JP3026389B2 - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JP3026389B2
JP3026389B2 JP4-148262A JP14826292A JP3026389B2 JP 3026389 B2 JP3026389 B2 JP 3026389B2 JP 14826292 A JP14826292 A JP 14826292A JP 3026389 B2 JP3026389 B2 JP 3026389B2
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哲夫 芝
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体装置とその製造
法に関し、特に、ウエットエッチング等によるパター
ニングが施されたAlGaAsエピタキシャル層上にG
aAsエピタキシャル層を再成長させた構造の半導体装
置とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は従来のリッジ部光導波路型半導
体レーザ装置の構造を示す断面図であり、図において、
400,500は従来のn型GaAs系半導体レーザ装
置を示し、1はn型GaAs基板であり、n型AlGa
As第1クラッド層2は基板1上に配設され、p型Al
GaAs活性層3はn型AlGaAs第1クラッド層2
上に配設され、p型AlGaAs第2クラッド層4はp
型AlGaAs活性層3上に配設され、p型GaAs第
1キャップ層5はp型AlGaAs第2クラッド層4上
に配設される。また、p型AlGaAs第2クラッド層
4とp型GaAs第1キャップ層5とで逆メサ形状のリ
ッジ部を形成し、該リッジ部の両脇を埋め込むようにn
型GaAs電流阻止層8,p型GaAs第2キャップ層
50が配設され、p型GaAs第2キャップ層50上に
p型GaAsコンタクト層9が配設される。また、p型
GaAsコンタクト層9の上面及びn型GaAs基板1
の下面にはそれぞれp側電極10,n側電極11が配設
される。ここで、図17(a)はp型GaAsコンタクト
層9の層厚を薄く形成した場合を示し、図17(b) はp
型GaAsコンタクト層9の層厚を厚く形成した場合を
示している。
【0003】図18は、図17に示した従来のリッジ部
光導波路型半導体レーザ装置の製造工程を示す工程別断
面図であり、図において、6はSiN膜、6aはひさ
し、7はレジストである。以下、この図を用いて製造工
程を説明する。
【0004】先ず、図18(a) に示すように、n型Ga
As基板1上に第1エピタキシャル成長工程により、n
型AlGaAs第1クラッド層2,p型AlGaAs活
性層3,p型AlGaAs第2クラッド層4,p型Ga
As第1キャップ層5をMOCVD法により連続的に成
長する。次に、上記p型GaAs第1キャップ層5上に
SiN膜6を形成し、更に、この上にレジスト塗布し、
通常の写真製版,エッチング技術を用いて図18(b) に
示すようにSiN膜6をストライプ状にパターニングす
る。次に、レジスト7を除去した後、上記SiN膜6の
パターンをマスクとしたウエットエッチングにより、上
記p型AlGaAs第2クラッド層4,p型GaAs第
1キャップ層5を選択的にエッチング除去し、図18
(c) に示すように逆メサ状のリッジ部を形成する。ここ
で、エッチングはリッジ部の両脇にp型AlGaAs第
2クラッド層4が表面露出するように行われる。次に、
図18(d) に示すように、第2エピタキシャル成長工程
により上記リッジ部の両脇を埋め込むようにn型GaA
s電流阻止層8,p型GaAs第2キャップ層50をM
OCVD法により連続的に成長する。次に、SiN膜6
を除去した後、第3エピタキシャル成長工程により、p
型GaAs第1キャップ層5とp型GaAs第2キャッ
プ層50を覆うようにp型GaAsコンタクト層9をM
OCVD法により成長させ、次いで、p側電極10とn
側電極11をp型GaAsコンタクト層9の上面及びn
型GaAs基板1の下面にそれぞれ接合して、図18
(e) に示す半導体レーザ装置400が完成する。尚、こ
こで、p型GaAsコンタクト層9の層厚を厚く形成す
ると図17(b) で示した半導体レーザ装置500に相当
する構造のものが得られる。
【0005】次に、上記半導体レーザ装置の動作につい
て説明する。先ず、n型GaAs基板1とp型GaAs
コンタクト層9間に順方向バイアスを印加すると、電流
は逆メサ形状に形成されたリッジ部からp型AlGaA
s活性層3へ注入される。そして、注入されたキャリア
は、ヘテロ接合によりp型AlGaAs活性層3内に閉
じ込められ、ここで再結合して発光する。また、この
時、n型GaAs電流ブロック層8によって光の吸収及
び電流狭窄が行われるため、p型AlGaAs活性層3
の水平方向に屈折率差が生じ、横方向への光の広がりが
制限される。そして、このようにして導波路によって導
波された光は、ストライプ状のリッジ部の奥行方向に対
して垂直に対向する劈開端面により構成されるファブリ
・ペロー( Fabry-Perot)型共振器によってレーザ発振
される。
【0006】一方、図20は、従来と同一の半導体基板
上に複数のp型InP系リッジ部光導波路型半導体レー
ザ素子を形成し、各素子間を分離して個々の半導体レー
ザ装置を製造する際の、素子間分離工程を示す工程別断
面図であり、図において、12はp型InP基板であ
り、該InP基板12にはリッジ部22が形成され、該
リッジ部22内にはアンドープInGaAsP活性層1
4が形成され、該リッジ部22の両脇のp型InP基板
12の表面には、InP系半導体エピタキシャル層13
が形成され、該リッジ部22の上面の一部からリッジ部
22を形成する溝及びInP系半導体エピタキシャル層
13の表面に向けてSiO2 膜15が形成されている。
また、該SiO2 膜15とリッジ部22の上面の一部を
覆うようにn側電極16が配設されている。尚、図中1
8はp型InP基板12とInP系エピタキシャル層1
3との界面、17a,bはレジストを示し、19,20
は隣接する半導体レーザ素子を示している。
【0007】以下、素子間分離工程を説明する。半導体
レーザ素子19,20を分離するためには、まず、p型
InP基板12上にInP系半導体エピタキシャル層1
3が形成され、これらの所定の部分を構成要素として複
数の素子が形成された状態で、p型InP基板12全面
に対してレジスト17aを塗布し、素子間に約5μmの
幅のストライプパターンを形成した後、該レジスト17
aをマスクとして図20(a) に示すように、開口部のS
iO2 膜15をエピタキシャル層13の表面が露出する
までエッチングする。次いで、図20(b) に示すように
SiO2 膜15をマスクとして、塩酸を含むエッチング
液でInP基板12とエピタキシャル層13とをウエッ
トエッチングし、これらの界面18の越える溝を形成す
る。ここで、形成された溝の淵にはサイドエッチングに
よって約2μmの長さのSiO2 膜15のひさし15a
が生ずる。次いで、このひさし15aを除去するため、
上記レジスト17aを除去した後、再び全面にわたって
レジスト17bを塗布し、溝上に幅約30μmのストラ
イプパターンを形成し、図20(c) に示すようにこのレ
ジスト17bをマスクとして上記SiO2 膜15のひさ
し15aをHFを含む溶液でエッチングして除去する。
この後、物理的にこの溝部分においてp型InP基板1
2とInP系エピタキシャル層13とを分断し、半導体
レーザ素子19,20が互いに分離される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のリッジ部導波路
型半導体レーザ装置は、上記製造工程によって得られて
いたため、以下のような問題点を有していた。
【0009】例えば、図19は上記半導体レーザ装置の
製造工程における第2エピタキシャル成長工程終了時の
リッジ部周辺の断面構造を写した電子顕微鏡写真をスケ
ッチした図であり、図に示すように逆メサ形状のリッジ
部を形成する選択エッチング工程では、エッチングマス
クとしてのSiN膜6の下部にもサイドエッチングが進
行して、このSiN膜6にひさし部6aが形成される。
これは、SiN膜6等の絶縁膜からなるエッチングマス
クとエピタキシャル成長層との付着強度が弱く、これら
の界面にもエッチング液が浸透することから生ずるもの
と考えられている。そして、このようにエッチングマス
クにひさし部6aが形成されると、第2エピタキシャル
成長工程、即ち、リッジ部の両脇のp型AlGaAs第
2クラッド層4層上へのn型GaAs電流阻止層8とp
型GaAs第2キャップ層50の成長工程において、こ
のひさし部6aの直下に反応がスが回り込みにくくなる
ことから、この部分における成長反応が不均一になり、
図に示すような空洞部21が形成されてしまう。
【0010】このため、この後、上記SiN膜6を除去
し、第3エピタキシャル成長工程を行って、上記リッジ
部を構成するp型GaAs第1キャップ層5と上記p型
GaAs第2キャップ層50とを覆うようにp型GaA
sコンタクト層9を形成すると、p型GaAsコンタク
ト層9の表面に凹部が形成されるとともに、上記のよう
にひさし部6aの下部付近では結晶成長反応が不均一に
なることから、この部分に形成されるp型GaAsコン
タクト層9の結晶性も劣化してしまい、得られる半導体
装置の装置の性能を低下させてしまうという問題点があ
った。また、p型GaAsコンタクト層9上の表面に凹
部が形成されると、この表面にp側電極10を構成する
金属膜が均一に付着せず、得られる装置の信頼性が低下
し、特に、p型GaAsコンタクト層9を薄く形成した
場合は、リッジ部のp型GaAs第1キャップ層5とp
型GaAs第2キャップ層50の間の凹部によって、p
型GaAsコンタクト層9が途切れてしまい、この上に
形成するp側電極10も途切れた状態になり、装置の信
頼性を一層低下させてしまうという問題点があった。
【0011】また、上記のようにリッジ部の両側に再成
長させたエピタキシャル成長層の結晶品質が低下する
と、このエピタキシャル成長層の厚みが均一にならず、
リッジ部が突き出した状態になり、この状態でp型Ga
Asコンタクト層9を形成すると、該p型GaAsコン
タクト層9表面に凸部が形成されてしまい、この後の製
造工程、即ち、基板を研磨する裏面研磨プロセスやリッ
ジ部側をヒートシンクにつけてハンダ付けを行うジャン
クションダウン組立等の工程においてリッジ部分に応力
がかかって、リッジ部にダメージが加わったり、また、
リッジ部の凸部がヒートシンクに密着せず、レーザビー
ムに傾き等を生ずるというような問題点もあった。
【0012】ところで、特開昭63−269593号公
報,特開平1−287980号公報,及び三菱電機技報
Vol.62 No.11 (1988) pp958〜961 では、リッジ部の両
脇に表面露出するp型AlGaAsクラッド層上にp型
AlGaAsバッファ層またはp型GaAsバッファ層
を結晶成長し、この後にn型GaAs電流阻止層を形成
したリッジ部導波路型半導体レーザ装置が提案されてお
り、これら提案された半導体レーザ装置では、リッジ部
の両脇に表面露出するp型AlGaAsクラッド層上に
これに対して結晶成長が比較的スムーズに進行するp型
AlGaAsバッファ層またはp型GaAsバッファ層
を形成しているため、上記のようなひさし部の下にも結
晶層をある程度成長させることができるが、ひさし部6
aの下に生じた空洞部を完全に埋め込むことはできす、
未だ上記問題点を十分に解決できるにいたっていない。
【0013】一方、図21は、上記図17で示した製造
