JP4411766B2 - 基板洗浄方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は基板洗浄方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、氷粒を含む純水を基板の表面に供給して基板を洗浄するための方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、氷粒と純水とを基板の表面に供給して基板を洗浄する方法および装置として、特開平11−151467号公報に示すように、基板の表面に近接するようにスクリュウを配置するとともに、スクリュウに純水または純水と薬液との混合液を供給する液体供給ノズルおよび雪氷を供給する雪氷供給ノズルを配置し、スクリュウにより純水または純水と薬液との混合液および雪氷を回転させて基板の表面に押圧することにより、基板の表面を洗浄するものが提案されている。
【0003】
この洗浄方法、装置を採用すれば、枚葉処理で基板の表面を洗浄することができ、しかも、洗浄の高品質化を達成することができると思われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平11−151467号公報に示す基板洗浄方法、装置を採用した場合には、洗浄の十分な高品質化を達成することができない。
【0005】
さらに説明する。
【0006】
スクリュウの回転中心と外周とでは周速の差が大きいので、場所によって基板の表面と、純水または純水と薬液との混合液および雪氷との相対速度が大きく異なり、ひいては場所によって洗浄の程度にばらつきを生じてしまう。
【0007】
洗浄室内に純水または純水と薬液との混合液および雪氷の循環流が発生するので、基板からパーティクルを除去することにより汚染された純水または純水と薬液との混合液および雪氷によって基板の再汚染が生じてしまう。
【0008】
スクリュウの回転に伴う遠心力で洗浄室の上部に出た純水または純水と薬液との混合液および雪氷が重力の影響によって再び洗浄室内に入り、基板の再汚染が生じてしまう。
【0009】
スクリュウの回転に伴う遠心力で洗浄室内への純水または純水と薬液との混合液および雪氷の供給をスムーズに行うことができない。
【0010】
これらの不都合に起因して、基板の洗浄の十分な高品質化を達成することができないのである。
【0011】
【発明の目的】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、基板の洗浄の十分な高品質化を達成することができる基板洗浄方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の基板洗浄方法は、氷粒を含む純水を基板の表面に供給して基板を洗浄するに当たって、氷粒を含む純水を一方向に流し、基板を自転させ、基板の洗浄対象表面に対して所定の間隙をあけて近接するローラを設け、このローラを一方向に回転させることにより氷粒を含む純水を一方向に流す方法である。
【0014】
請求項2の基板洗浄方法は、基板をほぼ鉛直状態で支持し、氷粒を含む純水の流れ方向を鉛直下向きに設定する方法である。
【0015】
請求項3の基板洗浄方法は、ローラよりも上方側から基板洗浄用薬液を供給する方法である。
【0016】
請求項4の基板洗浄方法は、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との界面を振動させる方法である。
【0017】
請求項5の基板洗浄装置は、氷粒を含む純水を基板の表面に供給して基板を洗浄するものであって、氷粒を含む純水を一方向に流す純水流動方向設定手段と、基板を自転させる基板駆動手段とを含み、前記純水流動方向設定手段は、基板の洗浄対象表面に対して所定の間隙をあけて近接するローラと、このローラを一方向に回転させるローラ駆動手段とを含むものである。
【0019】
請求項6の基板洗浄装置は、前記基板駆動手段として、基板をほぼ鉛直状態で支持し、かつ自転させるものを採用し、前記純水流動方向設定手段として、氷粒を含む純水の流れ方向を鉛直下向きに設定するものを採用するものである。
【0020】
請求項7の基板洗浄装置は、ローラよりも上方側から基板洗浄用薬液を供給する薬液供給手段をさらに含むものである。
【0021】
