JP4408719B2 - 難燃性合成樹脂シート - Google Patents

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本発明は、難燃性合成樹脂シートに関する。詳しくは、原子力発電所や企業の研究所などで放射性物質を取り扱う場所において使用するシート、すなわち、例えば定期修理や工事を行なう際に火災を防ぐ目的で機械設備、床、壁、机等を遮蔽するために使用するシートに適した難燃性合成樹脂シートに関する。
従来、難燃性合成樹脂シートは、ハロゲン含有樹脂例えばポリ塩化ビニル系樹脂シート、難燃剤としてハロゲン化合物及びアンチモン化合物を配合した合成樹脂シートなどが知られている。しかし、これらのシートは燃焼時にハロゲンガスなどの有害ガスが発生し、環境上好ましくない問題点がある。また、無機系難燃剤である水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等をオレフィン系樹脂に配合した難燃性合成樹脂シートも提案されているが、焼却後に灰分が発生し、特に、放射性物質を取り扱う場所において使用する場合には、灰分中に放射性物質が残存し、処理上多くの問題がある。
上記の問題点を解決するために、焼却の際の灰分残渣が微量で且つハロゲン化合物を含有しない難燃性合成樹脂シートが提案されている。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体に赤燐と硫酸メラミンを配合した難燃性プラスチックシートが提案され(特許文献1)、またオレフィン樹脂又はポリウレタン樹脂の水性ディスパージョンにジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミン、メラミンシアヌレートなどを配合して成形した難燃性合成樹脂シートが提案されている(特許文献2)。更に、ウレタン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合樹脂に、ジシアンジアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、メラミンシアヌレートを配合してなる合成樹脂組成物を成形してなる自己消火性難燃シートが提案されている(特許文献3)。
特開平10−182895号公報 特開2001−047567号公報 特開2002−226702号公報
本発明は、優れた難燃性、機械的強度、現場施工性を有し、燃焼時にハロゲンガス等の有害ガスを発生せず、焼却炉のフィルターの目詰まりを発生せず、また焼却後の灰分残渣が微量な難燃性合成樹脂シートを提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、自己消火性の共重合ナイロン樹脂及び熱可塑性ウレタン樹脂を組み合わせて用い、難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミド及びメラミンシアヌレートを主体とする窒素系難燃剤を使用することにより、優れた難燃性及び機械的強度を有する難燃性合成樹脂シートが得られるとの知見に基づき、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、熱可塑性ウレタン樹脂50〜95質量%と共重合ナイロン樹脂50〜5質量%とからなる樹脂混合物100質量部に、ヒドラゾジカルボンアミド27〜60質量部とメラミンシアヌレート20〜53質量部とを含む窒素系難燃剤50〜80質量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、酸素指数が26以上であり且つUL−94VTM法による難燃試験でVTM−0に合格する難燃性合成樹脂シートである。上記の難燃性合成樹脂シートにおいて、窒素系難燃剤の配合量が50〜65質量部、且つヒドラゾジカルボンアミドの配合量が32.5質量部以上であり難燃性合成樹脂シートが好ましい。また、窒素系難燃剤の配合量が65質量部を超え80質量部以下、且つヒドラゾジカルボンアミドの配合量が30質量部以上であり難燃性合成樹脂シートが好ましい。
上記の熱可塑性ウレタン樹脂は軟化点60〜120℃の熱可塑性ウレタン樹脂が好ましい。共重合ナイロン樹脂は融点110〜170℃の共重合ナイロン樹脂が好ましい。また上記の難燃性合成樹脂シートの成形はカレンダー成形によるのが好ましい。また、上記の難燃性合成樹脂シートは、片面が艶出し加工による艶を有するものが好ましい。
