JP2009270388A - 建物用制振装置および建築物の制振構造 - Google Patents

建物用制振装置および建築物の制振構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ダンパー部の剛性部材間に粘弾性体を容易に形成することのできる建物用制振装置を提供する。
【解決手段】筋交5の長手方向に対して直交する方向に重ね合わされた剛性部材7a,7bの間に粘弾性体8を形成してなるダンパー部構成要素61〜64を筋交5の長手方向に対して直交する方向に並べて構成されたダンパー部6と、ダンパー部6の一方の端部を建築物の筋交5の端部に固定する第1のダンパー固定部9、ダンパー部6の他方の端部を筋交以外の建築物の構造材に固定する第2のダンパー固定部とからなる建物用制振装置であって、剛性部材7a,7bが板状に形成され、かつ第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部からのダンパー部6の離脱を防止する抜け止め部15を剛性部材7a,7bの端部に形成するとともに、抜け止め部15と嵌合する抜け止め溝16を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部に形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、地震などによる建築物の揺れを抑える建物用制振装置とこれを用いた建築物の制振構造に関する。
地震等の振動に対して建築物を保護する技術としては、たとえば、互いに対向する一対の剛性部材間に粘弾性体を形成してなる制振ダンパーを、戸建て住宅用建築物の骨組を構成する柱と土台および柱と梁の接合部間に架設し、この制振ダンパーにより振動エネルギを吸収することで、建築物の振動を軽減する技術が特許文献1に開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、制振ダンパーの制振能力を大きくするためには、幅の広い剛性部材を用い、剛性部材に密着する粘弾性体の密着面積を大きくする必要があるため、制振ダンパー自体が大型化してしまい、建築物の土台、柱および梁で囲まれた矩形状の空間部に制振ダンパーを組み込むことが困難になるという問題が生じる。
このような問題に対して、本願特許出願人は、建築物の土台、柱および梁で囲まれた矩形の空間に組み込まれる制振ダンパーとして、上記空間の対角線に沿って斜めに架設される二つの剛性部材のうち一方の剛性部材に凹部を該剛性部材の架設方向に沿って形成すると共に、上記凹部に嵌合する凸部を他方の剛性部材に該剛性部材の架設方向に沿って形成し、これらの凹部と凸部との間に粘弾性体を形成してなるものを先に出願した(特許文献2参照)。
特開2000−110399号公報 特開2008−75399号公報
上記のような制振ダンパーでは、ダンパー自体の大型化を招くことなく大きな制振能力を得ることができるが、複雑な凹凸形状を有する剛性部材間に粘弾性体を介在させる必要があるため、制振ダンパー自体の作製が困難である。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダンパー部の剛性部材間に粘弾性体を容易に形成することのできる建物用制振装置とこれを用いた建築物の制振構造を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の建物用制振装置は、所定方向に重ね合わされた複数の剛性部材の間に粘弾性体を形成してなるダンパー部構成要素から構成されるダンパー部と、該ダンパーの一方の端部を建築物の構造材に固定する第1のダンパー固定部と、前記ダンパー部の他方の端部を建築物の他の構造材に固定する第2のダンパー固定部とからなり、前記剛性部材は板状に形成され、前記ダンパー部は前記剛性部材の端部が前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部に形成された溝に挿入されることにより前記第1のダンパー固定部と前記第2のダンパー固定部との間に固定支持されることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明の建物用制振装置は、請求項1記載の建物用制振装置において、前記ダンパー部は前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部からの前記ダンパー部の離脱を防止する抜け止め部を前記剛性部材の端部に有し、前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部に形成された溝は前記抜け止め部と嵌合する抜け止め溝であることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明の建物用制振装置は、請求項1または2項記載の建物用制振装置において、前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とするものである。
請求項4に係る発明の建物用制振装置は、請求項3記載の建物用制振装置において、前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部を押出成形により形成し、かつ前記抜け止め溝を前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部と一体に形成したことを特徴とするものである。
請求項5に係る発明の建物用制振装置は、請求項1〜4のいずれか一項記載の建物用制振装置において、前記ダンパー部は前記ダンパー部構成要素を前記筋交の長手方向に対して直交する方向に複数並置して構成され、前記第1のダンパー固定部は前記ダンパー部の一方の端部を前記筋交の端部に固定するダンパー固定部であり、前記第2のダンパー固定部は前記ダンパー部の他方の端部を前記建築物の土台または柱または梁に固定するダンパー固定部であることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明の建物用制振装置は、請求項5記載の建物用制振装置において、前記土台に形成されたほぞ穴に嵌合する凸部を前記第2のダンパー固定部に形成したことを特徴とするものである。
