JP4405055B2 - 壁面板取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、硬質木片板などの無機質板状体、コンクリート板、無機質発泡体(例えば、軽量気泡コンクリート板、ALC板、発泡ガラス板)などの壁面板を建物に取り付けた壁面板取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
無機質板状体、コンクリート板、無機質発泡体などの壁面板を建物に取付けた壁面板取付け構造としては、例えば、特開昭61−5142号公報には、フレームの壁面板固定面に複数の係止爪を設け、この複数の係止爪によって壁面板の外周部にフレームを固定して壁パネルを構成し、このフレームを天井梁と床梁の間に立設される間柱に固定した構成の壁面板取付け構造が知られている。
【0003】
ところで、前記の壁面板取付け構造では、無機質板状体、コンクリート板、無機質発泡体などの壁面板に係止爪が打ち込まれてフレームが係止され、このフレームは天井梁と床梁の間に立設された間柱にリベットによって一体に固定されているが、この間柱の上下端は溶接、リベット打ちなどによって建物構造体の天井梁と床梁に剛接合されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、間柱は建物構造体の天井梁と床梁に剛接合され、この間柱に係止爪を有するフレームがリベットによって一体に固定されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合には、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に直接伝わり、この揺れ振動はフレームに伝わって係止爪が大きく振動する。
このため、係止爪が打ち込まれた壁面板の周辺部はこの揺れ振動によって亀裂が生じ、壁面板が損傷するおそれがあった。
【0005】
この発明は、上記の点に鑑み、大地震などによる大きな揺れ振動によっても、無機質板状体、コンクリート板、無機質発泡体などの壁面板に亀裂などの損傷が生じない、壁面板取付け構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の壁面板取付け構造は、天井梁と床梁との間に立設された間柱に壁面板が固定された壁面板取付け構造であって、前記間柱は、その上下端が曲折されて形成された取付片が天井梁と床梁に固定され、この間柱の取付片と間柱との曲折部が、前記取付片及び間柱本体よりも幅狭で変形し易くされていることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の発明の壁面板取付け構造は、天井梁と床梁との間に立設された間柱に壁面板が固定された壁面板取付け構造であって、前記間柱にはリベット挿通孔が形成され、間柱に形成されたリベット挿通孔の近傍にはリベット挿通孔を囲む馬蹄形状に切欠されたスリットが形成され、前記壁面板と間柱とはリベット挿通孔に挿通されたリベットにより固定されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の発明の壁面板取付け構造は、前記間柱には中央部の長手方向にスリットが形成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の発明の壁面板取付け構造は、天井梁と床梁との間に立設された間柱に壁面板が固定された壁面板取付け構造であって、前記間柱は中央部の長手方向に切り欠かれて分割され、この分割された間柱は相接して天井梁と床梁との間に立設されていることを特徴としている。
【0011】
(作用)請求項1記載の壁面板取付け構造においては、間柱は、その上下端が曲折されて形成された取付片が天井梁と床梁に固定され、この間柱の取付片と間柱との曲折部が間柱本体よりも変形し易くされているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わる際、間柱の取付片と間柱との曲折部が変形し、この曲折部において揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがない。
【0012】
請求項2記載の壁面板取付け構造においては、間柱に形成されたリベット挿通孔の近傍にはリベット挿通孔を囲む馬蹄形状に切欠されたスリットが形成され、前記壁面板と間柱とはリベット挿通孔に挿通されたリベットにより固定されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わっても、間柱のリベット挿通孔の近傍のスリットに囲まれた部分が変形し、この部分において揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがない。
【0013】
請求項3記載の壁面板取付け構造においては、間柱には中央部の長手方向にスリットが形成されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わっても、間柱は上記スリットによって変形し易くなり、この部分において揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがない。
