JP7402093B2 - 建物ユニット補強構造 - Google Patents

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この発明は、建物ユニット補強構造に関するものである。
戸建て住宅や集合住宅には、ユニット建物によって構成されたものが存在している。ユニット建物は、予め工場で製造した建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組立てることによって、短期間のうちに構築できるようにした建物である。建物ユニットには、鉄骨系のものと木質系のものとが存在しており、鉄骨系の建物ユニットは、複数本の天井梁と床梁とを柱で連結して成るボックスラーメン構造のユニットフレームを有している。
このようなユニットフレームを有する建物ユニットでは、隣接する柱と柱との間に間柱が設置され、この間柱を介してユニットフレームに外壁材や内装材などが取付けられている。そして、間柱の上下の端部における、天井梁や床梁に対する連結部に対して拡縮用隙間を設けた建物ユニットが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-248673号公報
上記特許文献1に記載された建物ユニットでは、連結部に設けられた拡縮用隙間が拡縮することで、例えば、天井梁などに撓みがあるような場合であっても、間柱を支障なく天井梁と床梁との間に設置することが可能になる。そして、拡縮用隙間を有する連結部は、バネになるため、建物ユニットに作用される外力を吸収するのに利用することができる。しかし、連結部自体が持つバネの強さは、間柱の材質や板厚などによってほぼ決まってしまうため、連結部のバネの強さを外力の吸収にとって最適となるように設定・調整するのが難しかった。
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
上記課題に対して、本発明は、
建物ユニットを構成する天井梁と床梁との間に設置される間柱の、前記天井梁および前記床梁の少なくとも一方に対する連結部に補強プレートが設置され、
前記間柱は、ウェブ部と、該ウェブ部の両側部に屈曲形成された一対のフランジ部とを有するC字断面の部材とされており、
前記連結部は、前記フランジ部の端部に対して前記ウェブ部の端部のみを上下方向に延ばした縦延長部と、該縦延長部の端部を前記天井梁の下面または前記床梁の上面に沿って横に屈曲した横面部とを有しており、
前記補強プレートは、前記フランジ部の端部と前記ウェブ部の前記横面部との間に形成される拡縮用隙間に介在されると共に、前記補強プレートは、前記縦延長部と前記横面部とが成すコーナー部分に達する位置まで差込まれた状態で設置されている建物ユニット補強構造を特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、簡易な構成を追加するだけで間柱の連結部のバネの強さを最適に設定・調整できるようになる。
本実施の形態にかかる建物ユニット(ユニットフレーム)の全体斜視図である。 図1のユニットフレームに間柱及び外壁材を取付けた状態を示す全体斜視図である。 図2のユニットフレームに内装材を取付けた状態を示す側面図(バネモデル)である。 間柱の斜視図である。 間柱の連結部の背面図である。 間柱の連結部の側面図である。このうち、(a)は補強プレートの取付前、(b)は補強プレートの取付後、(c)は拡縮用隙間の拡縮の様子を示す図である。 補強プレートの一例を示す斜視図である。 補強プレートの別の例を示す斜視図である。 連結部に補強プレートを取付ける状態を示す間柱の端面図である。 図5の他の実施例を示す間柱の連結部の背面図である。 補強プレートの変形例を示す斜視図である。 一対のフランジ部を撓めた状態を示す、間柱の連結部の部分拡大斜視図である。 地震や強風などによる水平力が間柱に作用した状態を示す図である。 間柱が傾斜した状態を示す図5と同様の間柱の連結部の背面図である。 水平力による内装材の層間変形と、内装材のせん断変位を示す図である。 横軸を層間変形とし、縦軸をせん断変位として、補強プレートを設けた場合と補強プレートを設けなかった場合とで、水平力による内装材の層間変形の量と、内装材のせん断変位との関係をまとめたグラフである。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1~図16は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