請求項7に係る発明の建物用制振装置は、請求項5または6記載の建物用制振装置において、前記第2のダンパー固定部を角筒部と、該角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部とから形成し、これらの補強板部のうち互いに対向する二つの補強板部の間に、前記土台に形成されたほぞ穴から上方に突出する固定部材と嵌合する空間部を形成したことを特徴とするものである。
請求項8に係る発明の建築物の制振構造は、請求項5〜7のいずれか一項記載の建物用制振装置を用いた建築物の制振構造であって、前記土台をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とするものである。
請求項9に係る発明の建築物の制振構造は、請求項8記載の建築物の制振構造において、前記土台を角筒部と、該角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部とから形成したことを特徴とするものである。
請求項1に係る発明の建物用制振装置によれば、ダンパー部構成要素の剛性部材を板状に形成したことで、剛性部材間に形成される粘弾性体の形状がフラットな形状となり、これにより、剛性部材間に凹凸形状の粘弾性体を形成しなくてもよいため、粘弾性体の形成が容易となる。
また、剛性部材の間に形成される粘弾性体全体の表面積を大きく確保することができ、これにより、幅の広い剛性部材を用いなくても大きな制振能力を得られるため、ダンパー部の大型化を招くことなく大きな制振能力を得ることができる。
請求項2に係る発明の建物用制振装置によれば、第1のダンパー部および第2のダンパー部からのダンパー部の離脱を防止する抜け止め部を剛性部材の端部に形成するとともに、抜け止め部と嵌合する複数の抜け止め溝を第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部に形成したことで、ボルトやビスなどの固定手段を用いることなくダンパー部の端部を第1のダンパー固定部と第2のダンパー固定部に固定することができ、これにより、部品点数の削減を図ることができると共に、多くの労力や時間を要することなくダンパー部の端部を第1のダンパー固定部と第2のダンパー固定部に容易に固定することができる。
請求項3に係る発明の建物用制振装置によれば、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部の軽量化を図ることができ、これにより、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部の持ち運び性や取扱い性を高めることができる。
請求項4に係る発明の建物用制振装置によれば、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部を押出成形により形成し、かつ抜け止め溝を第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部と一体に形成したことで、抜け止め溝を第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部に精度よく形成することができ、これにより、剛性部材の端部に形成された抜け止め部を抜け止め溝に容易に挿入することができる。
請求項5に係る発明の建物用制振装置によれば、ダンパー部、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部が筋交の延長線に沿って配置されるため、建築物の土台、柱および梁によって形成される矩形状の空間部にダンパー部、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部を、壁材等の他の構造材と干渉することなく配置することができる。
また、地震時等には引張応力のみが筋交に加わるので、筋交自体が変形することを防止することができる。さらに、ダンパー部の他方の端部はアンカーボルトにより基礎に固定された土台あるいは土台上に下端部が固定された柱に固定されるため、地震時等に発生した振動エネルギが建築物の構造材にはではなくダンパー部に伝わり、これにより、振動エネルギをダンパー部の粘弾性体によって確実に吸収することができる。
請求項6に係る発明の建物用制振装置によれば、土台に形成されたほぞ穴に嵌合する凸部を第2のダンパー固定部に形成したことで、第2のダンパー固定部を土台に外嵌する形状に形成しなくても第2のダンパー固定部を土台に固定することができる。
請求項7に係る発明の建物用制振装置によれば、第2のダンパー固定部を角筒部と、該角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部とから形成したことで、第2のダンパー固定部の強度向上を図ることができる。また、角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部のうち互いに対向する二つの補強板部の間に、土台に形成されたほぞ穴から上方に突出する固定部材と嵌合する空間部を形成したことで、第2のダンパー固定部を土台に外嵌することが困難な場合でも第2のダンパー固定部を土台上に設置することができる。また、第2のダンパー固定部上に柱を固定した場合には、第2のダンパー固定部の外面部と柱の側面部との間に段差が生じることを防止することができる。
請求項8に係る発明の建築物の制振構造によれば、土台をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、土台の軽量化、耐食性および耐白蟻性の向上を図ることができる。