【0014】
請求項4記載の壁面板取付け構造においては、間柱は中央部の長手方向に切り欠かれて分割され、この分割された間柱は相接して天井梁と床梁との間に立設されているので、それぞれの間柱は従来の間柱よりほぼ半分の幅となって変形し易くなり、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わっても、間柱が変形して揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の実施の形態について図1の実施例を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第1実施例を示すものであって、(イ)は壁面板の取付け状態を示す斜視図、(ロ)は(イ)のA部の横断面図、(ハ)は(イ)のB部の縦断面図、(ニ)は間柱の上端部の斜視図である。
図1において、1は天井梁、2は床梁、3は間柱、4は壁面板、6はネイルプレート、7はリベットである。
【0019】
天井梁1と床梁2は、図示していない建物構造体を構成するものであって、この建物構造体としては、例えば、特公昭58−37462号公報に記載されているような柱と梁からほぼ箱形に形成された建物ユニットがあげられ、建物構造体は基礎5などの下部構造体上に配設されている。
【0020】
間柱3はコ字状形鋼からなり、その上端は、曲折されて天井梁1への取付片31が形成されている。その曲折部32の幅W2 は、間柱本体のウェブ幅W1 が約90mmであるのに対して約50mmとほぼ半分の幅とされて変形し易いものとされている。なお、従来は曲折部の幅は約70mmである。
そして、取付片31はそこに穿設された取付孔33に図示していないリベットで天井梁1に固定されている。なお、34はリベット挿通孔である。
【0021】
図示していないが、間柱3の下端も、上端と同様、曲折されて床梁2への取付片が形成され、その曲折部の幅も、間柱本体の幅よりほぼ半分の幅とされて変形し易いものとされている。そして、取付片には床梁2への取付孔が形成されていてリベットで床梁2に固定されている。
【0022】
壁面板4は、硬質木片板などの無機質板状体、コンクリート板、無機質発泡体(例えば、軽量気泡コンクリート板、ALC板、発泡ガラス板)などからなり、天井梁1と床梁2との間に立設された間柱3に、片面に複数の係止爪61を備えたネイルプレート6を介して固定されている。
【0023】
すなわち、ネイルプレート6の片面に設けられた複数の係止爪61が壁面板4に打ち込まれることによって、ネイルプレート6を壁面板4に係止するとともに、このネイルプレート6をリベット挿通孔34に挿通したリベット7によって間柱3に固定している。
【0024】
前記した請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第1実施例においては、間柱3の上端の取付片31は、その曲折部32の幅W2 が間柱本体の幅W1 のほぼ半分の幅とされて変形し易いものとされている。また、図示していないが、間柱3の下端の取付片も、上記取付片31と同様、間柱本体のウェブの幅よりほぼ半分の幅とされて変形し易いものとされているから、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁1と床梁2から間柱3に伝わる際、曲折部32が変形して揺れ変動の応力が分散される。
【0025】
したがって、壁面板4にまでに伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、ネイルプレート6の係止爪61が打ち込まれた壁面板4の周辺部には亀裂が生ぜず、壁面板4が損傷するおそれがないものとなっている。
すなわち、層間変形試験の結果、従来の間柱(肉厚2.3mm、ウェブ幅90mm、取付片の屈曲部幅70mm)を使用した場合、変形量(a/H)が1/80のときヘアークラックが生じたのに対し、この第1実施例においては、変形量(a/H)が1/40のときヘアークラックが生じた。
【0026】
続いて、請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第2実施例を図2を参照して説明する。
図2は請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第3実施例において用いられる間柱の上端部の斜視図である。
【0027】
間柱3aはコ字状形鋼からなり、その上端は、スリット35が入れられて二分されて曲折され、二つの取付片31aが形成されている。それぞれの曲折部32aの幅W3 は、間柱本体のウェブ幅W1 が約90mmであるに対してそれぞれ約30mmと狭いものとされて変形し易いものとされている。なお、34aはリベット挿通孔である。
【0028】
図示していないが、間柱3aの下端も、上端と同様、スリットが入れられて二分されて曲折され、二つの取付片が形成されており、それぞれの曲折部の幅は、間柱本体のウェブ幅が約90mmであるに対してそれぞれ約30mmと狭いものとされて変形し易いものとされている。
【0029】
