JP4414661B2 - ステレオアダプタ及びそれを用いた距離画像入力装置 - Google Patents

ステレオアダプタ及びそれを用いた距離画像入力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステレオ画像を撮影するために撮像装置の撮像光学系の前方に取り付けられるステレオアダプタ、及びそのようなステレオアダプタを取り付けた撮像装置からのステレオ画像より三次元距離情報を算出する距離画像入力装置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮像装置の撮像光学系に接続することで、同一被写体からの光を離間した2つの部位で受光し、受光した各々の光を撮像装置の撮像光学系に導くことで、ステレオ画像の撮像(ステレオ撮影)を可能にするステレオアダプタが利用されおり、そのようなステレオアダプタの構成として各種提案されている。
【0003】
例えば、被写体に所定のパターンを投影するパターン投影部を有するステレオアダプタ(例えば、特許文献1参照)や、前面にシリンドリカルレンズやワイドコンバージョンレンズを着脱可能に設置するステレオアダプタが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、イメージガイドを用いて双眼視するための内視鏡も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、ステレオアダプタのミラーの構成としては、例えば特許文献4などで開示されている。
【0006】
更に、3眼視ステレオ用のアダプタも提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−236332号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−327042号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平4−016812号公報
【0010】
【特許文献4】
実開昭53−112426号公報
【0011】
【特許文献5】
特開2001−305682号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遠距離の被写体について、広角画像を撮影するためには、投影装置やミラーが大きくなってしまい、ステレオアダプタを小型軽量に構成することは難しかった。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、遠距離の被写体を広角に撮影できる小型軽量なステレオアダプタ、及びそのようなステレオアダプタを用いた距離画像入力装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明によるステレオアダプタは、
ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取り付けるステレオアダプタであり、
同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系と、
受光する光束を縮小する複数の縮小光学系と、
を具備し、
上記導光光学系は、一次折り曲げミラーと、二次折り曲げミラーが略W字型に配置され、
一次折り曲げミラーへの入射側に向けて、二次折り曲げミラーが光束を反射し、上記撮像装置で撮像するように構成され、
上記撮像装置は、上記二次折り曲げミラーより被写体側に設置されることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、請求項に記載の発明による距離画像入力装置は、
請求項1に記載の発明によるステレオアダプタと、
上記ステレオアダプタが取り付けられた撮像装置と、
上記撮像装置で撮影したステレオ画像より三次元再構成を含む処理を行い、三次元距離情報を提供する距離画像処理装置と、
を具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステレオアダプタ及び距離画像入力装置を適用したステレオアダプタ撮像システムの構成を示す図である。なお、このステレオアダプタ撮像システムは、車両に搭載された例として説明する。
【0019】
即ち、このステレオアダプタ撮像システムは、距離画像入力装置100と、制御装置104、物体認識装置105、警告装置106、運転装置107、表示装置108、車速センサ109、測距レーダ110、照度センサ111、外部カメラ112、GPS(全地球測位システム)113、VICS(渋滞情報取得装置)114、及び外部通信装置115から構成されるものである。
【0020】
ここで、上記距離画像入力装置100は、被写体400を撮影する撮像装置102とこの撮像装置102の先端に取り付けられるステレオアダプタ101とからなるステレオアダプタカメラ116と、被写体400の距離画像205を計測する距離画像処理装置103と、から構成される。
【0021】
撮像装置102は、一般のビデオカメラ、デジタルスティルカメラなどと同様に、撮像光学系102Aと、撮影絞り調整装置(図示せず)と、撮影フォーカス調整装置(図示せず)と、撮影シャッタ速度調整装置(図示せず)と、撮像素子102B(図3参照)と、感度調整装置(図示せず)とからなる。さらに、この撮像装置102には、ステレオアダプタ101が装着される。
【0022】
このステレオアダプタ101は、光路分割装置11を有する。この光路分割装置11は、撮像装置102の撮像光学系102Aの前に取り付けられ、異なる視点からの被写体400の像を撮像素子102Bに結像することができるようになっている。
【0023】
即ち、従来のステレオ撮影装置では、図2に示すように、複数の撮像装置102で同一の被写体400を異なる視点CL,CRで観察していた。このときは、独立したペアの単独被写体画像1が得られる。これに対して、ステレオアダプタ101では、この複数の光束2,3を、図3に示すように光路分割装置11のミラーで折り曲げることで、同一の撮像装置102に取り込むことができるようにしている。即ち、図3に示すように、離間して配置された被写体400からの光束2,3を受光する一次折り曲げミラー101Aにより反射された被写体像は、撮像光学系102A前に配置され、光束を撮像光学系102Aに導くよう偏向する二次折り曲げミラー101Bにより撮像光学系102Aに入射するように導かれる。これにより、撮像素子102Bに異なる2視点からの画像、即ちステレオ画像201を結像することができる。
【0024】
このようにして撮像装置102で撮影された、即ち撮像素子102Bで捕らえたステレオ画像201は、図1に示すように、距離画像処理装置103に供給される。そして、この距離画像処理装置103により処理されて三次元距離画像205となり、制御装置104及び物体認識装置105に出力される。
【0025】
なお、「距離画像」という用語は、本明細書では、被写体画像のピクセルに距離情報を有する画像を意味している。
【0026】
また、ステレオアダプタ101には、光路分割装置11の前面に、負のパワーを持つワイドコンバージョンレンズ101Cをそれぞれ持ち、撮像光学系102Aの焦点距離を短くする効果を得る。
【0027】
即ち、図4の(A)に示すように、被写体側を向けて、撮像装置102を配置するように光束を折り曲げるのが一般的であるが、本実施の形態では、図4の(B)に示すように、二次折り曲げミラー101Bは、一次折り曲げミラー101Aへの被写体400からの光束の入射方向に光束を折り曲げるように配置されており、複数のワイドコンバージョンレンズ101Cの間に撮像装置102が配置されることになる。
【0028】
なお、参照番号12は露出制御装置であり、該露出制御装置12は、撮像装置102が備える上記撮影絞り調整装置、撮影フォーカス調整装置、撮影シャッタ速度調整装置、及び感度調整装置(何れも図示せず)に接続されている。また、この露出制御装置12は、制御装置104に接続されており、この制御装置104で、撮像素子102Bからの輝度情報により算出された露出値に応じて撮像装置102を制御する。
【0029】
また、距離画像処理装置103には、上述したように、撮像素子102Bで撮像されたステレオ画像201が入力される。このステレオ画像201は、フレームメモリ13に入力され、デジタル画像202となる。
【0030】
このフレームメモリ13の出力は、レクティフィケーション装置14に入力される。このレクティフィケーション装置14は、距離算出装置15に、左画像203及び右画像204を出力する。距離算出装置15は、距離画像出力16を通して物体認識装置105に、三次元距離画像205を出力する。また、制御装置に対しても、二次元画像(ステレオ画像201)、距離画像205なども出力する。
【0031】
なお、距離画像処理装置103には、キャリブレーション装置17が別途存在し、レクティフィケーション装置14に対してはレクティフィケーションパラメータを、距離算出装置15に対しては距離算出用パラメータを、物体認識装置105に対しては、物体認識用パラメータを出力する。
【0032】
物体認識装置105は、入力された三次元距離画像205を利用して、その中にある物体あるいは物体領域を認識し、その結果である物体データ206を出力する。
【0033】
なお、距離画像処理装置103内の各装置は、計算機上のソフトウェアで実現しても良い。
【0034】
制御装置104は、画像情報と車両情報を統括する役割を持っており、例えば、距離画像処理装置103で処理された結果を表示装置108に表示したり、距離画像処理装置103で得られた距離情報と車速センサ109等の情報とを分析して、警告装置106に警告を発生させたり、運転装置107を制御して運転者に安全運転を促すことができるようになっている。なお、警告装置106は、音声装置や振動装置などから成り、例えば、音声装置はスピーカ等からの音声、振動装置は運転席シートの振動により運転者に警告を発するものである。
【0035】
このように、このステレオアダプタ撮像システムによると、本発明に直接関係しないためその詳細説明は省略するが、本実施の形態に係るステレオアダプタ101及び距離画像入力装置100から得られた画像情報と各種センサ等から得られた車両情報とを統合することができ、表示装置108による画像情報の表示、警告装置106による警告、運転装置107の制御等により、運転者に安全走行を促すことができる。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
撮像装置102が撮影を開始すると、撮像素子102Bは画像を出力する。この画像の輝度情報を露出制御装置12は受け、撮像装置102の撮影シャッタ速度調整装置(図示せず)、撮影絞り調整装置(図示せず)、感度調整装置(図示せず)等を制御し、適切なビデオ画像が撮影されるように設定する。
【0037】
そして、異なる2視点に設置されたワイドコンバージョンレンズ101Cを通った光束は、一次折り曲げミラー101A及び二次折り曲げミラー101Bで反射され、撮像光学系102Aに入射する。
【0038】
