以下、本発明に係る遊技機について、本発明をパチスロ機について具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るパチスロ機の概略構成について図1に基づき説明する。図1は本実施形態に係るパチスロ機の斜視図である。
図1において、パチスロ機1の全体を構成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2a、液晶表示部2b(後述の液晶表示装置52から構成される)及び固定表示部2cが形成されている。尚、パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cについては、後に図2を参照して説明する。
そして、キャビネット2の内部(液晶表示部2bの背面)には、各々の外周面に複数種類(本実施形態では「7」「BAR」「JAC」「チェリー」の4種類)の図柄(シンボル)によって構成される図柄列が描かれた24個のリール(第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238(図3乃至図5参照))が回転自在に支持されたリールユニット3が設置されている。そして、前記24個のリールの内、最前面に位置する9個のリールの図柄が、9箇所に設けられた図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133を通して視認できるようになっている。尚、各リールは、後述のゲーム中においては、所定の速度(本実施形態では80回転/分)で回転可能に構成されている。
また、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には、略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の左側には、押ボタン操作よりクレジットされているメダルを賭けるための1−BETボタン5a、2−BETボタン5b、最大BETボタン5cが設けられている。台座部4の右側には、遊技媒体であるメダルを遊技機内へ投入するためのメダル投入口6が設けられている。台座部4の前面部の左側には、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押ボタン操作で切り換えるC/Pボタン7が設けられている。このC/Pボタン7の切り換えにより、正面下部におけるメダル払出口8からメダルが払い出され、その払い出されたメダルはメダル受皿9に貯留される。
C/Pボタン7の右側には、遊技者の操作によりリールユニット3の第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238をそれぞれ回転させ、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー10が所定の角度範囲で上下方向に揺動可能に取り付けられている。
また、台座部4の前面部中央で、スタートレバー10の右側には、リールユニット3の第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン11L、11C、11Rが設けられている。具体的には、ストップボタン11Lを押下することによって第1リール211〜218の回転が停止され、ストップボタン11Cを押下することによって第2リール221〜228の回転が停止され、ストップボタン11Rを押下することによって第3リール231〜238の回転が停止される。
更に、キャビネット2の上方の左右には、スピーカ12L、12Rが設けられ、その2台のスピーカ12L、12Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル13が設けられている。
また、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133には入賞ラインとして水平方向にセンターライン20a、トップライン20b及びボトムライン20c、斜め方向にクロスダウンライン20d及びクロスアップライン20eが設けられている。これらの入賞ラインは、1−BETボタン5a、2−BETボタン5b、最大BETボタン5cを操作すること(メダルが貯留されている場合のみ)、或いはメダル投入口6にメダル等を投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後述するBETランプ17a〜17cの点灯で表示される。
更に、前記ストップボタン11Rの右側には、〇ボタン14a、×ボタン14b及び十字ボタン15などの操作ボタンが配設されている。
続いて、図2に基づき、パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cについて説明する。図2はパネル表示部、液晶表示部及び固定表示部を拡大して示す説明図である。
パネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、クレジット表示部19により構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム中の遊技情報(具体的には、ボーナスゲームの残り遊技回数等)を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、ゲームを行うために賭けられたメダルの数に応じて点灯する。具体的には1−BETランプ17aは、BET数が“1”で1本の入賞ライン(センターライン20a)が有効化されたときに点灯する。2−BETランプ17bは、BET数が“2”で3本の入賞ライン(センターライン20a、トップライン20b、及びボトムライン20c)が有効化されたときに点灯する。最大BETランプ17cは、BET数が“3”で全ての入賞ライン(センターライン20a、トップライン20b、ボトムライン20c、クロスダウンライン20d、及びクロスアップライン20e)が有効化されたときに点灯する。
払出表示部18は7セグメントLEDからなり、入賞成立時において払い出されるメダルの枚数(配当)を表示する。
クレジット表示部19は同じく7セグメントLEDからなり、現在貯留(クレジット)されているメダル枚数を表示する。
また、液晶表示部2bは、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133及び演出表示領域23により構成される。この液晶表示部2bの表示内容は、各第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の変動表示態様、停止態様、及び後述の液晶表示装置52の動作により変化するようになっている。
また、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133は、リールユニット3の第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の内、前面に位置する9個のリール(図2では、第1リール211〜213、第2リール221〜223、第3リール231〜233)に対応して設けられ、リール上に配置された図柄を表示したり、種々の演出表示を行う。ここで、各図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133は、その対応するリール(図2では、図柄表示領域111に第1リール211、図柄表示領域112に第1リール212、図柄表示領域113に第1リール213、図柄表示領域121に第2リール221、図柄表示領域122に第2リール222、図柄表示領域123に第2リール223、図柄表示領域131に第3リール231、図柄表示領域132に第3リール232、図柄表示領域133に第3リール233が対応する)が回転している状態の場合、又は、対応するストップボタン11L、11C、11Rが停止操作可能な場合、リール上に配置された図柄を遊技者が視認し易いように透過表示される。