請求項8の基板洗浄装置は、ローラの外表面のうち、基板の洗浄対象表面から所定距離以上離れた外表面を包囲する包囲部材をさらに含み、包囲部材に設けた純水供給口の下流側における包囲部材とローラとの間隙を、ローラと基板の洗浄対象表面との間隙よりも小さく設定したものである。
【0022】
請求項9の基板洗浄装置は、包囲部材に設けた純水供給口よりも上流側にローラ洗浄用薬液を供給する薬液供給口を有するものである。
【0023】
請求項10の基板洗浄装置は、前記ローラとして、その外表面に複数の凹所を有するものを採用するものである。
【0024】
請求項11の基板洗浄装置は、前記ローラとして、その外表面に複数の外向き羽根部材を有するものを採用するものである。
【0025】
請求項12の基板洗浄装置は、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との界面を脈動させる界面脈動手段をさらに含むものである。
【0026】
【作用】
請求項1の基板洗浄方法であれば、氷粒を含む純水を基板の表面に供給して基板を洗浄するに当たって、氷粒を含む純水を一方向に流し、基板を自転させ、基板の洗浄対象表面に対して所定の間隙をあけて近接するローラを設け、このローラを一方向に回転させることにより氷粒を含む純水を一方向に流すのであるから、基板の表面を均一に洗浄することができるとともに、基板の表面から除去されたパーティクルが再付着することを防止することができ、ひいては基板洗浄の高品質化を達成することができる。しかも、ローラの回転速度を高めることにより氷粒を含む純水の流速を向上させて洗浄性能を高めることができる。
【0028】
請求項2の基板洗浄方法であれば、基板をほぼ鉛直状態で支持し、氷粒を含む純水の流れ方向を鉛直下向きに設定するのであるから、重力の影響を利用して氷粒を含む純水の流れを作ることができるほか、請求項1と同様の作用を達成することができる。
【0029】
請求項3の基板洗浄方法であれば、ローラよりも上流側から基板洗浄用薬液を供給するのであるから、請求項1または請求項2の作用に加え、基板洗浄用薬液を併用することにより基板の洗浄性能を高めることができる。
【0030】
請求項4の基板洗浄方法であれば、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との界面を振動させるのであるから、請求項3の作用に加え、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合層を作るとともに、脈動化によって基板の洗浄性能を高めることができる。
【0031】
請求項5の基板洗浄装置であれば、氷粒を含む純水を基板の表面に供給して基板を洗浄するに当たって、純水流動方向設定手段によって氷粒を含む純水を一方向に流すとともに、基板駆動手段によって基板を自転させ、基板の洗浄対象表面に対して所定の間隙をあけて近接するローラを設け、このローラを一方向に回転させることにより氷粒を含む純水を一方向に流すことにより基板の表面を洗浄することができる。
【0032】
したがって、基板の表面を均一に洗浄することができるとともに、基板の表面から除去されたパーティクルが再付着することを防止することができ、ひいては基板洗浄の高品質化を達成することができる。しかも、ローラの回転速度を高めることにより氷粒を含む純水の流速を向上させて洗浄性能を高めることができる。
【0034】
請求項6の基板洗浄装置であれば、前記基板駆動手段として、基板をほぼ鉛直状態で支持し、かつ自転させるものを採用し、前記純水流動方向設定手段として、氷粒を含む純水の流れ方向を鉛直下向きに設定するものを採用するのであるから、重力の影響を利用して氷粒を含む純水の流れを作ることができるほか、請求項5と同様の作用を達成することができる。
【0035】
請求項7の基板洗浄装置であれば、ローラよりも上流側から基板洗浄用薬液を供給する薬液供給手段をさらに含むのであるから、請求項5または請求項6の作用に加え、基板洗浄用薬液を併用することにより基板の洗浄性能を高めることができる。
【0036】
請求項8の基板洗浄装置であれば、ローラの外表面のうち、基板の洗浄対象表面から所定距離以上離れた外表面を包囲する包囲部材をさらに含み、包囲部材に設けた純水供給口の下流側における包囲部材とローラとの間隙を、ローラと基板の洗浄対象表面との間隙よりも小さく設定したのであるから、請求項5から請求項7の何れかの作用に加え、氷粒が基板とローラとの間に噛み込んで基板を傷付けてしまうことを防止することができる。
