JP4036266B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばアルミ製の鍋や銅製の鍋を高周波磁界により誘導加熱する誘導加熱調理器に関するものである。
この種の従来の誘導加熱調理器は、第1のスイッチング素子をオンにして電源から加熱コイルに電流を流し、次いで、その第1のスイッチング素子をオフにした後、第2のスイッチング素子をオンにすると、加熱コイルと共振コンデンサとで直列回路が形成されて加熱コイルに振動電流が流れる。この時、第2のスイッチング素子の1回のスイッチングで数サイクルの電流を振動させ、スイッチング周波数よりも高い振動周波数の電流を生成してアルミ鍋を加熱している(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−160484号公報(第8頁、図1、2)
しかしながら、前述した従来の誘導加熱調理器は、数サイクル分の振動電流のエネルギーを1周期に1回のみスイッチングを介して負荷に供給しているので、スイッチング素子に流れる電流が大きくなり、容量の大きなスイッチング素子が必要となり、スイッチング素子の発熱も大きくなっている。また、振動電流が減衰してしまい、充分にアルミ鍋を加熱できないことがあった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、スイッチング素子のスイッチング損失や容量を大きくすることなく、また、スイッチング素子の発熱も少なく、かつ振動電流の減衰を抑えることのできる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
本発明に係る誘導加熱調理器は、直流電源回路と、直列に接続された加熱コイル及び共振コンデンサと、直流電源回路の正極側と加熱コイルとの間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第1のスイッチング素子と、共振コンデンサと直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第2のスイッチング素子と、直流電源回路の正極側と前記共振コンデンサ及び第2のスイッチング素子の接続点との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第3のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子及び加熱コイルの接続点と直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第4のスイッチング素子と、第1及び第3のスイッチング素子を交互にオン/オフすると共に、第2のスイッチング素子を第1のスイッチング素子と共にオンにしてそのオン状態を第3のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、また、第4のスイッチング素子を第1のスイッチング素子のオフ時にオンしてそのオン状態を第1のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、第2及び第4のスイッチング素子のオン時に加熱コイル及び共振コンデンサの接続状態を閉ループにして、これを第1及び第3のスイッチング素子の交互のオン/オフ動作に基づいて間欠的に行わせる制御手段とを備えたものである。
本発明においては、第1及び第3のスイッチング素子を交互にオン/オフすると共に、第2のスイッチング素子を第1のスイッチング素子と共にオンにしてそのオン状態を第3のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、また、第4のスイッチング素子を第1のスイッチング素子のオフ時にオンしてそのオン状態を第1のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、第2及び第4のスイッチング素子のオン時に加熱コイル及び共振コンデンサの接続状態を閉ループにして、これを第1及び第3のスイッチング素子の交互のオン/オフ動作に基づいて間欠的に行わせるようにしたので、スイッチング周波数の数倍の振動電流を加熱コイルに流すことができ、このため、スイッチング損失が増大することなく、抵抗値の低いアルミ製や銅製の鍋を加熱でき、また、第1及び第3のスイッチング素子を交互にオン/オフしているので、その2個のスイッチング素子に流れる電流のパルス幅を小さくでき、容量の大きなスイッチング素子を用いる必要がなくなり、電流による発熱も少なくなり、また、振動電流の減衰を抑えることができ、効率のよい誘導加熱調理器を提供できる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す誘導加熱調理器の回路図である。この図1に示す整流回路2は、商用電源1の交流電圧を全波整流し、平滑コンデンサ3は、整流回路2により全波整流された電圧を平滑する。