図1に示すように、スロットマシン2は、収納箱4と、この収納箱4の前面に設けられた前面扉5とからなる筐体3の内部に、後述する電源装置35(図2参照)、ホッパー装置36(図2参照)や、第1リールユニット(遊技機用リール装置)40、第2リールユニット(遊技機用リール装置)41、第3リールユニット(遊技機用リール装置)42等が配設された構成となっている。
前面扉5は、上部扉6と下部扉7との2枚の扉から構成される。上部扉6には3個の表示窓8、9、10が設けられている。これら表示窓8,9,10の奥には、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42のそれぞれのリールユニットにおいて、基準位置に保持されたリールが配設されている。これらリールは、スタートレバー23が押圧されることによって回転を開始し、後述する第1ストップボタン25、第2ストップボタン26、第3ストップボタン27のいずれかが押圧操作されると、押圧操作されたストップボタンに対応付けられたリールの回転が停止する。また、この他に、予め設定された時間(例えば30秒)が経過すると、各リールの回転が停止する。なお、リールが停止すると、表示窓8,9,10を介してリールに配置された複数種の図柄の一部(例えば3個の図柄)が表示される。
表示窓8,9,10の下方には、表示装置14が設けられている。この表示装置14は、例えば通常モードの遊技よりも、入賞が得やすくなるBB(ビックボーナス)モードや、RB(レギュラーボーナス)モードにおける遊技数の表示を行うために設けられている。
下部扉7の上部には、遊技の開始時に操作されるMAXベットボタン20、ペイアウトボタン21の他に、リール選択ボタン22が設けられている。MAXベットボタン20は、投入されたメダルを最大使用枚数である3枚使用して遊技を行う場合に押圧操作される。なお、投入されたメダルとは、メダル投入口28から直接メダルを投入するほかに、クレジットされたメダルを含む。ペイアウトボタン21は、クレジットされたメダルを払い出す際に操作されるボタンである。
リール選択ボタン22は、スロットマシン2の表面に設けられ、後述する第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42のそれぞれのリールユニットにおいて、遊技の際に使用するリールを選択する、つまりリールに配置された図柄を選択する際に操作される。このリール操作ボタン22を操作すると、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42の保持板が図2中A方向に回転する。この際、リール選択ボタン22を操作する直前に表示窓8に対面していたリールが図2中A方向に移動し、表示窓8に対面する位置とは異なる位置に保持されたリールが、表示窓8に対面する位置まで移動する。これにより、リールの切替が行われ、新たに表示窓8に対面する位置まで移動したリールが遊技を行う際に使用されるリール、つまり遊技リールとなる。一方、表示窓8に対面する位置以外の位置(待機位置)にある他のリールが待機リールとなる。なお、メダルがクレジットされた状態、或いはメダルがベットされた状態以外では、リール選択ボタン22を操作しても、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42におけるリールの切替は行われないようになっている。
これらボタンの近傍には、スタートレバー23や、第1ストップボタン25、第2ストップボタン26、第3ストップボタン27が設けられている。スタートレバー23は、遊技を実行する際に操作される。第1ストップボタン25は、第1リールユニット40を構成するリールのうち、表示窓8から表示されたリールが回転した際に、該リールを停止させる際に押圧操作されるボタンである。同様にして、第2ストップボタン26は、第2リールユニット41を構成するリールのうち、表示窓8から表示されたリールが回転した際に、該リールを停止させる際に押圧操作されるボタンであり、また、第3ストップボタン27は、第3リールユニット42を構成するリールのうち、表示窓8から表示されたリールが回転した際に、該リールを停止させる際に押圧操作されるボタンである。