【0037】
請求項9の基板洗浄装置であれば、包囲部材に設けた純水供給口よりも上流側にローラ洗浄用薬液を供給する薬液供給口を有するのであるから、請求項8の作用に加え、基板の洗浄を行わない期間にローラを洗浄することによりローラにおける蓄積汚染を防止することができる。
【0038】
請求項10の基板洗浄装置であれば、前記ローラとして、その外表面に複数の凹所を有するものを採用するのであるから、請求項5から請求項9の何れかの作用に加え、ローラの表面積、摩擦抵抗を大きくして氷粒を含む純水のすべりを防止し、しかも、氷粒を含む純水の流れに渦を作るとともに、氷粒を掻き削って小さな氷粒にして洗浄性能を高めることができる。
【0039】
請求項11の基板洗浄装置であれば、前記ローラとして、その外表面に複数の外向き羽根部材を有するものを採用するのであるから、請求項5から請求項9の何れかの作用に加え、外向き羽根部材によって遠心力を発生させ、この遠心力により基板に面圧を与えて洗浄性能を高めることができるとともに、氷粒の掻き込みを容易にして洗浄性能を高めることができる。
【0040】
請求項12の基板洗浄装置であれば、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との界面を脈動させる界面脈動手段をさらに含むのであるから、請求項7から請求項11の何れかの作用に加え、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合層を作るとともに、脈動化によって基板の洗浄性能を高めることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明の基板洗浄方法およびその装置の実施の態様を詳細に説明する。
【0042】
図1はこの発明の基板洗浄装置の一実施態様を示す概略側面図、図2は同概略正面図である。
【0043】
この基板洗浄装置は、コ字状の枠体1の下辺部材の所定位置に設けた駆動ローラチャック1aおよび従動ローラチャック1bと、上辺部材の所定位置に昇降可能に設けた従動ローラチャック1cとで鉛直状態となるように支持された基板2の各表面に対して所定の間隙hを存して対向され、かつ中心軸が水平方向を向くように1対のローラ3が設けられている。ここで、間隙hを小さくすることが好ましく(例えば、5/100〜1mm程度)、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合液の必要量を少なくし、しかも洗浄性能を高めることができる。
【0044】
そして、基板2に近い部分を除いてローラ3の外表面の大半を包囲するように包囲部材(ステータ)4を設け、各ステータ4の所定位置に氷粒を含む純水を供給するための純水供給口4aを設けているとともに、純水供給口4aよりも上流側の所定位置に、ローラ洗浄用薬液を供給するためのローラ洗浄用薬液供給口4bを設けている。
【0045】
また、ローラ3と基板2との間隙よりも上方の所定位置に基板洗浄用薬液供給ノズル5を設けている。
【0046】
なお、1dは駆動ローラチャック1aを駆動するためのモータ、6は薬液供給源、7は氷粒を含む純水を供給するための純水供給源である。
【0047】
また、ローラ3の回転方向は、氷粒を含む純水および各薬液を基板2の表面に沿って鉛直下方に導くことができる方向(図1中矢印参照)に設定されている。
【0048】
そして、純水供給口4aよりも下流側におけるローラ3とステータ4との間隙がローラ3と基板2との間隙hよりも小さく設定されている。
【0049】
前記コ字状の枠体1は、洗浄位置に対する基板2の搬入、搬出を行うべく往復移動するものである。
【0050】
前記ローラ3は基板2の直径とほぼ等しい長さを有するものとして図示されているが、基板2が自転されるのであるから、基板2の半径とほぼ等しい長さを有するものを採用することが可能である。また、基板2の半径よりも短い長さを有するローラを採用し、このローラを昇降させることによって基板2の全表面を洗浄することも可能である。この場合には、洗浄の終期にローラを基板2の下端縁部に正対させることにより、再汚染を確実に防止することができる。
