JP4414715B2 - ガス検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサ素子を用いて環境中の特定ガスの濃度変化を検出するガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムに関する。
従来より、鉛―フタロシアニンを用いたり、WO3やSnO2などの金属酸化物半導体を用いたガスセンサ素子であって、環境中のNOxなどの酸化性ガスやCO、HC(ハイドロカーボン)などの還元性ガスといった、特定のガスの濃度変化によって、そのセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子が知られている。また、このようなガスセンサ素子を用い、そのセンサ抵抗値をセンサ出力値として取得し、センサ出力値の変化により特定ガスの濃度変化を検出可能なガス検出装置も知られている。さらには、このガス検出装置を用いた各種の制御システム、例えば、車室外空気の汚染状況に応じて、車室内への外気・内気導入を切り替えるためのフラップ開閉制御を行う車両用オートベンチレーションシステムや、喫煙などによる室内空気の汚染を検知し、空気清浄の制御を行うシステムなどが知られている。(特許文献1参照)
特開平11−42925号公報
特許文献1の車両用空調装置では、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値に対応するセンサ出力値と、このセンサ出力値によって算出され、センサ出力値よりも緩慢に追従する基準値とに基づいて所定の大小関係を満たすか否かを判定し、フラップの開閉制御を行っている。
ところで、一般に、このようなガスセンサ素子のセンサ抵抗値の応答は、必ずしも特定ガスの濃度変化に一致しない。具体的には、特定ガスの濃度変化に遅れて変化する。なかでも、ガスセンサ素子が高い濃度の特定ガスに曝されてそのセンサ抵抗値が濃度の高い状態に対応した抵抗値になると、その後に、特定ガスの濃度が低下しても、ガスセンサのセンサ抵抗値が徐々にしか濃度が低い状態に対応した抵抗値に戻らない。つまり、このようなガスセンサ素子のセンサ抵抗値各時点での特定ガスの濃度のみならず、それ以前に曝された特定ガスの濃度など過去の履歴に依存するヒステリシス現象が生じる。
なお、このような現象は、特定ガスの濃度が高くなった時点で特定ガスの分子がガスセンサ素子に吸着されてしまい、その後に特定ガス濃度が下がっても、吸着された特定ガス分子は徐々にしか離脱しないために起こると考えられる。
よって、特許文献1のようなガス検出装置では、ガスセンサ素子が高い濃度の特定ガスの濃度に晒された後に、特定ガスの濃度が低い状態に移行しても、センサ抵抗値に対応するセンサ出力値が徐々にしか濃度下降方向側に変化しないために、センサ出力値を用いて算出される基準値も徐々にしかセンサ出力値に追従しなくなる。その結果、センサ出力値が濃度下降方向に転じてから外気導入切替に至るまでに遅れを生じてしまうことがあった。
本発明は、かかる問題点に鑑み成されたものであって、ガスセンサ素子が高い濃度の特定ガスの濃度に晒された後に、特定ガスの濃度が低い状態に移行する変化をできるだけ早く検知し、センサ抵抗値に対応するセンサ出力値の濃度下降方向側へ変化する初期段階を捉え、早期に濃度下降方向側に変化した旨の信号を発生させることができるガス検出装置、及びこれを用いた車両用オートベンチレーションシステムを提供することを目的とする。
その解決手段は、特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化する酸化物半導体のガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する取得手段と、特定ガスの濃度の上昇を示す濃度高信号と特定ガスの濃度の下降を示す濃度低信号のいずれかを濃度信号として発生させるマイクロコンピュータと、を備え、上記マイクロコンピュータは、上記濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値が、複数の上記所定サイクル数m回だけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備えており、さらに、上記判定手段にて濃度下降方向側でないと判定されると、上記センサ出力値及び第1基準値により算出された第1判断対象値と第1しきい値とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第1濃度信号発生手段が選択され、
上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されると、上記センサ出力値及び第2基準値により算出された第2判断対象値と第2しきい値とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第2濃度信号発生手段が選択されるように構成されており、上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生することを特徴とするガス検出装置とする。
本発明のガス検出装置によれば、取得手段は、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する構成とされている。そして、本発明のガス検出装置は、濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値が、複数の上記所定サイクル数m回だけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備える。現在センサ出力値がm回過去センサ出力値よりも濃度下降方向側にある場合には、特定ガス濃度が下降方向に変化したと考えられるので、この判定手段を備えることにより、特定ガス濃度の下降方向側への変化を読み取ることができる。
