JP4412891B2 - 複合体および複合積層体の製造方法、並びにセラミック基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種配線基板や半導体素子収納用パッケージ等に適用される配線基板等に有用で異種材料を複合化した複合体および複合積層体の製造方法、並びにセラミック基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、携帯端末の動向は、信号の高速化、高周波化、伝送データの高容量化が進んでいると同時に、端末自体の小型化、低背化、軽量化も進んでいる。これに伴い、端末に搭載される部品に関しても、高周波信号に対応可能な低損失材料、低損失導体を用いた配線基板が求められている。また、小型化に対する要求として搭載部品のモジュール化が進み、配線基板としても高機能化が要求されている。
【0003】
このような中、搭載される配線基板として近年は、低誘電率材料で、銅や銀のような低損失導体を用いたLTCC基板あるいは有機材料を用いた基板が多用され、高機能化の為にペーストを用いたコンデンサー内蔵化、高誘電率層や低誘電率層との複合が行われている。
【0004】
例えば、高周波信号に対応する部分の伝送損失を低減する為、多層配線基板を部分的に低誘電率化したり、コンデンサを形成する場合、積層される複数のセラミックグリーンシートのうち、該当する部分のセラミックグリーンシートを低誘電率化または高誘電率化することが特開2002−185147、特開2002−290053等にて提案されている。
【0005】
また、セラミックグリーンシートの所定箇所に凹部を形成し、その凹部内に低誘電率または高誘電率のセラミックペーストを充填して1つのセラミックグリーンシート内に低誘電率部を形成することも特開平11−97854号にて提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−185147
【特許文献2】
特開2002−290053
【特許文献3】
特開平11−97854号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異なるセラミックグリーンシートを積層する方法では、必要のない部分まで低誘電率化または高誘電率化するために、回路設計などが制約を受けてしまうという問題がある。
【0008】
また、凹部にセラミックペーストを充填する方法では、セラミックペースト中には、溶剤などが含まれているために、ペーストが乾燥した後にセラミックグリーンシート表面とペースト充填面とに段差が生じやすく、その結果、多層構造とした際に積層不良等が発生する等の問題があった。また、セラミックペースト充填部とセラミックグリーンシートとは、成形密度が異なるために、焼成収縮率を一致させる事が難しく、その結果、接合部分に空隙が発生する等の課題もあった。
【0009】
従って、本発明は、積層不良や焼成収縮の不一致などによる空隙の発生なく、セラミックグリーンシートを部分的に異種材料によって形成した複合体および複合積層体の製造方法、並びにセラミック基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合体の製造方法は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライト、ムライト、エンスタタイト、シリカ、コージェライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴を形成した第一のセラミックグリーンシートに前記第二のセラミックグリーンシートを積層する工程と、前記第二のセラミックグリーンシートの一部が前記貫通穴内に埋め込まれるように、前記第二のセラミックグリーンシートの一部を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧することによって、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の複合体の製造方法は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライト、ムライト、エンスタタイト、シリカ、コージェライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体の所定箇所を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧して、前記第二のセラミックグリーンシートの押圧部分を前記第一のセラミックグリーンシート側に移行させて、第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0012】
さらに本発明の複合体の製造方法は、ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴を形成した第一のセラミックグリーンシートに前記第二のセラミックグリーンシートを積層する工程と、前記第二のセラミックグリーンシートの一部が前記貫通穴内に埋め込まれるように、前記第二のセラミックグリーンシートの一部を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧することによって、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0013】