第1のスイッチング素子4は、平滑コンデンサ3の正極側と鍋11を載せるための天板10下面に設けられた加熱コイル8との間に挿入され、第2のスイッチング素子5は、加熱コイル8に直列に接続された共振コンデンサ9と平滑コンデンサ3の負極側との間に挿入されている。また、第3のスイッチング素子6は、平滑コンデンサ3の正極側と共振コンデンサ9及び第2のスイッチング素子5の接続点との間に挿入され、第4のスイッチング素子7は、第1のスイッチング素子4及び加熱コイル8の接続点と平滑コンデンサ3の負極側との間に挿入されている。前述した各スイッチング素子4、5、6、7は、例えば絶縁ゲート形バイポーラトランジスタからなり、電力回生用のダイオードが内蔵されている。振動電流検出抵抗13は、第2及び第4のスイッチング素子5、7のエミッタ側に挿入され、後述する振動電流Iの流れる方向を検出するために設けられている。
制御回路12は、第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7の組とを交互に切り換えて駆動すると共に、その切り換え時に、直列接続された加熱コイル8及び共振コンデンサ9が閉ループになるように第2及び第4のスイッチング素子5、7を駆動制御する。その直列回路が閉ループになったときに、加熱コイル8のインダクタンスと共振コンデンサ9の容量で決まる共振周波数で振動電流Iが流れる。この振動電流Iは、各スイッチング素子4、5、6、7を駆動するスイッチング周波数(高周波)の数倍の周波数である。
また、この制御回路12は、振動電流Iが加熱コイル8→共振コンデンサ9→第2のスイッチング素子5→振動電流検出抵抗13→第4のスイッチング素子7の内臓ダイオードの向きに流れているときはその電流の方向が正方向と判断し、振動電流Iが共振コンデンサ9→加熱コイル8→第4のスイッチング素子7→振動電流検出抵抗13→第2のスイッチング素子5の内蔵ダイオードの向きに流れているときはその方向が負方向と判断し、この振動電流の方向に基づいて各スイッチング素子4、5、6、7の切り換えタイミングを判別している。この切り換えは、例えば振動電流Iの波形が一周期半繰り返す毎に行い、加熱コイル8と共振コンデンサ9に直流電流Ia、Ib(以下、単に「電流Ia、Ib」とする)を供給する。前記の振動電流Iにより加熱コイル8から磁束が発生し、この磁束により天板10上に置かれたアルミ製或いは銅製の鍋11に渦電流が生じ、鍋11が加熱する。
次に、実施の形態1の誘導加熱調理器の動作を図2に示す波形図を用いて説明する。図2は実施の形態1における各スイッチング素子の動作を示す波形図及びこのスイッチング動作により流れる振動電流の波形図である。
所定のスイッチ操作によって調理開始を行うと、整流回路2が商用電源の交流電圧を全波整流し、平滑コンデンサ3が全波整流の電圧を平滑する。一方、制御回路12は、第1及び第2のスイッチング素子4、5をオンにして、電流Iaを加熱コイル8及び共振コンデンサ9に流す。その後、第2のスイッチング素子5をオンにしたまま第1のスイッチング素子4をターンオフにすると同時に、第4のスイッチング素子7をオンにする。この時、直列に接続された加熱コイル8及び共振コンデンサ9が第2及び第4のスイッチング素子5、7のオンにより閉ループとなるので、この閉ループの直列回路に振動電流Iが流れる。
制御回路12は、振動電流検出抵抗13を通して振動電流Iの向きを検知し、振動電流Iの向きが共振コンデンサ9から加熱コイル8へ向かって流れているときに、第4のスイッチング素子7をオンにしたまま第3のスイッチング素子6をオンにすると同時に、第2のスイッチング素子5をターンオフにして、電流bを共振コンデンサ9及び加熱コイル8に流す。そして、第4のスイッチング素子7をオンにしたまま第3のスイッチング素子6をターンオフにすると同時に、第2のスイッチング素子5をターンオンにして、前記の加熱コイル8及び共振コンデンサ9を第2及び第4のスイッチング素子5、7とで再び閉ループにし、共振コンデンサ9及び加熱コイル8による振動電流Iが流るようにする。
さらに、振動電流Iの向きが加熱コイル8から共振コンデンサ9へ向かって流れているときに、第2のスイッチング素子5をオンにしたまま再び第1のスイッチング素子4をターンオンにすると同時に、第4のスイッチング素子7をターンオフにして、電流Iaを加熱コイル8及び共振コンデンサ9に流す。その後、第2のスイッチング素子5をオンにしたまま第1のスイッチング素子4をターンオフにすると同時に、第4のスイッチング素子7をターンオンにして、前記の加熱コイル8及び共振コンデンサ9を第2及び第4のスイッチング素子5、7とで閉ループにし、振動電流Iが流れるようにする。この一連の動作を繰り返し行うことにより、スイッチング周波数の数倍の振動電流Iが加熱コイル8に流れる。
