JP4407639B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家庭及び業務用として使用される誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、直流電源と、鍋を加熱する加熱コイルと第1のスイッチング素子とを直列に接続し、前記加熱コイルに直列接続された共振コンデンサと、前記第1のスイッチング素子と直列に接続された第2のスイッチング素子とで構成されるインバータ回路とその制御手段を有し、前記制御手段は発振器と可変導通比設定部と導通比検知部と入力検知手段とを有し、前記2個のスイッチング素子を交互に導通させると共にその導通比を可変とし、前記導通比検知部でその導通比を検知し、前記入力検知手段の出力と、前記導通比検知部の出力とを比較することによって不適性負荷を検知している(例えば、特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器を示すものである。図5に示すように、41は商用電源を整流した直流出力、42はインバータ回路で、直列に接続した第1のスイッチング素子43aと第2のスイッチング素子43bからなるアーム回路43、及び、その上部に鍋などの被加熱物44fを載置して調理を行う加熱コイル44aと共振コンデンサ44bとを直列に接続した共振回路44とを有し、アーム回路43の両端は直流出力41に接続し、アーム回路43の中間接続点を共振回路44の一端に接続し、共振回路44の他端を直流出力の一端に接続している。
45は制御手段で第1のスイッチング素子43aと第2のスイッチング素子43bを駆動しており、一定の発振周波数で発振する発振器45aと可変導通比設定部45bによって第1のスイッチング素子43aと第2のスイッチング素子43bの導通時間を設定する。さらに、可変導通比設定部45bで設定された導通比を検知する導通比検知部45c、入力電流を検知する入力検知手段41cを制御手段45は有している。
以上のように構成された誘導加熱調理器について以下その動作を図6、図7を用いて説明する。
図5において、商用電源を整流した直流出力41をアーム回路43の構成要素である第1のスイッチング素子43a、第2のスイッチング素子43bを制御手段45によって交互にオンオフすることにより、共振回路44へ高周波電流を供給し、加熱コイル44a上部に載置した鍋などの被加熱物を加熱する。このとき、一定の発振周波数で発振する発振器45aに接続された可変導通比設定部45bで設定された導通時間によって第1のスイッチング素子43a、第2のスイッチング素子43bは交互に駆動されている。また、この可変導通比設定部45bが導通比を変化すると、一定周波数のままで第1のスイッチング素子43a、第2のスイッチング素子43bの導通時間が変化し、入力を変化させる。上記制御を行うインバータ回路42において、被加熱物の種類を変えた場合の可変導通比設定部45bで設定された導通比と、入力検知手段41cにて検知された入力電流の関係について図6に示す。
図6から容易に分かるように、導通比と入力との関係をとることによって包丁といった小物の被加熱物とステンレスといった非磁性の材質で構成される被加熱物とを明確に区別することができる。そこで、図6中に示したように適性負荷検知線を設定することによって、負荷の適性の是非を容易に判別することができるものである。入力検知手段41cからの入力と導通比検知部45cで検知した導通比を比較して、適性負荷検知線の上側にあれば不適性負荷、下側にあれば適性負荷と判断し、不適性負荷であれば制御手段45はアーム回路43の駆動を中止する。
以上のように、入力検知手段41cの出力と導通比検知部45cの出力とを比較する事によってステンレス負荷を適性負荷と検知して、かつ入力を大きくした時に包丁等の小物負荷を不適性負荷と検知する事ができ、小物負荷に大きな入力が入らず安全性に優れたものとなる。
その一方で、従来の構成では、一定の発振周波数で発振する発振器45aの出力を可変導通比設定部45bによって第1のスイッチング素子43aの導通時間と第2のスイッチング素子43bの導通時間とに変換し、第1のスイッチング素子43aの導通時間を増加してインバータ回路42への入力電流を増加する場合に、加熱開始時は最小導通時間で制御手段45が第1のスイッチング素子43aを駆動するが、動作周波数が一定の場合には第2のスイッチング素子43bが導通している間に加熱コイル44aの電流が転流して、加熱コイル44a上に載置された被加熱物(負荷)の材質によっては加熱コイル44aの電流が過大となる可能性がある。
