JP2007062585A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いて空気入りタイヤを構成するに際して、該繊維コードを繋ぎ合わせて使用せざるを得ないときでも、該繋ぎ合わせ部分が存在することにより、タイヤの加工の際に不都合を招くことや、タイヤの性能を損なったり、故障の原点となることのない空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いてなる空気入りタイヤであって、該補強用有機繊維コードの繋ぎ目部分は、下撚り有機繊維糸どおしが繋がれて形成され、かつ、複数個存在する該下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目がコード長さ方向で20mm以上離れて存在するようにして構成されて、かつ前記上撚りが施されてなる空気入りタイヤ。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された有機繊維コードを、補強用繊維コードとして、ベルト補強層やカーカスに用いたラジアルタイヤあるいはバイアスタイヤなどの空気入りタイヤが知られている。
かかる有機繊維コードは、一般に、もとは糸巻き体から引き出されたものであるから無限の長さを有するものではなく、タイヤ製造にあたっては適宜に糸繋ぎ(繊維コード繋ぎ)がされて使用されている。
かかる糸繋ぎを行うに際して、従来は、ミシン掛けして繋ぐミシンノット法と、空気交絡させて繋ぐエアーノット法の二つの方法が知られている。
すなわち、主に、複数本の下撚り糸が上撚りされている状態を保っている有機繊維コード状態のままで、該有機繊維コードの後端部と先端部をある程度の長さ以上を重ねて、その重なった有機繊維糸の部分をミシンがけして繋ぐ手法(ミシンノット法)や、あるいは、主に、繋ぐべき下撚り糸どうしを重ね合わせて空気交絡処理をして繋ぐ手法(エアーノット法)などが採用されていた。
しかし、これらの従来の方法では、以下に記載するような不都合点があった。
すなわち、有機繊維コードの繋ぎ目部分で、繊維糸・繊維が重なり合いを有することにより、ミシンノット法では繋ぎ目部分のコード直径が有機繊維コードの通常部分(繋ぎ目でない部分)の約1.9倍程度となり、また、エアーノット法では繋ぎ目部分のコード強力が有機繊維コードの通常部分(繋ぎ目でない部分)の約0.7倍程度となる点である。
図1に、ミシンノット法により形成されるミシン繋ぎ目の概念モデル図を示すが、有機繊維コードの後端部C1 と先端部C2 をある程度長さ以上を重ねて、その重なった4本の有機繊維糸の部分をミシンがけして繋ぐ手法(ミシンノット法)であり、下撚り糸A1 、A2 の後端部と、下撚り糸B1 、B2 の先端部の重なり合った領域に対して、そのままミシン掛けをして2本の有機繊維コードを繋ぎ合わせるものである。このような繋ぎ方では、繋ぎ目部分のコード径が通常部分よりも、上述のような相当倍数にて太くなるのである。
このように繊維の繋ぎ目部分で該コード径が大きいものである結果、該有機繊維コードを押出工程を経て、ストリップに成形し、タイヤに使用する場合、上撚にミシンや人手による繋ぎ目部分があるとコードゲージが大きく、押出機の金型の孔に引掛かり、切れてしまうため、繋ぎ目の存在しないディップコードを使用する必要がある。そのため、生産性が低く、ひいてはコストアップ化の要因となっていた。
また、有機繊維コードをすだれ織物に使用する場合では、すだれ織物を、圧延工程を経てストリップに成形し、タイヤに使用せんとする際に、上撚りにミシンや人手による繋ぎ目部分が存在すると、コードゲージの段差が大きく、該部分が故障の起点となるため、タイヤの耐久性が悪化するという問題があった。
また、比較的高弾性な有機繊維コードをカーカスに使用する場合には、サイド部のへこみの原因になるという不都合があった。
一方、類似した技術・発明に関する先行特許文献として、以下の特許文献1〜3がある。 まず、従来よりも格段に長さの長い樹脂処理シングルコードの製造が可能な製造方法として、弾性成型体補強用の連続したコードである樹脂処理シングルコードの製造方法であって、コードを経糸とし、低強度糸を緯糸としたすだれ織物の長さ方向第1端部においては幅方向の第1端部から第2端部方向に奇数本目のコードと前記奇数本目のコードに隣接する偶数本目のコードとを連結し、長さ方向第2端部においては幅方向の第1端部から第2端部方向に偶数本目のコードと前記偶数本目のコードに隣接する奇数本目のコードとを連結して、前記すだれ織物を構成するコードが連続した1本の連続したコードとなるように連結して連続コードすだれ織物とし、前記連続コードすだれ織物を樹脂処理してロール状に巻取り、次いで、前記巻物の幅方向端部からコードを引き出して巻き取ることを特徴とする樹脂処理シングルコードの製造方法が提案され、具体的には、前記コードの連結をエアーノット法またはミシンノット法により行うという樹脂処理シングルコードの製造方法が知られている(特許文献1)。しかし、かかる提案になる発明は、繊維コードの繋ぎ目が発生しないようにすることが主旨の発明であり、結び目の処理手法に関するものではない。