さらに、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133も、演出表示領域として利用されることがあり、静止画像又は動画像、例えば、図柄、文字、図形、記号、キャラクタ等による演出表示が行われることもある。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの内、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133以外の領域である。この演出表示領域23は、ボーナスの入賞成立を実現可能であることを確定的に報知する画像(所謂、「WINランプ」を表したもの)の表示、遊技の興趣を増大するための演出、遊技者が遊技を有利に進めるために必要な情報等の表示を行う。また、固定表示部2cは、予め定めた各種の画像を表示する領域である。
次に、図3乃至図5に基づいて本実施形態において図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133で図柄を可変表示及び変動表示させるリールユニット3の各第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238について説明する。図3は本実施形態に係る第1リール、第2リール及び第3リールが支持されたリールユニットについて示した正面図、図4は本実施形態に係るリールユニットの内、特に第1リールユニットについて示した斜視図、図5は本実施形態に係る第1リールについて示した斜視図である。
図3に示すように本実施形態に係るリールユニット3は、第1リール211〜218が支持される第1リールユニット3Lと、第2リール221〜228が支持される第2リールユニット3Cと、第3リール231〜238が支持される第3リールユニット3Rと、各リールユニットを筐体内部に固定する台座部35と、台座部35に立設され各リールユニットを支持する側壁部36〜39とから構成されている。
そして、各第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238は、それぞれ略正方形形状を有する保持板115、116、117の外周に沿って計8箇所に回転可能に取り付けられており(図4参照)、保持板115、116、117内部に固定されたリール駆動モータ211A〜228A、221A〜228A、231A〜238Aによって正方向(図柄表示領域に表示される図柄が上から下へと可変する方向、図4の矢印25方向)に回転駆動される。
一方、保持板115、116、117は、側壁部37、38、39に対して回転可能に取り付けられており、更に、側壁部37、38、39に固定された保持板駆動モータ125、126、127によって正方向(図柄表示領域に表示される図柄が上から下へと可変する方向、図4の矢印26下方向)又は逆方向(図柄表示領域に表示される図柄が下から上へと可変する方向、図4の矢印26上方向)に回転駆動される。
従って、本実施形態に係るパチスロ機1では、保持板115、116、117を回転することにより、パチスロ機正面に設けられた図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133に図柄を可変表示及び停止表示させるリールを第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の内で任意に変更することが可能となる。
次に、各リールユニットのより具体的構成について第1リールユニット3Lを例にして図4を用いて説明する。尚、第1乃至第3リールユニット3L、3C、3Rは基本的に同じ構成を有しており、第2リールユニット3C及び第3リールユニット3Rの説明については省略する。
図4に示すように、第1リールユニット3Lは、保持板115と、保持板115を回転駆動させる保持板駆動モータ125と、保持板駆動モータ125の駆動を保持板115へと伝える駆動軸125Aと、第1リール211〜218と、第1リール211〜218をそれぞれ回転駆動させるリール駆動モータ211A〜218Aと、リール駆動モータ211A〜218Aの駆動を第1リール211〜218へと伝える駆動軸211B〜218B(一部図示省略)とから構成されている。
保持板115は前記したように略正方形形状を有する板状部材であり、その平面中央部に駆動軸125Aを介して保持板駆動モータ125が取り付けられている。また、保持板駆動モータ125の側面125Bは側壁部37に固定されており、それにより第1リールユニット3Lがパチスロ機1のキャビネット内部の所定位置に支持される。更に、保持板駆動モータ125は後述のようにモータ駆動回路49を介してCPU41に接続されている(図8参照)。CPU41はROM42に記憶された制御プログラムに従って保持板駆動モータ125を駆動させ、保持板115を90度単位で正方向(図柄表示領域に表示される図柄が上から下へと可変する方向、図4の矢印26下方向)又は逆方向(図柄表示領域に表示される図柄が下から上へと可変する方向、図4の矢印26上方向)に回転させる。尚、具体的な保持板115の回転のタイミング等については後述する。
一方、保持板115には、外周に沿って一辺当り三個ずつリール駆動モータ211A〜218Aが順に取り付けられている。そして、駆動軸211B〜228Bを介して第1リール211〜218は保持板115に対して回転可能に支持されている。また、リール駆動モータ211A〜218Aは後述のようにモータ駆動回路49を介してCPU41に接続されている(図8参照)。そして、CPU41はROM42に記憶された制御プログラムに従ってリール駆動モータ211A〜218Aを駆動させ、第1リール211〜218を正方向(図柄表示領域に表示される図柄が上から下へと可変する方向、図4の矢印25方向)に回転させる。尚、具体的な第1リール211〜218の回転制御については後述する。
次に、前記第1乃至第3リールユニットに設けられた各リールについて図5を用いて詳細に説明する。尚、第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238は基本的に同じ構造を有しており、以下には第1リール212を例にして説明することとし、その他のリールの説明については省略する。
第1リール212は、略立方体形状を有するリールドラム240と、リールドラム240の外周に装着されたリール帯241により構成されている。そして、リールドラム240の前記保持板115に対向する面の中央部には、駆動軸212Bを介してリール駆動モータ212Aが取り付けられている。また、駆動軸212Bが固定されている面とそれぞれ垂直方向をなす4つの面(第1リール面250A、第2リール面250B、第3リール面250C、第4リール面250D)には、装着されたリール帯241に描かれた図柄によってそれぞれ異なる図柄が表示されている。
続いて、前記第1リール212の外周面に装着されるリール帯241に描かれている図柄列について図6に基づき説明する。図6はリールの外周面に装着されるリール帯に描かれた図柄列の例を示す模式図である。