戸建て住宅や集合住宅を、ユニット建物によって構成する。ユニット建物は、予め工場で製造した建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組立てることによって、短期間のうちに構築できるようにした建物である。
建物ユニットには、鉄骨系のものと木質系のものとが存在しているが、図1に示すように、鉄骨系の建物ユニット1は、4本の柱2の上端部間を4本の天井梁3で矩形状に連結し、4本の柱2の下端部間を4本の床梁4で矩形状に連結して成るボックスラーメン構造のユニットフレーム5を有するものなどとされている。柱2や天井梁3や床梁4は、金属製とされる。柱2と天井梁3および床梁4との間の接合は、剛接合とされる。
このようなユニットフレーム5を有する建物ユニット1では、隣接する柱2と柱2との間に、図2(図3)に示すように、間柱6が設置され、この間柱6を介して外壁材7(図2)や、内装材8(図3)などが取付けられる。間柱6は、金属製とされる。
ここで、建物ユニット1は、ほぼ直方体状のものとされる。柱2には、例えば、角筒状のものなどが使われる。天井梁3には、例えば、C字断面の形鋼などが使われる。矩形状の天井梁3の間には、天井根太11などが適宜設置される。床梁4は、例えば、C字断面の形鋼などが使われる。矩形状の床梁4の間には、床板12などが適宜設置される。ユニットフレーム5は、建物ユニット1の外形を構成する枠体として形成される。間柱6は、建物ユニット1に取付けられる外壁材7や内装材8の幅寸法に合わせた間隔を有して、天井梁3と床梁4との間に設置される。
上記のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えることができる。
(1)建物ユニット1を構成する天井梁3と床梁4との間に設置される間柱6の、天井梁3および床梁4の少なくとも一方に対する連結部21に、図4、図5に示すように、補強プレート22が設置される。
間柱6は、ウェブ部23と、ウェブ部23の両側部に屈曲形成された一対のフランジ部24とを有するC字断面の部材とされている。
連結部21は、図6に示すように、フランジ部24の端部に対してウェブ部23の端部のみを上下方向25に延ばした縦延長部26と、縦延長部26の端部を天井梁3の下面または床梁4の上面に沿って横に屈曲した横面部27とを有している。
補強プレート22は、フランジ部24の端部とウェブ部23の横面部27との間に形成される拡縮用隙間28に介在されると共に、補強プレート22は、縦延長部26と横面部27とが成すコーナー部分29に達する位置まで差込まれた状態で設置される。
ここで、連結部21は、間柱6を天井梁3や床梁4に連結(締結部材31で上下方向25に直接締結固定)するために、間柱6の端部に設けられる取付部分である。連結部21は、間柱6の上端部と下端部にそれぞれ設けられる。
補強プレート22は、間柱6の連結部21を補強する金具であり、金属製の板材によって構成される。補強プレート22は、例えば、図7や、図8に示すようなものとされ、主に、間柱6のウェブ部23の幅方向、および、フランジ部24の幅方向とほぼ平行な4つの辺を有する平面視ほぼ矩形状の面22aによって構成される。この面22aは、間柱6の横面部27における、天井梁3や床梁4とは反対の側となる面に対して当接固定される。
ウェブ部23は、C字断面の間柱6の主要部を構成する面であり、建物ユニット1の周方向に沿って、建物ユニット1の外側へ向くように設置される。ウェブ部23の外面には、外壁材7が取付けられ、ウェブ部23の内面側には、内装材8などが取付けられる。