さらにまた本発明の複合体の製造方法は、ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体の所定箇所を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧して、前記第二のセラミックグリーンシートの押圧部分を前記第一のセラミックグリーンシート側に移行させて、第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明によれば上記複合体の製造方法における複合体において、少なくとも一方の表面にメタライズ層を形成する事により回路を形成する複合体を作製する工程を具備することによって、多層構造のセラミック基板に適用される複合体を形成することができる。
【0017】
さらに、上記複合体の製造方法における複合体を、他の第一のセラミックグリーンシートおよび/または他の複合体と積層して積層構造体を作製する工程を具備することによって、多層構造のセラミック基板に適用される複合積層体を形成することができる。
【0018】
上記の本発明の複合体は、第一のセラミックグリーンシートの貫通穴内に実質的に同一厚みの第二のセラミックグリーンシートが一体的に複合化されているために、グリーンシート単体の取り扱いが容易であるとともに、複数のグリーンシート同士の積層時に空隙部内には第二のセラミックグリーンシートが埋め込まれているために、セラミックペーストを充填し乾燥後の段差の発生がなく、しかも、第一および第二のセラミックグリーンシートともに、類似の成形密度に容易に制御できるために、焼成収縮率を一致させることができるために、積層体におけるデラミネーションの発生、変形、防止することができる。
【0019】
これにより、異なる材質のセラミック部を同一平面内に作製することができるために、多層配線基板内の一部に、伝送特性の改善、コンデンサの形成、さらには電磁シールドなどの形成を目的として、低誘電率部、高誘電率部、磁性体部などを不具合を発生することなく容易に形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の方法)
本発明の第1の複合体の製造方法について図1の工程図をもと説明する。
【0021】
先ず、第一のセラミックグリーンシート1および第二のセラミックグリーンシート2を作製する。この第一のセラミックグリーンシート1の厚みは、その用途に応じ任意の厚みでもよいが、第二のセラミックグリーンシート2との複合化を図る上で、50〜300μmが適当である。また、第二のセラミックグリーンシート2は、実質的にこの第一のセラミックグリーンシート1と近似した厚さであることが望ましく、第二のセラミックグリーンシート2の厚みt2は、グリーンシート1の厚みt1に対して0.9t1〜1.1t1、特に0.95t1〜1.05t1であることが望ましい。
【0022】
さらに、第一、第二のセラミックグリーンシートは相対密度が何れも45〜60%であって、その差が5%以下、特に3%以下、さらには1%以下であることが、焼成時の収縮率を整合させる点で重要である。
【0023】
この第1の方法によれば、まず、第一のセラミックグリーンシート1に対して空隙部を形成するための貫通穴3を形成する。この貫通穴3は、金型による打ち抜き加工法などで形成することができる。
【0024】
図1によれば、この貫通穴3は、駆動部である上パンチ4と、第一のセラミックグリーンシート1を支持するとともに、開口5が形成された下パンチ6により構成されるプレスパンチを準備し、図1(a)に示すように、第一のセラミックグリーンシート1を下パンチ6上に載置し、図1(b)に示すように、上パンチ4を下方に駆動することにより、図1(c)に示すように、第一のセラミックグリーンシート1に対して貫通穴3を形成する。
【0025】
次に、図1(d)に示すように、貫通穴3を形成した第一のセラミックグリーンシート1の表面に、第二のセラミックグリーンシート2を載置する。そして、図1(e)に示すように、上パンチ4を駆動し、上パンチ4の駆動停止位置を第一のセラミックグリーンシート1の上面側に設定する。これによって形成された貫通穴3に第二のセラミックグリーンシート2の打ち抜き部2aを埋め込むことができる。
【0026】
その後、上パンチ4、第二のセラミックグリーンシート2を除去することによって、図1(f)に示すように、第一のセラミックグリーンシート1の所定箇所に形成された貫通穴3内に第二のセラミックグリーンシート2が埋め込まれ、一体化された複合体Aを作製することができる。
(第2の方法)
また、本発明の第2の製造方法について図2をもとに説明する。この図2の方法によれば、図1と同様に、実質的に同一の厚みからなる第一のセラミックグリーンシート1および第二のセラミックグリーンシート2を作製する。
【0027】
そして、図2(a)に示すように、第一のセラミックグリーンシート1を下パンチ6上に載置するとともに、図2(b)に示すように、第一のセラミックグリーンシート1の上側に第二のセラミックグリーンシート2を積層する。この時、第一のセラミックグリーンシート1とは、後述する通り、第二のセラミックグリーンシート2を剥離除去するために、両者は軽く接着材等で仮止めしておくことが望ましい。