また、インナーライナー層を設けない構造にして軽量化を図るとともに、カーカス層のスプライス部におけるバンピーサイドの発生を抑制して外観を向上し、かつ耐久性を向上するようにした空気入りタイヤが提案され、具体的には、 カーカス層のタイヤ周方向両端部を互いに重ね合わせて接合した空気入りタイヤにおいて、カーカス層の内面をタイヤ内側空間に直接露出させた構成にすると共に、カーカス層のコートゴムとしてエポキシ化天然ゴム、イソブチレンとパラメチルスチレンとの共重合体のハロゲン化ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びニトリルゴムからなる群から選択された少なくとも1種の低空気透過性ゴムを配合した低空気透過性ゴム組成物を使用し、カーカス層のスプライス部に少なくともジエン系ゴムを含有する中間ゴム層を介在させたという空気入りタイヤが提案されている(特許文献2)。
しかし、この特許文献2のものは、カーカスの継ぎ目をバットではなく、重ね合わせることでサイド部のふくらみ防止を図っているものであり、繊維コードの繋ぎ合わせに関するものではなく、本発明とは技術思想を相違するものである。
また、目ずれを起こさず、すだれ織物製織時や製織後の熱収縮によってひずみを起こさず、撚糸時や製織時に毛羽やフィブリル状物の発生がなく、すだれ織物上や織機上にも毛玉や粉のない高品位の、ゴム補強用材料等に適したすだれ織物を提供することを目的に、経糸と緯糸とから構成されたすだれ織物において、経糸を構成する繊維の50質量%以上がポリケトン繊維であって、経糸と緯糸との繊維−繊維間静止摩擦係数(μs)が0.2以上であるというすだれ織物が提案されている(特許文献3)。
しかし、かかる特許文献3に記載されている提案は、すだれ織物の経糸および緯糸間の目ずれの発生防止、すだれ織物の毛玉、粉防止のために混撚りで形成されている。
特開2004−360125号公報 特開平10−193926号公報 特開2003−49339号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いて空気入りタイヤを構成するに際して、該繊維コードを繋ぎ合わせて使用せざるを得ないときでも、該繋ぎ合わせ部分が存在することにより、タイヤの加工の際に不都合を招くことや、タイヤの性能を損なったり、故障の原点となることがない、空気入りタイヤを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の(1) の構成を有するものである。
(1)複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いてなる空気入りタイヤであって、該補強用有機繊維コードの繋ぎ目部分は、下撚り有機繊維糸どおしが繋がれて形成され、かつ、複数個存在する該下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目がコード長さ方向で20mm以上離れて存在するようにして構成されて、かつ前記上撚りが施されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
更に、かかる本発明の空気入りタイヤにおいて、より好ましい具体的構成として、以下の(2) 〜(7) の具体的構成を有するものである。
(2)下撚り有機繊維糸どおしを繋ぐ手段として、該下撚り有機繊維糸を構成する有機繊維フィラメントを結合させる手段を用いてなることを特徴とする上記(1) の空気入りタイヤ。
(3)下撚り有機繊維糸を構成する有機繊維のフィラメントを結合させる手段として、空気交絡手段を用いてなることを特徴とする上記(2) の空気入りタイヤ。
(4)少なくとも1本の下撚り有機繊維糸が、弾性率0.27cN/dtex以上のものであることを特徴とする上記(1) 、(2) または(3) の空気入りタイヤ。
(5)複数本の下撚り有機繊維糸が、糸−糸間摩擦係数(μs)が0.2以上の有機繊維糸と、糸−糸間摩擦係数(μs)が0.2未満の有機繊維糸とを少なくとも有し、同じ有機繊維糸どうしが繋がれてなることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) または(4) の空気入りタイヤ。
