JP4409902B2 - ガス検出装置及び車両用オートベンチレーションシステム - Google Patents

ガス検出装置及び車両用オートベンチレーションシステム Download PDF

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本発明は、ガスセンサ素子を用いて環境中の特定ガスの濃度変化を検出するガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムに関する。
従来より、鉛−フタロシアニンを用いたり、WO3やSnO2などの金属酸化物半導体を用いたガスセンサ素子であって、環境中のNOxなどの酸化性ガスやCO、HC(ハイドロカーボン)などの還元性ガスといった、特定のガスの濃度変化によってそのセンサ抵抗値が変化するガスセンサ素子が知られている。また、このようなガスセンサ素子を用い、そのセンサ抵抗値の変化により特定ガスの濃度変化を検出可能なガス検出装置も知られている。さらには、このガス検出装置を用いた各種の制御システム、例えば、車室外空気の汚染状況に応じて、車室内への外気・内気導入を切り替えるためのフラップ開閉制御を行う車両用オートベンチレーションシステムや、喫煙などによる室内空気の汚染を検知し、空気清浄機の制御を行うシステムなどが知られている。
このようなガスセンサ素子を用いたガス検出装置では、ガスセンサ素子の出力信号を微分してガス検知をおこなうもの(特許文献1参照)、アナログ微分値をA/D変換した後、さらにデジタル微分して2階微分値を得てガス検知を行うもの(特許文献2参照)、センサ信号を積分して得た積分値とセンサ信号とを比較してガス検知を行うもの(特許文献3参照)などがある。
特公昭62−34565号公報 特開平5−157714号公報 特開平1−199142号公報
上述のガスセンサ素子は、酸化性ガスや還元性ガスなど検知しようとしている特定ガスの濃度変化によってそのセンサ抵抗値が変化するものであり、センサ抵抗値が、正確に、特定ガスの濃度に対応している訳ではない。このため、上述の各手法によって、特定ガスの濃度変化を検知することで、例えば濃度上昇を検知すれば、特定ガスの濃度が高い状態となったと解し、逆に濃度低下を検知すれば、特定ガスの濃度が低い状態となったと解して、フラップの開閉制御を行っている。このようにすることで、特定ガス濃度に変化が生じた場合に、早期にその変化を検知し、適切にフラップの開閉制御を行うことができる。
しかしながら、例えば、トンネル内や地下駐車場内、あるいは、渋滞した道路など、特定ガスが滞留している空間では、適切にガス検知を行うことが出来ず、フラップの開閉を必ずしも適切に制御できない場合があった。
トンネル内や地下駐車場内などでは、酸化性ガスや還元性ガスなどの特定ガスが高濃度に滞留している場合が多い。しかも、例えばトンネルで言えば、入り口付近と中央付近と出口付近というように場所によって、あるいは、前方を併走している自動車に存在などによって、「高濃度」、「非常に高濃度」、「高濃度」というように、或る程度以上の高濃度を保ちながらも、その濃度が場所的、時間的に大きく変化している場合も少なくない。このため、自動車に装着されたガス検出装置では、トンネル内などにおける走行では、特定ガスの濃度が、高濃度でありしかも濃度変化が生じるという状態に、数分ないし数10分という比較的長時間にわたって置かれる場合がある。
このような場合、前述のガス検出装置では、「非常に高濃度」の状態から「高濃度」の状態に変化したこと(濃度が減少したこと)による抵抗変化によって、濃度低下を検知し、特定ガスの濃度が低い状態となったと解して信号を出力するため、フラップを外気導入となるように制御してしまう場合が生じうる。すると、車室内に、高濃度の特定ガスが流入することとなり、臭気を感じて不快となるなど、適切なフラップ制御が出来ない場合があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、トンネル内など特定ガスが滞留している空間内や状況で使用しても、適切にガス検知を行うことができるガス検出装置、及びこのガス検出装置を用い、フラップ等を適切に開閉制御できる車両用オートベンチレーションシステムを提供することを目的とする。
その解決手段は、特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する取得手段と、上記センサ出力値に応じて変化する第1基準値を生成する第1基準値生成手段と、上記センサ出力値に応じて変化し、上記センサ出力値及び上記第1基準値よりも緩慢に変化する第2基準値を生成する第2基準値生成手段と、上記センサ出力値と上記第1基準を用いて上記特定ガスの濃度の昇降を検知するガス濃度昇降検知手段と、上記センサ出力値と上記第2基準を用いて上記特定ガスの濃度が上昇した後の、濃度が高い状態が継続している濃度高継続状態であるか否かを検知するガス滞留検知手段と、を備えるガス検出装置である。
本発明のガス検出装置では、第1基準値生成手段で第1基準値を生成し、ガス濃度昇降検知手段でセンサ出力値と第1基準を用いて特定ガスの濃度の昇降を検知する。従って、本発明のガス検出装置では、特定ガスの濃度上昇あるいは低下(下降)を検知することができる。
これに加え、このガス検出装置では、第2基準値生成手段で、センサ出力値に追従し、このセンサ出力値及び第1基準値よりも緩慢に変化する第2基準値を生成し、ガス滞留検知手段で、センサ出力値と第2基準を用いて特定ガスの濃度高継続状態であるか否かを検知する。
ここで、濃度高継続状態とは、高濃度のガスが滞留しているガス滞留空間(トンネルなど)に自動車が進入した場合のように、特定ガスの濃度が高い状態が継続している状態をいう。
ところで、高濃度のガスが滞留しているガス滞留空間(トンネルなど)に自動車が進入した場合などにおいては、進入前及びガス滞留空間から抜けた後に比して、センサ出力値は、高濃度の特定ガスに対応する値の範囲内で推移すると考えられ、しかもその変化は、自動車がガス滞留空間を通過する時間と概略同程度の時間に亘って継続すると考えられる。従って、この変化は、濃度の高い期間が比較的短時間で終了する通常状態の道路における特定ガス濃度の変化の継続時間よりも長時間となると考えられる。
また、ガス濃度の高いガス滞留空間内でも、例えば高濃度の場所と、特に高濃度の場所というように、場所や時間に応じて濃度の変化が生じる場合がありうるが、このガス滞留空間内での濃度変化の継続時間(例えば「非常に高濃度」の場合に対応するセンサ出力値の継続時間)は、当然のことながら、自動車がガス滞留空間を通過する時間よりも短時間となると考えられる。
