以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、表示装置5が設けられている。表示装置5は、特図ゲームにおける特別図柄表示装置による特図の可変表示に対応して、3つのリールユニット5L、5C、5R(以下、左から順に、「左リールユニット」、「中リールユニット」、「右リールユニット」という)がそれぞれに駆動されることにより、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄(図柄)を遊技者に対して変動可能に表示(可変表示)する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
表示装置5は、例えば図2に示すように、金属や樹脂などで形成されて遊技盤2に取り付けられる筐体15内に、3つのリールユニット5L、5C、5Rが水平方向に並設されて構成されている。表示装置5は、実施形態では3つのリールユニット5L、5C、5Rとして、図3に示すリールユニット50が3つ設けられて構成されている。なお、3つのリールユニット5L、5C、5Rは、筐体15内に収納されて筐体15を介して遊技盤2に取付けられるものに限定されず、筐体15に収納されることなく直接に遊技盤2に取り付けられてもよい。
リールユニット50は、例えば図4及び図5に示すように、ベース体(基体)としてのベース52と、ベース52に回転可能に軸支される大径筒体60と、大径筒体60の回転軸61を中心とする円周上に配置される複数(この実施の形態では10個)の小径筒体70A〜70Jと、大径筒体60を回転させる大径筒体駆動機構80と、複数の小径筒体70A〜70Jのうちの一部(小径筒体70A、70C、70E、70G、70I、以下、「第1のグループに属する小径筒体」という)を回転させる第1小径筒体駆動機構90Aと、複数の小径筒体70A〜70Jのうちの他部(小径筒体70B、70D、70F、70H、70J、以下、「第2のグループに属する小径筒体」という)を回転させる第2小径筒体駆動機構90Bと、大径筒体60の回転初期位置を検出するためのフォトダイオード60aと、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転初期位置を検出するためのフォトダイオード70aと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの回転初期位置を検出するためのフォトダイオード70bとを備える。以下の説明では、リールユニット50が遊技盤2に取り付けられたときに、遊技者に表示される側を「前側」といい、遊技者が視認できない背面側を「後側」といい、遊技者から見て右側を「右側」といい、遊技者から見て左側を「左側」といい、遊戯盤2における左右方向(図1中、左右方向)を「左右方向」という。
ベース52は、例えば金属や樹脂などで形成され、リールユニット50の左右側面を構成する計2枚の左右ベース板53L、53Rと、左右ベース板53L、53R同士を前面側の上下2点と後上側の1点の計3点で接続する接続板54A〜54Cと、左右ベース板53L、53Rの内側に取り付けられて大径筒体60の側面を覆う左右リール側面板55L、55Rと、左ベース板53Lに取り付けられて大径筒体駆動機構80のステッピングモータ(大径筒体駆動源)82やギヤ84を支持する大径筒体駆動源支持板56と、右ベース板53Rに取り付けられてフォトダイオード60aを支持するフォトダイオード支持板57と、左ベース板53Lに取り付けられて第1小径筒体駆動機構90Aのステッピングモータ(第1小径筒体駆動源)92Aやフォトダイオード70aを支持する第1駆動源支持板58Lと、右ベース板53Rに取り付けられて第2小径筒体駆動機構90Bのステッピングモータ(第2小径筒体駆動源)92Bやフォトダイオード70bを支持する第2駆動源支持板58Rといった、複数の板状の部材から構成されている。なお、これらの複数の板状の部材は、少なくとも一部が一体の部材で構成されてもよいし、少なくとも一部が複数の部材で構成されてもよい。また、ベース52は、左右ベース板53L、53Rが、3つの接続板54A〜54Cで接続されて構成されるものに限定されず、1つや2つあるいは4つ以上の接続板で接続されて構成されてもよい。さらに、ベース52は、例えば箱状など、左右ベース板53L、53Rが一体に形成されるものでもよい。
大径筒体60は、ベース52に回転軸61が軸支され、大径筒体駆動機構80のステッピングモータ82からの動力を受けて回転軸61回りに回転する。大径筒体60は、実施形態では、図4から図6に示すように、大径筒体60の外周面を構成する帯状部材62と、帯状部材62が巻き回されて取り付けられ、ベース52に軸支されるホイール(ホイール部材)64と、を有する。なお、図6では、ホイール64を構成する左右ホイール部65L、65Rのうち左ホイール部65Lのみを示している(図4及び図5参照)。
帯状部材62は、例えば透明な樹脂によって形成され、図7に示すように、帯状部材62がホイール64に巻き回される方向(長手方向、図7中の上下方向)に沿って複数の立体部63が形成されている。図7では、帯状部材62が巻き回されていない状態の様子の一例を示しており、図7(A)は、帯状部材62を横(ホイール64に取り付けられたときには「右側」)から見た様子を示しており、図7(B)は、帯状部材62の立体部63が膨出する側(ホイール64に取り付けられたときには「外周側」)から見た様子を示している。帯状部材62には、短手方向(リールユニット50における左右方向)に平行な直線によって長手方向に沿って複数の領域に区分したときに、立体部63が形成されている領域(例えば図6や図7(B)中、斜めの実線でハッチングが施された領域、以下、「立体領域」という)62aと、立体部63が形成されておらず平面状に形成されている領域(例えば図6や図7(B)中、斜めの実線及び破線でハッチングが施された領域、以下、「非立体領域」という)62bを有する。立体部63は、この実施の形態では、長手方向に沿って、小径筒体70A〜70Jの数と同じ数(つまり、本実施形態では10個)が均等な間隔で形成されている。
帯状部材62の立体部63はそれぞれ、左右方向(短手方向、図7(B)中の左右方向)に平面状の(平たんな)平面部(例えば図6や図7(B)中、網掛け状のハッチングが施された領域)62cを残して、長方形の領域が横から見て円弧状に膨出するように形成されている(図7(A)参照)。つまり、この実施の形態では、帯状部材62の立体領域62aには、短手方向の両端に平面部62cが形成され、平面部62cに挟まれて中央に立体部63が形成されている。また、この実施の形態では、帯状部材62は、全ての領域でその厚みがほぼ等しくなるように形成されており、立体部63は、表面(図7(A)中、左側の面)では凸状に、裏面(図7(A)中、右側の面)では凹状となるように形成されている。こうした帯状部材62は、例えば、透明な樹脂を射出成形することによって形成することができる。なお、本実施形態では、帯状部材62は、立体部63が透光性を有するように形成されていればよく、立体領域62aの平面部62cや非立体領域62bには、表面または裏面を塗装したり、表面または裏面に色紙や樹脂フィルムを貼り付けたりして着色を施してもよい。
ホイール64は、実施形態では、例えば金属や樹脂などで形成された左右ホイール部65L、65Rが組み合わされて構成されている。左右ホイール部65L、65Rはそれぞれ、図4から図6に示すように、回転軸61が挿入される貫通孔66aが形成された内周部66と、帯状部材62が巻き回される外周部68とが、複数の連結部(図4から図6に示す例では5つ)67で連結されて構成されており、左右ホイール部65L、65Rの外周部68に形成された係合部69L、69Rや図示しないビスなどによって互いに組み合わされて大径筒体64を構成する。なお、左右ホイール部65L、65Rは、例えば金属をプレス成形したり樹脂を射出成形することによって形成することができる。
左右ホイール部65L、65Rの内周部66のそれぞれには、中央に大径筒体60の回転軸61が挿入される貫通孔66aとビス孔66bとが開けられている。左右ホイール部65L、65Rの内周部66からは、5つの連結部67が放射状に伸び、連結部67によって内周部66と外周部68とが連結されている。連結部67は、本実施形態では、内周部66から所定距離(例えば内周部66と外周部68との距離の半分など)は内周部66と同一平面上で形成され、その後、リールユニット50の側面外向きに(つまり、左ホイール部65Lであれば左側に、右ホイール部65Rであれば右側に)曲げられて外周部68に連結する。なお、左右ホイール部65L、65Rは、5つの連結部67で連結されるものに限定されるものではなく、内周部66と外周部68とが2つから4つあるいは6つ以上の連結部67で連結されていてもよい。
左ホイール部65Lの連結部67の一部には、右側に凸となる凸部67aが所定部位に形成されており、右ホイール部65Rには、この凸部67aに対応する連結部67の所定部位に凹部(溝または貫通孔)が形成されている。これにより、左右ホイール部65L、65Rを互いに組み合わせるときには、左ホイール部65Lの凸部67aと右ホイール部65Rの凹部とを嵌め合わせることにより、左右ホイール部65L、65Rを容易に所望の角度に調整して組み合わせることができる。なお、こうした凸部67aおよび凹部は、連結部67に代えて、又は連結部67とともに、内周部66に形成されていてもよい。また、右ホイール部65Rに左側に凸となる凸部が形成されて左ホイール部65Lに凹部が形成されてもよいし、左右ホイール部65L、65Rの双方に凸部および凹部が形成されていてもよい。なお、こうした凸部67aや凹部が形成されていなくてもよい。
左右ホイール部65L、65Rの外周部68は、帯状部材62が巻き回されて取り付けられる取付面69を有する。帯状部材62の取付面69への取り付けとしては、例えば、接着や溶着などによって行われる。左右ホイール部65L、65Rの取付面69は、左右方向における幅Wwが例えば数mm(ミリメートル)で形成され、帯状部材62が巻き回されるときに、帯状部材62における立体部63が形成された立体領域62aが取り付けられる部分(以下、第1取付部という)69aは、平面状(平たん)に形成され、帯状部材62における立体部63が形成されていない非立体領域62bが取り付けられる部分(以下、第2取付部という)69bは、大径筒体60の回転中心を中心とする円弧状に形成されている(図6や図9参照)。本実施形態では、第1取付部69aは、左右ホイール部65L、65Rの回転方向におけるそれぞれの長さL1が、帯状部材62の長手方向(巻き回される方向)における立体部63の長さLsよりも所定の長さ(例えば、数mm(ミリメートル))だけ長く形成されている。また、第1取付部69aと第2取付部69bとの接続部分69cは、エッジが立たないように、例えばR面取りすることによって曲面状(R状)に形成されている。帯状部材62の立体部63は長手方向に沿って小径筒体70A〜70Jの数だけ均等な間隔で設けられているから、左右ホイール部65L、65Rの取付面69は、平面状の第1取付部69aが小径筒体70A〜70Jの数だけ均等な間隔で設けられ、この第1取付部69a同士を繋ぐように第2取付部69bが設けられることになる。こうした取付面69の第1取付部69aは、例えば円筒状の部材の外周面に切削加工を施すことによって形成することができる。この場合、第1取付部69aの寸法を帯状部材62の寸法に合わせて容易に調整して形成することができる。
帯状部材62が取り付けられる取付面69よりも左右方向における外側(左ホイール部65Lであれば左側、右ホイール部65Rであれば右側)には、外周側に若干突出するフランジ状であって、帯状部材62の長手方向の全長よりも外周長が若干長い円形板状のガイド68aが形成されている。なお、帯状部材62は、ガイド68aに接着又は溶着されてもよい。また、左右ホイール部65L、65Rの外周部68には、小径筒体70A〜70Jの回転軸が挿入されるための貫通孔68bが小径筒体70A〜70Jの数だけ円周上に均等な間隔で設けられている。貫通孔68bは、帯状部材62が取り付けられる取付面69よりも内周側に設けられており、ホイール64を回転軸61の軸方向に沿ってみたときに、ホイール64の外周方向における第1取付部69aの中央と、左右ホイール部65L、65Rのそれぞれの回転中心とを結んだ直線上に設けられている。したがって、複数の小径筒体70A〜70Jの回転軸は、帯状部材62がホイール64に巻き回されて取り付けられたときには、帯状部材62の立体部63の中央とホイール64の回転中心とを結んだ直線上に位置することになる。また、右ホイール部65Rの外周端の所定箇所には、外周側に凸となる検出用凸部68cがフォトダイオード60aの検出対象として設けられている(図5参照)。検出用凸部68cは、フォトダイオード60aで好適に検出できるように、例えば黒い樹脂部材で形成される。
左ホイール部65Lの外周部68には、大径筒体60の回転軸61に並行に(つまり、左右方向に沿って)突出する複数の左側係合部68Lが設けられており、右ホイール部65Rの外周部68には、大径筒体60の回転軸61に並行に突出する複数の右側係合部68Rが設けられている。左側係合部68L及び右側係合部68Rは、ホイール64の外周方向に沿って均等な配置で同数(図4から図6に示す例では、5つ)が形成されている。左側係合部68Lは、外周側側面に凸部68Laを有し、大径筒体60の回転軸61の軸方向に沿った長さLaが帯状部材62の短手方向の長さ(幅)Wtより左右ホイール部65L、65Rの取付面69の幅Wwだけ短い円筒状に形成され(La=Wt−2・Ww)、右側係合部68Rは、左ホイール部65Lの外周端に形成されて、左ホイール部65Lの回転中心側に凸となる爪68Rbを先端に有するとともに内周側側面に左側係合部68Lの凸部68Laに対応する凹部を有し、回転軸61の軸方向に沿った長さLbが、左側係合部68Lの長さLaよりも左ホイール部65Lの外周部68の厚さ(取付面69の幅Wwとガイド69の幅との和に相当)と爪68Rbの長さだけ長い棒状に形成されている。
大径筒体60を組み立てるときには、まず、左側係合部68Lと右側係合部68Rとが互いに係合するように左右ホイール部65L、65Rを組み合わせる。具体的には、左側係合部68Lの凸部68Laと右側係合部68Rの凹部が嵌め合わされるように左右ホイール部65L、65Rを互いに押し込んで、右側係合部68Rの爪68Rbを左ホイール部65Lの裏面に係止させる。この状態で、左右ホイール部65L、65Rの内周部66や連結部67をビス留めしてホイール64が組み立てられる。
続いて、図8に示すように、ホイール64の取付面69に帯状部材62を巻き回して、帯状部材62をホイール64に取り付ける。このとき、帯状部材62の立体領域62aの平面部62cがホイール64の平面状の(平たんな)第1取付部69aに取り付けられ、帯状部材62の非立体領域62bがホイール64の円弧状の第2取付部69bに取り付けられるように、帯状部材62をホイール64に巻き回す。こうして大径筒体60が組み立てられる。なお、帯状部材62とホイール64との取り付けには、例えば帯状部材62やホイール64の素材に応じた接着剤を用いることができる。このように、ホイール64の取付面69は、帯状部材62の立体領域62aが取り付けられる第1取付部69aが平面状に形成されているから、帯状部材62の変形させにくい(つまり、巻き回しにくい)立体領域63aをホイール64の取付面69に好適に取り付けることができる。また、帯状部材64の非立体領域62bが取り付けられる第2取付部69bは円弧状に形成されているから、帯状部材62の非立体領域62bは、ホイール64の取付面69が角張って形成されたものに比して滑らかに曲げられ、帯状部材62を好適にホイール64に取り付けることができる。これにより、表面に立体部63が形成された帯状部材62をホイール64に好適に取り付けて大径筒体60を構成することができる。
