JP6721930B2 - ヒートシンク及び電子部品パッケージ - Google Patents
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Description
しかしながら、前記突片や複数のフィン等が、周囲の外気の流れを阻害してしまい、停滞した外気によって予期しない温度上昇を発生させてしまうおそれもある。
板状のベース部と、該ベース部に対し該ベース部の厚み方向の一方へ突出した板状の突片部と、該突片部に対し該突片部の厚み方向へ突出するとともにその突出方向へ内部が貫通した筒状突起とを備え、前記突片部は、前記ベース部の厚み方向の一方側の空間を囲むようにして複数設けられ、前記筒状突起は、前記空間とは逆の方向へ突出するとともに、前記各突片部の面に沿って複数設けられ、前記各突片部の内壁面には、前記ベース部に対する交差方向へ連続する溝が設けられ、前記筒状突起が前記溝内に連通していることを特徴とするヒートシンク。
ここで、前記筒状突起には、円筒状の突起や多角形筒状の突起等を含む。
また、複数の前記突片部のうち、その一つの突片部に設けられる前記筒状突起と、他の突片部に設けられる前記筒状突起との関係は限定されず、これら二つの筒状突起は、接触していてもよいし、隙間を置いて離れていてもよい。
この構成の具体例としては、複数の突片部を、内部に空間を有する筒状(例えば、四角形筒状や、五角形筒状、六角形筒状、円筒状等を含む。)に並べた態様が挙げられる。
また、この構成には、周方向に隣接する突片部が接触している態様と、周方向に隣接する突片版が接触せずに近接している態様とを含む。
ここで、特に好ましい態様としては、前記送風機は、前記筒状突起内へ気体を流通させるように設けられる。具体的には、前記筒状突起の一端側の開口へ向けて前記送風機を設けた態様や、前記筒状突起の一端側の開口から気体を吸引するように前記送風機を設けた態様等とすることが可能である。
また、他の好ましい態様としては、前記複数の突片部が空間の周りを囲むようにして並べられている構成において、前記空間へ向けて送風するように前記送風機を設けた態様や、前記空間から気体を吸引するように前記送風機を設けた態様等とすることが可能である。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
このヒートシンクAは、ベース部1と、該ベース部1から厚み方向の一方(図示例によれば上方)へ突出した複数の放熱部2とから一体に構成される。
放熱部2の材質は、ベース部1のものと同様にすればよいが、ベース部1のものと異なるものとすることも可能である。
これら突片部2a,2b及び接続片部2cは、ベース部1の一辺と、該一辺に対向する他辺との間にわたって連続する長尺状に設けられる。
接続片部2cは、溶着や接着等によりベース部1に固定されている。
より詳細に説明すれば、一方の突片部2aには、その厚み方向の一方へ向かって筒状突起2dを突出させており、この筒状突起2dは、突片部2aの面に沿って複数並設される。隣接する筒状突起2d,2dは、互いに面同士を近接又は接触させるようにして配設される。すなわち、複数の筒状突起2dは、ハニカム状に並んでいる(図1及び図2(b)参照)。
また、他方の突片部2bにも、同様に、前記一方へ向かって筒状突起2dが突出しており、これら筒状突起2dはハニカム状に配設される。
また、隣接する二つの放熱部2,2間において、その一方の放熱部2の筒状突起2dは、同じ位置関係にある他方の放熱部2の筒状突起2dに対し、同芯状に並んでいる。
したがって、これら同芯状に並ぶ複数の筒状突起2dの内部空間は、中心軸方向へ連通する。
このようにして形成された放熱部2は、ベース部1上に、一定の間隔を置いて並べられ、溶着又は接着等により固定される。
図3に示す一例によれば、送風機bは、ベース部1面上に並ぶ複数の放熱部2に対し、その並設方向に離れた位置から筒状突起2d内へ外気を送入ように設けられる。
送風機bは、例えば、ヒートシンクAに固定してもよいし、ヒートシンクA以外の不動部位(例えば電子部品aが装着される基板等)に固定してもよい。
また、他例としては、筒状突起2d内の外気を吸引するように送風機bを配置した態様としてもよい。
また、複数の筒状突起2dを近接又は接触させてハニカム状に配置し、各筒状突起2dの突端を隣接する突片部2a,2bに近接又は接触させているため、ヒートシンクA全体を比較的高強度な比較的構造体とすることができる。
次に、本発明に係るヒートシンク及び電子部品パッケージの他の実施態様について説明する。なお、以下に示す実施態様は、上述した実施態様を一部変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、共通部分の説明は同一符号を用いる等して適宜省略する。
