JP4407335B2 - 空気調和システム - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和システムに関し、特に、睡眠環境の向上対策に係るものである。
従来より、快適な睡眠環境を提供するため、該睡眠環境を人体の温熱生理的な快適性に適しているとされる、いわゆる「頭寒足熱」の温度分布に形成する空気調和が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、睡眠カプセルの睡眠室内が空気調和されている。具体的に、この睡眠カプセルは、睡眠室における頭部側を空気調和する頭部空調手段と、睡眠室における脚部側を空気調和する脚部空調手段とを備えている。そして、上記頭部空調手段が吹き出す調和空気の温度は、脚部空調手段が吹き出す調和空気の温度より低くなるように空調制御されている。これにより、睡眠室において、温度が頭部で最も低く、足部にいくに従って漸次高くなる「頭寒足熱」の温度分布が形成される。この結果、就寝者の快適性の向上が図られる。
特開2003−232537号公報
しかしながら、上述した従来の頭寒足熱の空気調和では、頭部側および足部側の空気温度の設定値が運転開始から終了までの間一定なので、入眠時において就寝者の個人差に適応していなかった。つまり、例えば末梢部の皮膚温が一般の人よりも高めの就寝者には入眠時に「足部が暑い」という不快感をもたらし、逆に末梢部が一般の人よりも低めのいわゆる冷え症の就寝者には入眠時に「足部が寒い」という不快感をもたらし、就寝者の快適性が損なわれるという問題があった。
ここで、睡眠中における皮膚温の経時変化と睡眠深度との関係について図10を参照しながら説明する。入眠前では末梢部(足背)の皮膚温が低く、前額部との間にかなりの温度差があるが、入眠後は睡眠深度が深くなるに従って末梢部の皮膚温が急激に上昇し、前額部の皮膚温が低下する。そして、睡眠時間の経過と共に各部位の皮膚温が33℃〜36℃付近に収束していることがわかる。これは、入眠時に末梢部の血管を拡張して血流量を増加させることで人体の放熱作用を促進し、深部体温の低下を促して入眠を促進するという人体の体温調節作用が機能していることを表している。
ところで、快適な睡眠を得る条件の一つに、入床してから眠りに入るまでの時間(入眠潜時)、つまり入眠してから最初の深いノンレム睡眠(最初の深い睡眠)が訪れるまでの時間が短いことが挙げられる。そして、この最初の深いノンレム睡眠は、時間の経過と共にレム睡眠に移行していく。最初の深いノンレム睡眠が訪れてレム睡眠に移行するまでの区間(入床してから約120分の間)は、末梢部(足背)の温度の上昇区間とほぼ一致している。したがって、末梢部の温度を早く上昇させることが、入眠潜時を短くすることになり、快適な睡眠を得るための重要なこととなる。
しかしながら、個人差によっては単に末梢部を加熱するだけでは、暑すぎて寝苦しくなったり、また寒すぎて人体の放熱作用が促進されなかったりして入眠潜時が長くなってしまうので、速やかな入眠が得られない。また、個人差に適応した温度を予め設定してから入眠すると、寝冷えや寝汗による中途覚醒を起こしたり、風邪をひいたりするという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、入眠前に足部側の空気温度の設定値を個人差に適応して調節することによって速やかな入眠を促進しつつも、睡眠中における寝冷えによる中途覚醒などを防止し、就寝者の快適性の向上を図ることである。
具体的に、第1の発明は、睡眠時の頭部側と足部側とを個別に空気調和すると共に、上記足部側の空気温度が頭部側の空気温度より高い所定温度に空気調和する空気調和システムを前提としている。そして、入眠前に足部の温度に基づいて足部側の空気温度の設定値を上記所定温度から変更する変更手段(61)と、該変更手段(61)による変更から所定時間の経過時に上記変更手段(61)による変更後の足部側の空気温度の設定値が上記所定温度になるように、上記変更後の足部側の空気温度の設定値を上記所定時間が経過する前から徐々に戻す回復手段(62)とを備えるようにしたものである。
上記の発明では、予め頭部側および足部側の空気温度の設定値が睡眠環境を頭寒足熱の温度分布とする温度に設定されているが、入眠前に変更手段(61)によって足部側の空気温度の設定値が足部の温度に応じて調節される。つまり、就寝者の足部側が個人差に適応して空気調和される。これにより、入眠時に「暑い」や「寒い」といった不快感を就寝者に与えることはないので、速やかな且つ快適な入眠が促進される。さらに、変更手段(61)による変更から所定時間の経過時には、回復手段(62)によって足部側の空気温度の設定値が通常の足熱温度に戻されて頭寒足熱となる空気調和が行われる。これにより、睡眠時間全体に亘って、足部側の調和空気の温度が高い状態、または低い状態で維持されることはないので、例えば寝冷えや寝汗による中途覚醒や風邪ひきを引き起こすことはない。したがって、就寝者の快適性が向上する。さらに、上記所定時間を例えば最初の深い睡眠が経過する推定時間に設定すれば、快適な入眠が確実に促進される。
また、第2の発明は、上記第1の発明において、上記変更手段(61)が足部の温度が高温側の所定値以上の場合、足部側の空気温度の設定値を所定温度より低くなるように変更する。
上記の発明では、足部の温度が所定値以上の場合、つまり足部の温度が一般の人より高い場合、確実に足部側が通常の足熱温度よりも低い温度で空気調和される。したがって、入眠時における「暑い」という不快感が確実に解消され、速やかな入眠が促進される。
また、第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記変更手段(61)が足部の温度が低温側の所定値以下の場合、足部側の空気温度の設定値を所定温度より高くなるように変更する。
上記の発明では、足部の温度が所定値以下の場合、つまり足部の温度が一般の人より低い場合、確実に足部側が通常の所定温度よりも高い温度で空気調和される。したがって、入眠時における「寒い」という不快感が確実に解消され、速やかな入眠が促進される。
また、第4の発明は、上記第1〜3の何れか1の発明において、上記足部の温度がセンサ(27)によって検出された検出温度である。
