JP4405134B2 - 複数のウェットワイプのための折り重ね及び積み重ね構造 - Google Patents

複数のウェットワイプのための折り重ね及び積み重ね構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顧客によりそれぞれのワイプが直ちにウェットワイプスタックから分離され得るように、改良された折り込み及び挟み込み構造が提供された複数のウェットワイプのスタックに関する。
【0002】
【従来の技術】
ウェットワイプは、典型的には、家庭及び工業の双方の様々なアプリケーションにおいて使用され、様々な機能を果たす予め湿らされた使い捨てのタオレットである。ウェットワイプは、典型的には、生物及び無生物の双方の表面を拭くのに使用され、クリーニング、クレンジング、消毒、及びスキンケアの利益のような多数の利益を提供するであろう。
【0003】
あるアプリケーションは、特に洗い水が入手できない場合、例えば、旅行のときに、人体の一部を拭くためのウェットワイプの使用である。ワイプは、一般に、例えば、女性用ウェットワイプのような密接衛生ワイプ(intimate hygiene wipe)として、肛門の、会陰のクレンジングと性器のクレンジングと顔及び手のクレンジングのような人間のクレンジング及びワイピングに使用される。ウェットワイプは、化粧、スキンコンディショナ、及び医薬品の除去及び適用を含む、身体への物質の適用に使用されてもよい。ウェットワイプの他のアプリケーションは、おむつの交換時、及びおむつ及び失禁デバイスの使用により部分的に生じた大人及び乳児の皮膚炎の処置である。さらに、ウェットワイプは、例えば、台所や風呂場の表面、眼鏡、靴、及び例えば、機械や自動車の表面のように工業においてクリーニングを必要とする表面のような他の表面を拭き取る及び/またはクリーニングするのに適用され得る。また、ウェットワイプは、ペットのクリーニング或いはグルーミングに使用される物品を含む。
【0004】
ウェットワイプは、一般に、ポリオレフィン繊維、ビスコース繊維、及び綿繊維のような合成及び天然繊維の組合わせで構成され、それらは一般に、数ある中でも界面活性剤、防腐剤、オイル、及び香気を含む水性組成物で湿らされる。その後、ウェットワイプは、典型的には、蓋を有する桶状容器のような被覆された容器内に折り重ねられ積み重ねられた構造で提供される。或いは、ワイプは、小出し口を有する桶容器中に提供されてもよい。双方の場合において、これはワイプの容易な運搬と保管とを可能とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、折り重ねられたウェットワイプの現行の積み重ねについての問題は、スタックからの単一のワイプの容易な分配に欠けることである。この問題は、顧客がおむつを交換する間に乳児を抱えているときのような使用状況において特に深刻である。そのような状況下では、顧客はスタックから片手のみでワイプを摘み上げ且つ分離することが可能であることを必要とする。これは、現行の製品では十分に達成されていない。
【0006】
スタック及び容器からのウェットワイプの十分な分配性の欠如の問題は、幾つかの理由による。第一に、ウェットワイプは、典型的には、折り重ねられ、一方が他方の上部に配置されるか、或いは隣り合うワイプを挟み込まれる。しかしながら、現行のスタックの最上のワイプのリーディングエッジの正確な位置は、視覚的或いは触覚的のどちらによっても容易には識別されない。これは、ワイプの基体材料が典型的には均質であり、特に折り重ねられたときに、ワイプのリーディングエッジがそれが置かれたワイプ基体材料から区別され得ないためである。さらに、ワイプのリーディングエッジ部は、それが置かれた下のワイプ基体材料と接着する傾向を有している。そのため、ワイプの表面にわたって指を移動させる或いは引きずることによるエッジの触覚的な識別でさえ、エッジの位置の識別には直ちには帰着しない。
【0007】
第二に、ひとたびリーディングエッジの位置が見つかると、顧客が、単一のワイプをそれが置かれたスタックから分離するために、十分な基体材料をしっかりとつかむこと及びその把持を維持することは困難である。顧客は、しばしば、そのしっかりした把持が確立されずワイプが顧客の指から容易にすべるというように、リーディングエッジの小部分しかつかむことができない。
【0008】
ウェットワイプの分配に関連するこれら問題は従来技術において認識されている。例えば、米国特許第5,540,332号は、ウェットワイプの分配性とこれらワイプの製造方法とを記載している。改良された分配性は、ワイプの終端部の1つの少なくとも一部に、正弦波構造のような非直線の繰返しパターンを提供することにより達成される。しかしながら、単一のウェットワイプの分配の問題は、記載されておらず、非直線リーディングエッジの使用により克服されてもいない。
【0009】
分配の問題の他の解決法は、米国特許第4,778,048号に記載されており、それは、改良されたアクセス、分配、及び等しい液体分布のために、容器内のエッジ上で傾けられたウェットワイプのスタックを具備する製品を開示している。好ましい態様において、それぞれのワイプのエッジは、ワイプの本体の剛性よりも大きなガーレイ剛性を有している。しかしながら、堅いエッジの準備はそれ自体がウェットワイプの不所望な特徴である。ウェットワイプ、特にベビーワイプのように皮膚の敏感な領域上で使用されることが意図されるウェットワイプは、ある程度の軟らかさを必要とする。硬化させられたワイプのエッジは、実際、この特許自身で認識されるように、もはや使用に適しておらず、それゆえ、ワイプは使用に適した減少させられた基材表面を有することとなる。また、炎症を起こすかもしれないので、このエッジ部の皮膚との接触を減少する或いは避けることに注意が払われる必要がある。その上、エッジの剛性は、単一のワイプの分配の問題を解決しない。加えて、現行の製造技術を用いた不織基体へのそのような非直線エッジの提供は、非常に不所望なエッジのほつれに帰着する。
【0010】
