以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、表示装置5が設けられている。表示装置5は、特図ゲームにおける特別図柄表示装置による特図の可変表示に対応して、3つのリールユニット5L、5C、5R(以下、左から順に、「左リールユニット」、「中リールユニット」、「右リールユニット」という)がそれぞれに駆動されることにより、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄(図柄)を遊技者に対して変動可能に表示(可変表示)する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
表示装置5は、例えば図2に示すように、金属や樹脂などで形成されて遊技盤2に取り付けられる筐体15内に、3つのリールユニット5L、5C、5Rが水平方向に並設されて構成されている。表示装置5は、この実施の形態では3つのリールユニット5L、5C、5Rとして、図3に示すリールユニット50が3つ設けられて構成されている。なお、3つのリールユニット5L、5C、5Rは、筐体15内に収納されて筐体15を介して遊技盤2に取り付けられるものに限定されず、筐体15に収納されることなく直接に遊技盤2に取り付けられてもよい。
リールユニット50は、例えば図4及び図5に示すように、ベース体(基体)としてのベース52と、ベース52に回転可能に軸支される大径筒体60と、大径筒体60の回転軸61を中心とする円周上に配置される複数(この実施の形態では10個)の小径筒体70A〜70Jと、大径筒体60を回転させる大径筒体駆動機構80と、複数の小径筒体70A〜70Jのうちの一部(小径筒体70A、70C、70E、70G、70I、以下、「第1のグループに属する小径筒体」という)を回転させる第1小径筒体駆動機構90Aと、複数の小径筒体70A〜70Jのうちの他部(小径筒体70B、70D、70F、70H、70J、以下、「第2のグループに属する小径筒体」という)を回転させる第2小径筒体駆動機構90Bと、大径筒体60の回転初期位置を検出するためのフォトダイオード60aと、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転初期位置を検出するためのフォトダイオード70aと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの回転初期位置を検出するためのフォトダイオード70bとを備える。以下の説明では、リールユニット50が遊技盤2に取り付けられたときに、遊技者に表示される側を「前側」といい、遊技者が視認できない背面側を「後側」といい、遊技者から見て右側を「右側」といい、遊技者から見て左側を「左側」といい、遊戯盤2における左右方向(図1中、左右方向)を「左右方向」という。
ベース52は、例えば金属や樹脂などで形成され、リールユニット50の左右側面を構成する計2枚の左右ベース板53L、53Rと、左右ベース板53L、53R同士を前面側の上下2点と後上側の1点の計3点で接続する接続板54A〜54Cと、左右ベース板53L、53Rの内側に取り付けられて大径筒体60の側面を覆う左右リール側面板55L、55Rと、左ベース板53Lに取り付けられて大径筒体駆動機構80のステッピングモータ(大径筒体駆動源)82やギヤ84を支持する大径筒体駆動源支持板56と、右ベース板53Rに取り付けられてフォトダイオード60aを支持するフォトダイオード支持板57と、左ベース板53Lに取り付けられて第1小径筒体駆動機構90Aのステッピングモータ(第1小径筒体駆動源)92Aやフォトダイオード70aを支持する第1駆動源支持板58Lと、右ベース板53Rに取り付けられて第2小径筒体駆動機構90Bのステッピングモータ(第2小径筒体駆動源)92Bやフォトダイオード70bを支持する第2駆動源支持板58Rといった、複数の板状の部材から構成されている。なお、これらの複数の板状の部材は、少なくとも一部が一体の部材で構成されてもよいし、少なくとも一部が複数の部材で構成されてもよい。また、ベース52は、左右ベース板53L、53Rが、3つの接続板54A〜54Cで接続されて構成されるものに限定されず、1つや2つあるいは4つ以上の接続板で接続されて構成されてもよい。さらに、ベース52は、例えば箱状など、左右ベース板53L、53Rが一体に形成されるものでもよい。
大径筒体60は、ベース52に回転軸61が軸支され、大径筒体駆動機構80のステッピングモータ82からの動力を受けて回転軸61回りに回転する。大径筒体60は、この実施の形態では、ベース52に軸支されるホイール64に、帯状部材62が巻き回されて構成されている。帯状部材62は、例えば透明な樹脂で形成され、大径筒体60の外周面を構成する。帯状部材62には、帯状部材62がホイール64に巻き回される方向に沿って複数の立体部63が形成されている。複数の立体部63は、複数の小径筒体70A〜70Jに対応して設けられており(つまり、この実施の形態では10個設けられており)、この複数の立体部63から大径筒体60の外周側に臨むように複数の小径筒体70A〜70Jが配置される。ただし、大径筒体60は、このように小径筒体70A〜70Jの外周面を覆うものに限定されず、図7に示すように、立体部63に代えて開口が形成され、この開口から複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の外周側に突出するように構成されてもよい。
ホイール64は、この実施の形態では、例えば金属や樹脂などで形成された左右ホイール部65L、65Rが組み合わされて構成されている。左右ホイール部65L、65Rはそれぞれ、回転軸61が挿入される貫通孔66aが形成された内周部66と、帯状部材62が巻き回される外周部68とが、複数の連結部(図4から図6に示す例では5つ)67で連結された部材として構成されており、左右ホイール部65L、65Rの外周部68に形成された係合部69L、69Rや図示しないビスなどによって互いに組み合わされてホイール64を構成する。なお、左右ホイール部65L、65Rは、例えば金属をプレス成形したり樹脂を射出成形することによって形成することができる。また、ホイール64は、左右ホイール部65L、65Rが組み合わされて構成されるものに限定されず、1部材で構成されてもよい。
複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれは、大径筒体60の左右ホイール部65L、65Rの外周部68に設けられた貫通孔68aに、回転軸が挿入されて大径筒体60に対して回転可能に支持される。複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれは、その半径が、左右ホイール部65L、65Rの貫通孔68aからホイール64の外周縁までの距離より大きい円柱状または円筒状に形成されており、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60に取り付けられるときには、小径筒体の外周縁がホイール64の外周縁よりも外周側に突出して、帯状部材62の立体部63から大径筒体60の外周側に臨むように大径筒体60に支持される。複数の小径筒体70A〜70Jは、この実施の形態では、第1のグループと第2のグループとの2つのグループに、5つの小径筒体ずつ区分されており、各グループに属する小径筒体が1つずつ交互に、大径筒体60の円周上に均等な間隔で配置される。
2つのグループのうち、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのそれぞれの回転軸には、大径筒体60の左ホイール部65Lの貫通孔68aを通った軸端に、第1小径筒体駆動機構90Aに含まれる第1小径筒体ギヤ93Aが取り付けられており、大径筒体60の右ホイール部65Rの貫通孔68aを通った軸端(つまり、第1小径筒体ギヤ93Aが取り付けられた軸端とは反対側の軸端)に、小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60から外れ落ちないように軸止め94Aが取り付けられている。また、2つのグループのうち、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jのそれぞれの回転軸には、大径筒体60の右ホイール部65Rの貫通孔68aを通った軸端に、第2小径筒体駆動機構90Bに含まれる第2小径筒体ギヤ93Bが取り付けられており、大径筒体60の左ホイール部65Lの貫通孔68aを通った軸端(つまり、第2小径筒体ギヤ93Bが取り付けられた軸端とは反対側の軸端)に、軸止め94Bが取り付けられている。つまり、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとでは、反対側の軸端にギヤが取り付けられており、複数の小径筒体70A〜70Jを右側又は左側から見ると、図6に示すように、1つ置きに5つの小径筒体にギヤが取り付けられて見える。なお、図6では、ベース52や大径筒体60のホイール64の図示を省略してリールユニット50を示している。また、図4及び図5では、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのうちの1つ(小径筒体70E)と、第2のグループに属する小径筒体のうちの1つ(小径筒体70J)とを除いて、第1及び第2小径筒体ギヤ93A、93Bや軸止め94A、94Bの図示を省略している。なお、この実施の形態では、軸止め94A、94Bは、ホイール64の貫通孔68aに軸支されて複数の小径筒体70A〜70Jの回転に伴って回転するものとしたが、軸止め94A、94Bは、ホイール64に対して固定されて、複数の小径筒体70A〜70Jを軸支するように構成されていてもよい。
複数の小径筒体70A〜70Jの外周面には、1つ以上飾り図柄が配置される。この実施の形態では、各小径筒体70A〜70Jに、3つの飾り図柄が配置される。具体的には、各小径筒体70A〜70Jには、図12に示すように、「0」〜「9」のいずれかの数字を示す図柄(第1系統p1の飾り図柄)、「7」の数字を示す図柄(第2系統p2の飾り図柄)、及び、「エース(A)」、「ジャック(J)」、「クイーン(Q)」、「キング(K)」、「ジョーカー(JO)」、「スペード(ブランク)」の記号を示す図柄(第3系統p3の飾り図柄)が設けられている。複数の小径筒体70A〜70Jに対して、大径筒体60の円周回りに“1”〜“10”のリール番号を付すと、例えば、左リールユニット5Lのリール番号1の小径筒体70Aには、「4」、「7」、「スペード(ブランク)」の3つの飾り図柄が配されることになる。この実施の形態では、リールユニット50おける予め定められた有効ライン上(例えば、横3ライン、斜め2ライン)のいずれかに同じ飾り図柄が揃った場合に大当りとなる。また、小径筒体70A〜70Jは、大径筒体60と独立して回転可能である。このように、小径筒体70A〜70Jに複数の飾り図柄を配置することで、大径筒体60の回転に加えて、小径筒体70A〜70Jの回転により、多彩な可変表示動作が可能になる。なお、小径筒体70A〜70Jに配置される飾り図柄は、図13に示す例に限定されるものではなく、互いに識別可能であれば如何なる図柄が用いられてもよい。
複数の小径筒体70A〜70Jは、同じ系統p1〜p3の飾り図柄が、大径筒体60に対して、各グループに属する小径筒体で同じ向きとなるように大径筒体60に支持されている。例えば、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのうち1つの小径筒体について、第2の系統p2に属する「7」の数字を示す図柄が大径筒体60の外周側に向いて遊技者に表示される場合、第1グループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して回転することなく大径筒体60が回転すると、第1のグループに属する他の小径筒体についても、第2の系統p2に属する「7」の数字を示す図柄が大径筒体60の外周側に向いて遊技者に表示される。ここで、図13に示す例では、第2の系統に属する飾り図柄として、第1の系統に属する飾り図柄(「0」〜「9」の番号を示す図柄)のうちの一つである「7」の番号を示す図柄をすべての小径筒体70A〜70Jに設けているから、例えば、複数の小径筒体70A〜70Jについて第2の系統p2に属する飾り図柄を遊戯者に表示させることによって、遊戯者の期待感を高めることができる。なお、リールユニット50を組み立てる際に、大径筒体60に対する複数の小径筒体70A〜70Jの角度調整が容易となるように、例えば複数の小径筒体70A〜70Jの回転軸に取り付けられる第1及び第2小径筒体ギヤ93A、93Bには、溝などの印が設けられたり(図6参照)、一部のギヤの歯が欠けていてもよい。なお、図6に示す例では、複数の小径筒体ギヤ93Bのそれぞれには、3つの大きい丸と3つの小さい丸と1つの四角の模様からなる溝が設けられており、この溝を頼りに小径筒体用ギヤ95Aに対する回転位置を容易に調整できるように構成されている。
複数の小径筒体70A〜70Jの外形は、図4や図5に示すように、真円を底面とする円柱または円筒形状であってもよいし、後述する図7、図9、図10に示すように、各辺が外側に膨らんだ多角形を底面とする略円柱または略円筒形状であってもよい。図7、図9、図10に示す例では、複数の小径筒体70A〜70Jは、各辺が外側に膨らんだ三角形を底面とする略円筒形状に形成されており、各面に、複数の飾り図柄が配置される。
大径筒体駆動機構80は、大径筒体60の左ホイール部65Lに取り付けられて大径筒体60と一体に回転する外歯の大径筒体用ギヤ83と、大径筒体用ギヤ83と噛合するギヤ84と、このギヤ84と噛合する駆動ギヤ85が回転軸に取り付けられたステッピングモータ(大径筒体駆動源)82と、を備える。ギヤ84とステッピングモータ82は、大径筒体駆動源支持板56に取り付けられ、大径筒体駆動源支持板56を介して左ベース板53Lに支持されている。こうした構成により、大径筒体駆動機構80では、ステッピングモータ82からの動力が、駆動ギヤ85、ギヤ84、大径筒体用ギヤ83の順に伝達され、ステッピングモータ82からの動力によって大径筒体60が回転する。この実施の形態では、大径筒体用ギヤ83は、その外周面に外歯を150個有し、ステッピングモータ82に取り付けられた駆動ギヤ85は、その外周面に外歯を12個有しており、ステッピングモータ82が駆動ギヤ85を12.5回転したときに大径筒体用ギヤ83及び大径筒体60が1回転するように構成されている。なお、ギヤの歯数については、この例に限定されるものではなく、駆動源としてのステッピングモータ82の性能や大径筒体60を回転させる態様に基づいて適宜定められればよい。
第1小径筒体駆動機構90Aは、第1グループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転軸のそれぞれに取り付けられた第1小径筒体ギヤ93Aと、大径筒体60の回転軸61を軸心として回転する第1小径筒体用ギヤ95Aと、回転軸に駆動ギヤ98Aが取り付けられたステッピングモータ(第1小径筒体駆動源)92Aと、を備える。第1小径筒体用ギヤ95Aは、外周側に、複数の第1小径筒体ギヤ93Aの全てと噛合する外歯のギヤ部96Aを有し、内周側に、ステッピングモータ92Aの駆動ギヤ98Aと噛合する外歯のギヤ97Aを有し、この2つのギヤ部96A、97Aが一体に回転するように構成されている。また、第1小径筒体用ギヤ95Aにおける外周側のギヤ部96Aの内周面の所定箇所には、内周側に凸となる検出用凸部96aがフォトダイオード70aの検出対象として設けられている。検出用凸部96aは、フォトダイオード70aで好適に検出できるように、例えば黒色に塗装されて設けられている。第1小径筒体用ギヤ95Aの構成要素のそれぞれは、大径筒体60の左側に設けられており、ステッピングモータ92Aは、小径筒体駆動源支持板56に取り付けられ、小径筒体駆動源支持板58Lを介して左ベース53Lに支持されている。
こうした構成により、第1小径筒体駆動機構90Aでは、ステッピングモータ92Aからの動力が、駆動ギヤ98Aから小径筒体用ギヤ95Aの内周側のギヤ部97Aに伝達されるとともに、小径筒体用ギヤ95Aの外周側のギヤ部96Aから複数の小径筒体ギヤ93Aのそれぞれに動力が伝達されて、ステッピングモータ92Aからの動力によって第1グループに属する複数の小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが回転駆動される。この実施の形態では、ステッピングモータ92Aに取り付けられた駆動ギヤ98Aは、その外周面に外歯を12個有し、第1小径筒体用ギヤ95Aは、内周側のギヤ部97Aがその外周面に外歯を28個有するとともに、外周側のギヤ部96Aがその外周面に外歯を108個有し、複数の第1小径筒体ギヤ93Aのそれぞれは、その外周面に外歯を18個有しており、複数の小径筒体70A〜70Jの位置が変化しないときには、ステッピングモータ92Aが駆動ギヤ98Aを2回転と120度回転したときに第1小径筒体用ギヤ95Aが1回転するとともに第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのそれぞれが6回転するように構成されている。また、ステッピングモータ92Aが回転しないときには、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の円周上を60度移動したときに第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが1回転する。なお、ギヤの歯数については、この例に限定されるものではなく、駆動源としてのステッピングモータ92Aの性能や第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを回転させる態様に基づいて適宜定められればよい。
第2小径筒体駆動機構90Bは、第2グループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの回転軸のそれぞれに取り付けられた第2小径筒体ギヤ93Bと、大径筒体60の回転軸61を軸心として回転する第2小径筒体用ギヤ95Bと、回転軸に駆動ギヤ98Bが取り付けられたステッピングモータ(第2小径筒体駆動源)92Bと、を備える。第2小径筒体駆動機構90Bの構成要素のそれぞれは、第1小径筒体駆動機構90Aの構成要素のそれぞれと共通であり、第1小径筒体駆動機構90Aの構成要素のそれぞれと対称な配置及び向きで大径筒体60の右側に設けられている。このため、第2小径駆動機構90Bでは、複数の小径筒体70A〜70Jの位置が変化しないときには、ステッピングモータ92Bが駆動ギヤ98Bを2回転と120度回転したときに第2小径筒体用ギヤ95Bが1回転するとともに第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが6回転するように構成されている。また、ステッピングモータ92Bが回転しないときには、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の外周円上を60度移動したときに第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが1回転する。