上記の発明では、足部の温度が精密に設定されるので、一層正確に足部側が個人差に適応して空気調和される。
また、第5の発明は、上記第1〜3の何れか1の発明において、上記足部の温度が就寝者によって手動入力された入力温度である。
上記の発明では、足部の温度が就寝者の所望の温度に設定されるので、一層個人差に適応した足部側の空気調和が行われる。
また、第6の発明は、睡眠時の頭部側と足部側とを個別に空気調和すると共に、上記足部側の空気温度が頭部側の空気温度より高い所定温度に空気調和する空気調和システムを前提としている。そして、入眠前に就寝者によって手動入力された足部の温冷感覚に基づいて足部側の空気温度の設定値を上記所定温度から変更する変更手段(61)を備えている。さらに、該変更手段(61)による変更から所定時間の経過時に上記変更手段(61)による変更後の足部側の空気温度の設定値が上記所定温度になるように、上記変更後の足部側の空気温度の設定値を上記所定時間が経過する前から徐々に戻す回復手段(62)を備えている。
上記の発明では、予め頭部側および足部側の空気温度の設定値が睡眠環境を頭寒足熱の温度分布とする温度に設定されているが、入眠前に変更手段(61)によって足部側の空気温度の設定値が就寝者の足部の温冷感覚に応じて調節される。つまり、就寝者の足部側が個人差に適応して空気調和される。これにより、入眠時に「暑い」や「寒い」といった不快感を就寝者に与えることはないので、速やかな且つ快適な入眠が促進される。さらに、変更手段(61)による変更から所定時間の経過時には、回復手段(62)によって足部側の空気温度の設定値が予め設定された通常の足熱温度に戻されて頭寒足熱となる空気調和が行われる。これにより、睡眠時間全体に亘って、足部側の調和空気の温度が高い状態、または低い状態で維持されることはないので、例えば寝冷えや寝汗による中途覚醒や風邪ひきを引き起こすことはない。したがって、就寝者の快適性が向上する。さらに、上記所定時間を例えば最初の深い睡眠が経過する推定時間に設定すれば、快適な入眠が確実に促進される。
また、第の発明は、上記第1〜6の何れか1の発明において、上記所定時間が就寝者によって手動入力された入力時間である。
上記の発明では、所定時間が就寝者の所望の時間に設定されるので、一層個人差に適応した足部側の空気調和が行われる。
また、第の発明は、上記第1〜の何れか1の発明において、上記頭部側を空気調和する頭部空調手段(13)および足部側を空気調和する足部空調手段(14)を備えている。そして、上記頭部側および足部側の空気温度の設定値に基づいて上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)の運転を制御する制御手段(60)を備えている。
上記の発明では、頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)が個別に制御されて頭寒足熱を基本とする空調運転が行われると共に、入眠時には足部空調手段(14)によって個人差に適応した空調運転が行われる。
また、第の発明は、上記第の発明において、上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)によってカプセル本体(20)内の睡眠室(11)における頭部側および足部側が空気調和される睡眠カプセル(10)に用いられている。
上記の発明では、睡眠カプセル(10)の就寝者に対しても、速やかな且つ快適な入眠が促進される。
したがって、第1の発明によれば、入眠前に足部の温度に基づいて足部側の空気温度の設定値を所定温度から変更し、且つ、その変更から所定時間の経過後には変更後の空気温度の設定値を所定温度に戻すようにしたため、入眠時には足部側において個人差に適応して空気調和を行うことができ、その後は通常の頭寒足熱となる空気調和に戻すことができる。この結果、速やかな且つ快適な入眠をもたらすことができるとともに、睡眠中における寝冷えや寝汗による中途覚醒および風邪ひきを防止できるので、就寝者の快適性を向上させることができる。さらに、第1の発明では、上記所定時間を例えば最初の深い睡眠が経過するであろう推定時間に設定すれば、快適な入眠を確実に促進することができる。
また、第2の発明によれば、足部の温度が高温側の所定値以上の場合には、足部側の空気温度の設定値を所定温度より低くするようにしたので、入眠時に「暑い(ほてる)」という不快感を与えることはないので、速やかな且つ快適な入眠をもたらすことができる。
また、第3の発明によれば、足部の温度が低温側の所定値以下の場合には、足部側の空気温度の設定値を所定温度より高くするようにしたので、末梢部分を通常よりも高温で加熱して血管の放熱作用を促進することから、速やかな且つ快適な入眠をもたらすことができる。
また、第4の発明によれば、足部の温度をセンサ(27)によって検出するようにしたので、足部の温度を精密に設定することができる。したがって、一層就寝者の個人差に適応した空気調和を行うことができる。この結果、就寝者の快適性を一層向上させることができる。
また、第5の発明によれば、就寝者によって足部の温度を入力するようにしたので、足部の温度を就寝者の所望の温度に設定することができる。したがって、一層就寝者の個人差に適応した空気調和を行うことができる。
また、第6の発明によれば、入眠前に足部の温冷感覚に基づいて足部側の空気温度の設定値を所定温度から変更し、且つ、その変更から所定時間の経過後には変更後の空気温度の設定値を所定温度に戻すようにしたため、就寝者の温冷判断を適切に空調運転に反映させることができる。したがって、就寝者の個人差に適応して空気調和を行うことができる。この結果、第1の発明と同様に就寝者の快適性を向上させることができる。さらに、第6の発明では、上記所定時間を例えば最初の深い睡眠が経過するであろう推定時間に設定すれば、快適な入眠を確実に促進することができる。
また、第の発明によれば、所定時間の経過後に足部側の空気温度の設定値を所定温度に戻すようにしたため、例えば最初の深い睡眠が経過するであろう推定時間に設定すれば、快適な入眠を確実に促進することができる。
また、第の発明によれば、所定時間を就寝者によって手動入力するようにしたので、一層個人差に適応した睡眠環境を実現することができる。