その結果、加熱開始時に急激に加熱コイル44aへと過大な電流が流れ、加熱コイル44a上に載置された鍋などの被加熱物にも電流が急峻に誘導されて振動し、「コツッ」という鍋を叩いた様な音を発生させていた。
特許第2532661号公報
しかしながら、前記従来の構成では、一定の発振周波数で発振する発振器45aに接続された可変導通比設定部45bで設定された導通比で、第1のスイッチング素子43aと第2のスイッチング素子43bが交互に駆動されており、また、この導通比を変化させることにより、インバータ回路42への入力を変化させている。よって、導通比を最小設定値とする事で入力を極力絞る事が可能である。
ここで、導通比を最小設定値とした場合に、例えば第1のスイッチング素子43aの導通時間は最小として、一方で第2のスイッチング素子43bの導通時間が最大となった場合の各部の電流波形を図7に示す。
図7(a)は鉄材質で構成された被加熱物の場合、図7(b)はアルミ材質で構成された被加熱物の場合で、それぞれ、加熱コイル44aの電流を示す。図7(a)では加熱コイル44aの電流は転流せず振幅は小さいが、図7(b)では第1のスイッチング素子43aがオフしている間に加熱コイル44aの電流が転流し、アルミ材質は抵抗率が小さいのでコイル電流は減衰せずに振幅が大きくなる。前記振幅の大きさは、鉄材質の被加熱物での場合に比べてアルミ材質の被加熱物の場合は約6倍の大きな電流が加熱コイル44aに発生する。よって、被加熱物に発生する渦電流もアルミ材質では大きいので、反発力により鍋が振動し、叩いた様な音が発生するという課題を有していた。
また、図5の回路構成のインバータを制御する場合、従来例に記載のように一定周波数駆動して導通比を可変して入力を制御する方法以外に、導通比を略1/2に固定して周波数を可変して入力を制御する方法もある。しかし、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器において、複数バーナーを同時加熱した際に発生する動作周波数のずれにより干渉音が発生するという課題が発生する。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、加熱開始時に鍋材質を判別する鍋材質判別機能を備え、加熱開始時に一方のスイッチング素子のオン時間を最小設定値にして他方のオン時間を小さい設定値から大きい設定値に離散的に変化して前記インバータ回路を駆動して判別を行うことにより、複数バーナーを同時加熱した際に発生する動作周波数のずれを可聴周波数以上として干渉音を抑制するとともに、アルミ材質など抵抗率の低い金属で構成された被加熱物を加熱コイル上に載置して加熱開始した場合に発生する鍋音を抑制する制御を行う誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、商用電源を整流してなる直流出力と、前記直流出力の両端に電気的に接続されて交互にオンオフする2個のスイッチング素子を直列に接続したアーム回路及び加熱コイルと共振コンデンサとを直列に接続した共振回路を有し前記共振回路の一端を前記アーム回路の接続点に他端を直流出力に接続したインバータ回路と、前記アーム回路を一定周波数で駆動し導通比を可変して被加熱物の加熱量を制御する制御手段と、前記加熱コイルに流れる加熱コイル電流を検知するコイル電流検知手段と、前記インバータ回路へ入力される電流を検知する入力電流検知手段と、を有する誘導加熱部を複数備え、前記制御手段は前記被加熱物の材質を前記加熱コイル電流検知手段と前記入力電流検知手段の情報を得て判別する鍋材質判別機能を備え、前記鍋材質判別機能は、加熱開始時において一方の前記スイッチング素子のオン時間を最小設定値にしかつ他方の前記スイッチング素子のオン時間を小さい設定値とし、前記加熱コイル電流が設定値以上となると前記被加熱物の材質がアルミニウムのような低抵抗率の非磁性材質であると判別して前記アーム回路の駆動を停止し、前記加熱コイル電流が前記設定値に達しないと、他方の前記スイッチング素子のオン時間を、前記小さい設定値から大きい設定値に離散的に変化させ前記一定周波数で前記アーム回路を駆動して前記被加熱物の材質が非磁性ステンレスのような高抵抗率の非磁性材質であるか鉄のような磁性材質であるかの判別を行うこととしたものである。