また、この実施の形態では、ホイール64の第1取付部69aの回転方向における長さL1が、帯状部材62の長手方向における立体部63の長さLsよりも所定の長さ(例えば、数mm(ミリメートル))だけ余裕をもって形成されているから、帯状部材62や左右ホイール部65L、65Rの寸法に誤差がある場合でも、帯状部材62の立体領域62aがホイール64の第1取付部69aに位置するようにすることができ、つまり、立体領域62aの平面部62cが第1取付部69aに取り付けられるようにすることができる。さらに、本実施形態では、ホイール63の取付面69は、平面状に形成された第1取付部69aと円弧状に形成された第2取付部69bとの接続部分69cが曲面状に形成されているから、この接続部分69cに取り付けられる帯状部材62の部分についても滑らかに曲げられ、立体部63が形成された帯状部材62をホイール64に好適に取り付けることができる。
また、この実施の形態では、帯状部材62が取付けられるホイール64の外周側に帯状部材62の長手方向の長さより外周が長いガイド68aが設けられているから、帯状部材62の左右方向の位置を容易に調整して帯状部材62をホイール64に取付けることができる。さらに、帯状部材62は、左右方向に平面状の平面部62cを残して立体部63が設けられているから、平面部62cを第1取付部69aに取り付けることができ、帯状部材62とホイール64との接着面を確保することができる。なお、帯状部材62は、立体部63の両側に平面状の領域62cを有するものに限定されるものではなく、帯状部材62をホイール64に取付けることができる限り、立体部63の両側に平面状の領域62cがなくてもよい。
複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれは、大径筒体60の左右ホイール部65L、65Rの外周部68に設けられた貫通孔68bに、回転軸が挿入されて大径筒体60に対して回転可能に支持される。複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれは、その半径が、左右ホイール部65L、65Rの貫通孔68bからホイール64の外周縁までの距離より大きい円柱状または円筒状に形成されており、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60に取付けられるときには、小径筒体の外周縁がホイール64の外周縁よりも外周側に突出して、帯状部材62の立体部63から大径筒体60の外周側に臨むように大径筒体60に支持される。複数の小径筒体70A〜70Jは、この実施の形態では、第1のグループと第2のグループとの2つのグループに、5つの小径筒体ずつ区分されており、各グループに属する小径筒体が1つずつ交互に、大径筒体60の円周上に均等な間隔で配置される。
2つのグループのうち、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのそれぞれの回転軸には、大径筒体60の左ホイール部65Lの貫通孔68bを通った軸端に、第1小径筒体駆動機構90Aに含まれる第1小径筒体ギヤ93Aが取り付けられており、大径筒体60の右ホイール部65Rの貫通孔68bを通った軸端(つまり、第1小径筒体ギヤ93Aが取り付けられた軸端とは反対側の軸端)に、小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60から外れ落ちないように軸留め94Aが取り付けられている。また、2つのグループのうち、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jのそれぞれの回転軸には、大径筒体60の右ホイール部65Rの貫通孔68bを通った軸端に、第2小径筒体駆動機構90Bに含まれる第2小径筒体ギヤ93Bが取り付けられており、大径筒体60の左ホイール部65Lの貫通孔68bを通った軸端(つまり、第2小径筒体ギヤ93Bが取り付けられた軸端とは反対側の軸端)に、軸留め94Bが取り付けられている。つまり、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとでは、反対側の軸端にギヤが取り付けられており、複数の小径筒体70A〜70Jを右側又は左側から見ると、図10に示すように、1つ置きに5つの小径筒体にギヤが取り付けられて見える。なお、図10では、ベース52や大径筒体60のホイール64の図示を省略した状態のリールユニット50の様子を示している。また、図4及び図5では、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのうちの1つ(小径筒体70E)と、第2のグループに属する小径筒体のうちの1つ(小径筒体70J)とを除いて、第1及び第2小径筒体ギヤ93A、93Bや軸留め94A、94Bの図示を省略している。
複数の小径筒体70A〜70Jの外周面には、1つ以上飾り図柄が配置される。この実施の形態では、各小径筒体70A〜70Jに、3つの飾り図柄が配置される。具体的には、各小径筒体70A〜70Jには、図11に示すように、「0」〜「9」のいずれかの数字を示す図柄(第1系統p1の飾り図柄)、「7」の数字を示す図柄(第2系統p2の飾り図柄)、及び、「エース(A)」、「ジャック(J)」、「クイーン(Q)」、「キング(K)」、「ジョーカー(JO)」、「スペード(ブランク)」の記号を示す図柄(第3系統p3の飾り図柄)が設けられている。複数の小径筒体70A〜70Jに対して、大径筒体60の円周回りに“1”〜“10”のリール番号を付すと、例えば、左リールユニット5Lのリール番号1の小径筒体70Aには、「4」、「7」、「スペード(ブランク)」の3つの飾り図柄が配されることになる。この実施の形態では、リールユニット50おける予め定められた有効ライン上(例えば、横3ライン、斜め2ライン)のいずれかに同じ飾り図柄が揃った場合に大当りとなる。また、小径筒体70A〜70Jは、大径筒体60と独立して回転可能である。このように、小径筒体70A〜70Jに複数の飾り図柄を配置することで、大径筒体60の回転に加えて、小径筒体70A〜70Jの回転により、多彩な可変表示動作やリーチ演出等が可能になる。なお、小径筒体70A〜70Jに配置される飾り図柄は、図11に示す例に限定されるものではなく、互いに識別可能であれば如何なる図柄が用いられてもよい。
複数の小径筒体70A〜70Jは、同じ系統p1〜p3の飾り図柄が、大径筒体60に対して、各グループに属する小径筒体で同じ向きとなるように大径筒体60に支持されている。例えば、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのうち1つの小径筒体について、第2の系統p2に属する「7」の数字を示す図柄が大径筒体60の外周側に向いて遊技者に表示される場合、第1グループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して回転することなく大径筒体60が回転すると、第1のグループに属する他の小径筒体についても、第2の系統p2に属する「7」の数字を示す図柄が大径筒体60の外周側に向いて遊技者に表示される。ここで、図11に示す例では、第2の系統に属する飾り図柄として、第1の系統に属する飾り図柄(「0」〜「9」の番号を示す図柄)のうちの一つである「7」の番号を示す図柄をすべての小径筒体70A〜70Jに設けているから、例えば、複数の小径筒体70A〜70Jについて第2の系統p2に属する飾り図柄を遊戯者に表示させることによって、遊戯者の期待感を高めることができる。なお、リールユニット50を組み立てる際に、大径筒体60に対する複数の小径筒体70A〜70Jの角度調整が容易となるように、例えば複数の小径筒体70A〜70Jの回転軸に取り付けられる第1及び第2小径筒体ギヤ93A、93Bには、溝などの印が設けられたり(図10参照)、一部のギヤの歯が欠けていてもよい。なお、図10に示す例では、複数の小径筒体ギヤ93Bのそれぞれには、3つの大きい丸と3つの小さい丸と1つの四角の模様からなる溝が設けられており、この溝を頼りに小径筒体用ギヤ95Aに対する回転位置を容易に調整できるように構成されている。
大径筒体駆動機構80は、大径筒体60の左ホイール部65Lに取り付けられて大径筒体60と一体に回転する外歯の大径筒体用ギヤ83と、大径筒体用ギヤ83と噛合するギヤ84と、このギヤ84と噛合する駆動ギヤ85が回転軸に取り付けられたステッピングモータ(大径筒体駆動源)82と、を備える。ギヤ84とステッピングモータ82は、大径筒体駆動源支持板56に取り付けられ、大径筒体駆動源支持板56を介して左ベース板53Lに支持されている。こうした構成により、大径筒体駆動機構80では、ステッピングモータ82からの動力が、駆動ギヤ85、ギヤ84、大径筒体用ギヤ83の順に伝達され、ステッピングモータ82からの動力によって大径筒体60が回転する。この実施の形態では、大径筒体用ギヤ83は、その外周面に外歯を150個有し、ステッピングモータ82に取り付けられた駆動ギヤ85は、その外周面に外歯を12個有しており、ステッピングモータ82が駆動ギヤ85を12.5回転したときに大径筒体用ギヤ85及び大径筒体60が1回転するように構成されている。なお、ギヤの歯数については、この例に限定されるものではなく、駆動源としてのステッピングモータ82の性能や大径筒体60を回転させる態様に基づいて適宜定められればよい。
第1小径筒体駆動機構90Aは、第1グループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転軸のそれぞれに取り付けられた第1小径筒体ギヤ93Aと、大径筒体60の回転軸61を軸心として回転する第1小径筒体用ギヤ95Aと、回転軸に駆動ギヤ98Aが取り付けられたステッピングモータ(第1小径筒体駆動源)92Aと、を備える。第1小径筒体用ギヤ95Aは、外周側に、複数の第1小径筒体ギヤ93Aの全てと噛合する外歯のギヤ部96Aを有し、内周側に、ステッピングモータ92Aの駆動ギヤ98Aと噛合する外歯のギヤ97Aを有し、この2つのギヤ部96A、97Aが一体に回転するように構成されている。また、第1小径筒体用ギヤ95Aにおける外周側のギヤ部96Aの内周面の所定箇所には、内周側に凸となる検出用凸部96aがフォトダイオード70aの検出対象として設けられている。検出用凸部96aは、フォトダイオード70aで好適に検出できるように、例えば黒色に塗装されて設けられている。第1小径筒体用ギヤ95Aの構成要素のそれぞれは、大径筒体60の左側に設けられており、ステッピングモータ92Aは、小径筒体駆動源支持板56に取り付けられ、小径筒体駆動源支持板58Lを介して左ベース53Lに支持されている。
こうした構成により、第1小径筒体駆動機構90Aでは、ステッピングモータ92Aからの動力が、駆動ギヤ98Aから小径筒体用ギヤ95Aの内周側のギヤ部97Aに伝達されるとともに、小径筒体用ギヤ95Aの外周側のギヤ部96Aから複数の小径筒体ギヤ93Aのそれぞれに動力が伝達されて、ステッピングモータ92Aからの動力によって第1グループに属する複数の小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが回転駆動される。本実施形態では、ステッピングモータ92Aに取り付けられた駆動ギヤ98Aは、その外周面に外歯を12個有し、第1小径筒体用ギヤ95Aは、内周側のギヤ部97Aがその外周面に外歯を28個有するとともに、外周側のギヤ部96Aがその外周面に外歯を108個有し、複数の第1小径筒体ギヤ93Aのそれぞれは、その外周面に外歯を18個有しており、複数の小径筒体70A〜70Jの位置が変化しないときには、ステッピングモータ92Aが駆動ギヤ98Aを2回転と120度回転したときに第1小径筒体用ギヤ95Aが1回転するとともに第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iのそれぞれが6回転するように構成されている。また、ステッピングモータ92Aが回転しないときには、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の円周上を60度移動したときに第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが1回転することになる。なお、ギヤの歯数については、この例に限定されるものではなく、駆動源としてのステッピングモータ92Aの性能や第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを回転させる態様に基づいて適宜定められればよい。
第2小径筒体駆動機構90Bは、第2グループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの回転軸のそれぞれに取り付けられた第2小径筒体ギヤ93Bと、大径筒体60の回転軸61を軸心として回転する第2小径筒体用ギヤ95Bと、回転軸に駆動ギヤ98Bが取り付けられたステッピングモータ(第2小径筒体駆動源)92Bと、を備える。第2小径筒体駆動機構90Bの構成要素のそれぞれは、第1小径筒体駆動機構90Aの構成要素のそれぞれと共通であり、第1小径筒体駆動機構90Aの構成要素のそれぞれと対称な配置及び向きで大径筒体60の右側に設けられている。このため、第2小径駆動機構90Bでは、複数の小径筒体70A〜70Jの位置が変化しないときには、ステッピングモータ92Bが駆動ギヤ98Bを2回転と120度回転したときに第2小径筒体用ギヤ95Bが1回転するとともに第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが6回転するように構成されている。また、ステッピングモータ92Bが回転しないときには、複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の外周円上を60度移動したときに第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが1回転することになる。
大径筒体駆動機構80や第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bの駆動源であるステッピングモータ82、92A、92Bは、ベース52に支持されるものに限定されるものではなく、例えば遊戯盤2に支持されてもよい。また、大径筒体駆動機構80や小径筒体駆動機構90A、90Bのギヤの配置などの構成は、上述した態様に限定されるものではなく、例えばステッピングモータ82、92A、92Bの駆動ギヤ85、98A、98Bと小径筒体用ギヤ83、95A、95Bとの間に更にギヤが介されて動力が伝達されるものとしたり、ギヤに代えて、あるいはギヤとともにベルトが用いられてもよい。さらに、大径筒体駆動機構80や小径筒体駆動機構90A、90Bでは、ステッピングモータ82、92A、92Bを駆動源として備えるものに限定されるものではなく、例えば同期電動機や誘導電動機などが駆動源として用いられてもよい。
フォトダイオード60aは、フォトダイオード支持板57を介して右ベース板53Rに取り付けられ、大径筒体60のホイール64に設けられた検出用凸部68cを検出して、その検出結果に応じた信号を図12に示す演出用制御基板12に送信する。また、フォトダイオード70a、70bは、第1及び第2小径筒体駆動源支持板58L、58Rを介して左右ベース板53R、53Lに取り付けられ、第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bの小径筒体用ギヤ95A、95Bに設けられた検出用凸部96aを検出して、その検出結果に応じた信号を図12に示す演出用制御基板12に送信する。なお、こうしたフォトダイオード60a、70a、70bに代えて、あるいはこうしたフォトダイオード60a、70a、70bとともに、大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの回転位置を検出するエンコーダやレゾルバなどが設けられてもよい。また、フォトダイオード60a、70a、70bの検出対象である検出用凸部68c、96aは、大径筒体60や小径筒体用ギヤ95A、95Bに設けられるものに限定されるものではなく、フォトダイオード60a、70a、70bによって大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの回転位置を検出可能なように設けられていれば、如何なる場所に設けられてもよい。
