JP4410536B2 - 温感部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は温感部材及びその製造方法に関する。温感部材とは、人が表面に触れた場合に冷たさや熱さをより感じにくい部材である。
例えば、ユニットバスルームを構成する一般的な浴室用防水パンは、シートモールディングコンパウンド(SMC)法によって製造されることが一般的な繊維強化プラスチック(FRP)製品である。こうして得られる浴室用防水パン等のFRP製品は軽量性、高強度性等の優れた特質を発揮する。しかし、一般的なFRP製品は、冬場にそれが日陰にあり、人がその表面に触れた場合には冷たさを感じやすく、夏場にそれが日なたにあり、人がその表面に触れた場合には熱さを感じやすいという不具合がある。このため、一般的な浴室用防水パンに対しては、その表面側に発泡ポリウレタンフォーム等からなるバスマットを設けることがよく行われている。こうすることにより、バスマットの無数の気孔が熱の移動を阻害するため、冷感を生じ難いという温感効果を生じる。なお、ベランダ、バルコニー等の床材をこれらと同様の構成とすれば、熱感を生じ難いという温感効果も生じると考えられる。
しかし、上記従来の浴室用防水パンは、FRP製品であることにより軽量性、高強度性等の優れた特質を発揮するものの、温感効果を得ようとすれば、発泡ポリウレタンフォーム等からなる別体のマットをわざわざ表面側に設けなければならず、使用者に面倒な作業を強いてしまう。
このため、出願人は、特願2003−298014において、FRP製の基部と、この基部の表面側に一体に設けられ、無数の気孔を有して構成された断熱部とを備えた温感部材を提案した。この温感部材においては、無数の気孔を有する断熱部がFRP製の基部と一体になっているため、使用者が面倒を感じることなく、温感効果を享受することが可能になる。
しかしながら、先の出願においては、気孔をもつ中空粒子等の気孔体の粒度分布について検討がなされていなかったため、各気孔体が断熱部内で密に存在しない場合もあり、そのような温感部材では必ずしも高い温感効果を期待することができない。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、使用者が面倒を感じることなく、より高い温感効果を発揮可能な温感部材を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の温感部材は、基部と、該基部の表面側で該基部と一体に設けられ、気孔を有して構成された断熱部と、該基部と該断熱部との間で該基部及び該断熱部と一体に設けられ、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の補強体とを備えた温感部材であって、
前記断熱部は前記気孔をもつ無数の気孔体を有し、各該気孔体は、粒径又は長さの分布において1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合と、粒径又は長さの分布において他の1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合との少なくとも二つの集合を混合することによって得られる2種類以上の中心粒径又は中心長さをもつものであり、
前記補強体は、前記断熱部側が前記基部側よりも前記繊維を密に有していることを特徴とする。
本発明の温感部材は、基部と断熱部とを備えており、断熱部が気孔をもつ無数の気孔体を有している。そして、各気孔が熱の移動を阻害することから、この温感部材は冷感及び温感を生じ難いという温感効果を生じる。また、この温感部材においては、その断熱部が基部と一体になっているため、使用者が面倒を感じることなく、温感効果を享受することが可能になる。
また、この温感部材は、各気孔体が粒径又は長さの分布において2種類以上の中心粒径又は中心長さをもつものであるため、各気孔体が断熱部内で密に存在しやすく、高い温感効果を発揮することができる。さらに、基部と断熱部との間には、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の補強体が両者に一体に設けられている。この補強体としては、ガラスマット、不織布、織布、紙等を採用することができる。このため、この温感部材では、基部と断熱部とが好適に接合されるため、優れた耐久性を発揮することができる。そして、補強体は、断熱部側が基部側よりも繊維を密に有している。このため、製造時に断熱部の気孔体が基部側に移動することがなく、温感効果が安定する。
したがって、この温感部材は、使用者が面倒を感じることなく、より高い温感効果を発揮可能である。
基部としては、FRP、金属等を採用することができる。断熱部は、気孔をもつ無数の気孔体を有している。