第2基準値は、センサ出力値に追従し、このセンサ出力値及び第1基準値よりも緩慢に変化する値である。従って、第2基準値は、センサ出力値に追従して変化するものの、センサ出力値及び第1基準値よりも緩慢に、つまり、センサ出力値の短時間の変化にはあまり左右されず、ゆっくりとした変化に対応した値となる。従って、この第2基準値を、通常状態の道路における特定ガス濃度の短時間変化や、ガス滞留空間内での特定ガス濃度の短時間変化にはあまり左右されずに、トンネルなどガス滞留空間自動車がを通過する時間と概略同程度の時間に亘って継続するなど、比較的長時間継続する変化を反映させた値とすることができる。
そして、ガス滞留検知手段で、センサ出力値と第2基準値を用いて、特定ガスの濃度高継続状態であるか否かを検知する。
かくして、本発明のガス検出装置では、ガス濃度昇降検知手段を有しているので、特定ガスの濃度の上昇あるいは低下を検知することができる。その上、ガス滞留検知手段を有しているので、特定ガスの濃度が高い状態が継続している状態であるか否か、つまり、特定ガスの濃度が高い状態が継続している状態であるか、特定ガスの濃度が低い状態、あるいは濃度は高いがそれが継続してはいない状態であるかを検知することができる。
これにより、濃度高継続状態であるか否かを検知することで、例えばトンネル内や地下駐車場などを走行する自動車などにおいて、ガスの滞留を検知することができる。このため、ガス滞留の検知中はガス濃度低下を検知しても、フラップを開放し外気導入としないようにするなど、フラップ制御などにおいて、単にガス濃度の上昇及び低下だけでは不十分(不適切)であった制御を可能とすることができる。
なお、第1基準値生成手段において第1基準値を生成する第1算出式と、第2基準値生成手段において第2基準値を生成する第2算出式とは、同様の形式の算出式であり、これら第1及び第2算出式で算出された第1基準値及び第2基準値の緩急に影響する係数の値を、第1基準値よりも第2基準値の方が緩慢に変化するように設定してなるガス検出装置とすると良い。
第1算出式と第2算出式とを同様の式とすることで、ガス検出装置における各値の処理が容易となる上、式の係数の違いで、第1基準値と第2基準値との変化の緩急を変えるので、これらの緩急の調整も容易である。
さらに、請求項1に記載のガス検出装置であって、前記ガス滞留検知手段で特定ガスの濃度高継続状態ではないと判定され、かつ、前記ガス濃度昇降検知手段で前記特定ガスの濃度低下を検知した場合に、前記特定ガスの濃度が低いと判断し、これ以外の場合に、前記特定ガスの濃度が高いと判断する濃度低判断手段を備えるガス検出装置とすると良い。
前述したように、従来は、特定ガスの濃度が低下したと判断されると、特定ガスの濃度が低くなったと判断した。しかし、このような判断手法では、ガス滞留空間に自動車が進入した場合などには、そのガス滞留空間内での濃度低下(例えば、「非常に高濃度」から「高濃度」へ濃度が低下した場合)により、濃度低下と判断されたときに濃度低と判断されていた。しかし、ガス濃度が低下したことは事実であるが、ガス濃度の低下は、必ずしも濃度が低い状態となったことまでを示している訳ではないから、このような判断を用いて、例えばフラップの開閉を行うと、濃度の未だ高い状態の外気が車室内に導入されることとなり適切でない場合も生じる。
これに対し、本発明のガス検出装置では、濃度高の状態が継続していない状態で、かつ濃度が低下したときに、濃度が低いと判断する。
従って、ガス滞留空間などにおいては、ガス濃度が低下しても、濃度高状態は継続しているため、濃度が低いとは判断されない。つまり、濃度が高いと判断することができる。
一方、通常走行状態の道路など通常の状態では、濃度高の状態が継続しているとは判断されないので、ガス濃度昇降検知手段で特定ガスの濃度の低下を検知すれば、濃度低判断手段で特定ガスの濃度が低いと判断することができる。
かくして、このガス検出装置を用いることで、フラップの開閉などにおいて、適切な制御が可能となる。
さらに、他の解決手段は、特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する取得手段と、上記センサ出力値を用いて特定ガスの濃度の昇降を検知するガス濃度昇降検知手段と、上記センサ出力値を用いて上記特定ガスの濃度が上昇した後の、濃度が高い状態が継続している濃度高継続状態であるか否かを検知するガス滞留検知手段と、を備えるガス検出装置である。
本発明のガス検出装置では、センサ出力値を用いて、ガス濃度昇降検知手段で、特定ガスの濃度の昇降を検知するほか、ガス滞留検知手段で、特定ガスの濃度高継続状態であるか否かを検知する。このため、濃度の昇降を検知するだけでは、ガス濃度の低い状態となったことを必ずしも確実に検知できず、トンネルなどのガス滞留空間において、誤検知がされる場合があったのに対し、特定ガスの濃度高継続状態であるか否かをも検知することで、ガス滞留空間における誤検知を防止し、ガス濃度の低い状態となったことを確実に検知することができる。
さらに、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガス検出装置を含む車両用オートベンチレーションシステムとすると良い。
本発明の車両用オートベンチレーションシステムでは、特定ガスの濃度変化に応じて、ガス濃度の昇降及び濃度高維持状態か否か、あるいは、ガス濃度が高いか低いかを適切に判断できるので、これを用いてフラップの開閉制御など、車両のベンチレーションを適切に行うことができる。
本発明の実施例について、図1〜図10を参照して説明する。図1に本実施例のガス検出装置10の回路図及びブロック図と、これを含む車両用オートベンチレーションシステム100の概略構成を示す。このシステム100は、特定ガスの濃度変化に応じて濃度信号LVを出力するガス検出装置10と、フラップ34を回動させて、内気取り入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33(外気導入口)のいずれかをダクト31に接続させる換気系30と、濃度信号LVに従って換気系30のフラップ34を制御する電子制御アセンブリ20とを備える。