このように構成されるリールユニット50では、大径筒体駆動機構80によって複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60回りに移動させることができ、第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bによって複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60に対して回転させて大径筒体60に対する角度を調整することができる。また、リールユニット50は、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを大径筒体60に対して回転させる第1小径筒体駆動機構90Aと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70G、70H、70Jを大径筒体60に対して回転させる第2小径筒体駆動機構90Bとが、それぞれ独自に設けられているから、複数の小径筒体70A〜70Jを第1のグループと第2のグループとで独立して大径筒体60に対して回転させることができ、複数の小径筒体70A〜70Jの全てが単一の駆動機構によって一律に大径筒体60に対して回転駆動されるものに比して、多様な可変表示を行うことができる。
こうしたリールユニット50が、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rとして、3つ並べられて表示装置5が構成される。なお、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rは、例えば、左リールユニット5Lと右リールユニット5Rとでは、左右対称に形成されるなど、それぞれに異なる構成であってもよい。また、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rは、例えば隣り合うリールユニットでベース52が併用されることなどによって、一体に形成されてもよい。
こうした表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各大径筒体60や小径筒体70A〜70Jが回転し、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として画定特別図柄が停止表示されるときに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各大径筒体60や小径筒体70の回転を停止させ、飾り図柄の可変表示結果となる画定飾り図柄(最終停止図柄)が遊技者に停止表示される。実施形態の表示装置5では、図2に示すように、飾り図柄が停止表示されたときには、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれについて、少なくとも3つの小径筒体における飾り図柄(つまり、計9つの飾り図柄)が、遊技者が視認できるように停止表示される。
このように、表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を遊技者に対して停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、遊技者が視認できる飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れ(大径筒体60の回転および小径筒体70A〜70Jの回転あるいはその双方の回転による揺れを含む)などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が視認可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れを表示させず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
表示装置5の下方には、始動入賞記憶表示器10が配置されている。始動入賞記憶表示器10では、例えばランプなどの点灯態様によって、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示器10のおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。
図1に示す例では、表示装置5の下方に設けられた始動入賞記憶表示器10とともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図12に示す各種アクチュエータ23のうち普通電動役物用となるソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図12に示す各種スイッチ21のうちの第1始動口スイッチによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図12に示す各種スイッチ21のうちの第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図12に示す各種アクチュエータ23のうち大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、図12に示す各種スイッチ21に含まれるカウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特別可変入賞装置において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトダイオード(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトダイオード(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトダイオードを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。なお、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bは、遊技者による操作が検出された場合、図12に示す演出制御基板12によって表示装置5における表示演出が変更されたり、スピーカ8L、8Rからの音声出力や遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出(例えば予告演出やリーチ演出)などにおいて使用されればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図12に示す各種スイッチ21に含まれるゲートスイッチによって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図12に示す各種スイッチ21に含まれる第1始動口スイッチによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図12に示す各種スイッチ21に含まれる第2始動口スイッチによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。また、大当り図柄の数は、大当り種別の数に応じて設けられていればよく、上記の他に、例えば「5」の数字を示す特別図柄を大当り図柄としてもよい。また、可変表示結果として「小当り」を設ける場合には、例えば「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄としてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となる。また、「5」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とする場合には、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態として、第1特定遊技状態のみが設けられるが、第2特定遊技状態を設けてもよい。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態は設けられないが、小当り遊技状態を設けてもよい。
表示装置5では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各大径筒体60と小径筒体70A〜70Jとが駆動されて飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。なお、この実施の形態では、表示装置5における可変表示は、例えば、「リーチ」、「予告」、「擬似連」などが発生しない通常時には、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれの複数の小径筒体70A〜70Jの全てにおいて、所定の飾り図柄(例えば、図11に示す第1系統p1に属する「0」〜「9」の数字を示す図柄)が外周側に向いた状態で大径筒体60を回転させ、所定の飾り図柄が遊戯者に可変表示されるように表示装置5を駆動制御する。
ここで、リーチ状態とは、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのうち停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける一部(例えば左リールユニット5L及び右リールユニット5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りのリールユニット(例えば中リールユニット5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、小径筒体70を回転させて微少な揺れを生じさせたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このような表示態様の変化などの演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチA〜C、スーパーリーチA〜Dといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチA〜Dのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチA〜Cのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、遊技制御基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、遊技制御基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数のリールユニット(例えば左リールユニット5L及び右リールユニット5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示したリールユニットのうち所定数(例えば「1」または「2」)のリールユニット(例えば左リールユニット5Lと右リールユニット5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。例えば、疑似連チャンス目としては、中リールユニット5Cにおいて、「ジョーカー」を示す図柄が中央に表示されるものでもよい。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(例えば左リールユニット5L及び右リールユニット5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて可変表示される飾り図柄が「0」〜「9」の数字を示す図柄や「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す図柄のうち、偶数「0」、「2」、「4」、「6」、「8」を示す図柄又は「ジャック」、「クイーン」を示す図柄のいずれか1つが、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける上段の横方向のライン(上段ライン)、中段の横方向のライン(中段ライン)、下段の横方向のライン(下段ライン)、左上から右下に向かう斜め方向のライン(右下がりライン)、および右上から左下に向かう斜め方向のライン(左下がりライン)といった所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する偶数「0」、「2」、「4」、「6」、「8」を示す飾り図柄や「ジャック」、「クイーン」を示す飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。なお、この実施の形態では、図11に示す飾り図柄のうち、「スペード(ブランク)」を示す図柄については、大当り組合わせを構成しないものとしている。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて可変表示される飾り図柄が「0」〜「9」を示す図柄や「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す図柄のうち、奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を示す図柄または「キング」、「ジョーカー」を示す図柄のいずれか1つが、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する奇数「1」、「3」、「5」、「7」、「9」を示す飾り図柄や「キング」、「ジョーカー」を示す飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがあってもよい。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもあってもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがあるように制御される。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがあるようにしてもよい。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみであるようにしてもよい。したがって、このようにした場合、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図12に示すような遊技制御基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、遊技制御基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための図示しない中継基板なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