工程中のp型AlGaAs第2クラッド層4とn型Ga
As電流阻止層8のSIMS分析による酸素濃度を示し
ており、この図からもわかるように、リッジ部形成時の
エッチング工程後にp型AlGaAs第2クラッド層4
の表面が大気中にさられるため、この部分に多量の酸素
が局在し、その結果、得られた半導体レーザ装置ではこ
れら2層の間に界面準位が形成されて、この部分で漏れ
電流が発生し、装置特性が低下するという問題点があっ
た。
【0014】また、ウエットエッチングによってリッジ
部を形成した場合は、エッチング処理が施されたp型A
lGaAs第2クラッド層4の表面に、数原子層レベル
の微細な溝が形成され、このp型AlGaAs第2クラ
ッド層4上に該層に対して結晶が整合しにくいn型Ga
As電流阻止層8をエピタキシャル成長すると、上記溝
が更に助長された溝となってn型GaAs電流阻止層8
表面に現れるようになり、n型GaAs電流阻止層8の
結晶品質が劣化し、装置特性が低下するという問題点が
あった。
【0015】このような問題点を解決できるものとし
て、特開昭64−8478号公報では、リッジ部導波路
型の半導体レーザ装置の製造方法において、ウエットエ
ッチングによってリッジ部を形成した後のリッジ部の両
脇に露出する半導体結晶表面を気相エッチングし、この
気相エッチングを施した反応管内と同一の反応管内で上
記半導体結晶表面上に更に半導体を結晶成長させる方法
が開示されている。しかるに、この方法では、上記のよ
うな結晶表面への酸素の局在化やウエットエッチングが
施された結晶表面に生ずる溝を軽減することはできるも
のの、同一の反応管内で気相エッチングと結晶成長反応
を行うため、気相エッチング時で生じた反応物が、結晶
成長反応時に悪影響を及ぼし、結局、結晶品質の低下し
た半導体層しか成長することができず、依然として装置
特性が低下してしまうという問題点があった。
【0016】一方、前述したように、図20で示した同
一基板上に形成された複数のp型InP系リッジ部光導
波路型半導体レーザ素子を素子毎に分離する際の素子間
分離工程においても、上述したn型半導体レーザ装置内
のリッジ部の形成工程でのSiN膜6に生じるひさし6
aと同様に、SiO2 膜15にもひさし15aが形成さ
れてしまう。そして、これを除去することなく素子を分
離すると、SiO2 くずが発生して、このSiO2 くず
が分離された素子の劈開面に現れるpn接合に付着し、
リーク電流を発生したり、ひさし部分15aからSiO
2 膜15が剥がれて、得られる装置の特性及び信頼性を
低下させてしまうため、従来は図20(c) に示すよう
に、素子分離用の溝を形成した後に、SiO2 膜15の
ひさしを除去するため、全面にレジスト17bを塗布し
て、上記溝より10μm程度幅が広い開口部を形成し、
このレジストパターンをマスクとしてひさし15aを除
去していた。しかしながら、この工程は非常に煩雑で、
また、ひさし15aのみを精度よく除去することができ
ないため、この工程後、InP系半導体エピタキシャル
層13の端面が表面露出して装置特性が低下するという
問題点があった。
【0017】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、半導体エピタキシャル層に
対してウエットエッチングを施して逆メサ形状のリッジ
部を形成し、この後、該リッジ部の両脇に形成された溝
に対して新たな半導体層をエピタキシャル成長する際、
リッジ部の側部に空洞(凹部)を生ずることなく、リッ
ジ部の両脇に新たな半導体層をエピタキシャル成長する
ことができる半導体装置の製造方法を提供することにあ
る。
【0018】更に、この発明の他の目的は、AlGaA
s層を含む半導体エピタキシャル層に対してウエットエ
ッチングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成し、この
後、該リッジ部の両脇に形成されたその表面に上記Al
GaAs層が露出した溝に対して、GaAs層をエピタ
キシャル成長する際、リッジ部の側部に空洞(凹部)を
生ずることなく、且つ、リッジ部の両脇に結晶品質に優
れたGaAs層をエピタキシャル成長することができる
半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0019】更に、この発明の他の目的は、半導体エピ
タキシャル成長層に対してウエットエッチングを施して
逆メサ形状のリッジ部を形成し、更に、該リッジ部の両
脇に形成された溝に対して第1の新たな半導体層をエピ
タキシャル成長し、この後、該リッジ部と第1の新たな
半導体層の上面に、第2の新たな半導体層をエピタキシ
ャル成長する際、該第2の新たな半導体層の最上部を平
坦化することができる半導体装置の製造方法を提供する
ことにある。
【0020】更に、この発明の他の目的は、同一の半導
体基板上に形成された複数の半導体素子を分離する際、
素子間に跨がって形成された絶縁膜の素子間分離領域で
生じるひさし部を簡単に除去でき、信頼性に優れた半導
体装置を再現性よく得ることができる半導体装置の製造
方法を提供することにある。
【0021】更に、この発明の他の目的は、その所定領
域に逆メサ形状のリッジ部が形成された第1の半導体エ
ピタキシャル層の該リッジ部の両脇に、結晶品質に優れ
た第2の半導体エピタキシャル層が埋め込まれ、しか
も、これらリッジ部と第2の半導体エピタキシャル層上
にエピタキシャル成長した第3の半導体エピタキシャル
層上に、電極が均一且つ一様に密着した装置特性及び信
頼性に優れた半導体装置を提供することにある。
【0022】更に、この発明の他の目的は、ウエットエ
ッチングが施されたAlGaAs層等のその表面に微細
な溝が形成されたり、又、局在化した酸素が付着した半
導体結晶表面を清浄化でき、更に、この清浄化された半
導体結晶表面に連続的に、例えばGaAs層等の新たな
半導体結晶を再成長することができる半導体装置の製造
法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる半導体
装置の製造方法は、半導体エピタキシャル層に対してウ
エットエッチングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成
し、この後、該リッジ部の形成時に用いた絶縁膜からな
るマスクパターンを結晶成長用マスクとして用い、該リ
ッジ部の両脇に形成された溝に新たな半導体層をエピタ
キシャル成長する際、上記絶縁膜からなるマスクパター
ンの端部をエッチングによって除去して、このマスクパ
ターンの幅を上記リッジ部の幅と近似させた後、上記リ
ッジ部に対してライトエッチングを施し、この後、新た
な半導体層をエピタキシャル成長するようにしたもので
ある。
【0024】
【0025】更に、この発明にかかる半導体装置の製造
方法は、半導体エピタキシャル層に対してウエットエッ
チングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成し、次い
で、該リッジ部の両脇に新たな半導体層をエピタキシャ
ル成長する際に用いるマスクパターンを、その幅がリッ
ジ部の形成後に特定の縮小された幅に縮小できる構造に
上記半導体エピタキシャル層上に予め形成しておき、上
記ウエットエッチングによるリッジ部の形成時、リッジ
部の幅が上記マスクパターンの特定の縮小された幅に等
しくなるようにエッチングを行い、この後、上記マスク
パターンの幅を縮小し、この状態で、上記新たな半導体
層をエピタキシャル成長するようにしたものである。
【0026】更に、この発明にかかる半導体装置の製造
方法は、半導体エピタキシャル層に対してウエットエッ
チングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成し、次い
で、該リッジ部の両脇に形成された溝に対して新たな半
導体層をエピタキシャル成長する際に用いるマスクパタ
ーンを、半導体エピタキシャル層で構成するようにした
ものである。
【0027】
【0028】更に、この発明にかかる半導体装置の製造
方法は、AlGaAs層を含む半導体エピタキシャル層
に対してウエットエッチングを施して逆メサ形状のリッ
ジ部を形成し、この後、該リッジ部の両脇の表面露出し
たAlGaAs層上にGaAs層をエピタキシャル成長
する際、該GaAs層を成長する前に、該GaAs層の
成長温度よりも低い温度で成長するAlx Ga1-x As
低温バッファ層(0≦x≦1)を成長するようにしたも
のである。
【0029】
【0030】更に、この発明にかかる半導体装置の製造
方法は、AlGaAs層を含む半導体エピタキシャル層
に対してウエットエッチングを施して逆メサ形状のリッ
ジ部を形成し、この後、該リッジ部の両脇の表面露出し
たAlGaAs層上にGaAs層をエピタキシャル成長
する際、このGaAs層の成長過程の初期段階におい
て、その成長を一時的に中断させるようにしたものであ
る。
【0031】更に、この発明にかかる半導体装置の製造
方法は、AlGaAs層を含む半導体エピタキシャル層
に対してウエットエッチングを施して逆メサ形状のリッ
ジ部を形成し、この後、該リッジ部の両脇に形成された
その表面にAlGaAs層が露出する溝に対して、Ga
As層をエピタキシャル成長する際、このGaAs層を
成長する前に、上記表面露出したAlGaAs層表面に
対してドライエッチングを施し、この後、該ドライエッ
チングが施されたAlGaAs層表面を大気中にさらす
ことなく、このAlGaAs層表面にGaAs層をエピ
タキシャル成長するようにしたものである。
【0032】更に、この発明の半導体装置の製造方法
は、複数の素子が基板上に形成された状態で、その全面
に素子分離領域となる部分に開口部が形成されたレジス
トパターンを設け、該レジストパターンをマスクとして
上記複数の素子間に繋がる絶縁膜の一部を除去して該絶
縁膜に開口部を形成し、更に、この開口部が形成された
絶縁膜をマスクとして、上記絶縁膜の下部に形成されて
いる半導体エピタキシャル層をウエットエッチングして
素子間分離用の溝を形成した後、この半導体エピタキシ
ャル層のウエットエッチング時に生じた絶縁膜のひさし
部を上記レジストパターンをマスクとしたプラズマエッ
チングによって除去し、この後に、上記半導体基板及び
半導体エピタキシャル層を溝を境にして分断するように
したものである。
【0033】更に、この発明にかかる半導体レーザ装置
は、AlGaAs層を含む多層構造の半導体エピタキシ
ャル層をパターニングして逆メサ形状のリッジ部を形成
し、該リッジ部の両側に露出した上記AlGaAs層上
に、GaAs層をAlx Ga1-x As低温バッファ層
(0≦x≦1)を介してエピタキシャル成長したもので
ある。
【0034】
【0035】
【0036】
【作用】この発明においては、半導体エピタキシャル層
にウエットエッチングを施して逆メサ形状のリッジ部を
形成し、該リッジ部の両脇に形成された溝に対して新た
な半導体層をエピタキシャル成長する際に用いるマスク
パターンの幅を、上記リッジ部の両脇に新たな半導体層
をエピタキシャル成長する前に、該リッジ部の最上面の
幅に近似させた後、上記リッジ部に対してライトエッチ
ングを施すようにしたから、上記リッジ部の側部に凹部
を生ずることなく、上記リッジ部の両側に新たな半導体
エピタキシャル層を成長することができるとともに、マ
スクパターンの端部を除去する工程において過度にエッ
チング進行して、リッジ部の上面の端部が上記マスクパ
ターンの端部から露出した場合もこの端部の露出をなく
すことができ、その結果、リッジ部の両脇に半導体層を
エピタキシャル成長する際に、リッジ部の上面端部から