まずガス検出装置10について説明する。このガス検出装置10は、被測定ガス(本実施形態では大気)中にCO(一酸化炭素)など還元性ガス成分がある場合に、これに反応し、還元性ガス成分の濃度上昇するとセンサ抵抗値Rsが低下するタイプの酸化物半導体のガスセンサ素子11を用いるものである。このガスセンサ素子11は自動車の車室外に配置される。従って、本実施例では、特定ガスとはCOなどの還元性ガスを指す。また、COなどの還元性ガスは、自動車エンジンからの排気ガスを起源とするため、以下では、汚染ガスともいう。
このガスセンサ素子11を用い、センサ抵抗値変換回路14、バッファ13、A/D変換回路15からなるセンサ出力値取得回路19で、センサ出力値S(n)を取得する。センサ抵抗値変換回路14は、このガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsに応じたセンサ出力電位Vsを出力する。具体的には、電源電圧Vccをガスセンサ素子11と検出抵抗値Rdを有する検出抵抗12とで分圧した動作点Pdのセンサ出力電位Vsを、バッファ13を介して出力するようになっている。このため、このセンサ抵抗値変換回路14では、COなどの還元性ガスの濃度が上昇すると、センサ抵抗値Rsが低下し、センサ出力電位Vsが低下するように構成されている。
バッファ13の出力(センサ出力電位Vs)は、A/D変換回路15に入力されて、所定のサイクル時間毎にデジタル化されたセンサ出力値S(n)として出力され、マイクロコンピュータ16の入力端子17に入力される。なお、nは順序を表す一連の整数である。
さらにこのマイクロコンピュータ16の出力端子18からは、電子制御アセンブリ20を制御するための濃度高信号(LV=1)と濃度低信号(LV=0)のいずれかの濃度信号LVが出力される。この電子制御アセンブリ20は、自動車の内気循環及び外気取り入れを制御する換気系30のフラップ34を制御するものである。この換気系30は、本実施形態では具体的には、自動車室内につながるダクト31に、二股状に接続された、内気を取り入れ循環させる内気取り入れ用ダクト32と外気を取り入れる外気取り入れ用ダクト33とを切り替えるフラップ34を制御するものである。
電子制御アセンブリ20のうち、フラップ駆動回路21は、マイクロコンピュータ16の出力端子18からの濃度信号LV、本実施形態に即して言えば、COなどの還元性ガス成分の濃度が高いか低いかを示す濃度信号LVに従って、アクチュエータ22を動作させフラップ34を回動させて、内気取り入れ用ダクト32及び外気取り入れ用ダクト33のいずれかをダクト31に接続させる。
本実施例の車両用オートベンチレーションシステム100では、例えば、図2のフローチャートに示すように、ステップS101で初期設定を行った後、ステップS102で濃度レベル信号LVを取得し、ステップS103でガス検出装置10の出力している濃度信号LVが0であるか否かを判断する。ここで、YesつまりLV=0の場合には、特定ガスの濃度が低いのであるから、ステップS105において、フラップ34の全開を指示する。これにより、フラップ34が回動して、外気取り入れ用ダクト33がダクト31に接続され、外気が車室内に取り入れられる。一方、ステップS103においてNoつまりLV=1の場合には、車室外の特定ガスの濃度が高いのであるから、ステップS104において、フラップ34の全閉を指示する。これにより、フラップ34が回動して、内気取り入れ用ダクト32がダクト31に接続され、外気導入が遮断されると共に、内気循環となる。
ダクト31内には、空気を圧送するファン35が設置されている。なお、フラップ駆動回路21は、濃度信号LVだけに応じてフラップ34を開閉するようにしても良いが、例えば、マイクロコンピュータなどを用い、ガス検出装置10による濃度信号LVの他、図1中破線で示すように、例えば室温センサや湿度センサ、外気温センサなどからの情報をも加味して、フラップ34を開閉するようにしても良い。
マイクロコンピュータ16では、入力端子17から入力されたセンサ出力値S(n)を後述するフローに従った処理を行うことにより、ガスセンサ素子11のセンサ抵抗値Rsやその変化などから還元性ガス成分の濃度変化を検出する。マイクロコンピュータ16は、詳細は図示しないが、公知の構成を有し、演算を行うマイクロプロセッサ、プログラムやデータを一時記憶しておくRAM、プログラムやデータを保持するROMなどを含む。また、バッファ13やA/D変換回路15をも含むものを用いることもできる。
次いで、マイクロコンピュータ16における制御を、図3のフローチャートに従って説明する。自動車のエンジンが駆動されると、本制御システムが立ち上がる。ガスセンサ素子11が活性状態となるのを待って、まずステップS1で初期設定を行う。具体的には、第1ベース値B1(0)及び第2ベース値B2(0)として、ガスセンサ素子11が活性状態となった当初のセンサ出力値S(0)を記憶しておく(B1(0)=B2(0)=S(0))。また、濃度信号LVを、LV=0としておく。さらに、K=k1、H=h1としておく。
その後、ステップS2に進み、センサ信号つまりセンサ出力電位Vsを所定のサイクル時間ごとにA/D変換した現在センサ出力値S(n)を順次読み込む。
ついで、ステップS3で、第1ベース値B1(n)を算出する。具体的には、図4のサブルーチンに示すようにして、第1ベース値B1(n)を算出する。まず、ステップS31において、センサ出力値S(n)の取得開始後、8サンプリング以上経過しているか否かを判断する。後述するように、通常の第1ベース値B1(n)の算出には、現在のセンサ出力値S(n)のほかに、8サンプリング分過去のセンサ出力値S(n-8)も用いるため、センサ出力値S(n)を8サンプリング分取得する前は、別途の算出式を用いて第1ベース値B1(n)を算出するためである。
このステップS31において、Yes、即ち、センサ出力値S(n)を取得し始めてから、8サンプリング分以上取得した場合には、ステップS32に進む。ステップS32では、現在センサ出力値S(n)が前回算出した前回第1ベース値B1(n-1)未満であるか否かを判断する。ここで、S(n)<B1(n-1)の場合(Yes)にはステップS34に進む。一方、S(n)≧B1(n-1)の場合(No)には、ステップS35に進む。
ステップS34では、汚染ガス検知中であるか否か、具体的には、後述する汚染ガスフラグがセットされているか否かを判断する。ここで、No、即ち、このフラグがセットされていない場合(汚染ガスが検知されていない場合)には、ステップS36に進んで、第1係数K及び第2係数Hに、それぞれk1,h1を代入(K=k1,H=h1)し、ステップS38に進む。一方、Yes、即ち、このフラグがセットされている場合(汚染ガスが検知されている場合)には、ステップS37に進んで、第1係数K及び第2係数Hに、それぞれk2,h2を代入(K=k2,H=h2)し、ステップS38に進む。なお、これらの間には、0<k2<k1<1、0<h2<h1の関係を有している。具体的には、k1=1/40、k2=1/60、h1=1/64、h2=1/360とした。
