | 2021-09-27 | ダイセルポリマー株式会社 | クリールユニット及びクリール装置 |
-
2012
- 2012-08-10 JP JP2012178239A patent/JP2014034466A/ja active Pending
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