フランジ部24は、ウェブ部23の両側部から、建物ユニット1の内方へ向けて一体に屈曲形成された、間柱6の強度を確保・向上するなどのための面である。フランジ部24は、ウェブ部23に対してほぼ直角に設けられる。なお、間柱6は、ウェブ部23の両側部に一対のフランジ部24を有するC字断面のものとして、単体で設けられるのが一般的であるが、例えば、ウェブ部の片側に一つのフランジ部を有するL字断面の補助部材32(図4)を一体的に付設したものなどとしても良い。このL字断面の補助部材32は、建物ユニット1の柱2の部分に外壁材7や内装材8などを取付けるために設けられるものである。
フランジ部24の端部は、フランジ部24の上端部または下端部のことである。フランジ部24の端部は、設計上、天井梁3または床梁4に僅かに達しない長さに形成される。
ウェブ部23の端部は、ウェブ部23の上端部または下端部のことである。ウェブ部23の端部は、間柱6を構成するC字断面の部材の端部における、フランジ部24となる部分を部分的に切除するなどによって、フランジ部24の端部よりも長くなるように形成される。そして、フランジ部24の端部よりも長く形成された部分に、縦延長部26や横面部27が形成される。
上下方向25は、上から下へ向かう方向、または、下から上へ向かう方向のことである。
縦延長部26は、ウェブ部23の端部に形成されて、フランジ部24の端部を超えるように上下方向25へ延びる縦向きの部分である。縦延長部26は、設計上、天井梁3または床梁4に達する長さに形成される。
横面部27は、ウェブ部23の端部の縦延長部26よりも先端側に形成される、横向きの部分である。横面部27は、天井梁3の下面または床梁4の上面に面接触されて、天井梁3または床梁4に対する締結固定面となる部分である。この実施例では、図9に示すように、横面部27は、フランジ部24の幅のほぼ半分程度またはそれ以上(フランジ部24の幅程度以下)の長さに形成されている。
拡縮用隙間28は、間柱6の端部の連結部21を弾性変形可能にするために形成された隙間のことである。これにより、拡縮用隙間28は、バネ部として機能するものとなる。拡縮用隙間28は、ほぼ縦延長部26の上下方向25の長さ分(から横面部27の板厚を引いた分)の大きさの隙間となる。拡縮用隙間28は、間柱6を建物ユニット1に取付けたときに、間柱6に作用される上下方向25の引張力や圧縮力によって上下に拡縮するように変形される(図6(c))。
補強プレート22は、間柱6の上下の連結部21のうちの少なくとも一方の拡縮用隙間28に設置される(図では上端側の連結部21となっているが、下端側の連結部21としても、両方の連結部21としても良い)。補強プレート22は、図9に示すように、拡縮用隙間28に対して建物ユニット1の内側から外側へ向けてほぼ水平に差し込まれる(差込方向)。この際、間柱6のフランジ部24の端部をガイドとして、補強プレート22の差込みを案内させることができる。
そして、補強プレート22によって調整または補強される連結部21のバネの強さは、補強プレート22の強度(材質や肉厚)などによって設定される。強度の高い補強プレート22を取付けることで、補強効果が大きくなり、バネがより強くなる。強度の低い補強プレート22を取付けることで、補強効果が小さくなり、バネは僅かに強くなる。
コーナー部分29は、ウェブ部23の端部の縦延長部26と横面部27との屈曲部分のことである。このコーナー部分29およびその周辺部分は、連結部21において実際にバネ部としての機能を発揮する部分であり、拡縮用隙間28の弾性変形によって、側方から見て、図6(c)に示すように、コーナー部分29の角度が広がったり狭まったりすることで、上記したように、拡縮用隙間28が上下に拡縮される。
補強プレート22を、コーナー部分29に達する位置まで差込むために、例えば、補強プレート22は、差込方向の幅寸法を、横面部27の長さとほぼ等しくするか、または、フランジ部24の幅寸法とほぼ等しくするのが好ましい。これにより、補強プレート22の差込方向の手前側の縁部が、横面部27の手前側の縁部やフランジ部24の手前側の側面と一致したときに、補強プレート22の奥側の縁部が、コーナー部分29に達するように差込まれたこととなり、目視確認できるものとなる。但し、補強プレート22の差込方向の幅寸法は、上記に限るものではなく、例えば、横面部27の長さと、フランジ部24の幅寸法との中間などとすることができる。
