JP4410223B2 - 構造用チャンネル部材及びそれを用いたエレベーター、並びに当該構造部材の成形方法及び成形装置 - Google Patents

構造用チャンネル部材及びそれを用いたエレベーター、並びに当該構造部材の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、エレベーターのかご枠を構成しているコの字断面を持つリブ張出し構造部材及びそれを用いたエレベーター、並びに当該構造部材の加工法及び成形装置に関する。
エレベーターは、一般的に、次のようなかご枠構造を有しており、その一例が特許文献1に開示されている。即ち、図13は、従来のエレベーターを示す斜視図であり、図示のように、エレベーター50は、人や物が乗る乗りかご51と、その重量に見合う重さを有するカウンターウエイト52がエレベーターの巻上用の主ロープ53に懸架されている。乗りかご51は、下部両側に軸支した転向プーリ54(一方のみを示す)に巻掛けた巻上ロープ53により支持され、カウンターウエイト52はその上部に軸支した転向プーリ55に巻掛けて保持されている。
乗りかご51とカウンターウエイト52は、それぞれを案内するかごガイドレール58a,58b及びカウンターウエイトガイドレール59a,59bに沿ってエレベーターシャフト内を走行する。乗りかご51とカウンターウエイト52は、エレベーターシャフトの壁又は建屋梁により支持されたかごガイドとカウンターウエイトガイドとによって各ガイドレールに案内支持される。
巻上ロープ53は次のように巻き掛け配置されている。巻上ロープ53の一方の端部はエレベーターシャフトの上部内のカウンターウエイト52の通路より上方の固定手段62に固定されている。固定手段62からの巻上ロープ53はカウンターウエイト52の転向プーリ55に会うまで下降する。転向プーリ55を巻回すると巻上ロープ53は再び上昇して、巻上機56のトラクションシーブ57に巻掛けられる。巻上ロープ53は、トラクションシーブ57から乗りかご51側へ下降し、乗りかご51を支持している転向プーリ54を経由し、ガイドレール58aの最上部の固定手段63まで上昇し、ここで巻上ロープ53の他方の端部が固定される。
乗りかご51は、かご枠ベース65に対して複数の支持点においてそれぞれ防振ゴム66を介して支えられている。図14、図15には乗りかご51を支持するかご枠ベースが示されている。図14はかご枠ベースの斜視図であり、図15はかご枠ベースの平面図である。図14及び図15に示すように、かご枠ベース65は、コの字型断面部材から成る縦チャンネル材67と横チャンネル材68と複数本の横補強69から成る複数のチャンネル材を縦横に組み合わせて締結ボルトやリベットのような締結具或いは溶接によって結合することで構成されている。横補強69は全体の枠構造の中間に横断的に配置されている。防振ゴム66が配置される支持点は、チャンネル材67と、横チャンネル材68及び横補強69との複数の交点(図示の例では対称な6つの場所)とされている。
昇降機のかご枠ベース65は、かご自重及びかごに積載される人や物の荷重を支持する役割を有するもので、ウェブ部とフランジ部とから成るコの字型断面部材を組み合わせて構成されている。かご枠ベース65において、かご自重及びかごに積載される人や物の荷重は、かご枠ベース65上に配設した防振ゴム66を介して、かご枠ベース65に支持される。これより、横補強69は、荷重が作用しておらず、かご枠ベース65の強度を確保するためだけのものとなっている。また、かご枠ベース65の真ん中には、緩衝器受け69aが取り付けられている。緩衝器受け69aは、仮にエレベーターかご枠が落下した際に、ピット内に設けられている緩衝器に接触し、衝撃力を緩和するためのものである。この他にも、非常止め装置等が設けられているが、本発明には関係しないので、ここでは言及はしない。
エレベーターのかご枠の構造用部材には、図16に示すような断面コ字状のチャンネル部材1が用いられている。チャンネル部材1は長手方向に湾曲する曲げに対しては剛性が高いが、横断面内のフランジ1bの曲げに対しては弱い。エレベーターのかご枠構造では、フランジ1bの平面に対して垂直な方向に荷重がかかる部分がある。そのため、従来のかご枠の構造用部材として、チャンネル部材1の板厚を厚くする、或いは図17に示すように、補強部品2をリブ1aとその両端から延びるフランジ1b,1bとに溶接することにより、チャンネル部材1の横断面内における曲げ強度・剛性を確保している。