この撮像光学系102Aにより、被写体400のステレオ画像201が撮像素子102Bに結像し撮影される。撮影されたステレオ画像201は、距離画像処理装置103に入力される。即ち、このステレオ画像201は、距離画像処理装置103のフレームメモリ13に入力され、所定の解像度を持ったデジタル画像202になる。
【0039】
距離画像処理装置103では、ステレオ画像201から距離画像を算出する。即ち、レクティフィケーション装置14では、左右画像203,204の領域を切り出し、キャリブレーション装置17の情報から、ステレオ画像201のエピポーララインが一致するように画像の歪曲収差除去や視点変換による変形処理を行う。このようにして生成した左画像203,右画像204に対して、ステレオマッチング処理を距離算出装置15で行い、左画像203,右画像204の画素毎の視差を算出する。キャリブレーション装置17からのパラメータを利用して、視差を距離に変換し、距離画像を生成する。
【0040】
上記では、ハードウェア的な構成を示したが、より詳細に、ソフトウェア的処理による距離画像算出について、図5を参照して以下に述べる。
【0041】
なお、距離画像処理装置103の内部での処理を処理部と称する。即ち、フレームメモリ13はフレームメモリ103Aに相当し、レクティフィケーション装置14内での処理はレクティフィケーション処理部103Bに相当する。また、距離画像205は即ち三次元再構成をした結果として得るので、下記では距離算出装置15内での処理は三次元再構成部103Cでの三次元再構成と表記する。また、物体認識装置105内での処理は物体認識部103D、キャリブレーション装置内での処理はキャリブレーション部103Eに相当する。
【0042】
即ち、上記ステレオアダプタ101を介して撮像装置102が撮像した画像は、該処理装置103内のフレームメモリ103Aに一時的に格納される。この際、撮像装置102がアナログ信号を送出する場合には、フレームメモリ103A内でデジタル信号に変換される。撮像装置102がデジタル信号を送出する場合には、そのままデジタル信号として格納される。そして、格納されたデジタル信号の画像であるデジタル画像202は、レクティフィケーション処理部103Bに送出される。レクティフィケーション処理部103Bでは、供給されたデジタル画像202を、ステレオ対応が容易になるような画像変換を行うと共に、その結果を左画像203及び右画像204として、三次元再構成部103Cに送出する。三次元再構成部103Cでは、それら左画像203と右画像204の各画素に関する対応点探索を行い、その対応関係を用いて、視差画像あるいは三次元距離画像205を作成する。そして、物体認識部103Dは、その視差画像あるいは三次元距離画像205を利用して、その中にある物体あるいは物体領域を認識し、その結果である物体データ206を出力する。
【0043】
一方、キャリブレーション部103Eは、レクティフィケーション処理部103Bあるいは三次元再構成部103Cあるいは物体認識部103Dで必要となる上記撮像装置102の特性パラメータやステレオアダプタ101の特性パラメータなどを算出する。そして、レクティフィケーション処理部103Bへは、レクティフィケーションに必要となる撮像装置102の特性パラメータやステレオアダプタ101の特性パラメータ(レクティフィケーションパラメータ207)を受け渡し、三次元再構成部103Cへは、距離計測に必要となるステレオアダプタ101の特性パラメータ(三次元再構成用パラメータ208)などを受け渡す。一方、物体認識部103Dへは、視差画像や距離画像を規定するパラメータ(物体認識用パラメータ209)を受け渡す。
【0044】
(1) 数学的準備
以下、このような処理装置103を構成する各部の詳細を説明するものであるが、これらの各部を説明を開始する前に、ステレオアダプタ101を利用した場合の、三次元再構成に基本となる数学的な説明を行う。
【0045】
まず、ステレオアダプタ101を利用して撮像装置102で画像を撮影すると、その画像は、撮像装置102内の撮像素子102B(例えばCCDやCMOSなどの半導体素子)で画像として結像されると共に画像信号となる。この画像信号はアナログあるいはデジタル信号であるが、処理装置103内では、デジタル画像データとなる。デジタルデータは二次元配列として表現できるが、勿論、六方細密充填のようなハニカム構造の二次元配列でも良いことは当然である。また、インターレース方式の画像では、一つのフレームの中に偶数,奇数フィールド間のずれが発生する可能性があるが、このずれが処理に影響を与える場合には、垂直方向に画像を半分にしたり、偶数,奇数フィールドを別々に処理することによって、距離分解能を落とさずに、ずれの影響を解決することができる。さらに、時系列方向に画像の差分を算出し、動体検出等を行い、移動体の領域のみを処理したりすることによって高速化することも考えられる。ここでは簡単のために、処理装置103内のフレームメモリ103Aで規定される画像について、その画素は正方あるいは長方格子状に定義できると仮定する。
【0046】
いま、画像の座標系を(u,v)と定義する。このとき、ステレオアダプタ101と撮像装置102を規定するために、ワールド座標系を定義する。例えば、このワールド座標系は、車体や車両300が規定する基準座標系であると考えても良い(この基準座標系に関しては、詳しく後述する)。このワールド座標系をWとする。また、ワールド座標系で定義される点P(x,y,z)を、ステレオアダプタ101を介して撮影した際のフレームメモリ103A内の画像位置を(u,v)とするとき、実際には、図6の(A)に示すようにステレオアダプタ101で撮影される画像は、図6の(B)に示すように、あたかも2台の撮像装置(カメラ)で2台のフレームメモリが存在するかのごとく通常のステレオカメラに展開することができる。例えば、ステレオアダプタ101と撮像装置102とフレームメモリ103Aの光学的特性をピンホールカメラでモデル化することを考える。
【0047】
即ち、左画像203に関連するピンホールカメラモデルの座標系を左カメラ座標系Lとし、右画像204に関連するピンホールカメラモデルの座標系を右カメラ座標系Rとする。また、左カメラ座標系L内の点を(x,y,z)、その画像対応点を(u,v)、右カメラ座標系R内の点を(x,y,z)、その画像対応点を(u,v)とすると、u,v,u,vは、図6の(A)及び(B)におけるカメラ位置C,Cを考慮しながら、
【数1】
Figure 0004414661
(2) レクティフィケーション処理部103B
ワールド座標系で定義される点P(x,y,z)の左画像内での位置を(u,v)、右画像内での位置を(u,v)とし、左画像で想定される撮像装置102とフレームメモリ103Aに対応する左カメラLのワールド座標系における位置C(左カメラ座標系の原点)と、右画像で想定される撮像装置102とフレームメモリ103Aに対応する右カメラRのワールド座標系における位置C(右カメラ座標系の原点)を考えることができる。このとき、ワールド座標系Wの点P(x,y,z)から左(u,v)へ射影される変換式と、同一の点から右(u,v)へ射影される変換式は、以下のように書くことができる。
【0048】
【数2】
Figure 0004414661
【0049】
一方、撮像装置102の撮像光学系102Aの光学レンズなどのレンズディストーションが三次元計測の要求精度に対して無視できない場合には、レンズディストーションを含めた光学系を考える必要がある。この場合には、上記式(3)及び式(4)は、以下に示すような式(5)及び式(6)で表現することができる。これらの式では、レンズディストーションを表現するのにラディアルディストーション(Radial Distortion)とタンジェンシャルディストーション(Tangential Distortion)を表したものであるが、勿論これら以外のディストーション表現であっても良い。
【0050】
【数3】
Figure 0004414661
【0051】
【数4】
Figure 0004414661
【0052】
以降、説明を簡単にするために、式(1)で表されるピンホールカメラモデルを中心に説明する。
【0053】
上記のように、左カメラLと右カメラRに基づいてワールド座標系W内の点P(x,y,z)とその左画像と右画像への射影点(u,v)と(u,v)を考えるが、一般的なステレオカメラシステムと同様に、これらの対応する点同士が、必ずしも同一の縦方向の座標値vを有するとは限らない。即ち、v=vであるとは限らないわけである。この条件が成立しないと、後述する三次元再構成部103Cでのステレオマッチング(対応点探索)に膨大な計算量を有することになる。従って、例えば文献E. Trucco and A. Verri, Introductory Techniques for 3-D Computer Vision, Prentice Hall, 1998に述べられているように、レクティフィケーションの処理を行うのが一般的である。具体的には、図7に示されるように、ステレオアダプタ101で得られる1枚の画像中の左画像領域と右画像領域で、左画像領域にある各画素(u,v)の右画像領域における対応点が、同一の縦画像座標となるように、左画像領域と右画像領域の両方を座標変換する。例えばその方法は、以下のように書くことができる。
【0054】
【数5】
Figure 0004414661
【0055】
【数6】
Figure 0004414661
【0056】
【数7】
Figure 0004414661
【0057】
【数8】
Figure 0004414661
【0058】
【数9】
Figure 0004414661
【0059】
【数10】
Figure 0004414661
【0060】
このように、回転変換を考えることにより、レクティフィケーションを実現することができる。
【0061】
【数11】
Figure 0004414661
【0062】
[レクティフィケーション処理ステップ]
具体的なステップは、以下の通りである。
【0063】
【数12】
Figure 0004414661
【0064】
【数13】
Figure 0004414661
【0065】
ここではレクティフィケーション処理の一手法を説明したが、勿論この方法には各種の手法がある。その変形に関しては文献E. Trucco and A. Verri, Introductory Techniques for 3-D Computer Vision, Prentice Hall, 1998に示されているので、ここでは詳しく述べない。また本説明では、レンズのディストーションが小さいとしてレクティフィケーション処理を説明してきたが、式(5)や式(6)で示されるようなレンズディストーションがある場合には、それらを予め除去してレクティフィケーション処理をすることができることは明白である。例えば、レンズディストーション除去を含めた処理を考えると、具体的なステップは以下の通りである。
【0066】
[ディストーション除去を含むレクティフィケーションステップ]
【数14】
Figure 0004414661
【0067】
【数15】
Figure 0004414661
【0068】