【0028】
そして、図2(c)に示すように、前述した通り、上パンチ4を駆動し、上パンチ4の駆動停止位置をグリーンシート1の上面側に設定する。これによって、第一のセラミックグリーンシート1および第二のセラミックグリーンシート2の打ち抜きと、第一のセラミックグリーンシート1の打ち抜きによって形成された貫通穴3への第二のセラミックグリーンシート2の打ち抜き部2aの埋め込みとを同時に行う。
【0029】
その後、上パンチ4、第二のセラミックグリーンシート2を剥離除去するとともに、第一のセラミックグリーンシート1を下パンチ6から剥離することによって、図2(d)に示すように、第一のセラミックグリーンシート1の所定箇所に形成された貫通穴3内に第二のセラミックグリーンシート2が埋め込まれ、一体化された複合体Aを作製することができる。
【0030】
このように、本発明によれば、パンチを用いて、第一のセラミックグリーンシート1の貫通穴3内にこの第一のセラミックグリーンシート1と実質的に同一の厚みの第二のセラミックグリーンシート2を埋め込んだ複合体を1回または2回のパンチ処理にて容易に形成することができる。
(複合積層体の製造方法)
次に、本発明によれば、上記複合体は、例えば低い誘電率部を有する多層構造のセラミック基板を作製するのに好適に用いられる。そこで、図3の工程図をもとに、そのセラミック基板を作製するための方法について説明する。
【0031】
図3(a)に示すように、図1または図2によって、貫通穴内に低誘電体率のシートが埋め込まれて形成された低誘電率部7を有する複合体A1,A2と、複合化されていない第3のセラミックグリーンシートB1、B2、B3を準備する。
【0032】
また、複合体AまたはグリーンシートB1〜B4の各表面に、適宜メタライズ層8を印刷塗布する。特に、低誘電率部7を挟み、信号導体8a,グランド導体8bを形成してマイクロストリップ線路、またはトリプレート線路などの高周波伝送線路を形成する。
【0033】
また、前記複合体A1、A2、グリーンシートB1〜B3には、適宜マイクロドリルやレーザー加工によってスルーホールを形成し、スルーホール内に金属ペーストを充填することによってビア導体9を形成することができ、このビア導体9によって異なる層間に形成されたメタライズ層8同士を電気的に接続することができる。なお、金属ペーストは、金属粉末に有機バインダー、溶剤、可塑材を添加混合してボールミルなどで混合することによって調製される。
【0034】
そして、これらの複合体A1、A2、および第3のセラミックグリーンシートB1〜B3を位置合わせして積層して複合積層体Cを作製する。
【0035】
その後、この複合積層体Cを、すべてのセラミックスが緻密化可能な温度で焼成することによって、図3(b)に示すように、低誘電率部7による高周波伝送線路を具備する多層化されたセラミック基板を形成することができる。
【0036】
また、本発明によれば、上記複合体は、例えば高い誘電率部を有する多層構造のセラミック基板を作製するのにも好適に用いられる。そこで、図4の工程図をもとに、そのセラミック基板を作製するための方法について説明する。
【0037】
図4(a)に示すように、図1または図2によって、貫通穴内に低誘電体率のシートが埋め込まれて形成された高誘電率部10を有する複合体A3と、複合化されていない第3のセラミックグリーンシートB4、B5、B6、B7を準備する。
【0038】
また、複合体A3またはグリーンシートB4〜B7の各表面に、適宜メタライズ層8を印刷塗布する。特に、高誘電率部10を挟み、一対の電極8c、8dを形成してコンデンサ部を形成する。
【0039】
また、前記複合体A3、グリーンシートB4〜7には、適宜マイクロドリルやレーザー加工によってスルーホールを形成し、スルーホール内に金属ペーストを充填することによってビア導体9を形成することができ、このビア導体9によって異なる層間に形成されたメタライズ層8同士を電気的に接続することができる。なお、金属ペーストは、金属粉末に有機バインダー、溶剤、可塑材を添加混合してボールミルなどで混合することによって調製される。
【0040】
そして、これらの複合体A3、および第3のセラミックグリーンシートB4〜7を位置合わせして積層して複合積層体Dを作製する。
【0041】
その後、この複合積層体Dを、すべてのセラミックスが緻密化可能な温度で焼成することによって、図4(b)に示すように、高誘電率部10によるコンデンサ部を具備する多層化されたセラミック基板を形成することができる。
【0042】
かかる方法において、複合化にあたっては、従来のように、シート自体にペースト充填部等のような軟らかく密度が大きく異なる部分が存在しないために、異なる2種のシートによる複合体の取り扱いが非常に容易で、取り扱い時におけるシートの変形や破損などが発生することがない。
【0043】
また、本発明においては、上記グリーンシートの積層一体化にあたっても、各グリーンシートの密度を容易に制御できるために、相対密度が近似し均一な複合体および複合積層体を形成することができる。
【0044】
なお、複合積層体形成時には、500〜1000MPa以上の圧力を印加することが積層不良、あるいは焼成後のデラミネーションの発生を防止する上で望ましい。
