JP4411147B2 - ファン付きヒートシンク - Google Patents

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Description

本発明は、複数の放熱フィンをもつファン付きヒートシンクに関し、特に、ファン付きヒートシンクの放熱フィン上の冷却風の進入口への塵埃による目詰まり防止に適用して有効な技術に関するものである。
CPU等の高発熱体を冷却するには、複数の放熱フィンをもつファン付きヒートシンクが使用される。従来、冷却面積を増加させて冷却性能を向上させるために、放熱フィンのピッチは、冷却効率を考慮した上で、非常に狭くなってきている。
そのため、ファン付きヒートシンクの放熱フィン上の冷却風の進入口に、塵埃による目詰まりが発生しやすくなり、期待する冷却効果を長期に渡って維持できない問題が発生していた。
そこで、従来では、風速の高い領域の放熱フィンの間隔を広く、風速の低い領域の放熱フィンの間隔を狭くするようにしたファン付きヒートシンクがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−162787号公報
近年、CPU等の発熱量の増大により、ファン付きヒートシンクの冷却効率を上げる必要があるが、特許文献1に記載のように、塵埃による目詰まりが発生しやすい箇所の放熱フィンの間隔を広くしてしまうと、冷却効率が低下してしまうという問題点があった。
本発明の目的は、ファン付きヒートシンクの放熱フィン上の冷却風の進入口への塵埃による目詰まりを防止し、ファン付きヒートシンクとしての期待する冷却効果を長期に渡って維持することのできるファン付きヒートシンクを提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明によるヒートシンクは、ヒートシンク本体と、ヒートシンク本体上に実装される複数の放熱フィンと、複数の放熱フィン間の間隙に冷却風を導入するファンとを備え、複数の放熱フィンは、隣接する放熱フィンとの間で、ファンによる冷却風の進入側に、塵埃の長さに基づいて設定された段差を設けたものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、ファン付きヒートシンクの放熱フィン上の冷却風の進入口への塵埃による目詰まりを防止することができ、ファン付きヒートシンクとしての期待する冷却効果を長期に渡って維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<ファン付きヒートシンクの構成例>
図1および図2により、本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの構成の一例について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの構成を示す構成図であり、(a)はファン付きヒートシンクの側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB部の拡大図である。図2は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの外観を示す斜視図である。
図1および図2において、ファン付きヒートシンクは、アルミニウム等の熱伝導性の良好な材料により形成されるヒートシンク本体101、ヒートシンク本体101上に突設される複数の放熱フィン102、カバー部材103、ファン装置(ファン)104から構成される。
複数の放熱フィン102は、隣接する放熱フィン102との間で、ファン装置104による冷却風の進入口側に段差107が設けられている。
この段差107は、隣接する放熱フィン102との間で、ファン装置104による冷却風の進入口側に突出する放熱フィン102の長さが異なることにより形成されている。また、放熱フィン102の段差は2段階設けて実装し、その2段階の段差の形状が段差を設ける間隔111で繰り返されて設けられている。
カバー部材103は、図2に示すように、ヒートシンク本体101および放熱フィン102を覆うように備えられており、ファン付きヒートシンクの底面も、ヒートシンク本体101以外は、カバー部材103で覆われている。
ファン装置104は、ファン付きヒートシンクのカバー部材103に埋設した状態で装着され、上方から外気112を取り入れ、図1(b)の矢印で示すように、放熱フィン102方向に冷却風105を導入して、放熱フィン102間の間隙を通して排気を行う。その冷却風105が放熱フィン102間を通過することにより、ヒートシンク本体101下の発熱体110の冷却が行われる。
放熱フィン102のフィンピッチ106は、必要な冷却性能を確保するために、放熱フィン102の表面積、圧損の程度等を考慮して適宜決定されるものであり、本実施の形態においては、フィンピッチ106を変化させたときの実験結果から、フィンピッチ106を1mm程度と決定した。