遊技制御基板11は、遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されたメイン側の制御基板である。遊技制御基板11は、主として、可変表示ゲームなどに用いる乱数値の更新機能、第1始動口スイッチや第2始動口スイッチ、カウントスイッチ、ゲートスイッチといった各種スイッチ21からの検出信号を取得して動作状態を検出する機能、普通電動役物用のソレノイドや大入賞口扉用のソレノイドといった各種アクチュエータ23に指令信号や駆動信号を出力する機能、特図ゲームや普通図ゲームに対応した可変表示の保留数を設定して第1保留表示器25Aや第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cといった保留表示器25に指令信号を出力する機能、制御基板12といったサブ側の制御基板に対して指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力する機能、遊技場の管理コンピュータなどに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、遊技制御基板11は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20といった図柄表示装置22による図柄の可変表示を制御する機能も備えている。遊技制御基板11に搭載される各種回路には、遊技制御用マイクロコンピュータ11aが含まれている。その他にも、遊技制御基板11には、各種スイッチ21からの検出信号が入力されて遊技制御用マイクロコンピュータ11aに供給可能とするスイッチ回路や、各種アクチュエータ23を駆動するための駆動信号生成回路などが、搭載されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ11aは、例えば1チップのマイクロコンピュータとして構成され、遊技制御用のコンピュータプログラムや固定データなどを記録するROMと、遊技制御用のワークエリアを提供するRAMと、遊技制御用のコンピュータプログラムを実行して制御動作を行うCPUと、入出力回路とを備えていればよい。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ11aでは、CPUがROMから読み出したコンピュータプログラムに対応して、遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPUが入出力回路を介して遊技制御用マイクロコンピュータ11aの外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPUが入出力回路を介して遊技制御用マイクロコンピュータの外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ11aを構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPUの他にRAMが内蔵されていればよく、ROMや入出力回路は外付けされてもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ11aでは、CPUがROMなどに格納されている遊技制御用のコンピュータプログラムを実行して遊技の進行を制御するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ11a(あるいは、そのCPU)が実行する(あるいは、処理を行う)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ11aのCPUがコンピュータプログラムの記述に従って制御や処理を実行することである。このことは、遊技制御基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ11aには、CPUとは独立して乱数値を示す数値データを更新する乱数回路が、内蔵または外付けされてもよい。こうした乱数回路などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ11aのCPUが所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAMとは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPUが定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
演出制御基板12は、遊技機1における演出動作を制御するための各種回路が搭載されたサブ側の制御基板である。演出制御基板12は、主として、遊技者などによる演出用操作部材45(スティックコントローラ31Aを含む)の所定操作に応じた検出信号(操作検出信号)を取得して動作状態を検出する機能や、例えば表示装置5における表示動作を決定するのに用いる乱数値の更新機能、表示装置5における表示動作の一部または全部、スピーカ41(スピーカ8L、8Rを含む)からの音声出力動作の一部または全部、演出用発光部材42(始動入賞記憶表示器10を含む)における発光動作の一部または全部、演出用可動部材43の移動や停止といった、演出用の電気部品(演出装置)に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能、その決定結果に応じた指令信号や駆動信号を各演出装置へと出力する機能などを備えている。例えば、演出制御基板12は、表示装置5の表示動作の一部または全部の所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定するために、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれに設けられた位置検出センサ100(フォトダイオード60a、70a、70b)からの信号を受信したり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれに設けられた大径筒体駆動源82や第1及び第2小径筒体駆動源92A、92Bに送信する駆動信号を生成して送信したりする。演出制御基板12に搭載される各種回路には、演出制御用のマイクロコンピュータ12aが含まれている。その他にも、演出制御基板12には、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの各駆動源に送信する駆動信号を生成する信号処理プロセッサや、スピーカ42から音声(効果音など)を出力させるための音声合成処理を実行する音声合成用IC、演出用発光部材43を発光させるための駆動信号を生成するドライバ回路などが、搭載されていてもよい。なお、演出制御基板12は、単一の制御基板として構成されたものに限定されず、複数の制御基板に搭載された各種回路により、各種の演出動作が分担して制御されてもよい。
次に、本実施形態における動作(作用)を説明する。パチンコ遊技機1では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ11aや演出制御用マイクロコンピュータ12aが起動して所定の初期設定処理が実行され、制御に用いられる各種の初期データなどが設定される。演出制御用マイクロコンピュータ12aによる初期設定処理としては、例えば、表示装置5の左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける各ステッピングモータ82、92A、92Bを駆動して各リールユニットの大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jを回転させるとともに、フォトダイオード60a、70a、70bからの検出信号を監視して、大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの位置を認識する。なお、このときには、フォトダイオード60a、70a、70bからの検出信号に基づいて、大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの各回転位置が所定の初期位置となるように駆動してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ11aでは、内蔵するCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などにより、例えば2ms(ミリ秒)といった所定時間ごとにCTCから割込み要求信号がCPUへと送出される。遊技制御用マイクロコンピュータ11aのCPUは、初期設定処理などが終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。そして、CTCからの割込み要求を受け付けると、遊技制御用のタイマ割込処理を実行する。
遊技制御用のタイマ割込処理には、例えば図13のフローチャートに示すような遊技制御プロセス処理が含まれている。図13に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ11aのCPUは、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、各種スイッチ21に含まれる第1及び第2始動口スイッチから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ11aに内蔵または外付の乱数回路や、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおいてRAMとは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。本実施形態では、変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンに決定される場合、ノーマルリーチとスーパーリーチとのいずれのリーチ態様であるのかを判定して決定するが、例えばステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、ノーマルリーチA〜ノーマルリーチCや、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を伴う特定の変動パターンにまで変動パターンの決定が行われるようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
特定の変動パターンに決定されるか否かを判定する処理では、まず、可変表示結果決定用の乱数値を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるROMの所定領域などには、可変表示結果を「大当り」とするか否かの決定結果に対して判定値が設定された可変表示結果決定テーブルが予め記憶されており、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた決定結果を特定することで、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かを判定することができる。続いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果に応じて、複数種類の変動パターンに対して異なる判定値が設定された変動パターン決定テーブルを選択する。この変動パターン決定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるROMの所定領域などに予め記憶されていればよい。こうして選択した変動パターン決定テーブルを参照することで、ステップS12の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値と合致する判定値が割り当てられた変動パターンを特定することで、スーパーリーチA〜スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を行う特定の変動パターンに決定されるか否かを判定することができる。
このように、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して始動入賞が発生したときには、その始動入賞に対応する可変表示ゲームの実行が開始されるより前に、変動パターンが特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行い、その判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドが、遊技制御基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。
ステップS11にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS11;No)、ステップS13の処理を実行した後には、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域などに記憶された遊技プロセスフラグの値を判別し(ステップS21)、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判別値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。そして、保留数が「0」以外であるときには、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」であるときには、可変表示が開始不可能であると判定する。
ステップS101にて可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。このときには、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。図14は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図14に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」である非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−3が、予め用意されている。また、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」であるリーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1、変動パターンPA2−2、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「大当り」となる大当り変動パターンとして、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2が、予め用意されている。
ステップS111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、図14に示す変動パターンのうち、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。例えば、スーパーリーチが実行された場合には、ノーマルリーチが実行された場合よりも大当り信頼度が高くなるように、変動パターンが決定されればよい。
また、ステップS111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。一例として、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、図柄表示装置11による図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、図柄表示装置11に対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、図柄表示装置11による図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、図柄表示装置11による図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ11aにおけるRAMの所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
