JP2021067106A - 木質梁を備える柱梁架構 - Google Patents

木質梁を備える柱梁架構 Download PDF

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貴志 白山
茂隆 徳武
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茂隆 徳武
希 佐藤
Mare Sato
希 佐藤
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Abstract

【課題】木質梁の繊維方向に制振部材からの力が伝わり、比較的大きな開口が取れる柱梁架構を提供する。【解決手段】柱梁架構1は、木質梁4と、土台2に立設されて木質梁4の中間部に接合された間柱6とを備える。間柱6は、制振装置5を含み制振部材として機能する。間柱6における木質梁4への接合部13は、鋼製の部材からなり、緊張材7のプレストレスによって、木質梁4の延在方向に直交する接合面7において木質梁4に圧着している。このため、間柱6の曲げが圧縮力として木質梁4に伝わるため、木質梁の繊維方向に力が伝わり、木質梁4に大きな反力をとれる。また、斜め方向に延在するブレースを制振部材として使用する場合に比べて、間柱6を制振部材として使用するため枠を構成する部材によって画成される開口が大きくなる。【選択図】図1

Description

本開示は、木質梁を備える柱梁架構、特に制振装置を備える柱梁架構に関する。
柱や梁に使用される集成材や単板積層材等の木質材料は、直交異方性、すなわち、木材の繊維に平行な方向の圧縮力には強いが繊維に直交する方向の圧縮力には弱いという性質を有する。そのため、木質材料を含む柱梁架構に耐震部材又は制振部材を取り付ける場合、ブレース形状で取り付けることが多い(例えば、特許文献1)。
特開2017−179791号公報
ブレース形状の部材、すなわち斜め方向に延在する部材を取り付けると、枠を構成する部材によって画成される開口を大きく取れないという問題があった。また、耐震部材又は制振部材を柱や梁の中間部に釘又はボルトで取り付けると、大きな反力が取れず、また、繊維直交方向に大きな反力が生じるおそれがあった。
このような問題に鑑み、本発明は、木質梁の繊維方向に制振部材からの力が伝わり、比較的大きな開口が取れる柱梁架構を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、水平部材(2)、前記水平部材(2)に立設された1対の柱(3)、及び1対の前記柱(3)間に架け渡された木質梁(4,53,63)を備える柱梁架構(1,21,31,41,51,61,71)であって、前記水平部材(2)に立設され、制振装置(5)と前記木質梁(4,53,63)の中間部に接合された鋼製又はコンクリート造の接合部(13,22,32,42,62,72)とを含む1又は複数の間柱(6,69,73)又は壁を備え、前記接合部(13,22,32,42,62,72)は、前記木質梁(4,53,63)と力を伝達するべく前記木質梁(4,53,63)の延在方向に直交して前記木質梁(4,53,63)に当接する接合面(17,70)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、木質梁の延在方向に直交する接合面が、制振装置として機能する間柱の曲げを圧縮力として木質梁に伝達するため、木質梁には繊維方向(木質梁の延在方向)に力が伝わる。このため、木質梁に大きな反力がとれる。また、斜め方向に延在するブレースを制振部材として使用する場合に比べて、間柱を制振部材として使用した架構は開口が大きい。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る柱梁架構(1,21,31,41,51,61,71)は、上記構成において、前記接合部(13,22,32,42,62,72)の前記接合面(17,70)及び前記木質梁(4,53,63)を互いに圧着させるプレストレスを与える緊張材(7,25,52,66)を更に備えることを特徴とする。
この構成によれば、接合面が木質梁に圧着するため、接合部と木質梁との接合を剛接合とみなすことができ、また、間柱の曲げが圧縮力として木質梁に伝わりやすくなる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る柱梁架構(1,51,71)は、上記構成において、前記木質梁(4,53)は、それぞれ、両端部において、互いに隣り合う前記柱(3)及び前記接合部(13,72)、又は、互いに隣り合う2つの前記接合部(13,72)に接合された複数の梁部材(10,54)を備え、前記緊張材(7,52)は、前記接合部(13,72)を貫通して、両端部において前記柱(3)又は前記梁部材(54)に定着されたことを特徴とする。