図6に示すようにリール帯241には、複数種類の図柄が4個配列されることにより図柄列が形成されている。各図柄には、「00」〜「03」のコードナンバーが付されており、データテーブルとして後述するROM42に格納されている。各図柄列を構成する図柄としては、図6に示すように「7」の図柄251、「JAC(Replay)」の図柄252、「BAR」の図柄253、及び「チェリー」の図柄254が描かれている。そして、第1リール212は、リール帯241において各図柄が所定パターンに配列された図柄列が、図6の矢印方向(下方向)に移動するように回転駆動される。
より具体的にリール帯241の図柄の配列について説明すると、「7」、「JAC(Replay)」、「BAR」、「チェリー」の各図柄251〜254がコードNo.0からNo.03に対応する順に配列されており、リール帯241のコードNo.「00」には第1リール面250Aに描かれた「7」の図柄251が割り当てられている。コードNo.「01」には第2リール面250Bに描かれた「JAC(Replay)」の図柄252が割り当てられている。コードNo.「02」には第3リール面250Cに描かれた「BAR」の図柄253が割り当てられている。コードNo.「03」には第4リール面250Dに描かれた「チェリー」の図柄254が割り当てられている。そして、第1リール212が回転駆動されると、リール帯241に配列された図柄は、前記図柄表示領域112に正面を向いた一の図柄を表示するとともに、表示された図柄は上方向から下方向へと移動する。その結果、「7」→「チェリー」→「BAR」→「JAC」→「7」→「チェリー」→・・・の順に入賞ライン20a〜20e上の図柄が変動する。
尚、ここでは第1リール212のリール帯241に描かれた図柄列のみを示したが、他の23個のリール(第1リール211、213〜228、第2リール221〜228、第3リール231〜238)についても、同一のリール帯241が装着され、同じ図柄が同じ配列により表示されている。
以上説明したとおり、本実施形態に係るパチスロ機1では、第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の内、正面に配置された9個のリールを用いて回転駆動させることにより、図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133に図柄を可変表示及び停止表示させる。更に、後述する所定の条件を満たしたときに保持板115、116、117を回転させることにより、正面に配置された9個のリールの一部を他のリールに切り替えることができる。例えば、第1リールユニット3Lの保持板115を正方向に90度毎に回転させると、図柄表示領域111、112、113に図柄を表示させるリールは「第1リール211、212、213」→「第1リール217、218、211」→「第1リール215、216、217」→「第1リール213、214、215」→「第1リール211、212、213」→・・・の順で切り替わる。同様に、保持板115を逆方向に90度毎に回転させると図柄表示領域111、112、113に図柄を表示させるリールは「第1リール211、212、213」→「第1リール213、214、215」→「第1リール215、216、217」→「第1リール217、218、211」→「第1リール211、212、213」→・・・の順で切り替わる。
従って、遊技中において図柄を変動表示させるリールを他のリールに切り替えることが可能となり、常に同一のリールに基づいて図柄を変動及び停止させる単調な遊技となることなく、リールが切り替わるという従来にはない新たな遊技態様を提供することができる。それにより、長時間遊技を行う場合であっても遊技者を飽きさせることがない。
続いて、各リール(第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238)の外周面にそれぞれ装着されるリール帯241に描かれている図柄列における各図柄の入賞組合せとメダルの払出枚数との関係について図7に基づき説明する。図7は各遊技状態における入賞図柄組合せと入賞役及びメダルの払出枚数の関係を示す配当表である。尚、この配当表は、前記配当表パネル13に表示される。
先ず、遊技状態について説明すると、一般遊技状態(この状態にあることを「一般遊技中」とも表現する)、BB中一般遊技状態(この状態にあることを「BB作動中」とも表現する)、RB遊技状態(この状態にあることを「RB作動中」とも表現する)の3つの状態に区分している。
また、一般遊技状態をBB又はRBに内部当選しているか否かによって更に区分することもあるが、内部当選する可能性のある入賞役については同様であることから、この表における区分は表中の3状態で区分している。
尚、内部当選する可能性のある入賞役の種類は、所謂確率抽選テーブル(図9参照)によって定まるものであり、この確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。即ち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある役の種類は同一となる。
図7に示すように、一般遊技状態において、有効ラインに沿って「7−7−7」が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払い出されるとともに、次のゲームの遊技状態がBB遊技状態となる。
RB遊技状態は、一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが「BAR−BAR−BAR」であるときに発生し、15枚のメダルが払い出される。また、RB遊技状態は、BB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが「JAC−JAC−JAC」であるとき(所謂、「JAC IN」)でも発生し、15枚のメダルが払い出される。尚、一般遊技状態から始まるRBを「通常RB」、BB中一般遊技状態から始まるRBを「BB中のRB」と区別する場合もある。
RB遊技状態は1枚賭けでゲームが行われ、このRB遊技状態中にさらにJACの図柄組合せ「JAC−JAC−JAC」が並ぶとジャックゲーム入賞となり、15枚のメダルが払い出される。RB遊技状態中にはハズレとなるゲームも発生するが、ジャックゲーム入賞は約9/10という高い確率で発生する。そして、1回のRB遊技状態において遊技可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RB入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、このRBゲーム遊技状態は、ゲーム回数が12回に達するか、又は、入賞回数が8回に達した場合に終了する。そして、RB遊技状態が終了すると、一般遊技状態に移行する。
また、1回のBB遊技状態は、BB中一般遊技状態を30ゲーム遊技した場合、若しくは、RB遊技状態に3回移行し、3回目のRBが終了したところで終了する。そして、BB遊技状態が終了すると、一般遊技状態に移行する。
一方、一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄組合せが、「JAC−JAC−JAC」であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、ベットしたメダルの枚数と同数のメダルが自動的にベットされるので、遊技者はメダルを消費することなく遊技を行うことができる。