また、第の発明によれば、睡眠カプセル(10)に用いるようにしたので、割と小スペースの密閉空間内を空気調和することから、高効率の空気調和を行うことができる。したがって、快適な睡眠環境を容易に形成できるので、就寝者の快適性の向上を確実に図ることができる。
以下、本発明の前提となる形態と本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の前提となる形態
図1〜図4に示すように、本発明の前提となる形態の空気調和システム(1)(以下、単に「空調システム」という)は、睡眠カプセル(10)に用いられ、該睡眠カプセル(10)の睡眠室(11)を空気調和する空調手段である頭部空調手段(13)と足部空調手段(14)とを備えている。
上記睡眠カプセル(10)は、仮眠等を行うためのもので、就寝者が就寝し得る比較的小空間の密閉空間を構成している。具体的に、上記睡眠カプセル(10)は、カプセル本体(20)と、該カプセル本体(20)の上方を覆い睡眠室(11)を形成する覆い部材(24)とを備えると共に、上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)を備えている。
上記カプセル本体(20)は、床台(21)と、該床台(21)の上面における前部両側部に設けられた補助側板(23)とを備えている。そして、上記床台(21)の上部は、就寝者の睡眠用のベッド(22)に形成されている。なお、本形態では、就寝者の頭部側を前側とし、就寝者の足部側を後側としている。
上記頭部空調手段(13)は、頭部空調ユニット(30F)および空気流出入部(40)を備える一方、上記足部空調手段(14)は、足部空調ユニット(30R)を備えている。上記頭部空調ユニット(30F)および足部空調ユニット(30R)は、図3に示すように、1つの略直方体状のケース(30)に空調ファン(31)と排熱ファン(32)と熱交換部材(37)とが収納され、床台(21)の内部における前側および後側にそれぞれ配置されている。なお、上記頭部空調ユニット(30F)および足部空調ユニット(30R)は、ほぼ同一に構成されているので、ここでは足部空調ユニット(30R)について説明する。
上記ケース(30)の内部は、仕切板(3)によって後側の空調通路(35)と前側の排熱通路(36)とに区画されている。そして、上記ケース(30)の上面における後側の両側部には、空調通路(35)に連通して吹出口(51)と吸込口(52)とが形成されている。なお、この吹出口(51)および吸込口(52)は、頭部空調ユニット(30F)においては給気口(33)および還気口(34)となる。
上記空調通路(35)には、空調ファン(31)が設けられ、上記排熱通路(36)には、排熱ファン(32)が設けられている。上記熱交換部材(37)は、いわゆるペルチェ素子である熱電素子(38)を備えている。この熱電素子(38)は、2つの熱面が加熱面と冷却面となり、各熱面に多数のフィンが設けられて第1フィン群(39a)と第2フィン群(39b)とが構成されている。上記熱電素子(38)は、仕切板(3)を前後に貫通して配置され、第1フィン群(39a)が空調通路(35)に、第2フィン群(39b)が排熱通路(36)にそれぞれ位置している。
上記足部空調ユニット(30R)は、吸込口(52)から空調通路(35)に流入した空気が第1フィン群(39a)と空調ファン(31)とを流れて吹出口(51)より流出する一方、外部から排熱通路(36)に流入した空気が排熱ファン(32)と第2フィン群(39b)とを流れて再び外部に流出するように構成されている。
上記頭部空調ユニット(30F)の給気口(33)および還気口(34)は、ベッド(22)の前端部の両側部に位置し、空気流出入部(40)が接続されている。この空気流出入部(40)は、給気口(33)に吹出通路(43)を介して連通する吹出口(41)と、還気口(34)に吸込通路(44)を介して連通する吸込口(42)とがベッド(22)の前側である頭部側に向かって開口している。この吹出口(41)と吸込口(42)とは、近傍に位置し、吸込口(42)が吹出口(41)の真直下方に位置している。そして、上記空気流出入部(40)は、吹出口(41)と吸込口(42)との間でショートサーキットを生ずる気流流れを形成し、主として就寝者の頭部側の空気調和を行うように構成されている(図4の矢印Fを参照)。
一方、上記足部空調ユニット(30R)の吹出口(51)および吸込口(52)は、ベッド(22)の後端部の両側部に位置し、上方に向かって開口している。上記覆い部材(24)における足部側には、気流調整手段としての気流制御シート(26)が両側部に亘って設けられている。そして、上記吹出口(51)および吸込口(52)は、覆い部材(24)の気流制御シート(26)によって吹出口(51)と吸込口(52)との間にショートサーキット領域を形成し、主として就寝者の足部側の空気調和を行うように構成されている(図4の矢印Rを参照)。なお、上記覆い部材(24)は、幌式に構成され、脚部側が回動軸(25)により床台(21)に対して前後に回動自在に構成されている。
上記空調システム(1)は、図4に示すように、頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)の運転を制御する制御手段としてのコントローラ(60)と、温度検出手段としての赤外線センサ(27)とを備えている。
上記コントローラ(60)は、頭部側および足部側の空気温度の設定値に基づいて頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)の運転を制御する。具体的に、上記コントローラ(60)は、空気流出入部(40)の吸込口(42)および足部空調ユニット(30R)の吸込口(52)に吸い込まれる空気の温度がそれぞれの設定値になるように各空調ユニット(30F,30R)の熱交換部材(37)を制御する。つまり、上記コントローラ(60)は、各空調ユニット(30F,30R)の空調通路(35)の熱電素子(38)を制御し、該空調通路(35)を流れる空気の温度を設定値に調節する。上記頭部側および足部側の空気温度の設定値は、予め、頭部側が初期の所定温度(TF)に、足部側が該頭部側の初期の所定温度(TF)よりも高い初期の所定温度(TR)にそれぞれ設定されている。すなわち、上記頭部側および足部側の初期の所定温度(TF,TR)は、睡眠室(11)において温度が就寝者の頭部で最も低く、足部にいくに従って漸次高くなる「頭寒足熱」の温度分布となるように設定されている。なお、本形態では、上記頭部側の初期の所定温度(TF)は26℃に、足部側の初期の所定温度(TR)は30℃に設定されている。