各気孔体は粒径又は長さの分布において2種類以上の中心粒径又は中心長さ(最頻値(Mode))をもつものである。つまり、粒状の気孔体であれば、各気孔体は粒径の分布において2種類以上の中心粒径をもつものである。また、繊維状の気孔体であれば、各気孔体は長さの分布において2種類以上の中心長さをもつものである。このような気孔体の集合は、粒径又は長さの分布において1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合と、粒径又は長さの分布において他の1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合との少なくとも二つの集合を混合することによって得られる。三つ以上の集合を混合することも可能である。
気孔体としては、中空粒子、中空繊維及び多孔質粒子の少なくとも1種を採用することができる。すなわち、中空粒子のみを採用する場合と、中空繊維のみを採用する場合と、多孔質粒子のみを採用する場合と、中空粒子及び中空繊維を採用する場合と、中空繊維及び多孔質粒子を採用する場合と、中空粒子及び多孔質粒子を採用する場合と、中空粒子、中空繊維及び多孔質粒子を採用する場合とがある。
中空粒子とは、非吸水性の球状又は略球状の殻内に密閉された中空部をもつ粒子である。中空粒子の中空部によって断熱部の気孔を確保すれば、その気孔は独立気孔となる。中空部内は、空気等の気体が充満していてもよく、真空であってもよい。無機系の中空粒子であってもよく、有機系の中空粒子であってもよい。無機系の中空粒子としては、粒径が数10μm程度のガラスバルーン、シリカバルーン、石英ガラスバルーン、フライアッシュ、シラスバルーン、アルミナバルーン、セラミックスバルーン等を採用することができる。有機系の中空粒子としては、粒径が数10μm程度のウレタンバルーン、フェノールバルーン、ポリアミドバルーン等を採用することができる。
中空繊維とは、非吸水性の筒状の殻内に両端が開放された中空部をもつ繊維である。中空繊維の中空部によって断熱部の気孔を確保しても、その気孔は個々には連続せず、やはり独立気孔となる。中空部内は、空気等の気体が充満していてもよく、真空であってもよい。無機系の中空繊維であってもよく、有機系の中空繊維であってもよい。無機系の中空繊維としては、直径が数10μm程度の中空ガラス繊維、中空シリカ繊維、中空石英ガラス繊維等を採用することができる。有機系の中空繊維としては、直径が数10μm程度の中空ポリエステル繊維、中空アクリル繊維等を採用することができる。
多孔質粒子とは、それ自体が多孔質の材料で構成された粒子である。多孔質によって形成される気孔は、密閉されたものであってもよく、開放されたものであってもよい。無機系の多孔質粒子であってもよく、有機系の多孔質粒子であってもよい。無機系の多孔質粒子としては、微細に発泡したセラミックスの粉砕物、珪藻土、シリカゲル、軽石粉等を採用することができる。有機系の多孔質粒子としては、微細に発泡した樹脂の粉砕物等を採用することができる。
断熱部の気孔は、各気孔体の内部のもの及び各気孔体間のものからなることが好ましい。この温感部材では、気孔体間の気孔によって断熱部の気孔率が上がり、より一層温感効果が高くなる。
断熱部は、各気孔体が点又は線接合されてなるものであることが好ましい。この温感部材では、気孔体の充填率が大きく、温感効果が高い。
断熱部の表面側には、断熱部と一体に設けられた非透水性の表面層が備えられていることが好ましい。この温感部材では、非透水性の表面層により断熱部の気孔に含水等を生じず、防汚性に優れる。表面層としては、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を採用することができる。
本発明の温感部材は、浴室用防水パン、浴槽、壁パネル、天井パネル、カウンター、ベランダやバルコニーやリビング等の床材、手摺、椅子、便座、樹脂タイル等に具体化可能である。ユニットバスルームを構成する浴室用防水パンのうち、洗い場部分に本発明を適用することが特に効果的である。人が裸足でその上に居るとしても、温感効果によってここちよく過ごすことが可能になる。
本発明の温感部材は以下の本発明の製造方法によって製造可能である。本発明の温感部材の製造方法は、基部を得る第1工程と、
気孔をもち、粒径又は長さの分布において1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合と、粒径又は長さの分布において他の1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合との少なくとも二つの集合を混合することによって得られる2種類以上の中心粒径又は中心長さをもつ無数の気孔体を含む断熱部を得る第2工程と、
該基部の表面側に該断熱部を一体に形成するとともに、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の補強体を前記基部と前記断熱部との間に設け、中間材を得る第3工程と、