請求項9に係る発明の建築物の制振構造によれば、土台を角筒部と、該角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部とから形成したことで、土台の強度向上を図ることができる。また、補強板部が存在することにより、土台上面の所定箇所(補強板部間)を切除するだけで、土台上面にほぞ穴を精度よく且つ容易に形成することができる。
(第1の実施形態)
図1〜図4は本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置を示す図であり、図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る建物用制振装置1は、土台2、柱3、梁4および筋交5を有する建築物の揺れを抑えるためのダンパー部6と、このダンパー部6の一方の端部を筋交5の端部に固定する第1のダンパー固定部9と、ダンパー部6の他方の端部を建築物の柱3に固定する第2のダンパー固定部14とから構成されている。
ダンパー部6は、図3に示すように、筋交5の長手方向に対して直交する方向に重ね合わされた剛性部材7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7hと、これらの剛性部材7a〜7hのうち剛性部材7a,7b間、剛性部材7c,7d間、剛性部材7e,7f間および剛性部材7g,7h間に形成された四つの粘弾性体8とから構成され、剛性部材7a〜7hは板状に形成されている。
ここで、剛性部材7a,7bとその間に形成された粘弾性体8は第1のダンパー部構成要素61を構成し、剛性部材7c,7dとその間に形成された粘弾性体8は第2のダンパー部構成要素62を構成している。また、剛性部材7e,7fとその間に形成された粘弾性体8は第3のダンパー部構成要素63を構成し、剛性部材7g,7hとその間に形成された粘弾性体8は第4のダンパー部構成要素64を構成している。これらのダンパー部構成要素61〜64は、筋交5の長手方向に対して直交する方向に並置されている。
剛性部材7a〜7hは、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板状部材の一端部を例えばL字状にプレス加工して形成されている。また、剛性部材7a〜7hのうち剛性部材7a,7c,7e,7gは筋交5の幅とほぼ同じ幅寸法で矩形状に形成されており、これらの剛性部材7a,7c,7e,7gの筋交側の端部には、第1のダンパー固定部9からのダンパー部6の離脱を防止するL字状の抜け止め部15(図3参照)が剛性部材7a,7c,7e,7gの表面から突出するように剛性部材7a,7c,7e,7gと一体に形成されている。
一方、剛性部材7b,7d,7f,7hは筋交5の幅とほぼ同じ幅寸法で台形状に形成されており、筋交5と反対側の剛性部材7b,7d,7f,7hの斜辺側端部には、第2のダンパー固定部14からのダンパー部6の離脱を防止するL字状の抜け止め部15(図4参照)が剛性部材7b,7d,7f,7hの表面から突出するように剛性部材7b,7d,7f,7hと一体に形成されている。
第1のダンパー固定部9はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、これらの軽金属材をコ字状に押出成形して形成されている。また、図3に示すように、第1のダンパー固定部9は複数(例えば二つ)のボルト10とナット11により筋交5の下端部に装着されており、筋交5の下端部には、ボルト10を通すための複数の貫通孔12が穿設されている。
また、図3に示すように、第1のダンパー固定部9は筋交5の端面に当接する底板部91を有しており、この底板部91には、剛性部材7a,7c,7e,7gの端部に形成された抜け止め部15と各々嵌合するL字状の抜け止め溝16が第1のダンパー固定部9と一体に且つ筋交5の長手方向と直交する方向に沿って形成されている。また、第1のダンパー固定部9は筋交5の表裏面に摺接する側板部92,93を有しており、これらの側板部92,93には、上記ボルト10を通すための貫通孔13がそれぞれ複数個ずつ穿設されている。
第2のダンパー固定部14は第1のダンパー固定部9と同様にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、これらの軽金属材を例えば建築物の柱3に外嵌する角筒状に押出成形して形成されている。また、第2のダンパー固定部14は柱3の下端部に外嵌されており、この第2のダンパー固定部14には、図4に示すように、剛性部材7b,7d,7f,7hの端部に形成された抜け止め部15と各々嵌合するL字状の抜け止め溝16が第2のダンパー固定部14と一体に且つ柱3の長手方向に沿って形成されている。
粘弾性体8は剛性部材7a〜7hの表面に密着しており、従って、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14からダンパー部6に伝わった地震等による振動力は粘弾性体8によって吸収されるようになっている。
本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置を柱3の下端部と筋交5の下端部との間に組み付ける場合は、図5に示すように、まず、柱3の下端部に第2のダンパー固定部14を外嵌し、第2のダンパー固定部14が外嵌された柱3の下端部を土台2の上面に固定する。次に、ダンパー部6の剛性部材7b,7d,7f,7hの端部に形成された抜け止め部15を第2のダンパー固定部14に形成された抜け止め溝16に上方より嵌入した後、ダンパー部6の剛性部材7a,7c,7e,7gの端部に形成された抜け止め部15を第1のダンパー固定部9に形成された抜け止め溝16に嵌入する。その後、筋交5の下端部をボルト10およびナット11により第1のダンパー固定部9に固定した後、筋交5の上端部を柱3の上端部または梁4の下面部に固定することで、第1の実施形態に係る建物用制振装置が柱3の下端部と筋交5の下端部との間に組み付けられる。なお、組み付け手順は図5に示した手順に必ずしも限られるものではない。