凸部を形成されることがなくなる。
【0037】更に、この発明においては、半導体エピタ
キシャル層に対してウエットエッチングを施して逆メサ
形状のリッジ部を形成する際、及び、該リッジ部の両脇
に形成された溝に対して新たな半導体層をエピタキシャ
ル成長する際に用いるマスクパターンを半導体エピタキ
シャル層で構成するようにしたから、上記リッジ部の形
成時、マスクパターンと上記リッジ部を構成する半導体
エピタキシャル層との界面へのエッチングガスの侵入が
防止され、マスクパターンの下部におけるサイドエッチ
ングが生じなくなる。
【0038】
【0039】更に、この発明においては、AlGaAs
層を含む半導体エピタキシャル層に対してウエットエッ
チングが施されて得られた逆メサ形状のリッジ部の両側
に露出するAlGaAs層上に、GaAs層をエピタキ
シャル成長するに先立って、AlGaAsまたはGaA
sの低温バッファ層を形成するから、アモルファス状の
AlGaAsまたはGaAsが上記リッジ部形成時に生
じたマスクパターンのひさし部の下部にも付着し、且
つ、このアモルファス状のAlGaAsまたはGaAs
によって上記リッジ部の両側に露出したAlGaAs層
表面に形成された微細な溝も埋め込むことができるた
め、上記ひさしの下部の空洞部を縮小できるとともに、
上記AlGaAs層表面を平坦にすることができ、上記
リッジ部の側部に凹部を生ずることなく、上記GaAs
層をリッジ部の両脇に均一且つ一様にエピタキシャル成
長させることができる。
【0040】
【0041】更に、この発明においては、AlGaAs
層を含む半導体エピタキシャル層に対してウエットエッ
チングが施されて得られた逆メサ形状のリッジ部の両側
に露出するAlGaAs層上に、GaAs層をエピタキ
シャル成長する際、成長過程の初期段階で成長を一時的
に中断させるため、該GaAs結晶の再配列化が促進さ
れて単結晶化が進行し、上記リッジ部の側部に凹部を生
ずることなく、上記リッジ部の両側に、上記GaAs層
を均一且つ一様にエピタキシャル成長させることができ
る。
【0042】更に、この発明においては、このGaAs
層成長する前に、上記表面露出したAlGaAs層表面
に対してドライエッチングを施し、この後、該ドライエ
ッチングが施されたAlGaAs層表面を大気中にさら
すことなく、このAlGaAs層表面にGaAs層をエ
ピタキシャル成長するようにしたので、AlGaAs層
を含む半導体エピタキシャル層をパターニングして形成
された逆メサ形状のリッジ部の両側に表面露出するAl
GaAs層上にGaAs層をエピタキシャル成長する
際、GaAs層のエピタキシャル成長に先立って、上記
表面露出したAlGaAs層にドライエッチングを施
し、このドライエッチングが施されたAlGaAs層を
大気中にさらすことなく、ドライエッチングが行われた
環境とは異なる環境下に移行させ、この環境下において
AlGaAs層上にGaAs層をエピタキシャル成長さ
せるから、エッチング工程による反応生成物による悪影
響を受けることなく、その表面が清浄化されたAlGa
As層上にGaAs層をエピタキシャル成長することが
できる。
【0043】更に、この発明においては、半導体基板及
び半導体エピタキシャル層の所定の部分をそれぞれの素
子の構成要素として複数の半導体素子が同一基板上に形
成された状態で、素子分離領域となる部分に開口が形成
されたレジストパターンを設け、次いで、該開口部の下
の絶縁膜を除去して該絶縁膜に開口部を形成し、この開
口が形成された絶縁膜をマスクとして半導体基板と半導
体エピタキシャル層をウエットエッチングして素子間分
離のための溝を形成する際に生じる溝上部の絶縁膜のひ
さし部を、半導体基板及び半導体エピタキシャル層を分
断する前にプラズマエッチングにより除去するようにし
たため、従来に比べて短縮した工程で半導体装置を得る
ことができ、しかも、絶縁膜の屑や絶縁膜はがれのない
信頼性に優れた半導体装置を再現性よく得ることができ
る。
【0044】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は、この発明の一実施例による半導体レーザ
装置の構造を示す断面図であり、図において、100は
半導体レーザ装置を示し、1はn型GaAs基板であ
り、n型AlGaAs第1クラッド層2はn型GaAs
基板1上に配設され、p型AlGaAs活性層3はn型
AlGaAs第1クラッド層2上に配設され、型Al
GaAs第2クラッド層4はp型AlGaAs活性層3
上に配設され、p型GaAs第1キャップ層5は型A
lGaAs第2クラッド層4上に配設されている。ま
た、p型GaAs第1キャップ層5と型AlGaAs
第2クラッド層4とで逆メサ形状のリッジ部が形成さ
れ、該リッジ部の両脇の型AlGaAs第2クラッド
層4表面にはGaAs低温バッファ層30が配設され、
該リッジ部の両脇を埋め込むように、n型GaAs電流
阻止層8,p型GaAs第2キャップ層50が配設さ
れ、p型GaAs第1キャップ層5とp型GaAs第2
キャップ層50の上面にはp型GaAsコンタクト層9
が配設されている。また、p型GaAsコンタクト層9
の上面及びn型GaAs基板1の下面にはそれぞれp側
電極10,n側電極11が配設されている。
【0045】図4は、図1に示す半導体レーザ装置の製
造工程を示す工程別断面図であり、図において、6はS
iN膜パターンである。
【0046】以下、図4に基づいて製造工程を説明す
る。先ず、図4(a) に示すように、層厚が1μmのn型
GaAs基板1上にn型AlGaAs第1クラッド層
2,p型AlGaAs活性層3,p型AlGaAs第2
クラッド層4,p型GaAs第キャップ層5を、それ
ぞれの層厚が、1.5μm,0.05μm,1.5μ
m,0.5μmの層厚になるようにMOCVD法により
750°C前後の成長温度で順次結晶成長させる。次
に、p型GaAs第1キャップ層5上に熱CVD法によ
りSiN膜を約1000オングストロームの層厚になる
よう形成し、更に、この上にレジストを塗布し、通常の
写真製版,エッチング技術を用いて、レジストを6〜8
μmの幅のストライプ状にパターニングした後、該レジ
ストをマスクとしてSiN膜の所定部分をCF4 とO2
の混合ガスでp型GaAs第1キャップ層5の表面が露
出するまでエッチングし、次いで、レジストを除去する
と図4(b) に示すようにSiN膜パターン6が形成され
る。次いで、このSiN膜パターン6をマスクとして、
硫酸,過酸化水素,水の混合液でp型AlGaAs活性
層3上にp型AlGaAs第2クラッド層4を0.2〜
0.3μm残す程度まで、p型GaAs第1キャップ層
5とp型AlGaAs第2クラッド層4をエッチング
し、図4(c) に示すようにリッジ部を形成する。この
際、SiN膜パターン6の下にもサイドエッチングが進
行するため、SiN膜パターン6の端部に約0.8μm
幅のひさし6aが生じる。次に、p型AlGaAs第2
クラッド層4上に基板温度を450℃として、層厚が5
00オングストームのGaAs低温バッファ層30を成
長した後、基板温度を750℃まで上げて保持し、成長
を一時的に中断させ、熱クリーニングを施す。このGa
As低温バッファ層30の成長時、p型AlGaAs
クラッド層4の表面にアモルファス状のGa原子,A
s原子が均一に付着し、リッジ部側部、即ち、SiN膜
6のひさし6aの下部を埋め込むとともに、上記リッジ
部の形成時にウエットエッチングによって生じたp型A
lGaAs第2クラッド層4上の微細な溝も埋め込まれ
る。また、このGaAs低温バッファ層30の成長後の
基板温度の昇温(750℃)による熱クリーニングによ
り、このGaAs低温バッファ層30を構成する上記ア
モルファス状のGa原子,As原子の再配列化が進行
し、このGaAs低温バッファ層30は単結晶で均一組
成のGaAs層となる。尚、ここでの熱クリーニングは
20分間程度行われる。次いで、基板温度を通常のGa
Asの成長温度である700℃まで下げた後、図4(d)
に示すように、n型GaAs電流阻止層8とp型GaA
s第2キャップ層50を順次エピタキシャル成長する。
この時、リッジ部の側部、即ち、SiN膜6の端部のひ
さし6aの下部にも、n型GaAs電流阻止層8,p型
GaAs第2キャップ層50が成長するとともに、これ
らの層は、上記結晶品質が良好なGaAs低温バッファ
層30上に成長するため、その結晶品質も極めて良質の
ものとなる。尚、図8は、これらGaAs低温バッファ
層,n型GaAs電流阻止層8,p型GaAs第2キャ
ップ層50の成長工程における基板温度と反応時間との
変化を示している。
【0047】そして、この後、従来の製造工程と同様に
して図4(d) に示すようにSiN膜6をプラズマエッチ
ングによって除去した後、MOCVD法により750℃
前後の成長温度で層厚2.5μm程度にp型GaAsコ
ンタクト層9を形成し、次いで、p側電極10及びn側
電極11をそれぞれp型GaAsコンタクト層9の上面
及びn型GaAs基板1の下に形成すると、図4(f) に
示す半導体レーザ装置が完成する。
【0048】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造工程では、p型AlGaAs第2クラッド層4の表
面にGaAs低温バッファ層30を形成するため、Si
N膜パターン6のひさし部6aの下にアモルファス状の
GaAsが付着して、ひさし部の下をGaAs層で埋め
込むことができ、また、p型AlGaAs第2クラッド
層4の表面の微細な溝も埋めることができ、このGaA
s低温バッファ層30は熱クリーニング工程によって単
結晶化するため、このGaAs低温バッファ層30上に
形成されるn型GaAs電流阻止層8,p型GaAs第
2キャップ層50の結晶品質も優れたものとなり、リッ
ジ部の側部に凹部を生ずることなく、リッジ部の両脇を
結晶品質に優れたエピタキシャル成長層で埋め込むこと
ができ、その結果、これらリッジ部とその両脇に形成さ
れたGaAs低温バッファ層30,n型GaAs電流阻
止層8及びp型GaAs第2キャップ層50とこれらを
覆うp型GaAsコンタクト層9の結晶品質も優れたも
のとなり、得られる半導体レーザ装置100はリッジ部
の両脇及びp型GaAsコンタクト層9の結晶品質が良
好で、且つ、p側電極10がこのp型GaAsコンタク
ト層9の表面に一様に接合した、装着特性及び信頼性に
優れた高性能の半導体レーザ装置を得ることができる。
【0049】尚、上記実施例では、上記GaAs低温バ
ッファ層30の層厚を500オングストロームとした
が、200〜1000オングストロームの範囲内であれ
ば同様の効果を得ることができ、また、成長温度を40
0℃としたが、300℃〜550℃の範囲内で調整すれ
ばよく、特に、350℃〜450℃の範囲内が特に良好
な結果を得ることができる。
【0050】また、上記実施例では、GaAs低温バッ
ファ層30を成長させたが、同様にAlGaAs低温バ
ッファ層を成長させてもよく、この場合も、上記実施例
と同様の効果を得ることできる。
【0051】図2は、この発明の第2の実施例による半
導体レーザ装置の構造を示す断面図であり、また、図3
は図2に示す半導体レーザ装置のリッジ部の側壁部を拡
大して示した図である。これらの図において、図1と同
一符号は同一または相当する部分を示し、基本的な装置
構造は上記第1の実施例の半導体レーザ装置100と同
様である。本実施例の半導体レーザ装置200は、上記
実施例のGaAs低温バッファ層30の代わりに、20
0オングストロームのAlGaAs層と500オングス
トロームのGaAs層とを交互に5サイクルに重ねて形
成された超格子バッファ層31で形成されている。この
