JP4415480B2 - 構造基板および半導体装置の製造方法 - Google Patents

構造基板および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の表面にこの表面から突出したリッジ部を部分的に備えた構造基板の製造方法、およびこれを用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
III−V族化合物半導体、すなわち、砒化ガリウム(GaAs),砒化アルミニウム(AlAs),砒化インジウム(InAs),燐化インジウム(InP),燐化ガリウム(GaP)やアンチモン化ガリウム(GaSb)などを用いた半導体レーザは、室温での発振波長が赤色から赤外領域にまで及んでおり、高密度光ディスクの光源,光通信装置あるいはレーザポインタなどのデバイスへの応用が期待されている。
【0003】
これらデバイスへの応用に際して、閾値電流をより低下させることが望まれており、その方法の1つとしてSDH(Separate Double Heterostructure)構造が提案されている。例えばリッジ基板のような段差のある構造基板の上に半導体層を成長させると、ちょうど断層のように層がずれて、段上の活性層の両側には電流ブロック層が位置するように形成される。このようにして、内部電流狭窄機構を有する屈折率導波構造、すなわちSDH構造が得られる(特開昭61−183987,Electronics Letters Vol.32 No.7(1996)pp.664,IEEE J.QuantumElectron.Vol.28(1992)p4など)。SDH構造には、1度の結晶成長で形成でき、選択成長を利用しているために構造基板の段差や斜面部分においても良質な結晶を成長させることができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした構造基板として用いられているのは、片側の面に順テーパ型などのリッジ部が設けられたリッジ基板である。順テーパ型のリッジ部とは、底面と側面との内角が鋭角で、断面形状が台形のものを指す。これまでは、例えば硫酸系エッチャントを用いて表面をエッチングすることにより、基板上に平坦な基底面とその上に突出したリッジ部が形成されていた。ところが、硫酸系エッチャントにおいては、エッチング速度が速いことや、高い精度の混合比でエッチャントを調製しなければならないことなどの理由からエッチングの制御が難しい。また、リッジ部の形成は、フォトリソグラフィー技術、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法、RIE(ReactiveIon Etching;反応性イオンエッチング)、ウエットエッチングなど、多くの工程を含んでいる。その結果、出来上がった構造基板には表面荒れ、つまり、付着物や酸化膜等による表面汚染、表面の凹凸などが発生していた。
【0005】
このような構造基板の上に成長させた半導体層には、リッジ部の側面において付着物などを核とした異常成長が発生したり、リッジ部上面および基底面の平坦性や均質性が低下したりすることがあった。このこと自体が閾値電流や発振波長などのレーザ特性を不安定化させる要因であるが、今回、以後のプロセスにおいてマスクの位置合わせなどに支障をきたすことが判明し、製品の歩留りに影響することから、構造基板の表面荒れは一層解決すべき課題となった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、基板の表面にこの表面から突出したリッジ部が部分的に形成された構造基板を表面の平坦性良く作製することができる製造方法、およびこれを用いた半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による構造基板の製造方法は、III−V族化合物半導体よりなる基板の表面にこの表面から突出したリッジ部を部分的に形成することにより構造基板を作製する第1の工程と、構造基板に表面処理を施して表面の平坦性を向上させる第2の工程とを含む構造基板の製造方法であって、第2の工程は、構造基板を有機溶剤により処理する工程と、構造基板の表面にプラズマを照射する工程と、構造基板の表面を還元剤により処理する工程とを、この順序で行うものである。
【0009】
本発明による半導体装置の製造方法は、III−V族化合物半導体よりなる基板の表面にこの表面から突出したリッジ部を部分的に形成することにより構造基板を作製する第1の工程と、構造基板に表面処理を施して表面の平坦性を向上させる第2の工程とを含む半導体装置の製造方法であって、第2の工程は、構造基板を有機溶剤により処理する工程と、構造基板の表面にプラズマを照射する工程と、構造基板の表面を還元剤により処理する工程とを、この順序で行うものである。