ステップS38では、前回第1ベース値B1(n-1)と現在センサ出力値S(n)と8回過去センサ出力値S(n-8)を利用して、以下の式(1)によって現在第1ベース値B1(n)を算出し、メインルーチンに戻る。式(1):B1(n)=B1(n-1)+K[S(n)−B1(n-1)]−H[S(n)−S(n-8)]、ここで、第1係数Kは、0<K<1である。また、第2係数Hは、H>0である。
上記式(1)のうち、B1(n-1)+K[S(n)−B1(n-1)]の追従項の値は、使用する第1係数Kが0<K<1の範囲内では、現在のセンサ出力値S(n)の変化に追従し、しかも現在のセンサ出力値S(n)よりも緩慢に変化する。一方、−H[S(n)−S(n-8)]の強調項の値は、現在のセンサ出力値S(n)と8回過去センサ出力値S(n-8)との差分値を算出する項であり、汚染ガスの濃度が上昇してセンサ出力値が減少傾向にある場合にそれを強調する。例えば、センサ出力値が減少(S(n)<S(n-8))すると、この強調項が無いとした場合、つまり追従項のみを用いて算出した仮想現在第1ベース値(以下、KB1(n)と表現する)に比して、式(1)を用いた現在第1ベース値B1(n)は大きな値となる(B1(n)>KB1(n))。
このように本実施例では、強調項があるため、センサ出力値が減少傾向にあるとS(n)<S(n-8)となるので、その減少分のH倍が追従項から差し引かれる。つまり、センサ出力値が減少し続けると、仮想現在第1ベース値KB1(n)に比して、現在第1ベース値B1(n)は毎回センサ出力値の減少のH倍だけ大きくなり、これが累積する。このため、ステップS5において算出される現在第1差分値D1(n)は、仮想第1差分値K1D(n)よりも早期に大きな値となる。つまり、式(1)の強調項によりセンサ出力値の減少が強調された結果となる。従って、この強調項を含む式(1)を用いることで、仮想第1ベース値KB1(n)を用いる場合より早期に、特定ガスの濃度上昇を検知することができる。
また、第1係数K及び第2係数Hに用いる値、k1,k2及びh1,h2は、それぞれk2<k1、h2<h1の関係を有している。このため、ステップS36を経由して(つまり汚染ガス検知フラグがセットされていない状態(No))算出した第1ベース値B1(n)に対し、ステップS37を経由して(つまり汚染ガス検知フラグがセットされている状態(Yes)で)算出した第1ベース値B1(n)の方が、強調項の影響が少なくなり、しかも、追従項の応答も緩慢になる。従って、全体としても、第1ベース値B1(n)の応答が緩慢になる。汚染ガスが検知されている状態なので、汚染ガスの濃度が低下して、再びセンサ出力値S(n)の値が大きくなり、後述するステップで求める第1差分値D1(n)の値が小さくなった時点を適切に検知するには、第1ベース値B1(n)の値を余り変化させないようにするのが好ましいからである。
一方、ステップS32でNoの場合には、ステップS35に進み、現在第1ベース値B1(n)として現在センサ出力値S(n)を代入(B1(n)=S(n))し、メインルーチンに戻る。即ち、現在センサ出力値S(n)が前回第1ベース値B1(n-1)以上である場合には、現在第1ベース値B1(n)を現在センサ出力値S(n)に一致させる。
このようにするのは、以下の理由による。即ち、もし、ステップS32,S35を設けないとすると、ガス濃度の低下などによりセンサ出力値が増加(S(n)>S(n-8))したとき、式(1)のうち強調項は正の値となるので、センサ出力値S(n)が増加し続ける場合などには、現在センサ出力値S(n)よりも式(1)で算出される現在第1ベース値B1(n)の方が小さくなる(S(n)>B1(n))逆転状態となり、後述するステップS5で算出する両者の差(第1差分値D1(n))が負となる場合が生じる。この逆転状態となっている期間に、ガス濃度が上昇に転じ、センサ出力値S(n)が減少に転じると、センサ出力値は再び減少し始めるが、後述するステップS65で第1差分値D1(n)が正の濃度高しきい値T1を越えるまでに時間が掛かるため、ガス濃度の上昇検出が遅れる場合が生じてしまう。
これに対し、本実施例のようにステップS32及びS35を設け、ステップS35において、現在第1ベース値B1(n)に現在センサ出力値S(n)を代入すれば、現在第1ベース値B1(n)と現在センサ出力値S(n)は一致するから、逆転状態を生じることが無くなる。その後、センサ出力値が時間とともに増加し続けるなどして、S(n)≧B1(n-1)=S(n-1)となる限り、ステップS35によって現在第1ベース値B1(n)に現在センサ出力値S(n)が代入される。
また、ステップS31でNoと判断されたとき、つまり、センサ出力値S(n)の取得開始後、未だ8サンプリング以上経過していないと判断されたときには、ステップS33に進み、第1ベース値B1(n)を算出する。この場合には、S(n-8)の値が存在していないため、ステップS38による第1ベース値B1(n)の算出が不能であるため、この8サンプリング分の期間だけ、異なる算出式で第1ベース値B1(n)を算出するのである。具体的には、式(2):B1(n)=B1(n-1)+K[S(n)−B1(n-1)]−H[S(n)−S(0)]を用いる。ここで、初期設定により、第1係数Kは、0<K=k1<1とされ、第2係数Hは、H=h1>0とされている。
第1ベース値B1(n)を算出した後には、ステップS4で、第2ベース値B2(n)を算出する。具体的には、図5のサブルーチンに示すようにして、第2ベース値B2(n)を算出する。まず、ステップS41において、センサ出力値S(n)の取得開始後、8サンプリング以上経過しているか否かを判断する。第1ベース値B1(n)と同じく、通常の第2ベース値B2(n)の算出には、現在のセンサ出力値S(n)のほかに、8サンプリング分過去のセンサ出力値S(n-8)も用いるため、センサ出力値S(n)を8サンプリング分取得する前は、別途の算出式を用いて第2ベース値B2(n)を算出するためである。