大径筒体駆動機構80や第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bの駆動源であるステッピングモータ82、92A、92Bは、ベース52に支持されるものに限定されるものではなく、例えば遊戯盤2に支持されてもよい。また、大径筒体駆動機構80や小径筒体駆動機構90A、90Bのギヤの配置などの構成は、上述した態様に限定されるものではなく、例えばステッピングモータ82、92A、92Bの駆動ギヤ85、98A、98Bと小径筒体用ギヤ83、95A、95Bとの間に更にギヤが介されて動力が伝達されるものとしたり、ギヤに代えて、あるいはギヤとともにベルトが用いられてもよい。さらに、大径筒体駆動機構80や小径筒体駆動機構90A、90Bでは、ステッピングモータ82、92A、92Bを駆動源として備えるものに限定されるものではなく、例えば同期電動機や誘導電動機などが駆動源として用いられてもよい。
フォトダイオード60aは、フォトダイオード支持板57を介して右ベース板53Rに取り付けられ、大径筒体60のホイール64に設けられた検出用凸部68cを検出して、その検出結果に応じた信号を図13に示す演出用制御基板12に送信する。また、フォトダイオード70a、70bは、第1及び第2小径筒体駆動源支持板58L、58Rを介して左右ベース板53R、53Lに取り付けられ、第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bの小径筒体用ギヤ95A、95Bに設けられた検出用凸部96aを検出して、その検出結果に応じた信号を図13に示す演出用制御基板12に送信する。なお、こうしたフォトダイオード60a、70a、70bに代えて、あるいはこうしたフォトダイオード60a、70a、70bとともに、大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの回転位置を検出するエンコーダやレゾルバなどが設けられてもよい。また、フォトダイオード60a、70a、70bの検出対象である検出用凸部68c、96aは、大径筒体60や小径筒体用ギヤ95A、95Bに設けられるものに限定されるものではなく、フォトダイオード60a、70a、70bによって大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの回転位置を検出可能なように設けられていれば、如何なる場所に設けられてもよい。
このように構成されるリールユニット50では、大径筒体駆動機構80によって複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60回りに移動させることができ、第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bによって複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させて大径筒体60に対する角度を調整することができる。また、リールユニット50は、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを大径筒体60に対して回転させる第1小径筒体駆動機構90Aと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70G、70H、70Jを大径筒体60に対して回転させる第2小径筒体駆動機構90Bとが、それぞれ独自に設けられているので、複数の小径筒体70A〜70Jを第1のグループと第2のグループとで独立して大径筒体60に対して回転させることができ、複数の小径筒体70A〜70Jの全てが単一の駆動機構によって一律に大径筒体60に対して回転駆動されるものに比して、多様な可変表示を行うことができる。
また、リールユニット50には、図3に示すように、複数の小径筒体70A〜70Jを光らせるための装飾用LED40(発光手段)が左右リール側面板55L、55Rのそれぞれに設けられている。装飾用LED40は、図3に示す例では、主として、大径筒体60の回転が停止しているときに前面(遊技者側)に位置する小径筒体70A〜70Jが照光されるように配置されている。一例として、図2や図3に示すように、大径筒体60の回転が停止するときに、主として3つの小径筒体70A〜70Jを遊技者が視認できるように構成されている場合、装飾用LED40は、この前面に位置する3つの小径筒体70A〜70Jに対応する位置に設けることができる。図2や図3に示す例では、複数の装飾用LED40のそれぞれは、大径筒体60の回転軸61を中心とする円弧状に並んで配置され、前面に位置する各小径筒体70A〜70Jごとに2つずつ(左右リール側面板55L、55Rのそれぞれに計6つずつ)設けられている。こうした装飾用LED40によって複数の小径筒体70A〜70Jを光らせることにより、飾り図柄が配置されている複数の小径筒体70A〜70Jの視認性を向上させることができる。なお、装飾用LED40は、前面に位置する各小径筒体70A〜70Jごとに1つ又は3つ以上設けてもよいし、大径筒体60の回転軸61を中心とする円弧状に、均等な間隔で並ぶように複数設けてもよい。
また、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるために、左右リール側面板55L、55Rに設けられている装飾用LED40からの光が複数の小径筒体70A〜70Jに照射されるのを補助する構成を備えてもよい。以下、こうした構成の例を説明する。
図7は、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第1の例の構成の概略を示す図である。この第1の例では、装飾用LED40は、前面に位置する3つの小径筒体70A〜70Jのそれぞれに対して、回転軸61を中心とする円弧状に3つずつ(左右リール側面板55L、55Rのそれぞれに計9つずつ)並んで配設されている。そして、この装飾用LED40の前面(複数の小径筒体70A〜70J側)に、複数の小径筒体70A〜70Jの表面に光を導く導光部材41が設けられている。この実施の形態では、導光部材41は、図7及び図8に示すように、例えば透明な樹脂などで形成されて、装飾用LED40に対応する位置に導光部41を有する円弧状の部材として構成されており、左右リール側面板55L、55Rにビスなどを用いて取り付けられている。導光部材41の導光部42は、図7及び図8に示すように、前面に位置する小径筒体70A〜70Jごとに3つずつ設けられている装飾用LED40のうち、中央に位置する装飾用LED40については左右リール側面板55L、55Rの板面に垂直な方向(大径筒体60の回転軸61に沿った方向)に光を導き、両端の装飾用LED40については中央側に傾斜させて光を導くように構成されている。こうした構成により、複数の小径筒体70A〜70Jを効果的に照らすことができ、小径筒体70A〜70Jの視認性を向上させることができる。また、装飾用LED40や導光部材41は、左右リール側面板55L、55Rに取り付けられているので、簡易な構成とすることができる。さらに、小径筒体70A〜70Jを光らせるための構成を大径筒体60や小径筒体70A〜70Jに設けるものに比して、ステッピングモータ82、92A、92Bの負荷を小さすることができ、大径筒体60や小径筒体70A〜70Jを容易に駆動することができる。
また、図7及び図8に示す例では、装飾用LED40や、導光部材41の導光部42は、内側から小径筒体70A〜70Jの表面に光が照射されるように構成しているが、こうした例に限定されず、例えば、装飾用LED40や導光部42の間隔を大きくして内側及び外側から、または外側のみから、小径筒体70A〜70Jの表面に光が照射されるように構成してもよい。また、装飾用LED40や導光部42の数は、前面に位置する各小径筒体70A〜70Jごとに3つずつ設けられるものに限定されず、1つや2つとしてもよいし、4つ以上としてもよい。さらに、導光部42は、装飾用LED40からの光を、拡散させたり集中させたりして小径筒体70A〜70Jの表面に導くものでもよい。
図9は、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例の構成の概略を示す図である。なお、図9では、大径筒体60の右ホイール部65Rと、複数の小径筒体70A〜70Jのうちの1つの小径筒体70Aと、この小径筒体70Aの内側に配置されるリフレクタ(光拡散部材)44と、リフレクタ44を支持するリフレクタ止め45について図示している。第2の例では、装飾用LED40(発光手段)は、第1の例と同様に左右リール側面板55L、55Rに設けられている。そして、第2の例では、装飾用LED40から光が、大径筒体60の左右ホイール部65L、65Rに取り付けられたリフレクタ44を通じて小径筒体70A〜70Jの表面に照射される。
リフレクタ44は、リフレクタ止め45に支持され、大径筒体60の回転軸61の軸方向に沿って小径筒体70A〜70Jの内側に突出するように配設される。リフレクタ44は、例えば透明な樹脂などで板状に形成されており、小径筒体70A〜70Jの内部に位置する光拡散部44aと、リフレクタ止め45に支持される支持部44bと、を有する。光拡散部44aは、小径筒体70A〜70Jの内径Rより若干小さい幅Waに形成されており、支持部44bは、光拡散部44aよりも小さい幅Wbに形成されている。また、支持部44bには、リフレクタ止め45との取り付けのためのビス孔が形成された取付凸部44cが形成されている。なお、リフレクタ44は、例えばアルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成されて半透明状などに構成されてもよい。
リフレクタ止め45は、リフレクタ44が取り付けられてリフレクタ44を支持するとともに、大径筒体60のフレーム64に取り付けられて小径筒体70A〜70Jを軸支する。リフレクタ止め45は、小径筒体70A〜70Jの第1小径筒体ギヤ93A、第2小径筒体ギヤ93Bが取り付けられる側とは反対側に、図4や図5に示す軸止め94A、94Bに代えて取り付けられる。つまり、図9に示す大径筒体60の右ホイール部65Rには、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのリフレクタ止め45が取り付けられ、左ホイール部65Lに、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jのリフレクタ止め45が取り付けられる。リフレクタ止め45は、ホイール64(左右ホイール部65L、65R)に対してビスなどを用いて取り付けられ、大径筒体60に対して回転することなく、大径筒体60の回転に伴って複数の小径筒体70A〜70Jとともに移動する。
また、この複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例の構成では、図9に示すように、大径筒体60の左右ホイール部65L、65Rは、リフレクタ44やリフレクタ止め45を取り付けられるように、貫通孔65aやビス孔が形成されており、小径筒体70A〜70Jにおけるリフレクタ止め45が取り付けられる側の端部には、リフレクタ44を挿通するための貫通孔71が形成されている。左右ホイール部65L、65Rの貫通孔65aは、リフレクタ44の光拡散部44aやリフレクタ止め45の軸受け部45aを挿通できる形状に形成されている。リフレクタ44やリフレクタ止め45を大径筒体60に取り付けるときには、リフレクタ44とリフレクタ止め45とを取り付け、左右ホイール部65L、65Rの貫通孔65aと小径筒体70A〜70Jの貫通孔71とにリフレクタ44を挿通させてから、リフレクタ44とリフレクタ止め45とを小径筒体70A〜70Jの回転方向に少し回転させて、リフレクタ止め45を左右ホイール部65L、65Rにビスなどを用いて固定する。このように、リフレクタ44をホイール64の貫通孔65aに対して少し回転させた状態で固定することにより、リフレクタ44が貫通孔65aから抜けてしまうのを防止することができる。このときには、リフレクタ44は、光拡散部44aの板面が大径筒体60の外周側を向くように配置される。
この複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例の構成では、装飾用LED40からリフレクタ44の支持部44bの端部(図9中のハッチングを施した部分)に光が照射されると、リフレクタ44から大径筒体60の外周側に向けて光が拡散され、小径筒体70A〜70Jが内側から照らされる。こうした構成により、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせることができ、視認性を向上させることができる。また、リフレクタ44は、小径筒体70A〜70Jとともに回転することなく、板面が大径筒体60の外周側を向いて配置されているので、小径筒体70A〜70Jの回転にかかわらず、小径筒体70A〜70Jの外周面を切れ目無く光らせることができる。
なお、図9に示す例では、リフレクタ44は、回転軸61に沿って小径筒体70A〜70Jの内部に突出するように配置されるものとしたが、装飾用LED40から離れるほど、大径筒体60の外周側に傾斜して配置されてもよい。こうすれば、装飾用LED40から離れるほど小径筒体70A〜70Jに照射される光が低減するのを抑制することができる。また、装飾用LED40から離れるほどリフレクタ44から拡散される光の度合いが大きくなるようにリフレクタ44の表面に塗装などを施すことによっても、同様の効果を奏することができる。さらに、リフレクタ44における装飾用LED40から離れた端部に、例えば非透光性状の塗料を付すことによって、非透光性状の壁を有するようにしてもよい。こうすれば、装飾用LED40からの光がリフレクタ44の端から透過してしまうのを抑制することができ、装飾用LED40からの光によって小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせることができる。
図10は、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第3の例の構成の概略を示す図である。なお、図10では、複数の小径筒体70A〜70Jを示すとともに、小径筒体70A〜70Jのうちの一部(小径筒体70F、70G)を分解して示し、分解した小径筒体70A〜70Jに取り付けられる第1小径筒体ギヤ93A、第2小径筒体ギヤ93B、軸受け導光部材47を合わせて示している。第3の例では、装飾用LED40(発光手段)は、第1の例や第2の例と同様に左右リール側面板55L、55Rに設けられている。そして、第3の例では、装飾用LED40からの光が、複数の小径筒体70A〜70Jの内側に取り付けられたリフレクタ46を通じて小径筒体70A〜70Jの表面に照射される。
リフレクタ46は、複数の小径筒体70A〜70Jの端面を構成する両側の端面部材72に挟持されて、複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれの内側に支持される。一例として、リフレクタ46は、小径筒体70A〜70Jの回転軸方向に沿って両端から端面部材72に挟持されることで固定される。なお、小径筒体70A〜70Jの内周面に、リフレクタ46を固定するための突起が設けられてもよい。リフレクタ46は、例えば、アルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成され、表面で光を拡散するように構成されている。リフレクタ46は、小径筒体70A〜70Jに配置される飾り図柄に対応する方向に光を拡散させるよう構成されており、この実施の形態では、図10及び図11(a)、(b)に示すように、120度ごとに板面が小径筒体70A〜70Jの外周側に面するように構成されている。また、リフレクタ46の各飾り図柄に対応する方向を向いた板面は、軸受け導光部材47に近いほど内側に凸となる曲面状であって、軸受け導光部材47から離れるほど平面状に、つまり板面が小径筒体70A〜70Jの外周面に近づくように形成されている。さらに、リフレクタ46は、軸受け導光部材47から遠い端部46aが小径筒体70A〜70Jの外周側に屈折して構成されている。なお、リフレクタ46は、例えば小径筒体70A〜70Jの外周面に、2つや4つ以上の飾り図柄が配置される場合などにも、それぞれの図柄に対応する方向に光を拡散させるように構成されればよい。
軸受け導光部材47は、大径筒体60のホイール64に取り付けられて小径筒体70A〜70Jを軸支する。軸受け導光部材47には、装飾用LED40からの光をリフレクタ46に向けて導く導光部47aが形成されている。軸受け導光部材47は、小径筒体70A〜70Jの第1小径筒体ギヤ93A、第2小径筒体ギヤ93Bが取り付けられる側とは反対側に、図4や図5に示す軸止め94A、94Bに代えて取り付けられる。つまり、右ホイール部65Rには、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの軸受け導光部材47が取り付けられ、左ホイール部65Lに、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの軸受け導光部材47が取り付けられる。軸受け導光部材47は、ホイール64(左右ホイール部65L、65R)に対してビスなどを用いて取り付けられ、大径筒体60に対して回転することなく、大径筒体60の回転に伴って複数の小径筒体70A〜70Jとともに移動する。
この複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第3の例の構成では、複数の小径筒体70A〜70Jの内側にリフレクタ46がそれぞれ配設され、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60に対して回転すると、複数の小径筒体70A〜70Jとともにリフレクタ46も回転する。そして、大径筒体60に取り付けられている軸受け導光部材47の導光部47aの端部(図11(a)中のハッチングを施した部分)に装飾用LED40から光が照射されると、小径筒体70A〜70Jの内側に光が導かれ、リフレクタ46によって小径筒体70A〜70Jの外周側に光が拡散される。こうした構成によっても、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせることができ、視認性を向上させることができる。また、リフレクタ46は、小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄の切れ目には、飾り図柄が配置されている部分に比して光が照射されないので、小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄の切れ目を際立たせることができる。さらに、リフレクタ46は、小径筒体70A〜70Jとともに回転するので、小径筒体70A〜70Jの回転を際立たせることができるとともに、小径筒体70A〜70Jの回転にかかわらず、小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄を一様に光らせることができる。