本発明においては、制御手段がアーム回路を一定周波数で駆動しつつ被加熱物の加熱量を導通比によって可変し、隣接する誘導加熱部との動作周波数のズレによる干渉音の発生を防ぐ。
さらに、加熱開始時に発生する鍋音を防ぐために、加熱開始時において一方のスイッチング素子のオン時間を最小設定値にしかつ他方の前記スイッチング素子のオン時間を小さい設定値とし、被加熱物の加熱量を導通比によって可変するときの一定周波数よりも高い動作周波数でアーム回路を駆動する。
これによって、他方のスイッチング素子がオンしている間に加熱コイルの電流が転流して、被加熱物の材質がアルミニウムのような低抵抗率の非磁性材質である場合に過大な加熱コイル電流の振幅となる状態を抑制しつつ、他方のスイッチング素子のオン時間を大きい設定値とすると過大な電流振幅となる材質の被加熱物であると判断した場合は、加熱を停止する。
また、過大な電流振幅とならない材質の被加熱物であると判断した場合は、一方のスイッチング素子のオン時間を最小設定値にしたままで、他方のスイッチング素子のオン時間を大きい設定値、すなわち加熱量を制御する一定周波数へと離散的に変化するため、周波数のズレによる干渉音を回避して、且つ、起動時(加熱開始時)の鍋音も低減した制御が実現できることとなる。
本発明の誘導加熱調理器は、例えば使用者がアルミ材質などで構成された被加熱物を加熱コイルの上に載置して加熱開始した場合に、「コツッ」という鍋を叩いた様な音の発生を抑制し、且つ、加熱コイルに一定周波数で流れる電流を、アーム回路の導通比を変化させて制御することが実現できるという有利な効果が得られる。
第1の発明は、商用電源を整流してなる直流出力と、前記直流出力の両端に電気的に接続されて交互にオンオフする2個のスイッチング素子を直列に接続したアーム回路及び加熱コイルと共振コンデンサとを直列に接続した共振回路を有し前記共振回路の一端を前記アーム回路の接続点に他端を直流出力に接続したインバータ回路と、前記アーム回路を一定周波数で駆動し導通比を可変して被加熱物の加熱量を制御する制御手段と、前記加熱コイルに流れる加熱コイル電流を検知するコイル電流検知手段と、前記インバータ回路へ入力される電流を検知する入力電流検知手段と、を有する誘導加熱部を複数備え、前記制御手段は前記被加熱物の材質を前記加熱コイル電流検知手段と前記入力電流検知手段の情報を得て判別する鍋材質判別機能を備え、前記鍋材質判別機能は、加熱開始時において一方の前記スイッチング素子のオン時間を最小設定値にしかつ他方の前記スイッチング素子のオン時間を小さい設定値とし、前記加熱コイル電流が設定値以上となると前記被加熱物の材質がアルミニウムのような低抵抗率の非磁性材質であると判別して前記アーム回路の駆動を停止し、前記加熱コイル電流が前記設定値に達しないと、他方の前記スイッチング素子のオン時間を、前記小さい設定値から大きい設定値に離散的に変化させ前記一定周波数で前記アーム回路を駆動して前記被加熱物の材質が非磁性ステンレスのような高抵抗率の非磁性材質であるか鉄のような磁性材質であるかの判別を行う。
これにより、他方のスイッチング素子がオンしている間に加熱コイルの電流が転流して、被加熱物の材質がアルミニウムのような低抵抗率の非磁性材質である場合に過大な加熱コイル電流の振幅となる状態を抑制しつつ、他方のスイッチング素子のオン時間を大きい設定値とすると過大な電流振幅となる材質の被加熱物であると判断した場合は、加熱を停止することができる。
よって、例えば使用者がアルミ材質などで構成された被加熱物を加熱コイルの上に載置して加熱開始した場合に、「コツッ」という鍋を叩いた様な音の発生を抑制することができるとともに、ステンレス材質や鉄材質など抵抗率の高い被加熱物(負荷)を加熱する場合には、一定周波数の電流を加熱コイルに供給して、アーム回路の導通比によって被加熱物の加熱量を制御する事ができる。
第2の発明は、特に、第1の発明に記載の制御手段は、一方のスイッチング素子のオン時間を最小設定値にして他方のスイッチング素子のオン時間を小さい設定値から大きい設定値へと離散的に変化する際に、前記他方のスイッチング素子のオン時間が小さい設定値の動作周波数とオン時間が大きい設定値との差が可周波数以上となる様に設定する。
