JP5500472B1 - 断面隅部補強構造部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】せん断曲げを受ける薄板構造部材に対し、断面を構成するフランジ及びウェブの力学的安定性を確保し、フランジ降伏後の曲げ耐力を維持して部材の塑性変形能力の向上を図る。
【解決手段】みぞ形断面部材及びH形断面部材について、ウェブ1の片側面乃至両側面に上下フランジ3と並行して矩形断面部材4を配し、前記部材断面の一端をウェブに添接するとともに他端をフランジに添接して断面隅部に三角形の管状体を設ける。模式図で示すように構造部材として力学的釣合を保つ上で必要な捩り強さMに対し実線矢印で示すせん断応力と応力流れの中心位置との距離の積である閉鎖型断面の大きな捩り強さMT1,MT2で補うことができ、断面板要素の局部座屈変形が抑えられ且つ部材全体の曲げ捩り座屈が回避され、薄板で構成される構造部材に対しても降伏荷重に至り且つ降伏後も安定して耐力維持される良好な力学性能を付与することができる。
【選択図】図15

Description

本発明はせん断曲げを受けるウェブの両端にフランジを有する構造部材に関するもので、面内せん断を受けるウェブのせん断座屈と圧縮を受けるフランジの捩り座屈を回避し、フランジ降伏後も塑性曲げモーメントを維持して構造部材の塑性変形能力を高めることを意図するものである。特に、薄板で構成される構造部材の最適な補強方法を提案し且つ出来るだけ簡単な補強構造とする。
部材両端から逆対称曲げモーメントを受ける構造部材について、面内せん断よるウェブせん断座屈に対する補強方法と材端部近傍のフランジ降伏荷重の維持に関する補強方法とについてはこれまで多く提案されているものの、ウェブとフランジとを個別の視点で取扱われることが多く、部材降伏後の力学挙動としては両者に跨る要因が多々あり設計上対応する上で問題があった。
一般的に部材両端部から塑性化が進行する構造部材について、ウェブ降伏後の耐力維持に関しては板厚を上げるために降伏点の低い鋼材を使用することやウェブ面を補強してせん断座屈を回避することにより対応し、フランジ降伏後の耐力維持に関しては幅厚比を小さく制限することが主であり、他に部材端部近傍での補強や部材接合部の工夫等の試みが見られる。
特開 平06−017507 公開特許公報 特開 平10−220061 公開特許公報 特開2002−173977 公開特許公報 特開2003−064901 公開特許公報 特開2008−133694 公開特許公報 特開2011−113264 公開特許公報 特開2011−202424 公開特許公報
解決しようとする課題は、せん断曲げを受ける構造部材について、ウェブのせん断座屈に伴う耐力低下を回避し且つ部材両端部から進行するフランジの塑性化に対しては降伏後も塑性曲げ耐力を維持し得るようにすることである。特に、ウェブのせん断とフランジの曲げへの対応は相互に関連するため両者に最も効果的な補強方法を考え、可能な限り薄板で構成し且つ塑性変形能力の高い構造部材とする。
面内せん断を受けるウェブは力学的には捩りの釣合であり,圧縮軸力を受けるフランジも捩り座屈が対象であること、更にそれぞれの板要素の境界条件としてウェブに対する周辺フランジ,フランジに対する中央部ウェブは単純支持より固定支持即ち回転拘束が求められ、これら全てに共通して効果的な補強としては部材断面の捩り剛性及び捩り強さを上げることである。
ウェブの両端にフランジを有する構造部材に対する本補強方法は、ウェブの片側面乃至両側面に上下フランジと並行して矩形断面部材乃至L字形断面部材を配し且つ前記断面の一端をウェブに又他端をフランジに添接して部材断面隅部に三角形乃至四角形の管状体を設けるもので、部材に閉鎖型断面となる要素を組入れることで捩りに強い構造部材とすることである。