以上、レクティフィケーション処理の数学的基本を説明してきたが、図5におけるレクティフィケーション処理部103Bでは、このような数学的手法に基づいて、ステレオアダプタ101と撮像装置102で撮影された画像を左右の画像である左画像203と右画像204を生成する機能を有する。
【0069】
(3) 三次元再構成部103C
三次元再構成部103Cでは、上記レクティフィケーション処理部103Bが生成した左画像203および右画像204を利用して、左画像203の各画素点に対応する右画像204の対応点を探索し、その対応点間の関係に基づいて、三次元距離画像205を生成する機能を有する。
【0070】
ここでは、その方法を説明する。先に説明したように、レクティフィケーション処理部103Bからの出力である画像では、左画像203の各ラインと右画像204の同一ラインを扱うとき、左画像203のそのライン上の画素に対応する点は、右画像204の同一ライン上になければならないという必要条件を与えるものである。この必要条件は、一般的に、エピポーラライン拘束条件と呼ばれる。この三次元再構成部103Cでは、この条件を利用しながら左画像203の各画素点に対応する右画像204内の画素点を探索することをまず行う。
【0071】
これらの手法に関しては、参考文献:松山他編、コンピュータビジョン:技術評論と将来展望、新技術コミュニケーションズ、1998, pp. 123-137に表されるように、いわゆるステレオマッチングの手法では、area-based matchingの手法とfeature-based matchingの両方の手法が考えられる。本三次元再構成部103Cでは、この何れを利用しても良い。ここでは、簡単のために、area-based matchingの手法を採用して三次元再構成を行う方法について解説する。
【0072】
【数16】
Figure 0004414661
【0073】
類似度(あるいは非類似度)の定義としては、1)局所領域(ウィンドウ)内の各画素間の差の絶対値の和(SAD)、2)局所領域内の各画素間の差の2乗和(SSD)、3)局所領域内の各画素間の正規化相関(NCC)などがあり、SADあるいはSSDの場合には、その値を最小とするもの、NCCの場合には正規化相関を最大とするものによって、最適な対応点とするわけである。
【0074】
【数17】
Figure 0004414661
【0075】
【数18】
Figure 0004414661
【0076】
というようにすることも可能である。このように信頼度を考慮する場合には、勿論、未対応点を有する画素が左画像203あるいは右画像204に存在することもあり得る。
【0077】
【数19】
Figure 0004414661
【0078】
【数20】
Figure 0004414661
【0079】
このようにして三次元再構成部103Cでは、左画像203の画素に対応する三次元座標値(x,y,z)を計算することができる。ここで、(x,y,z)は、レクティフィケーション処理で利用したレクティフィケーション座標系Rectを基準とした三次元座標値である。
【0080】
今までの説明では、左画像203の各画素を標準として対応点探索と三次元再構成を行ってきたが、勿論、右画像204を標準として対応点探索と三次元再構成を行うことも容易である。また、車両300の振動等により画像のぶれが生じる影響が大のときには、手ぶれ防止機能を付加して、画像のぶれ補正を行った後に、三次元再構成を行うことが考えられる。このために、振動を検知するジャイロセンサや加速度センサを付加する。この場合には、手ぶれ補正機能により、キャリブレーション時の光学中心情報が変動することが想定される。しかし、そのずれ量は、上記ジャイロセンサや加速度センサの手ぶれ補正情報から算出できる量であるので、そのずれ量分をレクティフィケーション処理部103Bで補正をかけることが可能である。または、ステレオアダプタ101装着時の画像フレームの変動量等を検知することにより、ジャイロセンサ、加速度センサ等の補正量に相当する情報を取得することも可能である。
【0081】
図10の(A)及び(B)は、このようにして算出された距離画像を示したものである。即ち、図10の(A)は撮影された画像であり、図10の(B)はその画像から距離を算出した結果を示す図であって、輝度が高いほど距離が近いことを示す。
【0082】
このようにして、三次元再構成部103Cは、三次元座標値(x,y,z)から構成される三次元距離画像205を生成する。この三次元距離画像205は、次に物体認識部103Dに送出される。また、物体認識部103Dが、視差画像を直接利用する場合には、三次元距離画像205の代わりに視差画像を送出しても良い。
【0083】
(4) 物体認識部103D
三次元距離画像205が、三次元再構成部103Cで生成された後、物体認識部103Dは、その三次元距離画像205内に含まれる各種物体を検出あるいは認識する。図11は、前方車載カメラに対する物体認識部103Dの構成例を表したものである。
【0084】
この物体認識部103Dは、例えば車が道路上を走行している場合に、車前方にある道路領域210と非道路領域211を抽出する道路抽出部103D1、道路領域210内から道路面にある二次元物体を抽出する道路面内物体抽出部103D2、及び、三次元距離画像205内から抽出された道路領域210と非道路領域211とを利用して、道路面にない障害物物体を認識する障害物認識部103D3から構成され、そして、道路面内物体抽出部103D2から物体データ206Aを出力し、障害物認識部103D3から物体データ206Bを出力するものである。
【0085】
いま、三次元再構成部103Cが出力した三次元点の集合をAallとする。このとき、道路抽出部103D1では、まず車前方にある領域の一部を抽出し、その中から滑らかな平面あるいは曲面を抽出する。この方法としては、例えば三次元距離画像205の各三次元座標値p=(x,y,z)について、その近傍の値を求めて法線ベクトルnを推定する。そして、その法線ベクトルnのヒストグラムを作成し、そのヒストグラム中のピークとなる主法線ベクトルnを求める。このようにして求めた主法線ベクトルnが道路面の主法線ベクトルであると仮定する。このように主法線ベクトルnが求まったところで、nを法線とするような三次元座標点p=(x,y,z)を三次元距離画像205を構成する全データの集合Aallから選択する。即ち、各三次元座標p=(x,y,z)に対して、
=d …(27)
で平面を近似し、その中の未知パラメータdを異常値を除去しながら推定する方法を採用する。このようにしてnとdを推定した後、各点p=(x,y,z)がこの道路を記述する平面内にあるかどうかを判定することになる。その判定方法としては、フィッティング誤差であるεが
ε=|n−d|<threshold …(28)
なる閾値thresholdの範囲にあるものは、道路面内にあると判定する。このようにして得られた三次元点の集合をAroadとする。またAroadの集合にノイズ成分が含まれている場合には、適切なノイズフィルタを適用してノイズ除去した道路面内の点の集合をAroadと再定義する。
【0086】
道路面内物体抽出部103D2では、道路面内の点集合Aroadの中から、道路の特徴として重要となるランドマークなどを抽出する。これらランドマークとしては、白線などのレーン情報、レーン内にある各種文字コードなどである。これらを認識するために、まず道路面内物体抽出部103D2では、点集合Aroadに対応するレクティフィケーションが施された左画像203あるいは右画像204からレーンや文字コードに対応する画像特徴を抽出する。この方法については、例えば塙他、自動車用ステレオ画像認識装置の実用化、第3回動画像処理実利用化ワークショップ, 2002, pp.106-110、または、大塚他、エッジ方向成分を用いたレーンマーク認識、第3回動画像処理実利用化ワークショップ, 2002, pp.96-101などに紹介されているので、その方法の詳細についてはここでは詳しく述べない。ただし、本方式では、最初に道路面が三次元構造として抽出されているので、道路面以外にあるレーンに似た画像特徴や文字コードなどを誤って抽出する確率が少なくなっていることが特徴である。そして、このように画像から抽出された道路特徴(白線や文字コードなど)は、その特徴とともに三次元データとして表現できるというメリットがあるわけである。このことについては後述する。
【0087】
次にAroadの補集合として、非道路領域の点の集合を
【数21】
Figure 0004414661
として定義する。この非道路領域Anon−roadに対して処理を施して、障害物などの物体認識をするのが障害物認識部103D3である。障害物認識部103D3では、非道路領域211以外の障害物を三次元点群データにより解析する。具体的には、Anon−road内の三次元データをクラスタ分析することにより解析することになる。この方法には、以下のような方法がある。
【0088】
まず、非道路領域211内の点集合Anon−roadを細かく分割して、小領域の部分集合群{B
【数22】
Figure 0004414661
を構成する。これは、例えば画像処理で良く用いられるblobの形で構成されるわけである。例えば、図12の(A)に示されるように、画像処理で良く用いられるblob群で構成される。図12の(A)において、距離に基づいて抽出された領域であるBが、領域blob群212として表現され、同一の濃淡レベルは距離を表すとすると、本来は同一物体内の領域が、図に示す通り、分割される可能性があるわけである。
【0089】
そこで、この部分集合Bの属性情報を算出する。この属性情報としては、例えば、位置、色、グレー階調などである。これらの属性パラメータをベクトルの形qで表現する(ここでiは領域に関するインデックスであり、qはm次元ベクトルである。)そしてこの属性に関しては、その平均値と分布の広がりを表す共分散行列も付与することにする。例えば、Bの属性の中の位置に関する平均値は重心となり、その共分散行列は位置に関する2次モーメント(moment of inertia)となるわけである。このとき、これら小領域Bと小領域Bが統合できるかを、
【数23】
Figure 0004414661
このようにして、いったん小領域に分割した後、領域の統合処理や膨張処理を行うことで、道路面内に無い物体を領域として分離しかつ分類することができるわけである。こうして得られた領域は、その領域の属性が物体データとして送出される。図12の(A)で統合された領域を、図12の(B)に示す。この図12の(B)において、参照番号213は、統合された領域blob群で物体を構成した場合を示している。
【0090】
(5) キャリブレーション部103E
キャリブレーション部103Eは、レクティフィケーション処理部103B、三次元再構成部103C、物体認識部103Dで必要となる各種パラメータを主にオフラインで推定する処理部である。即ち、ステレオアダプタ101を車両300などに最初に設置したり、その設置位置を変更した際にのみ行う処理を担当する。
【0091】
【数24】
Figure 0004414661
【0092】
一方、三次元再構成部103Cで使用される式(24),式(25),式(26)で使用される各種固定パラメータも、本キャリブレーション部103Eで算出される。