上記のように、ダンパー部6の剛性部材7a〜7hを板状に形成すると、粘弾性体8の形状がフラットな形状となり、これにより、剛性部材間に凹凸形状の粘弾性体を形成しなくてもよいため、粘弾性体8を容易に形成することができる。
また、第1の実施形態では、板状に形成された二つの剛性部材間に粘弾性体8を形成してなる複数のダンパー部構成要素61〜64を筋交5の長手方向に対して直交する方向に並べてダンパー部6を構成したことで、粘弾性体全体の表面積を大きく確保することができる。これにより、ダンパー部6の制振能力を大きくするために、幅広の剛性部材を用いる必要がないので、ダンパー部6の大型化を招くことなく大きな制振能力を得ることができる。
また、第1の実施形態では、ダンパー部6の一方の端部を筋交5の端部に固定する第1のダンパー固定部9と、ダンパー部6の他方の端部を柱3に固定する第2のダンパー固定部14とを備えたことで、装置全体が長尺となることがない。したがって、特許文献1に開示されたもののように、建築物の土台、柱および梁で囲まれた空間部に長尺の制振ダンパーを組み込まなくても建築物の揺れを抑えることができる。
また、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14からのダンパー部6の離脱を防止する抜け止め部15を剛性部材7a〜7hの端部に形成するとともに、抜け止め部15と嵌合する抜け止め溝16を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14に形成したことで、ボルトやビスなどの固定手段を用いることなくダンパー部6の端部を第1のダンパー固定部9と第2のダンパー固定部14に固定することができる。これにより、部品点数の削減を図ることができると共に、多くの労力や時間を要することなくダンパー部6の端部を第1のダンパー固定部9と第2のダンパー固定部14に容易に固定することができる。
また、ダンパー部6の剛性部材7a〜7hをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、ダンパー部6の軽量化を図ることができ、これにより、ダンパー部6の持ち運び性や取扱い性を高めることができる。
また、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14の軽量化を図ることができ、これにより、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14の持ち運び性や取扱い性を高めることができる。
また、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14を押出成形により形成し、かつ抜け止め溝16を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14と一体に押出成形により形成したことで、抜け止め溝16を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14に精度よく形成することができ、これにより、剛性部材7a,7bの端部に形成された抜け止め部15を抜け止め溝16に容易に挿入することができる。
また、第2のダンパー固定部14を柱3に外嵌する形状(角筒状)に形成したことで、ボルトなどを用いることなく第2のダンパー固定部14を柱3に取り付けることができる。
図1〜図4に示した第1の実施形態では、ダンパー部6が8枚の板状剛性部材7a〜7hと4つの粘弾性体8とから構成されるものを示したが、これに限られるものではなく、筋交5の長手方向に対して直交する方向に重ね合わされる板状剛性部材の数は3枚以上であることが望ましい。また、粘弾性体8の数としては、少なくとも2つであることが望ましい。
図1〜図4に示した第1の実施形態では、ダンパー部6の板状剛性部材7a〜7hとして、一方の端部に抜け止め部15を有するものを示したが、これに限定されるものではなく、抜け止め部15を持たない板状剛性部材を用いてもよい。ただし、その場合には、第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部に形成された溝に板状剛性部材の端部を挿入した後、ボルトやビスなどにより板状剛性部材の端部を第1のダンパー固定部および第2のダンパー固定部に連結して板状剛性部材の端部が上記溝から抜け出ないようにする必要がある。
また、図1〜図4に示した第1の実施形態では、ダンパー部6の剛性部材7a〜7hとして、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板状部材の一端部をL字状にプレス加工して形成されたものを示したが、これに限られるものではない。例えば、L字状に押出成形されたアルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出成形部材からダンパー部6の剛性部材7a〜7hを形成してもよい。
図1〜図4に示した第1の実施形態では、ダンパー部6の他方の端部を筋交以外の建築物の構造材に固定する第2のダンパー固定部14として、ダンパー部6の他方の端部を柱3の下端部に固定するものを示したが、これに限られるものではない。たとえば、図6に示すように、ダンパー部6の他方の端部を第2のダンパー固定部14により土台2に固定するようにしてもよいし、図7に示すように、ダンパー部6の他方の端部を第2のダンパー固定部14により梁4に固定するようにしてもよい。この場合、第2のダンパー固定部14に形成される抜け止め溝16は柱3の長手方向ではなく、土台2や梁4の長手方向に沿って形成されることが好ましい。
また、図1〜図4に示した第1の実施形態では、抜け止め部15に嵌合する抜け止め溝16として、L字状に形成されたものを示したが、抜け止め部15および抜け止め溝16の形状は特に限定されるものではなく、要は、ダンパー部6の端部が第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14から離脱しない形状であればよい。