なお、本実施の形態では、図1に示すように、放熱フィン102の段差を2段階設けて実装しているが、段差の段階の数に、本発明は限定されるものではない。また、フィンピッチ106、段差107、段差を設ける間隔111、および配置パターンに、本発明は限定されるものではない。
<ファン付きヒートシンク上の塵埃の状態>
次に、図1および図3により、本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクにおける塵埃の状態について説明する。図3は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクにおける塵埃の状態を説明するための比較例を示す図であり、(a)はファン付きヒートシンクの側面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(b)のB部の拡大図である。
本実施の形態に対する比較例においては、図3に示すように、放熱フィン102は、図1(c)に示すような段差107が設けられることなく実装されていた。この実装においては、CPU等の発熱体110の発熱量が低かった時は、フィンピッチ106が広くても冷却性能が確保できていたので、塵埃109による目詰まりは発生しなかったが、昨今のCPU等の発熱体110の発熱量増大により、フィンピッチ106が狭くなってきたことから、図3(c)に示すように、冷却風の進入口の放熱フィン102間に塵埃109がブリッジしやすくなった。
また、段差107が設けられていないことにより、ブリッジした塵埃109に引っ掛かる形で、さらなる塵埃109が付着し、雪だるま式に目詰まりが加速し、期待する冷却効果が短期間しか得られない事例が増加してきた。
そこで、本実施の形態においては、図1に示すように、ブリッジによる目詰まりを防止するために、放熱フィン102の冷却風の進入口側に、塵埃109の大きさを考慮した段差107と段差107を設ける間隔111を決定し、放熱フィン102を実装している。
このように、放熱フィン102の冷却風の進入口側に、塵埃109の大きさを考慮した段差107と段差107を設ける間隔111を設けた放熱フィン102を実装することにより、塵埃109のブリッジによる目詰まりを防止することができ、間隔111で段差107を設けているため塵埃109のブリッジによる雪だるま式に目詰まりが加速することもなく、ファン付きヒートシンクとしての期待する冷却効果を長期に渡って維持することが可能である。
また、放熱フィン102自体のフィンピッチ106は、広くしていないため、冷却効率を落とすことなく発熱体110に対する冷却を行うことが可能である。
なお、本実施の形態では、段差107および段差107を設ける間隔111を決定する上で、通常使用されるオフィス環境を考慮し、長さ3mm以下、太さ1.5ミクロン以下のコットンリンタ(綿粉)を試験用ダストとして使用し、1ヶ月間連続運転を行った試験結果、および目詰まりを防止する観点から、オフィス環境を考慮し設定した塵埃109の長さよりも、見掛け上のフィンピッチ108と段差107を設ける間隔111を長くするように決定することとし、段差107と段差107を設ける間隔111は、3mm以上とした。
<ファン付きヒートシンクの製造方法例>
次に、図4により、本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクのヒートシンク部分の製造方法の一例について説明する。図4は、本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクのヒートシンク部分の製造方法を説明するための説明図であり、(a)はヒートシンク本体101に、コの字型の放熱フィン102を複数個実装した後のヒートシンクを示し、(b)は、コの字型の放熱フィン102単体を示した図である。
コの字型の放熱フィン102は、複数のコの字型の放熱フィン102同士を段差を付けて結合することができるように、フック114とフック114を引っ掛ける複数の穴115が設けられている。なお、穴115は、フック114を引っ掛けることができるものであれば、放熱フィン102を貫通していても、貫通していなくてもよい。
図4に示す例では、コの字型の放熱フィン102単体を複数個結合させることにより、ヒートシンク本体101上に複数の放熱フィン102を実装する。
隣り合うコの字型の放熱フィン102同士は、フック114を、フックを引っ掛ける穴115に引っ掛けることにより結合される。
図4(b)に示すようにフックを引っ掛ける穴115は複数個設けられており、隣り合う放熱フィン102をずらして結合することにより、フィン長さ113の等しい単一の放熱フィン102を使用して、段差107付きのヒートシンクを製造することが可能になる。
これにより、製造コストを従来と同等で製造することが可能である。
<ファン付きヒートシンクの他の構成例>