代わりに、顧客によるリーディングエッジの識別を助けるために、分配オリフィスを有する特別に設計された分配容器を提供することも提案されている。これら容器は、容器からの最上部のワイプの除去動作の際に、最上部のワイプが除去されると、隣接するワイプがスタックから持ち上げられて部分的にオリフィスから突出するように設計されている。このような方法において、最上部のワイプは、顧客により容易につかまれるように配置される。しかしながら、そのような工夫の短所は、隣接するワイプの過剰に多い基体材料がオリフィスから露出することである。したがって、ワイプは乾燥して使用に不適になり、処分されねばならない。EP747313は、この問題に対処する手段を提案し、容器のオリフィスからの連続的な廃棄(disposal)のためのウェットティッシュペーパのような多重に折り重ねられた紙を開示している。この方法においては、最大で隣接するワイプの長さの4分の1が分配オリフィスから露出する。しかしながら、湿らされたティッシュペーパは柔軟性或いは強度の点で十分ではないので、そのようなペーパティッシュ製品は、ベビーワイプのような全てのウェットワイプアプリケーションに用いられ得る訳ではない。特に、そのような湿らされたティッシュは、使用中に千切れる傾向に見舞われ、それゆえ、ウェットワイプとしての使用には適していない。
【0011】
前述の従来技術のいずれによっても対処されないウェットワイプスタックからの単一のウェットワイプの分配の問題に対する他の重要な寄与する要因は、ワイプ基体材料のそれ自身に接着する傾向である。特に、これは、製造及び保管の際のワイプスタックの圧縮、ワイプ自体のスタックの実際の重量、及び基体材料とワイプのローションとの中間の引力の存在のせいである。結果として、ワイプが折り重ねられてスタックを形成する場合、基体材料はそれ自身と及び隣接するワイプの基体材料と接着する傾向にある。したがって、ひとたび顧客がスタックからワイプを持ち上げると、ワイプはその折り重ねられた構造を保つ傾向にある。その上、ワイプは、典型的には、それが置かれた隣接するワイプと少なくとも部分的に接着したままである。それゆえ、スタックからのワイプの除去動作の間に加え、隣接するワイプはスタックから少なくとも部分的に分離される。結果として、顧客は、ワイプの所望のアプリケーションを開始する前にワイプを展開することを要求されるだけでなく、それをスタック中で隣接するワイプから分離し、このワイプを容器中のスタックへと戻すことを要求される。これは、明らかに、おむつの交換時にベビーワイプを使用する顧客にとって特に不便である。
【0012】
ワイプ基体の接着の問題は、従来技術において認識されている。この問題を解決する試みは、典型的には、JP08089439に記載された例に関しては、挟み込まれたワイプの準備にある。実際、挟み込みは、米国特許第2772021号及び米国特許第3330553号において開示されるようなドライティッシュ製品に関する従来技術において知られている。しかしながら、ウェットワイプ製品における基体材料とローションとの間に存在する複雑な相互作用のせいで、一般にドライティッシュ製品で用いられる折り重ね構造はウェットワイプには再適用できないことは公知である。
【0013】
さらに、提案された挟み込み構造の多くはそれに関連する問題を有している。特に、挟み込みの結果として隣接するワイプとの間の基体材料の重なりの程度が大きい場合、基体の接着の問題は常にワイプが完全に2つ一組で離れるように単に悪化させられるに過ぎず、ワイプが1つづつ分配されたとしても、上方のワイプを除去した後、隣接するワイプのかなりの部分は分配オリフィスから露出したままとなり、ワイプは乾燥するであろう。他方で、単一のワイプの分配が保証されるように隣接するワイプ間の重なりが最小化された場合、隣接するワイプはスタックから認識可能な程度に分離せず、リーディングエッジの識別の問題が再度現れる。
【0014】
さらに、ワイプの不十分な分配に加え、従来技術の挟み込み構造に関する他の問題もまた生じるであろう。例えば、挟み込み構造の結果として、基体材料が容器中に不均一に配置され、それは、ワイプのスタック全体にわたる及び個々のワイプ自体内での不均一なローションの分布のような幾つかの不所望な効果へと導き、スタック内の特定の領域でのローションの濃縮へと帰着するかも知れない。その上、挟み込み構造の多くは、基体材料への稜及び溝の形成へと帰着し、それら双方は美的に不所望であるのに加えて強度及び柔軟性を減少させる傾向にある。
【0015】
それゆえ、強く、柔軟で、吸収性のベビーワイプのような多くのアプリケーションに適したウェットワイプ基体を提供することが望まれている。さらに、ワイプスタックからの単一のワイプの容易な分配を促進する、そのようなウェットワイプのための積み重ね構造を提供することが望まれている。
【0016】
本発明は、改良された折り重ね及び挟み込み構造を有するウェットワイプのスタックを提供することにより、これら問題に対処する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、それゆえに、ベビーワイプのように人体の一部並びに他の表面を拭くためのウェットワイプに関する。特に、本発明は、とりわけ、容器及び分配オリフィスを用いるアプリケーションのために、ウェットワイプのスタックからの単一のワイプの分配及び分離の容易さを促進するウェットワイプの積み重ね構造に関する。
【0018】
したがって、本発明のウェットワイプ積み重ね構造は、分配オリフィスを有する容器に収納された複数のウェットワイプの積み重ね構造であって、前記構造は、第1のワイプ集合体と第2のワイプ集合体とを具備し、前記第1のワイプ集合体の各ワイプと前記第2のワイプ集合体の各ワイプとが交互に配置されて連続的に組み合わされ且つ上下方向に積層され、前記ワイプが前記分配オリフィスを介して前記容器から上方に向けて分配される。前記複数のワイプのそれぞれは基体と液体組成物とを具備し、前記複数のワイプのそれぞれは少なくとも2つの折り目を有しそれによりリーディングエッジパネルと中央パネルとトレーリングエッジパネルとが提供される。前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの少なくとも一部及び前記トレーリングエッジパネルの少なくとも一部が、前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの少なくとも一部と前記中央パネルの少なくとも一部との間に挟み込まれている。前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの少なくとも一部及び前記トレーリングエッジパネルの少なくとも一部が、前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの少なくとも一部と前記中央パネルの少なくとも一部との間に挟み込まれている。前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの長さ及び前記トレーリングエッジパネルの長さは、いずれも、対応する前記中央パネルの長さの50%以下である。