該中間材の表面側に非透水性の表面層を形成し、温感部材を得る第4工程とを備え
前記補強体は、前記断熱部側が前記基部側よりも前記繊維を密に有していることを特徴とする。
第1工程では基部を得る。FRP製の基部を得るためには、ハンドレイアップ(HLU)法、スプレーアップ(SPU)法、シートモールディングコンパウンド(SMC)法、バルクモールディングコンパウンド(BMC)法、注型(キャスト)成形法、プリフォームマッチドダイ(PFMD)法、コールドプレス(CP)法、レジントランスファーモールディング(RTM)法、バキュームアシストレジントランスファーモールディング(VARTM)法、レジンインフュージョン(RIMP)法、オートクレーブ(AC)法、フィラメントワインディング(FW)法、引抜成形法、真空バッグ(VB)法、遠心成形(CC)法、回転成形(RM)法、加圧バッグ(PB)法等を採用することができる。これにより所定形状の基部が得られる。
第2工程では、無数の気孔体を含む断熱部を得る。各気孔体は、気孔をもち、粒径又は長さの分布において2種類以上の中心粒径又は中心長さをもつものである。これにより所定形状の断熱部が得られる。
第3工程では、基部の表面側に断熱部を一体に形成するとともに、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の補強体を基部と断熱部との間に設け、中間材を得る。この第3工程としては、第1工程及び第2工程を同時に行う方法、第1工程で得た基部に第2工程で得た断熱部を接合する方法等を採用することができる。
そして、第4工程では、中間材の表面側に非透水性の表面層を形成する。これにより所定形状の温感部材が得られる。
第2工程及び第3工程では、基部の表面側に接着剤を塗布して補強体を載せ、補強体の表面側に無数の気孔体を含む断熱部用塗料を塗布することにより、第2工程及び第3工程を行うことが好ましい。この場合、比較的簡易に本発明の温感部材を製造することができる。
断熱部用塗料は、溶剤によって希釈された接着液と、この接着液中に分散された無数の気孔体とからなることができる。各気孔体が加熱により互いに固着するものである場合、各気孔体を基部の表面側に設けた後、各気孔体を加熱することにより、第2工程及び第3工程を行うこともできる。各気孔体は、表層及び中心層からなる殻内に気孔をもち、表層が中心層よりも低温で溶解可能なものであることができる。また、各気孔体が加熱により膨張して内部に気孔を生じるものである場合、各気孔体を基部の表面側に設けた後、各気孔体を加熱することにより、第2工程及び第3工程を行うこともできる。
以下、本発明を具体化した実施例1〜13を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1では、以下の製造方法により、温感部材として浴室用防水パンを製造する。まず、気孔体として、内部に閉気孔3aをもち、粒径の分布において2種類の中心粒径をもつ無数の中空粒子3を用意する。1種類の中空粒子3の集合はガラスバルーン(中心粒径;40μm、住友3M(株)製「グラスバブルズ」)の集合である。他の1種類の中空粒子3の集合はセラミックスバルーン(中心粒径;250μm、太平洋セメント(株)製「E−SPHERES」)の集合である。そして、ガラスバルーンの集合とセラミックスバルーンの集合とを3:7の重量比で秤量する。ガラスバルーン及びセラミックスバルーンの集合の粒度分布を図1に示す。
また、補強体2として、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の不織布(厚み100μm)も用意する。この不織布は一面側が他面側よりも繊維を密に有している。
そして、第1工程として、ハンドレイ・スプレーアップ成形、SMC・BMCを用いたプレス成形等、既存のFRP製品の成形方法により、図2及び図3に示す基部1を得る。
この後、第2工程及び第3工程として、中空粒子3を互いに接合するためのバインディング剤としてのDAP樹脂(ジアリルフタレート樹脂)を用意し、このDAP樹脂をアセトンを溶媒として溶解し、第1溶液とする。この第1溶液に硬化剤としてBPO(有機過酸化物(ベンゾイルパーオキシド))をDAP樹脂に対して純分で1%混合し、第2溶液とする。そして、秤量したガラスバルーン及びセラミックスバルーンの集合を第2溶液に混合し、よく攪拌することにより断熱部用塗料とする。
次いで、基部1の表面側に接着剤を塗布して補強体2を載せる。この際、補強体2は、疎の面側を基部1側とする。また、補強体2の表面側に断熱部用塗料をスプレーガンを用いて塗布する。塗布した厚みはウェットの状態で200〜500μmとした。塗布後、常温下でこれを放置し、溶媒のアセトンを蒸発させる。この後、これを60〜80°Cに昇温された硬化炉内に1〜2時間保持し、DAP樹脂を硬化させる。これにより、各中空粒子3が点又は線接合された断熱部4が得られる。この断熱部4は、基部1の表面側で補強体2を介して一体に形成されている。この断熱部4は、内部に閉気孔3aをもち、粒径の分布において2種類の中心粒径をもつ無数の中空粒子3を含んでいる。また、断熱部4は、各中空粒子3の内部の閉気孔3aばかりでなく、各中空粒子3間の気孔3bも含んでいる。こうして、中間材が得られる。