図15はウェブとフランジとの交差部である断面隅部に閉鎖型断面である管状体のある代表的断面図で、模式図で示すように構造部材として力学的釣合を保つに必要な捩り強さMは実線矢印で示すせん断応力と応力流れの中心位置との距離の積である閉鎖型断面の大きな捩り強さMT1,MT2で十分対応でき、本補強方法は断面構成板要素についても部材全体についても力学的安定を確保する上で有効である。
ウェブとフランジとの断面隅部の補強により管状体を設けることはウェブ板厚を薄くする上で効果がある。図11は面内せん断を受けるウェブに対し材長方向に連続し上下フランジと並行してV字形に補強された場合である。下段の図は周辺部からウェブに加わるせん断力と面内せん断に伴う点線矢印の圧縮主応力−σ,実線矢印の引張主応力+σとの釣合いを示した模式図である。
図12に解析結果を示すが、部材成Hと管状体の大きさhとの比が同じで且つ正方形で区切られたウェブ幅厚比を100,125,150とし、h/Hを10.0%の場合が3本の実線,6.7%の場合が3本の点線である。前者は大きな幅厚比にも拘らずせん断降伏荷重に至りその後安定して耐力維持され、後者は管状体の捩り強さが半減するため降伏荷重が若干下がるもののその後の耐力低下はない。
図13のみぞ形断面部材及びH形断面部材の捩り剛性がに断面隅部の管状体により如何に変化するかを調べるための断面図で、管状体の大きさ及びウェブ面の片側乃至両側配置の例である。部材に加えられる捩り荷重はウェブ断面軸上の中心位置とし、材端部での断面板要素のそりを拘束することのないようウェブ断面軸上を支持して捩りを加えることを解析の前提としている。
図14は、板厚6.0mmで成600mm,幅200mmのみぞ形断面部材に対し2辺が90mmと120mmの三角形となる管状体をウェブ面の片側に設けた場合、成600mm,幅300mmのH形断面に対し2辺が90mmの三角形となる管状体をウェブ面の片側及び両側に配した場合である。捩り力が加わる初期段階の弾性剛性は補強の有無によって大きく変わり、破線で示すように低いもので略25倍,高いもので略60倍と換算される。
みぞ形断面部材に対する材長方向への断面隅部補強を示す構造図である。 逆対称曲げモーメントを受けるみぞ形断面部材の力学挙動の説明図である。 フランジ先端部にリブのあるH形断面部材の断面隅部補強の構造図である。 逆対称曲げモーメントを受けるH形断面部材の力学挙動の説明図である。 H形断面部材に対しL字形断面部材で四角形管状体を設けた構造図である。 フランジに並行する管状体の形状と部材の塑性変形能力の説明図である。 柱部材としてウェブの断面中立軸上にスティフナー補強する構造図である。 部材両端部の降伏曲げ荷重への圧縮軸力の影響に関する説明図である。 材長方向に断面成が変わる部材のウェブせん断補強を示す構造図である。 部材の片側端部から塑性化する長大スパン梁の力学挙動の説明図である。 断面隅部の補強で拘束された面内せん断を受けるウェブの構造図である。 並行する管状体の捩り強さとウェブ幅厚比との関わりの説明図である。 みぞ形断面部材及びH形断面部材に対する捩り荷重の作用図である。 捩りを受ける断面隅部補強部材と初期弾性剛性に関する説明図である。 断面隅部の管状体と捩りによる断面内の応力流れを示す模式図である。
図1はみぞ形断面部材のウェブを正面から見たもので、ウェブ1と上下フランジ3との断面隅部に帯板4を添接し三角形となる管状体を設ける。部材長手方向に6等分して材軸と直交するスティフナー6を配し、塑性化が進行する左右両端部近傍の領域では管状体を大きくb1‐b1断面,その内側2区間では小さくb2‐b2断面とし、更に部材中央部2区間では隅部補強のないb3‐b3断面とする。
図3は突出リブのあるフランジ3のH形断面部材で、ウェブ1と上下フランジ3との断面隅部に帯板4を添接しウェブ面を対称に三角形となる管状体を設ける。部材長手方向に4等分してスティフナー6を配し、塑性化が進行する左右両端部近傍の領域ではb1‐b1断面となる管状体を配し,部材中央部2区間ではフランジ両先端部のリブ効果もあり隅部補強のないb2‐b2断面とする。