上記赤外線センサ(27)は、覆い部材(24)における足部側に設けられ、就寝者の足部の温度を検出する。この赤外線センサ(27)は、就寝者の足部に接触せずに温度を検出する非接触型のセンサに構成されている。そして、上記赤外線センサ(27)が検出した検出温度は、コントローラ(60)に入力されている。なお、上記赤外線センサ(27)は、検出の視野角を就寝者の足部付近に定めるための赤外線透過レンズが設けられている。これにより、検出精度が向上する。
上記コントローラ(60)は、足部側の空気温度の設定値についての変更手段(61)と回復手段(62)とを備えている。
上記変更手段(61)は、入眠前に赤外線センサ(27)の検出温度、すなわち就寝者の足部の温度に基づいて足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)から変更するように構成されている。具体的に、上記赤外線センサ(27)の検出温度が予め設定された第1閾値(t1)以上の場合、変更手段(61)は足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)より低い第1所定温度(TR1)に変更する。一方、上記赤外線センサ(27)の検出温度が予め設定された第2閾値(t2)以下の場合、変更手段(61)は足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)より高い第2所定温度(TR2)に変更する。なお、本形態では、上記第1閾値(t1)は高温側の所定値として34℃に設定され、第2閾値(t2)は低温側の所定値として26℃に設定されている。また、上記第1所定温度(TR1)および第2所定温度(TR2)は、26℃および39℃にそれぞれ設定されている。
上記回復手段(62)は、変更手段(61)による変更後の足部側の空気温度の設定値を運転開始から予め設定された所定時間(H)の経過後に初期の所定温度(TR)に戻すように構成されている。本形態では、上記所定時間(H)は2時間(120分)に設定されている。
なお、本形態では、上記所定時間(H)は予め設定されているものとしたが、これに代えて、上記所定時間(H)を就寝者によって手動入力される入力時間としてもよい。その場合、就寝者は、別途設けられる入力スイッチの入力パネル(64a)に所望の時間を入眠前に手動入力する(図5参照)。そして、この入力パネル(64a)の入力時間は、コントローラ(60)に入力されることになる。
ここで、足部側の空気温度の設定値を入眠前に変更する基本的概念について図10を参照しながら説明する。入眠前では末梢部(足背)の皮膚温が低く、前額部との間にかなりの温度差があるが、入眠後は睡眠深度が深くなるに従って末梢部の皮膚温が急激に上昇し、前額部の皮膚温が低下する。そして、睡眠時間の経過と共に各部位の皮膚温が33℃〜36℃付近に収束していることがわかる。これは、入眠時に末梢部の血管を拡張して血流量を増加させることで人体の放熱作用を促進し、深部体温の低下を促して入眠を促進するという人体の体温調節作用が機能していることを表している。
一方、快適な睡眠を得る条件の一つに、入床してから眠りに入るまでの時間(入眠潜時)、つまり入眠してから最初の深いノンレム睡眠(最初の深い睡眠)が訪れるまでの時間が短いことが挙げられる。そして、この最初の深いノンレム睡眠は、時間の経過と共にレム睡眠に移行していく。最初の深いノンレム睡眠が訪れてレム睡眠に移行するまでの区間(入床してから約120分の間)は、末梢部(足背)の温度の上昇区間とほぼ一致している。したがって、末梢部の温度を早く上昇させることが、入眠潜時を短くすることになり、快適な睡眠を得るための重要なこととなる。
ところが、個人差によっては単に末梢部を加熱するだけでは、暑すぎて寝苦しくなったり、また寒すぎて人体の放熱作用が促進されなかったりして入眠潜時が長くなってしまう。そこで、入眠前に足部側の空気温度の設定値を個人差によって調節して変更すれば、個人差に対応した空気調和が行われ、速やかな入眠をもたらすことができる。
−運転動作−
次に、上述した空調システム(1)の動作について説明する。
まず、上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)の運転動作について説明する。上記ベッド(22)には、仮眠等を行う就寝者が睡眠室(11)に入り、頭部側で折り畳まれている覆い部材(24)を足部側に回動して展開し、就寝する。
上記各空調ユニット(30F,30R)の空調ファン(31)および排熱ファン(32)を駆動すると、頭部側の還気口(34)および足部側の吸込口(52)より睡眠室(11)の空気が空調通路(35)に吸い込まれ、熱交換部材(37)の熱電素子(38)を流れる。その際、熱電素子(38)を流れる空気が頭部側および足部側の空気温度の設定値に応じて加熱または冷却され、調和空気が生成される。
この調和空気は、吹出口(41,51)より就寝者の頭部側および足部側に吹き出した後、吸込口(42,52)に吸い込まれ、吹出口(41,51)と吸込口(42,52)との間にショートサーキット領域が形成される。これにより、就寝者の頭部側および足部側の空気調和が行われる。上記吸込口(42,52)に吸い込まれた空気は、空調通路(35)の熱交換部材(37)に戻り、上述の動作が繰り返される。なお、上記排熱通路(36)では、空調ユニット(30F,30R)の外部より取り込まれた空気が排熱ファン(32)を通り、例えば、熱電素子(38)によって加熱された後、再び外部に放出される。
次に、上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)の運転の制御方法について図6〜図9を参照しながら説明する。