パチンコ遊技機1の演出制御用マイクロコンピュータ12aでは、初期設定処理などが終了した後、例えば4ms(ミリ秒)といった所定時間ごとにタイマ割込みが発生する。演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUは、このタイマ割込みの発生に応答して、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUは、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行して、遊技制御基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ11aなどから伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。
演出制御用のタイマ割込処理には、例えば図15のフローチャートに示すような演出制御プロセス処理が含まれている。図15に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUは、まず、受信コマンドがあったか否かを判定する(ステップS51)。そして、受信コマンドがあるときには(ステップS51;Yes)、その受信コマンドに応じて予め定められた各種設定や制御を行う。ステップS51における制御の一例として、受信コマンドが始動入賞指定コマンドであるときには、始動入賞記憶表示器10における表示を更新する制御を行い、新たな可変表示の保留が発生したことを遊技者が認識可能に報知する。このとき、入賞時判定結果指定コマンドにより特定の変動パターンに決定されることが指定された場合には、そのような指定がない場合とは異なる表示態様で、始動入賞記憶表示器10における表示を更新すればよい。
ステップS51にて受信コマンドがない場合や(ステップS51;No)、ステップS52の処理を実行した後には、演出制御用マイクロコンピュータ12aにおけるRAMの所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判別し(ステップS61)、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判別値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、演出プロセスフラグの値が“0”であるときには、可変表示の開始を指定する所定コマンド(可変表示開始コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップS201)。そして、可変表示の開始が指定された場合には(ステップS201;Yes)、演出プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS202)、演出制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示の開始が指示されていない場合には(ステップS201;No)、所定の演出用設定処理を実行してから(ステップS203)、演出制御プロセス処理を終了する。
演出プロセスフラグの値が“1”であるときには、予告演出を実行するか否かという予告演出の有無と、実行する場合における予告演出のパターン(予告パターン)を決定する(ステップS210)。一例として、ステップS210の処理では、予告演出の有無とパターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された予告パターン決定テーブルを選択してセットする。予告パターン決定テーブルでは、始動入賞の発生に基づいて送信された可変表示結果の内容などに応じて、予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出を実行しない場合に対応する「予告実行なし」の決定結果や、予告演出を実行する場合における予告A〜予告Dといった複数の予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUは、例えば演出制御用基板12に設けられた図示しない乱数回路やランダムカウンタなどから抽出した予告パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告パターン決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無と予告パターンとを決定すればよい。
ステップS210の処理では、例えば図16に示すような決定割合で、予告演出の有無と予告パターンとが決定されればよい。図16に示す決定割合の設定例では、可変表示結果に応じて、予告演出の有無や予告パターンの決定割合を異ならせている。
具体的な一例として、図16に示す例では、可変表示結果が、「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」、「大当り」の順に、「予告実行なし」に決定される割合が低くなる。また、可変表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」のいずれかであれば、予告演出を実行する場合、予告A、予告B、予告C、予告Dの順に決定される割合が低くなり、可変表示態様が「大当り」のときには、予告A、予告B、予告C、予告Dの順に決定される割合が高くなる。なお、「ハズレ(非リーチ)」は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」である場合を示し、「ハズレ(リーチ)」は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」の場合を示している。こうした設定により、例えば予告Dが表示されたときには「大当り」となる可能性が高くなり、遊技者の期待感を高めることができる。
本実施形態のパチンコ遊技盤1では、例えば、予告A〜予告Dとして、表示装置5における可変表示を開始するときに、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの少なくとも1つの大径筒体60(例えば、左リールユニット5Lの大径筒体60)を例えば数百ms(ミリ秒)や数十度だけ逆回転させることによって予告演出を行ったり、予告演出を行わない通常時に左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの回転駆動を開始する順番(例えば、左リールユニット5L、右リールユニット5R、中リールユニット5Cの順番)とは異なる順番(例えば、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの順番)で、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの回転駆動を開始することによって予告演出を行ったりすることができる。また、表示装置5における可変表示を開始するときに、まず左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれについて、所定時間(例えば、数百ms(ミリ秒)や数秒)にわたって、大径筒体60を回転させることなく複数の小径筒体70A〜70Jの全てを回転させることによって予告演出を行ったり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの小径筒体70A〜70Jの一部を回転させることによって予告演出を行ったりすることもできる。また、複数の小径筒体70A〜70Jを回転させる場合、回転する小径筒体の数が段階的に変化するものでもよい。例えば、回転する小径筒体の数がいずれの段階まで変化した(ステップアップした)かに応じて、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆するようにしてもよい。以上のような演出態様の予告演出が、予告A〜予告Dとして実行されればよい。
予告演出の有無とパターンを決定したら、続いて、リーチを実行する場合におけるリーチ演出のパターン(リーチパターン)を決定する(ステップS211)。なお、可変表示態様が「非リーチ」である場合には、この処理を行うことなく次の処理を実行すればよい。一例として、ステップS211の処理では、リーチパターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意されたリーチパターン決定テーブルを選択してセットする。リーチパターン決定テーブルでは、始動入賞の発生に基づいて送信された可変表示結果の内容などに応じて、リーチ種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、ノーマルリーチA〜CやスーパーリーチA〜Dといった複数のリーチパターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUは、例えば演出制御用基板12に設けられた図示しない乱数回路やランダムカウンタなどから抽出したリーチパターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、リーチパターン決定テーブルを参照することによってリーチパターンを決定すればよい。なお、リーチパターン決定用の乱数値を示す数値データは、上述した予告パターン決定用の乱数値を示す数値データと同一であってもよいし、それぞれに設けられてもよい。
ステップS211の処理では、例えば図17に示すような決定割合で、リーチパターンが決定されればよい。図17に示す決定割合の設定例では、リーチパターンの決定割合を、図16に示す予告パターンの設定例と同様に、可変表示結果に応じて異ならせている。図17(A)は、変動パターンがノーマルリーチの場合のリーチパターンを決定するテーブルを示しており、図17(B)は、変動パターンがスーパーリーチの場合のリーチパターンを決定するテーブルを示しており、変動パターンに応じていずれのテーブルを用いるのかが選択される。
変動パターンがノーマルリーチのときの具体的な一例として、図17(A)に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」の場合、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、ノーマルリーチCの順に決定される割合が低くなり、可変表示結果が「大当り」の場合、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、ノーマルリーチCの順に決定される割合が高くなる。こうした構成により、例えばノーマルリーチCが表示されたときには「大当り」となる可能性が高くなり、遊技者の期待感を高めることができる。
ノーマルリーチのリーチパターンとしては、例えば、ノーマルリーチAは、表示装置5における所定の1つの有効ライン上(例えば、上段ラインなど)で飾り図柄がリーチ態様で停止表示されるシングルリーチとし、ノーマルリーチBは、表示装置5における所定の2つの有効ライン上(例えば、右下がりライン、左下がりラインなど)で飾り図柄がリーチ態様で停止表示されるダブルリーチとし、ノーマルリーチCは、表示装置5における所定の3つの有効ライン上(例えば、中段ライン、右下がりライン、左下がりラインなど)で飾り図柄がリーチ態様で停止表示されるトリプルリーチとすることができる。
変動パターンがスーパーリーチのときの具体的な一例として、図17(B)に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」の場合、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCの順に決定される割合が低くなるとともにスーパーリーチDに決定されることはなく、可変表示結果が「大当り」の場合、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCの順に決定される割合が高くなるとともに一定の割合でスーパーリーチDに決定される。こうした構成により、例えばスーパーリーチCが表示されたときには「大当り」となる可能性が高くなるとともに、スーパーリーチDが表示されたときには「大当り」が確定し、遊技者の期待感を高めることができる。
スーパーリーチのリーチパターンとしては、例えば、スーパーリーチAは、表示装置5における左リールユニット5L及び右リールユニット5Rの上段および下段で第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cでは、複数の小径筒体70A〜70Jで第1系統p1に属する「0」〜「9」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が継続して行われ、中リールユニット5Cの上段、中段、下段のいずれで「7」の数字を示す飾り図柄が停止しても「大当り」となるリーチ態様が演出されるものとしたり、さらに左リールユニット5R及び右リールユニット5Lの中段で同じ数字(例えば、「6」など)を示す飾り図柄が停止表示されることによって、中リールユニット5Cの中段では2種類の数字(「7」と、例えば「6」など)を示す飾り図柄が停止したときに「大当り」となるリーチ態様が演出されるものとすることができる。
また、例えば、スーパーリーチBは、表示装置5における左リールユニット5L及び右リールユニット5Rの中段で第1系統p1又は第2系統p2の「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cでは、第1のグループに属する小径筒体(図11中、奇数のリール番号の小径筒体)70A、70C、70E、70G、70Iで第1系統p1に属する偶数の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示されるとともに第2のグループに属する小径筒体(図11中、偶数のリール番号の小径筒体)70B、70D、70F、70H、70Jで第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で、大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が継続して行われ、中リールユニット5Lで遊技者に表示される飾り図柄のうち、半分の飾り図柄が「7」の数字を示す図柄となるリーチ態様が演出されるものとしたり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの複数の小径筒体70A〜70Jのそれぞれにおいて、第3系統p3に属する「エース」、「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」、「スペード(ブランク)」を示す図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が行われるリーチ態様が演出されるものとすることができる。
また、例えば、スーパーリーチCは、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rの中段で第1系統p1又は第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cでは、第1系統p1の飾り図柄として「7」の数字が配置された小径筒体70D(図11中、リール番号4の小径筒体)が中段に位置するように大径筒体60が回転停止され、この状態で中リールユニット5Cの中段に停止している小径筒体70Dが回転駆動されることによって(つまり、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jが大径筒体60に対して回転駆動されることによって)飾り図柄の変動表示が継続して行われ、中リールユニット5Lの小径筒体70Dに配置された第1系統p1〜第3系統p3に属する飾り図柄のうち、第1系統p1又は第2系統p2に属する飾り図柄(「7」の数字を示す図柄)が停止表示されたときに「大当り」となるリーチ態様が演出されるものとしたり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれにおいて、大径筒体60が回転駆動されるとともに、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとが、大径筒体60に対して逆方向にそれぞれ回転駆動されることにより飾り図柄の変動表示が行われるリーチ態様が演出されるものとすることができる。