前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの長さ及び前記トレーリングエッジパネルの長さは、いずれも、対応する前記中央パネルの長さの50%以下である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明によると、ウェットワイプは、液体組成物をコートされた或いは含浸させられた基体を具備する。その基体は、織られた或いは不織の、フォーム、スポンジ、ボール、パフ、或いはフィルムでもよく、最も好ましくは不織であり、天然または合成繊維或いはそれらの混合物で構成されてもよい。好ましくは、繊維配合物は、ビスコース、綿、或いは亜麻のような親水性繊維材料とポリエチレンテレフタレート(PET)或いはポリプロピレン(PP)のような疎水性繊維材料との、20重量%〜80重量%の親水性と80重量%〜20重量%の疎水性材料の比の混合物である。2つの特に好ましい配合物は、50%ビスコース/50%PP及び50%ビスコース/50%PETである。基体は、好ましくは、少なくとも20gm−2の及び好ましくは150gm−2未満の基本重量を有し、より好ましくは基本重量は20gm−2乃至70gm−2の範囲内であり、最も好ましくは50gm−2乃至65gm−2の範囲内である。基体はどのような厚さ(caliper)を有してもよい。典型的には、基体がハイドロエンタングリング(hydroentangling)プロセスにより作製される場合、基体の平均厚は0.8mm未満である。より好ましくは、基体の平均厚は0.1mm乃至0.4mmである。基体の厚さは、標準EDANA不織工業方法論、参照方法#30.4−89により測定される。基体のバルク密度は、好ましくは1.0g/cm以下であり、好ましくは0.9g/cm以下であり、最も好ましくは0.7g/cm以下である。
【0020】
基体を作製するのに使用される繊維に加え、当技術分野において公知のように、基体はそれに加えられる他の成分或いは材料を有することができる。望まれる添加物のタイプは、検討される基体の最終用途に依存するであろう。例えば、湿ったトイレットペーパ、ペーパタオル、化粧紙、ベビーワイプ、及び他の類似のエアレイド(air laid)製品のようなウェットワイプ製品においては、高い湿潤強度が望まれる特質である。したがって、特にセルロース系の基体については、湿潤紙力増強用樹脂(wet strength resin)のような当技術分野において公知の化学物質を加えることが、しばしば望まれる。
【0021】
紙技術において使用される湿潤紙力増強用樹脂のタイプについての一般的な論文は、TAPPIモノグラフシリーズNo.29,Wet Strength in Paper and Paperboard,Technical As sociation of Pulp and Paper Industry(ニューヨーク,1965)に見出すことができる。湿潤紙力増強用樹脂に加え、スターチバインダのように当技術分野で公知の所定の乾燥強度及びリント(lint)制御添加剤を含むことも望ましい。さらに、基体は、二酸化チタンのような乳白剤のような基体材料の光学的特性を改良する薬剤を含有してもよい。
【0022】
本発明によると、基体は、当技術分野において公知のどのような方法により製造されてもよい。例えば、不織基体は、気相堆積のような乾燥成形技術或いは抄紙機で行われるような湿式堆積により形成され得る。メルトブロー、スパンボンド、ニードルパンチ、及びスパンレース法のような他の不織製造技術もまた使用されてもよい。好ましい方法はハイドロエンタングリングである。
【0023】
本発明によると、ウェットワイプの積み重ね構造が提供され、それはウェットワイプスタックからの単一のワイプの分配及び分離の改良された容易さ並びにそれぞれの次のワイプのリーディングエッジの位置の容易な識別へと帰着する。
【0024】
以下、本発明は図面を参照しながら記載される。図1は、一重に折り重ねられたウェットワイプ1の斜視図を提供している。図2は、容器20中に収容された本発明に係る折り重ねられ挟み込まれたワイプ23のスタックの断面図である。容器20は、桶部21と例えばヒンジ機構により桶部に軸回転可能に接合された蓋22と分配オリフィス24とを含んでいる。その代わりの態様においては、ワイプは積み重ねられ、その後、ホイル或いは貼り合せ高分子フィルムラッパのような不透湿性のラッパ中に包装されて、容器を詰め替えるのに使用される詰め替え包装品を提供し得る。
【0025】
本発明によると、積み重ね構造は、互いに挟み込まれた第1及び第2のワイプ集合体を具備する。図1〜3bを参照すると、それぞれの集合体におけるそれぞれの折り重ねられたワイプ1は、第1のリーディングエンドエッジ2から第2のトレーリングエンドエッジ3まで長さ方向に延びている。また、折り重ねられたウェブは、第1のリーディングエンドエッジ2から第2のトレーリングエンドエッジ3へと縦方向に延びたサイドエッジ4及び5を有している。折り重ねられたそれぞれのワイプ1は少なくとも2つの折り目を有し、それにより3つのパネルを提供している。ここで使用されるように、パネルは、2つの折り目の間或いは折り目とエッジエンドとの間に延びたワイプの部分である。
【0026】
第1パネル折り目6は、一般にはリーディングエンドエッジ2に平行であり且つ一般にはサイドエッジ4,5に垂直である。第1パネル折り目6はリーディングエンドエッジ2から縦方向に離間され、第1パネル折り目6とリーディングエンドエッジ2との間に延びたリーディングエッジパネル9を提供している。第2パネル折り目7は、一般には、第1パネル折り目6に平行であり且つ縦方向に離間されており、それにより、第1パネル折り目6でリーディングエッジパネル9に接合され且つ第1パネル折り目6と第2パネル折り目7との間に延びた中央パネル8を提供している。トレーリングエッジパネル10は、第2パネル折り目7で中央パネル8と接合され、第2パネル折り目7とトレーリングエンドエッジ3との間に延びている。本発明によると、ワイプは、第1及び第2パネル折り目6及び7で折り重ねられ、リーディングエッジパネル、中央パネル、及びトレーリングエッジパネル9,8及び10を提供する。ワイプは、挟み込みに先立って、幾つかの構造へと折り重ねられ得る。これは、図3aで示唆されるように、それぞれのパネルのぞれぞれの表面について明確に実証される。
【0027】