また、一般遊技状態及びBB中一般遊技状態では、「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、そのメダル払出枚数は図6に示すように4枚である。
続いて、本実施形態に係るパチスロ機1の制御系について図8乃至図13に基づき説明する。図8はパチスロ機の制御系を示すブロック図である。
図8において、パチスロ機1の制御系は、パチスロ機1における遊技処理動作を制御する主制御回路81と、主制御回路81に電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路81から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置52及びスピーカ12L、12Rを制御する副制御回路82とから基本的に構成されている。
主制御回路81は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素とし、これに乱数をサンプリングするための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ40は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41と、記憶手段であるROM42及びRAM43を含む。
CPU41には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路44及び分周器45と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器46及びサンプリング回路47とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ40内で、即ち、CPU41の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器46及びサンプリング回路47は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ40のROM42には、スタートレバー10を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、保持板115〜117を回転させるか否かの判定に用いられる保持板回転抽選テーブル、ストップボタン11L、11C、11Rの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路82へ送信する各種制御指令(コマンド)、前記図7にて説明した配当表に対応するテーブル等が格納されており、また、パチスロ機1の遊技制御行うための後述する各種プログラム、その他パチスロ機1の制御上必要な各種のデータが格納されている。
ここで、図9を参照して確率抽選テーブルの一例について説明する。図9は確率抽選テーブルの一例を示す説明図であり、図9(A)は一般遊技状態において使用される確率抽選テーブル、図9(B)はBB中一般遊技状態において使用される確率抽選テーブルである。これらの各確率抽選テーブルは、それぞれの遊技状態において使用され、各ゲームの内部当選役を決定するものである。
いずれの確率抽選テーブルにおいても、乱数範囲は、0〜16383に設定されており、この範囲にある乱数値から抽出される1つの乱数値を用いて内部当選役が決定される。例えば、一般遊技状態において、抽出された乱数値が2851の場合、このゲームの内部当選役は「チェリー」となる。また、図中には示していないが、一般遊技状態において、抽出された乱数値が10920〜16383の範囲にある場合には、そのゲームの内部当選役は「ハズレ」という扱いとなる。その他の内部当選役についても同様にして、図9の確率抽選テーブルに基づいて決定される。尚、確率抽選テーブルには、他に、BB及びRBに内部当選中の一般遊技状態において使用される確率抽選テーブルと、RB中において使用される確率抽選テーブルとがあるが、ここではその説明は省略する。
次に、図10を参照して保持板回転抽選テーブルについて説明する。図10は保持板回転抽選テーブルを示す説明図である。保持板115、116、117は、前記したようにリールユニット3において回転されることにより、正面に配置された9個のリールの一部を他のリールに切り替えることができるものである。具体的には、BB図柄(本実施形態では「7」)がリーチ状態で停止表示された場合、即ち有効入賞ライン上で図柄が「7−7−any」「7−any−7」「any−7−7」のいずれかで停止表示された場合で、且つ乱数値を用いた内部抽選の結果、当該抽選テーブルで回転を行うと判定された場合に、BB図柄以外が表示された一の保持板を回転させる。
図10に示すように、乱数範囲は、0〜8に設定されており、この範囲にある乱数値から抽出される1つの乱数値を用いて保持板の回転が決定される。例えば、乱数値が0〜1であった場合には正方向(図柄表示領域に表示される図柄が上から下へと可変する方向、図4の矢印26下方向)に90度回転させる。また、乱数値が2〜3であった場合には逆方向(図柄表示領域に表示される図柄が下から上へと可変する方向、図4の矢印26上方向)に90度回転させる。一方、乱数値が4〜8であった場合には回転させない。
次に、主制御回路81から副制御回路82に送信されるコマンドについて、図11及び図12に基づき説明する。コマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「ボーナス遊技状態変更指示コマンド」、「入賞役コマンド」等があり、これらのコマンドは、主制御回路81から副制御回路82への一方向通信で送信される。尚、図11はスタートコマンド及びボーナス遊技状態変更指示コマンドを示す説明図、図12は入賞コマンド及び遊技メダルベットコマンドを示す説明図である。
主制御回路81と副制御回路82との間は16本のデータ信号線と1本の信号線で接続されている。そして、図11、図12に示す各コマンドは、2バイト、4バイト又は6バイト構成になっており、16本のデータ信号線で送信するために1、2又は3シーケンスで1つのコマンドとして送信される。
これらのコマンドの内、スタートコマンドについて説明すると、このゲームの内部当選役の種別、遊技状態、及び内部当選役に対応して選択される停止制御テーブルナンバーが1つのコマンドとして送信される。その他のコマンドについても同様である。尚、図11、図12に示すコマンドは、一例を示すものであり、これに以外にも副制御回路82で行う制御に必要な情報の送信を行っている。
図8のブロック図に戻って説明を続けると、マイクロコンピュータ40からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c、LEDランプ29)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部16)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路51の命令により所定枚数のメダルを払い出すホッパー50と、第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238をそれぞれ回転駆動させるリール駆動モータ211〜218A、221〜228A、231A〜238Aと、保持板115、116、117を回転させる保持板駆動モータ125、126、127とがある。