超格子バッファ層31は700℃の基板温度で200オ
ングストロームのAlGaAs層と500オングストロ
ームのGaAs層を交互に成長させて得られたものであ
る。
【0052】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造工程では、p型AlGaAs第2クラッド層4の表
面に200オングストロームのAlGaAs層と500
オングストロームのGaAs層が5サイクル交互に重ね
られた超格子バッファ層31が形成され、最下層の20
0オングストロームのAlGaAs層とp型AlGaA
s第2クラッド層4が同一組成であるため、これらが良
好に接合し、SiN膜6のひさし部6aの下にも超格子
バッファ層31を形成することができ、しかも、これら
p型AlGaAs第2クラッド層4と超格子バッファ層
31との間で生じる転位もこの超格子バッファ層31を
介して横方向に拡散するため、p型AlGaAs第2
ラッド層4の表面の局在化した酸素や微細な溝による悪
影響を受けることなく、これらの上にn型GaAs電流
阻止層8,p型GaAs第2キャップ層50をエピタシ
キシャル成長することができ、リッジ部の側部に凹部を
生ずることなく、結晶品質に優れたエピタキシャル層を
形成することができ、その結果、上記第1の実施例と同
様に、得られる半導体レーザ装置200はリッジ部の両
脇及びp型GaAsコンタクト層9の結晶品質が良好
で、且つ、p側電極10がこのp型GaAsコンタクト
層9の表面に一様に接合した、装置特性及び信頼性に優
れた高性能の半導体レーザ装置となる。
【0053】図5はこの発明の第3の実施例による半導
体レーザ装置の構造を示す断面図であり、また、図6は
図5に示す半導体レーザ装置の製造工程を示す工程別断
面図である。これらの図において、図1と同一符号は同
一または相当する部分を示し、300は半導体レーザ装
置、7はレジストパターンである。
【0054】以下、図6に基づいて製造工程を説明す
る。図6(a) 〜図6(c) までの工程は、上記第1,第2
の実施例と同様であり、図6(c) に示すように、p型A
lGaAs第2クラッド層4及びp型GaAs第1キャ
ップ層5とからなるリッジ部を形成すると、リッジ部上
のSiN膜6にはひさし部6aが形成される。次に、図
6(d) に示すように、レジストパターン7をマスクにし
てCF4 を含むプラズマエッチングによってSiN膜6
のひさし部分6aを除去し、次いで、SiN膜6上のレ
ジストパターン7を除去した後、図6(e) に示すよう
に、リッジ部の両側に、MOCVD法により基板温度を
750°C前後としてn型GaAs電流ブロック層8と
p型GaAs第2キャップ層50をそれぞれの層厚が
1.0μm,0.5μmとなるように成長させる。次
に、SiN膜6をCF4 とO2 の混合ガスプラズマによ
るプラズマエッチングにて除去した後、該処理面にMO
CVD法により基板温度を750°C前後として層厚
2.5μmのp型GaAsコンタクト層9を成長する。
この後、n型GaAs基板1の下面にn側電極11を、
p型GaAsコンタクト層9の上面にp側電極10を形
成すると半導体レーザ装置が得られる。
【0055】上記製造工程を経て得られた図5に示す半
導体レーザ装置300は、図17に示した従来の半導体
レーザ装置と層構成は同じであるが、リッジ部の両脇を
埋めるn型GaAs電流阻止層8とp型GaAs第2キ
ャップ層50のリッジ部の側部に、図17に示されるよ
うな大きな凹部は形成されていない。
【0056】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造工程では、リッジ部形成のパターニング工程で生じ
たSiN膜6のひさし部6aを、プラズマエッチングに
よって除去した後、リッジ部の両側にn型GaAs電流
ブロック層8とp型GaAs第2キャップ層50を結晶
成長させるため、結晶成長時の原料ガスの供給がスムー
ズに行われ、リッジ部の側部にも良好な結晶構造を備え
た結晶を成長させることができ、その結果、リッジ部の
側部に凹部を形成することなく、半導体層(n型GaA
s電流ブロック層8,該p型GaAs第2キャップ層5
0)をエピタキシャル成長することができ、これらの上
にエピタキシャル成長したp型GaAsコンタクト層9
にp側電極10が一様に接合した、装置特性及び信頼性
に優れた半導体レーザ装置を再現性良く得ることができ
る。
【0057】尚、図7は上記実施例中の製造工程におい
て、SiN膜6のエッチング時に過度にエッチングが進
行し、リッジ部表面の両端部でp型GaAs第1キャッ
プ層5が表面露出し、この状態でn型GaAs電流ブロ
ック層8とp型GaAs第2キャップ層50を結晶成長
した時の構造を示したもので、図に示すように、上記ひ
さし6aのエッチング工程で過度にエッチングが進行す
ると、リッジ部の側部には突起部が形成されてしまい、
この後にp型GaAsコンタクト層9を形成すると、該
p型GaAsコンタクト層9表面には凸部が形成されて
しまう。このため、上記実施例におけるSiN膜6のエ
ッチング工程後、p型GaAs第キャップ層5の表面
露出を防止するために、酒石酸系,硫酸系,リン酸系の
いずれかのエッチャントによりウエットエッチングによ
って、リッジ部をライトエッチングし、リッジ部分を幅
方向に約0.1μm程度除去した後、p型GaAsコン
タクト層9を成長させてもよく、この場合、リッジ部の
側部はより平坦になり(p型GaAsコンタクト層9表
面がより層平坦になり)、信頼性が一層向上した半導体
レーザ装置を得ることができる。
【0058】次に、本発明の第4の実施例による半導体
レーザ装置の製造方法を説明する。図10は、リッジ部
導波路型半導体レーザ装置におけるリッジ部とリッジ部
の両脇を埋め込む埋込層との段差と、リッジ部及び埋込
層を覆うコンタクト層表面に生ずる段差との関係を示し
た図である。この図中の半導レーザ装置の断面図におい
て、図1と同一符号は同一または相当する部分を示して
おり、l1 はリッジ部の最上部と埋込層(n型GaAs
電流ブロック層8及びp型GaAs第2キャップ層5
0)との間の段差、l2 はコンタクト層(p型GaAs
コンタクト層9)上で生ずる段差を示している。また、
図中、横軸は段差l1 、縦軸は段差l2 である。
【0059】ところで、コンタクト層表面に大きな凸部
が生ずると、電極形成の際に、その金属膜の付着性を低
下させたり、その後の製造工程における裏面研磨プロセ
スやジャンクションダウン組立の際に、リッジ部に不要
なストレスをかけてしまい、リッジ部の損傷やレーザー
ビームの傾きにバラツキが生じ、レーザーの信頼性を低
下させてしまう。一方、上述した段差l2 はコンタクト
層を厚く成長していくと次第に軽減されるが、リッジ部
上に形成するコンタクト層の層厚を大きくし過ぎるとリ
ッジ部に対するストレスが大きくなるため、通常、コン
タクト層の層厚はコスト面等も鑑みて1〜3μm程度に
制御されている。
【0060】本実施例の半導体レーザ装置の製造工程
は、1〜3μmの層厚に成長させたコンタクト層上に生
じる段差が±0.1μmの範囲となるように、リッジ部
の高さを基準として埋込層の層厚を調整するもので、上
記第3の実施例の半導体レーザ装置の製造工程と基本的
には同じ工程からなり、リッジ部を形成した後、埋込層
であるn型GaAs電流ブロック層8とp型GaAs第
2キャップ層50を成長する際、これら2層分の層厚が
リッジ部の高さよりも0.3μm大きくなるか、また
は、小さくなるように制御し、この後にp型GaAsコ
ンタクト層9を1〜3μmの範囲に成長させている。
【0061】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造工程では、その層厚とリッジ部の高さとの寸法差が
±0.3μmとなるように、リッジ部の両脇にn型Ga
As電流ブロック層8とp型GaAs第2キャップ層5
0からなる埋込層を形成するため、この後に、層厚が1
〜3μmのp型GaAsコンタクト層9を形成した場
合、図10に示すように、該p型GaAsコンタクト層
9上のリッジ部の上部に対応する部分の凹凸差を±0.
1以下に抑えることができ、これ以降の電極形成等の製
造工程を経て得られる半導体レーザ装置は、リッジ部へ
のストレスが小さく、しかも電極の接合精度も良好な高
信頼性の半導体レーザ装置となる。
【0062】図11は、この発明の第5の実施例による
半導体レーザ装置の製造工程を示す工程別断面図であ
り、図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示しており、3aは多重量子井戸層構造からなる
活性層、22はn型GaAsバッファ層、23はAlA
s層、24はAl0.8 Ga0.2 Asキャップ層、29は
レジストパターンである。
【0063】以下、製造工程を説明する。先ず、図11
(a) に示すように、第1回目のMOCVD法によるエピ
タキシャル成長により、n型GaAs基板1上にn型G
aAsバッファ層22,n型Al0.5 Ga0.5 As第1
クラッド層2,多重量子井戸層からなる活性層3a、P
型Al0.5 Ga0.5 As第2クラッド層4及びp型Ga
As第1キャップ層5を順次成長し、更に、このp型G
aAsキャップ層5上に100オングストローム程度の
層厚のAlAs層23と100オングストローム程度の
層厚のAl0.8 Ga0.2 Asキャップ層24を順次成長
させる。ここで、Al0.8 Ga0.2 Asキャップ層24
を成長させるのは、AlAsダミー層23が製造工程中
に潮解、風解を受けて結晶構造が破壊されるのを防止す
るためである。次に、通常の写真製版,エッチング技術
を用いて上記Al0.8 Ga0.2 Asキャップ層24上に
所定幅のレジストパターン29を形成する。次に、この
レジストパターンをマスクとして、これら基板上に形成
された多層構造のエピタキシャル層を、フッ酸中へ瞬間
的に浸漬し、AlAs層23,Al0.8 Ga0.2 Asキ
ャップ層24の所定領域のみを除去し、次いで、この状
態で、これら基板上に形成された多層構造のエピタキシ
ャル層をその混合比(過酸化水素水:酒石酸)が1:2
〜1:6の過酸化水素水と酒石酸の混合液中に浸漬する
と、上記レジストパターン29からなるマスクの両側の
P型GaAs第1キャップ層5とP型Al0.5 Ga0.5
As第2クラッド層4とが所定深さエッチング除去され
て、図11(b) に示すように、該レジストパターン29
の下部に、その最上層にAlAs層23とAl0.8 Ga
0.2Asキャップ層24とが配設されたP型GaAs第
1キャップ層5とP型Al0.5 Ga0.5 As第2クラッ
ド層4とからなるリッジ部が形成される。このエッチン
グ工程時、レジストパターン29の下部の上記P型Ga
As第1キャップ層5の上面に配設されたAlAs層2
3とAl0.8 Ga0.2 Asキャップ層24は、上記混合
比に混合された過酸化水素水と酒石酸の混合液に全くエ
ッチングされないので、エッチングマスクとして働く。
そして、これら2層は上記P型GaAs第1キャップ層
5に対して連続的に形成されたエピタキシャル層である
ため、AlAs層23とP型GaAs第1キャップ層5
間の付着強度は、P型GaAs第1キャップ層5と従来
のエッチングマスクを構成するシリコン窒化膜やシリコ
ン酸化膜等の絶縁膜間のそれにくらべて非常に高く、こ
れらAlAs層23とP型GaAs第1キャップ層5と
の界面にはエッチング液(過酸化水素水と酒石酸の混合
液)が侵入せず、P型GaAs第1キャップ層5のサイ
ドエッチングが防止される。
【0064】尚、上記AlAs層23,Al0.8 Ga0.