図3aにおいて、それぞれのワイプは、第1の上面リーディングエッジパネル30、第2の下面リーディングエッジパネル31、第1の上面トレーリングエッジパネル32、第2の下面トレーリングエッジパネル33、第1の上面中央パネル34、及び第2の下面中央パネル35を有している。リーディングエッジパネル及びトレーリングエッジパネルは、それぞれ第1パネル折り目及び第2パネル折り目により、パネルが中央パネルの上側面上に或いは中央パネルの下側面上にもたれかかるように提供されてもよい。図1及び3aで例示されるように、リーディングエッジパネル9は中央パネル8の上側面の一部に隣接し且つその上に横たわっており、トレーリングエッジパネルは中央パネル8の下側面に隣接し且つその下に横たわっており、それにより、所謂逆Z形に折り重ねられたワイプを提供している。その代わりに、ワイプはZ形折り重ね構造を提供するように折り重ねられてもよい。さらにその代わりに、それぞれのワイプのリーディングエッジパネル及びトレーリングエッジパネルの双方が、それらが中央パネルの上面の一部に隣接し且つその上に横たわるように折り重ねられてもよい。好ましくは、第1及び第2の集合体のワイプは、互いに鏡像を提供するように折り重ねられる−例えば、第1の集合体のワイプがZ形に折り重ねられ、第2の集合体のワイプが逆Z形に折り重ねられる。
【0028】
さらに、ここで上述したリーディングエッジパネル、中央パネル、及びトレーリングエッジパネルに加え、それぞれのワイプは付加的なパネルを有してもよい。特に、リーディングエッジパネル及び/またはトレーリングエッジパネルが付加的な折り目を提供されて、図3bに示されるようなリーディングエッジパネルリップ或いはトレーリングエッジパネルリップを提供してもよい。そのようなリップは、リーディングエッジパネル或いはトレーリングエッジパネルに、折り重ねられた基体のリーディング或いはトレーリングエッジに隣接し且つ離間されたパネルリップの折り目を提供し、パネルリップの折り目とエンドエッジとの間に延びたリップを提供することにより形成される。パネルリップの折り目は、リーディングエンドエッジがリーディングエッジエンドパネルの下方になるように、リーディングエッジパネルの下面へ折り重ねられてもよい。この構造は、エッジの把持を促進するのに特に有利である。その代わりに、リーディングエッジパネルは、リーディングエンドエッジがリーディングエッジパネルの上面にもたれかかるように折り重ねられてもよい。また、リップは、トレーリングエッジパネルの上側或いは下面上に位置してもよい。リップは、典型的には、リーディング或いはトレーリングエッジから、リーディングエッジパネルリップの折り目或いはトレーリングエッジパネルリップの折り目まで4cm乃至0.1cm、好ましくは2cm乃至0.25cm延びている。
【0029】
本発明によると、基体材料及びそのパネルの全体的な寸法は、ワイプの意図される適用に依存し、それに応じて選択され得る。好ましくは、リーディングエッジパネルと中央パネルとトレーリングエッジパネルとの長さの比は、1:2:1乃至1:5:1であり、最も好ましくはその比は1:3:1である。より好ましくは、第1及び第2のワイプ集合体のワイプのパネルの長さの比は同一であり、最も好ましくは、リーディング及びトレーリングエッジパネルはともにワイプの総長のおよそ4分の1である。ワイプがベビーワイプとして使用されてもよい非制限的な例証的な例においては、それぞれの折り重ねられたワイプ1は、リーディングエンドエッジ2からトレーリングエンドエッジ3まで縦方向に測定した場合に、10cm乃至30cmの折り重ねられていない長さを有し得る。それぞれの折り重ねられたワイプ1について、第1パネル折り目6と第2パネル折り目7との間の間隙は2cm乃至7cmとすることができ、一方、リーディングエッジパネル9及びトレーリングエッジパネル10の長さは2cm乃至7cmとすることができる。好ましい態様において、第1パネル折り目6とリーディングエンドエッジ2との間の間隙は、より好ましくは3cm乃至6cmであり、さらに好ましくは約3cm乃至5cmである、第1パネル折り目6と第2パネル折り目7との間の間隙は、より好ましくは3cm乃至12cmであり、さらに好ましくは約10cm乃至12cmである。第2パネル折り目7とトレーリングエンドエッジとの間の間隙は、より好ましくは3cm乃至6cmであり、さらに好ましくは約3cm乃至5cmである。
【0030】
本発明によると、及び図4a,4b,4c及び4dに例示される態様(図4c、4dは参考例)を参照すると、その積み重ね構造の本質的な特徴は、第1の折り重ねられたワイプ集合体40のそれぞれが第2の折り重ねられたワイプ集合体50のそれぞれに挟み込まれることである。
【0031】
例えば、第1のワイプ集合体のワイプxはZ形に折り重ねられ、第2のワイプ集合体の逆Z形に折り重ねられたワイプxの間に挟み込まれる。同様に、第2のワイプ集合体のワイプxは第1のワイプ集合体のワイプy間にはさみ込まれ、第1のワイプ集合体のワイプyは第2のワイプ集合体のワイプyに挟み込まれる。この方法において、第1の集合体ワイプxで始めると、前記第1のワイプ集合体40のそれぞれの前記中央パネル42xの少なくとも一部及び前記トレーリングエッジパネル43xの少なくとも一部は、前記第2のワイプ集合体50のそれぞれの前記リーディングエッジパネル51xの少なくとも一部と前記中央パネル52xの少なくとも一部との間で、第2のワイプ集合体のワイプxに挟み込まれる。同様に、前記第2のワイプ集合体50のそれぞれの前記中央パネル52xの少なくとも一部及び前記トレーリングエッジパネル53xの少なくとも一部は、前記第1のワイプ集合体40のそれぞれの前記リーディングエッジパネル41yの少なくとも一部と前記中央パネル42yの少なくとも一部の間に挟み込まれる。
【0032】
本発明によると、積み重ね構造の他の本質的な特徴は、第1及び第2の集合体のそれぞれのワイプのパネルの相対的な長さに関係している。したがって、それぞれのワイプ、例えば前記第1のワイプ集合体のワイプxのリーディングエッジパネル或いはトレーリングエッジパネルの長さは、対応する中央パネルの長さの50%以下である。同様に、前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネル或いはトレーリングエッジパネルの長さは、対応する中央パネルの長さの50%以下である。それゆえに、いずれのワイプのリーディングエッジパネルの長さとトレーリングエッジパネルの長さとの和も対応するワイプの中央パネルの長さ以下であれば、第1及び第2のワイプ集合体のそれぞれのリーディング及びトレーリングエッジパネルはどのような長さであってもよい。しかしながら、好ましくはそれぞれの集合体の全てのワイプのパネルの長さは、より好ましくは第1及び第2の双方の集合体における対応するパネルは、実質的に同一の寸法である。