【0045】
本発明において用いられる第一のセラミックグリーンシート1は、所定の比率で調合したセラミック原料粉末に、適当な有機バインダを添加し、有機溶媒中に分散させることによりスラリーを調製し、従来周知のドクターブレード法やリップコーター法等のキャスト法により、所定の厚みの第一のセラミックグリーンシート1を作製する。
【0046】
この第一のセラミックグリーンシート1の厚みは、通常、50〜300μmが適当である。50μmより薄いシートを形成する場合は、作成したスラリーを従来周知のロールコーター、グラビアコーター、ブレードコーター等のコーティング方式により剥離剤処理を施したキャリアーシート上に塗布し、乾燥させることにより第一のセラミックグリーンシート1を作製することができる。
【0047】
一方、本発明において用いられる第二のセラミックグリーンシート2は、パンチによる打ち抜き加工性、および、焼成段階における熱分解性に優れることが望ましく、有機バインダは、イソブチルメタクリレートを主骨格とするアクリル系高分子バインダが望ましい。
【0048】
第二のセラミックグリーンシート2作製にあたっては、セラミック粉末に100質量部に対し、アクリル系バインダをセラミック粉末100質量部あたり、1〜10質量部添加し、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の有機溶剤中にて分散する。尚、シートに柔軟性を与えるために可塑剤を添加してもよい。
【0049】
また、セラミック粉末の組成はその目的により異なるが、第一のセラミックグリーンシート1と第二のセラミックグリーンシート2は、実質的に同じ焼成温度で焼成できることが必要となる。
【0050】
例えば、前記第一および第二のセラミックグリーンシート1、2を、いずれも1100℃を超える温度、特に1200℃以上の温度で焼成可能なセラミック材料によって形成する。
【0051】
具体的には、第一のセラミックグリーンシート1を、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種によって形成した場合、第二のセラミックグリーンシート2は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライト、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、シリカ、コーデイエライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、必要に応じて、低誘電率化、高誘電率化、磁性体化するためのセラミックスや金属成分を添加してなり、且つ第一のセラミックグリーンシート1と同じ焼成温度で可能なセラミック材料によって形成することが重要である。
【0052】
より具体的には、アルミナを主成分とするセラミックスからなる第一のセラミックグリーンシートに、低誘電率の第二のセラミックグリーンシート2を形成する場合、第二のセラミックグリーンシートをムライト、フォルステライト、エンスタタイト、シリカ、コージェライトのうち少なくとも1種を主成分とするセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0053】
また、高誘電率の第二のセラミックグリーンシート2を形成する場合、アルミナを主成分とし、タングステン、モリブデンなどの金属粉末を1〜30質量%の割合で添加したセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0054】
また、第二のセラミックグリーンシート2を磁性材料によって形成する場合には、酸化鉄を主成分とするセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0055】
なお、上記第一のセラミックグリーンシート1をアルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種によって形成する場合、メタライズ層は、タングステン、モリブデン、マンガンの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするメタライズ材料によって形成される。
【0056】
一方、前記第一および第二のセラミックグリーンシート1、2を、いずれも1100℃以下、特に1050℃以下の温度で焼成可能なセラミック材料によって形成する。
【0057】
具体的には、第一および第二のセラミックグリーンシート1、2を、ガラス、またはガラスと無機フィラーとを混合したセラミック材料(以下、総称してガラスセラミック材料という。)によって形成することが重要である。
【0058】
この場合、第一と第二のセラミックグリーンシート1、2とは、ガラスおよび/またはフィラーが、異なる材料によって形成される。具体的には、低誘電率の第二のセラミックグリーンシートを形成する場合、第二のセラミックグリーンシート2を低誘電率のガラス、または低誘電率のシリカ、コージェライト、エンスタタイトの群から選ばれる少なくとも1種のフィラーを含有するガラスセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0059】