【0010】
本発明による構造基板の製造方法または半導体装置の製造方法では、構造基板の表面荒れが改善され、平坦性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る構造基板の製造方法は、リッジ部を形成する工程とそののちに表面処理を施す工程により構成される。以下、この順序に従って構造基板の製造方法について説明する。
【0013】
図1は、リッジ部の形成工程を表したものである。まず、図1(A)に示したように、III−V族化合物半導体、例えば、p型不純物としてZnを添加したGaAsよりなり、(100)面を主面とする厚さ(主面に対して垂直な方向の厚さ)が350μmの基板10を用意する。
【0014】
基板10としては、この他にも以下の材料を用いることができる。例えば、砒化アルミニウム(AlAs),砒化インジウム(InAs),燐化インジウム(InP),燐化ガリウム(GaP)およびアンチモン化ガリウム(GaSb)のうちのいずれか1種、またはこれらのうちの少なくとも1種とGaAsとの混晶、および、GaAs,AlAs,InAs,InP,GaP,GaSbのうちの少なくとも1種を含む混晶などである。これらはすべて、不純物の添加の有無に関わらず用いることができる。
【0015】
次いで、この基板10の主面に、リッジ部10a(図1(C)参照)の形成領域に合わせてマスクパターン11を形成する。マスクパターン11の形成は、例えば、以下のように行われる。CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法などの蒸着法により基板10の(100)面に、厚さ150nmの酸化ケイ素(SiO)膜と厚さ10nmの窒化ケイ素(SiN)膜とを積層した多層の無機材料膜を形成する。この無機材料膜上に、レジスト形成およびフォトリソグラフィにより、例えば基板10の<110>方向に延長したストライプ形状のマスクを形成し、RIEまたはフッ化水素(HF)等の可溶性溶液によるエッチングにより積層膜を選択的に除去する。そののち、図示しないレジスト膜を除去する。
【0016】
なお、マスクパターン11の幅(延長方向に対して垂直な方向における幅)は、後述するエッチング工程におけるサイドエッチによりリッジ部10aの幅がマスクパターン11の幅以下となることを考慮して、リッジ部10aの幅に応じて決定された所定の値(例えば、リッジ部10a上面の幅が4μmの場合は10μm)とする。また、ストライプの間隔は、例えば100μmとする。
【0017】
このマスクパターン11は以後のエッチングに耐えうるものであればよく、例えば、酸化ケイ素あるいは窒化ケイ素の単層膜により形成してもよい。
【0018】
次に、図1(B)に示したように、基板10に対して所望のリッジ形状付近まで、基板10の構成元素に対して選択性を持たない第1のエッチャントを用いた第1のウエットエッチングを行う。この第1のウエットエッチングは、等方性エッチングであり、少なくとも{111}B結晶面(以下、{111}B面という。)を含む結晶の面方位に対して依存性を持たないように行われ、リッジ部の側面が安定な{111}B面となるまでエッチングされる前に終了する。第1のエッチャントとしては、例えば、硫酸(HSO)と過酸化水素水 (H)と水(HO)とを硫酸:過酸化水素水:水=30:10:500の体積比で混合した混合液を用いる。
【0019】
ここでは、基板10のマスクパターン11に覆われていない部分からエッチングが進行し、<110>方向に対して垂直な方向にサイドエッチも進行する。但し、マスクパターン11を無機材料膜により形成し、基板10との密着性を高めているので、これらの界面ではサイドエッチの進行が防止される。従って、全体としては、鼓型のリッジ部10bが形成される。
【0020】
次に、図1(C)に示したように、基板10の構成元素のうち陽イオンとなり得る元素(例えば、GaAsの場合にはGa)を選択的にエッチングする第2のエッチャントを用いて、基板10に対してリッジ部10aの側面に非結晶成長面である{111}B面を出現させる第2のウエットエッチングを行う。この第2のウエットエッチングは、基板10において、少なくとも{111}B面を含んだ面方位に対して選択的に行われる選択性エッチングである。なお、ここで非結晶成長面とは、結晶成長速度が極めて遅く、実質的に結晶が成長しない面のことを指す。
【0021】