本発明の難燃性合成樹脂シートは、優れた難燃性、機械的強度を有し、燃焼時にハロゲンガス等の有害ガスを発生せず、焼却後の灰分残渣が微量であり、また焼却時に燃焼ガス用フィルターの目詰まりを起こすことがない。そのため、放射性物質を取り扱う場所などで、定期修理や工事を行なう際に火災を防ぐ目的で機械設備、床、壁、机等を遮蔽するシートとして好適である。
本発明で用いる熱可塑性ポリウレタンは、ジイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物とを反応させて得ることができる。中でも、長鎖ポリオール、ジイソシアネート、鎖伸長剤から構成された、いわゆるソフトセグメントとハードセグメントからなるポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)が好ましく使用できる。これらはショアA硬度で65〜90の樹脂硬度、特に70〜80の樹脂硬度を有するものが好ましい。なお、本発明におけるショアA硬度は、ASTM D 2240で測定した値(測定温度23℃)である。
熱可塑性ポリウレタンを合成するためのジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソイアネートなどが用いられる。
また、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物としては、アジピン酸、フタル酸等の二塩基酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコールとの縮合反応物であるポリエステル系ポリオール;エチレンカーボネート等のカーボネートとグリコールとの反応物であるポリカーボネート系ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系ポリオール等が用いられる。鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ブタン1,2ジオール、ブタン1,3ジオール、ブタン1,4ジオール、ブタン2,3ジオール、ヘキサンジオールなどの低分子多価アルコール、或いはジアミン、水が用いられる。
本発明で用いる熱可塑性ポリウレタンは、軟化点が60〜120℃の範囲内にあるものが好ましい。60℃未満では、例えば、カレンダー成形の場合、ロール面に付着し易くなり、好ましくない。熱可塑性ウレタン樹脂の例としては、ディー・アイ・シー・バイエルポリマー社製のT−8375N、T−1180N、日本ポリウレタン社製のP−22SRNAT、P−25MRNAT、大日精化工業社製のP−2283、BASFジャパン社製の1180A−10などが挙げられる。
本発明で用いる共重合ナイロン樹脂は、二塩基酸HOOC(CH2)nCOOHとジアミンNH2(CH2)nNH2とを重縮合するとき、原料に2種以上の二塩基酸を用いたり、或は原料に2種以上のジアミンを用いることによって製造することができる。また、ω−アミノ酸HOOC(CH2)nNH2又はラクタムを重縮合或は重合するとき、原料に、2種以上のω−アミノ酸又はラクタムを用いることによって製造することができる。そして、共重合成分とその量を適宜に選択することによって種々の融点の共重合ナイロン樹脂を製造することができる。なお、上記の式中のnは整数である。
本発明で用いる共重合ナイロン樹脂は、具体的には、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロン6/610、ナイロン6/66/610などが挙げられる。本発明に好適な共重合ナイロン樹脂は融点110〜170℃を有するものである。より好ましくは融点130〜150℃のものである。110℃未満では、例えば、加熱ロール成形やカレンダー成形の場合、ロール面に粘着しやすくなり好ましくない。また、融点が170℃を超えると、併用している熱可塑性ウレタン樹脂との均一溶融が難しくなり好ましくない。ナイロン樹脂は、一般に自己消火性の樹脂であり、機械的強度は強い。しかし、単一重合物は一般に融点が高く、得られた難燃シートは硬質になり好ましくない。そのため、本発明は、融点の低い共重合ナイロン樹脂を使用する。本発明で用いる共重合ナイロン樹脂の例としては、東レ社製のCM6541X3(ナイロン6/12共重合体)、宇部興産社製の7115U(ナイロン6/12共重合体)、5033J12(ナイロン6/66共重合体)などが挙げられる。