【0093】
また、物体認識部103Dで使用されるパラメータとしては、車体とステレオアダプタ101との位置関係に関するパラメータがある。即ち、物体認識部103Dで、撮像装置座標系に基づいて計測あるいは認識された物体や障害物の位置は、以下に述べる位置関係に関するキャリブレーション結果に基づいて、車両300からの距離や相対的な位置として算出することができるようになる。つまり、レクティフィケーション処理部103Bで説明したワールド座標系と車両300が規定する座標系を同一なものにするように、撮像装置102と車両300間の位置関係を規定するものである。こうしたパラメータの算出は、以下のような方法を採用すれば良い。即ち、ステレオアダプタ101を介して撮像装置102で撮影された画像を処理するわけである。つまり、車体あるいは車体外にある車体に対して相対的な場所が既知な特徴点を撮像装置102で撮影することにより、撮像装置102と車体との相対的な位置関係を推定するものである。
【0094】
ステレオアダプタ101などのステレオ撮影装置を利用して、車体(車両300)に相対する障害物や物体を認識および位置姿勢推定を正確に行うためには、ステレオ撮影装置の車体(車両300)に対する相対的な位置姿勢を正確に行う必要がある。
【0095】
これを行う方法としては、車両300と撮像装置102の取り付け設計値に基づく方法が最も容易であることは明白である。即ち、車両300の基準座標系と撮像装置102が規定する座標系間の座標変換パラメータが設計値で与えられれば良い。この理想的な場合に、例えば、車両300の最前方のバンパ中央を車両300の基準座標系として、この座標系をM(x,y,z)で表し、撮像装置102の座標系(ステレオ撮影装置の場合には、レクティフィケーションで基準となる座標系)をS(x,y,z)で表すとすれば、撮像装置座標系Sから車両基準座標系Mへの座標変換を式:
【数25】
Figure 0004414661
で表すことが可能となる。ここで()は3×3の回転行列と三次元並進ベクトルを表す。このような座標変換が求まれば、撮像装置102の座標系Sで計測されたデータは、車両300が基準とする座標系Mでの表現が可能となるので、例えば、撮像装置102を基準として計測した障害物までの距離情報に関しても、同様に車両300が基準とする座標系の原点から障害物までの距離として表現することができるわけである。即ち、障害物が撮像装置102の座標系で(x,y,z)と表されれば、式(32)を利用することで車両座標系での位置(x,y,z)にすることが可能となり、例えば車両座標系Mの原点から障害物までの距離は、
【数26】
Figure 0004414661
と表現できるわけで、これらを利用すれば、処理装置103内で先に説明されたような各種の距離表現や警告に利用することができるわけである。
【0096】
しかしながら、撮像装置102を車両300に正確に取り付ける設計値が得られている場合には、上記のような方法を採用することができるが、車両300に任意に取り付ける場合や、設計値が必ずしも正確ではない場合には、正確なキャリブレーション処理を施す必要がある。このように、撮像装置102の取り付けの設計値が正確に与えられない場合のキャリブレーション処理について、これから説明する。
【0097】
具体的には、これらを求める方法としては、図13の(A)に参照番号214,215,216で示すように、(1)車両300に関するCADモデルを利用する方法、(2)特別なキャリブレーション治具を車両300に簡易的に取り付ける方法、(3)車両300を正確な位置に駐車して路上に配置されたキャリブレーションマーカを利用する方法が考えられる。
【0098】
例えば、車両300のCADモデルを利用する場合について、図13の(A)を参照して解説する。
【0099】
図13の(A)において、特徴抽出部103E1において、ステレオアダプタカメラ116で撮影された後レクティフィケーション処理を行ったステレオ画像217を画像処理して、キャリブレーションに必要な特徴データを抽出および算出する。その後、位置姿勢推定部103E2により、この特徴抽出部103E1が出力する特徴データ218と車両CADモデル214とを用いて、撮像装置102と車両300間の相対的位置姿勢を推定する。そして、この位置姿勢推定部103E2は、その推定した撮像装置102と車両300間の相対的位置姿勢情報を、式(32)で表現されるような座標変換パラメータ219として算出することになる。
【0100】
本形態では、車両CADモデル214を利用する方法を説明するが、ここでは簡単のために、撮像装置102は車両300の前方を観察するカメラであるとして、これからその方法を説明する。これは、図13の(B)にあるように、車両ボンネットなど前部にある特徴点あるいはマーク点などを画像処理方法によって抽出および認識するわけである。この特徴点としては、曲面構成で曲率が急に変化する点、ヘッドランプ上部のエッジ部、あるいは曲線や直線成分であっても良い。これらは、車両CADモデル214から車両座標系で規定された正確な位置座標が予めわかっているわけである。いま、これらn個の特徴点の車両座標系Mでの座標値を
【数27】
Figure 0004414661
また、直線や曲線などの場合には、例えば文献A. Kosaka and A. C. Kak, Stereo vision for industrial applications, Handbook of Industrial Robotics, Second Edition, edited by S. Nof, Chapter 14, John Wiley, 1999のような方法で画像内からそれらを抽出して、線分あるいは曲線分として表現できる形で抽出する。こうして、左画像203あるいは右画像204から得られた特徴点は、その画像内位置座標が特徴データ218として表現されることになる。
【0101】
【数28】
Figure 0004414661
【0102】
例えば文献:A. Kosaka and A. C. Kak, Stereo vision for industrial applications, Handbook of Industrial Robotics, Second Edition, edited by S. Nof, Chapter 14, John Wiley, 1999、あるいは文献:R. Haralick and L. Shapiro. "Computer and Robot Vision ", Addison Wesley, Vol 2, 1992の方法で、撮像装置102の座標系Sと車両座標系Mの間の座標変換パラメータ()を求めることができる。この作業は、位置姿勢推定部103E2が担当する。その方法に関しては、上記の文献に詳しく説明されているので、ここでは詳細には述べない。
【0103】
一方、ステレオ画像217を撮影する撮像装置102の左画像203あるいは右画像204に車両300の前方が撮影できないような場合には、車両300にキャリブレーション治具を取り付けることで、同様に撮像装置102と車両300間の座標変換パラメータ()を算出することができる。即ち、図14に示すように、例えば車両300の前方にキャリブレーション治具117を装着し、そのキャリブレーション治具117を、撮像装置102で撮影することで座標変換パラメータ()を算出するわけである。この際、キャリブレーション治具117には、キャリブレーション用のマーカ118が設置されており、その座標値は車両座標系Mで既知となるように設計されている。
【0104】
【数29】
Figure 0004414661
【0105】
【数30】
Figure 0004414661
【0106】
以上、説明してきたように、キャリブレーション部103Eは、撮像装置102に関わるキャリブレーションや、レクティフィケーションで必要となるパラメータの算出や、撮像装置102の座標系と車両300が規定する座標系間のキャリブレーションなどを行う。
【0107】
以上のように、ソフトウェア処理によりキャリブレーションを行い、三次元再構成、即ち距離画像205を取得し、物体認識等の処理を行う。
【0108】
従って、この実施の形態には、本発明の効果のほかに、次のような特有の効果がある。
【0109】
ステレオアダプタ101は、単体の撮像素子102Bに像を結像するため、複数の撮像装置102を用いる場合に比べて同期を取る必要がなく、電気的な構成を簡略化できる。特に車載用途を考慮した場合には、撮像装置102の個数を減らすことができるため、消費電力を削減できると共に、撮像装置102の個数分の小型、軽量化を可能とすることができる。また、露出調整、ホワイトバランス、CCDやCMOS素子ごとの特性の違いなどを考慮する必要なく、ステレオ画像201を得ることができる。
【0110】
また、次の効果も存在する。ワイドコンバージョンレンズ101Cは、広い画角を撮影する必要があり、一般に大口径となり、重量が重くなり、システム全体に占める体積も大きい。このワイドコンバージョンレンズ101C間に撮像装置102を配置することで、直線上に重量のある部材が配置されるため、この軸上付近に取り付け部を設けることで、重心を考慮した配置が可能になると共に、撮像装置102が突出することなく、小型の距離画像入力装置100を実現することができる。
【0111】
なお、この実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0112】
例えば、図18の(A)及び(B)に示すように、上記ワイドコンバージョンレンズ101Cと一次折り曲げミラー101Aならびに二次折り曲げミラー101Bの代わりに、凹屈折面101D1、凸反射面101D2、凹反射面101D3、平面101D4からなるパワープリズム101Dを用いても良い。この場合は、ミラーの代わりに一体となった光学プリズムを用いるため、面間の関係が常に一定保たれ、衝撃等が加わった場合にも、面ごとの角度、間隔の変動が無く、距離画像205の算出で重要になる撮像装置102やステレオアダプタ101のパラメータの変動を抑制することができる。勿論、同様の効果を得られる面構成であれば、凹凸、曲率などは異なっていても構わない。
【0113】
パワープリズム101Dは、一体のプリズム・撮影装置保持具101Eに取り付けられている。撮像装置102もプリズム・撮影装置保持具101Eに取り付けられる。
【0114】
勿論、パワープリズム101Dではなく、単体のレンズとプリズムの組み合わせにより、同等の光学系を構成しても光学的には同等の効果が得られることはいうまでもない。
【0115】
また、図1や図4、図18の(A)及び(B)などに示すように、露出制御装置12などはステレオアダプタ101の二次折り曲げミラー101Bの背面に配置することで、より省スペースなステレオアダプタとすることもできる。
【0116】
更に、制御装置104、測距レーダ110、照度センサ111、外部カメラ112、GPS113、VICS114、外部通信装置115、表示装置108、警告装置106、ハンドル,シフト,アクセルなどを含む運転装置107、物体認識装置105などを連携させることで、より高度な撮像と、状況に応じたロバストな距離画像計測を実現することができる。