【0033】
ここで上述されるように積み重ねられたウェットワイプは、従来技術により積み重ねられたワイプよりも優れた分配性をもたらす。理論に束縛されることは望まないが、改良された分配は、第1及び第2のワイプ集合体の間の特定の挟み込まれた折り重ね構造とワイプのパネル間の特定の重なり領域との組合わせに関係していることが見出されている。
【0034】
ここで上述した挟み込み構造を用いることにより、挟み込まれたスタックからの最上のワイプ,例えば第1の集合体のワイプxの除去は、第2の集合体の隣接するワイプxのリーディングエッジパネルのスタックからの波立ち(agitati on)を生じさせるであろう。これは、その結果、隣接するワイプのリーディングエッジの位置を顧客が識別するのを促進する。さらに、隣接するワイプ(すなわち、第2のワイプ集合体のワイプx)のリーディングエッジパネルと最上のワイプ(すなわち、第1のワイプ集合体のワイプx)の中央パネル或いはトレーリングエッジパネルとの重なり領域は、第2の集合体のワイプxの基体材料の要求される長さがスタックから持ち上げられ且つ分離されるのを確実にする。隣接するワイプ(第2の集合体のx)の中央パネルと最上のワイプ(第1のワイプのx)のトレーリングエッジパネル或いは中央パネルとの間の重なり領域は、より少なく重要であるように思われる。それゆえに、第1及び第2パネル折り目の位置並びに中央パネルに対するリーディング及びトレーリングエッジパネルの相対的な長さが臨界的に重要である。しかしながら、本発明により提供される改良された分配性は、与えられた仮説に加えて或いはその代わりに他の効果及び相互作用を伴ってもよく、それゆえ、それを当てにすべきではない。
【0035】
さらに、分配性の改良に加えて、本発明の挟み込み構造,特には図4aに例示される態様は、スタック中のそれぞれのワイプの基体材料の大部分が水平面内に位置することを確実にする。これは、スタックが基体材料の稜や溝を生じる傾向を減少させる。その上、その挟み込み構造は、液体組成物がスタックにわたって不均一に分布するようになる傾向をも減少させる。
【0036】
以下に、本発明の更なる詳細が、図4a,4b,4c及び4dのそれぞれの態様(図4c、4dは参考例)を順に参照しながら記載される。
【0037】
図4aは、本発明の最も好ましい積み重ね構造を描いている。その構造は、Z形構造に折り重ねられたワイプの第1の集合体40を具備し、それは、逆Z形折り重ね構造に折り重ねられたワイプの第2の集合体に挟み込まれている。これにより、第1の集合体40のそれぞれのワイプの中央パネル42x(42y)の一部は、第2の集合体50のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネル51x(51y)の一表面の実質的に全てが第1の集合体40の中央パネル42x(42y)の一部と接触するように、第2の集合体50のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネル51x(51y)の一部と接触している。本態様において、前記第1のワイプ集合体40のそれぞれのリーディングエッジパネル41x(41y)及びトレーリングエッジパネル43x(43y)は、ともにその対応する中央パネル42x(42y)の長さの50%以下であり且つ実質的に長さが等しい。同様に、前記ワイプの前記第2の集合体50のそれぞれのリーディングエッジパネル51x(51y)及びトレーリングエッジパネル53x(53y)は、ともにその対応する中央パネル52x(52y)の長さの50%以下であり且つ実質的に長さが等しい。さらに、第1の集合体40のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネル41x(41y)、トレーリングエッジパネル43x(43y)、及び中央パネル42x(42y)の長さは、第2のワイプ集合体50の対応するリーディングエッジパネル51x(51y)、トレーリングエッジパネル53x(53y)、及び中央パネル52x(52y)の長さと実質的に長さが等しい。特に、図4aに描かれた本態様において、前記第1のワイプ集合体のそれぞれ及び前記第2のワイプ集合体のそれぞれのリーディングエッジは、前記ワイプのそれぞれの総長のおよそ4分の1である。
【0038】
図4bに描かれた態様は、それぞれのパネルの長さに関しては図4aの態様と同様である。しかしながら、本態様において、第1及び第2の集合体の双方のワイプは、挟み込みに先立って、ワイプのリーディングエッジパネル及びトレーリングエッジパネルが対応するワイプの中央パネルの上側表面に隣接するように折り重ねられる。それゆえに、本発明にしたがって折り込んだ後、第1の集合体40のそれぞれのワイプの中央パネル42x(42y)の一部は第2の集合体50のそれぞれのワイプの中央パネル52x(52y)の一部と接触し、第2の集合体のワイプのトレーリングエッジパネル53x(53y)の一部は第1の集合体40のワイプのリーディングエッジパネル41yと接触している。同様に、第2の集合体のそれぞれのワイプのトレーリングエッジパネル53xの一部は第1の集合体のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネル41yの一部と接触し、第2の集合体のそれぞれのワイプの中央パネル52xの一部は第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの中央パネル42yの一部と接触している。
【0039】
図4c及び4dに係る態様は本発明の参考例に関するものであり、第1の集合体40のワイプがZ形構造に折り重ねられ、逆Z形に折り重ねられたワイプの第2の集合体50に挟み込まれた積み重ね構造を示している。しかしながら、これら態様において、それぞれの集合体のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネルとトレーリングエッジパネルとの長さは等しくはない。図4cに描かれる態様において、第1及び第2の集合体の双方のワイプのトレーリングエッジパネルの長さは、中央パネルの長さの50%を超えており、実際には、第1及び第2の集合体の双方のそれぞれのワイプの中央パネルの長さの約60%である。その結果、第1及び第2の集合体の双方のそれぞれのワイプのリーディングエッジパネルの長さは、中央パネルの長さの50%未満であり、約30%である。図4dに描かれる態様において、第1及び第2の集合体の双方のワイプのリーディングエッジパネルの長さは、中央パネルの長さの50%を超えており、第1及び第2の集合体の双方のそれぞれのワイプの中央パネルの長さの約60%である。同様に、それぞれのワイプのトレーリングエッジパネルの長さは、中央パネルの長さの50%未満であり、約30%である。