更に、リール駆動モータ211〜218A、221〜228A、231A〜238A及び保持板駆動モータ125、126、127とを駆動制御するモータ駆動回路49、ホッパー50を駆動制御するホッパー駆動回路51、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路55、及び、各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路58がI/Oポート48を介してCPU41の出力に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU41から出力される駆動指令等の制御信号を受けて各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ40が制御指令を発生するために必要に入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ71、2−BETスイッチ72、最大BETスイッチ73、貯留メダル精算スイッチ74、投入メダルセンサ75、リール停止信号回路56、リール位置検出回路60、払出完了信号回路61がある。これらも、I/Oポート48を介してCPU41に接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー10の操作を検出する。投入メダルセンサ75は、メダル投入口6に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路56は、各ストップボタン11L、11C、11Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路60は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU41に供給する。払出完了信号回路61は、メダル検出部50Sの計数値(ホッパー50から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
また、乱数発生器46は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路47は、スタートレバー10が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM42に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。また、保持板回転抽選テーブルに基づいて保持板115、116、117の回転の可否が決定される。その後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の回転が開始された後、リール駆動モータ211〜218A、221A〜228A、231A〜238Aの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43の所定エリアに書き込まれる。リールからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスの計数値が「0」にクリアされる。これにより、RAM43内には、各リールについて一回転の範囲内における回転位置に対応する計数値が格納される。
前記のような第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブルがROM42内に格納されている。この図柄テーブルでは、前記したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リールの一定の回転ピッチ個度に順次付与されるコードナンバーと、それぞれコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。
更に、ROM42内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応付けられている。前記の入賞図柄組合せテーブルは、第1リールユニット3L、第2リールユニット3C、第3リールユニット3Rの各リール停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
前記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU41は、遊技者がストップボタン11L、11C、11Rを操作したタイミングでリール停止信号回路56から送られる操作信号及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、第1リールユニット3L、第2リールユニット3C、第3リールユニット3Rの各リールを停止制御する信号をモータ駆動回路49に送る。
内部当選した役の入賞成立を示す態様となれば、CPU41は、払出指令信号をホッパー駆動回路51に供給してホッパー50から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動停止し、メダルの払出処理を終了する。
続いて、副制御回路82の構成について、図8に加えて、図13にも基づいて説明する。図13は副制御回路のブロック図である。副制御回路82は、主制御回路81からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置52の表示制御及びスピーカ12L、12Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路82は、主制御回路81を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ83(以下、サブマイクロコンピュータとする)を主たる構成要素とし、液晶表示装置52の表示制御手段としての画像制御回路91、スピーカ12L、12Rにより出音される音を制御する音源IC88、及び、増幅器としてのパワーアンプ89で構成されている。
サブマイクロコンピュータ83は、主制御回路81から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU84と、記憶手段としてのプログラムROM85と、ワークRAM86と、INポート87及びOUTポート90を含む。副制御回路82は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU84の動作プログラム上で乱数サンプリングを行うように構成されている。
プログラムROM85は、サブCPU84で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM86は、制御プログラムをサブCPU84で実行するときの一時記憶手段として構成される。
画像制御回路91は、画像制御CPU92、画像制御ワークRAM93、画像制御プログラムROM94、INポート95、画像ROM96、ビデオRAM97及び画像制御IC98で構成される。画像制御CPU92は、サブマイクロコンピュータ83で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM94内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置52での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM94は、液晶表示装置52での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM93は、前記画像制御プログラムを画像制御CPU92で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC98は、画像制御CPU92で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置52に出力する。画像ROM96は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM97は、画像制御IC98で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