本発明において、熱可塑性ポリウレタンと共重合ナイロン樹脂との混合割合は、熱可塑性ウレタン樹脂50〜95質量%、共重合ナイロン樹脂50〜5質量%である。共重合ナイロン樹脂の混合割合が50質量%を超えると柔軟性が乏しくなり好ましくない。5質量%未満では難燃性、機械的強度が悪くなり、また加熱ロール成形やカレンダー成形の場合、ロール面に粘着し、且つドローダウンし易くなり、成形が困難になる。本発明では、熱可塑性ポリウレタンと共重合ナイロン樹脂の上記割合の樹脂混合物に、更に少量の他の樹脂、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂などを配合してもよい。
本発明では、難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドとメラミンシアヌレートとを含む窒素系難燃剤を用いる。ヒドラゾジカルボンアミドは、分解温度230〜240℃、真比重1.6の白色微粉末状の化合物である。粒径10〜15μmのものが好ましい。市販されているものとして、大塚化学社製のユニホームAZ、ユニホームKBH−30、永和化成工業社製のFE−823などが挙げられる。また、メラミンシアヌレートは、真比重1.72の白色粉末状の化合物である。粒径2〜3μmのものが好ましい。市販されているものとして、日産化学工業社製のMC−610、NC−640、MC−60などが挙げられる。本発明では、ヒドラゾジカルボンアミド及びメラミンシアヌレートを併用する。
ヒドラゾジカルボンアミドとメラミンシアヌレートとを含む窒素系難燃剤は、樹脂混合物100質量部に対し、ヒドラゾジカルボンアミド27〜60質量部とメラミンシアヌレート20〜53質量部とを含む窒素系難燃剤50〜80質量部を配合する。ヒドラゾジカルボンアミド及びメラミンシアヌレートの真比重はそれぞれ1.6及び1.72と大きいため、添加量の合計が80質量部を超えるとシートの容量当たりの重さが増え、取り扱いにくくなり、現場での施工上好ましくない。また、50質量部未満ではVTM−0に不合格となり、酸素指数も26未満となり、好ましくない。
また、本発明では、ヒドラゾジカルボンアミドを単独で配合したものは、酸素指数は26以上にできるがVTM−0に不合格にある。一方、メラミンシアヌレート単独で配合したものは、酸素指数を26以上にできず、またVTM−0も不合格である。本発明では窒素系難燃剤としてヒドラゾジカルボンアミドとメラミンシアヌレートとを併用してはじめて酸素指数26以上でVTM−0に合格するシートが得られる。また、ヒドラゾジカルボンアミドとメラミンシアヌレートとを主体にして、その他の例えばアミノ基含有化合物であるジシアンジアミド、ヘキサメチレンテトラアミンなどの窒素系難燃剤を併用して配合してもよい。これらのうち好ましいものはジシアンジアミドである。
本発明の難燃性合成樹脂シートの難燃性及び酸素指数は、ヒドラゾジカルボンアミドの配合量に著しく影響される。例えば、難燃性(VTM−0)に合格し、更に酸素指数を合格値の26以上にするには、ヒドラゾジカルボンアミドの配合量を27質量部以上にする必要がある。そして、酸素指数が大きく、且つVTM−0に合格させるためには、窒素系難燃剤の配合量が50〜65質量%以下の場合には、ヒドラゾジカルボンアミドを32.5質量%以上配合し、また窒素系難燃剤の配合量が65質量%を超え80質量%以下の場合には、ヒドラゾジカルボンアミドを30質量%以上配合するのが好ましい。
本発明の難燃性合成樹脂シートには、光安定性を向上させたり酸化劣化を防止する目的で紫外線吸収剤や酸化防止剤などを配合することができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物などが挙げられる。また、酸化防止剤としては、フェノール系などの各種酸化防止剤が挙げられる。その他、帯電防止剤、顔料、滑剤、加工助剤などを配合してもよい。これらの添加剤は、本発明の難燃性合成樹脂シートの難燃性、機械的強度を損なわない範囲で配合する。特に、放射線物質を取り扱う場所で使用するシートについては灰分残渣を考慮して配合する。