図5は矩形断面であるフランジ2のH形断面部材で、圧縮軸力を受けるフランジとしては平板弱軸回りの曲げ剛性が小さく、これを補うべくウェブ1の両面からL字形断面部材5を添接して四角形となる管状体を設ける。部材長手方向に4等分してスティフナー6を配し、塑性化が進行する左右両端部近傍の領域では管状体を大きくb1‐b1断面,その内側2区間では小さくb2‐b2断面とし、部材全長に亘り断面隅部を補強する。
図7は突出リブのあるフランジ3のH形断面部材を柱として使用する場合で、部材が短くせん断力の比重が高くなるため部材長手方向に4等分し、両端部近傍の領域では断面隅部補強をウェブ1の両側に,部材中央部2区間ではウェブ片側に帯板4で三角形の管状体を設ける。圧縮軸力による塑性曲げモーメントへの影響を小さくするため、部材の両端部近傍の領域では断面中立軸上のウェブ片側面に材軸方向へスティフナー7を添接する。
図9は部材長手方向に断面成が一様に変わる大スパンの梁部材で、ウェブ1の両端には先端部に突出リブのあるフランジ3とし、断面隅部の補強は部材全長に亘りウェブ両面から斜めに帯板4を添接して上下フランジに沿い三角形となる管状体を設ける。部材長手方向に4等分して材軸と直交するスティフナー6を配し、成の大きな側から中央部迄の2区間には断面中立軸上のウェブに材軸方向のスティフナー7を添接補強する。
図1は6.0mm板厚で構成する成600mm,幅200mmでフランジ先端部のリブが60mmのみぞ形断面部材で、部材長手方向に6等分しスティフナーを設け、曲げ降伏する部材両端部近傍の領域では断面隅部に6.0mm板厚の帯板を斜めに添接し2辺が120mmの三角形,その内側の領域では2辺が90mmの三角形となる管状体を設け、部材中央部の2区間では断面隅部の補強はしない。
図2は部材長さ7,200mm,9,000mm,10,800mm,12,600mmの結果を4本の実線で示したが、捩りに弱いとされる非対称断面であるみぞ形断面部材であっても断面隅部補強による管状体の極めて大きな捩り剛性と捩り強さが寄与して力学的に安定する。縦軸は材端部の曲げ荷重を塑性曲げモーメントMpの比で,横軸は部材両端の変形角で示し、部材中間領域では横変形拘束は無いものとしている。
図2の上段に示す点線は材長5,400mmの部材で、部材長さが短く両材端部のフランジが降伏する時点でウェブに作用するせん断力の割合が増すために部材長手方向を4分割し且つ部材全長に断面隅部補強をし、前記材端部両側と中間の区間とに大小の管状体を設けた場合である。なお、本実施例では横変形拘束のない条件下の結果であるが、非対称断面部材に対しては両材端部近傍の部位では捩り拘束することが望ましい。
図3は6.0mm板厚で構成する成600mm,幅300mmでフランジ両先端部のリブが60mmのH形断面部材で、部材長手方向に4等分し縦スティフナーを設け、曲げ降伏する部材両端部近傍の領域では断面隅部に6.0mm板厚の帯板を斜めに添接し2辺が90mmの三角形となる管状体をウェブ両面に設け、両先端部にリブを設けたことでフランジが安定し断面部材中央部の2区間では断面隅部の補強はしない。
図4は両材端部から逆対称曲げを受ける場合の解析結果で、部材長さ7,200mm,9,000mm,10,800mm,12,600mmを4本の実線で示したが、縦軸と横軸との表示は前例と同じとしている。フランジ降伏が進行する部位ではウェブ両側面から断面隅部補強され、管状体の極めて大きな捩り剛性と捩り強さが寄与して力学的に安定し十分な塑性変形能力が確保される。
図4の上段に示す点線は材長5,400mmの結果で、部材長さが短く両材端部のフランジが降伏する時点でウェブに加わるせん断力の比重が増すために部材全長に亘り断面隅部補強を連続し、中間部領域ではフランジが塑性化しないことを前提に管状体をウェブ片側面としている。なお、フランジ降伏後の曲げ荷重とその維持に影響しないウェブが受持つせん断力は降伏せん断力の1/2乃至それ以下であることが望ましい。