詳細に説明すれば、各放熱部2’は、隣接する突片部2a,2bのうち、その一方の突片部2aに設けられる筒状突起2dと、その他方の突片部2bに設けられる筒状突起2dとを、背反する方向へ突出させている(図5(b)参照)。
また、ヒートシンクBには、送風機b及び/又は送風機cが設けられる。
送風機cは、隣接する放熱部2,2間の隙間sへ向けて外気を送入するように、図示例によれば、複数の放熱部2の上方側に設けられる。
この構成によれば、放熱部2,2間の隙間sへ外気を強制送入して、放熱効率を向上することができる。
なお、他例としては、送風機cを突片部2a,2bの連続方向(図6によれば手前側又は奥側)へ離れた位置に設けた態様や、隣接する放熱部2,2間の気体を送風機cによって吸引する態様とすることも可能である。
図7に示すヒートシンクCは、ヒートシンクAと同様の金属材料によって形成され、平板状のベース部3と、このベース部3の両端側でベース部3から厚み方向の一方へ突出した突片部4,4と、ベース部3及び突片部4から突出する筒状突起5とから一体的に構成される。
二つの突片部4,4の各々には、ベース部3と突片部4との外角側の空間(図示例によれば側方)へ向かって突出するように、多数の筒状突起5が設けられる。
各筒状突起5は、貫通孔を有する円筒状の突起である。
また、当該ヒートシンクCの上方及び/又は側方には、必要に応じて、送風機b,cが設けられる。
図8に示すヒートシンクDは、上述したヒートシンクCに対し、筒状突起5の配置を変更したものである。
このヒートシンクDにおいて、ベース部3は、筒状突起5を有さない平板状に形成される。また、このベース部3の両端部からは、厚み方向の一方へ突片部4が突出している。
この突片部4には、ベース部3との内角側の空間へ突出する複数の筒状突起5と、その逆側へ突出する複数の筒状突起5とが設けられる、
図9に示すヒートシンクEは、上述したヒートシンクCに対し、さらに、二枚の突片部4及び筒状突起5を加えた構成にしている。
すなわち、複数の突片部4は、ベース部3の上側の空間を囲むようにして、平面視矩形枠状に並べられている。
そして、ベース部3には、上方へ突出するように多数の筒状突起5が設けられ、各突片部4には、外側へ突出するように多数の筒状突起5が設けられる。
図10に示す一例では、ヒートシンクEの側方に筒状突起5の開口へ送風する送風機bを設け、ヒートシンクEの上方に、ベース部3上側の気体を吸引するヒートシンクCを設けている。
他例としては、送風機bと送風機cのうちの一方を省いた態様や、送風機b及び送風機cの送風方向を逆にした態様、送風機b及び送風機cの双方を省いた態様等とすることが可能である。
図11に示すヒートシンクFは、平板状のベース部3と、該ベース部3の周縁側から厚み方向の一方へ突出するとともにベース部3の上側の空間を囲む複数の突片部6と、各突片部6に対し該突片部6の厚み方向へ突出するとともにその突出方向へ内部が貫通した筒状突起5とを備える。
溝6aは、各突片部6に対し、幅方向(ベース部3の各辺が延びる方向)へ間隔を置いて複数設けられる。
各溝6aは、各突片部6の内側から外側へ向かう厚み方向へ凹む横断面凹状の溝であり、上下方向へ連続しており、その連続方向の一端側(図示例によれば上端側)を外気に連通している。
次に、各溝6aの底面を構成する壁部に対し、前記一方向に対する逆方向への塑性加工を施すことで、筒状突起5が複数形成される。
なお、溝6aの加工と、筒状突起5の加工は、前記と順序を逆にしてもよい。
図13に示す一例では、ヒートシンクEの側方に筒状突起5の開口へ送風する送風機bを設け、ヒートシンクEの上方に、ベース部3上側の気体を吸引するヒートシンクCを設けている。
他例としては、送風機bと送風機cのうちの一方を省いた態様や、送風機b及び送風機cの送風方向を逆にした態様、送風機b及び送風機cの双方を省いた態様等とすることが可能である。
図14〜図15に示すヒートシンクGは、板状のベース部11と、ベース部11に対し該ベース部11の厚み方向の一方(図示例によれば上方)へ突出してこの一方側の空間を囲む複数の板状の突片部12と、各突片部12に対し該突片部12の厚み方向の外側へ突出するとともにその突出方向へ内部が貫通した複数の筒状突起13とを備える。
突片部12は、ベース部11の各辺部に対応して4枚設けられ、それぞれベース部11から上方へ突出している。これら突片部12は、金属製板材を曲げ加工することにより形成可能である。
複数の筒状突起13のうち、隣接する二つの筒状突起13,13は、これら二つ筒状突起13,13の間に位置する壁部を共用して一体に形成される。