【0117】
一例としては、露出制御装置12は、制御装置104に接続され、制御装置104で算出される照度センサ111、GPS113、時刻等のデータから算出される露出指示値の入力を受け、これらと撮像素子102Bからの輝度情報により、露出条件を設定するように構成されていても良い。
【0118】
[第2の実施の形態]
次に、本発明のステレオアダプタ101と距離画像入力装置100の第2の実施の形態を説明する。
【0119】
本実施の形態は、光路延長光学系を用いたものである。
【0120】
第1の実施の形態と同様に、距離画像入力装置100は、被写体400を撮影する撮像装置102と、撮像装置102の先端に付けられるステレオアダプタ101と、被写体400の距離画像205を計測する距離画像処理装置103とからなる。
【0121】
また、撮像装置102も第1の実施の形態と同様の構成からなる。
【0122】
撮像装置102には、ステレオアダプタ101が装着される。ステレオアダプタ101は、光路分割装置11を有する。光路分割装置11は、撮像装置102の撮像光学系102Aの前に取り付けられる。光路分割装置11は、図19に示すように、離間して配置された一次折り曲げミラー101Aと、負パワーレンズ群101F、正パワーレンズ群101G、二次折り曲げミラー101Bからなる。
【0123】
その他の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0124】
次に、本実施の形態の作用を述べる。
【0125】
ワイドコンバージョンレンズ101Cを通り、図19に示すような光路分割装置11の離間して配置された光束2,3を受光する一次折り曲げミラー101Aにより反射された被写体像は、負パワーレンズ群101Fにより平行光束に近い形になり、次に配置された正パワーレンズ群101Gで復元された後に、撮像光学系102A前に配置され、光束を撮像光学系102Aに導くよう偏向する二次折り曲げミラー101Bにより撮像光学系102Aに入射するように導かれる。
【0126】
これにより、撮像素子102Bに異なる2視点からの画像、即ちステレオ画像201を結像することができる。
【0127】
光路延長光学系の作用により、基線長を従来のステレオアダプタに比べて延長することが可能となる。
【0128】
また、撮像装置102の取り付け位置をワイドコンバージョンレンズ101Cの間にすることで、重量バランスに優れ、小型化したステレオアダプタ101を構成することが可能となる。
【0129】
車載用に積載することを考慮すると、特に室内の場合にはフロントウインド、サイドウインド、リアウインドの視野を妨げることなく設置することが必要となり、装置の基線長をミラー構成だけのステレオアダプタ101で行う場合に比べてより小さな投影面積になるように装置を構成することが必要となる。
【0130】
このとき、本実施の形態の構成をとることにより、一次光学系で広角に入射した光束を一次折り曲げミラーで折り曲げた後、光路延長光学系によりほぼ平行の光線として延伸することで基線長部分を伸ばし、二次折り曲げミラーに導き、撮像光学系102Aで撮影することで、広角化や基線長を長くすることで大きくなるミラーサイズを抑制し、装置の投影面積を減少することができる。
【0131】
また、基線長が伸びた部分には、図19に示すように距離画像処理装置103や露出制御装置12を配置することも可能であり、トータルのスペースの減少に貢献できる。なお、図では露出制御装置12を2つに分割しているが、一方だけで露出制御装置12を配置できるのであれば、他方には他の装置を配置することも可能なことは勿論である。
【0132】
なお、本第2の実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0133】
例えば、凹,凸レンズ群(パワーレンズ群101F,101G)による光路延長光学系の代わりに、図20に示すように、一次結像光学系101H、両端で相似の画像を伝送することができるイメージガイド101Iを有する光学系とし、一次結像光学系101Hの結像を、イメージガイド101Iの入射面に、イメージガイド101Iの出射面を撮像光学系102Aで撮影するように構成しても良い。これにより、基線長をレンズの構成によらず自在に設置することが可能になると共に、位置関係を精密に規定すべき一次結像光学系連接部材101Jによって、複数の一次結像光学系101Hの位置と、一次結像光学系101Hとイメージガイド101Iの入射面との位置を規定し、また、二次結像光学系連接部材101Kにより、イメージガイド101Iの出射面と撮像光学系102Aならびに撮像装置102の位置とを規定すれば良く、光路延長光学系の位置ずれや、ミラーの角度の変動などを考慮する必要がなくなるため、耐衝撃性、耐環境性に優れたステレオアダプタ101を提供することができる。
【0134】
また、レンズ系を用いずに、第一折り曲げミラー101Aを凸面に、第2折り曲げミラー101Bを凹面で構成することによっても上記光路延長光学系を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0135】
また、光路延長光学系として結像をリレーするリレー光学系を用いても良い。
【0136】
距離画像の算出については、上記第1の実施例と同様である。
【0137】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0138】
この実施の形態は、シリンドリカルレンズを用いたものである。
【0139】
上記第1及び第2の実施の形態と同様の部分に関しては割愛する。
【0140】
ステレオアダプタ101については、第1、第2の実施の形態に準拠する。本実施の形態に係るステレオアダプタ101は、図21の(A)に示すように、ステレオアダプタ101の出射位置、即ち撮像装置102の撮像光学系102Aの前面に、撮像素子102Bの垂直走査方向に合わせた方向に曲率を持ち、正のパワーを持つシリンドリカルレンズ101Lを有している。
【0141】
また、本実施の形態に係る距離画像入力装置100では、距離画像処理装置103が上記第1の実施の形態で説明した構成に加え、インターレース補間処理装置18を有している。
【0142】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図21の(B)に示すように、通常のステレオアダプタ101による結像は、上下方向にけられが生じているが、被写体像の縦横比は変化しない。一方、本実施の形態の被写体像は、図21の(C)に示すように、縦方向に拡大された画像となる。
【0143】
このステレオ(ビデオ)画像201は、フレームメモリ13に入力され、インターレース補間処理装置18に入力、処理された後、レクティフィケーション装置14による左右画像203,204の切り出しとレクティフィケーション処理を実施されて、左右画像203,204のマッチングが距離算出装置15で行われる。
【0144】
インターレース補間処理装置18は、インターレースボケを補間処理して取り除く。
【0145】
インターレースボケは、インターレーススキャン方式の撮像素子を用いた撮像装置102を用いた場合、フィールド間の時差により、動きのある被写体がずれて撮影されて、すだれ状にボケてしまうことを指す。
【0146】
これを防ぐために、フィールドごとの画像とすると、垂直走査方向の解像度が1/2になってしまう。
【0147】
本実施の形態では、シリンドリカルレンズ101Lにより、光学的に縦方向に2倍以上に拡大して撮像することで、同一画角に対して2倍以上の走査線数で撮影することを可能とし、走査線間引き処理などでインターレースボケを除去しても、シリンドリカルレンズ101Lを用いない元のフレーム画像と同等の解像度を持ったステレオ画像201を撮影することを可能とする。
【0148】
この処理により、ステレオ画像201のマッチングに用いる情報量を減らすことなくインターレースボケが有ったとしても良好な距離画像205を算出することが可能となる。
【0149】
なお、この実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0150】
例えば、図22の(A)に斜視図を、(B)に2面図を示すように、ステレオアダプタ101の先端に、負のパワーを上記シリンドリカルレンズ101Lと同じ方向に持つ視野拡大用シリンドリカルレンズ101Mを設けても良い。この場合、この視野拡大用シリンドリカルレンズ101Mにより、縦方向が圧縮されて光路が伝送されるため、ステレオアダプタ101の厚さを薄くすることが可能となる。シリンドリカルレンズ101Lと視野拡大用シリンドリカルレンズ101Mのパワーは前者のほうが大きい場合はインターレースボケの解消に、後者が大きい場合は視野拡大に効果的である。
【0151】
勿論、ワイドコンバージョンレンズ101Cを用いても、縦画角に関しては同様の効果を得ることができる。
【0152】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0153】
第1乃至第3の実施の形態と共通の部分は割愛する。
【0154】
図23の(A)に示すように、画面を上下に2分割し、片側には、光路延長手段101Nを介して、ワイドコンバージョンレンズ101Cを有し、他方の側には、一次折り曲げミラー101Aと二次折り曲げミラー101Bからなる光路分割装置11を有する。なお、光路分割装置11と光路延長手段101Nとの間には、遮光板101Oを設けても良い。
【0155】
光路延長手段101Nは、2枚のミラー(一次偏向ミラー101N1,二次偏向ミラー101N2)からなり、ワイドコンバージョンレンズ101Cを光路分割装置11の視野を妨げない位置に配置すると共に、視野の反転を防ぐ。
【0156】
また、一次偏向ミラー101N1の角度により、ワイドコンバージョンレンズ101Cの光軸101C1が上下分割された視野の画角の中央になるように傾けて配置されると共に、光軸方向を光路分割装置11による分割された視野の画角のほぼ中央の光線4に平行になるように配置する。
【0157】
光路分割装置他の光学系は、上記第1乃至第3の実施の形態と同様に構成される。
【0158】
次に、本第4の実施の形態の作用を説明する。
ワイドコンバージョンレンズ101Cを透過した被写体400からの光束5は、一次偏向ミラー101N1で反射され、二次偏向ミラー101N2に入射する。二次偏向ミラー101N2は、上下に分割された撮像光学系102Aの画角の半分の領域に被写体400からの光束5を入射し、図23の(B)に示すように、画像の略半分の領域(上側領域)に、広角の二次元画像を結像する。
【0159】
また、光路分割装置11からの光束2,3は、ワイドコンバージョンレンズ101Cの光束とは異なる画像の略半分の領域(下側領域)にステレオ画像201を結像する。
【0160】
以上の構成により、広い視野範囲を持つ二次元画像と、距離画像を算出することのできるステレオ画像201とが、同期して1枚の撮像素子102B上に結像し撮影される。
【0161】
なお、本実施の形態の各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。