また、建物の補強構造として、建物の上下の梁の間に設ける補強枠体を有効に働かせ、水平力に対する建物の強度を向上させるものが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載のものでは、柱と梁がラーメン構造に接合された骨組構造体の上下の梁の間に補強枠体を設置し、補強枠体は縦材と横材とをラーメン構造に接合され、縦材を形鋼からなる上下の梁のフランジにボルト接合してなる建物の補強構造であって、補強枠体の縦材と梁のフランジとの接合部の近傍に、フランジ変形防止手段を設けたものである。フランジ変形防止手段としては、相対するフランジの両方に締結される通しボルトとされている。
上記のごとく、従来技術に係るチャンネル部材は、板厚を厚くする、或いは補強部品を溶接するため、エレベーターかご枠の重量が重たくなる、或いは製造コストが高くなるという要改善の問題がある。
特開2005−1892号公報(段落[0014]〜[0017]、図1) 特開2006−2365号公報
そこで、簡単な構造の変更、即ち、チャンネル部材のウェブ部及びフランジ部の一部分を加工変形させることによって、剛性を高めることができる構造用チャンネル部材、並びにそうして得られた構造用チャンネル部材をエレベーターのベースに適用すること、並びにそうした構造用チャンネル部材の成形方法及び装置を確立する点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、コの字断面部材に補強形状を一体成形することで、重量を増やすことなくかつ安価に横断面内のフランジ部の曲げ強度・剛性を確保した構造用チャンネル部材を得ること、及びそうして得られた構造用チャンネル部材をベースに適用してエレベーターを得ること、或いはそのような構造用チャンネル部材の成形方法及び成形装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明による構造用チャンネル部材は、ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されている一組のフランジ部とを有し、前記ウェブ部の長手方向の少なくとも1個所において、前記ウェブ部と前記一組のフランジ部とで囲まれるスペース側に、前記ウェブ部の全幅に渡って延びる一部と当該一部に接続する前記フランジ部の夫々の一部とを一体変形させた張出し凸部が形成されてなることを特徴としている。
この構造用チャンネル部材によれば、上記の形態で張出し凸部が形成されているので、構造用チャンネル部材の長手方向の軸線回りに作用する曲げについては、構造用チャンネル部材のフランジ部が、それに形成されている張出し凸部によって高い曲げ抵抗を示すので、構造材として高い剛性を発揮することができる。他の軸回りの曲げについては、従来のチャンネル部材と同様の高い剛性を示すことができる。
この構造用チャンネル部材において、張出し凸部は、ウェブ部の幅方向に断面一様に形成することができ、更に具体的な形状としてはフランジ部に平行な断面で見て、頂上が平らな山形、半円筒形或いは三角形に形成することができる。
また、この発明は、上記の構造用チャンネル部材が、エレベーターを構成するかご枠の内、かごに作用する積載荷重を保持する機能を有するベースに適用されて構成されたエレベーター構造とすることができる。乗りかごの荷重が作用するベースは、縦横のチャンネル部材を組み合わせて構成され、何れかのチャンネル部材に、張出し凸部が形成された構造用チャンネル部材を用いることにより、乗りかごの荷重が作用するベースの剛性を高めることができる。特に、構造材の長手方向に直交する断面で見て、片持ち状態のフランジ部が曲げを受けるときに、張出し凸部がその曲げに対して大きな抵抗を示し、軽量でありながら大きな曲げ剛性を示すことができる。