(2)図7(図8)に示すように、補強プレート22は、一対のフランジ部24の端部間に跨る長さ41を有して設置されても良い。
ここで、補強プレート22の長さ41は、間柱6のウェブ部23の幅方向(または、天井梁3や床梁4の長手方向)の寸法のことである。補強プレート22は、間柱6のウェブ部23の幅寸法とほぼ同じかそれよりも長く形成される。一対のフランジ部24の端部間に跨る長さ41を有して設置とは、補強プレート22が、一対のフランジ部24の端部間の間隔L(図5)と等しい長さか(長さ41=間隔L)、それ以上の長さ(長さ41>間隔L)を有していることである。一対のフランジ部24の端部間の間隔Lは、フランジ部24の内面間の間隔L1に、一対のフランジ部24の肉厚L2を足した長さ(L1+2・L2)となる。一対のフランジ部24の内面間の間隔L1は、自然状態での間隔でも良いし、後述するように撓めた状態の間隔でも良い。
そして、このような長さ41を有する補強プレート22は、両方のフランジ部24の端部を覆った状態に設置される。両方のフランジ部24の端部を覆った状態とは、補強プレート22の端部が、一対のフランジ部24の各端部と、上下方向25に重なる状態である。これにより、補強プレート22は、間柱6が傾いたときに、一対のフランジ部24の端部を押さえるストッパとなる。この際、補強プレート22は、図5に示すように、一対のフランジ部24の両端部に、その両端部が直接接触された状態(架設状態)で設置しても良いし、図10に示すように、一対のフランジ部24の両端部に、その両端部が通常時には接触されないような離隔状態(隙間s)で設置しても良い(なお、図10は、締結部材31を完全に締結する前の途中状態を示している。)。補強プレート22の両端部をフランジ部24の両端部に直接接触させるか離隔させるか、または、補強プレート22と一対のフランジ部24の両端部との離隔距離(隙間s)をどのくらいの大きさに設定するかは、間柱6の許容可能な傾きの大きさに応じて決定される。そして、間柱6の許容可能な傾きの大きさは、補強プレート22の肉厚tなどによって設定される。補強プレート22の肉厚tは、自然状態の拡縮用隙間28と同じか、または、拡縮用隙間28よりも薄くなるように設定される(拡縮用隙間28≧補強プレート22の肉厚t)。補強プレート22の肉厚tが厚くなるほど、間柱6の許容可能な傾きは小さくなる。反対に肉厚L2が薄くなるほど、間柱6の許容可能な傾きは大きくなる。
(3)補強プレート22は、横面部27と共に天井梁3または床梁4に締結固定するための共締穴51を有しても良い。
ここで、共締穴51は、補強プレート22を、コーナー部分29に達するように拡縮用隙間28へ差し込んだ状態で、横面部27を天井梁3または床梁4に締結部材31で締結固定するための取付穴52(図9)と合致する位置に設けられる。この実施例では、共締穴51は、補強プレート22に対して横方向(天井梁3または床梁4の長手方向)に単数または複数(例えば、二箇所など)設けられている。共締穴51の設置個数は、これに限るものではない。
なお、補強プレート22には、共締穴51を設ける代わりに、図11に示すような、長穴状の切込部53などを設けても良い。この長穴状の切込部53は、締結部材31の取付位置(横面部27の取付穴52と合致する位置)から補強プレート22の奥側の縁部に達するまで、間柱6に対する補強プレート22の設置方向へ延びるものとされる。切込部53は、締結部材31と干渉しない幅寸法を有して補強プレート22の奥側の縁部の位置まで延ばされて外部に開かれる。これにより、間柱6を天井梁3や床梁4に締結固定した後であっても、連結部21に補強プレート22を設置することが可能になる。
(4)図8に示すように、補強プレート22は、両端部に一対のフランジ部24の外面に対して係止可能な屈曲部61を有しても良い。