【0162】
例えば、ワイドコンバージョンレンズ101Cの光軸が、上下方向に分割した撮像光学系102Aの光軸102A1の延長線上に略一致するように設置されると共に、光束の通らない略下方半分を切り欠いた形状とすることで、光軸ずれによる(特に非点収差や歪曲収差)の悪化を抑制し、レクティフィケーション処理の処理量の低減を図っても良い。
【0163】
このような変形例においては、ワイドコンバージョンレンズ101Cの質量とサイズを小さくすることも可能であり、より小型軽量な距離画像入力装置100を得ることができる。
【0164】
また、これら光路分割装置11、光路延長手段101N、撮像装置102を内蔵する筐体内に、距離画像処理装置103や露出制御装置12も内蔵しても良く、また、図24に示すように、外付けであってもかまわない。
【0165】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0166】
以上の第1乃至第4の各実施の形態のステレオアダプタ101及び距離画像入力装置100は、撮像装置102の個数が少なく、また、広角の画像を長い基線長150mmから500mm程度にしてもコンパクトに実現可能である。この基線長長さは撮像装置102が対角画角50度から60度程度で、640×480画素のVGAサイズ相当の場合に、数メートルから数十メートルの被写体400の距離画像205を入力するのに好適な基線長である。これは、車載用途に用いることを可能とし、例えば、図23や図24に示すように、車両の天井301にフロントガラス302を通して撮像するようルームミラー303が装着される位置に、各実施の形態に記載したような距離画像入力装置100を装着し、ルームミラー303自体は距離画像入力装置100に対してピボット304等で位置変更可能に取り付けることもできる。
【0167】
また、撮像装置102の個数が少なくて済み、消費電力を小さく抑え、また電気回路規模を小さくできるため省電力化が可能であると共に、図2の(A)に示したような複数の撮像装置102の撮像素子102B間での特に同期の問題を考慮する必要なくステレオ画像201が得られる。また、複数の撮像装置102で入力した画像を伝送する過程で異なるノイズがのり易いという問題についても単一カメラで視差画像撮像が実施できるため解決可能である。また、対ノイズシールドケーブルなどを半数に減らせることから、車内の限られたハーネス取りまわし領域を節約し、伝送系の軽量化にも効果があることは特に車載用とに於いて好適である。
【0168】
また、左右に分割するステレオアダプタ101について説明してきたが、図25の(A)に示すように、ミラー101A,101Bを傾けて配置し、左右方向だけでなく、上下方向にも互い違いに光束を折り曲げるように構成することで、左右視差でありながら上下に画面を分割する光学系を用いて、各実施の形態に記載のステレオアダプタ101を実現しても良い。
【0169】
この場合に撮影されるステレオ画像201は、図25の(B)に示す形になる。
【0170】
また、図4のワイドコンバージョンレンズ101Cを防塵保護フィルタに変更する、あるいはワイドコンバージョンレンズ101Cの前面に防塵保護フィルタを配設するなどして、ステレオアダプタ自体を防塵防滴性を持たせても良い。このようにすることで、車外への設置や、クリーニングの簡便性を向上することができ、より信頼性の高い距離画像205の入力を実現することが可能となる。
【0171】
なお、以上の第1乃至第4の実施の形態に於いて、図4の(B)のようにW字型のミラー配置をした場合には、図3または図4の(A)に示したアダプタと比べ、左右視野が入れ替わった形のステレオ画像201が得られるため、視野反転装置(図示しない)を距離画像処理装置103に設け、左画像203と右画像204とを入れ替える処理を実施しても良い。勿論、視野反転装置を設ける代わりに、距離算出装置15内のアルゴリズムの変更により、視差計算の手法を変更して対処するようにしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0172】
また、上記レンズ、ミラー、フィルタの表面は、超親水処理コートを施しても良く、また、ステレオアダプタ101ならびに撮像光学系102Aを気密処理し、乾燥窒素などを封入しても良い。
【0173】
さらに、ステレオアダプタ101の各光学素子にヒータを設けたり、車載の曇り止めデフロスタの気流を導くダクトや、独自に温風ヒータを一体化させるなどして、結露を防止したりしても良い。
【0174】
これにより、防露、防曇、水滴による結像性能の劣化を防ぐよう構成しても良い。
【0175】
また、冷却用のファンを設けたり、ステレオアダプタ101の筐体自体をヒートシンクとして用い、熱歪みや電子回路の誤動作を防ぐように構成しても良い。
【0176】
また、ステレオアダプタ101の光路に相当する部分は反射防止塗装を施すが、それ以外の部分は耐環境性を考慮して、赤外を反射するような塗装にしても良く、また、車種により問題となるフロントガラスなどへの映り込みを防ぐために、黒色塗装を施すようにしても良い。
【0177】
なお、以上の第1乃至第4の実施の形態に於いて、さらに撮像装置102は近赤外画像への切替え装置を持ち、車載の照度センサ111の輝度情報やGPS113の時刻情報、場所情報を参照して、切り替えるようにしても良い。さらには、上記夜間撮影の切り替えについては、ヘッドライトスイッチの切り替えに連動させるようにするなどの処置をしても良い。
【0178】
更に、撮像装置102の撮像素子102BにCCDを用いると夜間の対向車ヘッドライトや、街路灯、前方車両のストップランプなどの高輝度の光源の影響でスミアが発生する。これを防ぐために、CMOSなどの撮像素子102Bを採用しても良く、また、CCDにおいても高輝度光源の認識を行い、スミアの影響領域をセグメントし、距離画像205出力のエラーを防ぐように、視差算出のためのマッチング探索領域に含めないようにするよう処理を行っても良い。
【0179】
これらにより、夜間での距離画像入力をより良好に実施することが可能となる。
【0180】
また、撮像装置102の露出調整に於いて、図3に示すようにステレオアダプタ101による撮像画像(ステレオ画像201)に塗りつぶしで表現しているケラレ領域が存在する場合には、その領域の画面に占める割合、その領域の露出判定への寄与度を元に標準の撮影装置の露光調整より暗く写るように露出補正をしてステレオ画像201を撮影しても良い。これは、画面通常中央部の輝度から露出を算定するカメラに対し特に有効であり、さらには、露出の計測領域を任意に変更できる場合には、ケラレ領域以外の領域を測光することで露出決定するように撮影装置の露光調整を実施してもかまわない。
【0181】
さらに、晴天時や、明るい曇天などに於いては、画面上方、即ち、一般に空の領域になるようなる領域に関して、その領域の感度を落としたり、高ダイナミックレンジ(スーパーラチチュード)のアルゴリズムを調整したり、その部分に対して、透過率が下がるフィルタ(NDフィルタ等)を挿入しても良く、また、ステレオ画像201の下方側を重点的に露光調整に用いるようにしても良い。
【0182】
このようにすることで、空の明るさの影響を受けずに、距離画像205を重点的に出力したい領域の撮影を良好に行うようにしても良い。
【0183】
また、走行車線の選択に応じて、得られたレーン情報や、GPS113の情報などを元に、対向車線を認識し、その領域に対して、上記空の領域に対するのと同様の処理を行うことで、夜間の対向車ヘッドライトなどの影響を減じるように構成してももちろん構わない。
【0184】
また、ステレオアダプタ101を車載し、フロントガラスから撮影する際に、遮光部材を用いて、撮影する光束を妨げない形でステレオアダプタ前方の開口部とフロントガラス間を遮光し、外光により照らされたダッシュボードの写りこみや、室内光の写りこみなどを防いでも良い。また、その領域だけ、反射防止膜を十分に実施することはもちろん良い。
【0185】
さらに、フロントガラス前方には通常ワイパの有効領域ではない領域、例えば、フロントガラスの上方左右隅や、センタのルームミラー設置位置などにステレオアダプタ101を設置する場合には、別途ステレオアダプタ用にワイパを設け、ガラス面の水滴や汚れを定期的に除去するようにしても良い。その際、ワイパによる拭き取り時の画像は、距離画像算出には用いないようにしても良い。
【0186】
(付記)
前記の具体的実施の形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0187】
(1) ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取り付けるステレオアダプタであり、
同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系と、
受光する光束を縮小する複数の縮小光学系と、
を具備し、
上記撮像装置は、上記複数の縮小光学系の間に設置されることを特徴とするステレオアダプタ。
【0188】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3の実施の形態が対応する。ここで、上記撮影装置は、これらの実施の形態では撮像装置102が該当するが、ビデオカメラ、スチルカメラ、デジタルスチルカメラなども含む。また、縮小光学系とは、全体として負のパワーを持つレンズ群で構成された光学系であり、実施の形態では、ワイドコンバージョンレンズ101Cに相当する。
【0189】
(作用)
複数の縮小光学系により、広角に捉えられた被写体の光を、複数の受光する部位で受光し、撮像光学系に導光光学系で導き、複数の縮小光学系の間に設置した撮像装置により撮影する。
【0190】
(効果)
導光光学系により、被写体の像が縮小光学系の間に設置した撮像装置に導かれ、撮影されるので、大口径で、重量、サイズが大きくなる縮小光学系の間に撮像装置を設置できるのでステレオアダプタと撮像装置を含めた距離画像入力装置を小さく構成することができると共に、装置のモーメントを小さくできるため、振動、加速度を受けたときにも剛性の高い構造にすることができる。
【0191】
(2) 上記導光光学系として、一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとを複数持ち、
上記一次折り曲げミラーの前面に負のパワーを持つ上記縮小光学系は、上記導光光学系による光軸分割方向に光軸を一致するよう設置されることを特徴とする(1)に記載のステレオアダプタ。
【0192】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3の実施の形態が対応する。
【0193】
(作用)
縮小光学系は、一次折り曲げ光学系と二次折り曲げ光学系により分割される光軸分割方向に合わせた方向に、光軸を合わせて設置される。
【0194】
(効果)
カメラの視野を分割して得られた視野の光軸分割方向に合わせて縮小光学系が設置されるので、角度偏心の影響を減らした光学系として設置することが可能になるため、諸収差を良好に補正することができる。
【0195】