2 Asキャップ層24の除去に用いたフッ酸はAlAs
層23,Al0.8 Ga0.2 Asキャップ層24の両者に
対してエッチング性を示す。また、上記フッ酸中へ瞬間
的な浸漬は、1〜10秒以内の範囲で行うのが良く、こ
れらは、この範囲より長い時間浸漬すると、レジストパ
ターン29の下部のAlAs層23とAl0.8 Ga0.2
Asキャップ層24にも、エッチングが進行していく恐
れがあるためである。
【0065】次に、上記レジストパターン29を除去
し、上記リッジ部の最上面にAlAs層23とAl0.8
Ga0.2 Asキャップ層24とが配設された状態で、基
板全面にわたって第2のエピタキシャル成長を行うと、
図11(c) に示すように、上記リッジ部の両側にn型G
aAs電流ブロック層8が成長し、同時に、上記リッジ
部の上部にもn型GaAs層8aが形成される。次に、
このままの状態で、これらをフッ酸に約3分以上浸漬す
ると、図11(d) に示すように、リッジ部のAlAs層
23とAl0.8 Ga0.2 Asキャップ層24はP型Ga
As第1キャップ層5上から除去され、P型GaAs第
1キャップ層5上に形成されていたn型GaAs層も、
これらAl0.8 Ga0.2 Asキャップ層24,P型Ga
As第1キャップ層5上とともに除去される。次に、第
3のエピタキシャル成長により、上記リッジ部と上記n
型GaAs電流ブロック層8を覆うように、P型GaA
sコンタクト層9を形成し、そして、この後、該P型G
aAsコンタクト層9上にp側電極10、n型GaAs
基板1の裏面にn側電極11を形成すると、図11(e)
に示す半導体レーザ装置が完成する。
【0066】図12は、上記図11(d) に示す工程、即
ち、リッジ部形成後の成長層をフッ酸に浸漬してリッジ
部上部のn型GaAs8aを除去する工程における、n
型GaAs8aの除去程度(フッ酸浸漬時間と除去確率
の関係)を示した図であり、図において、横軸はフッ酸
への浸漬時間(分),縦軸は2インチ径ウエハ面内に4
μmと8μm幅に形成したそれぞれの幅のリッジ部スト
ライプ50本づつについて、フッ酸への浸漬によってリ
ッジ部上のGaAs層が完全に除去された(リフトオフ
された)リッジ部の本数の確率を示したものである。図
から分かるように、3分以上浸漬することによって、リ
ッジ部上のn型GaAs8aは完全にリフトオフされる
ことが分かる。
【0067】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造方法では、第1のエピタキシャル成長時、p型Ga
Asキャップ層5上に層厚の薄いAlAs層23とAl
0.8Ga0.2 Asキャップ層24が同時に成長している
ため、AlAs層23とAl0.8 Ga0.2 Asキャップ
層24上に所定幅のレジトパターン29を設け、このレ
ジストパターン29をマスクとして上記AlAs層23
とAl0.8 Ga0.2 Asキャップ層24を選択的にエッ
チングし、所定幅に成形されたAlAs層23とAl0.
8 Ga0.2 Asキャップ層24とからなるパターンをマ
スクにして、上記第1のエピタキシャル成長によって得
られたP型Al0.5 Ga0.5 As第2クラッド層4,p
型GaAs第1キャップ層5の所定領域にエッチングを
施してリッジ部を形成するため、このエッチング時、A
lAs層23とp型GaAs第1キャップ層5の界面が
結晶構造によって強固に付着していることから、この部
分にはエッチングが進行せず、その結果、第2のエピタ
キシャル成長工程において、リッジ部の側部に凹部を生
ずることなくn型GaAs電流ブロック層8をリッジ部
の両脇に平坦に形成することができる。また、リッジ部
の最上部にあるAlAs層23とAl0.8 Ga0.2 As
キャップ層24もフッ酸への浸漬によって簡単に除去で
きるため、この上に、p型GaAsコンタクト層9を平
坦に形成でき、p側電極10がこのp型GaAsコンタ
クト層9に一様に接合した、装置特性及び信頼性に優れ
た高性能な半導体レーザを再現性良く得ることができ
る。
【0068】尚、上記実施例ではAl0.8 Ga0.2 As
キャップ層24のAl組成比を0.8としたが、これは
0.5以上であれば同様の結果を得ることができる。
【0069】図13は、この発明の第6の実施例による
半導体レーザ装置の製造工程を示す工程別断面図であ
り、図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示しており、25はシリコン窒化膜パターン、2
6はシリコン酸化膜パターンである。
【0070】以下、製造工程を説明する。先ず、上記第
1の実施例のP型AlGaAs活性層3の代わりに、層
厚が100オングストローム程度のAlGaAs層とG
aAs層とを交互に積層し、量子井戸構造を複数形成し
た多重量子井戸構造からなる活性層3aを成長させる以
外は、上記第1の実施例と同様にして第1のエピタキシ
ャル成長を行い、n型GaAs基板1上に、n型AlG
aAs層第1クラッド層2,多重量子井戸構造からなる
活性層3a,P型AlGaAs層第2クラッド層4及び
P型GaAs第1キャップ層5を750°C前後の成長
温度で順次結晶成長させた後、図13(a) に示すよう
に、上記P型GaAs第1キャップ層5の上面に所定幅
のシリコン窒化膜パターン25を配設する。次に、図1
3(b) に示すように、上記シリコン窒化膜パターン25
を覆い、且つ、その両側が該シリコン窒化膜パターン2
5の端部から均等にはみ出るように、シリコン酸化膜パ
ターン26を形成する。そして、この後、これらシリコ
ン窒化膜パターン25とシリコン酸化膜パターン26を
マスクとして、上記P型AlGaAs層第2クラッド層
4とP型GaAs第1キャップ層5に対して、硫酸,過
酸化水素,水の混合液でウエットエッチングを施し、図
13(c) に示すように、多重量子井戸構造からなる活性
層3a上にp型AlGaAs第2クラッド層4が0.2
〜0.3μm残る状態に、上記P型AlGaAs第2ク
ラッド層4とP型GaAs第1キャップ層5からなるリ
ッジ部を形成する。ここで、このウエットエッチング
は、リッジ部の幅がシリコン窒化膜パターン25の幅と
同じか又は若干小さくなるまで行う。尚、これらの工程
において、上記シリコン窒化膜パターン25の幅は、予
めその形成時に、形成するリッジ部の高さと幅とを考慮
して決定しておく。次に、この状態で、フッ酸系のエッ
チング液を用いて、これらシリコン窒化膜パターン25
とシリコン酸化膜パターン26とにエッチングを施す
と、図13(d) に示すように、上記シリコン窒化膜パタ
ーン25がリッジ部の上部に残ったまま、シリコン酸化
膜パターン26のみが除去される。これは、シリコン酸
化膜のフッ酸系のエッチング液に対するエッチングレー
トが、シリコン窒化膜のそれよれも10倍以上速いこと
を利用している。次に、図13(e) に示すように、上記
リッジ部の上部に残されたシリコン窒化膜パターン25
をマスクとして、n型GaAs電流ブロック層8の埋込
み成長を行う。そして、この後、P型GaAsコンタク
ト層9を成長させると、図11(e) に示した上記第5の
実施例の半導体レーザ装置と同じ構造の半導体レーザ装
置が得られる。
【0071】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造方法では、第1のエピタキシャル成長によって得ら
れた成長層の最上部に形成されたP型GaAs第1キャ
ップ層5の上面に、所定幅のシリコン窒化膜パターン2
5と、該シリコン窒化膜パターン25を覆い、且つ、そ
の両側端部が該シリコン窒化膜パターン25の終端部か
ら均等にはみ出る所定幅を有するシリコン酸化膜パター
ン26とを配設し、これらシリコン窒化膜パターン25
とシリコン酸化膜パターン26とをマスクとして、上記
第1のエピタキシャル成長によって得られた成長層を、
得られるリッジ部の幅が上記シリコン化膜パターン
の幅と同じか、或いは、それより若干小さくなるよう
にエッチングし、この後、シリコン酸化膜パターン26
のみを除去してから、リッジ部の両側にn型GaAs電
流ブロック層8を成長するようにしたため、リッジ部形
成後、シリコン酸化膜パターン26を除去するだけで、
容易にマスクの幅とリッジ部の幅を近似させることがで
き、その結果、図11(e)に示した上記第5の実施例の
半導体レーザ装置と同様の構造のp側電極10がp型G
aAsコンタクト層9に一様に接合した、装置特性及び
信頼性に優れた高性能な半導体レーザを得ることができ
る。
【0072】図14は、この発明の第7の実施例による
半導体レーザ装置の製造工程を示す工程別断面図であ
り、図において、図1と同一符号は同一または相当する
部分を示しており、27,27aはシリコン窒化膜パタ
ーン、28はレジストパターンである。
【0073】以下、製造工程を説明する。先ず、上記第
6の実施例と同様にして、n型GaAs基板1上に、第
1のエピタキシャル成長により、n型AlGaAs層第
1クラッド層2,多重量子井戸構造からなる活性層3
a,P型AlGaAs層第2クラッド層4及びP型Ga
As第1キャップ層5を順次成長させた後、図14(a)
に示すように、所定幅のシリコン窒化膜パターン27を
形成する。次に、図14(b) に示すように、このシリコ
ン窒化膜パターン27上に、該シリコン窒化膜パターン
27よりその幅が小さいレジストパターン28を、該レ
ジストパターン28の両側端部から上記シリコン窒化膜
パターン27が均等にはみ出るように形成する。次に、
上記シリコン窒化膜パターン27をマスクとして上記P
型AlGaAs層第2クラッド層4とP型GaAs第1
キャップ層5に対して、上記第6の実施例と同様にして
ウエットエッチングを施し、図14(c) に示すように、
これらP型AlGaAs層第2クラッド層4とP型Ga
As第1キャップ層5の所定領域にリッジ部を形成す
る。この時、リッジ部の幅はレジストパターン28の幅
と同じか、或いは若干小さくなる様にする。次に、図1
4(d) に示すように、上記レジストパターン28をマス
クにして上記シリコン窒化膜パターン27の端部をエッ
チング除去し、リッジ部の幅とほぼ同様の幅を有するシ
リコン窒化膜パターン27aを形成する。次に、上記レ
ジストパターン28を上記シリコン窒化膜パターン27
a上から全面除去した後、この状態で、リッジ部の両脇
にn型GaAs電流ブロック層8をエピタキシャル成長
した後、上記シリコン窒化膜パターン27aを除去し、
リッジ部と該n型GaAs電流ブロック層8上にP型G
aAsコンタクト層9をエピタキシャル成長すると、図
11(e) に示した、上記第5の実施例の半導体レーザ装
置と同じ構造の半導体レーザ装置が得られる。
【0074】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造方法では、第1のエピタキシャル成長によって得ら
れた成長層の最上部に形成されたP型GaAs第1キャ
ップ層5の上面に、所定幅のシリコン窒化膜パターン2
7を形成し、次いで、該シリコン窒化膜パターン27よ
りその幅が小さいレジストパターン28を、その両端か
ら上記シリコン窒化膜パターン27が均等にはみ出るよ
うに、該シリコン窒化膜パターン27上に配設し、この
状態で、上記第1のエピタキシャル成長によって得られ
た成長層にウエットエッチングを施して、得られるリッ
ジ部の幅が上記レジストパターン28の幅と同じか、或
いは、それより若干小さくなるようにエッチングし、こ
の後、上記レジストパターン28をマスクとして上記シ
リコン窒化膜パターン27の端部にエッチングを施し
て、この端部を除去してから、リッジ部の両側にn型G
aAs電流ブロック層8をエピタキシャル成長するよう
にしたので、マスクの幅とリッジ部の幅を近似させた状
態で、リッシ部の両脇にn型GaAs電流ブロック層8
を成長させることができ、この後、リッジ部とn型Ga
As電流ブロック層8上にp型GaAsコンタクト層9
をエピタキシャル成長することにより、図11(e) に示
した上記第5の実施例の半導体レーザ装置と同様の構造
のp側電極10がp型GaAsコンタクト層9に一様に
接合した、装置特性及び信頼性に優れた高性能な半導体
レーザを得ることができる。
【0075】尚、本実施例による製造工程は、上記第3
の実施例の製造工程と、リッジ部形成後に、シリコン窒