【0051】
上記の構成の基板洗浄装置の作用は次のとおりである。
【0052】
コ字状の枠体1を移動させることにより基板2を1対のローラ3の間に位置させ、この状態において、基板2を自転させるとともに、1対のローラ3を矢印方向に回転させながら、純水供給口4aから氷粒を含む純水を、基板洗浄用薬液供給ノズル5から基板洗浄用薬液(アルコール、アンモニア水など)を供給する。この場合には、1対のローラ3の位置は全く変化しないのであるから、基板2とローラ3との間隙hを正確に再現することができる。
【0053】
この結果、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合液が基板2とローラ3との間隙を通って鉛直下方に流れ、基板2の表面の全範囲を均一に洗浄することができる。また、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合液は一方向に流れるだけであるから、パーティクルの再付着が発生するおそれはない。したがって、基板2の洗浄性能を高めることができる。
【0054】
そして、ローラ3の回転速度を高めることによって混合液の流速を高め、洗浄性能を一層高めることができる。
【0055】
また、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合液は鉛直下向きに流れるのであるから、重力をこの流れの形成に利用することができ、重力に逆らって流れを形成する場合と比較して流れの形成を簡単化することができる。
【0056】
さらに、純水供給口4aよりも下流側におけるローラ3とステータ4との間隙がローラ3と基板2との間隙hよりも小さく設定されているので、氷粒が基板2とローラ3との間に噛み込んで基板2が傷付くことを確実に防止することができる。
【0057】
さらにまた、基板2の洗浄を行うと、ローラ3が汚染される可能性があるが、洗浄後の基板2を搬出した後に、ローラ洗浄用薬液供給口4bからローラ洗浄用薬液(基板洗浄用薬液と同じ薬液)を供給することにより、ローラ3の外表面を洗浄して蓄積汚染を防止し、次の基板2の洗浄に備えることができる。
【0058】
なお、上記の実施態様においては、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合液を基板2とローラ3との間隙に向かって供給するようにしているが、多少の洗浄性能の低下を許容する場合には、氷粒を含む純水のみを供給することが可能である。
【0059】
また、上記の実施態様においては、基板2の両表面に対応させてローラ3を設けて基板2の両面を洗浄するようにしているが、基板2の一方の表面のみに対応させてローラ3を設けて基板2の一面のみを洗浄するよう構成することが可能である。
【0060】
さらに、ローラ3を鉛直方向を向くように配置することが可能である。
【0061】
図3はこの発明の基板洗浄装置の他の実施態様の要部を示す概略側面図である。
【0062】
この基板洗浄装置が図1の基板洗浄装置と異なる点は、ローラ3の外表面に複数の凹所3aを形成した点、および純水供給口4aよりも下流側に整流板部材8を設けた点のみである。
【0063】
前記凹所3aとしては、矩形溝、三角溝、半円溝など、種々の形状のものが採用可能である。また、これらの溝は、ローラ3の中心軸と平行に形成されていてもよい{図4中(A)参照}が、中心軸に対して所定角度をなすように形成されていてもよく{図4中(B)参照}、V字状のように屈曲するように形成されていてもよく{図4中(C)参照}、網目状に交差するように形成されていてもよい{図4中(D)参照}。これらの溝の幅、深さは、共に0.1〜1mmであればよい。さらに、微少な矩形孔、三角孔、円孔{図4中(E)参照}などの形状のものも採用可能である。
【0064】
前記整流板部材8としては、平板、湾曲板などからなるものが採用可能である。そして、この整流板部材8は、外部から与えられる力によって振動されるものであってもよいが、ばね鋼のように自身で振動するものであってもよい。
【0065】
この実施態様の場合には、ローラ3の外表面の凹所3aを形成したことにより、表面積および摩擦抵抗を大きくし、氷粒を含む純水の滑りを防止し、もしくは抑制することができる。
【0066】
また、氷粒を含む純水の流れに渦を作ることができ、ひいては洗浄性能を高めることができる。