尚、サブマイクロコンピュータ83のINポート87には、〇ボタン14a、×ボタン14b、及び十字ボタン15が接続されている。また、INポート87には、キーボード等の外部入力装置99が着脱可能に構成されている。
続いて、前記構成を有する本実施形態に係るパチスロ機1の制御処理について図14乃至図19に基づき説明する。図14乃至図19は本実施形態に係るパチスロ機における制御処理プログラムのフローチャートである。尚、図14乃至図19にフローチャートで示される各プログラムはパチスロ機1が備えているROM42やRAM43に記憶されており、CPU41により実行される。
図14に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、RAM43の全領域をクリアした後、S2にて各設定値を格納する。また、S3にて通信データの初期化を行い、S4にて遊技終了時のRAM43をクリアする。
続いて、S5において、メダルの自動ベットの要求があるかどうかを判断する。ここに、自動ベットの要求がある場合とは、前の遊技において再遊技の入賞が成立した場合(「JAC−JAC−JAC」が有効入賞ラインに停止表示された場合)である。メダルの自動ベットの要求がある場合(S5:YES)には、ベット要求分のメダルが消費されることなく自動的にベットされ(S6)、S9に移行する。
一方、メダルの自動ベットの要求がない場合(S5:NO)には、CPU41はメダル投入口6へのメダルの投入、又は各BETボタン5a、5b、5cの操作(貯留メダルがある場合のみ)によってメダルのベットがなされたかどうか判断する(S7)。メダルがベットされた場合(S7:YES)には、副制御回路82に遊技メダルベットコマンドを送信した(S8)後、S9に移行し、一方、メダルがベットされない場合(S7:NO)には、S5に戻ってメダルのベットを待つ。
次に、S9においては、スタートレバー10がオンされたかどうかを判断し、スタートレバー10がオンされた場合(S9:YES)には、S11にて前遊技からから4.1秒経過しているかどうかを判断する。具体的には、後述のS14の処理でセットされる一遊技監視用タイマの値に基づいて判断する。前遊技から4.1秒経過していない場合(S11:NO)には、遊技開始待ち時間を消化し(S12)、S13に移行する。
S12においては、抽選用の乱数が抽出される。具体的には、0〜16383の範囲で内部当選役を決定する乱数を抽出し、0〜8の範囲で保持板115、116、117を回転するか否か決定する乱数を抽出する。続いて、一遊技監視タイマをセットし(S14)、現在の遊技状態を判断するための遊技状態監視処理を行う(S15)。次に、確率抽選処理を行う(S16)。この確率抽選処理では、S13で抽出された乱数値、及び遊技状態監視処理で判断した現在の遊技状態に対応した確率抽選テーブル(図9参照)に基づいて、内部当選役を決定する。確率抽選テーブルは、前記した通り各入賞役毎に内部当選となる乱数値が予め定められている。そして、内部当選役が決定すると、各内部当選役に対応して予め定められている報知演出が行われる(S17)。報知演出では、液晶表示装置52の演出表示領域23での表示内容、液晶表示装置52の周囲に設けられたLEDランプの点灯、スピーカ11L、11Rから発する音声等に基づいた各種演出を行い、遊技者に対して内部抽選の結果の報知等を行う。
次に、停止制御テーブル選択処理を行い(S18)、更に、遊技開始時の送信処理としてスタートコマンドを副制御回路82に送信し(S19)、この後、リール回転開始用に初期化する(S20)。次に、CPU41によってリール駆動モータ211A〜218A、221A〜228A、231A〜238Aが回転駆動され、第1乃至第3リールユニット3L、3C、3Rの各リール(第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238(図3参照))が回転処理される(S21)。
続いて、ストップボタン11L、11C、11Rがオンされたかどうかを判断し(S22)、ストップボタンがオンの場合には(S22:YES)には、S22に移行する。一方、ストップボタンがオフの場合(S22:NO)には、自動タイマの値は0かどうかを判断する(S23)。自動タイマの値が0である場合(S23:YES)には、S24に移行し、一方、自動タイマの値が0でない場合(S23:NO)にはS22に戻る。
S24においては、当選要求(内部当選役のこと)、図柄位置(停止操作時におけるリールの回転位置)、選択されている停止制御テーブル等から滑りコマ数を決定する。
そして、S24の処理で決定された滑りコマ数分、リールを回転させる(S25)。次に、そのリールの停止要求をセットし(S26)、副制御回路82にリール停止コマンドを送信する(S27)。
S28においては、全てのリールが停止したどうかを判断し、全てのリールが停止した場合(S28:YES)には、S28に移行する一方、全てのリールが停止していない場合(S28:NO)にはS22に戻る。そして、S29にて遊技終了時の演出処理を行う。
次に、S30において入賞検索処理が行われる。この入賞検索処理では、有効入賞ライン上に実際に揃っている図柄の組合せの種類と、確率抽選処理(S16)によって当選した入賞フラグの種類との一致が判断される。続いて、入賞フラグが正常か否かが判別され(S31)、入賞フラグが正常でない場合(S31:NO)、例えば、「BAR」の図柄の組合せが有効入賞ライン上に揃っているのに、入賞フラグが「チェリー」のフラグである場合にはイリーガルエラーが表示される(S32)。一方、入賞フラグが正常の場合(S31:YES)には、S33へと移行する。
S33においては、入賞枚数が0であるかどうかを判断する。具体的には、いずれかの役(再遊技を除く)の入賞が成立したかどうかを判断する。入賞が成立した場合(S33:NO)には、遊技状態(BB作動中或いはRB作動中であるか否か)及び入賞役に応じてメダルの貯留又は払出を行い(S35)、S36に移行する。また、入賞が成立しない場合(S33:YES)には、続いて保持板115、116、117を正方向又は逆方向に回転させることにより現在図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133に表示されているリールを他のリールに切り替える保持板回転処理が行われる。その後、S36に移行する。尚、保持板回転処理については後に詳細に説明する。
次に、BB、RB作動中であるかどうかを判断する(S36)。BB、RB作動中の場合(S36:YES)には、S37に移行し、一方、BB、RB作動中でない場合(S36:NO)には、S40に移行する。S36においては、BB、RB遊技数チェック処理を行う。この後、BB又はRBの終了時かどうかを判断する(S38)。本実施形態では、RBゲームはジャックゲーム入賞が8回発生するか、またはこのRBゲーム中に実行された通算のゲーム回数が12回に達すると終了する。また、BBゲームは、BBゲーム中にRBに3回当選し、各RBゲームを消化した場合、又は通算のゲーム回数が30回に達すると終了する。