まず、図6に示すように、制御がスタートすると、ステップST1において、赤外線センサ(27)によって就寝者の足部温度が検出され、その検出温度がコントローラ(60)に入力されると、ステップST2に移る。このステップST2では、検出温度が第1閾値(t1)以上か否かを判定し、第1閾値(t1)以上でない場合、ステップST3に移る。このステップST3では、赤外線センサ(27)の検出温度が第2閾値(t2)以下か否かを判定し、第2閾値(t2)以下でない場合、ステップST4に移る。
このステップST4では、頭部側および足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TF,TR)のままで運転が行われる(以下、「通常運転」という)。つまり、上記赤外線センサ(27)の検出温度が第2閾値(t2)よりも高くて第1閾値(t1)よりも低い場合、変更手段(61)は足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TF,TR)から変更しない。
したがって、図7に示すように、運転開始から所定の運転終了時まで、頭部側の空気の設定温度が26℃、足部側の空気の設定温度が頭部側よりも4℃高い30℃の状態で運転が行われる。これにより、睡眠室(11)は、「頭寒足熱」の温度分布が形成され、人体の温熱生理的な快適性に適した状態となる。
上記ステップST3において、赤外線センサ(27)の検出温度が第2閾値(t2)以下であると判定された場合には、ステップST5に移る。このステップST5では、変更手段(61)によって足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TR)から第2所定温度(TR2)に変更されて運転が開始される(以下、「足部高温運転」という)。この足部高温運転が開始されると、ステップST6に移り、運転開始から所定時間(H)が経過したか否かを判定し、経過するまでステップST5に戻って足部高温運転を継続し、経過すると、ステップST7に移る。このステップST7では、回復手段(62)によって足部側の空気温度の設定値が第2所定温度(TR2)から初期の所定温度(TR)に戻り、所定の運転終了時まで通常運転が行われる。
したがって、就寝者の足部の温度が26℃以下の場合、図8に実線で示すように、運転開始から所定時間(H)の間は、足部側の空気の設定温度が初期の所定温度(TR)よりも高い39℃に設定され、頭部側の空気の設定温度が26℃のままで運転が行われる。そして、運転開始から所定時間(H)が経過すると、足部側の空気の設定温度が30℃に設定され、頭部側の空気の設定温度が26℃のままで所定の運転終了時まで運転が行われる。これにより、末梢部の皮膚温が非常に低い、例えば冷え症の就寝者に対し、末梢部分を通常よりも高温で加熱するので血管の放熱作用を促進することができ、入眠時に「冷える」といった不快感を就寝者に与えることなく速やかな且つ快適な入眠をもたらすことができる。そして、就寝者が深い睡眠に入った後は、足部側の空気温度の設定値を通常の足熱温度に下げるので、睡眠中に暑さで寝汗をかいて中途覚醒や風邪を引き起こすのを防止することができる。
一方、上記ステップST2において、赤外線センサ(27)の検出温度が第1閾値(t1)以上であると判定された場合には、ステップST8に移る。このステップST8では、変更手段(61)によって足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TR)から第1所定温度(TR1)に変更されて運転が開始される(以下、「足部低温運転」という)。この足部低温運転が開始されると、ステップST9に移り、運転開始から所定時間(H)が経過したか否かを判定し、経過するまでステップST8に戻って足部低温運転を継続し、経過すると、ステップST10に移る。このステップST10では、回復手段(62)によって足部側の空気温度の設定値が第1所定温度(TR1)から初期の所定温度(TR)に戻り、所定の運転終了時まで通常運転が行われる。
したがって、就寝者の足部の温度が34℃以上の場合、図9に実線で示すように、運転開始から所定時間(H)の間は、足部側の空気の設定温度が初期の所定温度(TR)よりも低い26℃に設定され、頭部側の空気の設定温度が26℃のままで運転が行われる。そして、運転開始から所定時間(H)が経過すると、足部側の空気の設定温度が30℃に設定され、頭部側の空気の設定温度が26℃のままで所定の運転終了時まで運転が行われる。これにより、特に環境温の高い夏期において、既に末梢部の皮膚温が高い就寝者に対し、入眠時に「暑い(ほてる)」という不快感を与えることはないので、速やかな且つ快適な入眠をもたらすことができる。そして、就寝者が深い睡眠に入った後は、足部側の空気温度の設定値を通常の足熱温度に上げるので、睡眠中における寝冷えによる中途覚醒や風邪ひきを防止することができる。
発明の前提となる形態の効果−
以上のように、本形態によれば、入眠前に足部の温度に基づいて足部側の空気温度の設定値を変更するようにし、且つ、その変更後の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)に戻すようにしたので、就寝者の個人差に適応した空気調和を行うことができる。
つまり、足部の温度が高温側の第1閾値(t1)以上である場合には、足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)より低い第1所定温度(TR1)に変更するようにしたので、例えば末梢部の皮膚温が一般の人よりも高めの就寝者に対し、入眠時に「暑い(ほてる)」という不快感を与えることはないので、速やかな入眠をもたらすことができる。そして、運転開始から所定時間(H)が経過した後は、足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)に上げるので、睡眠中における寝冷えによる中途覚醒や風邪ひきを防止することができる。
一方、足部の温度が低温側の第2閾値(t2)以下である場合には、足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)より高い第2所定温度(TR2)に変更するようにしたので、例えば冷え症の就寝者に対し、末梢部分を通常よりも高温で加熱するので血管の放熱作用を促進することができ、入眠時に「冷える」という不快感を与えることなく速やかな且つ快適な入眠をもたらすことができる。そして、運転開始から所定時間(H)が経過した後は、足部側の空気温度の設定値を通常の足熱温度に下げるので、睡眠中に暑さによって発生した寝汗による風邪ひきを防止することができる。これらの結果、就寝者の快適性を向上させることができる。