このステップS41において、Yes、即ち、センサ出力値S(n)を取得し始めてから、8サンプリング分以上取得した場合には、ステップS42に進む。ステップS42では、現在センサ出力値S(n)が前回算出した前回第2ベース値B2(n-1)未満であるか否かを判断する。ここで、S(n)<B(n-1)の場合(Yes)にはステップS44に進む。一方、S(n)≧B2(n-1)の場合(No)には、ステップS45に進む。
ステップS44では、前回第2ベース値B2(n-1)と現在センサ出力値S(n)と8回過去センサ出力値S(n-8)を利用して、以下の式(3)によって現在第2ベース値B2(n)を算出し、メインルーチンに戻る。式(3):B2(n)=B2(n-1)+k3[S(n)−B2(n-1)]−h3[S(n)−S(n-8)]、ここで、第1係数k3は、0<k3<1である。また、第2係数h3は、h3>0である。さらに、前出のk1,k2,h1,h2との関係を加味すると、0<k3<k2<k1<1、及び0<h3<h2<h1である。具体的には、k3=1/3600、h3=1/3600とした。
上記式(3)は既に説明した式(1)と同じ形式であることから理解できるように、このうち、B2(n-1)+k3[S(n)−B2(n-1)]の追従項の値は、使用する第1係数k3が0<k3<1の範囲内では、現在のセンサ出力値S(n)の変化に追従し、しかも現在のセンサ出力値S(n)よりも緩慢に変化する。一方、−h3[S(n)−S(n-8)]の強調項の値は、現在のセンサ出力値S(n)と8回過去センサ出力値S(n-8)との差分値を算出する項であり、汚染ガスの濃度が上昇してセンサ出力値が減少傾向にある場合にそれを強調する。
ところで、第1係数k3及び第2係数h3は、上述のように、k3<k2<k1、及び、h3<h2<h1の関係を有している。従って、センサ出力値S(n)の変化に対して、第2ベース値B2(n)は、第1ベース値B1(n)よりも緩慢に変化することとなる。換言すれば、センサ出力値S(n)の変化のうち、より低い周波数成分に対応して変化する。
これにより、第2ベース値B2(n)は、センサ出力値S(n)の変化のうち、通常の走行状態において、比較的短い期間に汚染ガスの濃度が上がり再び下がるような場合など、比較的早い変化には余り反応しない。一方、トンネルや地下の駐車場など、汚染ガスが滞留している場所に自動車が進入し、汚染ガスの濃度の高い状態が長時間に亘る場合には、これに反応して、徐々にセンサ出力値S(n)の値に応じて変化する。
一方、ステップS42でNoの場合には、ステップS45に進み、現在第2ベース値B2(n)として現在センサ出力値S(n)を代入(B2(n)=S(n))し、メインルーチンに戻る。即ち、現在センサ出力値S(n)が前回第2ベース値B2(n-1)以上である場合には、現在第2ベース値B2(n)を現在センサ出力値S(n)に一致させる。
このようにするのは、以下の理由による。即ち、もし、ステップS45を設けないとすると、ガス溜まり部分を抜けるなどしてガス濃度の低下し、センサ出力値が増加(S(n)>S(n-8))したとき、後述するステップS5で算出する両者の差(第2差分値D2(n))が負となる場合が生じる。この逆転状態となっている期間に、ガス濃度が再び上昇に転じ、センサ出力値S(n)が減少に転じると、センサ出力値は再び減少し始めるが、後述するステップS75で第2差分値D2(n)が正の濃度高しきい値T3を越えるまでに時間が掛かるため、ガス溜まり検出が遅れる場合が生じてしまう。
これに対し、本実施例のようにステップS42及びS45を設け、ステップS45において、第2ベース値B2(n)に現在センサ出力値S(n)を代入すれば、第2ベース値B1(n)と現在センサ出力値S(n)は一致するから、逆転状態を生じることが無くなる。その後、センサ出力値が時間とともに増加し続けるなどして、S(n)≧B2(n-1)=S(n-1)となる限り、ステップS45によって第2ベース値B2(n)に現在センサ出力値S(n)が代入される。
また、ステップS41でNoと判断されたとき、つまり、センサ出力値S(n)の取得開始後、未だ8サンプリング以上経過していないと判断されたときには、ステップS43に進み、第2ベース値B2(n)を算出する。この場合には、S(n-8)の値が存在していないため、ステップS44による第2ベース値B2(n)の算出が不能であるため、この8サンプリング分の期間だけ、異なる算出式で第2ベース値B2(n)を算出するのである。具体的には、式(4):B2(n)=B2(n-1)+k3[S(n)−B2(n-1)]−h3[S(n)−S(0)]を用いる。
その後、メインルーチンにおいて、ステップS5において、第1差分値D1(n)及び第2差分値D2(n)を算出する。具体的には、式(5):D1(n)=B1(n)−S(n)、及び、式(6):D2(n)=B2(n)−S(n)によって求める。
さらに、汚染ガス検知処理を行うステップS6に進む。具体的には、図6に示すサブルーチンに示す処理を行う。
まず、ステップS61において、汚染ガスの検知中であるか否か、具体的には、汚染ガスフラグがセットされているか否かを判断する。ここで、No、即ち、このフラグがセットされていない場合(汚染ガスが検知されていない場合)には、ステップS65に進んで、第1差分値D1(n)が第1しきい値T1を超えているか否かを判断する。
ここで、第1差分値D1(n)が、第1しきい値T1以下である場合(No)には、センサ出力値S(n)と第1ベース値B1(n)との差(第1差分値D1(n))が余り大きくないと考えられる。一般に、汚染ガスの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)の値はそれに伴って急速に小さな値となる。これに対し、第1ベース値B1(n)は緩慢に変化するから、汚染ガスの濃度が上昇した時点では、その差である第1差分値D1(n)の値が大きくなると考えられる。
しかるに、ステップS67に進む場合には、この第1差分値D1(n)が小さな値なのであるから、未だ汚染ガスがない(つまりクリーンエアである)と判断して、ステップS67において、汚染ガスフラグのリセットを維持し、メインルーチンに戻る。
一方、ステップS65で、Yes、つまり、第1差分値D1(n)が、第1しきい値T1を超える場合には、汚染ガスの濃度上昇によってセンサ出力値S(n)が小さくなる一方、第1ベース値B1(n)は緩慢に変化してその差(第1差分値D1(n))が大きくなった(ガス濃度が上昇した)と考えられる。そこで、汚染ガスが検知された(つまりクリーンエアでない)と判断して、ステップS66において、汚染ガスフラグをセットしてメインルーチンに戻る。