なお、前回のセンサ出力値と現在のセンサ出力値とを比べて、特定ガスの濃度が下降方向側にあるか否かを判定すると、特定ガスの濃度が上昇方向に変化している時に、外乱等により一サイクルだけ下降方向に変化した場合、誤って特定ガスの濃度が濃度下降方向に変化したと判定してしまう。このため、精度の良い特定ガスの濃度変化を判定することができない虞がある。そこで、本発明では、現在センサ出力値が、複数の上記所定サイクル数m回だけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定することで、特定ガスの濃度下降方向への変化を精度よく判定することができる。
なお、判定手段は、濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値と、複数の上記所定サイクル数mだけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値とを比べて、特定ガスの濃度が下降方向側にあるか否かを判定することができる。また、現在センサ出力値とm回過去センサ出力値との2サンプリングを比べるのではなく、濃度高信号を発生している期間に、現在センサ出力値とm回過去センサ出力値との期間で毎サンプリングごとに、特定ガスの濃度が下降方向側にあるか否かを判定し、現在センサ出力値とm回過去センサ出力値との期間が連続的に下降方向に向かっているかを読み取ってもよい。・こうすることで、センサ出力値の濃度下降方向への変化が外乱の影響による変化ではなく、特定ガスの濃度による変化であると明確に考えることができるので、より正確に特定ガスの濃度の下降方向側への変化を敏感に読み取ることができる。
また、本発明では、上記判定手段にて濃度下降方向側でないと判定されると、上記センサ出力値及び第1基準値により算出された第1判断対象値と第1しきい値とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第1濃度信号発生手段が選択され、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されると、上記センサ出力値及び第2基準値により算出された第2判断対象値と第2しきい値とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第2濃度信号発生手段が選択されるように構成されている。そして、上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生するように設定している。このように、第1濃度信号発生手段とは別に、第2濃度信号発生手段を備えることで、第1濃度発生手段のみを備えたガス検出装置と比較して、濃度高信号発生期間中において、センサ出力値が濃度下降方向に転じてから濃度低信号を早く発生することができる。したがって、本発明のガス検出装置によれば、濃度高信号発生期間中において、特定ガスの濃度低下を精度良く、かつ早期に検出することができる。
なお、上記第2濃度信号発生手段が、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生するように設定するには、第1しきい値と第2しきい値との値を異ならせたり、第1算出値と第2算出値を算出する算出方法(算出式)を異ならせたり、さらには、この両方を実施することにより達成することができる。
なお、本明細書では、便宜上、センサ出力値について、特定ガスの濃度が下降(清浄側になった場合にセンサ出力値が変化する方向を濃度下降方向ということとする。
従って、特定ガス濃度が下降側になったとき、センサ出力値が小さくなるようにガスセンサ素子の特性や電子回路が構成されているガス検出装置では、センサ出力値について濃度下降方向とは、センサ出力値が小さくなる方向を言う。これとは、逆に、特定ガスの濃度が下降側になったとき、センサ出力値が大きくなるようにガスセンサ素子の特性や電子回路が構成されているガス検出装置では、センサ出力値について濃度下降方向とは、センサ出力値が大きくなる方向を言う。
一方、濃度上昇(汚染方向とは、この濃度下降方向とは逆方向ということとする。
さらに、第1基準値は、現在のセンサ出力値と、過去のセンサ出力値を用いて算出される過去の第1基準値である過去第1基準値とを用いて算出され、
第2基準値は、現在のセンサ出力値と、過去のセンサ出力値を用いて算出される過去の第2基準値である過去第2基準値とを用いて算出されることがよい。
特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化する酸化物半導体のガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値S(n)を取得する取得手段と、但し、nは時系列の順序を示す整数、
特定ガスの濃度の上昇を示す濃度高信号と特定ガスの濃度の下降を示す濃度低信号のいずれかを発生させるマイクロコンピュータと、を備え、
上記マイクロコンピュータは、上記濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値S(n)が、複数の上記所定サイクル数mだけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値S(n−m)に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備えており、さらに、
上記判定手段にて濃度下降方向側でないと判定されると、第1ベース算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)から下記式(1)に従って第1ベース値B1(n)を算出し、
B1(n)=B1(n−1)+k1{S(n)−B1(n−1)}−k2{S(n)−S(n−q)} ・・・(1)
但し、k1は追従変化率、k2は強調率であり、0<k1<1、k2>0、qは正の整数、S(n−q)は所定サイクル数qだけ過去に算出されたセンサ出力値であるq回過去センサ出力値B1(n−1)は前回の第1ベース値
第1差分値算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)と第1ベース値B1(n)とから下記式(2)に従って第1差分値D1(n)を算出し、
D1(n)=S(n)−B1(n) ・・・(2)