下部扉7には、遊技を行う際にメダルを投入するためのメダル投入口28が設けられている。メダル投入口28の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル払出口29を介してメダル受け皿30に排出される。また、セレクタは、例えば遊技の途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入された等の不適切なタイミングでメダルの投入が行われたときに、投入されたメダルをメダル受け皿30に排出する。なお、遊技の開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルはメダル受け皿30に排出される。
一方、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルは、セレクタに設けられたメダルセンサ84(図6参照)で検知された後、例えば50枚を限度にスロットマシン2の内部に貯留される。このクレジット機能を用いているときには、前述したMAXベットボタン20の操作によりメダルのベット操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、遊技の結果、入賞が得られたときには配当となるメダルがクレジットされ、ペイアウトボタン21を操作したときにクレジットされているメダルがメダル受け皿30に払い出される。
図2に示すように、筐体3を構成する収納箱4の内部は、スロットマシン2に電力を供給するための電源装置35、ホッパー装置36の他に、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42等が組み付けられる。なお、図2では、図の煩雑さを防止するために、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42のそれぞれを構成するリールに配置される図柄を省略してある。
電源装置35は、スロットマシン2の給電を行うために設けられている。電源装置35の前面には、主電源のオン/オフの切り換えを行う電源スイッチ45が設けられる他に、初期設定入力部46が設けられている。詳細は図示しないが、初期設定入力部46は、キーシリンダ47、設定変更ボタン48、スライドスイッチ49を備えている。キーシリンダ47は、キースイッチ(図示せず)を備えており、キーシリンダ47に差し込まれた設定キーを回転させることで、キースイッチのオン・オフを行えるようになっている。なお、電源スイッチ45がオフとなる状態でキースイッチをオンさせてから電源スイッチ45をオンすると、設定変更モードに移行する。
設定変更ボタン48は、遊技機における設定値を変更する際に操作されるボタンである。スロットマシン2における当選テーブルは複数有り、そのそれぞれに設定値が割り振られている。なお、本実施形態では、設定値を「1」〜「6」とし、設定変更時に設定変更ボタン47が操作される毎に表示装置14に表示されている設定値が、例えば「1→2→・・・→5→6→1→・・・」の順で変更される。スライドスイッチ49は、BBモードが終了したときに、遊技を終了させるか継続させるか、所謂打ち止め機能をオン・オフするかを切り替えるために設けられている。なお、設定変更ボタン48を操作した場合に表示されている設定値の変更順序は、上記記載に限定する必要はない。
ホッパー装置36は、収納箱4の下部に配置されている。上述したように、ホッパー装置36は、スロットマシン2で遊技を行って入賞を得た場合に作動し、入賞に対するメダルを連続してメダル受け皿30に払い出す。また、クレジットされたメダルを払い出す場合に、ペイアウトボタン21が操作されることによって作動し、クレジットされたメダルを連続してメダル受け皿30に払い出す。このホッパー装置36の上部には、払出し用のメダルを貯留する貯留タンク51が設けられている。この貯留タンク51には、メダル投入口28から投入されたメダルが貯留される。オーバーフロー用の貯留箱52は、ホッパー装置36の貯留タンク51に貯留されたメダルが所定量を超えたときに、貯留タンク51から排出されたメダルが貯留される。
第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42は、収納箱4の上部に組み込まれる。なお、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42の構成は同一であるため、以下では、第1リールユニット40の構成のみを説明する。
図3〜図5に示すように、第1リールユニット40は、第1群リール60、第2群リール61、第3群リール62と、ステッピングモータ(駆動装置)63,64,65と、ステッピングモータ63,64,65を保持する保持盤(保持部材)67と、保持盤67を回転させるステッピングモータ(回転装置、切替装置)68とから構成されている。