(6)ラジアルタイヤであることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) または(5) の空気入りタイヤ。
(7)バイアスタイヤであることを特徴とする上記(1) 、(2) 、(3) 、(4) または(5) の空気入りタイヤ。
本発明によれば、複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いて空気入りタイヤを構成するに際して、該繊維コードを繋ぎ合わせて使用せざるを得ないときでも、該繋ぎ合わせ部分が存在することにより、タイヤの加工の際に不都合を招くことや、タイヤの性能を損なったり、故障の原点となることのない空気入りタイヤを提供することができる。
具体的には、押出し工程を経る場合でも、繊維コード接合部があったとしても工程通過性の問題がほとんどない。コード結合部のコードゲージ(径)が、通常部分のコードゲージ(径)と差が小さいため、タイヤ故障の起点となり難い。高弾性有機繊維を補強繊維コードに用いた場合でも、なおかつ、カーカスの補強に使用した場合でも、サイドのへこみを軽減することができる。
以下、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて説明する。
本発明の空気入りタイヤは、複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いてなる空気入りタイヤであって、補強用有機繊維コードの繋ぎ目部分は、下撚り有機繊維糸どおしが繋がれて形成され、かつ、複数個存在する該下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目がコード長さ方向で20mm以上離れて存在するようにして構成されて、かつ前記上撚りが施されてなる空気入りタイヤである。
かかる構造の概念を図2、図3を用いて説明すると、図2、図3は、本発明に従い糸繋ぎされる補強用繊維コードを説明するための概念モデル側面図であり、補強用有機繊維コードC1 、C2 の各下撚り糸A1 、A2 と、B1 、B2 が、それぞれA1 とB1 、A2 とB2 の組合せで突き合わ状態で、それぞれの先端付近で、上撚り、下撚りが、交絡に必要な程度で解かれ、その状態で空気交絡処理が施されることにより、構成フィラメントが交絡されて糸繋ぎがなされる。なお、図1、図2および図3では、理解の容易化を図るため、図面上では上撚りは省略し描いていないが、実際には下撚りとともに上撚りが存在しているものである。
この空気交絡による糸繋ぎは、従来から使用されてきているエアー交絡ノッタを使用して行うことができるが、撚り数を繋ぎ目部の前後でも均一にするためには、解撚、撚糸機構を備えたエアー交絡ノッターであることが望ましい。
本発明においては、下撚り有機繊維糸が複数本存在しているので、該下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目は複数個存在し、該複数個存在する該下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目がコード長さ方向で20mm以上離れて存在するように構成して糸繋ぎを行うことが重要であり、繋ぎ目を20mm以上離して糸繋ぎを行うことにより、繊維コード繋ぎ目部分全体としての径の増大を抑えることができるものである。
ここで、「下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目がコード長さ方向で20mm以上離れて存在する」とは、各継ぎ目部分の端部と端部間の距離が20mm以上あることをいい、図3において示した距離L(「一方の糸の繋ぎ目と通常太さ部分の境界点」と「他方の糸の繋ぎ目と通常太さ部分の境界点」間の距離)が20mm以上あることをいう。
該Lの値は、少なくとも20mmはあるように糸繋ぎ点を離すことが肝要であり、そのLの値の好ましい上限値は100mm、より好ましくは70mmであり、20〜70mmの範囲内で離れていることが最も好ましい。
糸繋ぎをなされた補強用有機繊維コードは、通常部分と同様に、必要な上撚りをかけられてタイヤの製造に供される。
下撚り有機繊維糸どうしを繋ぐ手段としては、該下撚り有機繊維糸を構成する有機繊維フィラメントを結合させ得る手段であれば、特に限定されることなく使用でき、例えば、空気交絡、ミシン縫い、接着剤を用いた接合などの手段を用いることができる。中でも、空気交絡による接合法が、繊維自体の絡合によるものであり、接合剤(接着剤)やミシン糸等の他素材を使用しない点で、他方法よりも優れている。
また、本発明者らの各種検討によれば、少なくとも1本の下撚り有機繊維糸が、弾性率0.27cN/dtex以上のものであるケースに、本発明の繋ぎ目手法を採用すれば効果が大きい。具体的には、ポリオレフィンケトン、アラミド、ポリエチレンテレフタレートなどの高弾性繊維を使用しているケースに本発明を採用すると好ましい。