また、図1〜図4に示した第1の実施形態では、ダンパー部6の他方の端部を筋交以外の建築物の構造材に固定する第2のダンパー固定部14として、角筒状に形成されたものを示したが、角筒状に限られるものではない。たとえば、第2のダンパー固定部14をコ字状に形成し、これをボルトとナットにより柱3等に固定するようにしてもよい。
図1〜図4に示した第1の実施形態では、角筒状に形成された第2のダンパー固定部14に下端部が挿入される柱3として、ストレート形状のものを示したが、これに限定されるものではない。たとえば、図8に示すように、第2のダンパー固定部14の厚さにほぼ等しい段差42が第2のダンパー固定部14に挿入される下端部3aと他の部分3bとの間に形成されるように、柱3の下端部3aを他の部分3bよりも細くしてもよい。
このようにすると、柱3の下端部を第2のダンパー固定部14に挿入したときに、第2のダンパー固定部14の外面14aと柱3の四つの側面3cとが面一となるので、第2のダンパー固定部14の外面14aと柱3の側面3cとの間に段差が生じることを防止することができる。
図1〜図4に示した第1の実施形態では、第1のダンパー固定部9の側板部92,93に二つの貫通孔13を穿設し、これらの貫通孔13を挿通するボルト10とこれに螺合するナット11により第1のダンパー固定部9を筋交5の下端部に固定したが、第1のダンパー固定部9と筋交5との固定は上記の方法に限られるものではなく、例えばドリリングネジ、ドリフトピン等の固定手段を用いて第1のダンパー固定部9を筋交5の端部に固定するようにしてもよい。
図6に示した第1の実施形態の変形例では、第2のダンパー固定部14が外嵌される土台2として、ストレート形状のものを示したが、第2のダンパー固定部14と嵌合する部分の上面、底面及び左右側面が第2のダンパー固定部14の厚さ分だけ切除された土台2を用いてもよい。
(第2の実施形態)
図9は本発明の第2の実施形態を示す図であり、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、剛性部材7b,7d,7f,7hの端部に形成された抜け止め部15が第2のダンパー固定部14に形成された抜け止め溝16内に保持する角筒状のストッパ17を第2のダンパー固定部14の上端に配置した点である。
このような構成によると、地震発生時において、剛性部材7b,7d,7f,7hの端部に形成された抜け止め部15が第2のダンパー固定部14に形成された抜け止め溝16の上側開口端から抜け出ることをストッパ17により防止することができる。
なお、第2の実施形態では、土台2上に設置される柱3として、図8に示した柱3(下端部3aが他の部分より細く形成された柱)を用いてストッパ17を柱3に固定するようにしたが、ストッパ17の固定方法は上記に限られるものではなく、例えばボルトとナットを用いてストッパ17を柱3に固定するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
図10〜図13は本発明の第3の実施形態を示す図であり、第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、土台2、柱3及び梁5で形成された矩形の空間に二本の筋交5が互いに交差して斜めに架設される建築物に本発明を適用した点である。ここで、第3の実施形態に係る制振装置は、第1の実施形態と同様に、ダンパー部6、第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14から構成されているが、第3の実施形態におけるダンパー部6は、筋交5の長手方向に対して直交する方向に重ね合わされた四枚の板状剛性部材4a,4b,4c,4dと、これら板状剛性部材4a〜4dの間にそれぞれ形成された四つの粘弾性体8とから構成されている。これらの剛性部材4a〜4dおよび粘弾性体8はダンパー部構成要素61を構成しており、この第3の実施形態のように、ダンパー部6を一つのダンパー部構成要素61から構成しても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図10〜図13に示した第3の実施形態では、第1のダンパー固定部9の底板部91の厚さを側板部92,93よりも厚くして抜け止め溝16を底板部91に形成したが、図14に示すように、ダンパー部6に向かって突出する凸部18を底板部91に形成し、この凸部18に抜け止め溝16を形成してもよい。
(第4の実施形態)
図15及び図16は本発明の第4の実施形態を示す図であり、第4の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、粘弾性体8が形成されていない剛性部材間、すなわち剛性部材7b,7c間、剛性部材7d,7e間、剛性部材7f,7g間に板状スペーサ19を介挿するとともに、筋交5の長手方向に沿って長円形状に形成されたボルト挿通孔43を板状スペーサ19と剛性部材7a〜7hの両端部に形成し、これらのボルト挿通孔43を貫通するボルト20a,20bと該ボルト20a,20bに螺合するナット21a,21bによりダンパー部6の剛性部材7a〜7hと板状スペーサ19とを一体化した点である。
このような構成によると、剛性部材7a〜7hの端部に形成された抜け止め部15を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14に形成された抜け止め溝16に挿入するときに剛性部材7a〜7hがバラバラになることがないので、剛性部材7a〜7hの端部に形成された抜け止め部15を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14に形成された抜け止め溝16に容易に挿入することができ、これにより、ダンパー部6の両端部を第1のダンパー固定部9および第2のダンパー固定部14に容易に固定することができる。
また、ボルト20a,20bが挿通するボルト挿通孔43を筋交5の長手方向に沿って長円形状に形成したことで、地震発生時における振動エネルギ吸収時に、例えば剛性部材7a,7bと剛性部材7c,7bとの間に位置ずれが生じてもボルト20a,20bが剛性部材と干渉することを防止することができる。