この構成によれば、木質梁の延在方向の全長に渡って、又は接合部の近傍にプレストレスを導入できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る柱梁架構(1,51)は、上記構成において、前記接合部は、鋼製であって、H形鋼(14)と、前記H形鋼(14)の両端部に固定されて前記接合面(17)を形成する1対の鋼板(15)とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、H形鋼と鋼板との組み合わせによって剛性の高い接合部となり、接合部が間柱の曲げを圧縮力として木質梁に伝えるのに好適となる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る柱梁架構(21,31,41)は、上記の第2の構成において、前記木質梁(4)は、両端部において、互いに隣り合う前記柱(3)及び前記接合部(22,32,42)、又は、互いに隣り合う2つの前記接合部(22,32,42)に接合された複数の梁部材(10)を含み、前記緊張材(25)の各々は、1つの前記梁部材(10)を貫通し、両端部において、互いに隣り合う前記柱(3)及び前記接合部(22,32,42)、又は、互いに隣り合う2つの前記接合部(22,32,42)にそれぞれ定着されたことを特徴とする。
この構成によれば、梁部材毎にプレストレスを導入できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る柱梁架構(21,31,41)は、上記構成において、前記接合部(22,32,42)は、鋼製であって、(i)互いに固定された1対の溝形鋼(23)、及び1対の前記溝形鋼(23)における互いに反対側の端部に固定されて前記接合面(17)を形成する1対の鋼板(15)、(ii)H形鋼(14)、及び前記H形鋼(14)の両端部に固定されて前記接合面(17)を形成する1対の鋼板(15)、又は(iii)前記接合面(17)を形成するフランジを含み、互いに固定された1対のCT形鋼(43)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、(i)又は(iii)においては、プレストレスの導入後に1対の溝形鋼又はCT形鋼を互いに結合することにより、柱の柱梁接合体が間柱側に変位することが防止でき、(ii)においては、あらかじめ工場等で接合体を組み立てておくことで現場での作業を減らすことができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係る柱梁架構(61)は、上記の第1又は第2の構成において、前記木質梁(63)は、鉛直方向に延在する接合孔(64)を前記中間部に有する1本の部材からなり、前記接合部(62)は、鋼製であって、前記接合面(70)を形成するフランジを備えるH形鋼を含み、前記接合孔(64)に受容されたことを特徴とする。
この構成によれば、木質梁が1本の部材からなるため、木質梁の架設作業時間を短縮できる。
本発明によれば、木質梁の繊維方向に制振部材からの力が伝わり、比較的大きな開口が取れる柱梁架構を提供することができる。
第1実施形態に係る柱梁架構を示す模式的正面図 第2実施形態に係る柱梁架構の接合部を示す図(A:平面図、B:正面図、C:B図におけるC−C断面図) 第3実施形態に係る柱梁架構の接合部を示す図(A:平面図、B:正面図、C:B図におけるC−C断面図) 第4実施形態に係る柱梁架構の接合部を示す図(A:平面図、B:正面図) 第5実施形態に係る柱梁架構の接合部を示す図(A:平面図、B:正面図) 第6実施形態に係る柱梁架構の接合部を示す図(A:平面図、B:正面図) 第7実施形態に係る柱梁架構を示す模式的正面図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る柱梁架構1を示す。柱梁架構1は、鉄筋コンクリート造の土台2と、土台2に立設された複数の柱3と、互いに隣り合う2つの柱3の上端間に架け渡された木質梁4と、土台2に立設されて、上端部において木質梁4の中間部に接合して、制振装置5を含む間柱6と、木質梁4にプレストレスを与える緊張材7とを備える。木質の部材は、集成材又は単板積層材等であり、木材の繊維は概ねその部材の延在方向に延びている。
土台2は、布基礎等の基礎の上にすえられた、又は基礎と一体化された水平部材である。土台2は、鉄筋コンクリート造に代えて、鉄骨造又は木造であってもよい。また、2階層以上の建物の上層階においては、下層階の梁等の水平部材が土台2に相当する。