そして、二つに分割された取付片31aはそこに穿設された取付孔33aに図示していないリベットで天井梁に固定され、壁面板が片面に複数の係止爪を備えたネイルプレートを介して固定され、下端の図示していない二つの分割された取付片はそこに穿設された取付孔に図示していないリベットで床梁に固定されて間柱3aが立設され、この間柱3aに、壁面板が片面に複数の係止爪を備えたネイルプレートを介して固定されることは、前記した第1実施例と同じであるので説明を省略する。
【0030】
この第2実施例においては、取付片31aは二つに分割されて曲折部が変形し易いものとなっているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3aに伝わる際、曲折部32aが変形して揺れ変動の応力が分散され、壁面板にまでに伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、損傷するおそれがないものとなっている。
【0031】
すなわち、層間変形試験の結果、従来の間柱(肉厚2.3mm、ウェブ幅90mm、取付片の屈曲部幅70mm)を使用した場合、変形量(a/H)が1/80のときヘアークラックが生じたのに対し、この第2実施例においては、変形量(a/H)が1/40のときでもヘアークラックが生じなかった。
【0032】
続いて、請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第3実施例を図3を参照して説明する。
図3は請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第3実施例において用いられる間柱の上端部の斜視図である。
【0033】
間柱3bはコ字状形鋼からなり、その上端は曲折されて取付片31bが形成されている。その曲折部32bの幅W4 は、間柱本体のウェブ幅W1 約90mmに近接しているが、その部分の厚さが従来の厚さ2.3mmよりも薄い1.6mmとされて変形し易いものとされている。なお、34bはリベット挿通孔である。
【0034】
図示していないが、間柱3bの下端も、上端と同様、曲折されて取付片が形成されている。その曲折部の厚さが従来の厚さ2.3mmよりも薄い1.6mmとされて変形し易いものとされている。
【0035】
そして、上端の取付片31bはそこに穿設された取付孔33bに図示していないリベットで天井梁に固定され、壁面板が片面に複数の係止爪を備えたネイルプレートを介して固定され、下端の図示していない取付片も、そこに穿設された取付孔に図示していないリベットで床梁に固定されて間柱3bが立設され、この間柱3bに、壁面板が片面に複数の係止爪を備えたネイルプレートを介して固定されることは、前記した第1実施例と同じであるので説明を省略する。
【0036】
この第3実施例においては、間柱3bの上下の曲折部32bが薄くて変形し易いものとなっているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3bに伝わる際、曲折部32bが変形して揺れ変動の応力が分散され、壁面板にまでに伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、損傷するおそれがないものとなっている。
【0037】
すなわち、層間変形試験の結果、従来の間柱(肉厚2.3mm、ウェブ幅90mm、取付片の屈曲部幅70mm)を使用した場合、変形量(a/H)が1/80のときヘアークラックが生じたのに対し、この第3実施例においては、変形量(a/H)が1/60のときにヘアークラックが生じた。
【0038】
次に、請求項2記載の発明の壁面板取付け構造の実施の形態について図4の実施例を参照しながら説明する。
【0039】
図4は、請求項2記載の発明の壁面板取付け構造の実施例を示すものであって、(イ)はこの発明の壁面板取付け構造において用いられる間柱の部分斜視図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。
図4において、3cは間柱、35は馬蹄形状に切欠されたスリット、4cは壁面板、6cはネイルプレート、7cはリベットである。
【0040】
間柱3cはコ字状形鋼からなり、そのウェブ部分にリベット挿通孔34cが形成されている。このリベット挿通孔34cの近傍にはリベット挿通孔34cを囲む馬蹄形状に切欠されたスリット35が形成されている。
図示していないが間柱3cの上下端は曲折されて取付片が形成され、この取付片が溶接やリベット打ちなどによって天井梁と床梁に取り付けられている。なお、この取付片の曲折部は従来通りの幅や厚さであるが、前記の図1〜図3に記載したとおり幅狭のもの、薄肉のものであってもよい。
【0041】
そして、間柱3cのリベット挿通孔34cにリベット7cを挿通し、壁面板4cに複数の係止爪61cを打ち込んだネイルプレート6cを固定することによって、壁面板4cを間柱4cに固定することは、前記した第1実施例と同じである。
【0042】
この請求項2記載の発明の壁面板取付け構造の実施例においては、リベット挿通孔34cの近傍にはリベット挿通孔34cを囲む馬蹄形状に切欠されたスリット35が形成されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3cに伝わる際、馬蹄形状に切欠されたスリット35に囲まれた部分が変形して揺れ変動の応力が分散され、壁面板4cにまでに伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板4cには亀裂が生ぜず、損傷するおそれがないものとなっている。