第1群リール60、第2群リール61、第3群リール62は、図示はしないが、リール本体と、リール本体の外周面に貼付されるリールテープからそれぞれ構成されている。図5に示すように、リールテープ70,71,72は、当選役の種類に応じた複数種の図柄が所定ピッチで配置されている。なお、リールテープ70は第1群リール60に、リールテープ71は第2群リール61に、リールテープ72は第3群リール62にそれぞれ貼付される。これらリールテープ70,71,72に配置される複数種の図柄は、リールテープ毎に異なる態様の図柄が用いられ、1つのリールテープに配置される複数種の図柄のそれぞれに対して、他のリールテープに設けられた複数種の図柄が対応付けられている。つまり、1つの当選役に対応した図柄は、リールテープによって変化するようになっている。
例えば、リールテープ70に配置されている複数種の図柄が、図柄「7」、図柄「BAR」、図柄「JAC」、図柄「ベル」、図柄「プラム」の5種類の図柄から、リールテープ71に配置されている複数種の図柄が、図柄「A」、図柄「K」、図柄「Joker」、図柄「10」、図柄「5」の5種類の図柄から、リールテープ72に配置されている複数種の図柄が図柄「BIG」、図柄「REG」、図柄「Rep」、図柄「スイカ」、図柄「チェリー」の5種類の図柄から構成されている場合について説明する。
この場合、第1図柄として、リールテープ70の図柄「7」、リールテープ71の図柄「A」、リールテープ72の図柄「BIG」が対応付けられている。また、第2図柄として、リールテープ70の図柄「BAR」、リールテープ71の図柄「K」、リールテープ72の図柄「REG」が対応付けられている。同様にして、第3図柄として、リールテープ70の図柄「JAC」、リールテープ71の図柄「Joker」、リールテープ72の図柄「Rep」が対応付けられている。また、第4図柄としてリールテープ70の図柄「ベル」、リールテープ71の図柄「10」、リールテープ72の図柄「スイカ」が対応付けられている。さらに、第5図柄として、リールテープ70の図柄「プラム」、リールテープ71の図柄「5」、リールテープ72の図柄「チェリー」が対応付けられている。なお、リールテープ70〜72の図柄を配置する順序は、第1〜第5図柄を用いて決定し、リールテープに応じた図柄群の図柄が配置されることになる。これにより、各リールテープにおいて、当選役としての扱いが同一となる図柄が、同じ順序で配置される。以下では、リールテープ70に配置された複数種の図柄を第1図柄群、リールテープ71に配置された複数種の図柄を第2図柄群、リールテープ72に配置された複数種の図柄を第3図柄群として説明する。
例えば、通常モードの遊技よりも、出玉率が高くなるBB(ビックボーナス)モードの遊技へと移行させるBB移行役の図柄の組み合わせは、第1図柄を用いた図柄組み合わせとなる。つまり、第1図柄群の場合は「7−7−7」、第2図柄群の場合は「A−A−A」、第3図柄群の場合は「BIG−BIG−BIG」となる。また、BBモードよりも出玉率は低いが、通常モードの遊技よりは、出玉率が高いRB(レギュラーボーナス)モードの遊技へと移行させるRB移行役の図柄の組み合わせは、第2図柄を用いた図柄組み合わせとなる。つまり、第1図柄群の場合は「BAR−BAR−BAR」、第2図柄群の場合「K−K−K」、第3図柄群の場合「REG−REG−REG」となる。
また、入賞すると次の遊技を行う権利が付与される再遊技役の場合、第3図柄を用いた図柄組み合わせとなり、第1図柄群の場合は「JAC−JAC−JAC」、第2図柄群の場合は「Joker−Joker−Joker」、第3図柄群の場合は「Rep−Rep−Rep」となる。さらに、入賞した際に、入賞に対する払い出しのみが行われる払出役の図柄の組み合わせは、第4図柄の組み合わせ、或いは第5図柄の組み合わせからなり、第1図柄群の場合は「ベル−ベル−ベル」や「プラム−プラム−プラム」、第2図柄群の場合は「10−10−10」や「5−5−5」、第3図柄群の場合は「スイカ−スイカ−スイカ」や「チェリー−チェリー−チェリー」となる。
図3,4に示すように、ステッピングモータ63,64,65は、第1群リール60,第2群リール61,第3群リール62をそれぞれ回転駆動させるために設けられている。これらステッピングモータ63,64,65の駆動軸には、第1群リール60,第2群リール61,第3群リール62が例えば圧入等によりそれぞれ組み付けられている。これらステッピングモータ63,64,65は、それぞれ保持盤67にネジ75等によって組み付けられている。