上記第1差分値D1(n)と第1しきい値T1とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第1濃度低信号発生手段が選択され、
上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判断されると、第2ベース算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)から下記式(3)に従って第2ベース値B2(n)を算出し、
B2(n)=B2(n−1)+k3{S(n)−B2(n−1)}−k4{S(n)−S(n−q)} ・・・(3)
但し、k3は追従変化率、k4は強調率であり、0<k3<1、k4>0、qは正の整数、S(n−q)は所定サイクル数qだけ過去に算出されたセンサ出力値であるq回過去センサ出力値B2(n−1)は前回の第2ベース値
第2差分値算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)と第2ベース値B2(n)とから下記式(4)に従って第2差分値D2(n)を算出し、
D2(n)=S(n)−B2(n) ・・・(4)
上記第2差分値D2(n)と第2しきい値T2とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号の切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第2濃度低信号発生手段が選択されるように構成されており、
上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生するように、上記式(1)と上記式(3)との追従変化率および強調率の少なくともいずれか一方を異なるようにしたことを特徴とするガス検出装置とする。
本発明のガス検出装置によれば、取得手段は、所定サイクル時間毎にセンサ出力値S(n)を取得する構成とされている。そして、本発明のガス検出装置は、濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値S(n)が、複数の上記所定サイクル数mだけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値S(n−m)に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備える。現在センサ出力値S(n)がm回過去センサ出力値S(n−m)よりも濃度下降方向側にある場合には、特定ガスの濃度が下降方向に変化したと考えられるので、この判定手段を備えることにより、特定ガスの濃度下降方向側への変化を敏感に取得できる。
そして、上記判定手段にて、濃度下降方向側でないと判定されると、第1ベース手段にて、上記ガスセンサ出力値S(n)を用いて、第1ベース値B1(n)を算出する。そこで、第1ベース値B1(n)について説明すると、式(1)のうち、B1(n)=B1(n−1)+k1{S(n)−B1(n−1)}の項は、センサ出力値S(n)の変動に対して追従しつつ、センサ出力値S(n)よりも緩慢に変化する追従項である。この追従項は、追従変化率k1の値を変化させることで、センサ出力値S(n)に対する追従の速さ(敏感さ)が変化する性質を有し、追従変化率k1が大きく(1に近く)なると、センサ出力値S(n)に対して相対的に素早く敏感に追従する。逆に追従変化率k1が小さく(0に近く)なると相対的に変化が緩慢になり、センサ出力値S(n)に対してゆっくりと追従する。一方、−k2{S(n)−S(n−q)}の項は、微分値を算出する強調項である。例えば、q回過去センサ出力値S(n−q)に比してセンサ出力値S(n)が(濃度上昇方向側(S(n)>S(n−q))に変化すると、この項を無くし追従項のみとして算出された場合の仮想第1ベース値に対して、第1ベース値B1(n)は濃度下降方向側となる。
そして、このガス検出装置では、第1ベース算出手段を用いて、第1ベース値B1(n)を算出し、第1差分値算出手段にて、式(2)を用いて、第1差分値D1(n)を算出する。そして、第1濃度低信号発生手段にて、この差分値D1(n)が、第1しきい値T1とが所定の大小関係を満たしたときに濃度低信号を発生する。
一方、上記判定手段にて、濃度下降方向側にあると判断されると、第2ベース手段にて、上記ガスセンサ出力値S(n)を用いて、第2ベース値B1(n)を算出する。そこで、第2ベース値B2(n)について説明すると、式(3)のうち、B2(n)=B2(n−1)+k3{S(n)−B2(n−1)}の項は、センサ出力値S(n)の変動に対して追従しつつ、センサ出力値S(n)よりも緩慢に変化する追従項である。この追従項は、追従変化率k3の値を変化させることで、センサ出力値S(n)に対する追従の速さ(敏感さ)が変化する性質を有し追従変化率k3が大きく(1に近く)なると、センサ出力値S(n)に対して相対的に素早く敏感に追従する。逆に追従変化率k3が小さく(0に近く)なると相対的に変化が緩慢になり、センサ出力値S(n)に対してゆっくりと追従する。一方、−k4{S(n)−S(n−q)}の項は、微分値を算出する強調項である。例えば、q回過去センサ出力値S(n−q)に比してセンサ出力値S(n)が(濃度上昇方向側(S(n)>S(n−q))に変化すると、この項を無くし追従項のみとして算出された場合の仮想第2ベース値に対して、第2ベース値B2(n)は濃度下降方向側となる。
そして、このガス検出装置では、第2ベース算出手段を用いて、第2ベース値B2(n)を算出し、第2差分値算出手段にて式(4)を用いて、第2差分値D2(n)を算出する。そして、第2濃度信号発生手段にて、この差分値D1(n)が、第2しきい値T2とが所定の大小関係を満たしたときに濃度低信号を発生する。