【0043】
すなわち、層間変形試験の結果、従来の間柱(肉厚2.3mm、ウェブ幅90mm、取付片の屈曲部幅70mm)を使用した場合、変形量(a/H)が1/80のときヘアークラックが生じたのに対し、この実施例においては、変形量(a/H)が1/40のときにヘアークラックが生じた。
【0044】
次に、請求項3記載の発明の壁面板取付け構造の実施の形態について図5の実施例を参照しながら説明する。
【0045】
図5は、請求項3記載の発明の壁面板取付け構造の実施例を示すものであって、(イ)はこの発明の壁面板取付け構造において用いられる間柱の正面図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。
図5において、3dは間柱、36は長手方向のスリット、4dは壁面板、6dはネイルプレート、7dはリベットである。
【0046】
間柱3dはコ字状形鋼からなり、そのウェブ部分の中央部に長手方向のスリット36が形成されている。このスリット36の長さや間隔は適宜決定される。間柱3cの上下端はそれぞれ曲折されて取付片31dが形成されている。この取付片31dは、図示していないが、溶接やリベット打ちなどによって天井梁と床梁に取り付けられている。なお、この取付片31dの曲折部は、幅を前記の図1〜図3に記載したような幅狭のものにする。
【0047】
そして、間柱3dのリベット挿通孔34dにリベット7dを挿通し、壁面板4dに複数の係止爪61dを打ち込んだネイルプレート6dを固定することによって、壁面板4dを間柱4dに固定していることは、前記した第1実施例と同じである。
【0048】
この請求項3記載の発明の壁面板取付け構造の実施例においては、間柱3dのウェブ部分の中央部に長手方向のスリット36が形成されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3dに伝わる際、間柱3dのウェブ部分の中央部分が変形して揺れ変動の応力が分散され、壁面板4dにまでに伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板4dには亀裂が生ぜず、損傷するおそれがないものとなっている。
【0049】
次に、請求項4記載の発明の壁面板取付け構造の実施の形態について図6の実施例を参照しながら説明する。
【0050】
図6は、請求項4記載の発明の壁面板取付け構造の実施例を示すものであって、(イ)はこの発明の壁面板取付け構造において用いられる間柱の正面図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。図6において、3eは間柱、37は間柱を長手方向に切り欠いて分割した分割線、4eは壁面板、6eはネイルプレート、7eはリベット、8はボルト・ナットである。
【0051】
間柱3eはコ字状形鋼のウェブ部分の中央部を長手方向に長手方向に切欠37した左右対象の二本のL字状形鋼からなっており、ボルト・ナット8で互いに連結されている。この間柱3eのそれぞれの上下端はそれぞれ曲折されて取付片31eが形成されている。この取付片31eは、図示していないが、溶接やリベット打ちなどによって天井梁と床梁に取り付けられている。
【0052】
そして、間柱3eのリベット挿通孔34eにリベット7eを挿通し、壁面板4eに複数の係止爪61eを打ち込んだネイルプレート6eを固定することによって、壁面板4eを間柱3eに固定していることは、前記した第1実施例と同じである。
【0053】
この請求項4記載の発明の壁面板取付け構造の実施例においては、間柱3eは従来の間柱のウェブ部分の中央部を長手方向に分割37したウェブ幅の狭いものからなっているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3eに伝わる際、間柱3eが変形して揺れ変動の応力が分散され、壁面板4eにまでに伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板4eには亀裂が生ぜず、損傷するおそれがないものとなっている。
【0054】
すなわち、層間変形試験の結果、従来の間柱(肉厚2.3mm、ウェブ幅90mm、取付片の屈曲部幅70mm)を使用した場合、変形量(a/H)が1/80のときヘアークラックが生じたのに対し、この実施例においては、変形量(a/H)が1/40のときでもヘアークラックが生じなかった。
【0055】
次に、壁面板取付け構造について図7の参考例を参照しながら説明する。
【0056】
図7は、壁面板取付け構造の参考例を示すものであって、(イ)はこの壁面板取付け構造において用いられる間柱の正面図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。図7において、3fは間柱、4fは壁面板、6fはネイルプレート、7fはリベットである。
【0057】
間柱3fはコ字状形鋼からなっており、この間柱3fのそれぞれの上下端はそれぞれ曲折されて取付片31fが形成されている。この取付片31fは、図示していないが、溶接やリベット打ちなどによって天井梁と床梁に取り付けられている。