保持盤67は、ステッピングモータ63,64,65を組み付けるために設けられている。この保持盤67は、略三角板形状から形成され、その頂点付近が扇板形状から形成されている。この扇板形状となる箇所67a、67b、67cに、ステッピングモータ63,64,65がそれぞれ組み付けられる。なお、上述したように、ステッピングモータ63,64,65の駆動軸には、第1群リール60,第2群リール61,第3群リール62がそれぞれ組み付けられているので、ステッピングモータ63,64,65を保持盤67に組み付けると、ステッピングモータ63,64,65、第1群リール60,第2群リール61,第3群リール62がそれぞれ保持盤67に組み付けられる。この際、保持盤67に設けられた扇板形状となる箇所67a、67b、67cによって、第1群リール60,第2群リール61,第3群リール62の内部が被覆される。なお、保持盤67の形状は、これに限定する必要はなく、適宜設計することが可能である。
ステッピングモータ68は、保持盤67を回転させるために設けられている。このステッピングモータ68は、収納箱4の所定位置に第1リールユニット40を組み付けるためのブラケット76に組み付けられている。このステッピングモータ68の駆動軸には、受座77が組み付けられている。この受座77は、ブラケット78を介して保持盤67に組み付けられる。この際、ステッピングモータ68の駆動軸の軸中心と、保持盤67の回転中心が一致するように組み付けられる。なお、符号79はネジであり、ブラケット78を保持盤67に組み付ける際に用いられ、符号78aは、ネジ79が螺合するネジ孔である。
図6は、スロットマシン2の電気的構成を示す機能ブロック図である。なお、図6においては、第1リールユニット40の構成のみを示し、第2リールユニット41、第3リールユニット42については、その詳細を省略する。
スロットマシン2は、該スロットマシン2の遊技における基本的制御を行う遊技制御装置80を備えている。遊技制御装置80は、CPU81、ROM82及びRAM83を備えている。CPU81は、ROM82に記憶された遊技制御プログラム115に基づいて、遊技制御を実行する。
メダルセンサ84は、メダルセレクタの内部に設けられており、メダルを検知すると、CPU81に向けてメダル検知信号を出力する。これを受けて、CPU81は、RAM83に記憶されたベット枚数、或いはクレジット枚数を参照し、例えばベット枚数が3枚未満である場合にメダルのベット処理を行う。また、ベット枚数が3枚となっている場合には、メダルのクレジット処理を実行する。
選択スイッチセンサ85は、リール選択ボタン22の内部に設けられており、リール選択ボタン22が操作されることによってオンとなり、そのオン信号(リール切替信号)をCPU81に向けて出力する。これを受けて、CPU81はステッピングモータ68を駆動するドライバ90に対して駆動開始信号を出力する。
ステッピングモータ68は、選択スイッチセンサ85からのリール切替信号がCPU81に出力されたことを受けて、ドライバ90を介して駆動するようになっている。ドライバ90は、ステッピングモータ68の駆動、或いは駆動停止を行うために設けられている。
フォトセンサ91は、保持盤67に設けられた第1検出用インデックス92、第2検出用インデックス93、第3検出用インデックス94のいずれかを検出するために設けられている(図3参照)。例えば第1群リール60が基準位置に到達した場合に第1検出用インデックス92が検知され、第2群リール61が基準位置に到達した場合に第2検出用インデックス93が検知される。また、第3群リール62が基準位置に到達した場合に第3検出用インデックス94が検知される。なお、本実施形態では、基準位置を、リールが表示窓8に対面するときのリールの位置として説明する。フォトセンサ91からの検知信号は、CPU81に出力され、ステッピングモータ68が駆動してから一番初めの検知信号が検知された場合に、CPU81は、ドライバ90に対して駆動停止信号を出力する。これにより、ステッピングモータ68の駆動が停止し、保持盤67の回転が停止される。
スタートスイッチセンサ95は、スタートレバー23に設けられ、スタートレバー23が押圧操作されることによって、検知信号(スタート信号)がCPU81に向けて出力される。このスタート信号が出力されると、後述する乱数抽出部111に処理開始信号し、また第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42を構成するリールのうち、基準位置に保持されたリールが組み込まれたステッピングモータを駆動するドライバに対して駆動開始信号を出力する。