第2のエッチャントとしては、例えば、クエン酸と水とを1:1の体積比で混合したクエン酸水溶液と、過酸化水素水とを、クエン酸水溶液:過酸化水素水=450:150の体積比で混合した混合液を用いる。なお、このクエン酸系エッチャントの他にも、基板10の構成元素のうち陽イオンとなり得る元素と錯体を形成するものを用いることができる。このようなエッチャントとしては、例えば、カルボン酸である酒石酸,酢酸,シュウ酸,ギ酸,コハク酸あるいはリンゴ酸などが挙げられる。
【0022】
この第2のウエットエッチングでは、リッジ部10aの側面に{111}B面が現れた時点でエッチングが自動的に停止し、マスクパターン11直下ではそれ以上サイドエッチが進行しない。また、エッチング処理は所定のエッチング深さとなった時点で停止される。そのとき表出している基板10の表面が基底面となり、基底面の位置によりリッジ部10aの高さが規定される。これにより、例えば、側面が{111}B面で構成され、上面の幅が4μm、高さが3.5〜4.0μmである<110>方向に延長された順テーパ型のリッジ部10aが形成される。ちなみに、第1のエッチャントおよび第2のエッチャントは、上述の順序に用いられてはじめてリッジ部10aの側面を特定の結晶面とする効果があり、一方のみを使用しても効果は得られないものである。よって、本実施の形態では、2種類の異なるウエットエッチングを組み合わせて行い、リッジ部10aが精度良く形成されるようになっている。
【0023】
次に、図1(D)に示したように、RIEなどのドライエッチング、または可溶性薬品等の溶液を用いたウエットエッチングを行って、マスクパターン11を除去する。これにより、ストライプ形状であり、その断面が台形である順テーパ型のリッジ部10aが基板10の上に形成される。
【0024】
このときの基板10には、マスクパターン11の残存などによる粒子状の表面汚染や、基底面およびリッジ部10aの上面に波うつような起伏が生じている。ちなみに、従来は、基板10をこの状態のまま、もしくは有機洗浄を施したのちに半導体素子の製造に用いており、前述のように素子特性を劣化させていた。
【0025】
そこで、本実施の形態では、次に基板10に対して表面処理を施す。図2は、この表面処理の手順について表したシーケンス(流れ図)である。図2を参照しながら、引き続き、基板10の表面処理について説明する。
【0026】
まず、有機洗浄を施す(ステップ11)。これは、基板10を例えばアセトンに浸漬するものである。溶剤としてはその他に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)のうちのいずれか1種または2種以上の混合物を用いることができる。このときの浸漬条件は、適宜定めるようにしてよい。
【0027】
なお、このとき溶剤に超音波を与えると、付着物の剥離が進行して、より効果的に基板洗浄を行うことができる(ステップ12)。超音波洗浄の目安としては、例えば、周波数は28〜100kHz程度の範囲の単周波もしくは重畳周波、出力100W、洗浄時間は5分から10分程度とするとよい。
【0028】
次に、この基板10を、有機溶剤中から引き出して水洗する(ステップ13)。水洗は、例えば、超純水による5分程度の流水洗浄として行なわれる。これにより、有機洗浄を停止させ、有機溶剤成分や表面生成物を除去するようになっている。なお、このときにも超音波洗浄を組み合わせると、一旦除去された付着物等が基板10に再び接着することが防止でき、より効果的に基板洗浄を行うことができる(ステップ14)。超音波洗浄の条件は、例えば、出力100W、周波数は28〜100kHz程度の範囲の単周波もしくは重畳周波、洗浄時間5分である。
【0029】
次に、基板10を乾燥する(ステップ15)。乾燥は、例えばスピンドライ法、赤外線乾燥、熱風乾燥、自然乾燥などにより行われる。このうち、スピンドライ法では、例えば、回転速度900rpmとして60〜90秒間行なわれる。なお、ここでは、この有機洗浄、水洗、乾燥の工程をまとめて「有機溶剤処理」と呼ぶことにする。
【0030】
次に、基板10にプラズマ処理を施す(ステップ16)。これは、例えばプラズマエッチングと同様の要領で行うことができ、例えば、酸素プラズマを用いて基板10の表面をアッシングする場合、基板温度150℃、酸素ガス流量400sccm、背圧80Pa、出力350W、処理時間5分間とすることができる。これにより、基板10の表面に付着した有機物等が除去され、均一に酸化された状態となる。なお、処理に用いるプラズマ気体としては、他に水素、窒素、および希ガス元素のうちのいずれか1種が挙げられ、酸化(アッシング)以外にプラズマエッチングとして処理を行い、有機物等の付着物を除去するようにしてもよい。なお、プラズマ処理によって、基板10の表面状態は酸化されたかの如何に関わらず均一にならされる。
