JP4415207B2 - 折機の折スクリュー駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輪転印刷機の加工部にて横ミシン目加工された輪転紙をジグザグ状に折りたたむ折機の折スクリュー駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は折機の操作側から見た概略的な構成説明図、図2は従来の構成を用いた折スクリュー駆動装置を概略的に示すものである。
【0003】
図中1a,1bは折幅方向に離間して配置されたスクリュー駆動軸であり、このスクリュー駆動軸1a,1bはスプライン軸にて構成されており、これにスクリュー2を下側へ向けて設けたスクリュー装置3が軸方向に移動可能にして連結されている。
【0004】
このスクリュー装置3は図2に示すように、スクリュー駆動軸1a,1bのスプラインに摺動可能に係合し、外周にねじを設けたねじ軸4と、これに噛み合うねじ車5と、このねじ車5に結合し、下端部に上記スクリュー2を固着した軸6とからなっている。そしてこの各スクリュー装置3を支持する基台7は、上記スクリュー駆動軸1a,1bと平行に設けた支持枠8に摺動自在に支持され、止めねじ9にて任意の位置に固定できるようになっている。各スクリュー駆動軸1a,1bの両端部は各支持枠8の両端部に設けたブラケット10a,10bに回転自在に支持されている。なお上記スクリュー装置3は、図2では各スクリュー駆動軸1a,1bに1組ずつ設けた例を示したが、このスクリュー装置3は通常2組以上ずつ設けてある。
【0005】
折機の操作側(手前側)と駆動側(奥側)に送りねじ11a,11bが折幅方向に設けてあり、この両送りねじ11a,11bに各ブラケット10a,10bのそれぞれの両端部に設けた耳部12a,12bにねじ連結されている。また、操作側と原動側にはガイドロッド13,14が送りねじ11a,11bと平行に設けてあり、これに上記両ブラケット9a,9bの各耳部12a,12bが摺動自在に支持されている。各送りねじ11a,11bは折幅方向の中間から両側でねじれ方向が逆になっている。
【0006】
また原動側には送りねじ11bと平行にしてライン駆動軸15が設けてあり、このライン駆動軸15が上記ブラケット10a,10bの原動側の耳部12bに支持した駆動側の傘歯車16a,16aに摺動自在に、かつ回転方向にキー結合して貫通して摺動可能に嵌合されている。そして駆動側の傘歯車16a,16aに上記スクリュー駆動軸1a,1bの先端に固着した従動側の傘歯車16b,16bが噛み合っている。上記駆動側の両傘歯車16a,16bは軸方向に対向して配置されていて、ライン駆動軸15の回転により、両スクリュー駆動軸1a,1bは互いに逆方向に回転するようになっている。
【0007】
操作側と原動側の両送りねじ11a,11bはそれぞれねじ歯車機構17a,17bを介して回転軸17に連結してあり、この回転軸17をスクリュー幅寄せハンドル18にて回転することにより両送りねじ11a,11bが同一回転し、折幅方向両側の支持枠8,8が対向方向に移動されて、両側スクリュー装置3の折幅方向の間隔が変えられるようになっている。
【0008】
ライン駆動軸15には従動側のプーリ19aが嵌合してあり、このプーリ19aに対向すると共にベルト20を巻掛けた駆動側のプーリ19bが機体側に設けた駆動装置21の駆動軸22に設けてある。そしてこの駆動装置21は傘歯車機構23a及び他の歯車機構23bを介して図示しない原動機側に連結されている。なお図1において24は輪転紙をジグザグ状に供給する振りノズルである。
【0009】
しかして、この従来の折機の折スクリュー駆動装置にあっては、駆動装置21にて回転されるライン駆動軸15の回転は、傘歯車16a,16bを介して各スクリュー装置3のスクリュー駆動軸1a,1bに伝達されて、各スクリュー装置3が回転される。そして、折幅方向に対向する両スクリュー装置3,3は傘歯車16a,16bを介してライン駆動軸15にて駆動されているので、この両スクリュー装置3,3を折幅方向の対向方向に移動させても、各スクリュー2の回転方向の位相は変化せず、スクリュー2の折りタイミングが狂うことがない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の折機の折スクリュー駆動装置にあっては、折幅方向両側のスクリュー駆動軸1a,1bがライン駆動軸15に対して傘歯車16a,16bによる歯車機構にて連結しているため、高価な歯車部品が必要となると共に、この機構を構成するための部品点数が多くなって高価となり、また、歯車機構には給油が必要となってこれの保守点検がやっかいであり、さらに、歯車駆動に伴う騒音が発生するという問題もあった。