第1群リール60,第2群リール61,第3群リール62の各リールの基準位置には、インデックス60a,61a,62aがそれぞれ設けられ、その一回転ごとにフォトセンサ97,98,99によって、それぞれのインデックス60a,61a,62aの通過が光電検出される。フォトセンサ97,98,99による検知信号は、リールごとのリセット信号としてCPU81に出力される。図6では、便宜上、第1群リール60とステッピングモータ63、第2群リール61とステッピングモータ64、第3群リール62とステッピングモータ65とをそれぞれ実線で囲って示してある。なお、符号105,106,107は、ステッピングモータ63,64,65をそれぞれ駆動させるドライバである。なお、CPU81には、第1検出用インデックス92、第2検出用インデックス93、第3検出用インデックス94のいずれかの検知信号が、フォトセンサ91から出力されているので、CPU81は、フォトセンサ91からの検知信号に基づいたリールの回転制御、及び停止制御を行うことになる。
なお、CPU81には、ステッピングモータごとにパルスカウンタ(図示せず)が設けられ、各々のステッピングモータに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ97,98,99からの検知信号が入力されるたびに、駆動パルスの個数がクリアされ、再びアップカウントされる。CPU81は、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別することができ、また、どの程度リールを回転させれば目的の図柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
第1ストップボタン25、第2ストップボタン26、第3ストップボタン27の内部にはストップスイッチセンサが設けられており、各ストップスイッチセンサからのオン信号がCPU81に入力されると、CPU81はROM82に記憶された図柄テーブル114を参照して、目的の図柄が表示窓8から停止されるように、駆動するステッピングモータへ駆動パルスを供給する。なお、図柄テーブル114は、図柄の種類(第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄、第5図柄)、配置番号、基準位置からの駆動パルス数がそれぞれ対応付けられたテーブルから構成されている。符号108は、表示装置14を駆動するためのドライバである。
CPU81は、制御部110、乱数抽出部111、当選役決定部112等を備えている。制御部110は、ROM82に記憶された遊技制御プログラム115に基づいて、例えば、第1リールユニット40、第2リールユニット41、第3リールユニット42をそれぞれ構成するリールのうち、基準位置に保持されたリールの回転・停止制御、入賞となる場合の払い出し制御等を実行する。
乱数抽出部111は、スロットマシン2に給電が開始されると、乱数の更新処理を開始し、スタートスイッチセンサ95からのオン信号が出力された時点の乱数を抽出する。当選役決定部112は、ROM82に記憶された当選テーブル116を用いて乱数抽出部111にて抽出された乱数が予め設定された複数種類の当選役及びハズレのいずれかであるかを決定する。なお、この当選役決定部112において、複数の当選役のいずれかであることが決定された場合には、どの図柄を用いた当選役であるかが決定される。
ROM82には、図柄テーブル114、遊技制御プログラム115と、当選テーブル116等が記憶されており、制御部110によって使用される。RAM83は、遊技中の制御におけるデータや、設定変更時における設定値等が記憶される。
次に、本実施形態の作用について図7に示すフローチャートを基づいて説明する。遊技者がスロットマシン2にて遊技を行う場合、メダル投入口28からメダルを投入すると、メダルセレクタによって、正規のメダルと不正規のメダルとが振り分けられた後に、正規のメダルのみがメダルセンサ84に検出される。メダルセンサ84によって正規のメダルが検知されると、CPU81は、RAM83を参照してメダルベットされているか否か、またメダルがベットされている場合にはベット枚数を参照し、例えば、メダルのベット枚数が3枚未満となる場合に、メダルベット処理を行う。一方、メダルのベット枚数が3枚以上となる場合は、CPU81は、クレジット処理を行う。メダル投入口28からメダルの投入が連続して行われた場合には、CPU81は上述した処理をメダルが検知される毎に行っていく。