BB又はRBの終了時である場合(S38:YES)には、BBまたはRB終了時におけるRAMクリアの処理を行う(S39)。尚、BB中でRBが終了した場合においては、RAMクリアが行われることはないので、かかる場合には、S38にてYESと判断されることはない。また、BB又はRBの終了時でない場合(S38:NO)には、直接S41に移行する。
前記S36においてBB又はRB作動中でない判断した場合(S36:NO)には、S40にて停止表示された図柄の組合せに基づいてBB又はRBに入賞したか否かの入賞チェックを行った後、S41に移行する。
S41においては、ボーナス遊技情報表示部16(図2参照)の表示を変更するボーナス7SEG制御処理を行う。その後、S4へと戻る。
次に、前記S34の保持板回転処理について図19を用いて説明する。図19は本実施形態に係るパチスロ機の保持板回転処理プログラムのフローチャートである。ここで、保持板回転処理とは、保持板115、116、117を回転することにより、現在図柄表示領域111、112、113、121、122、123、131、132、133に図柄を表示するリールを他のリールに切り替える処理をいう。
先ず、S51では、CPU41は前記S30の入賞判定の結果に基づいて、有効入賞ライン上にBB図柄(本実施形態では「7」)がリーチ状態、即ち少なくとも一の有効入賞ライン上で図柄が「7−7−any」「7−any−7」「any−7−7」のいずれかで停止表示されているか否かを判定する。
そして、リーチ状態で停止されている場合(S51:YES)には、続いて前記S13で抽出された乱数値に基づいて保持板115、116、117が回転するか否かを判定する(S52)。尚、保持板115、116、117が回転するか否かは、前記S13で抽出された乱数値と、保持板の回転抽選テーブル(図10参照)に基づいて決定される。
一方、リーチ状態で停止されていないと判定された場合(S51:NO)には、当該保持板回転処理を終了し、S36へ移行する。
そして、保持板115、116、117が回転すると判断された場合(S52:YES)、即ち抽出された乱数値が0〜3の範囲であった場合には、更にS53において現在BBに内部当選中であるか否かが判断される。一方、保持板115、116、117が回転しないと判断された場合(S52:NO)、即ち抽出された乱数値が4〜8の範囲であった場合には、当該保持板回転処理を終了し、S36へ移行する。
ここで、本実施形態に係るパチスロ機1のようにリールの回転を停止するためのストップボタンを有するスロットマシンにおいては、前記確率抽選テーブル(図9参照)に基づく内部抽選によりいずれかの当選役に内部当選していたとしても、ストップボタン11L、11C、11Rを操作して適切な停止操作(所謂、目押し操作)を行わないと、内部当選に対応する図柄の組合せが揃わずに入賞することができない。また、特にBBに内部当選した場合においては、今回のゲームで入賞できなかった場合であっても、内部当選の状態を次回以降のゲームに継続させることが可能である。
そして、前記S53でCPU41がBBに内部当選中であると判定した場合(S53:YES)、即ち前記S16の内部抽選でBBの役に当選しながらも前記したようにストップボタン11L、11C、11Rの操作タイミングが悪く、有効入賞ライン上でBBの図柄(本実施形態では「7」)を2つしか揃えることができなかった(リーチ状態の)場合には、S54へと移行する。一方、BBに内部当選中でない場合(S53:YES)には、S57へと移行する。
S54では、保持板115、116、117のいずれかを前記S52の抽選判定に基づいて90度回転される。具体的には、有効入賞ライン上にリーチ状態で停止表示されている2つのBB図柄(例えば「7」の図柄)と異なる図柄(例えば「チェリー」の図柄)の内、異なる種類の図柄を停止表示するリールを有するリールユニット(第1リールユニット3L、第2リールユニット3C、第3リールユニット3Rのいずれか)の保持板(第1リールユニット3Lでは保持板115、第2リールユニット3Cでは保持板116、第3リールユニット3Rでは保持板117)を、保持板駆動モータ125〜127の駆動に基づいて90度回転させる。更に、その回転方向は前記S52の抽選判定で判定された方向(抽出された乱数値が0〜1であった場合には正方向(図柄表示領域に表示される図柄が上から下へと可変する方向、図4の矢印26下方向)、乱数値が2〜3であった場合には逆方向(図柄表示領域に表示される図柄が下から上へと可変する方向、図4の矢印26上方向))に回転される。
続いて、S55では前記S54で保持板を回転させた後の図柄の組合せに基づいて入賞判定がなされ、保持板115、116、117のいずれかの回転によってリーチ状態から新たにBBの入賞が成立することとなった場合、具体的に本実施形態では「7−7−7」の図柄の組合せとなった場合(S55:YES)には、メダルの払い出し又は貯留を行い(S56)、S36へと移行する。一方、保持板を回転させた後においても入賞が成立しなかった場合(S55:NO)には、その状態でS36へと移行する。
それに対して、BBに内部当選中でない場合におけるS57では、保持板を選択された所定の方向に回転させることによって、BBに入賞する図柄の組合せ(本実施形態では「7−7−7」)に移行するか否かが判定される。そして、保持板を回転させることによってリーチ状態から新たにBBの入賞が成立することとなると判定された場合(S57:YES)には、保持板を回転することなく当該保持板回転処理を終了し、S36へ移行する。一方、BBの入賞が成立することにはならないと判定された場合(S57:NO)には、該当する保持板を90度回転し、S36へと移行する。
ここで、図20及び図21は本実施形態に係るリールユニット3の保持板の実際の回転態様を示した模式図である。
図20(a)では、クロスダウンライン20d(図1参照)の有効入賞ライン上に位置する第1リール211、第2リール222に図柄「7」が停止表示されたリーチ状態を示している。そして、図20(a)の状態で図柄が停止表示された場合であって、保持板を正方向に回転すると判断された場合(S53:YES又はS57:NO)には、該当する保持板117を正方向に90度回転させる。
図20(b)は図20(a)の保持板117の回転後におけるリールユニット3を示す。図20(a)に示すように第3リールユニット3Rに設けられたリールは、正面に配置されるリールが、第3リール231〜233から第3リール237、238、231に切り替わり、図柄表示領域131〜133には、第3リール237、238、231に基づく図柄が表示される。ここで、BBの役に内部当選中の場合であっては、リールが切り替わったことによって、図20(b)に示すように新たにBBの役の入賞が成立する可能性がある。
また、図21(a)では、ボトムライン20c及びクロスアップライン20e(図1参照)の有効入賞ライン上に位置する第2リール222、223、第3リール231、233に図柄「7」が停止表示されたリーチ状態(所謂ダブルリーチ状態)を示している。そして、図21(a)の状態で図柄が停止表示された場合であって、保持板を逆方向に回転すると判断された場合(S53:YES又はS57:NO)には、該当する保持板115を逆方向に90度回転させる。