図5により、本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの他の構成の一例について説明する。図5は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの他の構成を示す構成図であり、(a)は、ファン付きヒートシンクの側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
図5において、ファン付きヒートシンクの放熱フィン102は、図4に示したような製造方法で実装された形状となっており、放熱フィン102のフィン長さ113が等しくなっている。
このような構成とすることにより、図1に示すような冷却風105の流れの他に、放熱フィン102側から外気112を導入して、その冷却風105を放熱フィン102間の間隙を通して、ファン装置104上方へ排気を行うようにした場合でも、放熱フィン102の段差107により、塵埃109のブリッジによる目詰まりを防止することが可能である。
<冷却風の入気の他の例>
図6により、本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの冷却風の入気の他の例について説明する。図6は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの冷却風の入気の他の例を説明するための説明図である。
図1および図5に示した例では、放熱フィン102に対して、冷却風105は側面から入気しているが、図6に示すように、ヒートシンク本体101上の放熱フィン102の上部に段差107を付けて、放熱フィン102の上部から冷却風105を入気するようにすることも可能である。
この場合も、放熱フィン102の冷却風の進入口側に、塵埃109の大きさを考慮した段差107と段差107を設ける間隔111が設けられているので、塵埃109のブリッジによる目詰まりを防止することができるため、ファン付きヒートシンクとしての期待する冷却効果を長期に渡って維持することが可能である。
また、図6に示すような形状のヒートシンクの場合では、押し出しによる成型も可能であり、段差107を設けた形状であっても、製造コストを従来と同等で製造することが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
(a)〜(c)は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの構成を示す構成図である。 本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの外観を示す斜視図である。 (a)〜(c)は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクにおける塵埃の状態を説明するための比較例を示す図である。 (a),(b)は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクのヒートシンク部分の製造方法を説明するための説明図である。 (a),(b)は本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの他の構成を示す構成図である。 本発明の一実施の形態に係るファン付きヒートシンクの冷却風の入気の他の例を説明するための説明図である。
符号の説明
101…ヒートシンク本体、102…放熱フィン、103…カバー部材、104…ファン装置、105…冷却風、106…フィンピッチ、107…段差、108…見掛け上のフィンピッチ、109…塵埃、110…発熱体、111…段差を設ける間隔、112…外気、113…フィン長さ、114…フック、115…フックを引っ掛ける穴。

Claims (3)

  1. ヒートシンク本体と、
    前記ヒートシンク本体上に実装される複数の放熱フィンと、
    前記複数の放熱フィン間の間隙に冷却風を導入するファンとを備え、
    前記複数の放熱フィンは、隣接する放熱フィンとの間で、前記ファンによる冷却風の進入側に、塵埃の長さに基づいて前記放熱フィン間で塵埃のブリッジが発生しないように設定された段差を設け、
    前記段差は、2つが一方向に形成され、前記隣接する放熱フィンの3つごとに同じ段差方向の配置形状を繰り返すように設けられ、
    前記放熱フィン間の段差により、前記放熱フィン間に形成される見掛け上のフィンピッチが、前記塵埃の長さより長くなるように設定され、
    前記一方向の段差を形成する放熱フィンの繰り返しごとの冷却風の進入側の放熱フィンの先端の間隔は、前記塵埃の長さより長い間隔であることを特徴とするファン付きヒートシンク。
  2. 請求項1記載のファン付きヒートシンクにおいて、
    前記複数の放熱フィン間のフィンピッチは、1mmであることを特徴とするファン付きヒートシンク。
  3. 請求項2記載のファン付きヒートシンクにおいて、
    前記段差は、3mm以上であることを特徴とするファン付きヒートシンク。
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