そして、複数の筒状突起13は、図示例によれば、それぞれ平面視多角形状(図示例によれば正六角形状)に形成され、ハニカム状に配設されている。
また、図示例によれば、複数の筒状突起13をハニカム状に構成しているため、これら筒状突起13を含むヒートシンクG全体を高強度に保持することができる。
図16に示すヒートシンクH,I,Jは、上記ヒートシンクGに対し一部の構成を変更したものである。
ヒートシンクHは、ヒートシンクGにおける筒状突起13を筒状突起13’に置換したものである。各筒状突起13’は、筒状突起13よりも突片部12外面からの突出寸法wを大きく設定している(図16(a)参照)。
図示例によれば、ヒートシンクHにおける筒状突起13’の突出寸法wは、ヒートシンクGにおける筒状突起13の突出寸法の約2倍に設定されている。
平坦領域12aの上下幅寸法h2は、横方向へ並ぶ筒状突起13の上下幅寸法h1に対し、同幅、又は同幅以上に設定される。
平坦領域12a’の上下幅寸法h2’は、横方向へ並ぶ上下列の筒状突起13の上下幅寸法h1’に対し、同幅、又は同幅以上に設定される。
次に、上記構成のヒートシンクG,H,I,Jについて、比較実験を行った結果について説明する。
比較例としては、図17に示すヒートシンクZを用いた。ヒートシンクZは、上記ヒートシンクGから全ての筒状突起13を省き、各突片部12を、突起及び貫通孔のない平板状の突片部12”に置換したものである。
図18のグラフは、ヒートシンクG、H,I,J,Zの前記接触部分について、経過時間に対する温度上昇度の変化を示している。
この実験結果より、30分経過後の温度上昇度は、ヒートシンクJ,H,G,I,Zの順番に低いことがわかる。よって、この順番に放熱効果が大きいものと考えられる。
次に、図19に示すヒートシンクKについて説明する。
このヒートシンクKは、上述したヒートシンクGに対し、筒状突起13を筒状突起14に置換し、ベース部11に突起15を加えた構成としている。
これら複数の筒状突起14のうち、隣接する二つの筒状突起14,14は、互いに、他方の筒状突起14の外壁面に対し平行な面を有し、この平行な外壁面同士を近接させている。そして、複数の筒状突起14は、それぞれが正六角形状に形成され、ハニカム状に配設される。図19中、符号sは、前記平行な面の間に確保される隙間を示す。
ヒートシンクKの周囲には、必要に応じて、送風機b,cが設けられる(図19参照)。
この突起17によれば、複数の平板部17aにより放熱面積を比較的広く確保することができ、これによって放熱性能を向上することができる。
なお、突起17は、上記態様と同様に、単数もしくは複数配設することが可能である。
なお、突起18の横断面形状は、図示例に限定されず、例えば、六角形等の多角形状や楕円形状、その他の形状とすることが可能である。
逆に、上記ヒートシンクGの変形例としては、ヒートシンクKと同様に、隣接する筒状突起13,13間を分離し、これらの間で、互いに平行な外壁面同士を近接させることも可能である。
さらに、他例としては、湾曲した形状の突片部(図示せず)を、ベース部3の上側の空間を囲むように複数並べた態様とすることも可能である。
より具体的に説明すれば、上記ヒートシンクA〜Kをアルマイト処理用電解槽の電解溶液中に没入し、ヒートシンクA〜Kの全表面にアルマイト処理を施す。
この構成によれば、ヒートシンクA〜Kにおける露出面を含む全表面にアルマイト層が形成され、このアルマイト層によって輻射による放熱量を増大することができる。
2,2’:放熱部
2a,2b,4,6,12:突片部
2c:接続片部
2d,5,13,13’,14:筒状突起
6a:溝
6b:凸条
a:電子部品
b,c:送風機
A〜K:ヒートシンク
Claims (3)
- 板状のベース部と、該ベース部に対し該ベース部の厚み方向の一方へ突出した板状の突片部と、該突片部に対し該突片部の厚み方向へ突出するとともにその突出方向へ内部が貫通した筒状突起とを備え、
前記突片部は、前記ベース部の厚み方向の一方側の空間を囲むようにして複数設けられ、
前記筒状突起は、前記空間とは逆の方向へ突出するとともに、前記各突片部の面に沿って複数設けられ、
前記各突片部の内壁面には、前記ベース部に対する交差方向へ連続する溝が設けられ、前記筒状突起が前記溝内に連通していることを特徴とするヒートシンク。 - 前記筒状突起の近傍の気体を流動させるように送風機を備えたことを特徴とする請求項1記載のヒートシンク。
- 前記ベース部には、電子部品が接触して支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載のヒートシンクを用いた電子部品パッケージ。
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