また、具体的には、高誘電率の第二のセラミックグリーンシート2を形成する場合、第二のセラミックグリーンシート2をフィラーとしてBaTiO3,LaTiO3などのチタン酸塩を含有するガラスセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0060】
また、第二のセラミックグリーンシート2を磁性材料によって形成する場合には、少なくとも鉄族元素を含有する化合物を含有するガラスセラミック材料によって形成することが望ましい。
【0061】
なお、上記第一、第二のセラミックグリーンシート1、2を上記低温で焼成可能なセラミック材料によって形成する場合、メタライズ層は、Cu,Ag,Alの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするメタライズ材料によって形成される。
【0062】
【実施例】
実施例1
(グリーンシート作製)
アルミナ粉末(平均粒径1.8μm)に対して、MnO2を5質量%、SiO2を3質量%、MgOを0.5質量%の割合で添加混合した。このセラミック粉末100質量部に対して、成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダを10質量部添加し、トルエンを溶媒として添加し、ボールミルで24時間混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いてドクターブレード法によって縦300mm×横300mm×厚み230μmの比誘電率ε=10のアルミナグリーンシート1を作製した。このグリーンシートの相対密度をアルキメデス法によって測定した結果、52%であった。
【0063】
また、このグリーンシートには、平均粒径が2μmのタングステン粉末86質量%、印刷用有機樹脂としてアクリル系バインダを4質量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを10質量%の割合で混合した金属ペーストを調製し、上記グリーンシートの表面に、スクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布する。また、前記グリーンシートにマイクロドリルによって直径が120μmのスルーホールを形成し、スルーホール内に前記金属ペーストを充填することによってビア導体を形成した。
【0064】
(第二のセラミックグリーンシート作製)
一方、平均粒径が3μmのフォルステライト粉末60質量%に、平均粒径が3μmのコージェライト粉末40質量%の割合で添加混合した。このセラミック粉末100質量部に対して、成形用有機樹脂としてアクリル系バインダを12質量部を添加し、溶剤としてトルエンを添加し、ボールミルで24時間混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いてドクターブレード法によって縦300mm×横300mm×厚み230μmの比誘電率ε=6の第二のセラミックグリーンシート2を作製した。このグリーンシート2の相対密度をアルキメデス法によって測定した結果、53%であった。
【0065】
(積層体作製)
次に、図1に示すようなパンチング装置によって、前記グリーンシート1の中央部に縦10mm×横30mmの大きさの貫通穴を形成した。
【0066】
次に、貫通穴を形成したグリーンシート1の上に、第二のセラミックグリーンシート2を積層した後、パンチング装置における上パンチを下げ、上パンチの下面がグリーンシート1の表面と同一平面となるところまで下ろした。
【0067】
上パンチを上げ、グリーンシート1を確認した結果、グリーンシート1の貫通穴部分に、第二のセラミックグリーンシート2が埋め込まれた構造の複合体Aが形成されていた。
【0068】
次に、図3に示すように、上記のようにして作製した複合体A1、さらに同様にして作製された貫通穴に第二のセラミックグリーンシートが埋め込まれた複合体A2を積層するとともに、第二のセラミックグリーンシートと複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートB1、B2、B3の延べ5層のグリーンシートを、密着液を用いて積層して複合積層体を作製した。また、積層にあたっては、複合積層体に対して、60℃の温度に加熱しながら900MPaの圧力を印加した。
【0069】
このようにして作製した複合積層体について、第二のセラミックグリーンシートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートに対しては、全く変形は認められなかった。また、断面を観察しても、第二のセラミックグリーンシートが埋め込まれた部分では、シート間の層間剥離などは全くみられなかった。
【0070】
次に、この積層体を1350℃の還元雰囲気中で20時間、加熱して焼結した。
【0071】
その結果、第二のセラミックグリーンシートを埋め込んで形成した低誘電率部を具備し、その部分に、メタライズ配線層を有するセラミック配線基板が得られた。
【0072】