これにより、複数の誘導加熱部を有する誘導加熱調理器において、片側のバーナーを加熱中している時、残りのバーナーを第1の発明に記載のように高い周波数で加熱開始しても、動作周波数の差が可聴周波数以上に設定されているため干渉音の発生を抑制する事ができる。
第3の発明は、特に、第1の発明に記載の制御手段は商用電源の位相を検知する電源位相検知手段を備え、スイッチング素子のオン時間を小さい設定値から大きい設定値に離散的に変更するタイミングを商用電源が零ボルト付近に設定する事により、加熱コイルの電流が少ないタイミングで動作周波数を変化させるため、加熱コイルの電流量を抑制して離散的に周波数を変更する際に発生する鍋の振動を抑制する事ができる。
第4の発明は、特に、第1の発明に記載の制御手段は、他方のスイッチング素子のオン時間を小さい設定値から大きい設定値へと離散的に変化した後、加熱コイルに流れる電流が加熱停止時に発生する鍋音を抑制するため設定される設定値以上の場合、鍋材質判別機能の誤判別と判断してアーム回路の駆動を停止する事により、被加熱物の材質によって過大な共振電流が発生しても、加熱停止時のコイル電流が設定値以下となるように制御する事で、加熱停止時に発生する鍋音を抑制することができる。
第5の発明は、特に、第1の発明に記載の共振コンデンサと並列に、補助コンデンサと
スイッチの直列回路を備え、前記制御手段は前記鍋材質判別機能によって前記被加熱物の材質が高抵抗率の非磁性材質であると判断した場合、一旦、前記アーム回路の駆動を停止した後、制御手段が前記スイッチの接点を閉じて補助コンデンサを接続して共振コンデンサの容量が増加するので、加熱コイル上に非磁性材質の被加熱物を載置した場合でも共振回路の共振周波数が低くなり、加熱コイルに流れる電流が転流する状態を防止してコイル電流の増加を防ぐことができるので、加熱開始時と加熱停止時の鍋に誘起される電流量の増加を抑制し、鍋音の発生を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の回路構成を示すものである。
図1において、1は直流出力で1aの商用電源と1bの整流器を構成要素とし、入力検知手段1cも備え、直流出力1から出力して2のインバータ回路へ入力される電流を検知している。インバータ回路2はアーム回路3、共振回路4を構成要素とし、アーム回路3は直列に接続した第1のスイッチング素子3aと第2のスイッチング素子3bからなる。図には特に記載していないが、第1のスイッチング素子3aと第2のスイッチング素子3bはそれぞれ逆導通ダイオードを備え、ゼロカレントスイッチングが可能な構成となっている。共振回路4は、その上部に鍋などの被加熱物4fを載置して調理を行う加熱コイル4aと共振コンデンサ4bとを直列に接続して構成される。アーム回路3の両端は直流出力1に接続し、アーム回路3内部にある2個のスイッチング素子の接続点を共振回路4の一端に接続し、共振回路4の他端は直流出力1の一端に接続している。
さらに、共振回路4は補助コンデンサ4cとスイッチ4dの直列回路を有し、前記直列回路は共振コンデンサ4bと並列に接続されている。また、共振回路4内部にコイル電流検知手段4eを有し、加熱コイル4aに過大な電流が流れているかどうかを検知している。
5の制御手段は、インバータ2内部の第1のスイッチング素子3aを駆動する第1の導通時間出力5aと、第2のスイッチング素子3bを駆動する第2の導通時間出力5bとを備え、第1の導通時間出力5aと第2の導通時間出力5bは交互に導通時間を出力して共振回路4へと高周波電流を供給し、一定周波数で導通比を変化して加熱コイル4aの上に載置された被加熱物4fの加熱量を制御している。
5cは電源位相検知手段で、商用電源1aの位相を検知しており、商用電源1aの出力が零ボルト付近の位相で第1の導通時間出力5aと第2の導通時間出力5bの出力時間を変更している。5dは鍋材質判別機能で、本実施の形態においては、コイル電流検知手段4eと入力検手段1cの情報を得て、第1の導通時間出力5aが最小導通時間を出力している時に鍋種の判別を行う。
以上のように構成された誘導加熱調理器の回路の構成について、以下その動作、作用について図2、図3、図4を用いて説明する。
まず、図1において、商用電源1aを整流した直流出力1をアーム回路3の構成要素である第1のスイッチング素子3a、第2のスイッチング素子3bを制御手段5によって交互にオンオフすることにより、共振回路4へ高周波電流を供給し、加熱コイル4a上部に載置した鍋などの被加熱物4fを加熱する。このとき、第1の導通時間出力5aと第2の導通時間出力5bは同じ周波数で動作しており、加熱開始の起動時のみ高い周波数(f1)で所定時間動作した後に、離散的に加熱量を制御する所定の周波数(f2)へと周波数が変化する。