なお、上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生するように、上記式(1)と上記式(3)との追従変化率および強調率の少なくともいずれか一方を異なるようにしている。第1濃度信号発生手段とは別に、追従変化率及び強調率の少なくともいずれか一方を異なるようにした第2濃度信号発生手段を備えることで、第1濃度発生手段のみを備えたガス検出装置と比較して、特定ガスの濃度が濃度下降方向に変化した場合に、濃度低信号をより早く発生することができる。より具体的には、式(1)の追従変化率よりも式(3)の追従変化率を大きくするか、式(1)の強調率よりも式(3)の強調率を小さくすることで、上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生ことができる。
さらに、ガス検出装置を含む車両用オートベンチレーションシステムとするとよい。
本発明の車両用オートベンチレーションシステムは、特定ガスの濃度変化に応じて、濃度高信号、濃度低信号を適切に発生するので、これを用いて適切にベンチレーションを行うことができる。
さらに、外気導入口と、本発明のガス検出装置と、濃度低信号の発生期間中は、外気導入口の開閉装置を全開とし、濃度高信号の発生期間中は、外気導入口の開閉装置を全閉とする開閉指示信号を出力する開閉指示手段と、を備える車両用オートベンチレーションシステムとするのが好ましい。
この車両用オートベンチレーションシステムでは、特定ガスの濃度に応じて、ガス検出装置が濃度低信号、濃度高信号を発生し、濃度低信号を発生している時には、外気導入口の開閉を全開とし、濃度高信号を発生しているときには、外気導入口の開閉装置を全閉とする開閉指示信号を出力する。このため、特定ガスの濃度に応じて、適切に外気導入口の開閉装置を駆動することができる。
本発明の実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。図1に本実施形態のガス検出装置10の回路図及びブロック図と、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100の概略構成を示す。このシステム100は、特定ガスの濃度変化に応じて濃度信号LVを出力するガス検出装置10と、フラップ34を回動させて、内気取り入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33(外気導入口)のいずれかをダクト31に接続させる換気系30と、濃度信号LVに従って換気系30のフラップ34を制御する電子制御アセンブリ20を備える。
まずガス検出装置10について説明する。このガス検出装置10は、被測定ガス(本実施形態では大気)中にNOxなど酸化性ガス成分がある場合に、これに反応し、酸化性ガス成分の濃度上昇と共にセンサ抵抗値Rsが上昇するタイプの酸化物半導体のガスセンサ素子11を用いるものである。このガスセンサ素子11は自動車の車室外に配置される。
このガスセンサ素子11を用い、センサ抵抗値変換回路14、バッファ13、A/D変換回路15からなるセンサ出力値取得回路19で、センサ出力値S(n)を取得する。センサ抵抗値変換回路14は、このガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位Vsを出力する。具体的には、電源電圧Vccをガスセンサ素子11と検出抵抗値Rdを有する検出抵抗12とで分圧した動作点Pdのセンサ出力電位Vsを、バッファ13を介して出力するようになっている。このため、このセンサ抵抗値変換回路14では、NOxなどの酸化性ガスの濃度が上昇すると、センサ抵抗値Rsが上昇し、センサ出力電位Vsが上昇するように構成されている。
バッファ13の(出力センサ出力電位Vs)は、A/D変換回路15に入力されて、所定のサイクル時間毎にデジタル化されたセンサ出力値S(n)として出力され、マイクロコンピュータ16の入力端子17に入力される。nは順序を表す一連の整数である。
さらにこのマイクロコンピュータ16の出力端子18からは、電子制御アセンブリ20を制御するための濃度高信号と濃度低信号のいずれかの濃度信号LVが出力される。この電子制御アセンブリ20は、自動車の内気循環及び外気取り入れを制御する換気系30のフラップ34を制御するものである。この換気系30は、本実施形態では具体的には、自動車室内につながるダクト31に、二股状に接続された、内気を取り入れ循環させる内気取り入れ用ダクト32と外気を取り入れる外気取り入れ用ダクト33とを切り替えるフラップ34を制御するものである。
電子制御アセンブリ20のうち、フラップ駆動回路21は、マイクロコンピュータ16の出力端子18からの濃度信号LV、本実施形態に即して言えば、NOxなどの酸化性ガス成分の濃度が上昇したか下降したかを示す濃度信号LVに従って、アクチュエータ22を動作させフラップ34を回動させて、内気取り入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33のいずれかをダクト31に接続させる。
例えば、図2のフローチャートに示すように、ステップS1で初期設定を行った後、ステップS2で濃度信号LVを取得し、ステップS3で濃度信号LVが濃度高信号であるか否か、つまり濃度高信号発生中であるか否かを判断する。ここで、Noつまり濃度低信号発生中には、特定ガスの濃度が低いことから、ステップS4において、フラップ34の全開を指示する。これにより、フラップ34が回動して、外気取り入れ用ダクト33がダクト31に接続され、外気が車室内に取り入れられる。一方、ステップS3においてYesつまり濃度高信号発生中には、車室外の特定ガスの濃度が高いことから、ステップS5において、フラップ34の全閉を指示する。これにより、フラップ34が回動して、内気取り入れ用ダクト31に接続され、外気導入が遮断されると共に、内気循環となる。
ダクト31内には、空気を圧送するファン35が設置されている。なお、フラップ駆動回路21は、濃度信号LVだけに応じてフラップ34を開閉するようにしても良いが、例えば、マイクロコンピュータなどを用い、ガス検出装置10による濃度信号LVの他、図1中破線で示すように、例えば室温センサや湿度センサ、外気温センサなどからの情報をも加味して、フラップ34を開閉するようにしても良い。