また、リフレクタ46は、軸受け導光部材47に近いほど板面が内側に凸となる曲面状であって、軸受け導光部材47から離れるほど板面が平面状に近づいて小径筒体70A〜70Jの外周面に近づくように形成されているので、装飾用LED40から離れるほど小径筒体70A〜70Jに照射される光が低減するのを抑制して、小径筒体70A〜70Jを均一に光らせることができる。また、リフレクタ46は、軸受け導光部材47から遠い端部46aが小径筒体70A〜70Jの外周側に屈折して構成されているので、装飾用LED40からの光がリフレクタ44の端から透過してしまうのを抑制することができ、小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせることができる。なお、リフレクタ46は、図10や図11に示す例に限定されず、軸受け導光部材47(装飾用LED40)からの距離にかかわらず、小径筒体70A〜70Jの外周面と一定の距離となるように構成されてもよい。また、装飾用LED40から離れるほどリフレクタ46から拡散される光の度合いが大きくなるようにリフレクタ46の表面に塗装などを施してもよい。さらに、リフレクタ46は、軸受け導光部材47(装飾用LED40)から遠い端部46aが小径筒体70A〜70Jの外周側に屈折せずに構成されていてもよい。
このように複数の小径筒体70A〜70Jが内側から照らされる構成では、複数小径筒体70A〜70Jは、リール面が透光性を有するように形成されていればよい。これにより、内部から光って複数の小径筒体70A〜70Jの視認性が向上する。なお、リール面は、例えばアルミニウムなどによって表面に金属薄膜層が形成されて半透明状などに構成されてもよい。また、リール面の全体が透光性を有するものに限定されず、例えば、飾り図柄とその他の部分との一方が透光性を有し、他方が透光性を有しないように形成されていてもよい。飾り図柄のみが透光性を有する場合、飾り図柄が光ることでその視認性を向上させることができる。また、飾り図柄が透光性を有さずにその他の部分が透光性を有する場合にも、飾り図柄の周りが光ることで飾り図柄の視認性を向上させることができる。さらに、特定の飾り図柄のみが透光性を有するようにしてもよい
なお、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例や第3の例の構成では、装飾用LED40は、前面に位置する各小径筒体70A〜70Jごとに1つ又は複数といった任意の数を設けることができ、大径筒体60の回転軸61を中心とする円弧状に、均等な間隔で並ぶように複数設けてもよい。こうすれば、大径筒体60の回転に伴って複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60回りに移動するときにも、複数の小径筒体70A〜70Jを効果的に光らせることができる。
複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第1から第3の例では、主として、大径筒体60の回転が停止して複数の小径筒体70A〜70Jが移動しないときに、前面に位置する小径筒体70A〜70Jが効果的に光らせるように構成されている。このため、大径筒体60を回転させて複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60回りに移動するときには、装飾用LED40を消灯するものとしてもよい。
また、図9に示す複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例の構成や、図10及び図11に示す第3の例の構成では、左右リール側面板55L、55Rの一方の装飾用LED40からリフレクタ44の支持部44bや軸受け導光部材47の導光部47aに光が入力されて小径筒体70A〜70Jが光らされるので、リフレクタ44の支持部44bや軸受け導光部材47の導光部47aに光を入力しない装飾用LED40については、消灯するものとしてもよい。この場合には、例えば、大径筒体60の回転が停止しているときに、フォトダイオード60aからの検出信号に基づいて、中段に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが停止しているときには、上段と下段については、左リール側面板55Lに設けられている装飾用LED40のみを点灯するとともに、中段については、右リール側面板55Rに設けられている装飾用LED40のみを点灯し、中段に第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが停止しているときには、上段と下段については、右リール側面板55Rに設けられている装飾用LED40のみを点灯するとともに、中段については、左リール側面板55Lに設けられている装飾用LED40のみを点灯するなどとすればよい。
さらに、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第1から第3の例では、複数の小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄ごとに透光性が異なるように構成されてもよい。また、装飾用LED40からの光の出力量を変更することによって複数の小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄ごとに光らせる程度を変更してもよい。
以上説明したリールユニット50が、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rとして、3つ並べられて表示装置5が構成される。なお、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rは、例えば、左リールユニット5Lと右リールユニット5Rとでは、左右対称に形成されるなど、それぞれに異なる構成であってもよい。また、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rは、例えば隣り合うリールでベース52が併用されることなどによって、一体に形成されてもよい。
こうした表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各大径筒体60や小径筒体70A〜70Jが回転し、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として画定特別図柄が停止表示されるときに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各大径筒体60や小径筒体70の回転を停止させ、飾り図柄の可変表示結果となる画定飾り図柄(最終停止図柄)が遊技者に停止表示される。この実施の形態の表示装置5では、図2に示すように、飾り図柄が停止表示されたときには、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれについて、少なくとも3つの小径筒体における飾り図柄(つまり、計9つの飾り図柄)が、遊技者が視認できるように停止表示される。
このように、表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を遊技者に対して停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、遊技者が視認できる飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れ(大径筒体60の回転および小径筒体70A〜70Jの回転あるいはその双方の回転による揺れを含む)などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が視認可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れを生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
表示装置5の下方には、始動入賞記憶表示器10が配置されている。始動入賞記憶表示器10では、例えばランプなどの点灯態様によって、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示器10のおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。
図1に示す例では、表示装置5の下方に設けられた始動入賞記憶表示器10とともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図13に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図13に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図13に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図13に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図13に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート21Aを通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート21Aを通過した遊技球が図13に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図13に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図13に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。また、大当り図柄の数は、大当り種別の数に応じて設けられていればよく、上記の他に、例えば「5」の数字を示す特別図柄を大当り図柄としてもよい。また、可変表示結果として「小当り」を設ける場合には、例えば「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄としてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態として、通常開放大当り状態のみが設けられるが、「5」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とする場合には、「5」の数字を示す特別図柄を短期開放ラウンド大当り図柄とし、短期解放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)を設けてもよい。特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
また、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御されてもよい。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各大径筒体60と小径筒体70A〜70Jとが駆動されて飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのうち停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける一部(例えば左リールユニット5L及び右リールユニット5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りのリールユニット(例えば中リールユニット5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、小径筒体70を回転させて微妙な揺れを生じさせたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このような表示態様の変化などの演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様を予め設定しておき、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなるようにしてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出が実行可能である。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。また、「滑り」の可変表示演出が実行されてもよい。この場合、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの全部にて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば1回)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出では、例えば、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて、先に複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させて、一旦仮停止表示させてから大径筒体60の回転を伴って飾り図柄を再び変動させたり、反対に、先に大径筒体60を回転させて、一旦仮停止表示させてから小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させて飾り図柄を再び変動させたりすることができる。
「擬似連」の可変表示演出では、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば最大3回行われるなどと、複数回が実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されてもよい。予告演出となる演出動作は、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(左リールユニット5L及び右リールユニット5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて可変表示される飾り図柄が「0」〜「9」の数字を示す図柄や「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す図柄のうち、偶数「0」、「2」、「4」、「6」、「8」を示す図柄又は「ジャック」、「クイーン」を示す図柄のいずれか1つが、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける上段の横方向のライン(上段ライン)、中段の横方向のライン(中段ライン)、下段の横方向のライン(下段ライン)、左上から右下に向かう斜め方向のライン(右下がりライン)、および右上から左下に向かう斜め方向のライン(左下がりライン)といった所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する偶数「0」、「2」、「4」、「6」、「8」を示す飾り図柄や「ジャック」、「クイーン」を示す飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。なお、この実施の形態では、図12に示す飾り図柄のうち、「スペード(ブランク)」を示す図柄については、大当り組合わせを構成しないものとしている。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて可変表示される「0」〜「9」を示す図柄や「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す図柄のうち、奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を示す図柄または「キング」、「ジョーカー」を示す図柄のいずれか1つが、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を示す飾り図柄や「キング」、「ジョーカー」を示す飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されてもよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもあってもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがあるようにしてもよい。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみであるようにしてもよい。したがって、このようにした場合、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、表示装置5にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図13に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、表示装置制御基板16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や始動入賞記憶表示器10などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
表示装置制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた演出可動機構制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの司令や制御データなどに基づき、表示装置5における表示動作を行うためのモータドライバ回路やLEDドライバ回路などが搭載されている。表示装置制御基板16は、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれに設けられたフォトダイオード60a、70a、70bからの信号を受信したり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれに設けられた大径筒体駆動源82や第1及び第2小径筒体駆動源92A、92Bに駆動制御信号を送信したりする。