また、ステップS61において、Yes、即ち、この汚染ガスフラグがセットされている場合(汚染ガスが検知されている場合)には、ステップS62に進み、第1差分値D1(n)が第2しきい値T2を超えているか否かを判断する。なお、T2<T1である。ここで、第1差分値D1(n)が、第2しきい値T2以下である場合(No)には、第1差分値D1(n)が小さくなったと考えられることから、汚染ガスの濃度が低下して、センサ出力値S(n)が再び大きくなり第1ベース値B1(n)に近づいたと考えられる。このため、汚染ガスがない(つまりクリーンエアである)と判断して、ステップS64において、汚染ガスフラグをリセットし、メインルーチンに戻る。
一方、ステップS62で、Yes、つまり、第1差分値D1(n)が、第2しきい値T2を超える場合には、汚染ガスの濃度が未だに高いために、センサ出力値S(n)と第1ベース値B1(n)との差(第1差分値D1(n))は依然として大きいままであると考えられる。そのため、汚染ガスが検知され続けている(つまりクリーンエアでない)と判断して、ステップS63において、汚染ガスフラグのセットを維持してメインルーチンに戻る。
なお、本実施例では、汚染ガスの有無の判断において、第1しきい値T1の他に、第2しきい値T2を用い、T2<T1とした。ヒステリシス特性を持たせて、第1差分値D1(n)の値がわずかに変化することによって、汚染ガスフラグのセットとリセットとが繰り返されるチャタリングを防止するためである。
続いて、ステップS7において、ガス溜まり検知処理を行う。具体的には、図7に示すサブルーチンに示す処理を行う。
まず、ステップS71において、ガス溜まりの検知中であるか否か、具体的には、ガス溜まりフラグがセットされているか否かを判断する。ここで、No、即ち、このフラグがセットされていない場合(ガス溜まりを検知していない場合)には、ステップS75に進んで、第2差分値D2(n)が第3しきい値T3を超えているか否かを判断する。なお、本実施例では、T3>T1>T2としている。
ここで、第2差分値D2(n)が、第3しきい値T3以下である場合(No)には、センサ出力値S(n)と第2ベース値B2(n)との差(第2差分値D2(n))が余り大きくないと考えられる。一般に、汚染ガスの濃度が上昇すると、センサ出力値S(n)の値はそれに伴って小さな値となる。そして、もしこのガスセンサ素子11が、汚染ガスの濃度が長期間に亘って高い状態(高濃度継続状態)となるガス溜まりに入った場合、センサ出力値S(n)は比較的低い値を維持する。但し、その間にも、短期的にはセンサ出力値の上下動はあり得る。これに対し、第2ベース値B2(n)は緩慢に変化する。そこで、汚染ガスの濃度が上昇した時点では、その差である第2差分値D2(n)の値が大きくなると考えられる。
しかるに、ステップS77に進む場合には、この第2差分値D2(n)が小さな値なのである。このためこの場合には、未だガス溜まりではないと判断して、ステップS77において、ガス溜まりフラグのリセットを維持し、メインルーチンに戻る。
一方、ステップS75で、Yes、つまり、第2差分値D2(n)が、第3しきい値T3を超える場合には、汚染ガスの濃度上昇によってセンサ出力値S(n)が急速に小さくなる一方、第2ベース値B2(n)は緩慢に変化してその差(第2差分値D2(n))が大きくなったと考えられる。ここで、第3しきい値T3として、第1しきい値T1よりも大きな値を選択してある。つまり、第1しきい値T1によって、汚染ガスの検知をした場合よりもさらに大きな差(第2差分値D2(n))が得られていることから、汚染ガスの濃度が高いか、あるいは濃度が高い状態をある程度の期間維持していたと考えられる。そこで、ガス溜まりが検知されたと判断して、ステップS76において、ガス溜まりフラグをセットしてメインルーチンに戻る。
また、ステップS71において、Yes、即ち、ガス溜まりフラグがセットされている場合(ガス溜まりを検知している場合)には、ステップS72に進み、第2差分値D2(n)が第4しきい値T4を超えているか否かを判断する。ここで、第2差分値D2(n)が、第4しきい値T4以下である場合(No)には、第2差分値D2(n)が小さくなった考えられることから、汚染ガスの濃度が低下して、センサ出力値S(n)が再び大きくなり第2ベース値B2(n)に近づいたと考えられる。このため、ガス溜まりを抜けた(つまりクリーンエアとなった)と判断して、ステップS74において、ガス溜まりフラグをリセットし、メインルーチンに戻る。
一方、ステップS72で、Yes、つまり、第2差分値D2(n)が、第4しきい値T4を超える場合には、汚染ガスの濃度が高い状態が維持されており、ガス溜まり状態にあるために、センサ出力値S(n)と第2ベース値B2(n)との差(第2差分値D2(n))は依然として大きいままであると考えられる。そのため、ガス溜まりである(つまりクリーンエアでない)と判断して、ステップS73において、ガス溜まりフラグのセットを維持してメインルーチンに戻る。
その後、ステップS8において、濃度信号処理を行う。具体的には、図8に示すサブルーチンによって処理する。即ち、ステップS81において、汚染ガス検知中、または、ガス溜まり検知中であるか否かを判断する。つまり、汚染ガスフラグのセットと、ガス溜まりフラグのセットの論理和(OR)で判断する。ここで、Noつまり、汚染ガスフラグもセットされておらず、かつ、ガス溜まりフラグもセットされていない場合には、ステップS83に進み、濃度信号LV=0とする。汚染ガスフラグもセットされていないということは、第1ベース値B1(n)を用いたステップS6(図6参照)における判断では、クリーンエアであると判断されたこととなる。しかも、ガス溜まりフラグもセットされていないということは、第2ベース値B2(n)を用いたステップS7(図7参照)における判断でも、クリーンエアであると判断されたこととなる。従って、いずれでもクリーンエアと判断された場合には、クリーンエアであるとして、フラップ34を開放すべく、濃度信号LVを0とする。
これに対し、ステップS81においてYes、つまりそれ以外の場合には、ステップS82に進み、濃度信号LV=1とする。汚染ガスフラグ及びガス溜まりフラグの一方、あるいは両方がセットされている場合には、汚染ガスがある、あるいはガス溜まりが継続していると考えられる。従って、上述とは逆に、フラップ34を閉塞すべく、濃度信号LVを1とする。
その後、ステップS9に進み、現在の第1ベース値B1(n)及び第2ベース値B2(n)を記しておく。後に(次のサイクル及び8サイクル後)に、第1ベース値B1(n)及び第2ベース値B2(n)を算出するに当たって、使用するためである。