柱3は、木質材料からなる柱本体8と、柱本体8の上端に固定されたコンクリート造、好ましくは鉄筋コンクリート造の柱梁接合体9とを含む。柱梁接合体9は、プレキャストコンクリートであることが好ましい。なお、柱本体8を鉄筋コンクリート造又は鉄骨造にしてもよく、柱梁接合体9を鉄骨造にしてもよい。
木質梁4は、互いにその延在方向に整合するように配置された木質材料からなる1対の梁部材10を備える。1対の梁部材10は、一端側において互いに共通の間柱6に接合し、他端側において対応する柱3の柱梁接合体9に接合する。梁部材10の端面は、柱梁接合体9及び間柱6に直接に当接してもよく、グラウト(図示せず)等を介して当接してもよい。木質梁4は、3〜4mの長さを有することが好適である。
間柱6は、互いに制振装置5を介して上下に連結された間柱本体上部11及び間柱本体下部12と、間柱本体上部11の上端に固定された接合部13とを備える。間柱本体上部11及び間柱本体下部12は鋼板からなる。接合部13は、上下のフランジが水平に配置されてウェブが鉛直方向及び木質梁4の延在方向に平行に配置されたH形鋼14と、H形鋼14の両端部に溶接等により固定された1対の鋼板15と、1対の鋼板15間に鋼板15に平行に配置されてH形鋼14に溶接された補強板16とを含む。なお、間柱本体上部11及び/又は間柱本体下部12を、鋼板以外の鋼材(例えば、H形鋼や溝形鋼)、木質材料(好ましくは鉛直方向にプレストレスが与えられた木質材料)、又は鉄筋コンクリートで構成してもよい。
制振装置5として、制振壁又は粘弾性ゴム等の公知の制振構造の装置を使用できる。制振装置5は、ボルト及びナット等の締結具(図示せず)によって間柱本体上部11及び間柱本体下部12に固定される。
H形鋼14は、下フランジの下面において溶接等により間柱本体上部11の上端に固定される。鋼板15におけるH形鋼14に溶接された側と反対の表面が、木質梁4と力を伝達するべく梁部材10の延在方向における間柱6側の端面に圧着する接合面17を形成している。鋼板15が梁部材10における間柱6側の端面の全面に圧着するように、木質梁4の延在方向から見て、接合面17の輪郭と梁部材10における間柱6側の端面の輪郭とは互いに略一致している。接合面17と梁部材10における間柱6側の端面との互いの圧着は、緊張材7のプレストレスによってもたらされる。
緊張材7は、間柱6の接合部13、1対の梁部材10及び1対の柱梁接合体9に挿通され、両端部において定着具18によって1対の柱梁接合体9における互いに対して離間する側の表面に定着される。間柱6の接合部13、1対の梁部材10及び1対の柱梁接合体9には、緊張材7を挿通させる貫通孔が木質梁4の延在方向に沿って設けられている。梁部材10の貫通孔は、貫通孔形成前の梁部材10を貫通孔が形成される部分を通る面で切断し、切断された2つの部材を再び合わせたときに貫通孔が形成されるように切断面を切削し、その後、2つの部材を切断面で接着することによって形成される。緊張材7は、ポストテンション方式で緊張される。また、緊張材7はアンボンドであることが好ましい。緊張材7は、木質梁4にプレストレスを与え、梁部材10における間柱6側の端面と接合部13の接合面17とを圧着し、かつ、梁部材10における柱3側の端面と柱梁接合体9とを圧着する。緊張材7は、PC鋼棒、PC鋼線、PC鋼より線、又は、アラミド繊維、炭素繊維若しくはガラス繊維等の繊維強化プラスチック製の棒若しくはケーブル等を素材とする。クリープ等による緊張力減退の影響を減らすため、緊張材7として弾性係数の小さな素材を採用することが好ましい。
木質梁4に固定された間柱本体上部11と土台2に固定された間柱本体下部12との間の振動が制振装置5によって減衰するため、間柱6は柱梁架構1の振動を抑制する制振部材として機能する。梁部材10と間柱6における接合部13とが、木質梁4の延在方向に直交する面で互いに圧着しているため、間柱6の曲げが圧縮力として梁部材10に伝わる。このため、木質梁4に伝わる力の方向が木質梁4の繊維の方向、すなわち圧縮強度の高い方向と一致し、制振部材として木造ダンパーを使用した場合よりも木質梁4に大きな反力がとれる。接合部13は、鋼材の組み合わせによって鋼製されるため、剛性が高くかつ直交異方性がないため、曲げを圧縮力に変換するのに好適である。また、接合部13を工場等で組み立てておくことにより、現場での作用を減らすことができる。
各々の緊張材7が木質梁4の全長に渡ってプレストレスを与えるため、梁部材10毎にプレストレスを導入する場合に比べて、緊張作業の回数が少ない。
緊張材7のプレストレスによって、間柱6の接合部13と木質梁4とが互いに圧着され、かつ、木質梁4の両端部と柱梁接合体9とが互いに圧着されるため、これらの圧着部分が剛接合となる。
また、柱梁架構1は、ブレースではなく間柱6を採用するため、斜め方向に延在するブレースが存在する場合に比べて、土台2、柱3、木質梁4及び間柱6によって画成される開口が大きくなる。