【0067】
さらに、氷粒を掻き削って、より小さな氷粒にすることができ、ひいては洗浄性能を高めることができる。
【0068】
さらにまた、整流板部材8が振動することにより、図5に示すように、氷粒を含む純水の流れを脈動化して洗浄性能を高めることができ、しかも氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合層を作り、この面からも洗浄性能を高めることができる。
【0069】
図6はこの発明の基板洗浄装置のさらに他の実施態様の要部を示す概略側面図である。
【0070】
この基板洗浄装置が図3の基板洗浄装置と異なる点は、ローラ3の外表面に複数の凹所3aを形成する代わりに、ローラ3の外表面に複数の外向き羽根部材3bを形成した点のみである。
【0071】
前記外向き羽根部材3bとしては、図6に示すようにローラ3の半径方向に延びるもの、図7に示すように、半径方向よりもローラ3の回転方向に傾斜するように延びるものなどが採用可能である。また、これらの外向き羽根部材3bは、ローラ3の中心軸と平行に形成されていてもよいが、中心軸に対して所定角度をなすように形成されていてもよい。そして、外向き羽根部材3b同士の間隔、長さは、共に数mm程度であればよい。
【0072】
この実施態様の場合には、外向き羽根部材どうしの間隙に氷粒を含む純水を受け取ってローラ3の回転に伴って搬送することができ、遠心力によって基板2に面圧を与え、洗浄性能を高めることができる。
【0073】
また、純水供給口4aからの氷粒を含む純水の掻き込みを容易に行うことができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1の発明は、基板の表面を均一に洗浄することができるとともに、基板の表面から除去されたパーティクルが再付着することを防止することができ、ひいては基板洗浄の高品質化を達成することができるという特有の効果を奏する。しかも、ローラの回転速度を高めることにより氷粒を含む純水の流速を向上させて洗浄性能を高めることができる。
【0076】
請求項2の発明は、重力の影響を利用して氷粒を含む純水の流れを作ることができるほか、請求項1と同様の効果を奏する。
【0077】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の効果に加え、基板洗浄用薬液を併用することにより基板の洗浄性能を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0078】
請求項4の発明は、請求項3の効果に加え、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合層を作るとともに、脈動化によって基板の洗浄性能を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0079】
請求項5の発明は、基板の表面を均一に洗浄することができるとともに、基板の表面から除去されたパーティクルが再付着することを防止することができ、ひいては基板洗浄の高品質化を達成することができるという特有の効果を奏する。しかも、ローラの回転速度を高めることにより氷粒を含む純水の流速を向上させて洗浄性能を高めることができる。
【0081】
請求項6の発明は、重力の影響を利用して氷粒を含む純水の流れを作ることができるほか、請求項5と同様の効果を奏する。
【0082】
請求項7の発明は、請求項5または請求項6の効果に加え、基板洗浄用薬液を併用することにより基板の洗浄性能を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0083】
請求項8の発明は、請求項5から請求項7の何れかの効果に加え、氷粒が基板とローラとの間に噛み込んで基板を傷付けてしまうことを防止することができるという特有の効果を奏する。
【0084】
請求項9の発明は、請求項8の効果に加え、基板の洗浄を行わない期間にローラを洗浄することによりローラにおける蓄積汚染を防止することができるという特有の効果を奏する。
【0085】