以上のように実施の形態1によれば、第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7の組とを交互に切り換えて駆動すると共に、その切り換え時に、直列接続された加熱コイル8及び共振コンデンサ9が閉ループになるように第2及び第4のスイッチング素子5、7を駆動制御するようにしたので、スイッチング周波数の数倍の振動電流Iを加熱コイル8に流すことが可能になり、このため、スイッチング損失が増大することなく、抵抗値の低いアルミ製や銅製の鍋11を加熱できる。
また、数サイクル分の振動電流Iのエネルギーが半周期に1回、第2及び第4のスイッチング素子5、7を介して加熱コイル8に供給されるようになり、このため、第2及び第4のスイッチング素子5、7の駆動時間が従来と比べ半分で済む。
また、第1及び第3のスイッチング素子4、6を交互に駆動しているので、この各スイッチング素子4、6に流れる電流Ia、Ibのパルス幅を小さくでき、容量の大きなスイッチング素子を用いる必要がなくなる。
さらに、前述したように電流Ia、Ibのパルス幅が小さいので、電流による発熱も少なくなり、かつ、振動電流の減衰を抑えることができ、効率のよい誘導加熱調理器を提供できる。
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2を示す誘導加熱調理器の回路図である。なお、図1で説明した実施の形態1と同一または相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
実施の形態2は、動作説明時に詳述するが、第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7の組とを交互に切り換えて駆動(第1の周波数)すると共に、切り換え時に第2及び第4のスイッチング素子5、7を交互に駆動(第2の周波数)して、加熱コイル8及び共振コンデンサ9の接続状態が間欠的に閉ループになるようにする制御回路12を備えたものである。
次に、実施の形態2の誘導加熱調理器の動作を図4に示す波形図を用いて説明する。図4は実施の形態2における各スイッチング素子の動作を示す波形図及びこのスイッチング動作により流れる振動電流の波形図である。
所定のスイッチ操作によって調理開始を行うと、整流回路2が商用電源の交流電圧を全波整流し、平滑コンデンサ3が全波整流の電圧を平滑する。一方、制御回路12は、第2のスイッチング素子5をオンにしてから第1のスイッチング素子4をオンにし、電流Iaを加熱コイル8及び共振コンデンサ9に流す。この時、加熱コイル8のインダクタンス及び共振コンデンサ9の容量で決まる共振周波数の振動電流Iが発生し、第4のスイッチング素子7のダイオード7aを導通する方向に流れ始める。その後、振動電流Iの方向が反転する前に第1のスイッチング素子4をターンオフすると同時に、第4のスイッチング素子7をターンオンし、振動電流Iが第2のスイッチング素子5のダイオード5aを導通する方に流れ始めたときに第2のスイッチング素子5をターンオフする。
さらに、振動電流Iがダイオード7aを導通する方向に反転する前に再び第2のスイッチング素子5をターンオンし、振動電流Iがその方向に流れ始めたときに第4のスイッチング素子7をターンオフし、そして、振動電流Iがダイオード5aを導通する方向に反転する前に再び第4のスイッチング素子7をターンオンし、振動電流Iがその方向に流れ始めたときに第3のスイッチング素子6をオンすると同時に、第2のスイッチング素子5をターンオフし、電流Ibを加熱コイル8及び共振コンデンサ9に流す。この時、前記と同様に加熱コイル8のインダクタンス及び共振コンデンサ9の容量で決まる共振周波数の振動電流Iが発生し、ダイオード5aを導通する方向に流れる。
制御回路12は、前述した一連の動作は繰り返し行い、振動電流Iの方向を振動電流検出抵抗13を通して判別し、これを基に各スイッチング素子4、5、6、7を切り換えている。
以上のように実施の形態2によれば、第2及び第4のスイッチング素子5、7の何れか一方のダイオード5a又は7aが導通しているときは、そのダイオードを有するスイッチング素子側をオフ状態にしているので、第2及び第4のスイッチング素子5、7をオン状態に保つための駆動電力の消費を抑えることができ、また、前記のダイオード5a又は7aが導通している間、そのスイッチング素子側には電流が流れないので、スイッチング損失を大幅に抑えることができる。
また、実施の形態2では、制御回路12の制御によって、第1及び第2のスイッチング素子4,5の組と第3及び第4のスイッチング素子6,7の組とを第1の周波数で交互に駆動させて共振コンデンサ9に充電させると共に、第2及び第4のスイッチング素子5、7を第2の周波数で交互に駆動させて、加熱コイル8及び共振コンデンサ9による振動電流Iを発生させている。このため、第1のスイッチング素子4と第3のスイッチング素子6は、第2のスイッチング素子5と第4のスイッチング素子7に比べて1/2以下の周波数で駆動することとなり、これにより、第1のスイッチング素子4と第3のスイッチング素子6に電流が流れる期間が短くなるので、スイッチング損失を大幅に抑えることができる。さらに、第2のスイッチング素子5と第4のスイッチング素子7の駆動周波数と、振動電流Iの共振周波数とを一致させることにより、加熱コイル8に大電力を投入することが可能となる。