その後、一定周波数(f2)にて第1の導通時間出力5aと第2の導通時間出力5bは出力を継続して、第1の導通時間出力5aのオン時間を増加して第2の導通時間出力5bのオン時間を減少することによって導通比を可変し、被加熱物4fへの加熱量を制御する。
図2に第1の導通時間出力5a、第2の導通時間出力5b、及び加熱コイル4aの電流が起動時に変化する様子を示す。
加熱開始時における第1の導通時間出力5aのオン出力は図2(a)に記載した様に最小出力時間(ta1)であり、第1の導通時間出力5aのオフ期間に第2の導通時間出力5bがオン信号(tb1)を出力する。この時、加熱コイルに流れる電流は、鉄材質や非磁性ステンレス材質の被加熱物4fであれば抵抗率が大きいため加熱コイル4aに流れる電流の振幅も図2(a)記載の様に小さいが、アルミ材質であれば抵抗率が小さいため加熱コイル4aに流れる電流の振幅が図2(a)記載の様に大きく、設定値を超えるため、鍋材質がアルミ材といった抵抗率の低い材質の判別が可能であり、誘導加熱に適さない鍋として加熱動作を停止する。
続いて、制御手段5は、電源位相検知手段5cによって商用電源1aの位相を検知し、本実施の形態では4回目の零ボルト電圧位相が来た時点で図2(b)に示す様に第2の導通時間出力5bのオン時間を(tb1)から(tb2)へと増加する。この時、図2(b)の様に鉄材質であれば加熱コイル4aに流れる電流は転流しないが、非磁性ステンレスといった非磁性体材質であれば、第2の導通時間出力(tb2)が共振周期に近づくため加熱コイル4aに流れる電流は転流して振幅が大きくなる。しかし、抵抗率が大きいために転流時の電流は減衰して鍋音が発生する程には至らない。しかし、抵抗率が小さいアルミ材質の場合、加熱コイル4aの電流は点線で示す様に転流時の電流も減衰せずに、第2の導通時間出力(tb2)が共振周期に近づき電流が大きくなるため、鍋音が発生する。
非磁性判別の設定値以上となった場合は、非磁性材質であると判断し、一旦、第1の導通時間出力5aと第2の導通時間出力5bを停止し、制御手段5はスイッチ4dをオンした後、再度、第1の導通時間出力5aと第2の導通時間出力5bによってアーム回路3を駆動して誘導加熱を開始する。
アルミ判別の設定値以上となった場合は、誘導加熱には適さない鍋と判断して加熱を停止し、誘導加熱に適さない鍋である旨を、図には特に記載していないが、表示手段や報知手段を用いて使用者に知らしめる。
図3は、被加熱物4fの材質が非磁性ステンレスの場合において、スイッチ4dがオンしている時の加熱コイル4aの電流波形を実線で、オフしている時の加熱コイル4aの電流を破線で示している。スイッチ4dがオフしていると、非磁性材質の被加熱物4fの影響を受けて加熱コイル4aと共振コンデンサ4bの共振周期が第2の導通時間出力(tb2)に近くなるため、加熱コイル4aの電流が転流して電流振幅が大きくなる。しかし、スイッチ4dをオンすると、共振コンデンサ4bと補助コンデンサ4cが並列に接続されるため共振周期が大きくなり、加熱コイル4aの電流が転流せずに小さな振幅となり、一定周波数のまま導通比を可変して被加熱物4fの加熱量を制御することが可能となる。
図4は、鍋材質判別機能5dが、コイル電流検知手段4eと入力検知手段1cの出力での判別する場合の判断基準を示す。この時、第1の導通時間出力5aは最小導通時間(ta1)を出力しており、図4(a)のエリアは、第2の導通時間出力5bが高い周波数での最小導通時間(tb1)の鍋材質判別エリアを示しており、被加熱物4fが非磁性体で抵抗率の低い材質(例えばアルミ材質)で構成された鍋(被加熱物4f)が、入力が低くてコイル電流が大きい斜線で示したエリアに相当する。被加熱物4fがアルミ材質の様な非磁性体で抵抗率の低い材質(斜線エリア内)であると判別した場合、第2の導通時間出力5bを低い動作周波数での最小導通時間設定値(tb2)へと変更する前に加熱動作を停止して、鍋音の発生を防止している。なお、抵抗率が高い材質であると判断される場合には、継続して第2の導通時間出力5bを低い動作周波数での最小導通時間設定値(tb2)へと変更し、図4(b)での鍋材質判別を行う。