請求項10の発明は、請求項5から請求項9の何れかの効果に加え、ローラの表面積、摩擦抵抗を大きくして氷粒を含む純水のすべりを防止し、しかも、氷粒を含む純水の流れに渦を作るとともに、氷粒を掻き削って小さな氷粒にして洗浄性能を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0086】
請求項11の発明は、請求項5から請求項9の何れかの効果に加え、外向き羽根部材によって遠心力を発生させ、この遠心力により基板に面圧を与えて洗浄性能を高めることができるとともに、氷粒の掻き込みを容易にして洗浄性能を高めることができるという特有の効果を奏する。
【0087】
請求項12の発明は、請求項7から請求項11の何れかの効果に加え、氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との混合層を作るとともに、脈動化によって基板の洗浄性能を高めることができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基板洗浄装置の一実施態様を示す概略側面図である。
【図2】同上の概略正面図である。
【図3】この発明の基板洗浄装置の他の実施態様の要部を示す概略側面図である。
【図4】溝の形状、孔の配置パターンを示す概略図である。
【図5】整流板部材の作用を説明する概略図である。
【図6】この発明の基板洗浄装置のさらに他の実施態様の要部を示す概略側面図である。
【図7】外向き羽根部材の他の例を示す要部側面図である。
【符号の説明】
1a 駆動ローラチャック 1b、1c 従動ローラチャック
1d モータ 2 基板
3 ローラ 3a 凹所
3b 外向き羽根部材 4 ステータ
4a 純水供給口 5 基板洗浄用薬液供給ノズル
8 整流板部材
Claims (12)
- 氷粒を含む純水を基板の表面に供給して基板を洗浄する方法であって、氷粒を含む純水を一方向に流し、基板を自転させ、
基板の洗浄対象表面に対して所定の間隙をあけて近接するローラを設け、このローラを一方向に回転させることにより氷粒を含む純水を一方向に流す、基板洗浄方法。 - 基板をほぼ鉛直状態で支持し、氷粒を含む純水の流れ方向を鉛直下向きに設定する請求項1に記載の基板洗浄方法。
- ローラよりも上方側から基板洗浄用薬液を供給する請求項1または請求項2に記載の基板洗浄方法。
- 氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との界面を振動させる請求項3に記載の基板洗浄方法。
- 氷粒を含む純水を基板(2)の表面に供給して基板(2)を洗浄する装置であって、氷粒を含む純水を一方向に流す純水流動方向設定手段(3)と、基板を自転させる基板駆動手段(1a)(1b)(1c)とを含み、
前記純水流動方向設定手段は、基板(2)の洗浄対象表面に対して所定の間隙をあけて近接するローラ(3)と、このローラ(3)を一方向に回転させるローラ駆動手段(1d)とを含む基板洗浄装置。 - 前記基板駆動手段(1a)(1b)(1c)は、基板(2)をほぼ鉛直状態で支持し、かつ自転させるものであり、前記純水流動方向設定手段(3)は、氷粒を含む純水の流れ方向を鉛直下向きに設定するものである請求項5に記載の基板洗浄装置。
- ローラ(3)よりも上流側から基板洗浄用薬液を供給する薬液供給手段(5)をさらに含む請求項5または請求項6に記載の基板洗浄装置。
- ローラ(3)の外表面のうち、基板(2)の洗浄対象表面から所定距離以上離れた外表面を包囲する包囲部材(4)をさらに含み、包囲部材(4)に設けた純水供給口(4a)の下流側における包囲部材(4)とローラ(3)との間隙を、ローラ(3)と基板(2)の洗浄対象表面との間隙よりも小さく設定している請求項5から請求項7の何れかに記載の基板洗浄装置。
- 包囲部材(4)に設けた純水供給口(4a)よりも上流側にローラ洗浄用薬液を供給する薬液供給口(4b)を有している請求項8に記載の基板洗浄装置。
- 前記ローラ(3)は、その外表面に複数の凹所(3a)を有している請求項5から請求項9の何れかに記載の基板洗浄装置。
- 前記ローラ(3)は、その外表面に複数の外向き羽根部材(3b)を有している請求項5から請求項9の何れかに記載の基板洗浄装置。
- 氷粒を含む純水と基板洗浄用薬液との界面を脈動させる界面脈動手段(8)をさらに含む請求項7から請求項11の何れかに記載の基板洗浄装置。
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