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3を示す誘導加熱調理器の回路図である。なお、図1で説明した実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
実施の形態3の誘導加熱調理器は、平滑コンデンサ3の負極側に挿入された例えば電流検出抵抗13aと、共振コンデンサ9に並列に接続された例えば常開のリレースイッチ14と、電流検出部15a、制御切換部15b、第1の制御部15c及び第2の制御部15dを有する制御回路15とを備えたものである。
この制御回路15の電流検出部15aは、電流検出抵抗13aの両端に生じる電圧を通して加熱コイル8に流れる電流を検出する。制御切換部15bは、所定のスイッチ操作に基づいて調理開始を検知すると、第1の制御部15cを動作させ、この第1の制御部15の各スイッチング素子4、5、6、7の駆動により電流が電流検出部15aを介して入力されると、その電流が所定値以上かどうかを判定する。電流検出部15aによって検出された電流が所定値以上のときは、第2の制御部15dを動作させ、検出電流が所定値より低いときは、リレースイッチ14を閉じて共振コンデンサ9を短絡し、第1の制御部15cによる各スイッチング素子4、5、6、7の制御を継続させる。
第1の制御部15cは、第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7の組を交互に繰り返しオンにして、加熱コイル8に高周波電流を流す。第2の制御部15dは、図1に示す制御回路12と同様に、第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7の組とを交互に切り換えて駆動すると共に、その切り換え時に加熱コイル8及び共振コンデンサ9の直列回路が閉ループになるように第2及び第4のスイッチング素子5、7を駆動制御し、振動電流Iが流れるようにする。
前記のように構成された誘導加熱調理器においては、調理開始時に、制御回路15の制御切換部15bが第1の制御部15cを動作させる。この第1の制御部15cは、前述したように第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7のと組を交互に繰り返しオンにして、平滑された電圧を高周波電圧に変換し、加熱コイル8及び共振コンデンサ9に高周波電流を流す。この時、制御切換部15bは、電流検出部15aによって検出される電流を入力し、所定値以上かどうかを判定する。電流検出部15aによって検出された電流が所定値以上のときは、天板10上の鍋11がアルミ製か銅製の何れかと判断して、第1の制御部15cによる各スイッチング素子4、5、6、7の駆動を停止させると共に、第2の制御部15dを動作させる。
この第2の制御部15dは、前述したように、第1及び第2のスイッチング素子4、5をオンにして、電流Iaを加熱コイル8及び共振コンデンサ9に流し、その後、第2のスイッチング素子5をオンにしたまま第1のスイッチング素子4をターンオフにすると同時に、第4のスイッチング素子7をオンにする。この時、直列に接続された加熱コイル8及び共振コンデンサ9が第2及び第4のスイッチング素子5、7のオンにより閉ループとなるので、共振コンデンサ9及び加熱コイル8による振動電流Iが流れる。
さらに、振動電流Iの向きが共振コンデンサ9から加熱コイル8に流れているときに、第4のスイッチング素子7をオンにしたまま第3のスイッチング素子6をオンにすると同時に、第2のスイッチング素子5をターンオフにして、電流bを共振コンデンサ9及び加熱コイル8に流す。そして、振動電流Iが加熱コイル8から共振コンデンサ9に流れているときに、前記と同様に第4のスイッチング素子7をオンにしたまま第3のスイッチング素子6をターンオフすると同時に、第2のスイッチング素子5をターンオンにして、前記の加熱コイル8及び共振コンデンサ9を第2及び第4のスイッチング素子5、7とで閉ループにし、共振コンデンサ9及び加熱コイル8による振動電流Iが流るようにする。
そして、振動電流Iの向きが加熱コイル8から共振コンデンサ9へ向かって流れているときに、第2のスイッチング素子5をオンにしたまま再び第1のスイッチング素子4をターンオンにすると同時に、第4のスイッチング素子7をターンオフにして、電流Iaを加熱コイル8及び共振コンデンサ9に流す。その後、第2のスイッチング素子5をオンにしたまま第1のスイッチング素子4をターンオフにすると同時に、第4のスイッチング素子7をターンオンにして、前記の加熱コイル8及び共振コンデンサ9を第2及び第4のスイッチング素子5、7とで閉ループにし、振動電流Iが流れるようにする。この一連の動作を繰り返し行うことにより、スイッチング周波数の数倍の振動電流Iが加熱コイル8に流れて磁束が発生し、この磁束により天板10上に置かれたアルミ製或いは銅製の鍋11に渦電流が生じ、鍋11が加熱する。