図13に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば表示装置5における表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図14(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図14(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図14(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図14(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図15は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図13に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図16は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
図16に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4、変動パターンPB1−1が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、PA2−1〜変動パターンPA2−4、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2が、予め用意されている。さらに、大当り変動パターンとしては、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2が、用意されている。
非リーチ変動パターンである変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4、変動パターンPB1−1では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になることなく、確定飾り図柄が導出表示される。具体的には、変動パターンPA1−1は、確変状態や時短状態ではない通常時に、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されず、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「短縮なし(通常時)」であって、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出が行われる変動パターンである。変動パターンPA1−2は、確変状態や時短状態ではない通常時に、合計保留記憶数が「5」〜「8」であることに対応して特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「短縮あり(通常時)」であって、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを回転させる可変表示演出が行われる変動パターンである。変動パターンPA1−3は、「短縮なし(通常時)」であって、変動パターンPA1−1と異なり、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が行われる変動パターンである。変動パターンPA1−4は、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを回転させて、一旦仮停止表示させてから大径筒体60の回転を伴って飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンである。変動パターンPB1−1は、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われることに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「短縮(時短制御中)」であって、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出が行われる変動パターンである。
リーチ変動パターンである変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−4、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2では、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にしてリーチ演出を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄が導出表示される。具体的には、変動パターンPA2−1は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出が行われる変動パターンである。変動パターンPA2−2は、「擬似連」の可変表示演出が実行されずに、変動パターンPA2−1と異なり、複数の小径筒体70A〜70Jの第1系統p1(第1部分)に属する「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が行われる変動パターンである。変動パターンPA2−3は、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを回転させて、一旦仮停止表示させてから、第1系統p1に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60の回転を伴って飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンである。変動パターンPA2−4は、第1系統p1に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて、一旦仮停止表示させてから、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを回転させて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンである。
また、変動パターンPB2−1は、複数の小径筒体70A〜70Jの第3系統p3(第2部分)に属する「エース(A)」、「ジャック(J)」、「クイーン(Q)」、「キング(K)」、「ジョーカー(JO)」、「スペード(ブランク)」を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が行われる変動パターンである。変動パターンPB2−2は、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを回転させて、一旦仮停止表示させてから、第3系統p3に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60の回転を伴って飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンである。
大当り変動パターンである変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2のそれぞれは、リーチ変動パターンである変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−4、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2のそれぞれについて、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されるものに相当する。
図16に示すように、この実施の形態では、特図変動時間が比較的短い(例えば15000msより短い)変動パターンでは、大径筒体60の回転を停止させたまま、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させることによって可変表示演出が実行される(変動パターンPA1−1、変動パターンPA1−2、変動パターンPB1−1参照)。このように変動パターンが設定されていることによって、特図変動時間が比較的短いときには、大径筒体60よりも1周するのに要する時間が短い小径筒体70A〜70Jを回転させて、飾り図柄の可変表示(変動)を行うことができるので、大径筒体60が十分に回転することなく飾り図柄の可変表示(変動)が終わってしまうのを抑制して、効果的な演出を行うことができる。ここで、例えば、大径筒体60を回転させて複数の小径筒体70A〜70Jを移動させるときと、大径筒体60に対して複数の小径筒体70A〜70Jを回転させるときとで、小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄が同じ速度で変動するように大径筒体60と小径筒体70A〜70Jとが駆動される場合などに、小径筒体70A〜70Jの方が大径筒体60よりも1周するのに要する時間が短くなる。
また、この実施の形態では、変動パターンとして、大径筒体60を回転させて、一旦仮停止表示させてから、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させることによる可変表示演出を実行するものや(変動パターンPA2−4参照)、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させて、一旦仮停止表示させてから、大径筒体60を回転させることによる可変表示演出を実行するものを含んでおり(変動パターンPA1−4など参照)、多様なバリエーションの可変表示演出を実行して遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態ではない通常時に、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が実行される変動パターン(例えば変動パターンPA1−1参照)では、複数の小径筒体70A〜70Jの第1系統p1に属する「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて可変表示演出が行われ、一方、遊技状態が確変状態や時短状態で時間短縮制御が実行されているときに、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が実行される変動パターン(例えば変動パターンPB2−1参照)では、複数の小径筒体70A〜70Jの第3系統p3に属する「エース(A)」、「ジャック(J)」、「クイーン(Q)」、「キング(K)」、「ジョーカー(JO)」、「スペード(ブランク)」を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて可変表示演出が行われるように複数の変動パターンが定められている。これにより、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が実行されるときに、時短制御中であるか否かに応じて、遊技者などに視認される飾り図柄の系統が異なるので、可変表示演出が単調となるのを抑制して、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、この実施の形態に係る表示装置5による変動パターンについて説明する。表示装置5では、変動パターンが、非リーチ変動パターン、リーチ変動パターン、大当り変動パターンのいずれであるかにかかわらず、大径筒体60の回転を停止させたまま、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させたり、複数の小径筒体70A〜70Jの大径筒体60に対する回転を停止させたまま、大径筒体60を回転させて、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60回りに移動させたり、大径筒体60と複数の小径筒体70A〜70Jとをそれぞれに回転させたりして、複数の小径筒体70A〜70Jに配置されている飾り図柄を可変表示(変動)させることができる。また、複数の小径筒体70A〜70Jは、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで、独立して大径筒体60に対して回転させることができ、それぞれのグループで異なる回転速度で回転させたり、それぞれのグループで大径筒体60に対して逆方向に回転させたり、一方のグループに属する小径筒体の回転を停止させたまま、他方のグループに属する小径筒体を回転させたりすることもできる。
この実施の形態に係る表示装置5によるリーチ変動パターンや大当り変動パターンとしては、例えば、表示装置5における所定の1つの有効ライン上(例えば、上段ラインなど)で飾り図柄がリーチ態様で停止表示されるシングルリーチや、表示装置5における所定の2つの有効ライン上(例えば、右下がりライン、左下がりラインなど)で飾り図柄がリーチ態様で停止表示されるダブルリーチ、表示装置5における所定の3つの有効ライン上(例えば、中段ライン、右下がりライン、左下がりラインなど)で飾り図柄がリーチ態様で停止表示されるトリプルリーチなどの可変表示演出を行うことができる。なお、こうしたシングルリーチ、ダブルリーチ、トリプルリーチなどの可変表示演出は、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出と、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出とのいずれの場合にも行うことができる。
また、リーチ変動パターンや大当り変動パターンとして、表示装置5における左リールユニット5L及び右リールユニット5Rの上段および下段で第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示され、中リールユニット5Cの上段、中段、下段のいずれで「7」の数字を示す飾り図柄が停止しても「大当り」となるリーチ態様が演出されるものとしたり、さらに左リールユニット5R及び右リールユニット5Lの中段で同じ数字(例えば、「6」など)を示す飾り図柄が停止表示されることによって、中リールユニット5Cの中段では2種類の数字(「7」と、例えば「6」など)を示す飾り図柄が停止したときに「大当り」となる可変表示演出を行うこともできる。なお、こうした可変表示演出についても、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出と、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出とのいずれの場合にも行うことができる。
また、リーチ変動パターンや大当り変動パターンとして、表示装置5における左リールユニット5L及び右リールユニット5Rの中段で第1系統p1又は第2系統p2の「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cでは、第1のグループに属する小径筒体(図12中、奇数のリール番号の小径筒体)70A、70C、70E、70G、70Iで第1系統p1に属する偶数の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示されるとともに第2のグループに属する小径筒体(図12中、偶数のリール番号の小径筒体)70B、70D、70F、70H、70Jで第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で、大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が継続して行われ、中リールユニット5Lで遊技者に表示される飾り図柄のうち、半分の飾り図柄が「7」の数字を示す図柄となる可変表示演出が行われるものとしたり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれにおいて、第3系統p3に属する「エース」、「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」、「スペード(ブランク)」を示す図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が行われてもよい。
また、リーチ変動パターンや大当り変動パターンとして、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rの中段で第1系統p1又は第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cでは、第1系統p1の飾り図柄として「7」の数字が配置された小径筒体70D(図12中、リール番号4の小径筒体)が中段に位置するように大径筒体60が回転停止され、この状態で中リールユニット5Cの中段に停止している小径筒体70Dが回転駆動されることによって(つまり、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが大径筒体60に対して回転駆動されることによって)飾り図柄の変動表示が継続して行われ、中リールユニット5Lの小径筒体70Dに配置された第1系統p1〜第3系統p3に属する飾り図柄のうち、第1系統p1又は第2系統p2に属する飾り図柄(「7」の数字を示す図柄)が停止表示されたときに「大当り」となる可変表示演出が行われてもよい。
また、リーチ変動パターンや大当り変動パターンとして、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける複数の小径筒体70A〜70Jの全てにおいて、第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が行われ、大径筒体60がどの位置で停止しても「大当り」となる可変表示演出が行われてもよい。
なお、表示装置5による変動パターンはこうしたものに限定されるものではなく、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける大径筒体60や第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70I、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jをそれぞれに回転駆動させることによって実現できる種々の変動パターンが採用されればよい。