マイクロコンピュータ16では、入力端子17から入力されたセンサ出力値S(n)を後述するフローに従った処理を行うことにより、ガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsやその変化などから酸化性ガス成分の濃度変化を検出する。マイクロコンピュータ16は、詳細は図示しないが、公知の構成を有し、演算を行うマイクロプロセッサ、プラグラムやデータを一時記憶しておくRAM、プラグラムやデータを保持するROMなどを含む。また、バッファ13やA/D変換回路15をも含むものを用いることができる。
次いで、マイクロコンピュータ16における制御を、図3〜図5のフローチャートに従って説明する。自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がる。ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、まずステップS11で初期設定を行う。ベース値B(0)として、ガスセンサ素子11が活性状態となった当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく。(B(0)=S(0))。また、濃度信号LVとして濃度低信号を発生させておく、具体的には、濃度信号LVをローレベルとしておく。
その後、ステップS12に進み、センサ信号つまりセンサ出力電位Vsを所定のサイクル時間ごとにA/D変換した現在センサ出力値S(n)を順次読み込む。次いで、ステップS13において、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり特定ガス(本実施形態では酸化性ガス)の濃度が高いレベルにあることを示す濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、No、つまり特定ガスの濃度が低く、濃度信号LVがローレベルであり濃度低信号を発生していれば、ステップS14のサブルーチンに進み濃度低信号中のベース値B(n)を算出する。一方、Yes、つまり特定ガスの濃度が高く濃度信号LVがハイレベルであり濃度高信号を発生していれば、ステップS15のサブルーチンに進み濃度高信号中のベース値B(n)を算出する。
ステップS14の内容を図4に示す。まずステップS141でセンサ出力値S(n)を取得してから所定の時間(本実施形態では、4サンプリングタイム)が経過しているか否かを判断する。所定の時間が経過している場合、ステップS142に進み、所定の時間が経過していない場合、ステップS146に進む。そしてステップS142にて、現在のセンサ出力値S(n)が前回算出した前回ベース値B(n−1)より大きいか否かを判断する。S(n)がB(n−1)より大きい場合、ステップS143に進み、S(n)がB(n−1)以下の場合、ステップS145に進む。ステップS143にて、後述するベース値B(n)の算出式の追従変化率k1、強調率k2を選択し、さらにステップS144にてベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)と現在センサ出力値S(n)と4回過去センサ出力値S(n−4)を利用して以下の式によって算出し、メインルーチンに戻る。
式(1):B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)}−k2{S(n)−S(n−4)}、ここで第1係数k1は、0<k1<1である。また第2係数は、k2>0である。
一方、ステップS145では、現在のベース値B(n)として現在センサ出力値S(n)を代入(B(n)=S(n))し、メインルーチンに戻る。
このようにするのは、以下の理由による。即ち、もし、ステップS142、S145を設けないとすると、ガス濃度の低下などによりセンサ出力値が減少(S(n)<S(n−1))したとき、ステップS144の式にて算出される現在ベース値B(n)は、現在センサ出力値S(n)に近づく。このため、センサ出力値が減少し続ける場合などには、現在センサ出力値S(n)よりも現在ベース値B(n)のほうが大きくなる(S(n)<B(n))逆転状態となり、後述するステップS16で算出する両者の差(差分値D(n))が負となる場合が生じる。この逆転状態となっている期間に、ガス濃度が上昇に転じ、センサ出力値S(n)が増加に転じると、センサ出力値は再び増加を始めるが、後述するするステップS21で差分値D(n)が汚染ガス検知しきい値T1を越えるまでに時間がかかるため、ガス濃度の上昇検知が遅れる場合が生じる。
これに対し、本発明のように、ステップS142、S145を設け、ステップS145において、現在ベース値B(n)に現在センサ出力値S(n)を代入すれば、現在ベース値B(n)と現在センサ出力値S(n)は一致するから逆転状態を生じることが無くなる。その後、センサ出力値が時間とともに、減少し続けるなどして、S(n)<B(n−1)となる限り、ステップS145によって現在ベース値B(n)に現在センサ出力値S(n)が代入される。
一方、ステップS146では、ベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)と現在センサ出力値S(n)と初期センサ出力値S(0)を利用して以下の式によって算出し、メインルーチンに戻る。
式(2):B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)}−k2{S(n)−S(0)}、ここで第1係数k1は、0<k1<1である。また第2係数は、k2>0である。
次に、ステップS15の内容を図5に示す。まずステップS151でセンサ出力値S(n)を取得してから所定の時間(本実施形態では、4サンプリングタイム)が経過しているか否かを判断する。所定の時間が経過している場合、ステップS152に進み、所定の時間が経過していない場合、ステップS157に進む。そしてステップS152にて現在のセンサ出力値S(n)が、所定サイクル数m回だけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値S(n−m)よりも大きいか否かを判断する。なお、本実施例では、m回過去センサ出力値S(n−m)とは、4サンプリングタイム前のセンサ出力値S(n−4)としている。現在のセンサ出力値S(n)が、4回過去のセンサ出力値S(n−4)よりも大きい場合、ステップS153に進み、現在のセンサ出力値S(n)が、4回過去のセンサ出力値S(n−4)以下の場合、ステップS155に進む。ステップS153では、後述するベース値B(n)の算出式に利用される追従変化率k3、強調率k4を選択して、ステップS154に進み、ステップS154では、ベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)と現在センサ出力値S(n)と4回過去センサ出力値S(n−4)を利用して以下の式によって算出し、メインルーチンに戻る。