また、例えば、スーパーリーチDは、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける複数の小径筒体70A〜70Jの全てにおいて、第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示された状態で大径筒体60が回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が行われ、大径筒体60がどの位置で停止しても「大当り」となるリーチ態様が演出されるものとしたり、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれにおいて、大径筒体60が回転停止された状態で複数の小径筒体70A〜70Jが回転駆動されることによって飾り図柄の変動表示が行われ、第2系統p2に属する「7」の数字を示す飾り図柄が遊戯者に表示される状態で停止表示されることにより「大当り」となるリーチ態様が演出されるものとすることができる。
なお、ノーマルリーチやスーパーリーチのリーチパターンはこうしたものに限定されるものではなく、左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rにおける大径筒体60や第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70I、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jをそれぞれに回転駆動させることによって実現できる種々のリーチパターンが採用されればよい。
予告演出やリーチ演出のパターンを決定したら、次に、決定した予告演出やリーチ演出のパターンなどに基づいて演出制御パターンなどを決定する(ステップS212)。演出制御パターンは、演出用の電気部品(演出装置)を用いた演出動作の制御を行うためのパターンデータから構成される。演出制御用マイクロコンピュータ12aにおけるROMの所定領域には、複数種類の演出制御パターンが予め記憶されていればよい。複数種類の演出制御パターンには、特図変動時演出制御パターンや予告演出制御パターン、大当り時演出制御パターンなどが含まれていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が停止表示されるまでの期間における、演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成される。特図変動時演出制御パターンは、遊技制御基板11の側で決定される変動パターンやステップS211の処理で決定されたリーチ演出のパターンごとに予め複数用意されていればよい。表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rなどにおいて飾り図柄の可変表示が行われる場合には、特図変動時演出制御パターンにより飾り図柄の可変表示動作に関する制御内容が指定されればよい。例えば、複数の特図変動時演出制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定飾り図柄や可変表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる飾り図柄の可変表示において、飾り図柄の表示位置や大きさ、飾り図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。予告演出制御パターンは、ステップS210の処理で決定された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成される。大当り時演出制御パターンは、可変表示結果が「大当り」となった後に、大当り遊技状態に制御される期間における、演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成される。
図18(A)は、こうした各種の演出制御パターンの構成例を示している。図18(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データとなるプロセスデータから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。
演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ12aにおけるRAMなどの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば遊技制御基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータなどの表示装置5における表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、表示装置5の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ42からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ42からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば演出用発光部材43に含まれる遊技効果ランプや装飾用LEDといった、電飾部材の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、電飾部材の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば演出用操作部材45に対する所定操作を検出した場合の演出動作を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用可動部材44における動作を指定する演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図18(B)は、特図変動時演出制御パターンとなる演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作例を示している。演出制御用マイクロコンピュータ12aのCPUは、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rを駆動させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ42から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ等の演出用発光部材43を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される所定操作が検出されたときに演出動作を変化させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図15に示すステップS212の処理では、遊技制御基板11から伝送された可変表示開始コマンド(可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなど)に示される変動パターンや可変表示結果などに応じて、異なる演出制御パターンが選択され、使用パターンに決定される。この処理では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、可変表示時間が設定されればよい。続いて、可変表示中における演出動作を開始させる制御を行う(ステップS213)。一例として、ステップS212の処理により決定した演出制御パターンに含まれる表示制御データの指定に基づいて、表示装置5における左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rの回転駆動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS214)、演出制御プロセス処理を終了する。
演出プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS221)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS221;No)、可変表示中における演出動作制御を行ってから(ステップS222)、演出制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS221;Yes)、可変表示中における演出動作を終了させる制御を行う(ステップS223)。
ステップS223の処理に続いて、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS224)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS224;Yes)、演出プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS225)、演出制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS224;No)、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS226)、演出制御プロセス処理を終了する。
演出プロセスフラグの値が“3”であるときには、大当り遊技状態が終了するか否かを判定する(ステップS231)。このとき、大当り遊技状態が終了しない場合には(ステップS231;No)、大当り時における演出動作制御を行ってから(ステップS232)、演出制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態が終了する場合には(ステップS231;Yes)、大当り終了後の演出状態を制御するための設定を行う(ステップS233)。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS234)、演出制御プロセス処理を終了する。
図19〜図23は、リーチが実行される場合における表示装置5の表示動作例を示す図である。図19〜図23に示す例は、例えば、スーパーリーチCのリーチパターンとして用いられる。このリーチパターンでは、表示装置5における左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで上段、中段、下段の全てに「7」の数字を示す飾り図柄が停止表示される一方、中リールユニット5Cで飾り図柄の変動表示が継続して行われることにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチとなる。
中リールユニット5Cは、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jでは第3系統p3に属する「エース」、「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す飾り図柄が固定して遊技者に表示された状態で、大径筒体60の回転と第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転とを伴って飾り図柄の変動表示が継続して行われ、図19及び図20に示すように、大径筒体60の回転によって複数の小径筒体70A〜70Jが表示装置5の前面で下方向に移動する一方、「7」の数字を示す飾り図柄が、小径筒体70A〜70Jの下方向への移動に逆らって、第2グループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの裏面をくぐって(スキップして)、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70J間を上方向に移動して見えるように飾り図柄の変動表示が行われる。なお、図20では、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iにおいて「7」の数字を示す飾り図柄が遊技者に表示される(外周側に位置する)ときの中リールユニット5Cにおける遊技者への表示の様子を、時間ごとに並べて示している。図20に示す例では、右に進むに従って、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ下方向に移動しているが(例えば、図20(C)及び図20(D)の「ジョーカー」参照)、「7」の数字を示す飾り図柄は、見かけ上この移動に逆らって、「エース」、「ジャック」、「クイーン」、「キング」、「ジョーカー」を示す飾り図柄の裏面を移動して、小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上方向に移動したように見える。
このときの大径筒体60や複数の小径筒体70A〜70Jの具体的な回転動作例について説明する。図21〜図23の(a)〜(t)は、大径筒体60が回転することによって複数の小径筒体70A〜70Jが隣合う小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ移動するごとの中リールユニット5Cの様子を示しており、(a)〜(t)のそれぞれにおいて、左側に前面(遊技者側)の表示内容を示すとともに、右側に複数の小径筒体70A〜70Jにおける飾り図柄の配置を示している。なお、図20(A)〜(G)は、図21〜図23の(b)、(e)、(h)、(k)、(n)、(q)、(t)における遊技者への表示内容を順に並べたものに相当する。
例えば図21〜図23における小径筒体Eに着目すると、図21(a)及び図21(b)に示すように、大径筒体60の回転に伴って小径筒体同士の距離の半分だけ小径筒体Eが下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体Eは、大径筒体60の回転とは逆方向に飾り図柄1つ分(120度)回転し、飾り図柄が小径筒体面を下から上に移動して、遊技者に表示される図柄が「6」を示す図柄から「7」を示す図柄に変更される。
続いて、図21(c)及び図21(d)に示すように、小径筒体Eが小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動するごとに(大径筒体60が18度回転するごとに)、小径筒体Eによる遊技者への表示は、「7」を示す図柄から「スペード」、「6」を示す図柄へと順に変更される。そして、図21(e)に示すように、図21(b)で小径筒体Eにおいて「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Eが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、大径筒体60が回転したことによって遊技者が視認可能となった小径筒体Cにおいて「7」を示す図柄が遊技者に表示される。ここで、小径筒体が下方向に移動するのに対して、「7」の図柄は小径筒体面を下から上に移動して表示される。そして、図21(e)で小径筒体Cにおいて表示される「7」の図柄は、前回(図21(b))に小径筒体Eで表示されていた「7」の図柄よりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上に表示されるので(図20(A)及び図20(B)参照)、遊技者には、小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Cに移動し、小径筒体Cで表示されているように見える。なお、図21〜図23では、制御動作の理解を容易にするため、大径筒体60が18度回転するごとの遷移を示しているが、遊技者から見ると、図20(A)〜(G)に示すように見えるような回転速度で中リールユニット5Cは駆動されている。具体的には、例えば、大径筒体60は1秒で108度回転するとともに、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iは大径筒体60に対して1秒で2回転(720度回転)するように中リールユニット5Cは駆動される。