遊技者がメダルの投入をやめ、次の遊技を実行する際に、表示窓8から表示されたリールの図柄を選択する場合には、遊技者はリール選択ボタン22を操作する。このリール選択ボタン22を操作すると、選択スイッチセンサ85からリール切替信号がCPU81に出力されるので、CPU81はドライバ90に駆動信号を出力する。これを受けて、ドライバ90は、ステッピングモータ68を駆動させる。ステッピングモータ68が駆動すると、第1リールユニット40の保持盤67が回転する。なお、クレジットされたメダルがある場合に、リール選択ボタン22を操作すると、同様にしてリールの切替が行われるが、メダルのベットが行われていない場合や、クレジットされたメダルがない場合には、リール選択ボタン22を操作しても、リールの切替が行われない。
保持盤67には第1〜第3検出用インデックス92〜94が設けられているので、これら検出用インデックスのいずれかがフォトセンサ91で検知されると、その検知信号がCPU81に出力される。これを受けて、CPU81はドライバ90に駆動停止信号を出力する。これにより、リール選択ボタン22の操作前に表示された図柄が配置されたリールから、他の図柄が配置された他のリールに切り替わり、該リールに配置された図柄が表示窓8から表示されることになる。なお、表示窓8から表示された図柄が遊技者の意図する図柄でない場合には、リール選択ボタン22を操作し、表示窓8から表示される図柄を変更する。このリールの切替は、第1リールユニット40だけでなく、第2リールユニット41、第3リールユニット42においても同時に行われる。
例えば、図8に示すように、第1群リール60が表示窓8から表示されている場合、第1群リール60が遊技に使用される遊技リールとなり、第2群リール61、第3群リール62が基準位置とは異なる位置に保持され、待機状態となる待機リールとなる。この状態で、リール選択ボタン22が操作されると、ステッピングモータ68が駆動して保持盤67が図8中B方向に回転する。保持盤67が図8中B方向に回転することによって、第2群リール61が表示窓8に対面する位置、つまり基準位置に移動すると、第2検出用インデックス93がフォトセンサ91に検出され、ステッピングモータ68の駆動が停止される。この場合、第2群リール61が表示窓8に対面する位置、つまり基準位置に保持されることによって、第2群リール61が遊技リールとなり、第1群リール60、第3群リール62が待機リールとなる。これにより、表示窓8から表示される図柄は、第1図柄群の図柄から第2図柄群の図柄となる。同様にして、表示窓9,10から表示される図柄も第1図柄群の図柄から第2図柄群の図柄となる。
再度、リール選択ボタン22を操作すると、同様にして、保持盤67がステッピングモータ68の駆動によって図8中B方向に回転し、第3群リール62が表示窓8に対面する位置、つまり基準位置に移動し、第3群リール62が遊技リールとなる。一方、第1群リール60、第2群リール61が待機リールとなる。これにより、表示窓8から表示される図柄は、第2図柄群の図柄から第3図柄群の図柄となる。なお、表示窓9,10から表示される図柄も、第3図柄群の図柄となる。
遊技者が意図する図柄が表示窓8,9,10から表示された後に、遊技者がスタートレバー23を操作すると、スタート信号がCPU81に出力されるので、CPU81は遊技制御プログラム115を実行することになる。この場合、スタート信号を受けると、乱数抽出部111における乱数の抽出が行われた後に、当選役決定部112で抽出された乱数と、ROM82に記憶された当選テーブル116とを用いて、その遊技において、複数の当選役のいずれか、或いはハズレかが決定される。例えば複数の当選役のいずれかとなる場合には、該当選役を構成する図柄の種類が、第1〜第5図柄のいずれかであるかも決定される。
そして、第1〜第3ストップボタン25〜27の操作が有効となると、遊技者は第1〜第3ストップボタン25〜27を操作して、表示窓8,9,10から表示されるリールの回転を停止させる。この際、制御部110は、パルスカウンタの値と図柄テーブル114とから、目的の図柄の位置を把握しているから、例えば第1ストップボタン25が操作された場合に出力された第1停止信号を受けると、表示窓8から表示される第1リールユニット40のリールにおいて、目的の図柄が入賞ライン上に引き込める位置にある場合は、目的の図柄を入賞ライン上に停止させるようにリールを停止制御する。同様にして、第2ストップボタン26、第3ストップボタン27が操作された場合も同様の処理が行われる。そして、全てのリールが停止した場合に、入賞ラインのいずれかに入賞となる図柄の組み合わせが揃った場合に入賞となり、入賞に基づくメダルの払い出しが行われる。