式(3):B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)}−k4{S(n)−S(n−q)}、ここで第3係数k3は、0<k3<1である。また第4係数は、k4>0である。
一方、ステップS155では、後述するベース値B(n)の算出式に利用される追従変化率k5、強調率k6を選択して、ステップS156に進み、ステップS156では、ベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)と現在センサ出力値S(n)と4回過去センサ出力値S(n−4)を利用して以下の式によって算出し、メインルーチンに戻る。
式(4):B(n)=B(n−1)+k5{S(n)−B(n−1)}−k6{S(n)−S(n−q)}、ここで第5係数k5は、0<k5<1である。また第6係数は、k6>0である。
このように、ステップS152を設けて、濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値S(n)が、複数の上記所定サイクル数4回だけ過去に算出されたセンサ出力値である4回過去センサ出力値S(n−4)と比べて、特定ガスの濃度が濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備えることで、現在センサ出力値がm回過去センサ出力値よりも濃度下降方向側にある場合には、特定ガス濃度が濃度下降方向に変化したと考えられる。
そして、ステップS152で、現在のセンサ出力値S(n)が、4回過去センサ出力値S(n−4)よりも小さい場合、つまり、濃度下降方向側へ向かうセンサ出力値S(n)を与えられたときに、ステップS155にて取得する追従変化率又は強調率をステップS153にて取得する追従変化率又は強調率と変えることで、ステップS155、ステップS156を進む場合の後述するステップS19で濃度低信号を発生する時間をステップS153、S154を進む場合のその時間よりも早くすることができる。これにより、特定ガスの濃度下降方向への変化の初期段階を捉えて早期に濃度低信号を発生させることができる。なお、本実施例では、k3<k5、k4=k6としている。さらにいうとk3<k5<k1、k2=k4=k6としている。
一方、ステップS151でNoと判断された場合に進むステップS157では、ベース値B(n)を前回のベース値B(n−1)と現在センサ出力値S(n)と初期センサ出力値S(0)を利用して以下の式によって算出し、メインルーチンに戻る。
式(5):B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)}−k4{S(n)−S(0)}
その後、図3に示すメインルーチンに戻り、ステップS16にて、差分値D(n)をD(n)=S(n)−B(n)に従って算出し、ステップS17にて、現時点で濃度信号LVがハイレベル、つまり特定ガス(本実施形態では酸化性ガス)の濃度が高いレベルにあることを示す濃度高信号を発生しているかどうかを判断する。ここで、Yes、つまり特定ガスの濃度が高く濃度信号LVがハイレベルであり濃度高信号を発生していれば、ステップS18に進む。一方、No、つまり特定ガスの濃度が低く、濃度信号LVがローレベルであり濃度低信号を発生していれば、ステップS21に進む。そして、ステップS18にて、差分値D(n)と汚染ガス検知終了しきい値T2と比較し、D(n)>T2(Yes)となった場合、ステップS20に進み、濃度高信号を維持する。具体的には、濃度信号LVがハイレベルに維持されたまま、ステップS24に進む。一方、D(n)≦T2(No)の場合、ステップS19に進み、濃度低信号を発生する。具体的には、濃度信号LVをローレベルにし、ステップS24に進む。
一方、ステップS21にて、差分値D(n)と汚染ガス検知しきい値T1とを比較し、D(n)>T1(Yes)となった場合、ステップS22に進み、濃度高信号を発生する。具体的には、濃度信号LVをハイレベルにし、ステップS24に進む。一方、D(n)≦T1(No)の場合、ステップS23に進み、濃度低信号を維持する。具体的には、濃度信号LVをローレベルに維持しつつ、ステップS24に進む。なお、本実施形態では、汚染ガス検知終了しきい値T2と汚染ガス検知しきい値T1とを別のしきい値(具体的にはT1>T2)としているが、T2=T1であっても良い。
その後、ステップS24でステップS14またはステップS15で算出した現在ベース値B(n)を記憶し、ステップS25でA/Dサンプリングのサイクル時間のタイムアップを待った上で、ステップS12に戻り、再びセンサ出力値S(n)を取得する。
なお、本実施形態1において、センサ出力値取得回路19は取得手段に相当する。また、ステップS152が判定手段、ステップS153、S154、S16、S18、S19が第1濃度信号発生手段、S155、S156、S16、S21、S23が第2濃度信号発生手段に相当に相当する。これら各々の手段の一例である。
ついで、実測したセンサ出力値S(n)と、図3〜図5に示すフローチャートに従った制御により得られるベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度信号LVの変化の例を図6に示す。なお、図6には、比較例として、上記フローチャートのうち、ステップS152、S155、S156をなくしたベース値Bb(n)、差分値Db(n)及び濃度信号LVbの変化をも記載してある。また、汚染ガス検知しきい値T1と汚染ガス検知終了しきい値T2とは同じ値である汚染検知しきい値Tとしている。