【0040】
本発明に係る特に好ましい態様において、例えば図4aに描かれるように、第1の集合体のそれぞれのワイプの第2パネル折り目45xは、第2のワイプ集合体の隣接するそれぞれのワイプの第1パネル折り目54xと直接接触すべきではない。同様に、第2の集合体のそれぞれのワイプの第2パネル折り目55xは、第1の集合体の隣接するワイプの第1パネル折り目44yと直接接触すべきではない。好ましくは、折り目線の間に、少なくとも1mm、好ましくは1mm乃至5mm、最も好ましくは1mm乃至3mmの距離があるべきである。これは、2つの隣接するワイプ(第1及び第2の集合体のx)の2つの隣接する折り目の間の接触は、最上のワイプが隣接するワイプから分離される能力を妨げ、隣接するワイプの基体材料を過剰に多くスタックから分離させるということが信じられているからである。
【0041】
本発明に係る他の好ましい態様においては、リーディングエッジ或いはパネルに視覚的な及び/または触覚的なインジケータを提供することも好ましい。そのようなインジケータは、顧客がリーディングエッジの位置を突き止めるのをさらに援助する。視覚的なインジケータは、例えば、エッジの近傍のリーディングエッジパネルの表面に印刷された着色されたストリップ或いはバンドの形態で提供されてもよい。
【0042】
エッジインジケータを提供する特に好ましい手段は、正弦波の繰返し或いはジグザクパターンの繰返しのような非直線エッジの使用によるものである。そのような非直線パターンは、エッジの長さに沿って連続して或いは不連続に部分的に延びてもよく、より好ましくは実質的にワイプのエッジの長さ全体に沿って延びてもよい。そのようなエッジの措置は、視覚的及び触覚的なエッジの位置のインジケータを提供する。そのような機構はワイプの分配の容易さをさらに促進する。
【0043】
本発明によると、基体材料は、典型的には液体組成物で含浸させられるか或いはコートされる。本発明の利益は、その積み重ね構造が、分配メカニズムに甚大な影響を与えることなく様々な組成物が基体材料とともに使用されるのを可能とすることである。これは、組成物の性質が多様になるのを可能とするのに有用であるだけでなく、スタック全体にわたる組成物の添加が、組成物がスタックの底部に沈降するのを抑制するために多様になることも可能とする。本発明によると、液体組成物という用語は、ワイプが表面と接触しているときに液体の形態であるどのような組成物をも意味する。典型的には、その組成物は、水性、アルコール系、或いは油中水系や水中油系や複合エマルジョンのようなエマルジョンでもよく、好ましくはエマルジョンは水中油系エマルジョンである。そのエマルジョンは、例えば皮膚を拭くことによるような最低限の圧力の印加により破壊されうる液相を具備してもよい。典型的には、その組成物は、2重量%乃至50重量%の前記組成物の活性種と50重量%乃至98重量%の水とを含有し、その水は好ましくは脱イオン化或いは蒸留されている。活性成分のうち、好ましくは2%乃至20%が油相に存在し、残りが水性相に存在する。
【0044】
本発明によると、ウェットワイプは、その組成物の1重量%乃至20重量%の、好ましくは2重量%乃至10重量%の範囲で油相を含有するエマルジョン組成物を提供される。有利には、油性相は、植物或いは動物油からのような天然資源から得られるか、或いは合成のまたはそれらの混合物でもよい。ここで使用される好適な植物及び動物油は、蜜蝋、ラノリン、カンデリラなどのワックスと、カプリル及びカプリントリグリセリドとオクチルパルミタートのようなグリセリンエステル及びグリセリンエーテル、脂肪酸アルコール、脂肪酸エステル、及び脂肪酸エーテルなどのオイルとを含む。好適な鉱油は、パラフィン及び石油ゼリーのような鉱油系のオイルを含む。ここで使用される合成油は、例えば、ポリエチレンワックスやシリコーン系オイルのようなエチレン系ポリマーを含む。好適なシリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサンと、揮発性シクロメチコーン(methicones)と、ジメチコノール(dimethiconols)と、シロキシシリケートと、シロキサンのアミノ−及びフェニル誘導体と、それらの混合物とを含む。例は、ジメチコーン(Dow Corning 200 Fluids)、シクロメチコーン及びジメチコーン(Dow Corning 1401 Fluid)、セチルジメチコーン(Dow Corning 2502 Fluid)、ジメチコーン及びトリメチルシロキシシリケート(Dow Corning 593 Fluid)、シクロメチコーン(Dow Corning 244,245, 344,或いは345 Fluid)、フェニルトリメチコーン(Dow Co rning 556 Fluid)、或いはそれらの組合わせを含む。
【0045】
水中油系エマルジョンは、典型的には、乳化剤を必要とする。本発明において使用されてもよい乳化剤は、好ましくは、主に水中油系エマルジョンの一次乳化が可能である。乳化剤は、組成物の0.02重量%乃至5.0重量%、好ましくは0.02重量%乃至3.0重量%の範囲で存在する。
【0046】
好ましい態様において、乳化剤は、C10〜C30のアルキルアクリレートと、アクリル酸、メチルアクリル酸、或いはサッカロースのアリルエーテル或いはペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋したそれらの単純エステルの1つの或いはそれより多くのモノマーとのコポリマーのような高分子タイプの乳化剤である。本発明において有用な乳化剤は、Ceteareth-12、Ceteareth-20、或いはPemulen TR1及びTR2を含み、それらは米国のB.F.Goodrich社から市販されている。しかしながら、エトキシ化脂肪族アルコール、脂肪酸のグリセリンエステル、石鹸、砂糖誘導物質(sugar derived agents)のような他の公知の乳化剤もここでの使用に適している。他の有用な乳化剤は、EP−A−328 355に詳細に開示されているものを含む。