本発明において、突き合わされた状態で結合される有機繊維糸どうしは、例えば、図2、図3におけるA1 とB1 (A2 とB2 )は、同一種類の有機繊維糸であってもよく、あるいは相違する種類の有機繊維糸であってもよい。
すなわち、例えば、有機繊維糸が、1本がナイロン66繊維糸、他の1本がポリケトン繊維糸であるような場合においては、同種繊維糸であるナイロン66繊維糸どうしとポリケトン繊維糸どうしを結合させるのがより好ましいが、異種繊維糸どうしを結合させるようにしてもよいものである。
一般的には、下撚り有機繊維糸どうしの繋ぎ目が離れて存在するように構成される本発明の場合は、特に、異種類の有機繊維糸を繋ぐと、コードを構成する有機繊維糸が一種類だけである長さ部分が生ずるという結果を招き、該長さ部分において、他部分とコードの伸び特性が相違することになり、それがタイヤの走行耐久性に悪影響を与えるおそれがある。従って、本発明では、同一種類の有機繊維糸どうしを繋ぐことが好ましく、このことは、下撚り有機繊維糸が2本の場合、3本の場合、それ以上の場合でもそうである。
加えて、複数本の下撚り有機繊維糸が、糸−糸間摩擦係数(μs)が0.2以上の有機繊維糸と、糸−糸間摩擦係数(μs)が0.2未満の有機繊維糸とを少なくとも有している如き複数の繊維糸の組合せで使用されている場合には、摩擦係数レベルが同じ同一種類の有機繊維糸どうしを繋ぐ方が、一般に接合効果が高く良い結果となるので、特に好ましい。
また、本発明者らの各種知見によれば、例えば、弾性率が0.27cN/dtex以上のものなどの比較的高弾性な有機繊維コードの接合手法に本発明を採用すれば、接合部の径が大きくなることは抑えられるので、該コードをカーカスに使用してもサイドの凹みになることを良好に防止でき、好ましい。
本発明における補強用有機繊維コードは、そのタイヤにおいての使用箇所は、例えば、ベルト補強層、カーカス層等に適宜に使用することができる。
従って、本発明において、空気入りタイヤとは、ラジアルタイヤ、バイアスタイヤなどを問わないものである。
以下、実施例、比較例に基づいて、本発明の空気入りタイヤについて具体的に説明をする。
なお、説明に用いた各物性値の定義、測定方法は、以下のとおりである。
(1)繋ぎ目どおしの距離(L):
図3に示したように、繋ぎ目部分の端部から端部までの距離であり、中心間距離ではない。測定は、JIS L 0105に規定する標準状態の試験室内で、目視観察で繋ぎ目部分の端部の位置を決め、ノギスを用いて測定した。
(2)糸−糸間摩擦係数(μs):
軸方向が水平となるようにしてかつ回転可能にされている直径が25.4mmで、高さが50mmの円筒の周りに、糸−糸間摩擦係数(μs)を測定しようとする有機繊維糸を0.2cN/dtexの張力をかけて巻き付ける。巻き付け方は、円筒の外周面が露呈しないように念入りにほぼ一重に巻き付ける。
更に、該有機繊維糸(長さ:30.5cm)を該円筒に掛ける。掛け方は、水平な円筒の上方から下方に向けて有機繊維糸の中央部が円筒に掛かるように両端を垂らす。そして円筒に掛けた有機繊維糸の片方の端部に、荷重が0.2cN/dtexの錘りを結び、他方端部にはストレインゲージを取り付ける。ストレインゲージを取り付けた一方端は、実験台に固定する。
その後、円筒を18mm/分の周速で、錘りが結ばれている端部側に糸を進める方向に回転させ、そのときに他端側に加わる糸張力をストレインゲージで測定する。
こうして測定した張力により、以下式により糸−糸間摩擦係数(μs)を求める。
糸−糸間摩擦係数(μs)=(1/π)×b(張力/錘りの重さ)
測定は、n数を10として行いその平均値をとった。
(3)弾性率:
JIS L 1017に規定された標準時試験の方法で一定荷重時伸び率を測定し、該伸び率より弾性率を算定した。測定は、n数を5として行いその平均値をとった。
(4)接続部ゲージ:
コードゲージは、JIS L 1017に規定された方法で測定した。補強用繊維コードの接続部がない部分のゲージを1とした場合の数値で示したものである。
(5)接続部強力保持率:
JIS L 1017に規定された標準時試験の方法で強力を測定した。
補強用繊維コードの接続部がない部分の強力を100%とした場合の数値で示した。測定は、n数を10として行いその平均値をとった。
(6)高速耐久性:
タイヤサイズが195/60R15のタイヤを製作し、ドラム試験機によりJIS D4230に規定される高速耐久性試験を終了した後、さらに30分間毎に速度を10km/時間ずつ増加させてタイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。