遊技者が遊技を行っている間に、リールの変更を行う場合には、遊技を一旦中断し、メダルがクレジットされた状態、或いはメダルがベットされた状態で、リール選択ボタン22を操作する。そして、遊技者の意図する図柄が表示された場合に、スタートボタン23を操作して遊技を実行する。この場合、図柄テーブル114は、第1〜第5図柄に対する各図柄群の図柄とが対応づけられたデータを備えているから、1つの遊技プログラムを記憶しておけばよいことになる。これにより、遊技者が図柄を選択して遊技を行うことができることになるので、遊技者に対して、図柄に対する興趣を与えることができる。
例えば、BB移行役が当選した場合、第1図柄群を使用して遊技を行っている場合には、入賞となる図柄の組み合わせは、「7−7−7」となるのに対して、第2図柄群を使用した場合には、「A−A−A」、第3図柄群を使用した場合には、「BIG−BIG−BIG」となる。これにより、遊技に使用する図柄を変更することで、バラエティーに富んだ図柄表示を行わせることができる。
本実施形態では、各リールユニットを構成するリールの個数を3個としたが、これに限定する必要はなく、適宜設定して良いものとする。また、リールユニット毎にリールの個数を変えることも可能である。
本実施形態では、リール選択ボタンを1回操作することによって、基準位置にあるリールに隣り合うリールを基準位置に位置するまで、保持盤を回転させたが、これに限定する必要はなく、リール選択ボタンを長押し操作して、遊技者の意図する図柄が配置されたリールが基準位置に到達したときに、リール選択ボタンの操作を解除するようにしてもよい。
本実施形態では、1つのリール選択ボタンによって、第1〜第3リールユニットのそれぞれにおけるリールの切替を行うようにしたが、これに限定する必要はなく、リールユニット毎にリール選択ボタンを設けることも可能である。また、この場合、第1〜第3ストップボタンを操作することによってリールの切替を行うことも可能である。この場合、メダルがベットされている、或いはクレジットされている場合に、各ストップボタンを操作することによって、リールの切替を行わせることも可能である。この場合、表示窓から表示される図柄の態様がリール毎に異なる場合もあり、入賞役に対する図柄の組み合わせの態様が多くなるので、遊技に対する興趣を与えることが可能となる。
本実施形態では、リール選択ボタンを操作した場合に、リール切替信号が出力されるようにしたが、これに限定する必要はなく、例えば、BB移行役、或いはRB移行役が入賞した場合に、リール切替信号が出力されるようにしても良い。この場合、遊技状態が変化することによって図柄の態様も変化することになるので、遊技者は飽きのこない遊技を行わせることができる。また、この他に、スタートレバーの操作により出力されるスタート信号を受けてリールが回転する前にリールの切替を行う、或いは当選役決定部における結果が、BB移行役となる場合に、リールの回転中であっても、リールの切替を行うことが考えられる。この場合、内部抽選(乱数の抽出、抽出された乱数と、当選テーブルとの比較)の結果によってリールの切替が行われるので、遊技者に「もしかしたらBB移行役や、RB移行役が当たっているかもしれない」という期待感を遊技者に与えることができる。
本実施形態では、第1リールユニットの構成を3個のリール、及びリールを個別に回転させる3個のステッピングモータ、これら部材が組み付けられる保持盤、保持盤を回転させるステッピングモータとから構成したが、これに限定する必要はなく、例えば、リールをベルト駆動させることによって、リールの切替を行うようにしても良い。
本実施形態では、リールが基準位置に到達したときに、検出用インデックスがフォトセンサによって検知されるようにしたが、これに限定する必要はなく、例えばストッパや、位置決めスイッチによって、リールが基準位置に到達したことを検知させることも可能である。
本実施形態では、本発明のリール装置を3個使用する場合について述べたが、これに限定する必要はなく、本発明の遊技機用リール装置を1個、或いは2個備えた遊技機であってもよい。この場合、例えば入賞となる図柄の組み合わせが変化することになるので、遊技者に対して飽きの来ない遊技を行わせることができる。
本実施形態では、遊技において使用されるリールとして本発明の遊技機用リール装置の例を取り上げたが、これに限定する必要はなく、例えば演出用のリールとして本発明の遊技機用リール装置を用いることも可能である。
本実施形態では、スロットマシンの例を取り上げたが、これに限定する必要はなく、例えば、本発明をパチンコ機等の遊技機に組み込むことも可能である。