【0031】
更に、基板10に表面還元処理を施す(ステップ17)。これは、還元剤に基板10を浸漬して行われる。例えば、還元剤として1水素2フッ化アンモニウム18%、水72%の混合物を用い、5〜20分間浸漬することにより行われる。なお、還元剤としては、これ以外のフッ化水素(HF)または水素(H)とフッ素(F)を含む溶剤や、有機アルカリ系溶剤を用いることができ、これにより、基板10の表面に酸処理などにより生じた酸化膜を均一に除去すると共に、その他の残存物が除去される。
【0032】
このようにして、有機溶剤処理、プラズマ処理、表面還元処理をこの順序で施すことにより、図1(D)に示した基板10の表面荒れが改善される。作製された基板10は、半導体レーザ等の半導体装置に基板として用いられる。
【0033】
これらの処理工程は、必ずしも全て行う必要はなく、少なくとも2つが行われればよい。本発明者らが、先にこのような構造基板の表面に表面還元処理のみを試みたが、これでは十分に付着物を除去することはできず、表面の起伏も改善されなかった(図10参照)。従って、1回の化学的洗浄だけでは、付着物や表面を覆う酸化膜等を除去して構造基板の表面荒れを改善することは困難であり、上記のうち少なくとも2つの処理の相乗効果が必要である。
【0034】
また、その場合には、処理の順序は守られなければならない。例えば、有機溶剤処理の前にプラズマ処理を行った場合には、有機物等の付着物がプラズマと反応して重合物を形成することが予想される。こうした重合物は一般に有機溶剤による洗浄では落ちにくい。また、プラズマ処理によって基板10の表面状態は酸化されたかの如何に関わらず均一にならされており、この後に表面還元処理を施す方が効果的である。表面が酸化されていればなおのこと最後に還元処理を施して酸化膜を除去すべきである。
【0035】
このように、本実施の形態によれば、リッジ部10aが形成された基板10に対して、有機溶剤処理、プラズマ処理、表面還元処理のうちの少なくとも2つの工程をこの順序で施すようにしたので、有機物等の付着物による所謂表面汚染を除去し、同時に表面の起伏をなくすことができる。よって、再現性よく簡便な方法で基板10の表面荒れを軽減し、平坦化することとなる。
【0036】
[第2の実施の形態]
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る構造基板の製造方法を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。ここでは、SDH構造の半導体レーザを例に挙げて説明する。SDH構造とは、リッジ部を有する基板などの構造基板を利用して形成された不連続な半導体層により、内部に電流狭窄機構が設けられた屈折率導波型の構造を指す。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図3ないし図5は、本実施の形態に係る半導体レーザの製造方法を工程毎に表したものである。まず、第1の実施の形態と同様にして基板10を作製する。
【0038】
ここでは、リッジ部10aの形成に際しては、その高さが例えば2.0μm以上となるように調節することが好ましい。SDH構造の半導体レーザを作製するにはリッジ部10aの高さが2.0μm以上必要なためである。また、リッジ部10a上面の幅については例えば10μm以下となるように調節することが好ましい。リッジ部10aの幅が10μm以下であれば、その上に積層する活性層の幅を3.0μm程度とすることができ、レーザの低閾値化を達成することができるからである。
【0039】
次いで、図3に示したように、例えば、p型不純物として亜鉛が添加されたp型GaAsよりなる厚さ0.6μmのバッファ層31,p型不純物として亜鉛が添加されたp型AlGa1−sAs(但し、0<s<1)混晶よりなる厚さ500nmの第1導電型クラッド層32、p型不純物として亜鉛が添加されたp型AlGa1−tAs(但し、t<s)混晶よりなる厚さ35nmの光ガイド層33、およびAlGa1−uAs(但し、u<t)混晶よりなる厚さ7nmの活性層34をこの基板10の上に順に成長させる。続いて、例えば、n型不純物としてケイ素が添加されたn型AlGa1−tAs混晶よりなる厚さ35nmの光ガイド層35、およびn型不純物としてケイ素が添加されたn型AlGa1−sAs混晶よりなる第2導電型クラッド層36(図8参照)の下層部36aを順次成長させる。この下層部36aは、その2つの側面が交わるまで成長させる。この下層部36aの厚さは、例えば500nmである。なお、これらの各層は、例えば、連続MOCVD、すなわち各層毎に供給する原料ガスの切り替えを行って成長させる。