そして、第4工程において、中間材の表面側に液状ウレタン樹脂を塗布し、液状ウレタン樹脂を硬化させ、非透水性の表面層5を形成する。こうして、比較的簡易に浴室用防水パンが得られる。
こうして得られる浴室用防水パンは、基部1と断熱部4とを備えており、断熱部4が内部に閉気孔3aをもつ無数の中空粒子3を有している。特に、この浴室用防水パンは、各中空粒子3が粒径の分布において2種類の中心粒径をもつものであるため、各中空粒子3が断熱部4内で密に存在している。また、この浴室用防水パンでは、各中空粒子3が断熱部4において点又は線接合されているため、中空粒子3の充填率が大きい。さらに、この浴室用防水パンでは、断熱部4が各中空粒子3の閉気孔3a及び各中空粒子3間の気孔3bを有しているため、断熱部4の気孔率が高い。このため、閉気孔3a及び気孔3bが熱の移動を阻害することから、この浴室用防水パンは、特に冷感及び温感を生じ難いという温感効果を生じる。また、この浴室用防水パンでは、断熱部4側が基部1側よりも繊維を密に有した補強体2を用いているため、製造時に断熱部4の中空粒子3が基部1側に移動することがなく、温感効果が安定している。
また、この浴室用防水パンにおいては、その断熱部4が補強体2を介して基部1と一体になっているため、使用者が面倒を感じることなく、温感効果を享受することが可能になる。
したがって、この浴室用防水パンは、使用者が面倒を感じることなく、より高い温感効果を発揮可能である。このため、この浴室用防水パンでは、人が裸足でその上に居るとしても、温感効果によってここちよく過ごすことが可能である。
また、この浴室用防水パンでは、基部1と断熱部4との間に補強体2が両者に一体に設けられているため、基部1と断熱部4とが好適に接合され、優れた耐久性を発揮することができる。また、この浴室用防水パンでは、断熱部4の表面側に非透水性の表面層5が断熱部4と一体に備えられているため、断熱部4における各中空粒子3間の気孔3bに含水等を生じず、防汚性に優れる。
(実施例2)
実施例2では、実施例1のバインディング剤であるDAP樹脂に変え、シランカップリング剤を用いる。他の条件及び構成は実施例1と同様である。こうして得られる浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例3)
実施例3では、気孔体として、中空粒子3としてのガラスバルーン(中心粒径;40μm、住友3M(株)製「グラスバブルズ」)の集合と、中空繊維6としての中空ガラス繊維(中心長さ;1.5mm、日東紡(株)製「2PE−905S」)の集合とを用意する。ガラスバルーンの集合と中空ガラス繊維の集合とを10:1の重量比で秤量する。
そして、実施例1の第2溶液に秤量したガラスバルーン及び中空ガラス繊維の集合を混合し、よく攪拌することにより断熱部用塗料とする。
次いで、基部1の表面側に接着剤を塗布して補強体2を載せるとともに、補強体2の表面側に断熱部用塗料をスプレーガンを用いて塗布する。そして、実施例1と同様、中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図4に示すように、断熱部4が内部に閉気孔3aをもつ無数の中空粒子3と、内部に気孔6aをもつ無数の中空繊維6とを有している。他の条件及び構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例4)
実施例4では、気孔体として、中空粒子3としてのガラスバルーン(中心粒径;40μm、住友3M(株)製「グラスバブルズ」)の集合と、多孔質粒子7としての微細に発泡したセラミックスの粉砕物の集合とを用いる。他の条件を実施例1と同一として得た断熱部用塗料を塗布し、実施例1と同様に中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図5に示すように、断熱部4が内部に閉気孔3aをもつ無数の中空粒子3と、内部に微細な気孔7aをもつ多孔質粒子7とを有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例5)
実施例5では、実施例1のガラスバルーンに変え、樹脂中空バルーン(中心粒径;40μm、日本フィライト(株)製「エクスパンセル092DE」)を用いる。他の条件及び構成は実施例1と同様である。こうして得られる浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例6)