即ち、図6に示す本実施形態の例では、濃度低信号発生時には、S(n)>B(n−1)のとき、式(1):B(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)}−k2{S(n)−S(n−4)}により、S(n)≦B(n−1)のとき、B(n)=S(n)により、図6に示されたB(n)を算出する。一方、濃度高信号発生時には、S(n)>S(n−4)のとき、式(3):B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)}−k4{S(n)−S(n−4)}により、S(n)≦S(n−4)のとき、式(4):B(n)=B(n−1)+k5{S(n)−B(n−1)}−k6{S(n)−S(n−4)}によりベース値B(n)を算出した。但し、k1=1/16、k2=k3=k4=k6=1/64、k5=1/32とした。
また、図6に示す比較例では、濃度低信号発生時には、S(n)>Bb(n−1)のとき、式(1):Bb(n)=B(n−1)+k1{S(n)−B(n−1)}−k2{S(n)−S(n−4)}により、S(n)≦Bb(n−1)のとき、Bb(n)=S(n)により、図6に示されたBb(n)を算出する。一方、濃度高信号発生時には、式(3):B(n)=B(n−1)+k3{S(n)−B(n−1)}−k4{S(n)−S(n−4)}によりベース値Bb(n)を算出した。但し、k1=1/16、k2=k3=k4=1/64とした。
NOxの濃度が変化すると、センサ出力値S(n)が変化する。そして、センサ出力値S(n)から算出された実施形態のベース値B(n)は、比較例のベース値Bb(n)と比較して、センサ出力値S(n)が減少し始めると急激に増加する。このため、実施形態の差分値D(n)は、比較例の差分値Db(n)と比較して、急激に小さくなる。その結果、実施形態の濃度信号LVは、比較の濃度信号LVbに比べて早期にハイレベルからローレベルに切り換わる。
このように、本実施形態によれば、変換手段及び第2濃度信号発生手段を持たない比較例に比して、濃度下降方向の変化をできるだけ早く検知し、濃度下降方向の変化の初期段階を捉えて濃度が下降方向に変化した旨の信号を発生させることができる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態等では、電源電圧Vccをガスセンサ素子11と検出抵抗値Rdを有する検出抵抗12とで分圧した動作点Pdのセンサ出力電位Vsを、バッファ13を介して出力するガス検出装置10を用いた。しかし、センサ抵抗変換回路としては、ガスセンサ素子のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位を出力するものであれば良く、上記分圧回路以外の回路構成とすることもできる。
例えば、上記実施形態1等では、ガスセンサ素子11を分圧回路のアース側(下側)に位置させ、検出抵抗12を電源側(上側)とした(図1、図6参照)が、これらを上下逆として、ガスセンサ素子11を分圧回路の電源側(上側)に位置させ、検出抵抗12をアース側(下側)としても良い。但し、このようにした場合には、例えば、NOxの濃度が上昇すると、センサ電圧Vsが低下する方向に変化するというように、センサ抵抗変換回路の特性が逆になるので、それに応じた処理を行う必要がある。
さらには、他の回路構成によるセンサ出力値取得回路を用いることもできる。例えば、特開2001−242113号に記載の回路を用いることもできる。
また、上記実施形態等では、センサ出力値S(n)とベース値B(n)を用いて、差分値を求め、この差分値D(n)と汚染ガス検知終了しきい値T2、汚染ガス検知しきい値T1との大小関係を比較して濃度信号の切替を判断した。しかし、他の関係を満たすか否かを判断して、濃度信号を切り替えるようにしても良い。例えば、センサ出力値とベース値との比をしきい値と比較して判断するものが挙げられる。
また、実施形態等では、マイクロコンピュータ16は、濃度高信号に対応するハイレベルと、濃度低信号に対応するローレベル、の2つの信号レベルを有する濃度信号LVを出力するとした。しかし、例えば、複数の信号レベルを濃度高信号に対応させ、複数の信号レベルを濃度低信号に対応させるようにしても良い。この場合にも、濃度高信号に属する信号レベルと濃度低信号に属する信号レベルとの切換に、本発明を適用することが出来る。
本実施形態に係るガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムの概要を示す説明図である。 本実施形態に係る車両用オートベンチレーションシステムにおける制御のフローを示す説明図である。 本実施形態に係るガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおけるフローを示す説明図である。 図3の制御フローのうち、濃度低信号発生時におけるベース値算出のサブルーチンの内容を示した説明図である。 図3の制御フローのうち、濃度高信号発生時におけるベース値算出のサブルーチンの内容を示した説明図である。 本実施形態にかかり、センサ出力値S(n)の変化に対して、ベース値B(n)、差分値D(n)及び濃度信号LVの変化を、S152、S155、S156をなくしたベース値Bb(n)、差分値Db(n)及び濃度信号LVbの変化と対比して示す説明図である。
符号の説明
100 車両用オートベンチレーションシステム
10 ガス検出装置
11 ガスセンサ素子
12 検出抵抗
13 バッファ
14 センサ抵抗値変換回路
15 A/Dコンバータ
16 マイクロコンピュータ
19 センサ出力値取得回路(取得手段)
20 電子制御アセンブリ
21 フラップ駆動回路
31、32、33 ダクト
34 フラップ

Claims (4)

  1. 特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化する酸化物半導体のガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
    上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する取得手段と、