化膜パターンの端部をエッチング除去する点は、同じで
あるが、上記第3の実施例では、レジストパターン7の
下部のシリコン窒化膜パターン6の端部をプラズマエッ
チングを用いてサイドエッチングしなければならず、本
実施例の製造工程では、レジストパターン28をマスク
した通常のウエットエッチング等のエッチング技術によ
って、シリコン窒化膜パターン27の端部を除去するこ
とができるため、上記第3の実施例に比べて作業が簡単
である。また、リッジ部の幅を、予めサイドエッチング
がなされることを前提として、レジストパターン28の
幅に合わせるようにエッチングを行うため、その寸法精
度も向上する。
【0076】図15はこの発明の第8の実施例による半
導体装置を製造するMOCVD装置の構成図であり、こ
の装置は結晶成長反応専用のMOCVDチャンバ53と
気相エッチング専用の電子サイクロトロンチャンバ48
を有し、これらの間にウエハを水素雰囲気下に搬送する
搬送路45を設けたものである。
【0077】次に、動作を説明する。先ず、窒素で内部
が充たされたウエハ収納庫41内に複数のウエハが収納
されており、ターボモレキュラーポンプ(以下、TMP
と称す)42によりウエハ収納庫41内の窒素を吸引し
て、該ウエハ収納庫41内は真空状態となる。この後、
TMP42によりウエハ収納庫41に水素を導入し、ゲ
ートバルブ43を開ける。この時、ウエハ収納庫41と
電子サイクロトロンプラズマチャンバ(以下、ECRプ
ラズマチャンバと称す。)48との間及びECRプラズ
マチャンバ48とMOCVDチャンバ53との間でウエ
ハを自動搬送するウエハ搬送路45、及びロードロック
システム55の内部は予め水素で充たされている。そし
て、昇降可能なウエハ支持具44が上昇して、ウエハ収
納庫41内のウエハを一枚取り出し、ウエハ搬送路45
によりECRプラズマチャンバ48内にウエハが自動搬
送される。次いで、その上部にエッチングガス供給口4
6とマイクロ波照射口47,その側部に磁気コイル49
及びその下部に昇降可能な反応台50aを備えたECR
プラズマチャンバ48内でウエハに対してドライエッチ
ングが施される。次いで、ECRプラズマチャンバ48
から取り出されたウエハはECRプラズマチャンバ48
とMOCVDチャンバ53との間のウエハ搬送路45に
よってMOCVDチャンバ53内に自動搬送される。そ
して、その上部に有機金属化合物からなる原料ガスが供
給される原料ガス供給口52,その下部に反応台50b
を備えたMOCVDチャンバ53内でウエハ上への結晶
成長反応が施される。次いで、MOCVDチャンバ53
から取り出されたウエハはウエハ搬送路45によりウエ
ハ収納庫54に収納される。このようにして、ウエハ収
納庫41内に収納された複数のウエハは、1枚ずつロー
ドロックシステム55内に取り出され、順次、ドライエ
ッチング及び結晶成長反応が施され、ウエハ収納庫54
に収容される。
【0078】以下、この反応装置を用いた半導体レーザ
装置の製造工程を説明する。この製造工程は、上記第3
の実施例のリッジ部形成工程の後、n型GaAs基板
1、即ち、ウエハを上記反応装置のウエハ収納庫41
に収納し、上述した動作に基づいて表面露出したp型A
lGaAs第2クラッド層4表面に対してECRプラズ
マチャンバ48にて水素プラズマによるプラズマエッチ
ングを施し、この表面処理されたp型AlGaAs第2
クラッド層4表面をウエハ搬送路45により水素雰囲気
下で大気にさらすことなくMOCVDチャンバ53内に
移送させ、この表面にn型GaAs電流ブロック層8と
p型GaAs第2キャップ層50を結晶成長させた後、
上記第3の実施例と同様にp型GaAsコンタクト層9
及びp側及びn側電極10,11を形成するものであ
る。図16は、このようにして得られた半導体レーザ装
置におけるp型AlGaAs第2クラッド層4とn型G
aAs電流ブロック層8におけるSIMSによる酸素濃
度のプロファイルを示した図であり、図に示すように、
これら2層の界面には従来のような酸素の局在現象は発
生しなくなる。
【0079】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造工程では、リッジ部形成後のp型AlGaAs第2
クラッド層4の表面をECRプラズマチャンバ48にて
水素プラズマでエッチングした後、該表面を大気中にさ
らすことなく、結晶成長専用のチャンバ内に移送し、該
表面にn型GaAs電流ブロック層8とp型GaAs第
2キャップ層50を形成するため、p型AlGaAs第
2クラッド層4とn型GaAs電流ブロック層8との間
には酸素が局在せず、この部分での漏れ電流の発生を抑
制することができ、また、n型GaAs電流ブロック層
8とp型GaAs第2キャップ層50の結晶品質も向上
するため、上記第3の実施例の製造工程によって得られ
る半導体レーザ素子に比べて、装置特性が一層向上した
高性能の半導体レーザ装置を得ることができる。
【0080】尚、上記実施例では、プラズマエッチング
用のエッチングチャンバを示したが、MOCVDチャン
バを2つ並設して、一方を気相エッチング用チャンバと
して用い、HCl,Cl2 またはH2 S等のガスを用い
てp型AlGaAs第2クラッド層4表面を気相エッチ
ングしてもよく、また、ECRプラズマチャンバ48を
反応性イオンエッチングチャンバ(以下、RIEチャン
バと称す。)に変えて、p型AlGaAs第2クラッド
層4表面にイオンビームエッチングを施してもよく、こ
の場合も上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0081】図9は、この発明の第9の実施例による同
一の半導体基板上に複数のp型InP系リッジ部光導波
路型半導体レーザ素子を形成し、各素子間を分離して個
々の半導体レーザ装置を製造する際の、素子間分離工程
を示す工程別断面図であり、図において、12はp型I
nP基板であり、該p型InP基板12にはリッジ部2
2が形成され、該リッジ部22内にはアンドープInG
aAsP活性層14が形成され、該リッジ部22の両脇
のp型InP基板12の表面には、InP系半導体エピ
タキシャル層13が形成され、該リッジ部22の上面の
一部からリッジ部22を形成する溝及びInP系半導体
エピタキシャル層13の表面に向けてSiO2 膜15が
形成されている。また、該SiO2 膜15とリッジ部2
2の上面の一部を覆うようにn側電極16が配設されて
いる。尚、図中18はp型InP基板12とInP系半
導体エピタキシャル層13との界面、17はレジストを
示し、19,20は隣接する素子部を示している。
【0082】以下、素子間分離工程を説明する。半導体
レーザ素子19,20を分離するためには、まず、p型
InP基板12上に、InP系半導体エピタキシャル層
13を形成し、これらの所定の部分を構成要素として複
数の素子が形成された状態で、基板12全面に対してレ
ジスト17を塗布し、素子間に約5μmの幅のストライ
プパターンを形成した後、該レジスト17をマスクとし
て図16(a) に示すように、開口部のSiO2 膜15を
InP系半導体エピタキシャル層13の表面が露出する
までエッチングする。次いで、図16(b) に示すように
SiO2 膜15をマスクとして、塩酸を含むエッチング
液でp型InP基板12とInP系半導体エピタキシャ
ル層13とをウエットエッチングし、これらの界面18
を越える溝を形成する。ここで、形成された溝の淵には
サイドエッチングによって約2μmの長さのSiO2 膜
15のひさし15aが形成される。次いで、このひさし
15aを除去するため、図16(c) に示すように、レジ
スト17をマスクにして、CF4 によるプラズマエッチ
ングを行い、SiO2 膜15のひさし部分のみを除去す
る。そして、この後、物理的にこの溝部分においてp型
InP基板12とInP系半導体エピタキシャル層13
とを分断して、半導体レーザ素子19,20を互いに分
離する。
【0083】このような本実施例の半導体レーザ装置の
製造工程では、従来のように、SiO2 膜15のひさし
部分15aを除去するために、再度、この上にレジスト
塗布,写真製版を行って該ひさし部分15aを除去する
ための新たなレジストパターンの形成を行う必要がない
ため、素子間分離工程を短縮することができ、また、ひ
さし部分15aの除去はCF4 を用いたプラズマエッチ
ングで選択的に行なわれるので、素子分離溝が数μmの
細い溝であっても精度を低下させることなくひさし部分
15aのみを除去することができ、その結果、信頼性が
向上した半導体レーザ装置を効率よく製造することがで
きる。
【0084】尚、上記第1〜第8の実施例においては、
GaAs基板上にAlGaAs系材料の結晶層を成長さ
せた発振波長が0.7〜0.9μm帯半導体レーザ装置
を例にとって説明したが、p型InP基板上にInGa
AsP系材料の結晶層を成長させた発振波長1μm帯の
半導体レーザ装置や、GaAs基板を用いたInGaA
lP系の材料の結晶層を成長させた発振波長0.5〜
0.7μm帯の半導体レーザ装置であっても同様の効果
を得ることができる。
【0085】また、上記実施例では何れも半導体レーザ
装置について説明したが、本発明は多層構造の半導体エ
ピタキシャル層をパターニングして、逆メサ形状のリッ
ジ部を形成し、この後、該リッジ部の両側に第2のエピ
タキシャル層を再成長し、更に、リッジ部とこの第2の
エピタキシャル層上に第3のエピタキシャル層を成長す
る工程を含んで得られる多の半導体装置の製造工程にも
適用できることは言うまでもない。
【0086】
【発明の効果】この発明によれば、半導体エピタキシャ
ル層に対してウエットエッチングを施して逆メサ形状の
リッジ部を形成し、この後、該リッジ部の形成時に用い
た絶縁膜からなるマスクパターンを結晶成長用マスクと
して用い、該リッジ部の両脇に新たな半導体層をエピタ
キシャル成長する際、上記絶縁膜からなるマスクパター
ンの端部をエッチングによって除去して、このマスクパ
ターンの幅を上記リッジ部の幅と近似させた後、リッジ
部の端部をライトエッチングするようにし、この後、上
記新たな半導体層をエピタキシャル成長するようにした
ので、このエピタキシャル成長時、反応ガスが上記リッ
ジ部の両脇で均一に拡がることから、成長する半導体層
のリッジ部の側部には凹部が形成されず、平坦な半導体
エピタキシャル層をリッジ部の両脇に成長させることが
でき、その結果、装置特性に優れ、しかも電極剥がれ等
がなく信頼性に優れた半導体装置を再現性よく得ること
ができる効果があるとともに、上記マスクパターンの端
部を除去する工程において過度にエッチング進行して、
リッジ部の上面の端部が上記マスクパターンの端部から
露出した場合も、この端部の露出を無くすことができ、
その結果、リッジ部の両脇に半導体層をエピタシキャル
成長する際に、リッジ部の上面端部から凸部を形成され
ることが無くなり、これらリッジ部と該リッジ部の両脇
に成長した半導体エピタキシャル層上に成長する半導体
エピタキシャル層の表面を一層平坦にすることができ、
得られる半導体装置の信頼性を一層向上することができ
る効果がある
【0087】
【0088】更に、この発明によれば、半導体エピタキ
シャル層に対してウエットエッチングを施して逆メサ形
状のリッジ部を形成し、次いで、該リッジ部の両脇に新
たな半導体層をエピタキシャル成長する際に用いるマス
クパターンを、その幅がリッジ部の形成後に縮小できる
構造に、上記半導体エピタキシャル層上に形成しておく
ようにしたので、リッジ部形成後マスクの端部を除去し
てから、上記新たな半導体層をエピタキシャル成長する
ことができ、しかも、該リッジ部の幅は、上記ウエット
エッチング時に、サイドエッチングされることを前提と
して、上記リッジ部形成後に縮小されるマスクパターン
の幅と同等と或いはそれより小さくなるように形成され
るため、上記と同様に、リッジ部の側部に凹部を形成す
ることなく、平坦な半導体エピタキシャル層をリッジ部
の両脇に成長させることができるとともに、装置の寸法
精度が高くなり、その結果、装置特性並びに信頼性に優
れた半導体装置をより一層再現性よく得ることができる
効果がある。
【0089】更に、この発明によれば、半導体エピタキ
シャル層に対してウエットエッチングを施して逆メサ形
状のリッジ部を形成し、次いで、該リッジ部の両脇に新
たな半導体層をエピタキシャル成長する際に用いるマス