特に、上記所定時間(H)を最初の深い睡眠が経過するであろう推定時間(120分)に設定するようにしたので、確実に入眠を促進することができ、就寝者の快適性を確実に向上させることができる。
また、足部の温度をセンサである赤外線センサ(27)によって検出された検出温度としたので、足部の温度を精密に設定することができる。したがって、一層就寝者の個人差に適応した空気調和を行うことができる。この結果、就寝者の快適性を一層向上させることができる。
また、本空調システム(1)を睡眠カプセル(10)に用いるようにしたので、割と小密閉空間内の空気調和であること、加えて頭部側および足部側のそれぞれにショートサーキットによる気流空間を形成することから、高効率の空気調和を行うことができる。したがって、睡眠環境を頭寒足熱の温度分布に容易に形成することができるので、就寝者の快適性の向上を確実に図ることができる。
《発明の実施形態1》
発明の前提となる形態では、回復手段(62)によって足部側の空気温度の設定値をステップ的に変化させて初期の所定温度(TR)に戻すようにしたが、これに代えて、本発明の実施形態1は、図8および図9に破線で示すように、足部側の空気温度の設定値を所定時間(H)が経過する前から徐々に(例えば、5分毎に1℃)変化させて初期の所定温度(TR)に戻すようにしたものである。つまり、上記足部側の空気温度の設定値が所定時間(H)の経過時に初期の所定温度(TR)になっていればよい。これにより、就寝者に与える温熱刺激を低減することができるので、就寝者の快適性が向上する。
《発明の実施形態2》
本実施形態2の空調システム(1)は、実施形態1の変更手段(61)が足部の温度に基づいて足部側の空気温度の設定値を変更するようにしたのに代えて、変更手段(61)が足部の温冷感覚に基づいて足部側の空気温度の設定値を変更するようにしたものである。つまり、本実施形態の空調システム(1)は、赤外線センサ(27)に代えて足部の温冷感覚の入力スイッチ(64)を備えている。
具体的に、図11および図12に示すように、上記入力スイッチ(64)は、足部温冷感の入力パネル(64b)を備え、該入力パネル(64b)より入眠前に就寝者によって足部の温冷感覚が手動入力される。上記入力パネル(64b)は、就寝者が「冷える」、「ふつう」および「ほてる」の温冷感覚から選択するようになっている。そして、上記入力スイッチ(64)に入力された足部の温冷感覚は、コントローラ(60)に入力される。なお、上記入力パネル(64b)の足部の温冷感覚は、上述したものに限らず、「やや冷える」や「ややほてる」などの温冷感覚を加えて選択肢を広げてもよい。
上記変更手段(61)は、入力スイッチ(64)から入力された足部の温冷感覚に基づいて入眠前に足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)から変更するように構成されている。具体的に、上記足部の温冷感覚が「ほてる」の場合、変更手段(61)は足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)より低い第1所定温度(TR1)に変更する。一方、上記足部の温冷感覚が「冷える」の場合、変更手段(61)は足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)より高い第2所定温度(TR2)に変更する。また、上記足部の温冷感覚が「ふつう」の場合、変更手段(61)は足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)から変更しない。
次に、上記各空調手段(13,14)の運転の制御方法について図13を参照しながら説明する。まず、制御がスタートすると、ステップST1において、就寝者によって入力スイッチ(64)に足部の温冷感覚が入力され、その温冷感覚がコントローラ(60)に入力されると、ステップST2に移る。このステップST2では、温冷感覚が「ほてる」であるか否かを判定し、「ほてる」でない場合、ステップST3に移る。このステップST3では、温冷感覚が「冷える」であるか否かを判定し、「冷える」でない場合、ステップST4に移る。このステップST4では、上記実施形態1と同様に、頭部側および足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TF,TR)のままの通常運転が行われる。
上記ステップST3において、足部の温冷感覚が「冷える」であると判定された場合には、ステップST5に移る。このステップST5では、変更手段(61)によって足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TR)から第2所定温度(TR2)に変更され、足部高温運転が開始される。
一方、上記ステップST2において、入力スイッチ(64)の足部の温冷感覚が「ほてる」と判定された場合には、ステップST8に移る。このステップST8では、上記実施形態1と同様に、変更手段(61)によって足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TR)から第1所定温度(TR1)に変更され、足部低温運転が開始される。
以上のように、本実施形態の場合、変更手段(61)が就寝者によって手動入力された足部の温冷感覚に基づいて足部側の空気温度の設定値を変更するようにしたので、就寝者の温冷判断を適切に空調運転に反映させることができる。したがって、一層就寝者の個人差に適応した空気調和を行うことができる。この結果、就寝者の快適性を一層向上させることができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。
参考形態
参考形態の空調システム(1)は、図14および図15に示すように、上記実施形態1が睡眠カプセル(10)内の就寝者を対象としたのに代えて、室内の一般的なベッドに就寝する就寝者を対象としたものである。