図5は6.0mm板厚で構成する成600mm,幅300mmでフランジが矩形断面のH形断面部材で、部材長手方向に4等分しスティフナーを設け、フランジの弱軸回りの曲げ剛性が弱いため降伏する部材両端部近傍の領域では断面隅部に6.0mm板厚のL字形断面部材を添接し一辺が90mmの四角形となる管状体を,断面部材中央部の2区間では一辺が60mmの四角形となる管状体をそれぞれに設ける。
図6は部材両端から逆対称曲げを受ける場合の解析結果で、部材長さ6,000mm,7,200mm,9,000mm,10,800mmを4本の実線で示したが、前実施例に比し安定した部材長さは若干短くなるものの塑性変形能力は十分に確保される。これは管状体の形状を四角形としたことにより断面の捩り剛性が略2倍になったこと、加えてフランジの弱軸回りの曲げ剛性が上がりウェブ面内応力との釣合が安定したことによる。
図6に示す2本の点線は、部材長さが9,000mm,10,800mmに対し断面隅部補強による管状体を四角形の対角線上に帯板を配し三角形とした場合で、部材降伏後の耐力維持は前者に比して略1/2となり管状体の形状が結果に大きく関与していることが判る。塑性変形能力は部材の塑性捩り強さが直接関わっており、実施例1,実施例2についても三角形の管状体に替え四角形の管状体とすることは更に力学性能を上げるに有効である。
図7は6.0mm板厚で構成する断面成450mm,幅300mmでフランジ両先端部のリブが60mmのH形断面部材で、柱を対象とする短い部材であるため4等分しスティフナーを設け、曲げ降伏する部材両端部近傍の領域では断面隅部に6.0mm厚の帯板を斜めに添接し2辺が75mmの三角形となる管状体をウェブ両側面に設け、断面部材中央部の2区間では断面隅部の補強をウェブ片側面にのみ設ける。
図8は部材長さ3,600mmで断面隅部の補強だけの解析結果で、3本の点線は(a)図に対し上段の圧縮軸力がない場合から順次下段へ圧縮軸力を25ton,50tonと変えた場合であるが、ウェブの断面積が小さいために前記軸力をこの断面で換算すると降伏軸力の30%,60%となり、降伏後の曲げ耐力は安定的に維持されるものの圧縮軸力に影響され降伏曲げ耐荷重は低下する。
図8に示す2本の実線は部材両端部近傍の領域で断面中立軸上のウェブ片側面に材軸方向へスティフナー補強した上で圧縮軸力が25ton,50tonとする解析結果で、前記軸力を部材中間部へ直接伝達することで部材両端部近傍の降伏曲げ荷重へ影響を与えることはなく、圧縮軸力の有無に関わらず部材断面で決まる塑性曲げモーメントMpが確保される。
図9は部材長手方向に断面成が一様に変化する大スパンの梁で、断面両先端に60mmの突出リブのある300mm幅のフランジと断面隅部の2辺が90mmの三角形となる管状体は材長方向に同じ大きさで連続する断面成の一端1,200mmから他端600mmまでの区間を4分割しスティフナーを設け、更にウェブのせん断補強として成900mmの部材中央部まで断面中立軸上のウェブ表裏面に90mmx6.0mmのスティフナーを設ける。
図10は部材先端部からせん断荷重が加わる場合の解析結果で、3本の実線は材長7,200mm,9,000mm,10,800mmの場合であるが、部材長手方向のフランジ内応力分布からみて部材の横変形拘束が必要で、固定端側から材長の1/4の上下フランジ位置で横方向変形を拘束する。断面中立軸上のスティフナー補強は部材に加わる曲げモーメントに影響せず且つ部材降伏後を弾性が保持されるため部材断面が小さくても十分に機能する。
図10の2本の点線は断面成の一端900mmから他端600mm迄緩く変化する材長7,200mm,10,800mmの場合であるが、断面中立軸上のスティフナー補強は無いとしている。ウェブ板厚6.0mmで幅厚比150であっても断面隅部の管状体によるウェブへの拘束が大きく、材端フランジが降伏する時点でウェブのせん断力が降伏せん断力の略1/2乃至それ以下では降伏曲げ荷重は確保される。