クパターンを、半導体エピタキシャル層で構成するよう
にしたので、上記リッジ部の形成時、上記半導体エピタ
キシャル層はマスクパターンとの界面へのエッチング液
の浸透が殆ど無くなり、サイドエッチング自体を防止す
ることができ、このため、リッジ部の側部には全く凹部
や空洞部が形成されず、該リッジ部の両脇に上記新たな
半導体層をその表面が平坦になるようにエピタキシャル
成長することができ、その結果、上記と同様に、装置特
性並びに信頼性に優れた半導体装置を再現性よく得るこ
とができる効果がある。
【0090】
【0091】更に、この発明によれば、AlGaAs層
を含む半導体エピタキシャル層に対してウエットエッチ
ングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成し、この後、
該リッジ部の両脇に表面露出したAlGaAs層上にG
aAs層をエピタキシャル成長するに先立って、上記A
lGaAs層上に上記GaAsエピタキシャル成長層の
成長温度よりも低い温度で成長するAlx Ga1-x As
低温バッファ層(0≦x≦1)を上記表面露出したAl
GaAsエピタキシャル層上に成長するようにしたの
で、アモルファス状のAlGaAsまたはGaAsがリ
ッジ部のマスクのひさし部の下部に付着し、且つ、これ
らアモルファス状のAlGaAsまたはGaAsがAl
GaAsエピタキシャル層上にその表面の微細な溝や局
在化した酸素による凹凸を平坦化するように付着するた
め、ひさしの下部の空洞を埋めることができるととも
に、AlGaAsエピタキシャル層表面を平坦にするこ
とができ、その結果、装置特性に優れ、しかも電極剥が
れ等がなく信頼性が向上した半導体装置を得ることがで
きる効果がある。
【0092】
【0093】更に、この発明によれば、AlGaAs層
を含む半導体エピタキシャル層に対してウエットエッチ
ングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成し、この後、
該リッジ部の両脇に表面露出したAlGaAs層上にG
aAs層をエピタキシャル成長する際、該成長過程の初
期段階において成長を一時的に中断させるようにしたの
で、GaAs結晶の再配列化が促進されて単結晶化し、
その結果、リッジ部の両脇のGaAsエピタキシャル成
長層の結晶品質が向上し、得られる半導体装置の装置特
性を向上することかできる効果がある。
【0094】更に、この発明によれば、半導体基板及び
半導体エピタキシャル層の所定の部分をそれぞれの素子
の構成要素として複数の半導体素子が同一基板上に形成
され、これら複数の素子を個々の素子毎に分離して個々
の半導体装置を得る際、複数の素子が基板上に形成され
た状態で、全面に素子分離領域となる部分に開口が形成
されたレジストパターンを設け、該レジストパターンを
マスクとして上記開口部の下の絶縁膜を除去して該絶縁
膜に開口部を形成し、この開口が形成された絶縁膜をマ
スクとして、半導体基板と半導体エピタキシャル層をウ
エットエッチングして素子間を分離するための溝を形成
し、次いで、このウエットエッチングによって生じた溝
上部の絶縁膜のひさし部を上記レジストパターンをマス
クとしたプラズマエッチングによって除去し、この後
に、半導体基板及び半導体エピタキシャル層を溝を境に
分断するようにしたので、従来に比べて短縮した工程で
絶縁膜の屑や絶縁膜剥がれのない信頼性が向上した半導
体装置を効率良く製造できる効果がある。
【0095】更に、この発明によれば、AlGaAs層
を含む半導体エピタキシャル層に対してウエットエッチ
ングを施して逆メサ形状のリッジ部を形成し、この後、
該リッジ部の両脇に表面露出したAlGaAs層上にG
aAs層をエピタキシャル成長する際、このGaAs層
を成長するに先立って、上記AlGaAs層表面に対し
てドライエッチングを施し、この後、該表面処理された
AlGaAs層表面を大気中にさらすことなく、上記ド
ライエッチングが行われた環境とは異なる環境に移し、
この状態でこの表面にGaAs層をエピタキシャル成長
するようにしたので、上記エッチング工程による反応生
成物の影響を受けることなく、表面が清浄化されたAl
GaAsエピタキシャル層表面に結晶品質の優れたGa
As層を再成長させることができ、その結果、装置特性
及び信頼性が向上し高性能の半導体装置を得ることがで
きる効果がある。
【0096】更に、この発明の半導体レーザ装置によれ
ば、逆メサ形状のリッジ部の両側に露出したAlGaA
sエピタキシャル層とGaAsエピタキシャル層からな
る電流ブロック層との間に、Alx Ga1-x As低温バ
ッファ層(0≦x≦1)が設けられているので、電流ブ
ロック層の結晶性及び電極の接合性が良好となり、その
結果、装置特性及び信頼性を向上できる効果がある。
【0097】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による半導体レーザ装置の
構造を示す断面図。
【図2】この発明の第2の実施例による半導体レーザ装
置の構造を示す断面図。
【図3】図2に示す半導体レーザ装置のリッジ部の側壁
部を拡大して示した電子顕微鏡写真のスケッチ図。
【図4】図1に示す半導体レーザ装置の製造工程を示す
工程別断面図。
【図5】この発明の第3の実施例による半導体レーザ装
置の構造を示す断面図。
【図6】図5に示す半導体レーザ装置の製造工程を示す
工程別断面図。
【図7】図6の示す半導体レーザ装置の製造工程におけ
るSiN膜のひさしをエッチングする工程で、過度にS
iN膜を除去したときに生ずる不具合の状態を示す断面
図。
【図8】図4に示す半導体レーザ装置の製造工程におけ
るGaAs低温バッファ層,n型GaAs電流ブロック
層,p型GaAs第2キャップ層の形成工程における基
板温度と反応時間との関係を示す図。
【図9】この発明の第9の実施例による同一の半導体基
板上に複数のp型InP系リッジ部光導波路型半導体レ
ーザ素子を形成し、各素子間を分離して個々の半導体レ
ーザ装置を製造する際の素子間分離工程を示す工程別断
面図。
【図10】リッジ部導波路型半導体レーザ装置における
リッジ部高さとリッジ部の両脇を埋め込む埋込層との段
差と、リッジ部及び埋込層を覆うコンタクト層表面の段
差との関係を示した図。
【図11】この発明の第5の実施例による半導体レーザ
装置の製造工程を示す工程別断面図である。
【図12】図11で示す製造工程のリッジ部形成後のリ
ッジ部の上部に成長したn型GaAs層8aを除去する
工程における、フッ酸浸漬時間とn型GaAs層8aの
除去程度の関係を示した図である。
【図13】この発明の第6の実施例による半導体レーザ
装置の製造工程を示す工程別断面図である。
【図14】この発明の第7の実施例による半導体レーザ
装置の製造工程を示す工程別断面図である。
【図15】この発明の第8の実施例による半導体装置製
造用のMOCVD装置の構成図である。
【図16】図15に示すMOCVD装置を用いて製造さ
れた半導体レーザ装置のp型AlGaAs第2クラッド
層とn型GaAs電流ブロック層のSIMSによる酸素
濃度プロファイルを示した図である。
【図17】従来の半導体レーザ装置の構造を示す断面
図。
【図18】図17に示す従来の半導体レーザ装置の製造
工程を示す工程別断面図。
【図19】図17に示す半導体レーザ装置の製造工程に
おける第2エピタキシャル成長終了後のリッジ部の周辺
を拡大して示した電子顕微鏡写真のスケッチ図。
【図20】従来の半導体レーザ装置の製造工程における
素子間分離工程を示す工程別断面図。
【図21】図17に示す半導体レーザ装置の製造工程で
得られた半導体レーザ装置のp型AlGaAs第2クラ
ッド層とn型GaAs電流ブロック層のSIMSによる
酸素濃度プロファイルを示した図。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型AlGaAs第1クラッド層 3 p型AlGaAs活性層 3a 多重量子井戸構造からなる活性層 4 p型AlGaAs第2クラッド層 5 p型GaAs第1キャップ層 6 SiN膜パターン 6a ひさし部 7 レジストパターン 8 n型GaAs電流ブロック層 8a n型GaAs層 9 p型GaAsコンタクト層 10 p側電極 11 n側電極 12 p型InP基板 13 InP系半導体エピタキシャル層 14 InGaAsP活性層 15 SiO2 膜 15a ひさし 16 n側電極17 レジスト 17a レジスト 17b レジスト 18 p型InP基板とInP系半導体エピタキシャル
層との界面 19 半導体レーザ素子 20 半導体レーザ素子 21 空洞部 22 リッジ部 23 AlAs層 24 Al0.8 Ga0.2 Asキャップ層 25,27,27a シリコン窒化膜パターン 26 シリコン酸化膜パターン 28,29 レジストパターン 30 GaAs低温バッファ層 31 超格子バッファ層 41 ウエハ収納庫 42 ターボモレキュラーポンプ 43 ゲートバルブ 44 ウエハ支持具 45 ウエハ搬送路 46 エッチングガス供給口 47 マイクロ照射口 48 ECRプラズマチャンバ49 磁気コイル 50 p型GaAs第2キャップ層 50a 反応台 50b 反応台 51 圧力調整及び排気システム 52 原料ガス供給口 53 MOCVDチャンバ 54 ウエハ収納庫 55 ロードロックシステム 81 低温バッファ層成長領域 82 熱クリーニング領域 83 再成長層成長領域 100 半導体レーザ装置 200 半導体レーザ装置 300 半導体レーザ装置 400 半導体レーザ装置 500 半導体レーザ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杵築 弘隆 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社 光・マイクロ波デバイス研 究所内 (72)発明者 金野 信明 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社 光・マイクロ波デバイス研 究所内 (72)発明者 多田 仁史 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社 光・マイクロ波デバイス研 究所内 (56)参考文献 特開 昭64−55892(JP,A) 特開 平1−287980(JP,A) 特開 平3−196590(JP,A) 特開 昭64−57692(JP,A) 特開 昭63−138722(JP,A) 特開 平2−39523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に第1の半導体層をエピタ
    キシャル成長し、上記第1の半導体層にウエットエッチ
    ングを施して、該第1の半導体層の所定部分に逆メサ形
    状のリッジ部を形成した後、該リッジ部の両脇に第2の
    半導体層をエピタキシャル成長し、更に、該リッジ部及
    び該第2の半導体層を覆うように上記半導体基板の全面
    にわたって第3の半導体層をエピタキシャル成長してな
    る半導体装置の製造方法において、 上記第1の半導体エピタキシャル層上に絶縁膜を形成
    し、該絶縁膜上に所定幅のレジストパターンを形成する
    工程と、 上記レジストパターンをマスクとして、上記絶縁膜の該
    レジストパターンの下部以外の部分をエッチング除去
    し、該レジストパターンと同一幅の絶縁膜パターンを形
    成する工程と、 上記レジストパターン及び上記絶縁膜パターンをマスク
    として、上記第1の半導体エピタキシャル層にウエット
    エッチングを施し、上記逆メサ形状のリッジ部を上記第
    1の半導体エピタキシャル層の所定部分に形成する工程
    と、 上記レジストパターンをマスクとして、上記工程によっ
    て上記絶縁膜パターンの端部に生じたひさし部分にプラ
    ズマエッチングを施し、上記リッジ部の最上面の幅と
    絶縁膜パターンの幅と近似させる工程と、 上記リッジ部をライトエッチングする工程と、 上記絶縁膜パターンをマスクとして、上記リッジ部の形
    成工程によって得られた該リッジ部の両側の溝を埋め込
    むように、 上記第2の半導体層をエピタキシャル成長す