さらに、ステップSAでは、所定のサンプリングタイム(本実施例では、0.5秒)の経過を待って、ステップS2に戻る。これにより、所定のサンプリングタイム毎にセンサ出力値S(n)が取得され、処理が行われる。
かくして、本実施例のガス検出装置10では、第1ベース値B1(n)を用いて汚染ガスフラグのセット−リセットを行うのみならず、第2ベース値B2(n)を用いてガス溜まりフラグのセット−リセットをも行い、これらの論理和を用いて濃度信号LVのレベル(0または1)を決定している。従って、このガス検出装置10を用いた車両用オートベンチレーションシステム100では、濃度信号LVを用いて、トンネルや地下駐車場や渋滞道路など、汚染ガスの滞留しているガス溜まり空間あるいはガス溜まりの期間を検知し、これらの空間や期間においても、適切なフラップ開閉を行わせることができる。
なお、本実施例では、ステップS2がセンサ出力値を取得する取得手段に、ステップS3が第1基準値生成手段に、ステップS4が第2基準値生成手段に、ステップS6がガス濃度昇降検知手段に、ステップS7がガス滞留検知手段に相当する。また、ステップS8が濃度低判断手段に相当する。
ついで、本実施例及び第1ベース値B1(n)のみを用いた参考例にかかる場合について、実際のデータによってその差異、効果を確認する。図9は、実際の道路を本システム100を搭載した車両で走行したときのデータである。また、図10は、本システムと同時に搭載した参考システムのデータである。これらのうち、CO濃度データ、センサ出力値S(n)、第1ベース値B1(n)については、両者共通である。
図9及び図10のグラフ中、CO濃度は、別途のCOガスセンサを用いて、COガス濃度を測定したデータである。このCOガスセンサによるCOガス濃度は、図中上方ほどその濃度が高くなるように記載してある。一方、センサ出力値S(n)は、センサ素子10の性質上、COガスなどの還元性ガスの濃度が高くなると、その値が小さくなるようにされている。これらを比較すると判るように、本システム100のガスセンサ素子11を用いて測定したセンサ出力値S(n)は、COガスセンサの濃度変化と略対称形に変化していることが判る。また、時間1280秒〜1840秒の期間(560秒間)には、COガスの濃度が全体的に高くなっている。この期間は、トンネル内を走行していたためである。なお、このトンネル内の走行期間においては、全体としてCO濃度が高い上に、局所的に、極めてCO濃度の高期間が間欠的に現れている。
センサ出力値S(n)に対し、前述した式(1)及び式(2)を用いて得たのが、第1ベース値B1(n)である(ステップS3、図4参照)。図9及び図10のグラフを見れば判るように、この第1ベース値B1(n)は、センサ出力値S(n)の変化に対して、緩慢に追従していることが判る。そして、センサ出力値S(n)と第1ベース値B1(n)との差が第1差分値D1(n)に相当する。
図10に示す参考例では、本実施例における汚染ガスフラグをそのまま濃度信号LVとして用いている。従って、この第1差分値D1(n)が第1しきい値T1を超えた場合(図6、ステップS65参照)に濃度信号LV=1とし、第1差分値D1(n)が第2しきい値T2以下となった場合(図6、ステップS62参照)に濃度信号LV=0としている。
この濃度信号LV(本実施例における汚染ガスフラグに相当)の変化を見ると、センサ出力値S(n)が谷状に落ち込んでいる期間、濃度信号LVが、LV=1となっていることが判る。従って、通常の走行状態においては、この濃度信号LVによって、フラップ34の開閉を行っても、あまり問題はないと考えられる。
しかしながら、前述のトンネル内走行期間(時間1280秒〜1840秒の期間)においては、トンネル内を走行しているためにCO濃度が全体として高いにも拘わらず、例えば、時間1410秒〜1450秒の期間など数回にわたって、トンネル内であるにも拘わらず、濃度信号LV=0となり、フラップ34が回動して、外気導入の状態となった。このため、CO濃度の高い汚染ガスが車室内に導入され、不快臭が感じられた。これは、第1ベース値B1(n)は緩慢に変化するとは言え、還元性ガスの濃度が高い状態が長期間継続しているため、或る程度の時間が経過すると、第1ベース値B1(n)がセンサ出力値S(n)に接近してしまい、センサ出力値S(n)の変動によって、第1ベース値B1(n)が第2しきい値T2以下の値となってしまうことがある(ステップS62参照)ためである。つまり参考例のシステムでは、トンネルなどにおいて、適切なフラップ制御ができない場合のあることが判る。
これに対し、本実施例のシステム100では、第1ベース値B1(n)の他に、第2ベース値B2(n)をも算出する。この第2ベース値B2(n)は、前述のように式(3)及び式(4)を用いて得た値である(ステップS4、図5参照)。図9のグラフを見れば判るように、この第2ベース値B1(n)は、センサ出力値S(n)の変化に対して緩慢に、特に上述の第1ベース値B1(n)よりも緩慢に追従していることが判る。そして、センサ出力値S(n)と第2ベース値B2(n)との差が第2差分値D2(n)に相当する。
本実施例では、参考例における濃度信号に相当する汚染ガスフラグのほか、ガス溜まりフラグを用いている。具体的には、第2差分値D2(n)が第3しきい値T3を超えた場合(図7、ステップS75参照)にガス溜まりフラグをセットし、第2差分値D2(n)が第4しきい値T4以下となった場合(図7、ステップS72参照)にガス溜まりフラグをリセットしている。
このガス溜まりフラグは、図9のグラフに示されるように、COガスの濃度が高い状態が継続している場合に、継続してセット状態となっていることが判る。従って、トンネル内走行の期間のうち、1280秒〜1730秒の期間は、ガス溜まりフラグがセットされた状態を維持している。
そして、本実施例のシステム100では、この汚染ガスフラグとガス溜まりフラグとの論理和(OR)を、濃度信号LVとしている。即ち、汚染ガスフラグとガス溜まりフラグのいずれかが1(セット)状態の場合には、濃度信号LV=1とされ、両者がいずれもリセットの場合のみ、濃度信号LV=0とされる。従って、トンネル内走行の期間のうち、1280秒〜1730秒の期間は、濃度信号LVも、LV=1の状態が維持されている。従って、トンネル内走行の期間中に、不必要にフラップ34が回動して外気導入とされることが防止できたことが判る。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施例では、第1ベース値B1(n)を、式(1)及び(2)を用いて算出した。しかし、式(1)及び(2)から強調項を無くした式:B1(n)=B1(n-1)+K[S(n)−B1(n-1)]を用いて第1ベース値を算出するようにしても良い。