(3) 上記縮小光学系は、パワープリズムの一部であり、上記導光光学系を兼ねた負パワーの屈折面、負パワーの反射面、正パワーの反射面、からなることを特徴とする(1)又は(2)に記載のステレオアダプタ。
【0196】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3の実施の形態が対応する。
【0197】
(作用)
パワープリズムで構成された屈折反射面により縮小光学系として作用する。
【0198】
(効果)
各面が組み合わせミラー、レンズと異なり、単一のプリズムで構成されるため、振動、温度変化に強く、カメラに対する光学系の変化が小さなステレオアダプタを提供できる。
【0199】
(4) 上記ステレオアダプタは、上記パワープリズムを保持する一体の構造体を持ち、ここに、上記撮像装置が固定されていることを特徴とする(3)に記載のステレオアダプタ。
【0200】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3の実施の形態が対応する。
【0201】
(作用)
プリズムの保持が一体の構造体で構成され、そこに直接撮像装置が固定される。
【0202】
(効果) プリズムの保持部と、撮像装置の保持部が一体なので、機械的なずれが生じる部材が最小限であり、耐衝撃性、耐環境性が高いステレオアダプタが構成され、距離精度や、再構成のためのカメラパラメータがずれにくい距離画像入力装置を得ることができる。
【0203】
(5) ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取付け、同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系を持つステレオアダプタにおいて、
上記導光光学系として、一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとを複数持ち、
上記一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとの間に光路延長手段を設けたことを特徴とするステレオアダプタ。
【0204】
(6) 上記光路延長手段は、リレーレンズ系であることを特徴とする(5)に記載のステレオアダプタ。
【0205】
(7) 上記光路延長手段は、少なくとも1枚のレンズから構成される負のパワーを持つ第1群と、少なくとも1枚のレンズから構成される正のパワーを持つ第2群と、から構成されることを特徴とする(6)に記載のステレオアダプタ。
【0206】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は第2の実施の形態が対応する。
【0207】
(作用)
レンズ系により一次折り曲げミラーで折り曲げられた光束が負パワーの第1群により平行光束に変換され、所望の距離伝送された後に正パワーの第2群によりカメラに入射する光束に戻される。
【0208】
(効果)
所望の距離平行光束で伝送されるため、複数の視点間の基線長を延長してもミラーや光学系のサイズを大きくすることなく、ステレオアダプタを構成することができる。
【0209】
(8) ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取付けるステレオアダプタであり、
複数の一次結像レンズと、
上記一次結合レンズと同数のイメージガイドと、
二次結像レンズと、
を具備し、
同一被写体からの光を所定距離離間した上記一次結像レンズで上記イメージガイドの一端に結像させ、
それら複数のイメージガイドの他端を束ね、
上記二次結像レンズで上記イメージガイド端を撮像することを特徴とするステレオアダプタ。
【0210】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第2の実施の形態が対応する。
【0211】
(作用)
複数の一次結像レンズで結像した像はおのおののイメージガイドで伝送され、イメージガイドの他端に現れる。イメージガイドはここで束ねて配置されており、同一面上に像が表示される。この像を二次結像レンズで撮像する。
【0212】
(効果)
基線長を自在に設定し、かつ、複数の視点の画像を伝送する場合でも、視野制限が少ない形で複数視点のステレオ画像を得ることができ、ミラーの位置ずれもないため、耐衝撃性にも優れる。
【0213】
(9) ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取付けるステレオアダプタであり、
同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系を具備し、
上記導光光学系は、一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとを複数持ち、
上記一次折り曲げミラーは凸面で構成され、
上記二次折り曲げミラーは凹面で構成されることを特徴とするステレオアダプタ。
【0214】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第2の実施の形態が対応する。
【0215】
(作用)
一次折り曲げミラーで光束は平行光束に近くなり、二次折り曲げミラーで復元される。
【0216】
(効果)
一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーの間隔を延長することが可能となり、ミラーサイズを大きくすることなく、より長い基線長のステレオアダプタを提供することができる。
【0217】
(10) 上記導光光学系として、凹屈折面、凸反射面、凹反射面を持つ屈曲光路パワープリズムを用いたことを特徴とする(9)に記載のステレオアダプタ。
【0218】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第2の実施の形態が対応する。
【0219】
(作用) 凹屈折面と凸反射面で広い画角の光束を平行光束に近い形にし、凹反射面で復元する。
【0220】
(効果) 凸反射面と、凹反射面の間隔を延長することが可能となり、プリズムサイズを大きくすることなく、より長い基線長のステレオアダプタを提供することができる。
また、各屈折、反射面を一体で整形することが可能なので、位置ずれが生じず、耐衝撃性、耐環境性に優れたステレオアダプタを提供することができる。
【0221】
(11) 上記一次折り曲げミラーと、二次折り曲げミラーが略W字型に配置され、
一次折り曲げミラーへの入射側に向けて、二次折り曲げミラーが光束を反射し、撮像装置で撮像するように構成されたことを特徴とする(2)乃至(7)、(9)、(10)の何れかに記載のステレオアダプタ。
【0222】
(対応する実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3と、第4の実施の形態が対応する。
【0223】
(作用)
被写体の光を、複数の受光する部位で受光し、W字型に配置された一次折り曲げミラーで複数視点の中央方向に折り曲げた光束を、二次折り曲げミラーで一次折り曲げミラーの入射側に戻る方向に反射し、撮像光学系に入射して撮像装置で撮影する。
【0224】
(効果)
二次折り曲げミラーよりも大きい一次折り曲げミラーや、縮小光学系や、シリンドリカルレンズなどを先端に配置して、それらによって生じる空いた領域にカメラを設置できるので、ステレオアダプタとカメラを含めた距離画像入力装置を小さく構成することができるとともに、装置のモーメントを小さくできるため、振動、加速度を受けたときにも剛性の高い構造にすることができる。
【0225】
(12) (1)乃至(11)の何れかに記載のステレオアダプタと、
上記ステレオアダプタが取り付けられた撮像装置と、
上記撮像装置で撮影したステレオ画像より三次元再構成を含む処理を行い、三次元距離情報を提供する距離画像処理装置と、
を具備することを特徴とする距離画像入力装置。
【0226】
(13) ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取付けるステレオアダプタを持つ距離画像入力装置であり、
上記ステレオアダプタは、同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系を備え、
上記導光光学系は、一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとを複数持ち、上記撮像装置の撮像素子(例えばCCD)の垂直走査方向に正のパワーを持つシリンドリカルレンズを上記ステレオアダプタの出射部に備え、
更に、インターレース補間装置と距離画像演算装置とを具備することを特徴とする距離画像入力装置。
【0227】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第3の実施の形態が対応する。
【0228】
(作用)
ステレオアダプタからの光束が、シリンドリカルレンズで縦方向に伸ばされる。
【0229】
(効果)
縦画角に対して薄型のステレオアダプタを用いたときにも、撮像装置の画角を有効に用いることができるとともに、インタレース画像の補間処理を行った場合でも、実質解像度の低下を防ぐことができ、高精細な画像を得ることが可能となる。
【0230】
(14) ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取付けるステレオアダプタを持つ距離画像入力装置であり、
同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系を持ち、上記導光光学系は、一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとを複数持ち、
一組の一次折り曲げ、二次折り曲げミラーでは、画角を上下に分割した略半分の領域に直視画像を結像し、一方は二組の一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとでステレオ視することを特徴とする距離画像入力装置。
【0231】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第4の実施の形態が対応する。
【0232】
(作用)
第1の組の一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーにより、撮像光学系の半分の画角に直視の画像を導き、残り2組の一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーにより、左右の視野を持ったステレオ画像が撮像光学系に入射し、ステレオ視する。
【0233】
(効果)
上下に分割した視野で、片側は直視の画像が、片側は二視点からのステレオ画像が撮影できる。
【0234】
(15) 直視側の光軸方向は、ステレオ視側の光軸方向に略一致するように、一次折り曲げミラー、二次折り曲げミラーの相対角度を撮像装置の縦画角の1/4以下の範囲に設定したことを特徴とする(14)に記載の距離画像入力装置。
【0235】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第4の実施の形態が対応する。