    工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に第1の半導体層をエピタ
    キシャル成長し、上記第1の半導体層にウエットエッチ
    ングを施して、該第1の半導体層の所定部分に逆メサ形
    状のリッジ部を形成した後、該リッジ部の両側の溝を埋
    め込むように第2の半導体層をエピタキシャル成長し、
    更に、該リッジ部及び該第2の半導体層を覆うように上
    記半導体基板の全面にわたって第3の半導体層をエピタ
    キシャル成長してなる半導体装置の製造方法において、 上記第1の半導体エピタキシャル層上に所定幅のシリコ
    ン窒化膜パターンを形成し、更に、該シリコン窒化膜パ
    ターンを覆い、且つ、その両端が該シリコン窒化膜パタ
    ーンの両側端部から均等にはみ出るように、上記第1の
    半導体エピタキシャル層上に所定幅のシリコン酸化膜パ
    ターンを形成する工程と、 上記シリコン窒化膜パターン及びシリコン酸化膜 パター
    ンをマスクとして、上記第1の半導体エピタキシャル層
    にウエットエッチングを施し、その最上面の幅が該シリ
    コン窒化膜パターンの幅と同じか或いはそれより小さい
    幅になるように、上記逆メサ形状のリッジ部を上記第1
    の半導体エピタキシャル層の所定部分に形成する工程
    と、上記シリコン窒化膜パターンが上記第1の半導体エピタ
    キシャル層に残るように、上記シリコン酸化膜パターン
    のみを選択的に除去する工程と、 上記シリコン窒化膜パターンをマスクとして、上記リッ
    ジ部の形成工程によって得られた該リッジ部の両側の溝
    を埋め込むように、上記第2の半導体層をエピタキシャ
    ル成長する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に第1の半導体層をエピタ
    キシャル成長し、上記第1の半導体層にウエットエッチ
    ングを施して、該第1の半導体層の所定部分に逆メサ形
    状のリッジ部を形成した後、該リッジ部の両側の溝を埋
    め込むように第2の半導体層をエピタキシャル成長し、
    更に、該リッジ部及び該第2の半導体層を覆うように上
    記半導体基板の全面にわたって第3の半導体層をエピタ
    キシャル成長してなる半導体装置の製造方法において、 上記第1の半導体エピタキシャル層上に所定幅の絶縁膜
    パターンを形成する工程と、 その両端から上記絶縁膜パターンが均等にはみ出るよう
    に、上記絶縁膜パターンの幅より小さい幅のレジストパ
    ターンを上記絶縁膜パターンの上面に形成する工程と、 上記絶縁膜パターンをマスクとして、上記第1の半導体
    エピタキシャル層にウエットエッチングを施し、その最
    上面の幅が上記レジストパターンの幅と同じか或いはそ
    れより小さい幅となるよう、上記逆メサ形状のリッジ部
    を上記第1の半導体エピタキシャル層の所定部分に形成
    する工程と、 上記レジストパターンをマスクとして上記絶縁膜パター
    ンの両側 端部エッチングを施してこれを除去し、この
    後、該レジストパターンを上記絶縁膜パターン上から全
    面除去する工程と、 上記工程により、その幅が上記レジストパターンの幅と
    ほぼ同一になった上記絶縁膜パターンをマスクとして、
    上記リッジ部の形成工程によって得られた該リッジ部の
    両側の溝を埋め込むように、 上記第2の半導体層をエピ
    タキシャル成長する工程とを含むことを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に第1の半導体層をエピタ
    キシャル成長し、上記第1の半導体層にウエットエッチ
    ングを施して、該第1の半導体層の所定部分に逆メサ形
    状のリッジ部を形成した後、該リッジ部の両側の溝を埋
    め込むように第2の半導体層をエピタキシャル成長し、
    更に、該リッジ部及び該第2の半導体層を覆うように上
    記半導体基板の全面にわたって第3の半導体層をエピタ
    キシャル成長してなる半導体装置の製造方法において、 上記半導体基板上に、上記第1の半導体層と、該第1の
    半導体層をエッチングするエッチング液に対して被エッ
    チング性を示さないマスク用半導体層とをこの順に順次
    エピタキシャル成長する工程と、 上記マスク用半導体層の上面に 所定幅のレジストパター
    ンを配設し、この状態で上記第1の半導体層とマスク用
    半導体層とを該マスク用半導体層のみがエッチングされ
    るエッチング液内に瞬間的に浸漬して、上記レジストパ
    ターンが配設された領域外のマスク用半導体層のみを選
    択的に除去する工程と、 上記レジストパターンとその下部に残留するマスク用半
    導体層とが上記第1の半導体層の最上面に配設された状
    態で、この第1の半導体層を上記第1のエッチング液内
    に浸漬して、上記マスク用半導体層が配設された領域外
    の上記第1の半導体層を所定深さまでエッチング除去
    し、 上記逆メサ形状のリッジ部を形成する工程と、上記レジストパターンを除去した後、上記半導体基板の
    全面にわたって、上記第2の半導体層をエピタキシャル
    成長し、上記逆メサ形状のリッジ部の両脇の溝を 上記第
    2の半導体層で埋め込む工程と、 上記工程によって得られた第1の半導体層,マスク用半
    導体層及び第2の半導体層からなる半導体エピタキシャ
    ル成長層を上記マスク用半導体層のみエッチン グされる
    エッチング液内に浸漬し、上記マスク用半導体層ととも
    に該マスク用半導体層上に成長した第2の半導体層を除
    去する 工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 半導体基板上にその内部にAlGaAs
    層を含む第1の半導体層をエピタキシャル成長し、上記
    第1の半導体層にウエットエッチングを施して、該第1
    の半導体層の所定部分に逆メサ形状のリッジ部を形成し
    た後、該リッジ部の両側に形成された溝表面に露出する
    上記第1の半導体層内のAlGaAs層上に、この溝を
    埋め込むようにGaAsからなる第2の半導体層をエピ
    タキシャル成長し、更に、該リッジ部及び該第2の半導
    体層を覆うように上記半導体基板の全面にわたって第3
    の半導体層をエピタキシャル成長してなる半導体装置の
    製造方法において、 上記GaAsからなる第2の半導体層エピタキシャル
    成長工程に先立って、上記リッジ部の両側に形成された
    溝表面に露出するAlGaAs層上にAlx Ga1-x A
    s低温バッファ層(0≦x≦1)を成長することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体装置の製造方法で
    あって、 上記Alx Ga1-x As低温バッファ層(0≦x≦1)
    の成長温度を550℃以下にした ことを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体基板上にその内部にAlGaAs
    層を含む第1の半導体層をエピタキシャル成長し、上記
    第1の半導体層にウエットエッチングを施して、該第1
    の半導体層の所定部分に逆メサ形状のリッジ部を形成し
    た後、該リッジ部の両側に形成された溝表面に露出する
    上記第1の半導体層内のAlGaAs層上に、この溝を
    埋め込むようにGaAsからなる第2の半導体層をエピ
    タキシャル成長し、更に、該リッジ部及び該第2の半導
    体層を覆うように上記半導体基板の全面にわたって第3
    の半導体層をエピタキシャル成長してなる半導体装置の
    製造方法において、 上記GaAsからなる第2の半導体層エピタキシャル
    成長工程の初期段階において成長を一時的に中断させる
    工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板上にその内部にAlGaAs
    層を含む第1の半導体層をエピタキシャル成長し、上記
    第1の半導体層にウエットエッチングを施して、該第1
    の半導体層の所定部分に逆メサ形状のリッジ部を形成し
    た後、該リッジ部の両側に形成された溝表面に露出する
    上記第1の半導体層内のAlGaAs層上に、この溝を
    埋め込むようにGaAsからなる第2の半導体層をエピ
    タキシャル成長し、更に、該リッジ部及び該第2の半導
    体層を覆うように上記半導体基板の全面にわたって第3
    の半導体層をエピタキシャル成長してなる半導体装置の
    製造方法において、 上記GaAsエピタキシャル層の成長工程に先立って、
    第1の反応管内で上記表面露出したAlGaAs層表面
    に対してドライエッチングを施し、次いで、この表面処
    理されたAlGaAs層表面を大気中にさらすことな
    く、上記エッチングを行った第1の反応管とは異なる第
    2の反応管内に移し、該AlGaAs層表面上に上記G
    aAsからなる第2の半導体層をエピタキシャル成長す
    ようにしたことを特徴とする半導体装置の製造方法
  9. 【請求項9】 半導体基板上の全面にわたって半導体層
    をエピタキシャル成長し、これら半導体基板及び半導体
    エピタキシャル層の所定の部分を各素子の構成要素とし
    て上記半導体基板上に複数の半導体素子を形成する工程
    と、該工程により形成された複数の素子を個々の素子毎
    に分離する工程とを含んでなる半導体装置の製造方法
    おいて、 上記複数の素子を個々の素子毎に分離する工程に先立っ
    て、 隣接する素子間に跨がって形成された絶縁膜の素子分離
    領域に対応する部分の上部にその開口部が位置するよう
    に上記ウエハの全面に開口部を有するレジストパターン
    を設ける工程と、 該レジストパターンをマスクとして、上記開口部の下部
    の上記絶縁膜を除去して該絶縁膜に開口部を形成する工
    程と、 上記開口部を有する絶縁膜をマスクとして、上記半導体
    基板と半導体エピタキシャル層をウエットエッチングを
    施し、これら半導体基板と半導体エピタキシャル層の所
    定領域に、これらの界面の下部にまで達する溝を形成す
    る工程と、 上記工程によって上記溝の上部に生じた上記絶縁膜のひ
    さし部を上記レジスト パターンをマスクとしたプラズマ
    エッチングにより除去する工程とを行う ことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板上にその内部にAlGaA
    s層を含む第1の半導体層をエピタキシャル成長し、上
    記第1の半導体層にウエットエッチングを施して、該第
    1の半導体層の所定部分に逆メサ形状のリッジ部を形成
    した後、該リッジ部の両側に形成された溝表面に露出す
    る上記第1の半導体層内のAlGaAs層上に、この溝
    を埋め込むようにGaAsからなる第2の半導体層をエ
    ピタキシャル成長し、更に、該リッジ部及び該第2の半
    導体層を覆うように上記半導体基板の全面にわたって第
    3の半導体層をエピタキシャル成長してなる半導体レー
    ザ装置において、 上記AlGaAs層と上記GaAsからなる第2の半導
    体層との間にAlx Ga1-x As低温バッファ層(0≦
    x≦1)を設けたことを特徴する半導体レーザ装置
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体レーザ装置
    において、 上記低温バッファ層が550℃以下の成長温度で形成さ
    れたものであることを特徴とする半導体レーザ装置
JP4-148262A 1992-01-21 1992-05-13 半導体装置とその製造方法 Expired - Lifetime JP3026389B2 (ja)

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