作製したセラミック配線基板に対して、低誘電率部形成部分の表面の平坦度を触針法によって測定した結果、最大高低差50μm/10mm以下であり、平坦度の優れた基板が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、低誘電率部形成部分を切断し、低誘電率部付近を双眼顕微鏡で観察した結果、全く層間剥離や充填不良等の発生は全く認められなかった。
【0073】
本配線基板の周波数10GHzにおける反射損失をネットワークアナライザーとウエハープローブを用いて評価した結果、すべて第1のグリーンシートによって形成した場合、−10dBであったのが、低誘電率部を形成することによって、−20dBにまで低減できることを確認した。
【0074】
実施例2
(グリーンシート作製)
ディオプサイト含有結晶化ガラス粉末(平均粒径1.8μm)60質量%に対して、アルミナ30質量%、SiO2を5質量%、MgOを5質量%の割合で添加混合した。このセラミック粉末100質量部に対して、成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダを3質量部添加し、トルエンを溶媒として添加し、ボールミルで24時間混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いてドクターブレード法によって縦300mm×横300mm×厚さ230μmの比誘電率ε=9のグリーンシート1を作製した。このグリーンシート1の相対密度をアルキメデス法によって測定した結果、55%であった。
【0075】
また、このグリーンシートには、平均粒径が3μmの銅粉末100体積%に、平均粒径が2μmのガラス粉末5体積%、印刷用有機樹脂としてアクリル系バインダを4質量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを10質量%の割合で混合した金属ペーストを調製し、上記グリーンシートの表面に、スクリーン印刷法により、所定のパターンに印刷塗布する。また、前記グリーンシートにマイクロドリルによって直径が120μmのスルーホールを形成し、スルーホール内に前記金属ペーストを充填することによってビア導体を形成した。
【0076】
(第二のセラミックグリーンシート作製)
一方、平均粒径が3μmのシリカ粉末40質量%に、平均粒径が3μmのコージェライト粉末30質量%、ほう珪酸ガラス粉末30質量%を添加混合した。このセラミック粉末100質量部に対して、成形用有機樹脂としてアクリル系バインダを12質量部添加し、溶剤としてトルエンを添加し、ボールミルで24時間混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いてドクターブレード法によって縦300mm×横300mm×厚さ230μmの比誘電率ε=5の第二のセラミックグリーンシート2を作製した。このグリーンシート2の相対密度をアルキメデス法によって測定した結果、54%であった。
【0077】
(積層体作製)
次に、前記グリーンシート1に対して、図1に示すようなパンチング装置によって、中央部に縦10mm×横30mmの大きさの貫通穴を形成した。
【0078】
次に、貫通穴を形成したグリーンシート1の上に、第二のセラミックグリーンシート2を積層した後、パンチング装置における上パンチを下げ、上パンチの下面がグリーンシート1の表面と同一平面となるところまで下ろした。
【0079】
上パンチを上げ、グリーンシート1を確認した結果、グリーンシート1の貫通穴部分に、第二のセラミックグリーンシート2が埋め込まれた構造の複合体Aが形成されていた。
【0080】
次に、図3に示すように、上記のようにして作製した複合体A1、さらに同様にして作製された貫通穴に第二のセラミックグリーンシートが埋め込まれた複合体A2を積層するとともに、第二のセラミックグリーンシートと複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートB1、B2、B3の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて積層した。また、積層にあたっては、積層体に対して、60℃の温度に加熱しながら、800MPaの圧力を印加した。
【0081】
このようにして作製した複合積層体について、第二のセラミックグリーンシートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートに対しては、全く変形は認められなかった。また、断面を観察しても、第二のセラミックグリーンシートが埋め込まれた部分では、シート間の層間剥離などは全くみられなかった。
【0082】
次に、この積層体を950℃の還元雰囲気中で2時間、加熱して焼結した。
【0083】
その結果、第二のセラミックグリーンシートを埋め込んで形成した低誘電率部を具備し、その部分に、メタライズ配線層を有するガラスセラミック配線基板が得られた。
【0084】
作製したガラスセラミック配線基板に対して、誘電体層表面の平坦度を触針法によって測定した結果、最大高低差50μm/10mm以下であり、平坦度の優れた基板が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、低誘電率部形成部分を切断し、低誘電率部付近を双眼顕微鏡で観察した結果、全く層間剥離や充填不良等の発生は全く認められなかった。
【0085】