本発明の難燃性合成樹脂シートは、放射性物質を取り扱う場所の機械設備や床、壁などへの遮蔽に使用するが、この使用時に難燃シートが破れたり、亀裂が発生したりするのは好ましくない。このようなことから、本発明の難燃性合成樹脂シートの引張強度は100kgf/cm以上であることが好ましい。また、作業時の取扱いの容易性を考慮して、難燃性合成樹脂シートの比重は概ね1.35以下が好ましい。またこのシートの厚さは概ね80〜150μmが好ましい。本発明でシートとは、薄いシート、いわゆるフィルムを含む。
本発明の難燃性合成樹脂シートを製造するには次のとおりにする。すなわち、熱可塑性ウレタン樹脂と、共重合ナイロン樹脂と、ヒドラゾジカルボンアミド及びメラミンシアヌレートを主体とする窒素系難燃剤と、滑剤等の添加剤とを、リボンブレンダー、ヘキシェルミキサーなどの混合機を用いて良く混合し、次いでバンバリーミキサー又は連続混練機で混練し、更にミキシングロール、ウォーミングロール及びストレーナーにて混練した後、カレンダーロールにて圧延するカレンダー成形で製造できる。また上記の混合後に押出機に入れてTダイから押出すTダイ成形で製造できる。またインフレーション成形など他の既存の成形機で成形することもできる。
本発明の難燃性合成樹脂シートにおいて、放射性物質を取り扱う場所で遮蔽用に用いるシートは、ハロゲン化合物や重金属類及び焼却後の灰分残渣などの含有量が微量であることが望ましい。また、放射性物質を取り扱う場所の機械設備や床、壁などへ使用したときに、難燃性合成樹脂シートが破けたり、亀裂などの発生は好ましくない。このような観点から、望ましい成形法としては、開放型成形であるカレンダー成形が挙げられる。Tダイ成形やインフレーション成形などの密閉型スクリュー押出の場合には、樹脂の吸湿による発泡現象、シリンダー内の異物の付着、或はシリンダー内での滞留が発生するなどして均一な難燃性合成樹脂シートを連続的に生産することは難しい。そのため、本発明の難燃性合成樹脂シートはカレンダー成形で製造したものが好ましい。その厚さは0.05〜0.5mmが好ましい。なお、また、使用時の作業性を考慮して、本発明の難燃性合成樹脂シートの比重は1.35以下が好ましい。
カレンダー成形の場合、ロールに対する粘着性を調整するために滑剤を使用する。滑剤としては、モンタン酸、モンタン酸部分鹸化エステル、モンタン酸エステルなどが挙げられ、滑剤は樹脂混合物100重量部に対して0.1〜1.5重量部配合するのが好ましい。カレンダー加工温度は120℃〜180℃が好ましい。120℃以下では熱可塑性ウレタン樹脂が軟化しないため均一な外観のシートが得られない。180℃以上では粘着性が高くなり加工性が悪化する。
また、現場施工上の問題として、本発明の難燃性合成樹脂シートを床面上に敷いた場合、例えば人間が歩行するとき、靴底面と難燃シートとの間に滑りが発生する。この問題の解決には、難燃性合成樹脂シートをカレンダー成形で製造するとき、鏡面ロールを通して片面のみに艶出し加工を施すとよい。そして、施工時に、難燃性合成樹脂シートの艶出し面を、表面にして、すなわち靴底面が接する面になるようにして施工する。鏡面効果により、靴底面と難燃性合成樹脂シートとが密着するため、歩行時の靴底面と難燃性合成樹脂シートとの滑りが改善される。また、本発明の難燃性合成樹脂シートをカレンダー成形で製造するとき、エンボスロールを通して片面のみに梨地などのシボ加工をしてもよい。施工時の捲き戻しに際して、片面に梨地などシボ加工をしておくことにより、シート間の粘着性を防止でき、施工が円滑に行なえる。
実施例
実施例1〜6及び比較例1〜8
表1に示す成分をそれぞれの割合でリボンブレンダーで混合し、バンバリーミキサーで混練した。更に、ミキシングロール、ウォーミングロール、ストレーナーにて混練し混練物を、逆L型カレンダー(設定温度150〜160℃)にて圧延し、厚さ0.13mmのシートを得た。
表1において、「エストラン1180A−10」は、BASFジャパン社製の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(硬度ショアA80)である。「CM−6541X3」は、東レ社製の共重合ナイロン樹脂(融点133℃)である。「E−785PSPK」は、日本ミラクトラン社製の熱可塑性ポリウレタンである。「P−1905」は三井デュポンケミカル社製のエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量19質量%、MFR:2.5g/10min)である。「KBH−30」は、大塚化学社製のヒドラゾジカルボンアミドである。「MC−610」は、日産化学社製のメラミンシアヌレートである。「LICOWAX OP」は、クラリアント・ジャパン社製のモンタン酸エステル滑剤である。