同様の制御が行われて中リールユニット5Cの可変表示が継続されると、図21(e)〜図21(h)に示すように、図21(e)で小径筒体Eにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Eが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Cにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図21(h)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Cに移動し、小径筒体Eで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Cで「7」の図柄が表示されているように見える(図20(B)及び図20(C)参照)。
また、続いて、図21(h)、図22(i)〜図22(k)に示すように、図21(h)で小径筒体Cにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Cが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Aにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図22(k)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Cで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Aに移動し、小径筒体Cで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Aで「7」の図柄が表示されているように見える(図20(C)及び図20(D)参照)。
また、続いて、図22(k)〜図22(n)に示すように、図22(k)で小径筒体Aにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Aが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Iにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図22(n)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Aで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Iに移動し、小径筒体Aで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Iで「7」の図柄が表示されているように見える(図20(D)及び図20(E)参照)。
また、続いて、図22(n)〜図22(p)、図23(q)に示すように、図22(n)で小径筒体Iにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Iが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Gにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図23(q)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Iで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Gに移動し、小径筒体Iで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Gで「7」の図柄が表示されているように見える(図20(E)及び図20(F)参照)。
また、続いて、図23(q)〜図23(t)に示すように、図23(t)で小径筒体Gにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示されてから、小径筒体Gが小径筒体同士の距離の1つとその半分(大径筒体60回りに54度)だけ移動したときに、小径筒体Eにおいて小径筒体面を下から上に移動するように「7」の図柄が表示される(図22(q)参照)。このとき、遊技者には、小径筒体Gで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、大径筒体の内側で小径筒体Eに移動し、小径筒体Iで「7」の図柄が表示されたときよりも小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ上の位置において、小径筒体Eで「7」の図柄が表示されているように見える(図20(F)及び図20(G)参照)。
この実施の形態では、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとは、大径筒体60の円周上に交互に配置されているから、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体2つ分だけ移動すると(大径筒体60が72度だけ回転すると)、各小径筒体70A〜70Jは、同じグループに属する小径筒体同士の距離1つ分だけ移動することになる。この間に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを大径筒体60とは逆方向に1回転(360度回転)させると、第1のグループに属する小径筒体で共通する「7」の図柄は、複数の小径筒体70A〜70Jが移動する方向と逆の方向に移動するとともに、第1のグループに属する小径筒体1つ分移動するごとに遊技者に表示されることになり、見かけ上、「7」の図柄が、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、第1のグループに属する小径筒体間を移動して同じ場所で留まっているように表示される。
この間に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを大径筒体60とは逆方向に1回転(360度)より若干大きい角度または小さい角度回転させると、「7」の図柄は、見かけ上、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70Jの移動よりも若干早くまたは遅く大径筒体60の円周上を移動しているように遊技者に表示される。図21〜図23の例では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動するときに(大径筒体60が72度回転するときに)、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に480度(360度+120度(小径筒体1図柄分の回転角度))だけ回転する速度で回転しており、図20(A)〜(G)に示すように、大径筒体60が54度(72度−18度)回転する毎に第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して1回転(360度回転)し、見かけ上、「7」の図柄が大径筒体60の回転に逆らって大径筒体60の18度分の距離(小径筒体同士の距離の半分)だけ上に移動したように表示される。
以上図19〜図23を用いて説明した表示装置5における中リールユニット5Lの可変表示では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離の半分だけ移動する間に、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に小径筒体1図柄分(120度)だけ回転させ、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jは回転させないものとしたが、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動する間に、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に360度より小径筒体1図柄分の回転角度(この実施形態では120度)の範囲内の所定角度だけ大きい又は小さい角度回転させ、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jを回転させないことによって、同様の可変表示を行うことができる。つまり、「7」の数字を示す飾り図柄が、小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、第2グループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jの裏面をくぐって(スキップして)、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70I間を移動して見えるように飾り図柄の変動表示を行うことができ、効果的な演出を行って遊技興趣を向上させることができる。
また、このリーチ態様において、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jについて、第3系統p3に属する飾り図柄を固定して遊技者に表示するのに代えて、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Hと同様に大径筒体60の回転方向とは逆方向に回転させることによって、複数の小径筒体70A〜70Jに共通する図柄である「7」を示す飾り図柄が、図24に示すように、見かけ上、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70Jの全ての間を移動して、大径筒体60の外周面上を移動しているように表示させることもできる。
図25の(a)〜(h)は、この態様における、複数の小径筒体70A〜70Jが隣合う小径筒体同士の距離の半分(大径筒体60回りに18度)だけ移動するごとの中リールユニット5Cの様子の一例を示しており、(a)〜(h)のそれぞれにおいて、左側に前面(遊技者側)の表示内容を示すとともに、右側に複数の小径筒体70A〜70Jにおける飾り図柄の配置を示している。なお、図25(a)〜(h)では、複数の小径筒体70A〜70Jに配置された飾り図柄のうち、第2系統に属する「7」の図柄を除いて適宜その図示を省略している。
図25(a)〜(h)に示すように、この態様においては、第1のグループ属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで「7」を示す図柄が180度ずらされた状態で、全ての小径筒体70A〜70Jが大径筒体60の回転方向とは逆方向に同じ回転速度で回転するように駆動制御が行われる。この場合、小径筒体70A〜70Jの回転速度は、例えば、上述した第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70Hを固定して可変表示する場合の第1グループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iの回転速度と同様の回転速度とすることができる。
例えば図25における小径筒体E及び小径筒体Fに着目すると、図25(a)及び図25(b)に示すように、大径筒体60の回転に伴って小径筒体同士の距離の半分だけ小径筒体E及び小径筒体Fが下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体E及び小径筒体Fはそれぞれに、大径筒体60の回転とは逆方向に飾り図柄1つ分(120度)回転し、飾り図柄が小径筒体面を下から上に移動して、小径筒体Fによる遊技者への表示が「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)の中間から第3系統p3の図柄(図示せず)と第1系統の図柄(図示せず)の中間に変更されるとともに、小径筒体Eによる遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)から「7」を示す図柄に変更される。ここで、小径筒体E及び小径筒体Fが下方向に移動するのに対して、「7」の図柄は小径筒体面を下から上に移動して表示される。そして、図25(b)で小径筒体Eにおいて表示される「7」の図柄は、前回(図25(a))に小径筒体Fで表示されていた「7」の図柄よりも小径筒体同士の距離の4分の1(大径筒体60回りに9度)だけ上に表示されるので、遊技者には、小径筒体Fで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、小径筒体Eに移動して、小径筒体Eで表示されているように見える。
次に、図25(b)及び図25(c)において小径筒体D及び小径筒体Eに着目すると、小径筒体D及び小径筒体Eが小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体Eによる遊技者への表示が「7」を示す図柄から第3系統p3の図柄(図示せず)へと変更されるとともに、小径筒体Dによる遊技者への表示が第3系統p3を示す図柄(図示せず)と第1系統p1の図柄の中間(図示せず)から、第1系統p1の図柄(図示せず)と第2系統p2の「7」を示す図柄との中間に変更される。ここで、小径筒体D及び小径筒体Eが下方向に移動するのに対して、「7」の図柄は小径筒体面を下から上に移動して表示される。そして、図25(c)で小径筒体Dにおいて表示される「7」の図柄は、前回(図25(b))に小径筒体Eで表示されていた「7」の図柄よりも小径筒体同士の距離の4分の1(大径筒体60回りに9度)だけ上に表示されるので、遊技者には、小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、小径筒体Dに移動して、小径筒体Dで表示が開始されているように見える。
同様の制御が行われて中リールユニット5Cの可変表示が継続されると、図25(c)及び図25(d)に示すように、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)では、小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)と「7」を示す図柄の中央から、「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)へと変更され、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体において「7」を示す図柄が小径筒体面を下から上に移動して見える。
また、続いて、図25(d)及び図25(e)に示すように、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)による遊技者への表示が「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)の中間から第3系統p3の図柄(図示せず)と第1系統の図柄(図示せず)の中間に変更されるとともに、第1のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体C)による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)から「7」を示す図柄に変更される。このとき、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体で下から上に移動して表示された「7」の図柄が、一つ上に位置する第1のグループに属する小径筒体に移動して、第1のグループに属する小径筒体で表示されているように見える。