本実施例で扱った構造部材は、断面板厚を同じ6.0mmの鋼鈑として冷間成形乃至溶接組立による部材を想定したが、これは薄板構造部材としての可能性を検証するためと各実施例での相互関係を明確にするためである。一連の実施例では構造部材の横変形拘束は全長に亘り無いことを原則としたが、両材端近傍の塑性化領域を挟んでの横補剛は部材の更なる安定性確保には必要である。
本実施例で扱った金属材料は、降伏点応力度σy=30kN/cm2,ヤング係数E=20,500kN/cm2の鋼材として一般的に多用される普通鋼材を利用したが、本補強構造では金属の材種や材質に拘るものではなく高降伏点鋼でも低降伏点鋼でもよい。又、押出し圧延乃至溶接組立による部材製作上に問題が無ければ、剛性の低い軽金属材料に対しても極めて有効な補強構造と考えられる。
みぞ形断面部材及びH形断面部材の補強方法として、ウェブの片側面乃至両側面に上下フランジと並行して補強部材を配し断面隅部に管状体を設ける単純且つ明快なものであり、部材長さによって補強領域を両材端部近傍の塑性化領域に限定する等の適切な座屈設計により、設計上必要且つ十分な断面板厚の構造部材に対して良好な力学的性能を付与することができる。
薄板で構成されるみぞ形断面部材及びH形断面部材に対し、フランジに並行して設けられる管状体は捩り剛性が極めて高く、部材の曲げ捩り座屈に関与する剛性が部材の曲げ剛性と捩り剛性の相乗平均であることから部材全体への力学的効果も大きく、管状体を設けることにより逆対称曲げを受ける部材に対し長手方向の横座屈拘束を省くことができる等設計上,施工上の利点も加わる。
本実施例の構造部材として断面先端部に突出リブのあるフランジを積極的に取上げたが、これにより圧縮を受けるフランジの板厚を薄くできるだけでなく部材の両軸周りの曲げ剛性を上げ部材全体が安定化する。特に本補強方法によれば、ウェブ面が偏心位置にあるみぞ形断面部材にに関しては捩りに対する弱点が大幅に改善され、非対称断面部材であっても塑性変形能力の高い構造部材に変貌する可能性がある。
1. 断面を構成するウェブ
2. 矩形断面のフランジ
3. 先端部リブ付きフランジ
4. 断面隅部斜め帯板補強材
5. 断面隅部L字形補強材
6. 材軸と直交するスティフナー
7. 断面中立軸上のスティフナー
8. みぞ形断面部材
9. H形断面部材

Claims (3)

  1. ウェブの両端に片側一方向へのみフランジを有するみぞ形断面部材について、部材両端部近傍の領域乃至全領域にフランジ突出側のウェブ面に上下フランジと並行して矩形断面部材乃至L字形断面部材を配し且つ前記L字形断面部材乃至前記矩形断面部材の一端をウェブに又他端をフランジに添接して部材断面隅部に三角形乃至四角形の管状体を設け断面隅部の捩り剛性及び捩り強さを上げ、ウェブ及びフランジの局部座屈変形を抑えるとともに部材全体の曲げ捩り座屈を回避し、せん断曲げを受ける構造部材の塑性変形能力の向上を図る補強構造。
  2. ウェブの両端にフランジを有するH形断面部材について、部材両端部近傍の領域乃至全領域にウェブ片側面乃至両側面に上下フランジと並行して矩形断面部材乃至L字形断面部材を配し且つ前記L字形断面部材乃至前記矩形断面部材の一端をウェブに又他端をフランジに添接して部材断面隅部に三角形乃至四角形の管状体を設け断面隅部の捩り剛性及び捩り強さを上げ、ウェブ及びフランジの局部座屈変形を抑えるとともに部材全体の曲げ捩り座屈を回避し、せん断曲げを受ける構造部材の塑性変形能力の向上を図る補強構造。
  3. ウェブの両端にフランジを有するH形断面部材について、矩形断面のフランジとし乃至矩形断面の両側先端部に突出リブのあるフランジとし、部材長手方向の任意区間毎に材軸と直交するスティフナーを設け、せん断にともなうウェブ面内応力とこれを囲む上下フランジと左右スティフナーとでトラス的力の釣合を図り、必要に応じて部材両端部近傍の領域乃至全領域にウェブ面の断面中立軸上にスティフナーを設けてウェブを補強し、せん断曲げを受ける構造部材の塑性変形能力の向上を図る請求項2に記載する補強構造。
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