【0011】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、スクリュー駆動軸をベルト機構にて駆動することにより、上記した従来の課題を解決できる折機の折スクリュー駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る折スクリュー駆動装置は、スクリュー装置を連結したスクリュー駆動軸を折幅方向に平行に、かつ対向方向に移動可能に設け、両スクリュー駆動軸の間に折幅方向に振られて供給される輪転紙を回転するスクリュー装置にてジグザグに折りたたむようにした折機において、各スクリュー駆動軸のそれぞれの一端にプーリを固着し、この両プーリに中間プーリを介して第1のベルトを巻掛け、また、一方のスクリュー駆動軸に他のプーリを固着すると共に、この一方のスクリュー駆動軸の折幅方向外側に駆動プーリを設け、この他のプーリと駆動プーリに、第2ベルトの巻掛け長さを調整可能にした可動中間プーリを介して第2のベルトを巻掛けた構成になっている。
【0013】
そして上記した折機の折スクリュー駆動装置において、第1ベルトを巻掛ける中間プーリ及び第2ベルトを巻掛ける可動中間プーリのそれぞれを、両スクリュー駆動軸を結ぶプーリセンタ線に対して両側対称位置に少なくとも1個ずつ配置して設け、プーリセンタ線の両側の可動中間プーリがプーリセンタ線に沿って一体状に平行移動するようにし、両スクリュー駆動軸が対向方向に移動したときの第1ベルトと第2ベルトの巻掛け経路が、プーリセンタ線に対し常に対称になるようにした構成になっている。
【0014】
【作 用】
両スクリュー駆動軸の間隔を変えることにより、折幅方向両側に対向して設けられるスクリュー装置の間隔が変えられる。このとき、両スクリュー駆動軸は対向方向に移動することにより、これらの軸に固着したプーリに巻掛けた第1ベルトの巻掛け経路長さは変化しない。
【0015】
そしてこのとき、一方のスクリュー駆動軸に固着した他のプーリを第2ベルトにて駆動する駆動プーリは固定されているため、この駆動プーリと他のプーリとに巻掛けた第2ベルトの巻掛け経路長さが変動するが、この巻掛け経路長さの変動は可動中間プーリの移動により吸収される。また、両スクリュー駆動軸の対向間隔を変えたときに、両スクリュー駆動軸の回転位相は変化しない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図3以下に基づいて説明する。なお図1、図2に示した従来の構成と同一構成のものは同一符号を付して説明を省略する。本発明に係る折機の折スクリュー駆動装置の構成は両スクリュー駆動軸を駆動するための原動側の構成を改良したものであり、操作側の構成及びスクリュー装置は図1、図2に示した従来のものと同一の構成となっている。
【0017】
図3において、スクリュー駆動軸1a′、1b′の原動側の端部は、スクリュー幅寄せハンドル18により折幅方向に近づいたり遠ざかるように移動される支持枠8,8の原動側の端部に設けたブラケット25a,25bを介して回転自在に支持されている。そして、一方のスクリュー駆動軸1a′の先端部には1段プーリ26が、また他方のスクリュー駆動軸1b′の先端部には上記1段プーリ26と同一レベルの第1プーリ27aと、これと軸方向にずれた第2プーリ27bとからなる2段プーリ27がそれぞれ固着されている。
【0018】
なお、上記ブラケット25a,25bは図4に示すように、上下に離間して設けたガイドロッド14a,14bに摺動自在に支持されており、また両ブラケット25a,25bは原動側の送りねじ11bにねじ連結されている。
【0019】