(第5の実施形態)
図17は本発明の第5の実施形態を示す図であり、第5の実施形態が第3の実施形態と異なる第1の点は、ダンパー部6の剛性部材7aと剛性部材7cとの間に板状スペーサ45を介挿し、この板状スペーサ45および剛性部材7a,7cに穿設されたボルト挿通孔を貫通するボルト46と該ボルト46に螺合するナット47により剛性部材7a,7cおよび板状スペーサ45を締結した点である。
また、第5の実施形態が第3の実施形態と異なる第2の点は、ダンパー部6の剛性部材7bと剛性部材7dとの間に板状スペーサ48を介挿し、この板状スペーサ48および剛性部材7b,7dに穿設されたボルト挿通孔を貫通するボルト49と該ボルト49に螺合するナット50により剛性部材7b,7dおよび板状スペーサ48を締結した点である。
このような構成によると、剛性部材7aと剛性部材7cとの間隔が一定に保たれるため、剛性部材7a,7cの端部に形成された抜け止め部15を第1のダンパー固定部9に形成された抜け止め溝16にスムーズに挿入することができる。
また、剛性部材7bと剛性部材7dとの間隔が一定に保たれるため、剛性部材7b,7dの端部に形成された抜け止め部15を第2のダンパー固定部14に形成された抜け止め溝16にスムーズに挿入することができる。
(第6の実施形態)
図18は本発明の第6の実施形態を示す図であり、第6の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第2のダンパー固定部14を角筒部26と、この角筒部26の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部27とから形成し、これらの補強板部27のうち互いに対向する二つの補強板部の間に、柱3の下端部から下方に突出する角柱状の接続部材28と嵌合し且つ土台2に形成されたほぞ穴29から上方に突出する角柱状の固定部材30と嵌合する空間部31を形成した点である。
ここで、接続部材28はその上端部が柱3の下端部に形成された凹部32に嵌入され、柱3および接続部材28を貫通する複数本(例えば二本)の固定ピン33により柱3の下端部に固定されている。一方、固定部材30はその下端部が土台2のほぞ穴29に嵌入され、土台2および固定部材30を貫通する複数本(例えば二本)の固定ピン34により土台2に固定されている。
第2のダンパー固定部14の空間部31に上方から挿入された接続部材28は複数本(例えば二本)の固定ピン35により第2のダンパー固定部14に固定される。また、第2のダンパー固定部14の空間部31に下方から挿入された固定部材30は複数本(例えば二本)の固定ピン36により第2のダンパー固定部14に固定される。
土台2は角筒部37と、この角筒部37の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部38とからなり、これらの角筒部37および補強板部38はアルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。
このような構成によると、第2のダンパー固定部14を土台2に外嵌する形状に形成しなくても第2のダンパー固定部14を土台2に固定することができる。
また、第2のダンパー固定部14を角筒部26と、角筒部26の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部27とから形成したことで、第2のダンパー固定部14の強度向上を図ることができる。
また、角筒部28の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部27のうち互いに対向する二つの補強板部の間に、土台2に形成されたほぞ穴29から上方に突出する固定部材30と嵌合する空間部31を形成したことで、第2のダンパー固定部14を土台2に外嵌することが困難な場合でも第2のダンパー固定部14を土台2上に設置することができる。また、第1の実施形態のように、第2のダンパー固定部14を柱3に取り付けた場合のように、第2のダンパー固定部14の外面部と柱3の側面部との間に段差が生じることを防止することができる。
さらに、土台2をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、土台2の軽量化、耐食性および耐白蟻性の向上を図ることができる。
また、土台2を角筒部37と、この角筒部37の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部38とから形成したことで、土台2の強度向上を図ることができるとともに、補強板部38が存在することにより、土台上面の所定箇所(補強板部間)を切除するだけで、土台2の上面にほぞ穴29を精度よく且つ容易に形成することができる。
また、土台2上の任意の位置にほぞ穴29を形成できるので、第2のダンパー固定部14を土台2上の任意の位置に設置することができる。
図18に示した第6の実施形態では、接続部材28を柱3と別体に形成したが、図19に示すように、接続部材28を柱3と一体に形成してもよい。
また、図18に示した第6の実施形態では、第2のダンパー固定部14の二つの側面部141,142のうち一方の側面部に抜け止め溝16を形成したものを示したが、図20に示すように、二つの側面部141,142の両方に抜け止め溝16を形成してもよい。
また、図18に示した第6の実施形態では、柱3の下端部から突出する角柱状の接続部材28を第2のダンパー固定部14の内部に形成された空間部31に上方より嵌入して土台2の上面部と柱3の下端部とを連結するようにしたが、図21に示すように、土台2の上面部に形成されたほぞ穴29に接続部材28を直接的に嵌入して土台2の上面部と柱3の下端部とを連結するようにしてもよい。
(第7の実施形態)