【0047】
本発明によると、その組成物は、安定化剤或いは防腐剤を含有してもよい。ここでの使用に適した安定化剤は、好ましくは0.1乃至1.0%の範囲で存在するフェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン(paraben)、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、塩化ベンザルコニウム、及びエチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAという)のニナトリウム塩或いは他のEDTA塩(Sequestrene)を含む。Sequestreneは、一般にはエチレンジアミン四酢酸及び塩の系列の錯化剤及び金属錯体である。安定化剤の総量は、組成物の0.1重量%乃至4.0重量%の範囲内であるべきである。
【0048】
本発明の組成物は、前記組成物の0.02重量%乃至5.0重量%の皮膚軟化剤或いは保湿剤(moisturiser)をさらに含有してもよい。好ましくは、皮膚軟化剤は水溶性であり、プロピレングリコール、グリセリン、及び水溶性ラノリン誘導体のような多価アルコールを含む。
【0049】
さらに、本発明において使用されてもよい任意の成分は、抗カビ剤、抗菌剤、皮膚保護剤、油性クレンジング剤、好ましくはノニオン性の或いは両性の水溶性界面活性剤或いは洗剤、pH調整剤、香料(perfume)、及びフレグランス等を含む。
【0050】
エマルジョンがウェットワイプに良好なクリーニング性能を提供するためには、導出される粘度は500mPas未満であり、好ましくは300から100mPasを超える範囲内であり、最も好ましくは180乃至120mPasの範囲内である。
【0051】
本発明に係るウェットワイプ製品を準備するに当たり、その組成物は基体材料の少なくとも1つの表面に塗布される。その組成物は、ウェットワイプの製造の間のいつでも塗布され得る。好ましくは、その組成物は、基体が乾燥された後に基体に塗布され得る。溶融或いは液体粘稠度(consistency)を有するぬるぬるした材料を均一に分布させるどのような塗布方法も使用され得る。好適な方法は、噴霧、印刷(例えば、フレキソ印刷)、コーティング(例えば、グラビアコーティング或いは流し塗り)、基体がチューブを横切る間に組成物をチューブを通らせて基体と接触させる押出し(extrusion)、或いはこれら塗布技術の組合わせを含む。例えば、カレンダロールのような回転する表面上への組成物の噴霧は、その後、組成物を基体の表面に転写する。組成物は、基体の一表面に或いは両表面に、好ましくは両表面に塗布され得る。好ましい塗布方法は押出しコーティングである。
【0052】
その組成物は、基体の表面に不均一に塗布され得る。不均一は、例えば、組成物の量や分布のパターンが基体の表面にわたり変化し得ることを意味する。例えば、基体の表面のどこかは、より多い或いはより少ない量の組成物を有することができ、どのような組成物も有していない表面部分も含む。その組成物は、典型的には基体1グラム当り約0.5g乃至10g、好ましくは基体1グラム当り1.0g乃至5g、最も好ましくは乾燥した基体1g当り2g乃至4gの量で塗布される。
【0053】
好ましくは、その組成物は基体にそれが乾燥された後のどのような時点でも塗布され得る。例えば、その組成物は、カレンダ加工の前、或いはカレンダ加工の後であり且つペアレントロール上に巻き上げられる前に塗布され得る。典型的には、塗布は、製造されることが意図されるワイプの実質的な数に等しい幅を有するロールから巻き出された基体について実行されるであろう。その組成物を塗布された基体は、その後、順次切断されて個々のワイプを製造する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Z形に折り重ねられたウェットワイプの斜視図を示す。
【図2】図2は、分配容器中で折り重ねられ且つ挟み込まれたウェットワイプのスタックを概略的に示す断面図である。
【図3a】図3aは、リーディングエッジパネル2、中央パネル4、及びトレーリングエッジパネル3を有するZ形構造の折り重ねられたワイプを示す図1のX−X線に沿った断面図である。
【図3b】図3bは、リーディングエッジパネルにリップ36を有する折り重ねられたワイプの断面図である。
【図4a】図4aは、本発明に係るウェットワイプの折り重ね及びはさみ込み構造の1つの態様を示す断面図である。
【図4b】図4bは、本発明に係るウェットワイプの折り重ね及びはさみ込み構造の1つの態様を示す断面図である。
【図4c】図4cは、本発明の参考例に係るウェットワイプの折り重ね及びはさみ込み構造の1つの態様を示す断面図である。
【図4d】図4dは、本発明の参考例に係るウェットワイプの折り重ね及びはさみ込み構造の1つの態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ウェットワイプ
6 第1パネル折り目
7 第2パネル折り目
8 中央パネル
9 リーディングエッジパネル
10 トレーリングエッジパネル
20 容器
24 分配オリフィス
40 第1のワイプ集合体
50 第2のワイプ集合体
41x、41y 第1ワイプ集合体のワイプのリーディングエッジパネル
42x、42y 第1ワイプ集合体のワイプの中央パネル
43x、43y 第1ワイプ集合体のワイプのトレーリングエッジパネル
51x、51y 第2ワイプ集合体のワイプのリーディングエッジパネル
52x、52y 第2ワイプ集合体のワイプの中央パネル
53x、53y 第2ワイプ集合体のワイプのトレーリングエッジパネル
44y 第1ワイプ集合体のワイプの第1パネル折り目
45x 第1ワイプ集合体のワイプの第2パネル折り目
54x 第2ワイプ集合体のワイプの第1パネル折り目
55x 第2ワイプ集合体のワイプの第2パネル折り目

Claims (12)

  1. 分配オリフィスを有する容器に収納された複数のウェットワイプの積み重ね構造であって、前記構造は、第1のワイプ集合体と第2のワイプ集合体とを具備し、前記第1のワイプ集合体の各ワイプと前記第2のワイプ集合体の各ワイプとが交互に配置されて連続的に組み合わされ且つ上下方向に積層され、前記ワイプが前記分配オリフィスを介して前記容器から上方に向けて分配され、
    前記複数のワイプのそれぞれは基体と液体組成物とを具備し、前記複数のワイプのそれぞれは少なくとも2つの折り目を有しそれによりリーディングエッジパネルと中央パネルとトレーリングエッジパネルとが提供され、