また、この発明による構造用チャンネル部材の成形方法は、ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されているフランジ部とを有する構造用チャンネル部材に対して、長手方向の少なくとも1箇所に中子型に前記ウェブ部と前記フランジ部で囲まれる空間が入るようにセットした後、ウェブ部拘束治具及びフランジ部拘束治具によりそれぞれ前記ウェブ部と前記フランジ部とを拘束し、凸部成形治具を前記空間内の前記ウェブ部に押し込むことにより、張出し凸部を形成することを特徴としている。
この構造用チャンネル部材の成形方法によれば、中子型に、ウェブ部と両フランジ部とで形成されるコの字断面部材内の空間が入るようにセットした後、フランジ部拘束治具によりフランジ部を拘束し、ウェブ部拘束治具によりウェブ部を拘束しているので、凸部成形治具をウェブ部に押し込むときに、少なくとも1箇所の張出し凸部が材料移動量の少ない塑性変形によって形成される。
また、この発明による構造用チャンネル部材の成形装置は、ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されているフランジ部とを有する構造用チャンネル部材に対して、前記ウェブ部と前記フランジ部で囲まれる空間内にセットされる中子型、前記ウェブ部に適用されウェブ部拘束用の荷重が作用されるウェブ部拘束治具、前記フランジ部に適用されフランジ部拘束用の荷重が作用されるフランジ部拘束治具、及び荷重が作用される凸部成形治具を備えることを特徴としている。
この構造用チャンネル部材の成形装置によれば、中子型と、フランジ部拘束治具及びウェブ部拘束治具で拘束された構造用チャンネル部材は、凸部成形治具が拘束されていないウェブ部に作用して塑性変形を受け、ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されているフランジ部とで囲まれるスペースに向けて、張出し凸部が成形される。各治具に荷重を作用させる手段としては、例えば、油圧機構又はクランク機構を用いることができる。
この構造用チャンネル部材の成形装置において、ウェブ部拘束治具は、前記ウェブ部と前記フランジ部をつなぐRを拘束できる形状を有することが好ましい。前記ウェブ部と前記フランジ部をつなぐRを拘束することにより、チャンネル部材の長手方向に反りを生じることなく張出し凸部の形成が確実になる。
そして、前記成形装置は中子型又はウェブ拘束治具の少なくとも一方の、前記ウェブ部と接触する面にはローレットが形成されていることを特徴とする。中子型又はウェブ拘束治具の少なくとも一方において、コの字断面部材のウェブ部と接触する面にローレット加工を施すことによって、凸部成形治具の押し込みの際に、ローレット加工万はウェブ部に大きな摩擦力を作用するので、ウェブ部の材料流れを防止し、コの字断面部材の反りの発生を回避することができる。
また、前記成形装置は、フランジ面内の曲げを拘束するフランジ下部拘束治具を備えることができる。フランジ下部拘束治具を配設することでコの字断面部材のフランジ面内の曲げが拘束されるので、凸部成形治具の押し込みの際には、拘束されたフランジ部では面内曲げが生じず、非拘束部で生じる剪断変形を経て張出し凸部が形成される。この場合も、ウェブ部の材料流れは防止され、コの字断面部材の反りの発生を回避することができる。
前記フランジ部拘束治具の最上部には、前記フランジ部に対面する側にテーパ部分を形成することができる。フランジ部拘束治具の最上部にテーパ部分を形成することによって、成形幅に合わせた幅を有する凸部成形治具が押し込まれる際に、凸部成形治具の両側部は、フランジ部拘束治具に対してそのテーパ部分の逃げがあるので衝突しない。また、押し込みの経過に従って、フランジ部拘束治具のテーパ部分は凸部成形治具のガイドの働きをするので、コの字断面部材を角がはっきりした綺麗な成形を得ることができる。