図22は本発明の第7の実施形態を示す図であり、第7の実施形態が第6の実施形態と異なる点は、土台2のほぞ穴29に嵌合する凸部39a,39bを第2のダンパー固定部14に形成し、凸部39a,39bに形成された貫通孔40a,40bおよび土台2に形成された貫通孔41a,41bに不図示の固定ピンを挿入して第2のダンパー固定部14を土台2に固定した点である。
このような構成によると、第2のダンパー固定部14を土台2に外嵌する形状に形成しなくても第2のダンパー固定部14を土台2に固定することができる。
また、第6の実施形態と同様に、第2のダンパー固定部14を土台2の上面の任意の位置に設置することができる。
図22に示した第7の実施形態では、第2のダンパー固定部14の下面に突設されたプレート状の凸部39a,39bを土台2のほぞ穴29に嵌入して第2のダンパー固定部14を土台2の上面に固定するようにしたが、ほぞ穴29に嵌入される凸部としては、図22に示したものに限られるものではなく、ほぞ穴29に隙間なく嵌合する形状であればよい。
また、図22に示した第7の実施形態では、土台2、柱3及び梁4により形成される矩形の空間に二本の筋交5が互いに交差して斜めに架設される建築物に適用した場合を示したが、土台2、柱3及び梁4により形成される矩形の空間に一本の筋交5が斜めに架設される建築物についても適用することが可能である。
上述した第6及び第7の実施形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる土台2にほぞ穴29を形成したが、ほぞ穴29が形成される土台2の材質は特に限定されるものではなく、例えば木製の土台にほぞ穴29を形成してもよい。
なお、図21に示した変形例や図22に示した第7の実施形態では、第2のダンパー固定部14を柱3に隣接して土台2の上面に設置したが、柱3と第2のダンパー固定部14は互いに隣接していなくてもよい。
(第8の実施形態)
図1〜図4に示した第1の実施形態では、ダンパー部6の一方の端部が第1のダンパー固定部9により筋交5の下端部に固定され、ダンパー部6の他方の端部が第2のダンパー固定部14により柱3の下端部に固定されるものを示したが、図23に示す第8の実施形態のように、長さ方向に二分割された筋交5a,5bのうち一方の筋交5aの端部に第1のダンパー固定部9を装着すると共に、他方の筋交5bの端部に第2のダンパー固定部14を装着し、これらの間にダンパー部6を配置してもよい。
このような構成によると、筋交5a,5b間に作用する地震のエネルギをダンパー部6により吸収することができる。
(第9の実施形態)
第1ないし第8の実施形態では、ダンパー部6の一方の端部が第1のダンパー固定部9により筋交5の端部に固定され、ダンパー部6の他方の端部が第2のダンパー固定部9により柱3または土台2または梁4に固定されるものを示したが、柱が大きな曲げ剛性を有している場合には、図24に示す第9の実施形態のように、土台上に立設された二本の柱3,3のうち一方の柱3に第1のダンパー固定部9を装着すると共に、他方の柱3に第2のダンパー固定部14を装着し、これらの間にダンパー部6を水平に架設してもよい。
このような構成によると、柱3に作用する地震のエネルギを柱3,3間に架設されたダンパー部6により吸収することができる。
(第10の実施形態)
図24に示した第9の実施形態では、二本の柱の間にダンパー部6を水平に架設して地震時の振動エネルギを吸収するようにしたが、図25に示す第10の実施形態のように、ダンパー部6の一方の端部を第1のダンパー固定部9により梁4に固定し、ダンパー部6の他方の端部を第2のダンパー固定部14により土台2に固定してもよい。
このような構成によると、土台2や梁4に作用する地震の動エネルギを土台2、梁4間に架設されたダンパー部6により吸収することができる。
(第11の実施形態)
図25に示した第10の実施形態では、ダンパー部6の一方の端部が第1のダンパー固定部9により梁4に固定され、ダンパー部6の他方の端部が第2のダンパー固定部14により土台2に固定されるものを示したが、柱および梁が大きな曲げ剛性を有している場合には、図26に示す第11の実施形態のように、ダンパー部6の一方の端部を第1のダンパー固定部9により梁4に固定し、ダンパー部6の他方の端部を第2のダンパー固定部14により柱3の上端部に固定してもよい。なお、第1のダンパー固定部9は梁4の他に土台2に固定してもよい。
このような構成によると、柱3や梁4或いは土台2に作用する地震のエネルギを柱3、梁4或いは土台2が形成する角部に設置されたダンパー部6により吸収することができる。
なお、第8〜第11の実施形態において、ダンパー部6の構成は図3で示した複数のダンパー部構成要素からなるものと図11〜図14に示した一つのダンパー部構成要素からなるもののどちらを選択しても構わない。また、図9に示したストッパ17や図15〜図17に示したスペーサ19,45,48を必要に応じて適宜用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置の正面図である。 図1のA部を拡大して示す図である。 図2のIII−III断面を示す図である。 図3のIV−IV断面を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置の組付け方法を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置の第1の変形例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置の第2の変形例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る建物用制振装置の第3の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る建物用制振装置の正面図である。 本発明の第3の実施形態に係る建物用制振装置の要部を示す図である。 図10のXI−XI断面を示す図である。 図10のXII−XII断面を示す図である。 