また、制御切換部15bは、電流検出部15aによって検出される電流が所定値より低いときは、天板10上の鍋11が鉄系のものと判断して、リレースイッチ14を閉じて共振コンデンサ9を短絡し、第1の制御部15cによる各スイッチング素子4、5、6、7の制御を継続させる。この場合は、図に示すように、第1及び第2のスイッチング素子4、5を組として同時にオンにし、次いで、この組のスイッチング素子4、5をターンオフにすると共に、第3及び第4のスイッチング素子6、7を組として同時にオンにし、この動作を繰り返し行って高周波の電流Iを加熱コイル8に流す。
以上のように実施の形態3によれば、第1の制御部15cにより第1及び第2のスイッチング素子4、5の組と第3及び第4のスイッチング素子6、7の組とを交互に切り換えて駆動し、この時に加熱コイル8に流れる電流が所定値以上の場合は、アルミ製か銅製の鍋11と判断して、第2の制御部15dにより加熱コイル8に振動電流Iが流れるようにし、前記の電流が所定値より低いときは、鉄系の鍋11と判断して、加熱コイル8に直列に接続された共振コンデンサ9を短絡し、第1の制御部15cによる各スイッチング素子4、5、6、7の制御を継続させるようにしたので、鍋11の材質に応じて加熱コイル8に充分に電流を流すことが可能になり、鍋11の加熱を効率よく行える。
なお、前記の実施の形態3では、第2の制御部15dは実施の形態1の図2に示すスイッチング動作を行うようにしたが、これに代えて、実施の形態2の図4に示すスイッチング動作と同じでもよく、同様の効果を望める。
本発明の実施の形態1を示す誘導加熱調理器の回路図である。 実施の形態1における各スイッチング素子の動作を示す波形図及びこのスイッチング動作により流れる振動電流の波形図である。 本発明の実施の形態2を示す誘導加熱調理器の回路図である。 実施の形態2における各スイッチング素子の動作を示す波形図及びこのスイッチング動作により流れる振動電流の波形図である。 本発明の実施の形態3を示す誘導加熱調理器の回路図である。 鍋の材質が鉄系の時の動作を示す波形図である。
符号の説明
1 商用電源、2 整流回路、3 平滑コンデンサ、4 第1のスイッチング素子、
5 第2のスイッチング素子、6 第3のスイッチング素子、7 第4のスイッチング素子、8 加熱コイル、9 共振コンデンサ、10 天板、11 鍋、12 制御回路、
13 振動電流検出抵抗、13a 電流検出抵抗、14 リレースイッチ、15 制御回路、15a 電流検出部、15b 制御切換部、15c 第1の制御部、15d 第2の制御部。

Claims (6)

  1. 直流電源回路と、
    直列に接続された加熱コイル及び共振コンデンサと、
    前記直流電源回路の正極側と前記加熱コイルとの間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第1のスイッチング素子と、
    前記共振コンデンサと前記直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第2のスイッチング素子と、
    前記直流電源回路の正極側と前記共振コンデンサ及び前記第2のスイッチング素子の接続点との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第3のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子及び前記加熱コイルの接続点と前記直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第4のスイッチング素子と、
    前記第1及び第3のスイッチング素子を交互にオン/オフすると共に、前記第2のスイッチング素子を前記第1のスイッチング素子と共にオンにしてそのオン状態を前記第3のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、また、前記第4のスイッチング素子を前記第1のスイッチング素子のオフ時にオンしてそのオン状態を前記第1のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、前記第2及び第4のスイッチング素子のオン時に前記加熱コイル及び共振コンデンサの接続状態を閉ループにして、これを前記第1及び第3のスイッチング素子の交互のオン/オフ動作に基づいて間欠的に行わせる制御手段と
    を備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 直流電源回路と、
    直列に接続された加熱コイル及び共振コンデンサと、
    前記直流電源回路の正極側と前記加熱コイルとの間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第1のスイッチング素子と、