実施例6では、実施例1のガラスバルーンに変え、未膨張樹脂中空バルーン(膨張時の中心粒径;10μm、日本フィライト(株)製「エクスパンセル092」)を用いる。また、実施例1のDAP樹脂の硬化材として、反応開始温度の高い硬化剤であるターシャリーブチルベーオキシベンゾエイト(日本油脂(株)製「バープチルZ」)を用いる。
他の条件を実施例1と同一として得た断熱部用塗料を塗布後、溶媒を蒸発させ、その後150〜180°Cの温度にてDAP樹脂を硬化させるとともに、未膨張樹脂中空バルーンを膨張させる。こうして、中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図6に示すように、断熱部4が内部に閉気孔3aをもつ無数の中空粒子3と、膨張によって内部に気孔8aが形成された無数の中空粒子8とを有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例7)
実施例7では、実施例1のガラスバルーンに変え、加熱により互いに固着する樹脂中空バルーン(中心粒径;40μm)を用いる。また、実施例1のセラミックスバルーンに変え、加熱により互いに固着する樹脂中空バルーン(中心粒径;250μm)を用いる。また、実施例1で用いたDAP樹脂やDAP樹脂のための溶媒は用いない。
他の条件を実施例1と同一として得た断熱部用塗料を塗布後、150〜180°Cの温度にて樹脂中空バルーンを互いに固着する。こうして、中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図7に示すように、断熱部4が内部に閉気孔9aをもつ無数の中空粒子9を互いに固着した状態で有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例8)
実施例8では、各気孔体として、表層及び中心層からなる殻内に気孔をもち、表層が中心層よりも低温で溶解可能なもの(中心粒径;20〜50μm)を用いる。各気孔体は粒径の分布において2種類以上の中心粒径をもつものである。こうして得られる浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例9)
実施例9では、気孔体として、中空繊維6としての中空ガラス繊維を用いる。各気孔体は長さの分布において2種類以上の中心長さをもつものである。他の条件を実施例1と同一として中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図8に示すように、断熱部4が内部に気孔6aをもつ無数の中空繊維6を有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例10)
実施例10では、多孔質粒子7として、微細に発泡したセラミックスの粉砕物を用いる。多孔質粒子7は粒径の分布において2種類以上の中心粒径をもつものである。他の条件を実施例1と同一として中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図9に示すように、断熱部4が内部に気孔7aをもつ無数の多孔質粒子7を有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例11)
実施例11では、多孔質粒子10として、珪藻土を用いる。多孔質粒子10は粒径の分布において2種類以上の中心粒径をもつものである。他の条件を実施例1と同一として中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、図10に示すように、断熱部4が微細な開気孔をもつ多孔質粒子10を有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例12)
実施例12では、図11に示すように、気孔体11として、Y字状の断面形状をもつ繊維を用いる。各気孔体11は長さの分布において2種類以上の中心長さをもつものである。他の条件を実施例1と同一として中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、断熱部4が微細な開気孔をもつ気孔体11を有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例13)
実施例13では、図12に示すように、気孔体12として、径方向に複数のひだをもつ繊維を用いる。各気孔体12は長さの分布において2種類以上の中心長さをもつものである。他の条件を実施例1と同一として中間材を得た後、浴室用防水パンを得る。
この浴室用防水パンは、断熱部4が微細な開気孔をもつ気孔体12を有している。他の構成は実施例1と同様である。この浴室用防水パンにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記実施例1〜13では、予め成形されたFRP製の基部1の表面に中空粒子3等が混合された断熱部用塗料を吹き付けて製作したが、PTFE製等の成形型の表面に中空粒子3等を含む断熱部用塗料を吹き付け、硬化させることにより断熱部4のみを予め製作しておき、別途成型された基部1に接着材を用いてこの断熱部4を貼り付けることも可能である。