【0058】
この間柱3fのウェブ部分の両サイドに長手方向に沿って一個のリベット挿通孔34fと複数個の長孔状のリベット挿通孔34gが形成されている。上記リベット挿通孔34fは、挿通されるリベット7fと実質的に遊びがない大きさとされ、他方の複数個のリベット挿通孔34gは長孔とされ、リベット7fが遊びのある状態で挿通される大きさとされている。
【0059】
そして、間柱3fのリベット挿通孔34f、34gにリベット7fを挿通し、壁面板4fに複数の係止爪61fを打ち込んだネイルプレート6fを固定することによって、壁面板4fを間柱4fに固定していることは、前記した第1実施例と同じである。
【0060】
この壁面板取付け構造の参考例においては、間柱3fには、挿通されるリベット7fと実質的に遊びがない大きさのリベット挿通孔34fと、リベット7fが遊びのある状態で挿通される大きさの長孔状の複数個のリベット挿通孔34gが形成されているので、リベット挿通孔34fに挿通されるリベット7fによって壁面板の取付け位置が定められ、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、その揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3fに伝わっても、他のリベット挿通孔34gに挿通されたリベット7fは遊びがあるために、ここで壁面板4fにまで伝わる揺れ変動の応力は分散されて小さいものとなり、壁面板4fには亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがないものとなっている。
【0061】
すなわち、層間変形試験の結果、従来の間柱(肉厚2.3mm、ウェブ幅90mm、取付片の屈曲部幅70mm)を使用した場合、変形量(a/H)が1/80以上ではヘアークラックが生じたのに対し、この実施例においては、変形量(a/H)が1/40のときでもヘアークラックが生じなかった。
【0062】
図8は、壁面板取付け構造の参考例を示すものであって、(イ)はこの壁面板取付け構造を示す横断面図、(ロ)は(イ)の部分拡大横断面図、(ハ)はネイルプレートを壁面板に取り付けた状態を示す部分説明図である。図8において、3gは間柱、4gは壁面板、6gはネイルプレート、7gはリベットである。
【0063】
間柱3gはコ字状形鋼からなっており、この間柱3gのそれぞれの上下端はそれぞれ曲折されて取付片(図示せず)が形成されている。この取付片31は図示していないが、溶接やリベット打ちなどによって天井梁と床梁に取り付けられている。そして、間柱3gのウェブ部分の両サイドに長手方向に沿って複数個のリベット挿通孔34hが形成されている。
【0064】
ネイルプレート6gには、片面に複数の係止爪61gと、リベット挿通孔62gが形成されている。このリベット挿通孔62gは、図8(ハ)に示すように、長孔状とされることによって、挿通されるリベット7gとは遊びが生ずる大きさとされている。
【0065】
上記係止爪61gを壁面板4gの裏面の所定箇所に打ち込んで(一般的には裏面の周縁部に間隔をおいて打ち込む)、ネイルプレート6gを壁面板4gに固定するとともに、リベット7gを間柱3fのリベット挿通孔34hとネイルプレート6fのリベット挿通孔62gに挿通して壁面板4fを間柱4fに固定している。
【0066】
なお、9は、間柱3gとネイルプレート6gとの間に介在されるポリエチレン発泡シート等の合成樹脂発泡シートである。また、10は、ネイルプレート6gの裏面の壁面板4gに形成した凹陥部に埋設したポリスチレン発泡体等の合成樹脂発泡体であり、この合成樹脂発泡体10中にリベット7gの先端部が挿入されて係止される。
【0067】
この壁面板取付け構造の参考例においては、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱3gに伝わっても、その揺れ変動の応力変化は、リベット7gがネイルプレート6gのリベット挿通孔62gに遊びがある状態で挿通されていることによって緩和されるので、固定されているネイルプレート6gの周辺の壁面板4gにも亀裂が生ぜず、壁面板4gが損傷するおそれがなく、また、ネイルプレート6gが壁面板4gから剥離するおそれがないものとなっている。
【0068】
すなわち、層間変形試験の結果、実質的にリベットと遊びのない従来の丸孔状のリベット挿通孔のネイルプレートを使用した場合、変形量(a/H)が1/80以上ではヘアークラックが生じたのに対し、この実施例においては、変形量(a/H)が1/40のときでもヘアークラックやリベット7gの浮き上がり減少が生じなかった。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の壁面板取付け構造においては、間柱の取付片と間柱との曲折部が間柱本体よりも変形し易くされているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わる際、間柱の取付片と間柱との曲折部が変形し、この曲折部において揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがないものとなっている。
【0070】