    前記共振コンデンサと前記直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第2のスイッチング素子と、
    前記直流電源回路の正極側と前記共振コンデンサ及び前記第2のスイッチング素子の接続点との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第3のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子及び前記加熱コイルの接続点と前記直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第4のスイッチング素子と、
    前記共振コンデンサに並列に接続された常開の開閉手段と、
    前記加熱コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記第1及び第2のスイッチング素子の組と前記第3及び第4のスイッチング素子の組とを交互にオン/オフする第1の制御手段と、
    前記第1及び第3のスイッチング素子を交互にオン/オフすると共に、前記第2のスイッチング素子を前記第1のスイッチング素子と共にオンにしてそのオン状態を前記第3のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御し、また、前記第4のスイッチング素子を前記第1のスイッチング素子のオフ時にオンしてそのオン状態を前記第1のスイッチング素子のオン期間を除いて保持するように制御する第2の制御手段と、
    前記第1の制御手段により各スイッチング素子駆動を制御せ、前記加熱コイルに流れる電流を前記電流検出手段を通して検出し、かつ、検出電流が所定値以上かどうかを判定し、検出電流が所定値以上のときは、前記第2の制御手段により各スイッチング素子駆動を制御させ、検出電流が所定値より低いときは、前記開閉手段を閉じて前記共振コンデンサを短絡して、前記第1の制御手段の制御による各スイッチング素子の駆動を継続させる制御切換手段と
    を備えたことを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記第2の制御手段は、前記第2及び第4のスイッチング素子のオン時に前記加熱コイル及び共振コンデンサの接続状態を閉ループにすることを特徴とする請求項記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記第2の制御手段は、前記第1及び第3のスイッチング素子を交互にオン/オフする毎に前記閉ループを間欠的に行わせることを特徴とする請求項記載の誘導加熱調理器。
  5. 直流電源回路と、
    直列に接続された加熱コイル及び共振コンデンサと、
    前記直流電源回路の正極側と前記加熱コイルとの間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第1のスイッチング素子と、
    前記共振コンデンサと前記直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第2のスイッチング素子と、
    前記直流電源回路の正極側と前記共振コンデンサ及び前記第2のスイッチング素子の接続点との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第3のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子及び前記加熱コイルの接続点と前記直流電源回路の負極側との間に挿入され、電力回生用のダイオードが並列接続された第4のスイッチング素子と、
    前記第1及び第3のスイッチング素子を第1の周波数で交互にオン/オフすると共に、前記第2のスイッチング素子を前記第1のスイッチング素子と共にオンして前記第1の周波数の2倍以上の第2の周波数でオン/オフし、また、前記第4のスイッチング素子を前記第1のスイッチング素子のオフ時にオンして前記第2の周波数でオン/オフする制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記第1及び第3のスイッチング素子のオフ時に前記加熱コイル及び共振コンデンサの接続状態を閉ループにして振動電流を発生させ、これを前記第1及び第3のスイッチング素子の交互のオン/オフ動作に基づいて間欠的に行わせると共に、前記第2及び第4のスイッチング素子の何れか一方の電力回生用のダイオードが導通しているときにそのダイオードを有するスイッチング素子側をオフ状態にすることを特徴とする誘導加熱調理器。
  6. 前記第2の周波数と前記振動電流の共振周波数と一致していることを特徴とする請求項記載の誘導加熱調理器。
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