図4に示すように上記第1のスクリュー軸1a′の1段プーリ26より折幅方向外側(給紙側)で、かつ、第1と第2のスクリュー軸1a′,1b′を結ぶプーリセンタ線Xに対して両側対称位置に1個ずつの固定中間プーリ28a,28bが第1のスクリュー軸1a′の1段プーリ26と軸方向に同一レベルにして設けてある。そして、第1のスクリュー軸1a′の1段プーリ26と第2のスクリュー軸1b′の2段プーリ27の第1プーリ27aと、2つの固定中間プーリ28a,28bに第1ベルト29が巻掛けてある。このとき、1段プーリ26には第1ベルト29の外側面が巻掛けられている。
【0020】
第2スクリュー軸1b′の2段プーリ27より折幅方向外側(排紙側)で、かつ、上記プーリセンタ線X上に駆動プーリ30が設けてあり、さらに、この駆動プーリ30より折幅方向外側に、プーリセンタ線Xに対して両側対称位置に1個ずつの可動中間プーリ31a,31bが設けてある。そしてこれらのプーリ30,31a,31bは2段プーリ27の第2プーリ27bと軸方向に同一レベルになっていてこれらに第2ベルト32が巻掛けてある。このとき、第2プーリ27bには第2ベルト32の内側面が巻掛けてある。
【0021】
上記1段プーリ26と2段プーリ27の各プーリ27a,27b及び駆動プーリ30は同径になっている。
【0022】
上記可動中間プーリ31a,31bは上記ガイドロッド14a,14bに摺動自在に支持された可動台33に支持されている。そしてこの可動台33はプーリセンタ線Xの両側対称位置に設けたエアシリンダ等の弾性付勢手段34a,34bにて折幅方向外側へ付勢されている。
【0023】
なお図中35は原動側のフレームであり、上記した送りねじ11b、ガイドロッド14a,14b及び弾性付勢手段34a,34bはこのフレーム35に支持されている。また36は上記第1ベルト29に転接するテンションプーリであり、37はその付勢ばねである。また、上記第1・第2のベルト29,32は両面歯付のタイミングベルトが用いられ、これが巻掛けられる各プーリ26,27a,27b,28a,28b,30,31a,31bはこの各タイミングベルトの歯に噛み合う歯付きプーリが用いられる。
【0024】
上記構成において、図示しない原動装置により駆動プーリ30が回転されると、これに巻掛けてある第2ベルト32により2段プーリ27が回転し、この2段プーリ27の回転に従って第1プーリ26が上記2段プーリ27と同速で、かつ逆方向に回転される。このときの第1ベルト29は付勢ばね37にて付勢されるテンションプーリ36にてテンションがかけられ、また第2ベルト32は弾性付勢手段34a,34にて付勢される可動中間プーリ31a,31bにてテンションがかけられる。
【0025】
上記した状態にて第1・第2のスクリュー軸1a′,1b′が互いに逆方向に回転してそれぞれに連結されるスクリュー装置3,3が互いに逆方向に回転し、振りノズル24より排出される輪転紙がジグザグ状に折りたたまれる。
【0026】
次に、スクリュー装置3の折幅方向の間隔を変えたときの作用を説明する。
【0027】
スクリュー幅寄せハンドル18を回転して、スクリュー駆動軸1a′,1b′の間隔を、図4の実線で示す位置から鎖線で示す位置まで狭くすると、両スクリュー駆動軸1a′,1b′の動き量が逆方向で同一であるから、第1ベルト29の巻掛け経路長さは略同一に保たれ、このときのたるみ分はテンションプーリ36にて吸収される。
【0028】
一方、2段プーリ27の移動により第2ベルト32の張力が増加するが、これにより可動プーリ31a,31bを支持している可動台33が弾性付勢手段34a,34bの付勢力に抗して2段プーリ27側へ移動してこの第2ベルト32の張力の増加分が吸収される。
【0029】