図4(b)のエリアは、第2の導通時間出力5bが低い周波数での最小導通時間(tb2)での鍋材質判別エリアを示す。この場合、本実施の形態においては、非磁性材質と磁性材質の判別をメインとしており、非磁性材質と判別した場合は、一旦加熱を停止して、スイッチ4dをオンした後、第1の導通時間出力5aの最小時間(ta1)と、第2の導通時間出力5bの最小時間(tb2)から動作を開始する。なお、非磁性体であっても抵抗率が低い材質であると判別した場合、加熱を停止して誘導加熱に適さない旨の表示・報知を行う。非磁性体で抵抗率が高い材質であれば、スイッチ4dをオンした後に、第1の導通時間出力5aの出力時間を増加して第2の導通時間出力5bの出力時間を減少することで、一定の動作周波数で導通比を可変して加熱量を制御することが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、上記に示す様に、第1のスイッチング素子3aが最小導通時間で駆動して、第2のスイッチング素子3bの導通時間については、加熱量を制御する際に使用する動作周波数に対応した導通時間(tb2)よりも小さい時間(tb1)に加熱開始時は設定して、被加熱物4fが非磁性材質であっても加熱コイル4aの電流が転流しない導通時間に設定することにより、加熱コイル4aに流れる電流量を抑制するとともに、被加熱物4fに誘導される電流を抑制して、加熱開始時に発生する「コツッ」という鍋を叩いた様な音が発生するのを防ぐことができる。
また、第2のスイッチング素子3bの導通時間が小さい時間(tb1)の場合の動作周波数(f1)と、第2のスイッチング素子3bの導通時間が大きい時間(tb2)の場合の動作周波数(f2)の差が可聴領域とされる周波数(約20kHz)以上となる様に設定することにより、通常は動作周波数を一定(f2)として、加熱量は導通比を可変として制御する場合に、起動時(加熱開始時)のみ高い周波数で動作した場合において、干渉音が使用者に聞こえることなく、また、鍋に誘起される電流も抑制して、鍋を叩いた様な音が発生するのを防ぐことができる。
また、制御手段5は電源位相検知手段5cを備え、商用電源1aが零ボルトとなる位相付近で第2のスイッチング素子3bの導通時間を小さい時間(tb1)から大きい時間(tb2)へと変更することにより、加熱コイル4aに流れる電流が少ない位相で周波数を切り替えることができるので、加熱コイル4aの電流変化に伴う鍋音の発生を防ぐことができる。
また、制御手段5は加熱コイル4aの電流をコイル電流検知手段4eによって検知し、第2のスイッチング素子3bの導通時間が小さい時間(tb1)から大きい時間(tb2)へと変更した後に、加熱コイル4aに流れる電流が鍋音を発生させる限度閾値以上である場合には、アーム回路3の駆動を即座に停止することにより、被加熱物4fの材質によって過大な共振電流が発生しても、加熱停止時のコイル電流を所定値以下として鍋音を抑えることができる。
また、鍋材質判別機能5dによって、被加熱物4fの材質が非磁性体であると本実施の形態においては、加熱コイル4aの電流を検知するコイル電流検知手段4eと、インバータ回路2への入力電流を検知する入力検知手段1cからの情報をもとに判別しており、非磁性材質の被加熱物であると判別した場合には、一旦加熱を停止して、スイッチをオンした後、再度、被加熱物4fの加熱量を制御する周波数に固定して導通比を可変する制御を行う構成とすることにより、加熱コイル上に非磁性材質の被加熱物を載置した場合でも共振回路の共振周波数が低くなり、加熱コイルに流れる電流が転流する状態を防止してコイル電流の増加を防ぐことができるので、加熱開始時と加熱停止時の鍋に誘起される電流量の増加を抑制し、鍋音の発生を防ぐことができる。
なお、実施の形態1では、加熱コイル4aの電流を検知する手段としてトランスを用いた図を記載しているが、加熱コイル4aの電流は共振コンデンサ4bの電圧に対応するため、共振コンデンサ4bの電圧を検知することによって同等の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、例えば使用者がアルミ材質などで構成された被加熱物を加熱コイルの上に載置して加熱開始した場合に、「コツッ」という鍋を叩いた様な音の発生を抑制し、且つ、加熱コイルに一定周波数で流れる電流を、アーム回路の導通比を変化させて制御することが実現できるので、例えば誘導加熱バーナーを複数備えた誘導加熱調理器において、加熱開始時、或いは加熱中に発生する鍋音を抑制する機能を備えた誘導加熱調理器の制御システム等の用途にも適用できる。