実施例1と同様にして、配線基板の周波数10GHzにおける反射損失を評価した結果、すべて第1のグリーンシートによって形成した場合、−15dBであったのが、低誘電率部を形成することによって、−25dBにまで低減できることを確認した。
【0086】
実施例3
実施例1で作製した第一のグリーンシート1および第二のセラミックグリーンシート2を図2に示すように、積層した後、パンチング装置における上パンチを下げ、上パンチの下面がグリーンシートの表面と同一平面となるところまで下ろした。
【0087】
上パンチを上げ、グリーンシート1を確認した結果、第一のグリーンシート1の貫通穴部分に、第二のセラミックグリーンシート2が埋め込まれた構造の複合体A'が形成されていた。
【0088】
そして、この後は、実施例1と全く同様にして、図3に示すように、グリーンシートA1、A2と、第二のセラミックグリーンシートと複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートB1、B2、B3の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて積層して複合積層体を作製した。なお、60℃の温度に加熱しながら、800MPaの圧力を印加した。
【0089】
この複合積層体について、また、実施例1と同様にして焼成したセラミッ配線基板について、変形、層間剥離を観察した結果、実施例1と同様に、焼成前の複合積層体、セラミック配線基板ともに、変形や層間剥離は認められなかった。
【0090】
なお、低誘電率部形成部分の直上表面の底部表面の平坦度を触針法によって測定した結果、実施例1と同様、最大高低差50μm/10mm以下であり、平坦度の優れた基板が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、伝送特性においても実施例1とほぼ同じ特性を示した。
【0091】
実施例4
実施例1で作製した第一のセラミックグリーンシート1に対して、第二のセラミックグリーンシートとして以下の高誘電率材料を用い同様の配線基板を作製した。
【0092】
(第二のセラミックグリーンシート作製)
アルミナ粉末(平均粒径1.8μm)に対して、MnO2を5質量%、SiO2を3質量%、MgOを0.5質量%、金属Moを10質量%の割合で添加混合した後、さらに、成形用有機樹脂(バインダ)としてアクリル系バインダを10質量%、トルエンを溶媒として添加し、ボールミルで24時間混合してスラリーを調製した。このスラリーを用いてドクターブレード法によって縦300mm×横300mm×厚さ230μmの比誘電率ε=20の第二のセラミックグリーンシートA3を作製した。このグリーンシートA3の相対密度をアルキメデス法によって測定した結果、52%であった。
【0093】
その後、図4に示すように、グリーンシートA3と、第二のセラミックグリーンシートと複合化されていない通常の配線パターンが形成されたグリーンシートB4、B5、B6、B7の延べ5層のグリーンシートを密着液を用いて積層し、60℃の温度に加熱しながら、900MPaの圧力を印加した。
【0094】
なお、グリーンシートA3における高誘電率部には、導体ペーストを用いて電極8c、8dを印刷塗布した。
【0095】
この加圧して積層した1つの試料について、第二のセラミックグリーンシートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、実施例1と同様、グリーンシートに対しては全く変形は認められなかった。
【0096】
このようにして作製した複合積層体について、第二のセラミックグリーンシートを埋め込んだ部分についてグリーンシート側の変形を観察した結果、グリーンシートに対しては、全く変形は認められなかった。また、断面を観察しても、第二のセラミックグリーンシートが埋め込まれた部分では、シート間の層間剥離などは全くみられなかった。
【0097】
その後、この積層体を1350℃の還元雰囲気中で20時間、加熱して焼結した結果、高誘電率部を電極8c、8dで挟持したコンデンサ部を有するコンデンサ内蔵セラミック配線基板が得られた。
【0098】
作製したコンデンサ内蔵セラミック配線基板に対して、コンデンサ部形成部分の表面の平坦度を触針法によって測定した結果、最大高低差50μm/10mm以下であり、平坦度の優れた基板が形成され、基板の変形がほとんどないことが確認された。また、高誘電率部を切断し、高誘電率部付近を双眼顕微鏡で観察した結果、全く層間剥離や充填不良等の発生は全く認められなかった
【0099】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、第一のセラミックグリーンシートと第二のセラミックグリーンシートが部分的に一体化した複合体を1回または2回のパンチング処理によって容易に形成することができる。しかも、作製された複合体は、低誘電率層あるいは高誘電率層を有するセラミック基板を形成する場合のセラミック基板の変形や充填不良、積層不良などの発生を抑制し、電子部品の実装信頼性を高めることができる。かかるに、本発明によれば異なる誘電率層を同一平面内に形成する事ができ回路設計の自由度を大幅に向上する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複合体の製造方法の一例を説明するための工程図である。