    前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの少なくとも一部及び前記トレーリングエッジパネルの少なくとも一部が、前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの少なくとも一部と前記中央パネルの少なくとも一部との間に挟み込まれ、
    前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの少なくとも一部及び前記トレーリングエッジパネルの少なくとも一部が、前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの少なくとも一部と前記中央パネルの少なくとも一部との間に挟み込まれ、
    前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの長さ及び前記トレーリングエッジパネルの長さは、いずれも、対応する前記中央パネルの長さの50%以下であり、
    前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの長さ及び前記トレーリングエッジパネルの長さは、いずれも、対応する前記中央パネルの長さの50%以下である積み重ね構造。
  2. 前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの長さと前記トレーリングエッジパネルの長さとは実質的に等しい長さであり、
    前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルの長さと前記トレーリングエッジパネルの長さとは実質的に等しい長さである請求項1記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  3. 前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルは前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルと実質的に長さが等しい請求項1又は2に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  4. 各ワイプにおける前記リーディングエッジパネルの長さと前記中央パネルの長さと前記トレーリングエッジパネルの長さとの比は、1:2:1乃至1:5:1の比である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  5. 前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプ及び前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルは前記複数のワイプのそれぞれの総長のおよそ4分の1である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  6. 前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルは上側面及び下側面を有し、前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネルは前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの前記上側面の一部に隣接してその上に横たわっており、前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記トレーリングエッジパネルは前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの前記下側面の一部に隣接してその下に横たわっている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のウェットワイプの積み重ね構造。
  7. 前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプはZ形構造に折り重ねられ、前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプは逆Z形構造に折り重ねられた請求項1乃至6のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  8. 前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルは上側面及び下側面を有し、前記第2のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記リーディングエッジパネル及び前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記トレーリングエッジパネルは前記第1のワイプ集合体のそれぞれのワイプの前記中央パネルの前記上側面の一部に隣接してその上に横たわっている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のウェットワイプの積み重ね構造。
  9. 前記基体は不織である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  10. 前記基体はポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、又はそれらの混合物から選ばれた疎水性の繊維を具備する請求項1乃至9のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  11. 前記基体は綿、ビスコース、亜麻、又はそれらの混合物から選ばれた親水性の繊維を具備する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
  12. 前記液体組成物は水中油系エマルジョンであり、前記ウェットワイプは前記基体の乾燥重量1グラム当り0.5g乃至10gの前記エマルジョンを具備する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の複数のウェットワイプの積み重ね構造。
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