【0040】
これにより、バッファ層31から下層部36aまでの各層はリッジ部10aの上面とその両側にリッジ部10aにより分断されて形成される。リッジ部10aの側面は、非結晶成長面である{111}B面となっていることに加え、ここでは、第1の実施の形態の方法によって形成されているために表面荒れが軽減しており、半導体層の異常成長が一層抑制されるようになっている。
【0041】
また、リッジ部10aの上面に形成されるバッファ層31から下層部36aまでの各層は、その端部にリッジ部10aの側面と同じ{111}B面が生じ、あたかもリッジ部10aの側面が延長されるかのように成長する。この上面においても、第1の実施の形態の方法によって形成されているために表面の起伏が軽減しており、各半導体層が平坦に積層されるようになっている。
【0042】
次に、図4に示したように、例えばp型不純物として亜鉛が添加されたp型AlGa1−sAs混晶よりなる電流ブロック層37を、リッジ部10aの上面に設けられた活性層34の側面を覆うように厚さを調節して成長させる。ここでは、リッジ部10aは高さが均一かつ側面がほぼ平坦であるので、その上面に成長させた各層の形状もそれに倣っている。従って、電流ブロック層37は高い位置精度で活性層34の側面を覆うように形成される。これにより、活性層34の両端は閉じられ、電流狭窄および横方向の光閉じ込めが行われる。このようにしてSDH構造が形成される。
【0043】
次に、図5に示したように、電流ブロック層37および下層部36aの上に、例えば、n型不純物としてケイ素が添加されたn型AlGa1−sAs混晶よりなる厚さ500nmの第2導電型クラッド層36の上層部36bを成長させる。その際、上層部36bは、成長が下層部36aを覆い尽くす厚さまで進行すると、基板10の全面に成長するようになる。次いで、上層部36bの上に、例えば、n型不純物としてケイ素が高濃度に添加されたn型GaAsよりなる厚さ6000nmのキャップ層38を成長させる。
【0044】
そののち、キャップ層38の上に、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金,ニッケル(Ni)および金を順次蒸着してn側電極39を形成する。また、基板10の裏面側に、例えば、ニッケル,白金(Pt)および金を順次蒸着してp側電極40を形成する。これにより、SDH構造を持つ半導体レーザが完成する。
【0045】
このようにして製造される半導体レーザは、次のように作用する。
【0046】
この半導体レーザでは、n側電極39とp側電極40との間に所定の電圧が印加されると、リッジ部14aの上面に形成された活性層34に電流が注入され、電子−正孔再結合により発光が起こる。ここでは、上述の洗浄処理を施すことによって基板10の表面は付着物が非常に少ない平坦面となっている。従って、この構造基板の上に成長した各半導体層の形成位置には部分的なばらつきや異常成長が抑制され、リッジ部14aの上面に形成された活性層34の両側面は電流ブロック層37に精度よく覆われている。よって、活性層34への無効電流などの形状不安定に起因する現象が防止されて、閾値電流,動作電圧および発振波長などの諸特性がより安定化する。
【0047】
本実施の形態では、有機物等の付着物による所謂表面汚染が除去されて表面の起伏が平坦化された順テーパ型のリッジ部10aを備えた基板10の上にSDH構造を構築するようにしたので、各半導体層のリッジ部10aの側面における異常成長および形成位置のばらつきを少なくすることができる。従って、この基板10を用いた半導体レーザの製造は容易なものとなり、生産性が向上すると共に作製された装置の特性のばらつきを軽減して歩留りを向上させることができる。なお、その結果として、この半導体レーザを光集積回路,光通信あるいは光記録媒体の光源などのデバイスに応用する場合に、応用の自由度が高くなると共に、デバイスの高速化,軽量化,小面積化および低消費電力化を実現することができる。また、コンシューマあるいはポータブル機器への応用も容易に行うことが可能となる。
【0048】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0049】
(実施例1〜3)
実施の形態と同様にしてリッジ部を形成したGaAs基板を用意し、これに次のような表面処理を以下の要領で施した。
【0050】
▲1▼有機溶剤処理;
出力100W、周波数100kHzの超音波を加えたアセトン溶液に基板を5分間浸漬し、そののち、実施の形態と同様にして水洗、乾燥するもの。