請求項2記載の壁面板取付け構造においては、間柱に形成されたリベット挿通孔の近傍にはリベット挿通孔を囲む馬蹄形状に切欠されたスリットが形成され、前記壁面板と間柱とはリベット挿通孔に挿通されたリベットにより固定されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わっても、間柱のリベット挿通孔の近傍のスリットに囲まれた部分が変形し、この部分において揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがないものとなっている。
【0071】
請求項3記載の壁面板取付け構造においては、間柱には中央部の長手方向にスリットが形成されているので、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わっても、間柱は上記スリットによって変形し易くなり、この部分において揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがないものとなっている。
【0072】
請求項4記載の壁面板取付け構造においては、間柱は中央部の長手方向に切り欠かれて分割され、この分割された間柱は相接して天井梁と床梁との間に立設されているので、それぞれの間柱は従来の間柱よりほぼ半分の幅となって変形し易くなり、建物構造体が大地震などによって大きく揺れる場合にも、建物構造体の揺れ変動が天井梁と床梁から間柱に伝わっても、間柱が変形して揺れ変動の応力が分散される。したがって、壁面板にまで伝わる揺れ変動の応力は小さいものとなり、壁面板には亀裂が生ぜず、壁面板が損傷するおそれがないものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第1実施例を示すものであって、(イ)は壁面板の取付け状態を示す斜視図、(ロ)は(イ)のA部の横断面図、(ハ)は(イ)のB部の縦断面図、(ニ)は間柱の上端部の斜視図である。
【図2】請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第2実施例において用いられる間柱の上端部の斜視図である。
【図3】請求項1記載の発明の壁面板取付け構造の第3実施例において用いられる間柱の上端部の斜視図である。
【図4】請求項2記載の発明の壁面板取付け構造の実施例を示すものであって、(イ)間柱の部分斜視図、(ロ)はは壁面板の取付け状態を示す横断面図である。
【図5】請求項3記載の発明の壁面板取付け構造の実施例を示すものであって、(イ)は間柱の正面図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。
【図6】請求項4記載の発明の壁面板取付け構造の実施例を示すものであって、(イ)は間柱の正面図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。
【図7】壁面板取付け構造を示すものであって、(イ)はこの壁面板取付け構造において用いられる間柱の正面図、(ロ)は壁面板の取付け状態を示す横断面図である。
【図8】壁面板取付け構造を示すものであって、(イ)はこの壁面板取付け構造を示す横断面図、(ロ)は(イ)の部分拡大横断面図、(ハ)はネイルプレートを壁面板に取り付けた状態を示す部分説明図である。
【符号の説明】
1 天井梁
2 床梁
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g 間柱
31、31a、31b、31d、31e、31f 取付片
34、34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34h
リベット挿通孔
4、4c、4d、4e、4f、4g 壁面板
6、6c、6d、6e、6f、6g ネイルプレート
61、61c、61d、61e、61f、61g 係止爪
62g リベット挿通孔
7、7c、7d、7e、7f、7g リベット
Claims (4)
- 天井梁と床梁との間に立設された間柱に壁面板が固定された壁面板取付け構造であって、前記間柱は、その上下端が曲折されて形成された取付片が天井梁と床梁に固定され、この間柱の取付片と間柱との曲折部が、前記取付片及び間柱本体よりも幅狭で変形し易くされていることを特徴とする壁面板取付け構造。
- 天井梁と床梁との間に立設された間柱に壁面板が固定された壁面板取付け構造であって、前記間柱にはリベット挿通孔が形成され、間柱に形成されたリベット挿通孔の近傍にはリベット挿通孔を囲む馬蹄形状に切欠されたスリットが形成され、前記壁面板と間柱とはリベット挿通孔に挿通されたリベットにより固定されていることを特徴とする壁面板取付け構造。
- 前記間柱には中央部の長手方向にスリットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の壁面板取付け構造。
- 天井梁と床梁との間に立設された間柱に壁面板が固定された壁面板取付け構造であって、前記間柱は中央部の長手方向に切り欠かれて分割され、この分割された間柱は相接して天井梁と床梁との間に立設されていることを特徴とする壁面板取付け構造。
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