ここで、屈曲部61は、補強プレート22の両端部に一対設けられた、フランジ部24の外面に沿って上下方向25へ延びる面とされる。一対の屈曲部61は、補強プレート22の水平な面22aに対して一体に屈曲形成される。一対の屈曲部61は、互いに平行な状態で相対向するように、天井梁3や床梁4とは反対側へ向けて、ほぼ垂直に曲げ形成される。屈曲部61を設けた補強プレート22は、側面視ほぼC形状の部材となる。一対の屈曲部61は、フランジ部24の外面に対してほぼ面接触されるのが好ましいが、一対の屈曲部61は、フランジ部24の外面から、僅かに離隔するように形成しても良い。
(5)補強プレート22は、一対の屈曲部61の内面間の間隔71が、一対のフランジ部24の端部間の間隔Lよりも狭くなっていても良い(間隔71<間隔L)。
ここで、屈曲部61の内面間の間隔71は、補強プレート22の長さ41から屈曲部61の肉厚を引いたものである。一対のフランジ部24の端部間の間隔Lは、この場合、自然状態でのフランジ部24の外面間の距離とされる。即ち、屈曲部61の内面間の間隔71は、自然状態でのフランジ部24の端部間の間隔Lよりも僅かに小さくなるように設定される。
一対の屈曲部61の内面間の間隔71は、例えば、図12に示すように、一対のフランジ部24を弾性変形可能な領域内でスプリングバック現象が生じる程度に撓めた状態にして、一対のフランジ部24を一対の屈曲部61で外側から挟み付けて装着できるような大きさに設定される。例えば、一対の屈曲部61の内面間の間隔71は、一対のフランジ部24の端部間の(自然状態での)間隔Lよりも1mm~数mm程度小さくなるように形成される。
<作用>この実施例の作用について説明する。
建物ユニット1は工場で製造される。建物ユニット1は、4本の柱2の上端部間を4本の天井梁3で矩形状に連結し、4本の柱2の下端部間を4本の床梁4で矩形状に連結したボックスラーメン構造のユニットフレーム5を有している。
この際、例えば、平行な一対の天井梁3を用いて天井パネルを構成し、平行な一対の床梁4を用いて床パネルを構成し、2本の柱2と、残りの天井梁3および床梁4を1本ずつ用いた矩形状の妻フレームを2つ構成する。そして、天井パネルと床パネルを上下に隔てて一対の妻フレームで連結することで、ユニットフレーム5は組立てられる。
次に、ユニットフレーム5の隣接する柱2と柱2との間に、間柱6を設置し、間柱6に外壁材7や、内装材8(図3)などを取付けることなどによって、建物ユニット1が製造される。この際、間柱6の端部の連結部21に拡縮用隙間28を設けて、拡縮用隙間28を拡縮させることで、例えば、天井梁3などに撓みがあるような場合でも、間柱6を支障なく天井梁3と床梁4との間に設置することが可能になる。そして、連結部21に拡縮用隙間28を設けた場合、連結部21はバネとして機能するものとなる。この連結部21は、建物ユニット1に作用される外力を吸収するのに利用することができる。しかし、連結部21自体が持つバネの強さは、間柱6の材質や板厚などによってほぼ決まってしまうため、連結部21のバネの強さを最適に設定・調整するのが難しかった。
そこで、この実施例では、間柱6の端部の天井梁3や床梁4に対する連結部21の拡縮用隙間28に対して、ユニットフレーム5の内側から、この実施例の補強プレート22を水平に設置するようにした。これにより、連結部21が補強プレート22によって補強されるため、連結部21のバネを強くすることができる。補強プレート22は、例えば、ユニットフレーム5に間柱6を取付けるときや、間柱6に外壁材7を取付けてユニットフレーム5の各部の誤差などを調整するときなどに取付けられる。または、補強プレート22は、例えば、間柱6に外壁材7を取付けてユニットフレーム5の各部の誤差などを調整した後、内装材8を取付ける前までの間に取付けられる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(効果 1)天井梁3や床梁4に対する間柱6の連結部21に補強プレート22を設置して、連結部21を補強プレート22で補強するようにした。この際、補強プレート22は、間柱6のフランジ部24の端部とウェブ部23の横面部27との間に形成された連結部21の拡縮用隙間28に介在させるようにする。