得られたシートについて、UL−94VTM法によるVTM−0試験、酸素指数、灰分を測定した。また場合によっては、引張り強度、柔軟性、成形性などをも評価した。その結果を併せて表1に示した(なお、表1において、評価項目における空欄は未測定である)。
Figure 0004408719
表1における測定方法、評価方法は次のとおりである。
VTM−0:UL−94VTM法による難燃試験で行なった。
酸素指数:JIS K−7201に準拠して測定した。
灰分:適当量の試料を白金るつぼに入れ、先ず電気コンロにて試料を炭化させ、次いで電気炉にて700℃で3時間加熱して、灰分の質量を測定した。
柔軟性:触手で判断した。○は柔軟な感触、×は硬い感触、△はこれらの中間の感触を示す。
粘着強度:難燃シート同士の一部分を重ね(重ね部面積:25mm×25mm)重ねた部分の表面を粘着テープで貼付(重ねた部分が中央に位置するように粘着テープで貼付、貼付面積:25mm×50mm)し、剪断強度を測定(引張速度:200mm/min、貼付荷重:1kgの重さのローラで貼付面を2往復圧着)
成形性:テストロールにて、130〜170℃の範囲にきれいに0.3mmでシーティングできる条件があるかを確認した。
表1から分かるように、本発明の混合樹脂の成分、割合及び難燃剤の配合量が本発明の範囲内にある実施例1〜4は、VTM−0に合格し、また、酸素指数も26以上である。一方、比較例1はヒドラゾジカルボンアミドの配合量が不足しているため、酸素指数が26に達しなかった。比較例2は、共重合ナイロン樹脂が配合されていないため、VTM−0が不合格であり、また酸素指数も26未満であった。比較例3は、ヒドラゾジカルボンアミドの配合量が少ないため、VTM−0が不合格であり、また酸素指数も26未満であった。比較例4は、共重合ナイロン樹脂の配合量が多いため、シートは柔軟性が劣った。比較例5〜8は、ヒドラゾジカルボンアミド単独で使用した場合であり、いずれもVTM−0が不合格であった。
また、上記得られた難燃シートについて、有害ガスの検出試験及び重金属類などの含有試験を行なった。その結果を表2及び表3に示した。有害ガスの検出試験(表2)は、JIS K2541に準拠して測定した。また、重金属類などの含有試験(表3)は、ICP発光分析法に準拠して測定した。
Figure 0004408719
Figure 0004408719
表2、表3に示されるように、難燃シートからは、有害ガス及び重金属類が検出されなかった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性ウレタン樹脂50〜95質量%と共重合ナイロン樹脂50〜5質量%とからなる樹脂混合物100質量部に、ヒドラゾジカルボンアミド27〜60質量部とメラミンシアヌレート20〜53質量部とを含む窒素系難燃剤50〜80質量部を配合した樹脂組成物を成形してなる、酸素指数が26以上であり且つUL−94VTM法による難燃試験でVTM−0に合格する難燃性合成樹脂シート。
  2. 窒素系難燃剤の配合量が50〜65質量部、且つヒドラゾジカルボンアミドの配合量が32.5質量部以上である請求項1記載の難燃性合成樹脂シート。
  3. 窒素系難燃剤の配合量が65質量部を超え80質量部以下、且つヒドラゾジカルボンアミドの配合量が30質量部以上である請求項1記載の難燃性合成樹脂シート。
  4. 熱可塑性ウレタン樹脂が軟化点60〜120℃の熱可塑性ウレタン樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性合成樹脂シート。
  5. 共重合ナイロン樹脂が融点110〜170℃の共重合ナイロン樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性合成樹脂シート。
  6. 難燃性合成樹脂シートが、カレンダー成形されたシートである請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性合成樹脂シート。
  7. 片面を艶出し加工した請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性合成樹脂シート。

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