▲2▼プラズマ処理;
基板温度を150℃、酸素ガス流量を400sccmとして、背圧0.6Torr、RF出力350Wでプラズマ処理を5分間行うもの。
▲3▼表面還元処理;
有機アルカリ系溶剤であるトリケミカル社製セミコクリーンの中に基板を20分間浸漬したのち、乾燥するもの。
【0051】
実施例1では、▲1▼有機溶剤処理、▲2▼プラズマ処理、▲3▼表面還元処理をこの順に行った。実施例2では、▲1▼有機溶剤処理に次いで▲3▼表面還元処理を行った。実施例3では、▲2▼プラズマ処理に次いで▲3▼表面還元処理を行った。
【0052】
(比較例)
実施例と同様にしてリッジ部を形成したGaAs基板を用意し、▲3▼表面還元処理のみを行った。
【0053】
これら実施例1〜3、および比較例に対して電子顕微鏡観察を行った。図6〜図9はそれぞれの顕微鏡写真である(図6〜8;倍率100倍、図9;倍率200倍)。比較例では、リッジ上面や基底面と側面の境に粒状の付着物が多数残存しており、更にリッジ部上面および基底面には波うつような起伏がはっきりと見てとれる。これに対して、実施例1〜3では、このような付着物は激減しており、リッジ部上面および基底面における起伏が消滅して平坦化していることがわかる。また、実施例のなかでも、番号の順に表面粗度が低くなっていることがわかる。
【0054】
よって、上記の▲1▼、▲2▼、▲3▼の処理のうち1つの処理では基板表面の荒れを改善する効果はほとんどみられず、これら3つの処理のうち2つ以上を、この順に組み合わせて行うことによって表面が平坦な構造基板が得られることがわかった。また、▲1▼、▲2▼、▲3▼の処理を全て行うのが最も効果的であり、▲1▼、▲3▼の処理と▲2▼、▲3▼の処理はこの順に効果があることがわかった。
【0055】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形熊および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、側面を{111}B面により形成した順テーパ型のリッジ部10aを有する基板10の製造方法について説明したが、そのうちのリッジ部10aの形成方法についてはこれによらず他の方法を用いても構わない。更に、例えば、所謂逆テーパ型基板などのその他の構造基板についても適用することが可能である。
【0056】
また、上記第2の実施の形態では、基板10を用いた半導体装置として半導体レーザを挙げたが、本発明はこれ以外の半導体装置の製造方法に対しても適用することができる。例えば、リセス構造FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)の製造に適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の構造基板の製造方法によれば、III−V族化合物半導体よりなる基板の表面にこの表面から突出したリッジ部を部分的に形成することにより構造基板を作製する第1の工程と、構造基板に表面処理を施して表面の平坦性を向上させる第2の工程とを含んでおり、第2の工程は、構造基板を有機溶剤により処理する工程と、構造基板の表面にプラズマを照射する工程と、構造基板の表面を還元剤により処理する工程とを、この順序で行うようにしたので、基板の表面荒れが改善され、平坦面により構成された構造基板を得ることができる。よって、これを用いた半導体素子の製造を容易なものとしてその生産性を向上させることができる。
【0058】
特に、請求項3に記載の構造基板の製造方法によれば、構造基板を有機溶剤により処理する工程は、構造基板を有機溶剤に浸漬させた後、構造基板を水洗する工程を含んでおり、更に、構造基板を有機溶剤に浸漬させる工程、または構造基板を水洗する工程のうちの少なくとも一方の工程において、有機溶剤または水に対して超音波振動を付加するようにしたので、より効果的に表面荒れを改善することができる。
【0059】
また、請求項ないし請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法によれば、本発明の構造基板の製造方法を用いるようにしたので、各半導体層のリッジ部側面における異常成長および形成位置のばらつきを少なくすることができる。従って、所望の半導体装置を容易に製造することができ、生産性が向上すると共に作製された装置の特性のばらつきを軽減して歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る構造基板のリッジ部製造工程を表す断面図である。