図17は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図16に示す各変動パターンは、図17に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、リーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図17に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図16に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図22に示すような変動パターン決定テーブル134の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル134において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図17に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターンCA1−4、変動パターンCB1−1が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1、変動パターン種別CA2−2、変動パターン種別CB2−1、変動パターン種別CB2−2、変動パターン種別CC2−1が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「大当り」で「非確変」または「確変」の可変表示態様(大当り種別)に対応して、変動パターン種別CA3−1、変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CB3−1、変動パターン種別CB3−2が、予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されず、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「短縮なし(通常時)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CA1−2は、確変状態や時短状態ではない通常時に、合計保留記憶数が「5」〜「8」であることに対応して特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「保留5〜8個短縮(通常時)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CA1−3は、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われることに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されて、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「短縮(時短制御中)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CA1−4は、「擬似連」の可変表示演出が実行される「非リーチ時擬似連」の変動パターン種別である。変動パターン種別CB1−1は、確変状態や時短状態ではない通常時に、特別図柄や飾り図柄の可変表示(変動)が所定回数(例えば20回)実行される毎に選択される「特定変動実行時」の変動パターン種別である。
変動パターン種別CA2−1は、確変状態や時短状態でない通常時に、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「リーチ(ハズレ)擬似連なし(通常時)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CA2−2は、確変状態や時短状態でない通常時に「擬似連」の可変表示演出が実行される「リーチ(ハズレ)擬似連あり(通常時)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CB2−1は、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われる短縮制御中に、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「リーチ(ハズレ)擬似連なし(短縮制御中)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CB2−2は、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われる短縮制御中に、「擬似連」の可変表示演出が実行される「リーチ(ハズレ)擬似連あり(短縮制御中)」の変動パターン種別である。
変動パターン種別CA2−1は、確変状態や時短状態でない通常時に、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「リーチ(ハズレ)擬似連なし(通常時)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CA2−2は、確変状態や時短状態でない通常時に「擬似連」の可変表示演出が実行される「リーチ(ハズレ)擬似連あり(通常時)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CB2−1は、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われる短縮制御中に、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「リーチ(ハズレ)擬似連なし(短縮制御中)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CB2−2は、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われる短縮制御中に、「擬似連」の可変表示演出が実行される「リーチ(ハズレ)擬似連あり(短縮制御中)」の変動パターン種別である。変動パターン種別CC2−1は、確変状態や時短状態ではない通常時に、特別図柄や飾り図柄の可変表示(変動)が所定回数(例えば20回)実行される毎に選択され、「擬似連」の可変表示演出が実行されない「リーチ(ハズレ)擬似連なし(特定変動実行時)」の変動パターン種別である。
変動パターン種別CA3−1、変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CB3−1、変動パターン種別CB3−2のそれぞれは、変動パターン種別CA2−1、変動パターン種別CA2−2、変動パターン種別CB2−1、変動パターン種別CB2−2のそれぞれの可変表示結果が「大当り」とされたものに相当する。
図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図18は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブル130の構成例を示している。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
特図表示結果決定テーブル130において、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。特図表示結果決定テーブル130では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、特図表示結果決定テーブル130では、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。なお、この実施の形態では、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブル130を参照して、特図表示結果の決定を行うものとしたが、第1開始条件が成立したときと第2開始条件が成立したときとで異なる特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図19は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)と第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)のいずれであるかにかかわらず、共通の大当り種別決定テーブル131を参照して、大当り種別の決定を行うものとしたが、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて異なる大当り種別決定テーブルを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図20及び図21は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図20に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132と、図21(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、図21(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bと、図21(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132は、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態であるか、時短状態(低確状態)または確変状態(高確状態)であるかに応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132では、遊技状態が通常状態であるか、時短状態(低確状態)または確変状態(高確状態)であるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1、変動パターン種別CA3−2、変動パターン種別CB3−1及び変動パターン種別CB3−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132では、遊技状態が通常状態であるか、時短状態(低確状態)または確変状態(高確状態)であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別CA3−1、変動パターン種別CA3−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CB3−1及び変動パターン種別CB3−2に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、遊技状態が時短状態(低確状態)または確変状態(高確状態)である場合には、変動パターン種別CB3−1及び変動パターン種別CB3−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA3−1及び変動パターン種別CA3−2に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、遊技状態が通常状態である場合と時短状態(低確状態)または確変状態(高確状態)である場合とで異なる変動パターン種別に決定することができる。なお、遊技状態が通常状態である場合と、時短状態(低確状態)または確変状態(高確状態)である場合とのそれぞれで決定される同一の変動パターン種別が設けられていてもよい。この場合には、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられてもよい。
また、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、大当り種別が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定されかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、大当り種別が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aは、例えば遊技状態が通常状態であって、特定変動実行時ではないときに、使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cは、遊技状態が通常状態であって、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが所定回数(例えば20回など)実行されるごとに、特定変動実行時であることに対応する使用テーブルとして選択される。また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、特定変動実行時であるか否かに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)では、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、または、遊技状態が通常状態であるときに、特定変動実行時であるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図22は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル134の構成例を示している。変動パターン決定テーブル134は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル134では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図23に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図23に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート21Aを通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート21Aを通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図13に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図13に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、表示装置5における飾り図柄の表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図13に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図24(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Lのそれぞれの表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、表示装置5の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図24(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させる表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図24(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットしてもよい。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
次に、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図25のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図25に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図26は、特別図柄プロセス処理として、図25に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図27は、始動入賞判定処理として、図26のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図27に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図25に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図25に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図26のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図28は、特別図柄通常処理として、図26のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS239)。こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、現在の遊技状態に応じて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブル130において遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS241;No)、ステップS245の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば表示装置5において所定の演出表示を行うことなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図29は、変動パターン設定処理として、図16のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132を選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS264)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS264;No)、変動実行数を1加算するように更新する(ステップS265a)。CPU103は、例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた変動実行数カウンタの格納値である変動実行数カウント値を、1加算するように更新すればよい。こうして、変動実行数は、時短制御中ではないときに、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われる毎に、1増加するように更新される。続いて、変動実行数カウンタの格納値である変動実行数カウント値を読み込むことにより、更新した変動実行数が所定数(例えば「20」)となっているか否かを判定する(ステップS265b)。このとき、変動実行数が所定数でなければ(ステップS265b;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aを選択してセットする(ステップS266)。ステップ265bにて、変動実行数が所定数であれば(ステップS265b;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットして(ステップS267a)、変動実行数を“0”にリセット(初期化)する(ステップS267b)。また、ステップS264にて時短制御中である場合には(ステップS264;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS268)。なお、ステップS266の処理を実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。また、所定数は、「20」以外の数としてもよい。