これにより、拡縮用隙間28を利用して補強プレート22を無理なく設置すると共に、拡縮用隙間28に設置された補強プレート22によって連結部21の横面部27周辺を補強して連結部21の剛性を向上することができる。そして、補強プレート22は、縦延長部26と横面部27とが成すコーナー部分29に達するように、拡縮用隙間28の奥まで深く差込んだ状態で設置する。これにより、バネ部として機能する連結部21の縦延長部26と横面部27とのコーナー部分29の周辺の剛性が確実に向上されるため、連結部21のバネ強度をより高めることが可能になる。そして、連結部21に補強プレート22を設置するだけで、連結部21のバネ強度を高めることができるため、構成が簡易であり、また、補強プレート22はコストもかからず費用対効果が高いので、建物ユニット1の構造耐力の向上を図る上で有効性が高い。
即ち、天井梁3と床梁4との間に間柱6が設置されて、連結部21に上下方向25の引張力や圧縮力が作用されたときには、連結部21は、縦延長部26と横面部27とのコーナー部分29やその周辺部分が、引張力や圧縮力によって、側方から見た状態で、コーナー部分29の角度が広がったり狭まったりするように弾性変形される。このとき、拡縮用隙間28は、正面から見て、全体が拡がったり縮んだりするように拡縮変形した状態となる。このように、コーナー部分29やその周辺部分が弾性変形して、拡縮用隙間28が拡縮変形することで、コーナー部分29やその周辺部分が引張力や圧縮力に抵抗するバネとなって、引張力や圧縮力を吸収する。
そして、間柱6は、連結部21がバネ部となることで、引張力や圧縮力に対して、間柱6の端部に位置する連結部21が主に変形されるようになり、その分、中間部の変形が抑制されるため、間柱6の中間部に引張力や圧縮力の影響が及ぶのを緩和・抑制できる。
しかし、連結部21のバネが弱いと、連結部21にて引張力や圧縮力を十分に吸収できなくなるため、引張力や圧縮力の影響が間柱6の中間部(に取付けられた内装材8など)にまで及ぶことになり、建物ユニット1や建物に損傷を与えるおそれが生じる。連結部21自体が持つバネの強さは、間柱6の材質や板厚などによってほぼ決まってしまうため、連結部21のみでバネの強さを最適に設定・調整するのは難しい。
そこで、上記したように、補強プレート22を拡縮用隙間28に介在させると共に、補強プレート22をコーナー部分29に達するように拡縮用隙間28の奥部まで深く差込んで設置するようにした。これにより、連結部21を構成する横面部27やコーナー部分29やその周辺が補強プレート22によって補強されて、コーナー部分29のバネとしての強度が高められるので、連結部21のバネの強さを補強プレート22によって最適に設定・調整することが可能になる。
そして、補強プレート22を設けることで、連結部21は、より大きな引張力や圧縮力に耐えられるようになる(引張力や圧縮力に対する抗力(引張抗力)が向上される)。また、連結部21のコーナー部分29のバネが強くなることで、引張力や圧縮力が作用されたときのコーナー部分29の角度変化(または拡縮用隙間28の拡縮)を小さくできる。
そして、補強プレート22によって連結部21の引張力や圧縮力に対する抗力(引張抗力)が向上されることで、間柱6の中間部への引張力や圧縮力の影響をより有効に緩和・抑制できるようになり、建物ユニット1の構造耐力がより向上される。よって、引張力や圧縮力による建物の損傷をより効果的に抑制することが可能になる。
この際、補強プレート22をコーナー部分29に達するように、拡縮用隙間28の奥部まで深く差込むことで、バネ力を発生するコーナー部分29およびその周辺部分の剛性が直接かつ効果的に向上されるため、連結部21のコーナー部分29は、補強プレート22によってバネの強度を高めた効果がタイムラグなく発揮されるようになる。
これに対し、例えば、補強プレート22をコーナー部分29から離れた拡縮用隙間28の浅い位置に設置した場合には、コーナー部分29から離れた位置の剛性は向上されるが、コーナー部分29周辺の剛性は十分には向上されないため、補強プレート22によってバネの強度を高める効果が小さくなると共に、バネの強度を高めた効果が発現するまでにタイムラグを生じるようになる。