【図2】図1の工程の後に行われる表面処理の手順を説明するための流れ図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの製造工程を表す断面図である。
【図4】図4に続く工程を表す断面図である。
【図5】図5に続く工程を表す断面図である。
【図6】本発明の実施例1の構造基板の顕微鏡写真である。
【図7】本発明の実施例2の構造基板の顕微鏡写真である。
【図8】本発明の実施例3の構造基板の顕微鏡写真である。
【図9】本発明の比較例の構造基板の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
10…基板、10a…リッジ部、11…マスクパターン

Claims (14)

  1. III−V族化合物半導体よりなる基板の表面にこの表面から突出したリッジ部を部分的に形成することにより構造基板を作製する第1の工程と、前記構造基板に表面処理を施して表面の平坦性を向上させる第2の工程とを含む構造基板の製造方法であって、
    前記第2の工程は、
    前記構造基板を有機溶剤により処理する工程と、前記構造基板の表面にプラズマを照射する工程と、前記構造基板の表面を還元剤により処理する工程とを、この順序で行う
    造基板の製造方法。
  2. 前記構造基板を有機溶剤により処理する工程は、前記構造基板を有機溶剤に浸漬させた後、前記構造基板を水洗する工程を含む
    求項1記載の構造基板の製造方法。
  3. 前記構造基板を有機溶剤に浸漬させる工程、または前記構造基板を水洗する工程のうちの少なくとも一方の工程において、前記有機溶剤または水に対して超音波振動を付加する
    求項2記載の構造基板の製造方法。
  4. 前記有機溶剤が、アセトン、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールのうちのいずれか1種または2種以上の混合物である
    求項1に記載の構造基板の製造方法。
  5. 前記プラズマが、水素、窒素、酸素および希ガス元素のうちのいずれか1種を含む
    求項1に記載の構造基板の製造方法。
  6. 前記表面還元剤が、有機アルカリ系溶剤、もしくは、フッ化水素(HF)または水素(H)とフッ素(F)を含む溶剤のいずれかである
    求項1に記載の構造基板の製造方法。
  7. 前記リッジ部が、断面が台形の順テーパ型である
    求項1に記載の構造基板の製造方法。
  8. III−V族化合物半導体よりなる基板の表面にこの表面から突出したリッジ部を部分的に形成することにより構造基板を作製する第1の工程と、前記構造基板に表面処理を施して表面の平坦性を向上させる第2の工程とを含む半導体装置の製造方法であって、
    前記第2の工程は、前記構造基板を有機溶剤により処理する工程と、前記構造基板の表面にプラズマを照射する工程と、前記構造基板の表面を還元剤により処理する工程とを、この順序で行う
    導体装置の製造方法。
  9. 前記構造基板を有機溶剤により処理する工程は、前記構造基板を有機溶剤に浸漬させた後、前記構造基板を水洗する工程を含む
    求項記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記構造基板を有機溶剤に浸漬させる工程、または前記構造基板を水洗する工程のうちの少なくとも一方の工程において、前記有機溶剤または水に対して超音波振動を付加する
    求項記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記有機溶剤が、アセトン、メタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコールのうちのいずれか1種または2種以上の混合物である
    求項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記プラズマが、水素、窒素、酸素および希ガス元素のうちのいずれか1種を含む
    求項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記表面還元剤が、有機アルカリ系溶剤、もしくは、フッ化水素(HF)または水素(H)とフッ素(F)を含む溶剤のいずれかである
    求項に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記リッジ部が、断面が台形の順テーパ型である
    求項に記載の半導体装置の製造方法。
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