評価は、後述する比較例2のデータを100とした指数評価で行い、数値が大きいほど優れているものである。
(7)サイド部へこみ:
タイヤサイズが175/60R14のタイヤを製作し、サイド部のへこみの有無をチェックし、ノギスにてそのへこみ量を算定した。
評価は2段階で行い、へこみの直径が、10mmを超えるものの割合が5%を超えた場合を不味として評価して「×」と記し、10mmを超えるものの割合が5%を超えないものを合格として「○」と記した。
(8)荷重耐久性:
タイヤサイズが195/60R15のタイヤを製作し、ドラム径1707mmのドラム試験機を使用し、走行速度を81km/時間とし、JATMAに規定される最大荷重(最大負荷能力)の88%から開始して、2hr毎に13%ずつ荷重を増加させて破壊するまでの総走行距離を測定した。
評価は、後述する比較例2のデータを100とした指数評価で行い、数値が大きいほど優れているものである。
実施例1〜3、比較例1、2
補強用有機繊維として、下撚り糸として、ポリオレフィンケトン(POK)繊維糸とナイロン66(66N)繊維糸の各種の組合せで用いて、ベルト補強層を構成した。
接続部は、表1に示したとおりの各種の接続法・接続態様にて接続された補強用繊維コードの接続部が、ベルト補強層の中にそれぞれがほぼ同位置で配置されるようにして、タイヤを製作し、比較評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007062585
実施例4〜6、比較例3、4
補強用有機繊維として、下撚り糸として、ポリオレフィンケトン(POK)繊維糸とポリエチレンテレフタレート(PET)繊維糸の各種の組合せで用いて、カーカス層を構成した。
接続部は、表2に示したとおりの各種の接続法・接続態様にて接続された補強用繊維コードの接続部が、カーカス層のサイド部の中にそれぞれがほぼ同位置で配置されるようにして、タイヤを製作し、比較評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2007062585
図1は、ミシンノット法により形成されるミシン繋ぎ目の構造を示した概念モデル側面図である。 図2は、本発明に従い糸繋ぎされる補強用繊維コードを説明するための概念モデル側面図である。 図3は、本発明に従い糸繋ぎされる補強用繊維コードを説明するための概念モデル側面図である。
符号の説明
1 :下撚り糸
2 :下撚り糸
1 :下撚り糸
2 :下撚り糸
L:複数個ある下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目のコード長さ方向での相互間距離

Claims (7)

  1. 複数本の下撚り有機繊維糸が上撚りされて形成された補強用有機繊維コードを用いてなる空気入りタイヤであって、該補強用有機繊維コードの繋ぎ目部分は、下撚り有機繊維糸どおしが繋がれて形成され、かつ、複数個存在する該下撚り有機繊維糸どおしの繋ぎ目がコード長さ方向で20mm以上離れて存在するようにして構成されて、かつ前記上撚りが施されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 下撚り有機繊維糸どおしを繋ぐ手段として、該下撚り有機繊維糸を構成する有機繊維フィラメントを結合させる手段を用いてなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 下撚り有機繊維糸を構成する有機繊維のフィラメントを結合させる手段として、空気交絡手段を用いてなることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 少なくとも1本の下撚り有機繊維糸が、弾性率0.27cN/dtex以上のものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の空気入りタイヤ。
  5. 複数本の下撚り有機繊維糸が、糸−糸間摩擦係数(μs)が0.2以上の有機繊維糸と、糸−糸間摩擦係数(μs)が0.2未満の有機繊維糸とを少なくとも有し、同じ有機繊維糸どうしが繋がれてなることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の空気入りタイヤ。
  6. ラジアルタイヤであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の空気入りタイヤ。
  7. バイアスタイヤであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の空気入りタイヤ。
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