本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器のブロック図 本発明の加熱開始時におけるスイッチング素子と加熱コイルの動作波形を示す図 本発明の非磁性鍋判別した場合の、加熱開始時における各部の動作波形を示す図 本発明の加熱開始時における鍋材質判別エリアを示す図 従来の誘導加熱調理器のブロック図 従来の適性負荷検知エリアを示す図 従来の被加熱物がアルミ材質時の各部の動作波形を示す図
符号の説明
1 直流出力
1a 商用電源
1b 整流器
1c 入力検知手段
2 インバータ回路
3 アーム回路
3a 第1のスイッチング素子
3b 第2のスイッチング素子
4 共振回路
4a 加熱コイル
4b 共振コンデンサ
4c 補助コンデンサ
4d スイッチ
4e コイル電流検知手段
4f 被加熱物(鍋)(負荷)
5 制御手段
5a 第1の導通時間出力
5b 第2の導通時間出力
5c 電源位相検知手段
5d 鍋材質判別機能

Claims (5)

  1. 商用電源を整流してなる直流出力と、前記直流出力の両端に電気的に接続されて交互にオンオフする2個のスイッチング素子を直列に接続したアーム回路及び加熱コイルと共振コンデンサとを直列に接続した共振回路を有し前記共振回路の一端を前記アーム回路の接続点に他端を直流出力に接続したインバータ回路と、前記アーム回路を一定周波数で駆動し導通比を可変して被加熱物の加熱量を制御する制御手段と、前記加熱コイルに流れる加熱コイル電流を検知するコイル電流検知手段と、前記インバータ回路へ入力される電流を検知する入力電流検知手段と、を有する誘導加熱部を複数備え、前記制御手段は前記被加熱物の材質を前記加熱コイル電流検知手段と前記入力電流検知手段の情報を得て判別する鍋材質判別機能を備え、前記鍋材質判別機能は、加熱開始時において一方の前記スイッチング素子のオン時間を最小設定値にしかつ他方の前記スイッチング素子のオン時間を小さい設定値とし、前記加熱コイル電流が設定値以上となると前記被加熱物の材質がアルミニウムのような低抵抗率の非磁性材質であると判別して前記アーム回路の駆動を停止し、前記加熱コイル電流が前記設定値に達しないと、他方の前記スイッチング素子のオン時間を、前記小さい設定値から大きい設定値に離散的に変化させ前記一定周波数で前記アーム回路を駆動して前記被加熱物の材質が非磁性ステンレスのような高抵抗率の非磁性材質であるか鉄のような磁性材質であるかの判別を行う誘導加熱調理器。
  2. 制御手段は、一方のスイッチング素子のオン時間を最小設定値にして他方のスイッチング素子のオン時間を小さい設定値から大きい設定値へと離散的に変化する際に、前記他方のスイッチング素子のオン時間が小さい設定値のときのアーム回路の動作周波数と大きい設定値のときの前記アーム回路の動作周波数の差が可聴周波数以上となる様に設定された請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 制御手段は商用電源の位相を検知する電源位相検知手段を備え、商用電源が零ボルト付近の位相で他方のスイッチング素子のオン時間を小さい設定値から大きい設定値へと離散的に変化する請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 制御手段は、他方のスイッチング素子のオン時間を小さい設定値から大きい設定値へと離散的に変化した後、前記加熱コイルに流れる電流が加熱停止時に発生する鍋音を抑制する
    ため設定される設定値以上の場合、鍋材質判別機能の誤判別と判断してアーム回路の駆動を停止する請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. 共振コンデンサと並列に、補助コンデンサとスイッチの直列回路を備え、前記制御手段は前記鍋材質判別機能によって被加熱物の材質が高抵抗率の非磁材質であると判断した場合、前記アーム回路の駆動を一旦停止し、前記スイッチをオンして共振回路の共振周波数を変更した後、再び前記アーム回路を駆動して加熱を開始する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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