図10のXIII−XIII断面を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る建物用制振装置の変形例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る建物用制振装置の正面図である。 図15のXVI−XVI断面を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る建物用制振装置の要部を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る建物用制振装置とこれを用いた建築物の制振構造を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る建物用制振装置の第1の変形例を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る建物用制振装置の第2の変形例を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る建物用制振装置の第3の変形例を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る建物用制振装置を示す図である。 本発明の第8の実施形態に係る建物用制振装置を示す図である。 本発明の第9の実施形態に係る建物用制振装置を示す図である。 本発明の第10の実施形態に係る建物用制振装置を示す図である。 本発明の第11の実施形態に係る建物用制振装置を示す図である。
符号の説明
1 建物用制振装置
2 土台
3 柱
4 梁
5 筋交
6 ダンパー部
61,62,63,64 ダンパー部構成要素
7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h 剛性部材
8 粘弾性体
9 第1のダンパー固定部
91 底板部
92,93 側板部
12,13,40a,40b,41a,41b 貫通孔
10,20a,20b,24,46,49 ボルト
11,21a,21b,25,47,50 ナット
14 第2のダンパー固定部
15 抜け止め部
16 抜け止め溝
17 ストッパ
18 凸部
19,45,48 板状スペーサ
22 突出片
26,37 角筒部
27,38 補強板部
28 接続部材
29 ほぞ穴
30 固定部材
31 空間部
32 凹部
33,34,35,36 固定ピン
39a,39b 凸部
42 段差
43 ボルト挿通孔

Claims (9)

  1. 所定方向に重ね合わされた複数の剛性部材の間に粘弾性体を形成してなるダンパー部構成要素から構成されるダンパー部と、該ダンパーの一方の端部を建築物の構造材に固定する第1のダンパー固定部と、前記ダンパー部の他方の端部を建築物の他の構造材に固定する第2のダンパー固定部とからなり、前記剛性部材は板状に形成され、前記ダンパー部は前記剛性部材の端部が前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部に形成された溝に挿入されることにより前記第1のダンパー固定部と前記第2のダンパー固定部との間に固定支持されることを特徴とする建物用制振装置。
  2. 請求項1記載の建物用制振装置において、前記ダンパー部は前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部からの前記ダンパー部の離脱を防止する抜け止め部を前記剛性部材の端部に有し、前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部に形成された溝は前記抜け止め部と嵌合する抜け止め溝であることを特徴とする建物用制振装置。
  3. 請求項1または2項記載の建物用制振装置において、前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とする建物用制振装置。
  4. 請求項3記載の建物用制振装置において、前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部を押出成形により形成し、かつ前記抜け止め溝を前記第1のダンパー固定部および前記第2のダンパー固定部と一体に形成したことを特徴とする建物用制振装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の建物用制振装置において、前記ダンパー部は前記ダンパー部構成要素を前記筋交の長手方向に対して直交する方向に複数並置して構成され、前記第1のダンパー固定部は前記ダンパー部の一方の端部を前記筋交の端部に固定するダンパー固定部であり、前記第2のダンパー固定部は前記ダンパー部の他方の端部を前記建築物の土台または柱または梁に固定するダンパー固定部であることを特徴とする建物用制振装置。
  6. 請求項5記載の建物用制振装置において、前記土台に形成されたほぞ穴に嵌合する凸部を前記第2のダンパー固定部に形成したことを特徴とする建物用制振装置。
  7. 請求項5または6記載の建物用制振装置において、前記第2のダンパー固定部を角筒部と、該角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部とから形成し、これらの補強板部のうち互いに対向する二つの補強板部の間に、前記土台に形成されたほぞ穴から上方に突出する固定部材と嵌合する空間部を形成したことを特徴とする建物用制振装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項記載の建物用制振装置を用いた建築物の制振構造であって、前記土台をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とする建築物の制振構造。
  9. 請求項8記載の建築物の制振構造において、前記土台を角筒部と、該角筒部の内側に互いに平行に形成された複数の補強板部とから形成したことを特徴とする建築物の制振構造。
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