また、本参考形態は、上記実施形態1が足部の温度を検出する温度検出手段として赤外線センサ(27)を用いたのに代えて、熱電対シート(78)を用いるようにした。また、上記実施形態1では、コントローラ(60)の回復手段(62)が運転開始から所定時間(H)の経過時には足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)に戻すようにしたが、本参考形態では、回復手段(62)が就寝者の睡眠状態に基づいて足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)に戻すようにしている。つまり、本参考形態のコントローラ(60)は、就寝者の睡眠状態を判別する判別手段(63)を備えている。
具体的に、本参考形態の空調システム(1)は、空調手段としてのルームエアコン(71)および電気毛布(72)と、複数の湿度センサ(75)とを備えている。
上記ルームエアコン(71)は、壁掛け型の空気調和装置に構成され、就寝者の頭部側に向かって調和空気を吹き出す頭部空調手段に構成されている。一方、上記電気毛布(72)は、就寝者の足部を覆って加熱する足部空調手段に構成されている。
上記各湿度センサ(75)は、寝具マット(73)とシーツ(74)との間に設けられ、シーツ(74)上に横たわる就寝者の体の近傍湿度を検出するようになっている。つまり、上記湿度センサ(75)は、就寝者の発汗量を検出する湿度検出手段に構成されている。上記湿度センサ(75)は、シーツ(74)下の広範囲にわたって分散して配置されており、睡眠時に寝返りをうつなどして就寝者が体動した場合であっても、就寝者近傍の湿度を確実に検出するようになっている。本参考形態では、湿度センサ(75)はシーツ(74)の下に碁盤目状に配置されている。
上記各湿度センサ(75)は、信号線(76)に接続され、該信号線(76)は、伝送部(77)に接続されている。この伝送部(77)は、各湿度センサ(75)からそれぞれの検出値を受け取り、それら検出値をコントローラ(60)に伝送するように構成されている。
上記熱電対シート(78)は、足部側のシーツ(74)上面に敷かれ、就寝者の足部に接触して温度を検出する接触型のセンサに構成されている。そして、上記熱電対シート(78)が検出した検出温度は、コントローラ(60)に入力されている。
上記コントローラ(60)の判別手段(63)は、伝送部(77)から送信された各湿度センサ(75)の検出値のうちの最大値を人体近傍湿度として入手する。そして、上記判別手段(63)は、入手した人体近傍湿度の経時変化、すなわち就寝者の発汗量の経時変化に基づいて睡眠状態としてのレム睡眠状態またはノンレム睡眠状態を判別するように構成されている。
ここで、発汗は基本的にノンレム睡眠時に起こり、レム睡眠時には殆ど発汗しないと言われている。すなわち、発汗量は、ノンレム睡眠とレム睡眠とが周期的に交互に出現するいわゆる睡眠リズムに同調して変化する。したがって、ノンレム睡眠およびレム睡眠のピークが発汗量の大小のピークにほぼ一致することになる。
つまり、上記判別手段(63)は、発汗量の経時変化に基づいて睡眠リズムを検知する。具体的には、人体近傍湿度が時間の経過と共に上昇して高湿度側の閾値R1を越え、その後減少して再び閾値R1よりも小さくなると、判別手段(63)がノンレム睡眠状態と判定する。また、人体近傍湿度が時間の経過と共に減少して低湿度側の閾値R2よりも小さくなり、その後上昇して再び閾値R2を越えると、判別手段(63)がレム睡眠状態と判定する。
上記回復手段(62)は、1回目(最初)の深い睡眠が経過すると、変更手段(61)による変更後の足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)に戻すように構成されている。1回目の深い睡眠の経過とは、判別手段(63)によって最初のノンレム睡眠状態が判定され、その後にレム睡眠状態が判定されたときとしている。つまり、最初のノンレム睡眠状態は1回目の深い睡眠状態に相当し(図10を参照)、その最初のノンレム睡眠状態からレム睡眠状態に移行したときが1回目の深い睡眠が確実に経過したものとしている。
次に、上記ルームエアコン(71)および電気毛布(72)の運転の制御方法について図16を参照しながら説明する。
まず、制御がスタートすると、ステップST1において、熱電対シート(78)によって就寝者の足部温度が検出され、その検出温度がコントローラ(60)に入力されると、ステップST2に移る。このステップST2では、実施形態1と同様に、検出温度が第1閾値(t1)以上か否かを判定し、第1閾値(t1)以上でない場合はステップST3に移る。このステップST3では、熱電対シート(78)の検出温度が第2閾値(t2)以下か否かを判定し、第2閾値(t2)以下でない場合はステップST4に移って通常運転が開始され、第2閾値(t2)以下である場合はステップST5に移って足部高温運転が開始される。
上記ステップST5で足部高温運転が開始されると、ステップST6に移り、判別手段(63)によってノンレム睡眠状態またはレム睡眠状態が判別され、それら睡眠状態が回復手段(62)に入力されると、ステップST7に移る。このステップST7では、1回目(最初)の深い睡眠が経過したか否かを判定し、経過するまでステップST5に戻って足部高温運転を継続し、経過すると、ステップST8に移る。このステップST8では、回復手段(62)によって足部側の空気温度の設定値が初期の所定温度(TR)に戻り、所定の運転終了時まで通常運転が行われる。
一方、上記ステップST2において、熱電対シート(78)の検出温度が第1閾値(t1)以上であると判定された場合には、ステップST9に移って足部低温運転が開始される。この足部低温運転が開始されると、ステップST10に移る。そして、ステップST10〜ステップST12については、上述したステップST6〜ステップST8と同様の制御が行われる。
参考形態の場合、就寝者の睡眠状態に基づいて足部側の空気温度の設定値を初期の所定温度(TR)に戻すようにしたので、個人差に適応した睡眠環境を実現することができる。特に、発汗量の経時変化に基づいてレム睡眠状態またはノンレム睡眠状態を判別することによって睡眠状態を検知するようにしたので、睡眠リズムに対応して空気調和を行うことができる。この結果、一層個人差に適応した睡眠環境を提供することができる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。