以上説明したように本発明によれば、エレベーターのかご枠を構成するコの字断面部材の長手方向において部分的に、即ち少なくとも1個所において、ウェブ部と一組のフランジ部とで囲まれるスペース側に、ウェブ部の全幅に渡って延びる一部と当該一部に接続するフランジ部の夫々の一部とを一体変形させた張出し凸部が形成される。ウェブ部がコの字断面部材開口方向に凸となった張出し凸部が補強の役割を果たし、コの字断面部材横断面内でウェブ部に対して片持ち状となるフランジ部の曲げ強度・剛性を確保することができる。また、本発明によれば、コの字断面部材の長手方向において、部分的に、即ち少なくとも1個所において、ウェブ部の全幅に渡って延びる一部と当該一部に接続するフランジ部の夫々の一部とがコの字断面部材開口方向に凸となるように一体変形されて張出し凸部が形成される構造部材を加工できるので、従来技術と比較し板厚を薄くでき、重量を増やすことなくかつ安価に、コの字断面部材横断面内のフランジ部の曲げ強度・剛性を確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明による構造用チャンネル部材の第1実施形態に係り、その端部を含む一部を示す外観斜視図である。構造用チャンネル部材1は、長手方向に直交する断面で見てコの字状を呈しており、ウェブ部1aと、ウェブ部1aの幅方向両端縁から同じ方向に直角に折れ曲がって形成されたフランジ部1b,1bとを備えている。この例では、フランジ部1b,1bは同じ幅として対を成している。フランジ部1b,1bは、互いに異なる幅であてもよい。例えば、フランジ部1b,1bが上下に配置される場合には、下側のフランジ部を上側のフランジ部よりも幅広とすることができる。
構造用チャンネル部材1の長手方向の少なくとも一個所には、ウェブ部1aの幅方向(図中のX方向)全幅に渡って延びる一部と当該一部に接続する両フランジ1b,1bの各一部とが、ウェブ部1aと両フランジ部1b,1bとで囲まれるスペース4側に向かって(即ち、コの字断面の開口方向に)凸に変形されて、張出し凸部3が形成されている。図1に示す例では、張出し凸部3は幅方向Xに断面が一様に形成されており、図1(a)では断面円弧形状の凸部3aに、図1(b)では断面台形形状の凸部3bに、図1(c)では断面三角形状の凸部3cに、それぞれ形成されている。張出し凸部3の各断面形状に応じて、ウェブ部1aの背面側には、両フランジ1b,1bにまで開く断面円弧形状の溝5a、断面台形形状の溝5b、断面三角形状の溝5cがそれぞれ形成される。
図2は、図3に示す張出し凸部3の諸元について、強度と成形性の観点からの成形条件を実験より求めた結果を示している。図3に示すように、張出し凸部3の規模は、長手方向Zに渡る成形幅21と、ウェブ部1aに直交する深さ方向Yの成形高さ22とによって定められる。図2において、張出し凸部3についての成形限界曲線24は肉厚が一番薄くなる図3のA部の評価により求め、張出し凸部3についての強度限界曲線23は構造用チャンネル部材1の横断面内のフランジ1bの曲げ強度の評価により求めた。
図2において、張出し凸部3の強度限界曲線23より下側の範囲では強度に問題がある。即ち、横軸である成形幅21を幅広とするに従って成形高さ22を大きくし得るが、成形高さ22をある割合以上に大きくしないと、張出し凸部3を設けて構造用チャンネル部材1の強度を高めることの技術的意義が薄れる。一方、張出し凸部3の成形限界曲線24より上側の範囲では、図3のA部において成形性に問題がある。張出し凸部3の強度と成形性の観点から、成形限界曲線24と強度限界曲線23とに囲まれた範囲のリブ張出し凸部成形条件25で成形するのが良い。
次に、本発明による構造用チャンネル部材の成形方法について説明する。図4には、この発明による構造用チャンネル部材の成形方法の一例が成形過程として示されている。図4に示すように、構造用チャンネル部材1のウェブ部1aとフランジ1b,1bを中子型10と接触するようセットした後、ウェブ部拘束治具11,11を図3に示す成形幅21の長手方向両側で変形を意図しない領域に配置し、ウェブ部1aを中子型10との間でその板厚方向に挟み込んでウェブ部1aの板厚方向の変形を拘束する。また、フランジ部拘束治具13,13をフランジ部1b,1bの外側に沿わせて配置し、中子型10との間でその板厚方向に挟み込んでフランジ部1b,1bの板厚方向の変形を拘束する。そして、ウェブ部1aとフランジ部1b,1bとをそれらの板厚方向への変形を拘束した状態で、ウェブ部1aの上面から構造用チャンネル部材1の開口方向に凸部成形治具12を押し込んで張出し凸部3を成形する。凸部成形治具12を押し込むと、図5(a)にそれぞれ矢印で示すようにウェブ部1aは中央部分がその押し込み方向に凹むように反り、フランジ部1b,1bはウェブ部1aから遠い側が開く態様の変形を生じようとするが、ウェブ部拘束治具11,11及びフランジ部拘束治具13,13は、こうした変形が生じようとするのを阻止するので、張出し凸部3はその本来の意図のとおりに成形される。