この実施の形態では、遊技状態が時短制御中でないときには、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われる毎に変動実行数が1ずつ加算され、変動実行数が所定数に至ったときには、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cが使用テーブルにセットされて、変動実行数は“0”に初期化される。つまり、遊技状態が時短制御中でないときには、特図ゲームにおける可変表示が所定数行われるごとに、パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cが使用テーブルにセットされることになる。
ステップS263、S266、S267b、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグがオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターン種別を決定した後には、変動パターン決定テーブル134を選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS270)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS270にてセットした変動パターン決定テーブル134を参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS271)。
変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS271の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出された始動入賞時に抽出されたものを、乱数値MR1〜MR3とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留情報として記憶しておいてもよい。
ステップS271の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS271の処理では、ステップS269における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS271にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS272の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS274でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図15に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
この実施の形態では、遊技状態が時短制御中でないときに、特図ゲームにおける可変表示が所定数行われるごとに、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cが使用テーブルにセットされる。このハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cでは、図21(C)に示すように、変動パターン種別として、変動パターン種別CB1−1、変動パターン種別CC2−1のいずれかが選択される。また、図16及び図22に示すように、変動パターン種別CB1−1は、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が行われる非リーチ変動パターンである変動パターンPA1−3に決定され、変動パターンCC2−1は、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が行われるリーチ変動パターンである変動パターンPA2−2に決定される。つまり、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cが使用テーブルにセットされたときには、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われる変動パターンが決定されることになる。これにより、遊技状態が時短制御中でないときに、特図ゲームにおける可変表示が所定数行われるごとに、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われる機会を確保することができ、大径筒体60の回転が行われずに遊技が単調となってしまうのを防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技状態が時短制御中であり、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bが使用テーブルにセットされると、図21(B)に示すように、変動パターン種別として、可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した変動パターン種別CA1−3、可変表示態様を「リーチ」とする場合に対応した変動パターン種別CB2−1および変動パターン種別CB2−2のいずれかが選択される。また、図16及び図22に示すように、可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した変動パターン種別CA1−3は、大径筒体60の回転を停止させたまま複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出が行われる変動パターンPA1−3が決定され、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われる非リーチ変動パターンは決定されない。一方、可変表示態様を「リーチ」とする場合に対応した変動パターン種別CB2−1、変動パターン種別CB2−2では、図16及び図22に示すように、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われる変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2が決定される。したがって、遊技状態が時短制御中のときには、可変表示態様を「リーチ」とする場合に対応した変動パターン種別が決定されるときにだけ、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われることになる。こうした構成により、遊技状態が時短制御中のときには、表示装置5において大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われると、リーチ演出表示が実行されるので、遊技者などに大径筒体60が回転するか否かに興味を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図30は、図26のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図26に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。そして、大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS323;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」など)を、時短回数カウンタに設定する。なお、大当り種別が「確変」である場合には、時短回数カウント値の初期設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定してもよい。その後、時短制御中ではないときに特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われる毎に、1増加するように更新される変動実行数を“0”に初期化するとともに(ステップS325a)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図31のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図31に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば表示装置5の各リールユニット5L、5C、5Rにおける演出表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図32は、演出制御プロセス処理として、図22のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図33は、可変表示開始設定処理として、図32のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち表示装置5の左リールユニット5Lで停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち表示装置5の右リールユニット5Rで停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち表示装置5の中リールユニット5Cで停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定してもよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち表示装置5の左リールユニット5L、右リールユニット5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち表示装置5の中リールユニット5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S528の処理のいずれかを実行した後には、可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS531)。一例として、ステップS531の処理では、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS531の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などにはかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。より具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS532)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS532の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS533)。続いて、表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS534)。このときには、例えばステップS532にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
図34は、可変表示中演出処理として、図32のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS546)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS541にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS541;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS547)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS547;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS547にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS547;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS548)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS549)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS550)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な演出動作について説明する。図35〜図39は、リーチが実行される場合における表示装置5の表示動作例を示す図である。図35〜図39に示す例は、例えば、リーチ変動パターンや当たり変動パターンとして用いられる。この変動パターンでは、表示装置5における左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで上段、中段、下段の全てに「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cで飾り図柄の変動表示が継続して行われることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチとなる。
中リールユニット5Cは、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jでは第3系統p3に属する「エース」、「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す飾り図柄が固定して遊技者に表示された状態で、大径筒体60の回転と第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転とを伴って飾り図柄の変動表示が継続して行われ、図35及び図36に示すように、大径筒体60の回転によって複数の小径筒体70A〜70Jが表示装置5の前面で下方向に移動する一方、「7」の数字を示す飾り図柄が、小径筒体70A〜70Jの下方向への移動に逆らって、第2グループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの裏面をくぐって(スキップして)、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70J間を上方向に移動して見えるように飾り図柄の変動表示が行われる。なお、図36では、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iにおいて「7」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示される(外周側に位置する)ときの中リールユニット5Cにおける遊技者への表示の様子を、時間ごとに並べて示している。図36に示す例では、右に進むに従って、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ下方向に移動しているが(例えば、図36(C)及び図36(D)の「ジョーカー」参照)、「7」の数字を示す飾り図柄は、見かけ上この移動に逆らって、「エース」、「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す飾り図柄の裏面を移動して、小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上方向に移動したように見える。
このときの大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの具体的な回転動作例について説明する。図37〜図39の(a)〜(t)は、大径筒体60が回転することによって複数の小径筒体70A〜70Jが隣合う小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ移動するごとの中リールユニット5Cの様子を示しており、(a)〜(t)のそれぞれにおいて、左側に前面(遊技者側)の表示内容を示すとともに、右側に複数の小径筒体70A〜70Jにおける飾り図柄の配置を示している。なお、図36(A)〜(G)は、図37〜図39の(b)、(e)、(h)、(k)、(n)、(q)、(t)における遊技者への表示内容を順に並べたものに相当する。
例えば図37〜図39における小径筒体Eに着目すると、図37(a)及び図37(b)に示すように、大径筒体60の回転に伴って小径筒体同士の距離の半分だけ小径筒体Eが下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体Eは、大径筒体60の回転とは逆方向に飾り図柄1つ分(120度)回転し、飾り図柄が小径筒体面を下から上に移動して、遊技者に表示される図柄が「6」を示す図柄から「7」を示す図柄に変更される。
続いて、図37(c)及び図37(d)に示すように、小径筒体Eが小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動するごとに(大径筒体60が18度回転するごとに)、小径筒体Eによる遊技者への表示は、「7」を示す図柄から「スペード」、「6」を示す図柄へと順に変更される。そして、図37(e)に示すように、図37(b)で小径筒体Eにおいて「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Eが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、大径筒体60が回転したことによって遊技者が視認可能となった小径筒体Cにおいて「7」を示す図柄が遊技者に表示される。ここで、小径筒体が下方向に移動するのに対して、「7」の図柄は小径筒体面を下から上に移動して表示される。そして、図37(e)で小径筒体Cにおいて表示される「7」の図柄は、前回(図37(b))に小径筒体Eで表示されていた「7」の図柄よりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上に表示されるので(図36(A)及び図36(B)参照)、遊技者には、小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Cに移動し、小径筒体Cで表示されているように見える。なお、図37〜図39では、制御動作の理解を容易にするため、大径筒体60が18度回転するごとの遷移を示しているが、遊技者から見ると、図36(A)〜(G)に示すように見えるような回転速度で中リールユニット5Cは駆動されている。具体的には、例えば、大径筒体60は1秒で108度回転するとともに、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iは大径筒体60に対して1秒で2回転(720度回転)するように中リールユニット5Cは駆動される。