また、続いて、図25(e)及び図25(f)に示すように、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、第1のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体E)による遊技者への表示が「7」を示す図柄から第3系統p3の図柄(図示せず)へと順に変更されるとともに、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体F)による遊技者への表示が第3系統p3を示す図柄と第1系統p1の図柄の中間(図示せず)から、第1系統p1の図柄(図示せず)と第2系統p2の「7」を示す図柄との中間に変更される。このとき、遊技者には、第1のグループに属する小径筒体Eで下から上に移動して表示された「7」の図柄が、一つ上に位置する第2のグループに属する小径筒体に移動して、第2のグループに属する小径筒体で表示が開始されているように見える。
また、続いて、図25(f)及び図25(g)に示すように、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)では、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、小径筒体による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)と「7」を示す図柄の中央から、「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)へと変更され、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体において「7」を示す図柄が小径筒体面を下から上に移動して見える。
また、続いて、図25(g)及び図25(h)に示すように、複数の小径筒体が小径筒体同士の距離の半分だけ下に移動する間に(大径筒体60が18度回転する間に)、第2のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体D)による遊技者への表示が「7」を示す図柄と第3系統p3の図柄(図示せず)の中間から第3系統p3の図柄(図示せず)と第1系統の図柄(図示せず)の中間に変更されるとともに、第1のグループに属する小径筒体(例えば、小径筒体C)による遊技者への表示が第1系統p1の図柄(図示せず)から「7」を示す図柄に変更される。このとき、遊技者には、第2のグループに属する小径筒体で下から上に移動して表示された「7」の図柄が、一つ上に位置する第1のグループに属する小径筒体に移動して、第1のグループに属する小径筒体で表示されているように見える。
第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとの「7」の図柄を180度ずらした状態で、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離1つ分だけ移動する間に(大径筒体60が36度回転する間に)、複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60とは逆方向に180度回転させると(つまり、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動する間に複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60とは逆方向に360度回転させると)、複数の小径筒体70A〜70Jで共通する「7」の図柄は、複数の小径筒体70A〜70Jが移動する方向と逆の方向に移動するとともに、小径筒体同士の距離1つ分移動するごとに、第1のグループに属する小径筒体と第2のグループに属する小径筒体とで大径筒体60における同じ位置で交互に遊技者に表示されることになり、見かけ上、「7」の図柄が、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体間を移動して同じ場所で留まっているように表示される。
この間に複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60とは逆方向に180度より若干大きい角度または小さい角度回転させると、「7」の図柄は、見かけ上、複数の小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70Jの移動よりも若干早くまたは遅く大径筒体60の円周上を移動しているように遊技者に表示される。図24及び図25の例では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動するときに(大径筒体60が72度回転するときに)、複数の小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iが大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に480度(360度+120度(小径筒体半図柄分の回転角度))だけ回転する速度で回転しており、上述した図20〜図23を用いて説明した可変表示と同様に、大径筒体60が54度(72度−18度)回転する毎に複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体60に対して1回転(360度回転)し、見かけ上、「7」の図柄が大径筒体60の回転に逆らって大径筒体60の18度分の距離(小径筒体同士の距離の半分)だけ上に移動したように表示される。
以上図24及び図25を用いて説明した可変表示では、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離の半分だけ移動する間に、複数の小径筒体70A〜70Jを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に小径筒体1図柄分(120度)だけ回転させ、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで、「7」の図柄の位相を180度ずらして回転させるものとしたが、複数の小径筒体70A〜70Jが小径筒体同士の距離2つ分だけ移動する間に、複数の小径筒体70A〜70Jを、大径筒体60に対して大径筒体60の回転方向とは逆方向に360度より小径筒体1図柄分の回転角度(この実施形態では120度)の範囲内の所定角度だけ大きい又は小さい角度回転させ、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと、第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとで、「7」の図柄の位置を180度ずらして回転させることによって、同様の可変表示を行うことができる。つまり、「7」の数字を示す飾り図柄が、小径筒体70A〜70Jの移動に逆らって、複数の小径筒体70A〜70J間を移動して見えるように飾り図柄の変動表示を行うことができ、効果的な演出を行って遊技興趣を向上させることができる。
なお、図19〜図25を用いて説明した表示装置5における中リールユニット5Cの可変表示は、複数の小径筒体70A〜70Jが表示装置5の前面で上方向に移動するように大径筒体60を回転させるとともに、小径筒体を大径筒体60の回転方向とは逆方向に回転させてもよい。また、この可変表示は、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで上段、中段、下段の全てに「7」の数字を示す飾り図柄を停止表示させるものに限定されるものではなく、例えば、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで上段のみに「7」の数字を示す飾り図柄を停止させ、中リールユニット5Cにおいて、複数の小径筒体70A〜70Jが下方向に移動するのに逆らって、「7」の数字を示す飾り図柄が、見かけ上、上段に向かって移動しているように変動表示を行ったり、反対に、左リールユニット5L及び右リールユニット5Rのそれぞれで下段のみに「7」の数字を示す飾り図柄を停止させ、中リールユニット5Cにおいて、複数の小径筒体70A〜70Jが上方向に移動するのに逆らって、「7」の数字を示す飾り図柄が、見かけ上、下段に向かって移動しているように変動表示を行ってもよい。また、中リールユニット5Cにおける可変表示に代えて、あるいは加えて、左リールユニット5Lや右リールユニット5Rにおいても同様の可変表示が行われてもよい。
このように、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、表示装置5を構成する左リールユニット5L、中リールユニット5C、右リールユニット5Rのそれぞれにおいて、大径筒体駆動機構80によって大径筒体60を回転させて複数の小径筒体70A〜70Jを大径筒体60の円周上で移動させ、第1のグループに属する小径筒体70A、70C、70E、70G、70Iと第2のグループに属する小径筒体70B、70D、70F、70H、70Jとを、第1及び第2小径筒体駆動機構90A、90Bによってグループ毎に独立して回転させることができるから、例えば上述した予告パターンの演出やリーチパターンの演出などの多様な演出を行うことができ、パチンコ遊技機1の遊技興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。具体的な一例として、上記実施の形態では、リールユニット50は、表面に立体的な立体部63が形成された帯状部材62をホイール64に巻き回して形成された大径筒体60に、帯状部材63の立体部63から大径筒体60の外周側に臨むように複数の小径筒体70A〜70Jが回転可能に取り付けられて構成されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、図26の変形例のリールユニット150に示すように、帯状部材162には、立体部63に代えて開口が形成され、つまり、大径筒体160の外周面に複数の開口が形成されて、この開口から複数の小径筒体70A〜70Jが大径筒体160の外周側に突出してもよい。この場合においても、上述した実施の形態で説明したのと同様に、大径筒体160を回転駆動したり第1及び第2のグループに属する小径筒体70A〜70Jを大径筒体160に対して回転駆動することによって、上述の実施の形態と同様に種々の可変表示を行うことができる。
上述の実施の形態では、帯状部材62の立体領域62aが取り付けられるホイール64の取付面69である第1取付部69aは、平面状(平たん)に形成されるものとして説明したが、図27の変形例のホイール164に示すように、少なくともその一部が切り欠かれて、帯状部材62の裏面が接触しない部分があるものとしてもよい。なお、図27では、図6と同様に、ホイール164を構成する左右ホイール部のうち左ホイール部165Lのみを示している。図27に示す例では、左ホイール部165Lの第1取付部169aは、ホイール164の外周方向における中央で、その一部が切り欠かれている。こうした切り欠きは、例えば円筒状の部材の外周面に切削加工を施すことによって第1取付部169aを形成するときに形成されてもよい。また、ホイール(ホイール部材)は、帯状部材62が巻き回されて取り付けられる取付面として、帯状部材62における立体部63が形成されていない非立体領域62bが取り付けられる円弧状の第2取付部69bのみを有し、帯状部材62における立体部63が形成されている立体領域62aが位置する部分はその全てが切り欠かれていてもよい。この場合においても、例えば、ホイール(ホイール部材)の帯状部材62が取り付けられる取付面のうち、帯状部材62の立体領域62aが取り付けられる第1取付部が円弧状に形成されているものなどに比して、表面に立体部63を有する帯状部材62を好適に取り付けてリールを構成することができる。
上述の実施の形態では、帯状部材62が巻き回されるホイール64の取付面69は、帯状部材62が巻き回されたときに帯状部材62の立体領域62aが位置する第1取付部69aは、ホイール64の円周方向における長さL1が帯状部材62の長手方向における立体部63の長さLsより所定の長さだけ長く形成されるものとして説明したが、例えば帯状部材62やホイール64の寸法精度が確保される場合などには、第1取付部69aの長さL1が立体部63の長さLsと等しく形成されてもよい。また、ホイール64の取付面69は、平面状(平たん)に形成されている第1取付部69aと円弧状に形成されている第2取付部69bとの接続部分69cがR面取りなどによって曲面状に形成されるものとしたが、例えば第1取付部69aと第2取付部69bとの接続部分に形成されるエッジが小さい場合などには、曲面状に形成されなくてもよい。また、ホイール64の取付面69の左右方向外側には、円周が帯状部材62の長手方向の長さより長い円板状のガイド68aを有するものとしたが、ガイド68aは円板状以外の形状であってもよいし、こうしたガイド68aを有さなくてもよい。
上述の実施の形態では、ホイール64は、それぞれに取付面69を有する左右ホイール部65L、65Rが係合部69L、69Rや図示しないビスによって互いに組み合わされて構成されるものとして説明したが、こうしたものに限定されるものではなく、例えば、一つの部材で構成されて、帯状部材62が巻き回されて取り付けられる取付面として、帯状部材62の幅Wtと略等しい幅の取付面が設けられているものでもよい。この場合、取付面には、帯状部材62の立体部63が位置する部分に開口が形成されて、開口からホイール64の外周側に複数の小径筒体70A〜70Jが臨むように配置されてもよい。
上述の実施の形態では、ホイール64に巻き回される帯状部材62は、断面が円弧状の立体部63が表面に形成された透明なものとして説明したが、例えば図29の変形例の帯状部材260に示すように、長手方向に沿って複数の飾り図柄(図29の例では、「スイカ」を示す図柄および「7」の数字を示す図柄)が配置され、立体部263として、少なくとも一部の飾り図柄(図29の例では、「7」の数字を示す図柄)が立体的に形成されていてもよい。この場合、ホイール(ホイール部材)の取付面は、帯状部材263がホイール64に巻き回されるときに、立体部263を有する立体領域が位置する第1取付部が平面状(平たん)に形成されるとともに、立体部263を有さない非立体領域が位置する第2取付部が円弧状に形成されたり、第1取付部の少なくとも一部が切り欠かれて形成されるとともに第2取付部が円弧状に形成されればよい。そして、変形例の帯状部材262を用いて構成されるリールは、例えばパチンコ遊技機やスロットマシンなどの遊技機に搭載されればよい。この変形例においても、表面に立体的な立体部263が形成された帯状部材262を、ホイール(ホイール部材)に好適に取り付けてリールを構成することができる。なお、この場合、立体部263が透光性を有するように帯状部材262を形成するとともにリールの内側(帯状部材262の内側)に発光体を備えて、発光体による発光が立体部263を通じてリールの外周側から視認可能となるようにリールを構成してもよい。
上述の実施の形態では、遊技機として、パチンコ遊技機1に、本発明を説明したが、例えば、スロットマシンやゲーム機などに演出用の表示装置などとして上述の表示装置5が搭載されるなど、他の遊技機に本発明を適用してもよい。
スロットマシンとは、例えば、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出表示された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態として所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成した遊技機である。