よって、補強プレート22をコーナー部分29に達するように設置することは、補強プレート22によって連結部21のバネの強度を高めるのに有効となる。
(効果 2)補強プレート22が、一対のフランジ部24の端部間に跨る長さ41を有して設置されても良い。これにより、補強プレート22で、一対のフランジ部24の両方の端部をそれぞれ押さえることが可能になる。そのため、外力によって間柱6が必要以上に傾くのを、補強プレート22によって有効に抑制することができる。
即ち、図13に示すように、例えば、地震や強風などの外力(主に水平力)が建物ユニット1に作用した場合に、建物ユニット1の変形と共に間柱6も傾動される。そして、連結部21では、間柱6の傾動に伴って、図14に示すように、横面部27と一対のフランジ部24の端部との間の拡縮用隙間28には、左右の大きさの変化が発生される。間柱6の傾動による拡縮用隙間28の左右の大きさの変化は、間柱6が傾いた側が広くなり、傾いた側とは反対の側が狭くなる。連結部21のこのような変形によって水平力は吸収される。
この際、図のように一対のフランジ部24の端部が完全にフリーな状態になっていると、拡縮用隙間28の左右の大きさの変化が制限されないので、間柱6の傾動が必要以上に大きくなる。
これに対し、図5や図10に示すように、補強プレート22を拡縮用隙間28へ差し込んだ場合には、拡縮用隙間28の内部が補強プレート22で埋められて、拡縮用隙間28の中の自由な隙間sが補強プレート22の肉厚tの分だけ狭くなる。また、補強プレート22を一対のフランジ部24の端部間に跨る長さ41にすることで、間柱6が傾動したときにフランジ部24の傾いた側とは反対側の端部が補強プレート22に確実に当たるようになる。そのため、フランジ部24の端部が補強プレート22に当たったときに、補強プレート22がストッパとなって、間柱6の傾動を止めるように機能する。
そして、補強プレート22で拡縮用隙間28を狭くした隙間sの範囲内でフランジ部24の端部が補強プレート22に当たって止められる程度に、間柱6の傾動が制限されるので、間柱6の傾動を小さく抑えることができる。よって、間柱6の傾動が小さく抑えられることで、間柱6の中間部に取付けられた内装材8などの変形や損傷などを軽減することが可能になり、建物ユニット1の構造耐力が向上される。
この点に関して、図15に示すような、水平力による内装材8の層間変形の量と、内装材8のせん断変位との関係を調べたところ、図16のグラフ(横軸:層間変形、縦軸:せん断変位)に示すような結果となった。そして、補強プレート22を設けた場合(実線)は、補強プレート22を設けなかった場合(破線)と比べて、内装材8のせん断変位を小さく抑えられることが確認された。よって、地震や強風などの外力に対する内装材8の設計条件を緩和することができる。
(効果 3)補強プレート22は、横面部27と共に補強プレート22を天井梁3または床梁4に締結固定するための共締穴51を有しても良い。このように、補強プレート22が共締穴51を有することで、横面部27と補強プレート22とを同時に天井梁3または床梁4に締結固定することが可能になる。そのため、横面部27と補強プレート22とが締結によって一体化されるので、補強プレート22によって横面部27周辺の剛性を効果的に向上することができる。また、横面部27と補強プレート22とを別々に天井梁3または床梁4に固定する必要をなくして、一度の作業で天井梁3または床梁4への固定ができるようになる。更に、間柱6の連結部21に対して補強プレート22を固定した後における、補強プレート22の間柱6からの脱落を確実に防止することができる。よって、補強プレート22と横面部27とを共締めすることで、連結部21周辺の剛性向上と、連結部21周辺の構造の簡略化と、補強プレート22などの取付作業性の向上とを同時に得ることができる。