    特定ガスの濃度の上昇を示す濃度高信号と特定ガスの濃度の下降を示す濃度低信号のいずれかを濃度信号として発生させるマイクロコンピュータと、を備え、
    上記マイクロコンピュータは、上記濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値が、複数の上記所定サイクル数m回だけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備えており、さらに、
    上記判定手段にて濃度下降方向側でないと判定されると、上記センサ出力値及び第1基準値により算出された第1判断対象値と第1しきい値とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第1濃度信号発生手段が選択され、
    上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されると、上記センサ出力値及び第2基準値により算出された第2判断対象値と第2しきい値とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第2濃度信号発生手段が選択されるように構成されており、
    上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生することを特徴とするガス検出装置。
  2. 前記第1基準値は、上記現在のセンサ出力値と、過去のセンサ出力値を用いて算出される過去の第1基準値である過去第1基準値とを用いて算出され、
    前記第2基準値は、上記現在のセンサ出力値と、過去のセンサ出力値を用いて算出される過去の第2基準値である過去第2基準値とを用いて算出されたことを特徴とする請求項1に記載のガス検出装置。
  3. 特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化する酸化物半導体のガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
    上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値S(n)を取得する取得手段と、但し、nは時系列の順序を示す整数、
    特定ガスの濃度の上昇を示す濃度高信号と特定ガスの濃度の下降を示す濃度低信号のいずれかを発生させるマイクロコンピュータと、を備え、
    上記マイクロコンピュータは、上記濃度高信号を発生している期間に、現在の上記センサ出力値である現在センサ出力値S(n)が、複数の上記所定サイクル数mだけ過去に算出されたセンサ出力値であるm回過去センサ出力値S(n−m)に対して、濃度下降方向側にあるか否かを判定する判定手段を備えており、さらに、
    上記判定手段にて濃度下降方向側でないと判定されると、第1ベース算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)から下記式(1)に従って第1ベース値B1(n)を算出し、
    B1(n)=B1(n−1)+k1{S(n)−B1(n−1)}−k2{S(n)−S(n−q)} ・・・(1)
    但し、k1は追従変化率、k2は強調率であり、0<k1<1、k2>0、S(n−q)は所定サイクル数qだけ過去に算出されたセンサ出力値であるq回過去センサ出力値B1(n−1)は前回の第1ベース値
    第1差分値算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)と第1ベース値B1(n)とから下記式(2)に従って第1差分値D1(n)を算出し、
    D1(n)=S(n)−B1(n) ・・・(2)
    上記第1差分値D1(n)と第1しきい値T1とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号への切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第1濃度低信号発生手段が選択され、
    上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判断されると、第2ベース算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)から下記式(3)に従って第2ベース値B2(n)を算出し、
    B2(n)=B2(n−1)+k3{S(n)−B2(n−1)}−k4{S(n)−S(n−q)} ・・・(3)
    但し、k3は追従変化率、k4は強調率であり、0<k3<1、k4>0、S(n−q)は所定サイクル数qだけ過去に算出されたセンサ出力値であるq回過去センサ出力値B2(n−1)は前回の第2ベース値
    第2差分値算出手段を用いて、上記センサ出力値S(n)と第2ベース値B2(n)とから下記式(4)に従って第2差分値D2(n)を算出し、
    D2(n)=S(n)−B2(n) ・・・(4)
    上記第2差分値D2(n)と第2しきい値T2とを比較して、上記濃度高信号から濃度低信号の切換えを行うか否かを判定すると共に、上記切換えを行うと判定したときに上記濃度高信号に代えて上記濃度低信号を発生する第2濃度低信号発生手段が選択されるように構成されており、
    上記第2濃度信号発生手段は、上記判定手段にて濃度下降方向側にあると判定されつづけるセンサ出力値の時系列を与えたときに、上記第2濃度信号発生手段を用いずに上記第1濃度信号発生手段のみを用いると仮定したときの濃度低信号が発生するタイミングよりも早いタイミングにて濃度低信号を発生するように、上記式(1)と上記式(3)との追従変化率および強調率の少なくともいずれか一方を異なるようにしたことを特徴とするガス検出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガス検出装置を含む車両用オートベンチレーションシステム。
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