図4の(a)、(b)、(c)は、凸部成形治具12の押し込み程度が順に進行する様子を示しており、図4(a)は凸部成形治具12がウェブ部1aの上面に当接した状態を、図4(b)は凸部成形治具12の押込みが進行して構造用チャンネル部材を変形させている途中状態を、そして、図4(c)は凸部成形治具12の押込みが完了して構造用チャンネル部材に張出し凸部3が成形された状態を、それぞれ示している。
張出し凸部3を成形するための構造用チャンネル部材の成形装置は、特に図示しないが、凸部成形治具12に荷重を作用するための油圧機構又はクランク機構を有することができる。また、フランジ部拘束治具13,13に荷重を付与して中子型10との間でフランジ部を拘束するための油圧機構を有し、ウェブ部拘束治具11,11に荷重を付与して中子型10との間でウェブ部を拘束するための油圧機構を有している。フランジ部拘束治具とウェブ部拘束治具とを拘束するための荷重は、凸部成形治具12を荷重する機構からの力を、カム機構等により分配して作用させても良い。
前記した構造用チャンネル部材の成形方法のみでは、図5(b)に示すように、ウェブ部拘束治具11で拘束されるウェブ拘束部分1cと、ウェブ部拘束治具11で拘束されないウェブ未拘束部分1dとの間に、構造用チャンネル部材1の長手方向に反りが発生する。こうした反りの原因は、凸部成形治具12の押し込みに起因して、ウェブ部1aの材料が矢印で示す方向に流れるように引き込まれることによる。この反りは、構造用チャンネル部材1の用上の問題となるため、その反りを抑制する方法が求められる。
上記の構造用チャンネル部材1に生じやすい反りの抑制方法として、ウェブ部の引込みを拘束する方法と、フランジ部の曲げを拘束する方法とがある。図6はウェブ部の引込みを拘束する方法の一例を示す説明図、図7はウェブ部の引込みを拘束するための摩擦係数増加の説明図である。ウェブ部拘束治具11,11が、構造用チャンネル部材1のウェブ部1aを中子型10との間で挟み込んで拘束するのに用いられる。中子型10とウェブ部拘束治具11,11とによるウェブ部1aの挟み込みによって、図5(b)で示したようなウェブ部1aの材料流れが阻止され、その結果、構造用チャンネル部材1に生じようとする反りが防止される。
構造用チャンネル部材1に生じる反りを効果的に抑制するため、図7に示すように、ウェブ部拘束治具11と接触するウェブ拘束部分1c,1c、或いは中子型10と接触するウェブ拘束部分1e,1eにおいて接触面の摩擦係数を増加させることが好ましい。摩擦係数を増加させるため、ウェブ部拘束治具11と中子型10との少なくとも一方において、ウェブ部1aとの接触面にローレット加工などにより溝形が形成される。溝形面をウェブ部1aに荷重を以て押し付けたときに、大きな摩擦力が得られ、ウェブ部1aの材料の流れが防止される。
構造用チャンネル部材1に生じる反りの抑制方法として、フランジ部の曲げを拘束する方法が図8及び図9に示されている。図8はフランジ部の曲げを拘束する方法の説明図であり、図9はフランジ部の曲げを拘束する方法の概念図である。図9に示すように、構造用チャンネル部材1のフランジ部を、ウェブ部拘束治具11の上面抑えとフランジ下部拘束治具14とによって上下で挟んで拘束し、その状態で凸部成形治具12を押し込むと、拘束されたフランジ部1bとの間に位置するウェブ1aとフランジ1b,1bとの間の領域は剪断力で変形する剪断変形部15となり、ウェブ部1aの材料移動を可及的に少なくすることができる。ウェブ部拘束治具11の上面押えとフランジ部下部拘束治具14とでフランジ部1b,1bを挟み込むことにより、フランジ部1bの面内の曲げが拘束され、その結果、構造用チャンネル部材1に生じようとする反りが防止される。
フランジ部の曲げを拘束する方法を用いる場合、各ウェブ部拘束治具11の上面抑えの端部は、成形品の肩部Rの部分までを拘束する必要がある。即ち、ウェブ1aとフランジ1b,1bを繋ぐRを拘束する形状11aを有する。形状11aは、ウェブ部1aとフランジ部1b,1bを繋ぐRの外側の湾曲形状に倣った形状を有している。形状11aの内面をR10程度の曲面とし、中子10の対応する肩部の外面をR5程度の曲面とすることで、上面抑え直下の中子10のRを成形品である構造用チャンネル部材1の内側Rと同じにすることができる。