本発明は、浴室用防水パン、浴槽、壁パネル、天井パネル、カウンター、ベランダやバルコニー等の床材等に利用可能である。
実施例1に係り、ガラスバルーン及びセラミックスバルーンの集合の粒度分布を示すグラフである。 実施例1の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例1の浴室用防水パンの模式拡大断面図である。 実施例3の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例4の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例6の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例7の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例9の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例10の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例11の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例12の浴室用防水パンの模式断面図である。 実施例13の浴室用防水パンの模式断面図である。
符号の説明
1…基部
3a、3b、6a、7a、8a、9a…気孔
4…断熱部
3、6、7、8、9、10、11、12…気孔体(3…中空粒子、6…中空繊維、7、10…多孔質粒子)
2…補強体
5…表面層

Claims (7)

  1. 基部と、該基部の表面側で該基部と一体に設けられ、気孔を有して構成された断熱部と、該基部と該断熱部との間で該基部及び該断熱部と一体に設けられ、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の補強体とを備えた温感部材であって、
    前記断熱部は前記気孔をもつ無数の気孔体を有し、各該気孔体は、粒径又は長さの分布において1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合と、粒径又は長さの分布において他の1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合との少なくとも二つの集合を混合することによって得られる2種類以上の中心粒径又は中心長さをもつものであり、
    前記補強体は、前記断熱部側が前記基部側よりも前記繊維を密に有していることを特徴とする温感部材。
  2. 前記断熱部は、各前記気孔体が点又は線接合されてなるものであることを特徴とする請求項記載の温感部材。
  3. 前記断熱部の表面側には該断熱部と一体に設けられた非透水性の表面層が備えられていることを特徴とする請求項1又は2記載の温感部材。
  4. 基部を得る第1工程と、
    気孔をもち、粒径又は長さの分布において1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合と、粒径又は長さの分布において他の1種類の中心粒径又は中心長さをもつ集合との少なくとも二つの集合を混合することによって得られる2種類以上の中心粒径又は中心長さをもつ無数の気孔体を含む断熱部を得る第2工程と、
    該基部の表面側に該断熱部を一体に形成するとともに、繊維が互いに空隙を確保しながら絡み合ってなるシート状の補強体を前記基部と前記断熱部との間に設け、中間材を得る第3工程と、
    該中間材の表面側に非透水性の表面層を形成し、温感部材を得る第4工程とを備え
    前記補強体は、前記断熱部側が前記基部側よりも前記繊維を密に有していることを特徴とする温感部材の製造方法。
  5. 前記基部の表面側に接着剤を塗布して前記補強体を載せ、該補強体の表面側に無数の前記気孔体を含む断熱部用塗料を塗布することにより、前記第2工程及び前記第3工程を行うことを特徴とする請求項記載の温感部材の製造方法。
  6. 前記断熱部用塗料は、溶剤によって希釈された接着液と、該接着液中に分散された無数の前記気孔体とからなることを特徴とする請求項記載の温感部材の製造方法。
  7. 前記気孔体は、中空粒子、中空繊維及び多孔質粒子の少なくとも1種であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項記載の温感部材の製造方法。
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