【0236】
(作用)
一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーがカメラの縦画角の1/4以下の範囲で平行な状態からずれて設置されてステレオ視側に傾いた方向の光束が、結像する。
【0237】
(効果)
直視とステレオ視の視野がほぼ一致して撮影可能になり、両者の画像の対応をとった画像を撮影することが可能となる。
【0238】
(16) 上記直視側に縮小光学系を持つことを特徴とする(14)又は(15)に記載の距離画像入力装置。
【0239】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第4の実施の形態が対応する。
【0240】
(作用)
直視側に縮小光学系により、広画角の二次元画像を撮影する。
【0241】
(効果)
ステレオアダプタで得られる距離画像の視野の狭さを補間する二次元画像を広画角で撮影することができる。
【0242】
(17)上記縮小光学系はステレオ撮影側に光軸が有り、非対称の形状となっていることを特徴とする(16)に記載の距離画像入力装置。
【0243】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第4の実施の形態が対応する。
【0244】
(作用)
縮小光学系の光軸が、撮像装置の光軸に近接して設置されるとともに、ステレオアダプタ側の光学系が非対称に切り取られている。
【0245】
(効果)
縮小光学系と撮像装置の光軸とが略一致することになり、諸収差の乱れを抑制すると共に、縮小光学系を切り欠いたため、光学系を小型軽量に提供することができる。また、上下の直視とステレオ視の視差を減少することができる。
【0246】
(18) 上記一次折り曲げミラーと二次折り曲げミラーとが略W字型に配置され、
上記一次折り曲げミラーへの入射側に向けて、上記二次折り曲げミラーが光束を反射し、撮像装置で撮像するように構成されたことを特徴とする(13)乃至(17)の何れかに記載の距離画像入力装置。
【0247】
(対応する実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3と、第4の実施の形態が対応する。
【0248】
(作用)
被写体の光を、複数の受光する部位で受光し、W字型に配置された一次折り曲げミラーで複数視点の中央方向に折り曲げた光束を、二次折り曲げミラーで一次折り曲げミラーの入射側に戻る方向に反射し、撮像光学系に入射して撮像装置で撮影する。
【0249】
(効果)
二次折り曲げミラーよりも大きい一次折り曲げミラーや、縮小光学系や、シリンドリカルレンズなどを先端に配置して、それらによって生じる空いた領域にカメラを設置できるのでステレオアダプタとカメラを含めた距離画像入力装置を小さく構成することができると共に、装置のモーメントを小さくできるため、振動、加速度を受けたときにも剛性の高い構造にすることができる。
【0250】
(19) 左右の視野を入れ替える視野反転装置を更に具備することを特徴とする(18)に記載の距離画像入力装置。
【0251】
(対応する実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3と、第4の実施の形態が対応する。
【0252】
(作用)
被写体の光を、複数の受光する部位で受光し、W字型に配置された1次折り曲げミラーで複数視点の中央方向に折り曲げた光束を、二次折り曲げミラーで一次折り曲げミラーの入射側に戻る方向に反射し、撮像光学系に入射して撮像装置で撮影する。撮像された画像の左右視野は、視野反転装置により、左右視野の位置処理をした上で距離画像処理を実施する。
【0253】
(効果)
従来の距離画像処理装置を用いたままで視差の反転を防ぎ、そのままの回路処理プログラム構成で距離画像を算出することができる。
【0254】
(20) 撮像装置と、
同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系と、
上記撮像装置を挟んで配置された、受光する光束を縮小する複数の縮小光学系と、
を具備することを特徴とするステレオアダプタカメラ。
【0255】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、第1と、第2と、第3の実施の形態が対応する。ここで、上記撮影装置は、これらの実施の形態では撮像装置102が該当するが、ビデオカメラ、スチルカメラ、デジタルスチルカメラなども含む。また、縮小光学系とは、全体として負のパワーを持つレンズ群で構成された光学系であり、実施の形態では、ワイドコンバージョンレンズ101Cに相当する。
【0256】
(作用)
複数の縮小光学系により、広角に捉えられた被写体の光を、複数の受光する部位で受光し、撮像光学系に導光光学系で導き、複数の縮小光学系の間に設置した撮像装置により撮影する。
【0257】
(効果)
導光光学系により、被写体の像が縮小光学系の間に設置した撮像装置に導かれ、撮影されるので、大口径で、重量、サイズが大きくなる縮小光学系の間に撮像装置を設置できるのでステレオアダプタと撮像装置を含めたステレオアダプタカメラを小さく構成することができると共に、該ステレオアダプタカメラのモーメントを小さくできるため、振動、加速度を受けたときにも剛性の高い構造にすることができる。
【0258】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、遠距離の被写体を広角に撮影できる小型軽量なステレオアダプタ、及びそのようなステレオアダプタを用いた距離画像入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るステレオアダプタ及び距離画像入力装置を適用したステレオアダプタ撮像システムの構成を示す図である。
【図2】 従来のステレオ撮影装置でのステレオ撮影を説明するための図である。
【図3】 ステレオアダプタを用いた場合のステレオ撮影を説明するための図である。
【図4】 (A)は一般的なステレオアダプタの構成を示す図であり、(B)は第1の実施の形態に係るステレオアダプタの構成を示す図である。
【図5】 ソフトウェア的処理による距離画像処理装置の構成を示す図である。
【図6】 (A)はステレオアダプタの視野を示す図であり、(B)はその展開図である。
【図7】 レクティフィケーション処理を説明するための図である。
【図8】 レクティフィケーション処理における座標変換方法を説明するための図である。
【図9】 area-based matchingの手法を説明するための図である。
【図10】 (A)は撮影された画像を示す図であり、(B)はその画像から距離を算出した結果を示す図である。
【図11】 物体認識部の構成を示す図である。
【図12】 (A)は距離に基づく領域blob群を説明するための図であり、(B)はblob統合化によって抽出された物体を説明するための図である。
【図13】 (A)はキャリブレーション部の構成を示す図であり、(B)は車両ボンネットなど前部にある特徴点を説明するための図である。
【図14】 車両へのキャリブレーション治具の装着状態を示す図である。
【図15】 キャリブレーション治具を撮影した場合の特徴点を説明するための図である。
【図16】 路面にキャリブレーションマーカを配置した場合のキャリブレーションマーカと車両の位置関係を示す図である。
【図17】 路面に配置したキャリブレーションマーカを撮影した場合の特徴点を説明するための図である。
【図18】 第1の実施の形態に係るステレオアダプタの変形例を示す図である。
【図19】 本発明の第2の実施の形態に係るステレオアダプタの構成を示す図である。
【図20】 第2の実施の形態に係るステレオアダプタの変形例を示す図である。
【図21】 (A)は本発明の第3の実施の形態に係るステレオアダプタの構成を示す図、(B)は通常のステレオアダプタによる撮像画像を示す図であり、(C)は第3の実施の形態に係るステレオアダプタによる撮像画像を示す図である。
【図22】 第3の実施の形態に係るステレオアダプタの変形例を示す図である。
【図23】 (A)は本発明の第4の実施の形態に係るステレオアダプタの構成を示す図であり、(B)は第4の実施の形態に係るステレオアダプタによる撮像画像を示す図である。
【図24】 第4の実施の形態に係るステレオアダプタの変形例を示す図である。
【図25】 第1乃至第4の実施の形態に係るステレオアダプタに適用可能な変形を説明するための図であって、(A)はその構成を、(B)は撮像画像をそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
11…光路分割装置、12…露出制御装置、13…フレームメモリ、14…レクティフィケーション装置、15…距離算出装置、16…距離画像出力、17…キャリブレーション装置、18…インターレース補間処理装置、100…距離画像入力装置、101…ステレオアダプタ、101A…一次折り曲げミラー、101B…二次折り曲げミラー、101C…ワイドコンバージョンレンズ、101C1…光軸、101D…パワープリズム、101D1…凹屈折面、101E…プリズム・撮影装置保持具、101F…負パワーレンズ群、101G…正パワーレンズ群、101H…一次結像光学系、101I…イメージガイド、101J…一次結像光学系連接部材、101K…二次結像光学系連接部材、101L…シリンドリカルレンズ、101M…視野拡大用シリンドリカルレンズ、101N…光路延長手段、101N1…一次偏向ミラー、101N2…二次偏向ミラー、101O…遮光板、102…撮像装置、102A…撮像光学系、102A1…光軸、102B…撮像素子、103…距離画像処理装置、103A…フレームメモリ、103B…レクティフィケーション処理部、103C…三次元再構成部、103D、…物体認識部、103E…キャリブレーション部、104…制御装置、105…物体認識装置、116…ステレオアダプタカメラ。

Claims (2)

  1. ステレオ画像を撮影するため、撮像装置の撮像光学系の前方に取り付けるステレオアダプタであり、
    同一被写体からの光を所定距離離間した複数の部位で受光し、上記受光した各々の光を上記撮像装置の撮像光学系に導く導光光学系と、
    受光する光束を縮小する複数の縮小光学系と、
    を具備し、
    上記導光光学系は、一次折り曲げミラーと、二次折り曲げミラーが略W字型に配置され、
    一次折り曲げミラーへの入射側に向けて、二次折り曲げミラーが光束を反射し、上記撮像装置で撮像するように構成され、
    上記撮像装置は、上記二次折り曲げミラーより被写体側に設置されることを特徴とするステレオアダプタ。
  2. 請求項1に記載のステレオアダプタと、
    上記ステレオアダプタが取り付けられた撮像装置と、
    上記撮像装置で撮影したステレオ画像より三次元再構成を含む処理を行い、三次元距離情報を提供する距離画像処理装置と、
    を具備することを特徴とする距離画像入力装置。
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