【図2】本発明における複合体の製造方法の他の例を説明するための工程図である。
【図3】本発明の複合体を用いた低誘電体層を有するセラミック基板の製造方法を説明するための工程図である。
【図4】本発明の複合体を用いた高誘電体層を有するセラミック基板の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1 第一のセラミックグリーンシート
2 第二のセラミックグリーンシート
3 貫通穴
4 上パンチ
5 開口
6 下パンチ
7 誘電体層
8 メタライズ層
9 ビア導体
A 複合体
B 複合化されていないグリーンシート
Claims (7)
- アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライト、ムライト、エンスタタイト、シリカ、コージェライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴を形成した第一のセラミックグリーンシートに前記第二のセラミックグリーンシートを積層する工程と、前記第二のセラミックグリーンシートの一部が前記貫通穴内に埋め込まれるように、前記第二のセラミックグリーンシートの一部を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧することによって、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とする複合体の製造方法。
- アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、フォルステライト、ムライト、エンスタタイト、シリカ、コージェライトの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とし、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体の所定箇所を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧して、前記第二のセラミックグリーンシートの押圧部分を前記第一のセラミックグリーンシート側に移行させて、第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とする複合体の製造方法。
- ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートの所定箇所に貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴を形成した第一のセラミックグリーンシートに前記第二のセラミックグリーンシートを積層する工程と、前記第二のセラミックグリーンシートの一部が前記貫通穴内に埋め込まれるように、前記第二のセラミックグリーンシートの一部を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧することによって、前記第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とする複合体の製造方法。
- ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%の第一のセラミックグリーンシートを作製する工程と、ガラス、または該ガラスと無機フィラーとを混合してなり、相対密度が45〜60%でかつ前記第一のセラミックグリーンシートの相対密度との差が5%以下であるとともに前記第一のセラミックグリーンシートと実質的に同一の厚みであり前記第一のセラミックグリーンシートとは材質が異なる第二のセラミックグリーンシートを作製する工程と、前記第一のセラミックグリーンシートおよび第二のセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する工程と、該積層体の所定箇所を前記第二のセラミックグリーンシート側から前記第一のセラミックグリーンシート側に向かって押圧して、前記第二のセラミックグリーンシートの押圧部分を前記第一のセラミックグリーンシート側に移行させて、第一のセラミックグリーンシートと前記第二のセラミックグリーンシートとが一体化した複合体を作製する工程とを具備することを特徴とする複合体の製造方法。
- 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の複合体の製造方法により得られた複合体を、更に他のセラミックグリーンシートおよび/または他の複合体と積層する工程を具備することを特徴とする複合積層体の製造方法。
- 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の複合体の製造方法により得られた複合体または請求項5に記載の複合積層体の製造方法により得られた複合積層体を焼成することを特徴とするセラミック基板の製造方法。
- 少なくとも一つの前記セラミックグリーンシート表面にメタライズ層による回路パターンを形成してなることを特徴とする請求項6に記載のセラミック基板の製造方法。
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