同様の制御が行われて中リールユニット5Cの可変表示が継続されると、図37(e)〜図37(h)に示すように、図37(e)で小径筒体Eにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Eが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Cにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図37(h)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Cに移動し、小径筒体Eで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Cで「7」の図柄が表示されているように見える(図36(B)及び図36(C)参照)。
また、続いて、図37(h)、図38(i)〜図38(k)に示すように、図37(h)で小径筒体Cにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Cが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Aにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図38(k)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Cで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体60の内側で小径筒体Aに移動し、小径筒体Cで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Aで「7」の図柄が表示されているように見える(図36(C)及び図36(D)参照)。
また、続いて、図38(k)〜図38(n)に示すように、図38(k)で小径筒体Aにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Aが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Iにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図38(n)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Aで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体60の内側で小径筒体Iに移動し、小径筒体Aで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Iで「7」の図柄が表示されているように見える(図36(D)及び図36(E)参照)。
また、続いて、図38(n)〜図38(p)、図39(q)に示すように、図38(n)で小径筒体Iにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Iが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Gにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図39(q)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Iで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Gに移動し、小径筒体Iで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Gで「7」の図柄が表示されているように見える(図36(E)及び図36(F)参照)。
また、続いて、図39(q)〜図39(t)に示すように、図39(t)で小径筒体Gにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Gが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Eにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図38(q)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Gで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Eに移動し、小径筒体Iで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Eで「7」の図柄が表示されているように見える(図36(F)及び図36(G)参照)。
この実施の形態では、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとは、大径筒体60の円周上に交互に配置されているから、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体2つ分だけ移動すると(大径筒体60が72度だけ回転すると)、各小径筒体70A〜70Jは、同じグループに属する小径筒体同士の距離1つ分だけ移動することになる。この間に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを大径筒体60とは逆方向に1回転(360度回転)させると、第1のグループに属する小径筒体で共通する「7」の図柄は、複数の小径筒体70A〜70Jが移動する方向と逆の方向に移動するとともに、第1のグループに属する小径筒体1つ分移動するごとに遊技者に表示されることになり、見かけ上、「7」の図柄が、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、第1のグループに属する小径筒体間を移動して同じ場所で留まっているように表示される。
この間に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを大径筒体60とは逆方向に1回転(360度)より若干大きい角度または小さい角度回転させると、「7」の図柄は、見かけ上、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70Jの移動よりも若干早くまたは遅く大径筒体60の円周上を移動しているように遊技者に表示される。図37〜図39の例では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動するときに(大径筒体60が72度回転するときに)、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に480度(360度+120度(小径筒体1図柄分の回転角度))だけ回転する速度で回転しており、図36(A)〜(G)に示すように、大径筒体60が54度(72度−18度)回転する毎に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して1回転(360度回転)し、見かけ上、「7」の図柄が大径筒体60の回転に逆らって大径筒体60の18度分の距離(小径筒体同士の距離の半分)だけ上に移動したように表示される。
以上図35〜図39を用いて説明した表示装置5における中リールユニット5Lの可変表示では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離の半分だけ移動する間に、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に小径筒体1図柄分(120度)だけ回転させ、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jは回転させないものとしたが、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動する間に、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に360度より小径筒体1図柄分の回転角度(この実施形態では120度)の範囲内の所定角度だけ大きい又は小さい角度回転させ、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jを回転させないことによって、同様の可変表示を行うことができる。つまり、「7」の数字を示す飾り図柄が、小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、第2グループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの裏面をくぐって(スキップして)、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70I間を移動して見えるように飾り図柄の変動表示を行うことができ、効果的な演出を行って遊技興趣を向上させることができる。
また、このリーチ態様において、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jについて、第3系統p3に属する飾り図柄を固定して遊技者に表示するのに代えて、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Hと同様に大径筒体60の回転方向とは逆方向に回転させることによって、複数の小径筒体70A〜70Jに共通する図柄である「7」を示す飾り図柄が、図40に示すように、見かけ上、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70Jの全ての間を移動して、大径筒体60の外周面上を移動しているように表示させることもできる。
図41の(a)〜(h)は、この態様における、複数の小径筒体70A〜70Jが隣合う小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ移動するごとの中リールユニット5Cの様子の一例を示しており、(a)〜(h)のそれぞれにおいて、左側に前面(遊技者側)の表示内容を示すとともに、右側に複数の小径筒体70A〜70Jにおける飾り図柄の配置を示している。なお、図41(a)〜(h)では、複数の小径筒体70A〜70Jに配置された飾り図柄のうち、第2系統に属する「7」の図柄を除いて適宜その図示を省略している。
図41(a)〜(h)に示すように、この態様においては、第1のグループ属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで「7」を示す図柄が大径筒体60に対して180度ずらされた状態で、全ての小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の回転方向とは逆方向に同じ回転速度で回転するように駆動制御が行われる。この場合、小径筒体70A〜70Jの回転速度は、例えば、上述した第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70Hを固定して可変表示する場合の第1グループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転速度と同様の回転速度とすることができる。
例えば図41における小径筒体E及び小径筒体Fに着目すると、図41(a)及び図41(b)に示すように、大径筒体60の回転に伴って小径筒体同士の距離の半分だけ小径筒体E及び小径筒体Fが下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体E及び小径筒体Fはそれぞれに、大径筒体60の回転とは逆方向に飾り図柄1つ分(120度)回転し、飾り図柄が小径筒体面を下から上に移動して、小径筒体Fによる遊技者への表示が「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)の中間から第3系統p3の図柄(図示せず)と第1系統の図柄(図示せず)の中間に変更されるとともに、小径筒体Eによる遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)から「7」を示す図柄に変更される。ここで、小径筒体E及び小径筒体Fが下方向に移動するのに対して、「7」の図柄は小径筒体面を下から上に移動して表示される。そして、図41(b)で小径筒体Eにおいて表示される「7」の図柄は、前回(図41(a))に小径筒体Fで表示されていた「7」の図柄よりも小径筒体同士の距離の4分の1(大径筒体60回りに9度)だけ上に表示されるので、遊技者には、小径筒体Fで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、小径筒体Eに移動して、小径筒体Eで表示されているように見える。
次に、図41(b)及び図41(c)において小径筒体D及び小径筒体Eに着目すると、小径筒体D及び小径筒体Eが小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体Eによる遊技者への表示が「7」を示す図柄から第3系統p3の図柄(図示せず)へと変更されるとともに、小径筒体Dによる遊技者への表示が第3系統p3を示す図柄(図示せず)と第1系統p1の図柄の中間(図示せず)から、第1系統p1の図柄(図示せず)と第2系統p2の「7」を示す図柄との中間に変更される。ここで、小径筒体D及び小径筒体Eが下方向に移動するのに対して、「7」の図柄は小径筒体面を下から上に移動して表示される。そして、図41(c)で小径筒体Dにおいて表示される「7」の図柄は、前回(図41(b))に小径筒体Eで表示されていた「7」の図柄よりも小径筒体同士の距離の4分の1(大径筒体60回りに9度)だけ上に表示されるので、遊技者には、小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、小径筒体Dに移動して、小径筒体Dで表示が開始されているように見える。
同様の制御が行われて中リールユニット5Cの可変表示が継続されると、図41(c)及び図41(d)に示すように、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)では、小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)と「7」を示す図柄の中央から、「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)へと変更され、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体において「7」を示す図柄が小径筒体面を下から上に移動して見える。
また、続いて、図41(d)及び図41(e)に示すように、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)による遊技者への表示が「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)の中間から第3系統p3の図柄(図示せず)と第1系統の図柄(図示せず)の中間に変更されるとともに、第1のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体C)による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)から「7」を示す図柄に変更される。このとき、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体で下から上に移動して表示された「7」の図柄が、一つ上に位置する第1のグループに属する小径筒体に移動して、第1のグループに属する小径筒体で表示されているように見える。
また、続いて、図41(e)及び図41(f)に示すように、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、第1のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体E)による遊技者への表示が「7」を示す図柄から第3系統p3の図柄(図示せず)へと順に変更されるとともに、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体F)による遊技者への表示が第3系統p3を示す図柄と第1系統p1の図柄の中間(図示せず)から、第1系統p1の図柄(図示せず)と第2系統p2の「7」を示す図柄との中間に変更される。このとき、遊技者には、第1のグループに属する小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、一つ上に位置する第2のグループに属する小径筒体に移動して、第2のグループに属する小径筒体で表示が開始されているように見える。
また、続いて、図41(f)及び図41(g)に示すように、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)では、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)と「7」を示す図柄の中央から、「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)へと変更され、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体において「7」を示す図柄が小径筒体面を下から上に移動して見える。
また、続いて、図41(g)及び図41(h)に示すように、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)による遊技者への表示が「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)の中間から第3系統p3の図柄(図示せず)と第1系統の図柄(図示せず)の中間に変更されるとともに、第1のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体C)による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)から「7」を示す図柄に変更される。このとき、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体で下から上に移動して表示された「7」の図柄が、一つ上に位置する第1のグループに属する小径筒体に移動して、第1のグループに属する小径筒体で表示されているように見える。