図10は、凸部成形治具12とフランジ部拘束治具13との干渉を防止する構造の一例を示す部分図である。凸部成形治具12のパンチ幅が成形品(構造用チャンネル部材1)の幅よりも大きい場合、図10(d)に示すように、凸部成形治具12がフランジ部拘束治具13に干渉して衝突する。この衝突を回避するため、凸部成形治具12のパンチ幅を成形品の幅よりもあえて小さくする場合、図10(e)に示すように、凸部成形治具12とフランジ部拘束治具13との間に隙間が生じる。そこで、本発明による成形方法(装置)では、図10(a)〜(c)に示すように、フランジ部拘束治具13の上部にテーパ部16を形成した。フランジ部1bは、テーパ部16に倣うように変形するが((b)図)、両治具が衝突することなくテーパ部16を通過した時点で、ウェブ部1aとフランジ部1bは、本来の形状に戻って成形される((c)図)。
図11は、張出し凸部3の加工の際に構造用チャンネル部材1の長手方向に生じる反り量31を示した比較図である。即ち、反り量33はフランジ部1bの面内の曲げを拘束した場合、反り量34はウェブ部1aの引込みを拘束した場合、反り量32はいずれも拘束しない場合、そして、反り量35はいずれも拘束した場合の各反り量の概略を棒グラフとして示している。図8からは、フランジ部1b,1bの面内の曲げを拘束する方法、又はウェブ部1aの引込みを拘束する方法の少なくともどちらか一方を適用することにより、張出し凸部3の加工の際に構造用チャンネル部材1の長手方向に生じる反りを抑制することができることが解る。
以上、詳細に説明した構造用チャンネル部材は、エレベーターを構成するかご枠のうち、かごに作用する積載荷重を保持する機能を有する下部床、即ち、ベース70を構成する少なくとも1つ以上の縦チャンネル材67、横チャンネル材68、及び横補強69に適用される。本発明の一例として図12に示すエレベーター構造のベース70は、従来のベース65を構成する縦チャンネル材67、横チャンネル材68及び複数本の横補強69として、それぞれ適宜の個所、好ましくは、乗りかごの重量を防振ゴムを介して支持する部分の近傍等に、張出し凸部3(本例では、台形形状の凸部3b)が形成された構造用チャンネル部材を用いている。各チャンネル材は、両フランジ部が上下に配置され、ウェブ部がこれらのフランジ部を接続している。
本発明はコの字断面部材を構造用部材として製造、使用する分野である、エレベーター、建築などに利用できる。
本発明第1の実施の形態に係る構造部材の外観斜視図である。 図1に示す構造部材において、張出し凸部の成形条件を示す図である。 張出し凸部を有するコの字断面部材の外観斜視図である。 張出し凸部の成形工程の外観斜視図であり、(a)成形前、(b)成形中期、(c)成形後期をそれぞれ示す図である。 張出し凸部の成形後に生じる反りを示した正面図である。 本発明によるウェブの引込み拘束方法の一例を示す断面図である。 ウェブの引込みの拘束について説明する説明図である。 本発明によるフランジ部拘束方法の一例を示す断面図である。 フランジ部の拘束について説明する説明図である。 凸部成形治具とフランジ部拘束治具との干渉を防止する構造の一例を示す図である。 フランジ面内の曲げ拘束とウェブの引込み拘束の、反り低減の効果を示した図である。 本発明によるエレベーター構造のベースの一例を示す平面図である。 従来のエレベーターのシステムの一例を示す斜視図である。 図13に示すエレベーターの乗りかごを支持するベースの斜視図である。 図13に示すエレベーターの乗りかごを支持するベースの平面図である。 従来のコの字断面部材の外観斜視図である。 従来の補強部品が付いたコの字断面部材の外観斜視図である。
符号の説明
1 コの字断面部材
1a ウェブ
1b フランジ
2 補強部品
3 リブ張出し凸部
10 中子型
11 ウェブ拘束治具
12 凸部成形治具
13 フランジ部拘束治具
14 フランジ下部拘束治具

Claims (16)