《発明の実施形態
本実施形態の空調システム(1)は、上記実施形態1または参考形態が足部の温度をセンサ(27,78)の検出温度としたのに代えて、足部の温度を就寝者によって手動入力された入力温度としたものである。つまり、本実施形態の空調システム(1)は、センサ(27,78)を省略し、入力スイッチを備えている。
具体的に、就寝者は、入眠前に別途用意する温度計などで足部の温度を測定し、その測定温度を入力スイッチの入力パネル(64c)より手動入力する(図17参照)。そして、この入力パネル(64c)の入力温度は、コントローラ(60)に入力されることになる。本実施形態の場合、足部の温度が就寝者の所望の温度に設定することができるので、一層個人差に適応した足部側の空気調和が行われる。その他の構成、作用および効果は実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態1では、足部の温度検出手段として赤外線センサ(27)や熱電対シート(78)を用いるようにしたが、これらセンサの種類に限られるものではないことは勿論である。
また、上記実施形態1および2において、睡眠カプセル(10)の各空調ユニット(30F,30R)の熱交換部材(37)は熱電素子(38)に限られるものではなく、蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器や凝縮器であってもよい。
以上説明したように、本発明は、いわゆる「頭寒足熱」の空調機能を備えた空気調和システムとして有用である。
睡眠カプセルを覆い部材を省略して示す斜視図である。 カプセル本体を示す分解斜視図である。 空調ユニットを示す平面図である。 発明の前提となる形態に係る空調システムを示す図である。 時間の入力パネルを示す図である。 発明の前提となる形態に係る空調システムの制御を示すフローチャート図である。 頭部側および足部側の空気設定温度の経時変化を示す図である。 頭部側および足部側の空気設定温度の経時変化を示す図である。 頭部側および足部側の空気設定温度の経時変化を示す図である。 睡眠中の人間生理特性を示す図であり、(a)は各部皮膚温の経時変化、(b)は睡眠深度の経時変化を示す。 実施形態2に係る空調システムを示す図である。 足部温冷感の入力パネルを示す図である。 実施形態2に係る空調システムの制御を示すフローチャート図である。 参考形態に係る空調システムを示す図である。 参考形態に係る湿度センサの配置を示す斜視図である。 参考形態に係る空調システムの制御を示すフローチャート図である。 足部温度の入力パネルを示す図である。
1 空気調和システム
10 睡眠カプセル
11 睡眠室
13 頭部空調手段
14 脚部空調手段
20 カプセル本体
27 赤外線センサ(センサ)
60 コントローラ(制御手段)
61 変更手段
62 回復手段
63 判別手段

Claims (9)

  1. 睡眠時の頭部側と足部側とを個別に空気調和すると共に、上記足部側の空気温度が頭部側の空気温度より高い所定温度に空気調和する空気調和システムであって、
    入眠前に足部の温度に基づいて足部側の空気温度の設定値を上記所定温度から変更する変更手段(61)と、
    該変更手段(61)による変更から所定時間の経過時に上記変更手段(61)による変更後の足部側の空気温度の設定値が上記所定温度になるように、上記変更後の足部側の空気温度の設定値を上記所定時間が経過する前から徐々に戻す回復手段(62)とを備えている
    ことを特徴とする空気調和システム。
  2. 請求項1において、
    上記変更手段(61)は、足部の温度が高温側の所定値以上の場合、足部側の空気温度の設定値を所定温度より低くなるように変更する
    ことを特徴とする空気調和システム。
  3. 請求項1または2において、
    上記変更手段(61)は、足部の温度が低温側の所定値以下の場合、足部側の空気温度の設定値を所定温度より高くなるように変更する
    ことを特徴とする空気調和システム。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、
    上記足部の温度は、センサ(27)によって検出された検出温度である
    ことを特徴とする空気調和システム。
  5. 請求項1〜3の何れか1項において、
    上記足部の温度は、就寝者によって手動入力された入力温度である
    ことを特徴とする空気調和システム。
  6. 睡眠時の頭部側と足部側とを個別に空気調和すると共に、上記足部側の空気温度が頭部側の空気温度より高い所定温度に空気調和する空気調和システムであって、
    入眠前に就寝者によって手動入力された足部の温冷感覚に基づいて足部側の空気温度の設定値を上記所定温度から変更する変更手段(61)と、
    該変更手段(61)による変更から所定時間の経過時に上記変更手段(61)による変更後の足部側の空気温度の設定値が上記所定温度になるように、上記変更後の足部側の空気温度の設定値を上記所定時間が経過する前から徐々に戻す回復手段(62)とを備えていることを特徴とする空気調和システム。
  7. 請求項1〜6の何れか1項において、
    上記所定時間は、就寝者によって手動入力された入力時間である
    ことを特徴とする空気調和システム。
  8. 請求項1〜の何れか1項において、
    上記頭部側を空気調和する頭部空調手段(13)および足部側を空気調和する足部空調手段(14)を備え、
    上記頭部側および足部側の空気温度の設定値に基づいて上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)の運転を制御する制御手段(60)を備えている
    ことを特徴とする空気調和システム。
  9. 請求項において、
    上記頭部空調手段(13)および足部空調手段(14)によってカプセル本体(20)内の睡眠室(11)における頭部側および足部側が空気調和される睡眠カプセル(10)に用いられている
    ことを特徴とする空気調和システム。
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