図21(b)は図21(a)の保持板115の回転後を示す。図20(b)に示すように第1リールユニット3Lに設けられたリールは、正面に配置されるリールが、第1リール211〜213から第1リール213〜215に切り替わり、図柄表示領域111〜113には、第1リール213〜215に基づく図柄が表示される。ここで、BBに内部当選していない場合であっては、図21(b)に示すように保持板115の回転後に新たに入賞が成立することはない。また、BBに内部当選中である場合であっても第1リール213の停止態様によって入賞が成立しない可能性もある(具体的には、90度回転したときに、図柄の「7」が正面側に表示されない状態で第1リール213が停止されていた場合は入賞が成立しない)。
そして、次回以降のゲームでは、保持板115、116、117を回転した後のリールによって遊技が行われる。即ち、例えば、図20(a)に示すように第1リール211〜213、第2リール221〜223、第3リール231〜233がそれぞれ図柄表示領域111〜113、121〜123、131〜133で図柄を可変表示及び停止表示している場合に、保持板117が正方向に90度回転すると、次回以降のゲームで図20(b)に示すように第1リール211〜213、第2リール221〜223、第3リール237、238、231がそれぞれ図柄表示領域111〜113、121〜123、131〜133で図柄を可変表示及び停止表示することとなる。また、図21(a)に示すように保持板115が逆方向に90度回転すると、次回以降のゲームで図21(b)に示すように第1リール213〜215、第2リール221〜223、第3リール237、238、231がそれぞれ図柄表示領域111〜113、121〜123、131〜133で図柄を可変表示及び停止表示することとなる。
同様に、その後のゲームで保持板115〜117が回転すれば、回転した後のリール態様で図柄表示領域111〜113、121〜123、131〜133に図柄を可変表示及び停止表示することとなる。
以上説明した通り本実施形態に係るパチスロ機1では、第1リール211〜218を備えた第1リールユニット3Lと、第2リール221〜228を備えた第2リールユニット3Cと、第3リール231〜238を備えた第3リールユニット3Rからなるリールユニット3において、BBの図柄が有効入賞ライン上にリーチ状態で停止表示された場合に、BB図柄以外の図柄が停止表示された図柄表示領域に図柄を可変表示及び停止表示するリールが取り付けられたいずれかの保持板115、116、117を正方向又は逆方向に90度回転させることによって、現在、図柄表示領域で図柄を表示するリールから他のリールに切り替えることができるので、常に同一のリールに基づいて図柄を変動及び停止させる単調な遊技となることなく、リールが切り替わるという従来にはない新たな遊技態様を提供することができる。従って、長時間遊技を行う場合であっても遊技者を飽きさせることがない。
また、リーチ状態で停止表示されていた場合に、異なる図柄が表示されているリールを有するリールユニットの保持板を回転させることにより、当該図柄が他の図柄に変化するので、一旦入賞を逃した場合であっても再度入賞するチャンスが生じ、最後まで緊張感のある遊技が可能となる。また、遊技者の期待感も増す。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るのパチスロ機1では、保持板115〜117の回転によって、縦方向に位置する3つの図柄表示領域111〜113、図柄表示領域121〜123、又は図柄表示領域131〜133単位で図柄を可変表示及び停止表示するリールを切り替えることとしているが、横方向に位置する3つの図柄表示領域111、121、131、図柄表示領域112、122、132、又は図柄表示領域113、123、133単位で図柄を可変表示及び停止表示するリールを切り替えることとしてもよい。
図22は他の実施形態に係るリールユニット101を示した正面図である。図22に示すリールユニット101では、保持板115〜117及び第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238は水平方向に回転駆動される。従って、第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238の内、正面に配置された9個のリールを用いて回転駆動させることにより、図柄表示領域111、121、131、112、122、132、113、123、133に図柄を可変表示及び停止表示させる。更に、前記した所定の条件を満たしたときに保持板115、116、117を回転させることにより、正面に配置された9個のリールの一部を他のリールに切り替えることができる。例えば、第1リールユニット3Lの保持板115を正方向(図22の左方向)に90度毎に回転させると、図柄表示領域111、121、131に図柄を表示させるリールは「第1リール211、212、213」→「第1リール217、218、211」→「第1リール215、216、217」→「第1リール213、214、215」→「第1リール211、212、213」→・・・の順で切り替わる。同様に、保持板115を逆方向(図22の右方向)に90度毎に回転させると図柄表示領域111、121、131に図柄を表示させるリールは「第1リール211、212、213」→「第1リール213、214、215」→「第1リール215、216、217」→「第1リール217、218、211」→「第1リール211、212、213」→・・・の順で切り替わる。
従って、遊技中において図柄を変動表示させるリールを他のリールに切り替えることが可能となり、常に同一のリールに基づいて図柄を変動及び停止させる単調な遊技となることなく、リールが切り替わるという従来にはない新たな遊技態様を提供することができる。それにより、長時間遊技を行う場合であっても遊技者を飽きさせることがない。
また、本実施形態においてはBBの図柄がリーチ状態で停止表示された場合(S51:YES)に、保持板を回転させることとしているが、例えばBB以外の図柄(「BAR」、「JAC」、「チェリー」等)がリーチ状態で停止した場合に、保持板を回転することとしても良い。
また、本実施形態においてはBBの図柄がリーチ状態で停止表示された場合(S51:YES)に、異なる種類の図柄が表示された保持板を90度回転させることとしているが、その回転角度は90度に限られるものではなく、180度や270度でも良い。更に、その回転角度をランダムで変化させるようにしても良い。
また、本実施形態においてはBBの図柄がリーチ状態で停止表示された場合(S51:YES)に、異なる種類の図柄が表示された保持板を90度回転させることとしているが、BBの図柄が2列以上の有効入賞ラインでリーチとなった所謂ダブルリーチの状態(図21(a)参照)で停止表示された場合のみに回転することとしても良い。
また、本実施形態においては略立方体形状を有するリールを用いているが、通常の円筒状のリールを保持板115〜117に対して複数個取り付けることによっても、同様の作用及び効果を有することとなる。
更に、本実施形態においてはBBの図柄がリーチ状態で停止表示された場合(S51:YES)に、異なる種類の図柄が表示された保持板を90度毎に回転させることとしているが、例えば、保持板を回転させながら回転している保持板に設けられたリール(第1リール211〜218、第2リール221〜228、第3リール231〜238のいずれか)を再度回転させ、保持板の回転を停止した後に、当該リールを停止させ入賞判定を行うようにしても良い。