そして上記作用時において、図4に示すように、第1と第2のスクリュー軸1a′,1b′を結ぶプーリセンタ線X上に駆動プーリ30を配置し、2個の固定中間プーリ28a,28b及び2個の可動中間プーリ31a,31bを上記プーリセンタ線Xに対して両側対称位置に配置したこと及び2個の可動中間プーリ31a,31bが平行に移動されることにより、第1・第2のスクリュー駆動軸1a′,1b′の間隔が変えられたときのこの両スクリュー駆動軸1a′,1b′に固着した各プーリ26,27に対するベルト29,32の巻掛け経路がプーリセンタ線Xに対して常に対称となる。これにより、駆動プーリ30の回転を固定した状態で両スクリュー駆動軸1a′,1b′の間隔を変えても、プーリセンタ線Xを境とする第1・第2のベルト29,32の上半分と下半分の経路長は、常にそれぞれのベルト全周長の半周分の長さのまま変化せず、これにより、両スクリュー駆動軸1a′,1b′のそれぞれのプーリ26,27がプーリセンタ線X上を移動しても、両プーリ26,27が回ることはなく、この各スクリュー駆動軸1a′,1b′の回転方向の位相は変化せず、従ってスクリュー装置3はこれのスクリュー2の位相が変化することなく折幅方向の間隔が変えられる。
【0030】
上記した実施の形態では、中間プーリ28a,28b及び可動中間プーリ31a,31bを、それぞれプーリセンタ線Xの両側に1個ずつ設けた例を示したが、各ベルトの長さによっては複数個ずつ設けてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、スクリュー駆動軸がベルト機構により駆動されることにより、ベルト及びこれが巻掛けられるプーリ等の部品点数が歯車機構による部品点数より少なくすることができて駆動装置そのものの構成を簡単にすることができると共に、コストを低くすることができる。また、この部分の駆動時の騒音を従来の歯車機構に比べて格段に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折機の全体構成を概略的に示す操作側から見た正面図である。
【図2】従来の折スクリュー駆動装置の構成を概略的に示す一部破断平面図である。
【図3】本発明の要部を示す一部破断平面図である。
【図4】図3に示した構成を原動側から見た正面図である。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【図6】図4のB−B矢視図である。
【符号の説明】
1a,1b…スクリュー駆動軸、2スクリュー、3…スクリュー装置、4…ねじ軸、5…ねじ歯車、6…軸、7…基台、8…支持枠、9…止めねじ、10a,10b…ブラケット、11a,11b…送りねじ軸、12a,12b…耳部、13,14…ガイドロッド、15…ライン駆動軸、16a,16b…傘歯車、17…回転軸、17a,17b…ねじ歯車機構、18…スクリュー幅寄せハンドル、19a,19b…プーリ、20…ベルト、21…駆動装置、22…駆動軸、23a…傘歯車機構、23b…歯車機構、1a′,1b′…スクリュー駆動軸、25a,25b…ブラケット、26…1段プーリ、27…2段プーリ、28a,28b…固定中間プーリ、29,32…第1・第2ベルト、30…駆動プーリ、31a,31b…可動中間プーリ、33、…可動台、34a,34b…弾性付勢手段、35…フレーム、36…テンションプーリ。

Claims (2)

  1. スクリュー装置を連結したスクリュー駆動軸を折幅方向に平行に、かつ対向方向に移動可能に設け、両スクリュー駆動軸の間に折幅方向に振られて供給される輪転紙を回転するスクリュー装置にてジグザグに折りたたむようにした折機において、
    各スクリュー駆動軸のそれぞれの一端にプーリを固着し、この両プーリに中間プーリを介して第1のベルトを巻掛け、
    また、一方のスクリュー駆動軸に他のプーリを固着すると共に、この一方のスクリュー駆動軸の折幅方向外側に駆動プーリを設け、
    この他のプーリと駆動プーリに、第2ベルトの巻掛け長さを調整可能にした可動中間プーリを介して第2のベルトを巻掛けたことを特徴とする折機の折スクリュー駆動装置。
  2. 第1ベルトを巻掛ける中間プーリ及び第2ベルトを巻掛ける可動中間プーリのそれぞれを、両スクリュー駆動軸を結ぶプーリセンタ線に対して両側対称位置に少なくとも1個ずつ配置して設け、プーリセンタ線の両側の可動中間プーリがプーリセンタ線に沿って一体状に平行移動するようにし、両スクリュー駆動軸が対向方向に移動したときの第1ベルトと第2ベルトの巻掛け経路が、プーリセンタ線に対して常に対称になるようにしたことを特徴とする請求項1記載の折機の折スクリュー駆動装置。
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