また、上記実施例では、第2ベース値B2(n)を、式(3)及び(4)を用いて算出した。しかし、式(3)及び(4)から強調項を無くした式:B2(n)=B2(n-1)+k3[S(n)−B2(n-1)]を用いて第2ベース値を算出するようにしても良い。
さらに、第1ベース値としては、他の算出式によって算出した値を用いることもでき、例えば、センサ出力値S(n)の移動平均値などを用いることができる。また、一定期間毎あるいは何らかの手法で決定した期間毎に、その期間のセンサ出力値のピーク値(本実施例で言えば、センサ出力値S(n)の極大値)から、汚染ガスの濃度が高くなると変化する側へ時間の経過と共に徐々に変化(本実施例で言えば減少)するように設定した値を用いることもできる。なお、第1ベース値としては、汚染ガスの濃度上昇をできるだけ早期に検出できる値を用いるのが好ましい。
一方、第2ベース値も、他の算出式によって算出した値を用いることもできる。但し、第1ベース値よりも緩慢に変化するように設定する。そこで例えば、センサ出力値S(n)の移動平均値などを用いることができる。また、一定期間毎あるいは何らかの手法で決定した期間毎に、その期間のセンサ出力値のピーク値(本実施例で言えば、センサ出力値S(n)の極大値)から、汚染ガスの濃度が高くなると変化する側へ時間の経過と共に徐々に変化(本実施例で言えば減少)するように設定した値を用いることもできる。
また、上述の実施例では、ガスセンサ素子11として、COなどの還元性ガスに反応してその抵抗値が変化するガスセンサを用いたが、NOxなどの酸化性ガスに反応するガスセンサ素子を用い、NOxなどの濃度に応じて、フラップを回動させるシステムに適用することもできる。また、還元性ガスに反応するガスセンサ素子と、酸化性ガスに反応するガスセンサ素子の2種を同時に使用し、還元性ガスと酸化性ガスの濃度変化に応じて、フラップを回動させるシステムに適用することもできる。還元性ガスと酸化性ガスの両者に反応するガスセンサ素子を用いたシステムに適用することもできる。
実施例にかかるガス検出装置および車両用オートベンチレーションシステムの概要を示す説明図である。 実施例にかかる車両用オートベンチレーションシステムにおける制御のフローを示す説明図である。 実施例にかかるガス検出装置のうちマイクロコンピュータにおける制御のフローを示す説明図である。 実施例にかかるガス検出装置の制御フローのうち、第1ベース値B1(n)を算出するサブルーチンを示す説明図である。 実施例にかかるガス検出装置の制御フローのうち、第2ベース値B2(n)を算出するサブルーチンを示す説明図である。 実施例にかかるガス検出装置の制御フローのうち、汚染ガス検知処理のサブルーチンを示す説明図である。 実施例にかかるガス検出装置の制御フローのうち、ガス溜まり検知処理のサブルーチンを示す説明図である。 実施例にかかるガス検出装置の制御フローのうち、濃度信号処理のサブルーチンを示す説明図である。 実施例にかかり、特定ガス(一酸化炭素:CO:還元性ガス)の変化と、これに対するセンサ出力値S(n)、第1ベース値B1(n)、第1差分値D1(n)、第2ベース値B2(n)、第2差分値D2(n)、及び濃度信号LVの変化例を示すグラフである。 参考例にかかり、特定ガス(一酸化炭素:CO:還元性ガス)の変化と、これに対するセンサ出力値S(n)、第1ベース値B1(n)、第1差分値D1(n)、及び濃度信号LVの変化例を示すグラフである。
100,140 車両用オートベンチレーションシステム
10,40 ガス検出装置
11,41 ガスセンサ素子
12 検出抵抗
13 バッファ
14,44 センサ抵抗値変換回路
15 A/Dコンバータ
16 マイクロコンピュータ
19,49 センサ出力値取得回路(取得手段)
20 電子制御アセンブリ
21 フラップ駆動回路
31,32 ダクト
33 ダクト(外気導入口)
34 フラップ
S(n) センサ出力値
B1(n) 第1ベース値(第1基準値)
B2(n) 第2ベース値(第2基準値)

Claims (4)

  1. 特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
    上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する取得手段と、
    上記センサ出力値に応じて変化する第1基準値を生成する第1基準値生成手段と、
    上記センサ出力値に応じて変化し、上記センサ出力値及び上記第1基準値よりも緩慢に変化する第2基準値を生成する第2基準値生成手段と、
    上記センサ出力値と上記第1基準を用いて上記特定ガスの濃度の昇降を検知するガス濃度昇降検知手段と、
    上記センサ出力値と上記第2基準を用いて上記特定ガスの濃度が上昇した後の、濃度が高い状態が継続している濃度高継続状態であるか否かを検知するガス滞留検知手段と、を備える
    ガス検出装置。
  2. 請求項1に記載のガス検出装置であって、
    前記ガス滞留検知手段で特定ガスの濃度高継続状態ではないと判定され、かつ、前記ガス濃度昇降検知手段で前記特定ガスの濃度低下を検知した場合に、前記特定ガスの濃度が低いと判断し、
    これ以外の場合に、前記特定ガスの濃度が高いと判断する
    濃度低判断手段を備える
    ガス検出装置。
  3. 特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化するガスセンサ素子を用いるガス検出装置であって、
    上記ガスセンサ素子を用いて、所定サイクル時間毎にセンサ出力値を取得する取得手段と、
    上記センサ出力値を用いて特定ガスの濃度の昇降を検知するガス濃度昇降検知手段と、
    上記センサ出力値を用いて上記特定ガスの濃度が上昇した後の、濃度が高い状態が継続している濃度高継続状態であるか否かを検知するガス滞留検知手段と、を備えるガス検出装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のガス検出装置を含む
    車両用オートベンチレーションシステム。
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