第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとの「7」の図柄を180度ずらした状態で、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離1つ分だけ移動する間に(大径筒体60が36度回転する間に)、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60とは逆方向に180度回転させると(つまり、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動する間に複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60とは逆方向に360度回転させると)、複数の小径筒体70A〜70Jで共通する「7」の図柄は、複数の小径筒体70A〜70Jが移動する方向と逆の方向に移動するとともに、小径筒体同士の距離1つ分移動するごとに、第1のグループに属する小径筒体と第2のグループに属する小径筒体とで大径筒体60における同じ位置で交互に遊技者に表示されることになり、見かけ上、「7」の図柄が、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体間を移動して同じ場所で留まっているように表示される。
この間に複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60とは逆方向に180度より若干大きい角度または小さい角度回転させると、「7」の図柄は、見かけ上、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70Jの移動よりも若干早くまたは遅く大径筒体60の円周上を移動しているように遊技者に表示される。図40及び図41の例では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動するときに(大径筒体60が72度回転するときに)、複数の小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に480度(360度+120度(小径筒体半図柄分の回転角度))だけ回転する速度で回転しており、上述した図35〜図39を用いて説明した可変表示と同様に、大径筒体60が54度(72度−18度)回転する毎に複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60に対して1回転(360度回転)し、見かけ上、「7」の図柄が大径筒体60の回転に逆らって大径筒体60の18度分の距離(小径筒体同士の距離の半分)だけ上に移動したように表示される。
以上図40及び図41を用いて説明した可変表示では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離の半分だけ移動する間に、複数の小径筒体70A〜70Jを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に小径筒体1図柄分(120度)だけ回転させ、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで、「7」の図柄の位相を180度ずらして回転させるものとしたが、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動する間に、複数の小径筒体70A〜70Jを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に360度より小径筒体1図柄分の回転角度(この実施形態では120度)の範囲内の所定角度だけ大きい又は小さい角度回転させ、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで、「7」の図柄の位置を180度ずらして回転させることによって、同様の可変表示を行うことができる。つまり、「7」の数字を示す飾り図柄が、小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70J間を移動して見えるように飾り図柄の変動表示を行うことができ、効果的な演出を行って遊技興趣を向上させることができる。
なお、図35〜図41を用いて説明した表示装置5における中リールユニット5Cの可変表示は、複数の小径筒体70A〜70Jが表示装置5の前面で上方向に移動するように大径筒体60を回転させるとともに、小径筒体を大径筒体60の回転方向とは逆方向に回転させてもよい。また、この可変表示は、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで上段、中段、下段の全てに「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示させるものに限定されるものではなく、例えば、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで上段のみに「7」の数字を示す飾り図柄を停止させ、中リールユニット5Cにおいて、複数の小径筒体70A〜70Jが下方向に移動するのに逆らって、「7」の数字を示す飾り図柄が、見かけ上、上段に向かって移動しているように変動表示を行ったり、反対に、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで下段のみに「7」の数字を示す飾り図柄を停止させ、中リールユニット5Cにおいて、複数の小径筒体70A〜70Jが上方向に移動するのに逆らって、「7」の数字を示す飾り図柄が、見かけ上、下段に向かって移動しているように変動表示を行ってもよい。また、中リールユニット5Cにおける可変表示に代えて、あるいは加えて、左リールユニット5Lや右リールユニット5Rにおいても同様の可変表示が行われてもよい。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果を導出するまでの特図変動時間が比較的短い可変表示を実行するときには、大径筒体60の回転を停止させたまま、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させることによって可変表示演出が実行されるので、大径筒体60が十分に回転することなく飾り図柄の可変表示(変動)が終わってしまうのを抑制して、効果的な演出を行うことができる。
また、遊技状態が時短制御中でないときに、特図ゲームにおける可変表示が所定数行われるごとに、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cが使用テーブルにセットされて、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が実行される変動パターンが決定されるので、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われる機会を確保することができ、大径筒体60の回転が行われずに遊技が単調となってしまうのを防止することができる。
また、遊技状態が時短制御中のときには、可変表示態様を「リーチ」とする場合に対応した変動パターン種別が決定されるときにだけ、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われて、表示装置5において大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が行われるときにはリーチ演出表示が実行されるので、遊技者などに大径筒体60が回転するか否かに興味を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、大径筒体60を回転させて、一旦仮停止表示させてから、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させることによる可変表示演出を実行する変動パターンや、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させて、一旦仮停止表示させてから、大径筒体60を回転させることによる可変表示演出を実行する変動パターンを有するので、多様なバリエーションの可変表示演出を実行して遊技の興趣を向上させることができる。
また、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が実行されるときに、時短制御中であるか否かに応じて、遊技者などに視認される飾り図柄の系統が異なるように複数の変動パターンが定められているので、可変表示演出が単調となるのを抑制して、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。
例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、図30に示す大当り終了処理において、時短制御中ではないときに特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われる毎に1増加するように更新される変動実行数を“0”に初期化するものとしたが、変動実行数は、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cを選択してセットしたときにだけ、“0”に初期化してもよい。なお、上記実施の形態では、時短制御中ではないときに、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が所定数(例えば「20」)行われる毎に、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が実行される変動パターンのみが決定されるハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)133Cを選択して変動パターンを決定するものとしたが、時短制御中であるときにも、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が所定数(例えば「20」)行われる毎に、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(特定変動実行時)を選択して、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が実行されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示を開始してから表示結果を導出するまでの特図変動時間が比較的短い可変表示を実行するときには、大径筒体60の回転を停止させたまま、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させることによって可変表示演出を実行するものとしたが、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出よりも高い割合で、大径筒体60の回転を停止させたまま、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させる可変表示演出が実行されればよく、大径筒体60の回転を伴う可変表示演出が実行されてもよい。
上記実施の形態では、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が実行されるときに、時短制御中であるか否かに応じて、遊技者などに視認される飾り図柄の系統が異なるように変動パターンが定められるものとしたが、時短制御中であるか否かにかかわらず、第1の系統p1に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて可変表示演出が行われたり、第3の系統p3に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて可変表示演出が行われたりしてもよい。また、大径筒体60の回転を伴って可変表示演出が実行されるときに、時短制御中であるか否かとは異なる他の条件(モード)に応じて、遊技者などに視認される飾り図柄の系統が異なるように変動パターンが定められてもよい。例えば、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が所定数(例えば「100」)行われる毎に、第1の系統p1に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて可変表示演出が行われるモードと、第3の系統p3に属する飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60を回転させて可変表示演出が行われるモードとで切り替えられてもよい。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が、図29に示す変動パターン設定処理において、時短制御中ではないときに特図ゲームにおいて可変表示(変動)が所定数(例えば「20」)行われる毎に、大径筒体60が回転する可変表示演出が行われる変動パターンを決定し、決定された変動パターンに応じて演出制御用CPU120が表示装置5における可変表示演出を実行するものとしたが、こうした例に限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が特図ゲームにおいて可変表示(変動)が実行される回数にかかわらずに変動パターンを決定するとともに、演出制御用CPU120が、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が所定数(例えば「20」)行われる毎に、CPU103によって決定された変動パターンにかかわらず、その変動パターンの特図変動時間にわたって、大径筒体60が回転する可変表示演出を実行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が、図29に示す変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示における変動パターンを決定することにより、大径筒体60を回転させる可変演出表示を実行するか、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させる可変演出表示を実行するかが決定されるものとしたが、こうした例に限定されず、遊技演出用CPU120によって大径筒体60を回転させる可変演出表示を実行するか、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させる可変演出表示を実行するかが決定されてもよい。この場合、例えば、CPU103は、特図変動時間やリーチ演出の有無などだけを決定し、この決定結果に応じて、演出制御用CPU120が、大径筒体60を回転させる可変演出表示を実行するか、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させる可変演出表示を実行するかを決定すればよい。
上記実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出として、大径筒体60を先に回転させて、一旦仮停止させた後に、小径筒体70A〜70Jを回転させたり、小径筒体70A〜70Jを先に回転させて、一旦仮停止させた後に、大径筒体60を回転させたりするものとしたが、こうした大径筒体60を先に回転させてから小径筒体70A〜70Jを回転させたり、反対に小径筒体70A〜70Jを先に回転させてから大径筒体60を回転させたりする可変表示演出は、「擬似連」の可変表示演出として実行されるものに限定されず、例えば再抽選演出として実行されてもよい。
上記実施の形態において、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例の構成では、装飾用LED40からリフレクタ44の支持部44bの端部に光が照射されて、リフレクタ44から大径筒体60の外周側に向けて光が拡散されるものとしたが、小径筒体70A〜70Jとリフレクタ44との隙間に光を導いて、リフレクタ44の表面で光が拡散されることにより、複数の小径筒体70A〜70Jの表面に光が照射されてもよい。また、上記実施の形態において、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第3の例の構成では、装飾用LED40から軸受け導光部材47の導光部47aに光が照射され、リフレクタ46と複数の小径筒体70A〜70Jとの隙間に光が導かれてリフレクタ46の表面で光が拡散されることにより、複数の小径筒体70A〜70Jの表面に光が照射されるものとしたが、リフレクタ46の端部からリフレクタ46の内側に光が照射されて、リフレクタ46から小径筒体70A〜70Jの飾り図柄に対応する方向に向けて光が拡散されてもよい。
上記実施の形態では、リールユニット50には、複数の小径筒体70A〜70Jを照らす装飾用LED40が備えられるものとしたが、LED以外の発光原理によって発光する素子などが用いられてもよい。
上記実施の形態において、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第1の例の構成では、左右リール側面板55L、55Rに取り付けられた導光部材41によって、側方から複数の小径筒体70A〜70Jが照らされ、複数の小径筒体70A〜70Jをより効果的に光らせるための第2の例の構成や第3の例の構成では、大径筒体60に取り付けられて複数の小径筒体70A〜70Jの内側に突出するリフレクタ44や、複数の小径筒体70A〜70Jの内側にそれぞれに取り付けられるリフレクタ46によって、内側から複数の小径筒体70A〜70Jが照らされるものとしたが、こうした側方から複数の小径筒体70A〜70Jを照らす構成と、内側から複数の小径筒体70A〜70Jを照らす構成とがそれぞれに設けられていてもよい。この場合、側方から複数の小径筒体70A〜70Jを照らす構成と、内側から複数の小径筒体70A〜70Jを照らす構成とで、別々に装飾用LED40が設けられてもよい。
上記実施の形態では、複数の小径筒体70A〜70Jのうち、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで、大径筒体60に対して独立して回転できるように構成されるものとしたが、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60に対して一様に回転する構成であってもよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、表示装置5の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。