  1. ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されている一組のフランジ部とを有し、前記ウェブ部の長手方向の少なくとも1個所において、前記ウェブ部と前記一組のフランジ部とで囲まれるスペース側に、前記ウェブ部の全幅に渡って延びる一部と当該一部に接続する前記フランジ部の夫々の一部とを一体変形させた張出し凸部が形成されてなることを特徴とする構造用チャンネル部材。
  2. 請求項1記載の構造用チャンネル部材において、前記張出し凸部は、前記ウェブ部の幅方向に断面一様に形成されていることを特徴とする構造用チャンネル部材。
  3. 請求項2記載の構造用チャンネル部材において、前記張出し凸部は、前記フランジ部に平行な断面で頂上が平らな山形に形成されていることを特徴とする構造用チャンネル部材。
  4. 請求項2記載の構造用チャンネル部材において、前記張出し凸部は、前記フランジ部に平行な断面で半円筒形に形成されていることを特徴とする構造用チャンネル部材。
  5. 請求項2記載の構造用チャンネル部材において、前記張出し凸部は、前記フランジ部に平行な断面で三角形に形成されていることを特徴とする構造用チャンネル部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記構造用チャンネル部材が、エレベーターを構成するかご枠の内、かごに作用する積載荷重を保持する機能を有するベースに適用されていることを特徴とするエレベーター構造。
  7. 請求項6に記載のエレベーター構造において、前記構造用チャンネル部材は、前記ベース間を固定するための補強部材に適用されていることを特徴とするエレベーター構造。
  8. 請求項6に記載のエレベーター構造において、前記構造用チャンネル部材は、前記かごの下部床に適用されていることを特徴とするエレベーター構造。
  9. 請求項6に記載のエレベーター構造において、前記フランジが上下に置いて使用されいることを特徴とするエレベーター構造。
  10. ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されているフランジ部とを有する構造用チャンネル部材に対して、長手方向の少なくとも1箇所に中子型に前記ウェブ部と前記フランジ部で囲まれる空間が入るようにセットした後、ウェブ部拘束治具及びフランジ部拘束治具によりそれぞれ前記ウェブ部と前記フランジ部とを拘束し、凸部成形治具を前記空間内の前記ウェブ部に押し込むことにより、張出し凸部を形成することを特徴とする構造用チャンネル部材の成形方法。
  11. ウェブ部と当該ウェブ部の両端から同じ側に折れ曲がって形成されているフランジ部とを有する構造用チャンネル部材に対して、前記ウェブ部と前記フランジ部で囲まれる空間内にセットされる中子型、前記ウェブ部に適用されウェブ部拘束用の荷重が作用されるウェブ部拘束治具、前記フランジ部に適用されフランジ部拘束用の荷重が作用されるフランジ部拘束治具、及び荷重が作用される凸部成形治具を備えることを特徴とする構造用チャンネル部材の成形装置。
  12. 請求項11記載の構造用チャンネル部材の成形装置において、前記凸部成形治具の形状が台形であることを特徴とする構造用チャンネル部材の成形装置。
  13. 請求項11又は12記載の構造用チャンネル部材の成形装置において、前記ウェブ部拘束治具は、前記ウェブ部と前記フランジ部をつなぐRを拘束できる形状を有していることを特徴とする構造用チャンネル部材の成形装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項記載の構造用チャンネル部材の成形装置において、中子型又はウェブ拘束治具の少なくとも一方の、前記ウェブ部と接触する面にはローレットが形成されていることを特徴とする構造用チャンネル部材の成形装置。
  15. 請求項11又は12記載の構造用チャンネル部材の成形装置において、フランジ面内の曲げを拘束するフランジ下部拘束治具を有していることを特徴とする構造用チャンネル部材の成形装置。
  16. 請求項11〜15のいずれか1項記載の構造用チャンネル部材の成形装置において、前記フランジ部拘束治具の最上部には、前記フランジ部に対面する側にテーパ部分を形成したことを特徴とする構造用チャンネル部材の成形装置。
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