(効果 4)補強プレート22は、その両端部に、一対のフランジ部24の外面に対して係止可能な屈曲部61を有しても良い。これにより、屈曲部61によって、補強プレート22を一対のフランジ部24の外面に係止保持させることができる。そのため、補強プレート22を間柱6(の連結部21の拡縮用隙間28)に対し、(屈曲部61を設けない場合と比べて)安定して設置(仮置き)することができ、また、補強プレート22の設置後、間柱6を締結部材31で天井梁3と床梁4との間に固定する際に、補強プレート22が間柱6から不用意に脱落するのを屈曲部61によって防止する効果も期待できる。また、屈曲部61を設けたことによって、間柱6に対する補強プレート22の位置決めを、屈曲部61を基準として行うことが可能になるので、間柱6を(横面部27と共に)天井梁3や床梁4に締結部材31で固定する際に、共締穴51の位置合わせを容易に行うことができる。
(効果 5)補強プレート22は、一対の屈曲部61の内面間の間隔71を、一対のフランジ部24の端部間の間隔Lよりも狭く設定しても良い。これにより、補強プレート22は、一対のフランジ部24を近接方向へ僅かに撓めた状態にして、一対の屈曲部61で一対のフランジ部24の外面を外側から挟み付けるように、連結部21の拡縮用隙間28に取付けられることになる。そのため、一対のフランジ部24には、スプリングバック現象によって、撓められる前の間隔に戻ろうとする力が発生される。この元の状態へ戻ろうとする力によって、一対のフランジ部24が、一対の屈曲部61の内面を内側から外側へ押すことで、補強プレート22は一対のフランジ部24に圧着されるので、補強プレート22を、締結部材31などを用いずに、間柱6の端部に確実に保持させることができる。よって、間柱6を天井梁3と床梁4との間に締結部材31で固定する前の段階から間柱6に補強プレート22を安定して保持させておくことが可能になる。
1 建物ユニット
3 天井梁
4 床梁
6 間柱
21 連結部
22 補強プレート
23 ウェブ部
24 フランジ部
25 上下方向
26 縦延長部
27 横面部
28 拡縮用隙間
29 コーナー部分
41 長さ
51 共締穴
61 屈曲部
71 間隔
L 間隔

Claims (5)

  1. 建物ユニットを構成する天井梁と床梁との間に設置される間柱の、前記天井梁および前記床梁の少なくとも一方に対する連結部に補強プレートが設置され、
    前記間柱は、ウェブ部と、該ウェブ部の両側部に屈曲形成された一対のフランジ部とを有するC字断面の部材とされており、
    前記連結部は、前記フランジ部の端部に対して前記ウェブ部の端部のみを上下方向に延ばした縦延長部と、該縦延長部の端部を前記天井梁の下面または前記床梁の上面に沿って横に屈曲した横面部とを有しており、
    前記補強プレートは、前記フランジ部の端部と前記ウェブ部の前記横面部との間に形成される拡縮用隙間に介在されると共に、前記補強プレートは、前記縦延長部と前記横面部とが成すコーナー部分に達する位置まで差込まれた状態で設置されていることを特徴とする建物ユニット補強構造。
  2. 請求項1に記載の建物ユニット補強構造であって、
    前記補強プレートは、一対のフランジ部の端部間に跨る長さを有して設置されていることを特徴とする建物ユニット補強構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建物ユニット補強構造であって、
    前記補強プレートは、前記横面部と共に前記天井梁または前記床梁に締結固定するための共締穴を有していることを特徴とする建物ユニット補強構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の建物ユニット補強構造であって、
    前記補強プレートは、両端部に一対の前記フランジ部の外面に対して係止可能な屈曲部を有していることを特徴とする建物ユニット補強構造。
  5. 請求項4に記載の建物ユニット補強構造であって、
    前記補強プレートは、一対の前記屈曲部の内面間の間隔が、一対の前記フランジ部の端部間の間隔よりも狭くなっていることを特徴とする建物ユニット補強構造。
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