木質梁4の表面が露出し、鋼製の接合部13が木質梁4に覆われることにより、梁が木造物として表現される。
柱梁接合体9が、直交異方性を有する木質造ではなくコンクリート造であるため、鉛直荷重だけでなく木質梁4の延在方向に大きな力を受けても破壊しない。そのため、木質梁4の延在方向に作用する緊張材7によるプレストレスを大きくでき、柱梁接合体9と梁部材10との互いの接合をモーメント抵抗接合とすることができる。梁部材10を柱梁接合体9に高い圧力で押し付けることにより、梁部材10が柱梁接合体9から離間するまでこの部分の剛性を確保でき、また、離間後の曲げ耐力を増大させることができ、ラーメン架構としての剛性及び耐力が増大する。また、接合部分の剛性が大きくなるため、架構全体の剛性を増大させることができる。更に、梁部材10の端部の柔らかい層は、プレストレスの導入段階で柱梁接合体9から圧力を受けてつぶれるため、より確実な剛接合となる。
緊張材7で緊張することによって、木質梁4のスパンを比較的大きくでき、広く開放的な空間を作ることができる。また、木質建物の剛性及び耐力が増大するため、木材の利用可能範囲が広がり、再生可能資源である木材、特に木質材料の利用促進に貢献する。また、木材は、コンクリートや鉄骨に比べて軽いため、建物の自重を低減させることができる。
柱梁接合体9がコンクリート造であり、接合部13が鋼製であるため、大地震時においても接合部分は弾性を保ち、アンボンドプレストレスによるリセンタリング機能により、地震終了後の残留変形が小さくなる。また、柱梁接合体9がコンクリート造であるため、梁部材10の端部を含め加工手間等が低減される。
図2は、第2実施形態に係る柱梁架構21における接合部22の近傍を示す。なお、第2〜第6実施形態の説明において、説明済みの実施形態と共通する構成については同一の符号を付し説明を省略する。第2実施形態に係る柱梁架構21は、主として接合部22の構造及び緊張材25の配置において第1実施形態と異なり、以下に説明しない構成は第1実施形態と同様である。
接合部22は、上下のフランジが水平に配置されてウェブが上下方向及び木質梁4の延在方向に平行に配置された1対の溝形鋼23と、それぞれが対応する溝形鋼23に固定された1対の鋼板15とを含む。1対の溝形鋼23のウェブは、間柱本体上部11の上端部を挟持した状態で、ボルト及びナット等の締結具24によって互いに固定される。1対の溝形鋼23は、互いに略同一の長さを有するが、木質梁4の延在方向に互いにわずかにずれるように配置される。図2(A)中における右方にずれた溝形鋼23の右端に一方の鋼板15が溶接等により固定され、左方にずれた溝形鋼23の左端に他方の鋼板15が溶接等により固定されている。
第1実施形態における緊張材7(図1参照)の各々は、1対の梁部材10の双方にプレストレスを与えていたが、第2実施形態における緊張材25の半数は一方の梁部材10にプレストレスを与え、緊張材25の残りの半数は他方の梁部材10にプレストレスを与える。緊張材25は、柱3側の端部において柱梁接合体9(図1参照)に定着具18によって定着され、間柱6側の端部において接合部22の鋼板15に定着具18によって定着される。
第1実施形態では、プレストレスの導入によって柱梁接合体9が間柱6側に変位するが、第2実施形態では、プレストレスの導入後に1対の溝形鋼23及び間柱本体上部11を互いに締結することによって、柱梁接合体9の間柱6側への変位を防止できる。
緊張材25は、木質梁4全体ではなく梁部材10ごとにプレストレスを導入するが、梁部材10と柱梁接合体9及び接合部22との圧着に関する作用効果は、第1実施形態と同様である。
図3は、第3実施形態に係る柱梁架構31における接合部32の近傍を示す。第3実施形態に係る柱梁架構31は、緊張材25の配置が第2実施形態と同様であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
すなわち、接合部32は、上下のフランジが水平に配置されてウェブが上下方向及び木質梁4の延在方向に平行に配置されたH形鋼14と、H形鋼14の両端部に溶接された1対の鋼板15と、1対の鋼板15間に鋼板15に平行に配置されてH形鋼14に溶接された補強板16とを含む。また、緊張材25の半数が一方の梁部材10にプレストレスを与え、緊張材25の残りの半数が他方の梁部材10にプレストレスを与えるように、緊張材25は、柱3側の端部において柱梁接合体9に定着具18によって定着され(図1参照)、間柱6側の端部において接合部32の鋼板15に定着具18によって定着される。
梁部材10と柱梁接合体9及び接合部13との圧着に関する作用効果は、第1及び第2実施形態と同様である。
なお、第3実施形態は、緊張材25を配置せずに、ボルトによって接合部32の鋼板15と梁部材10とを互いに接合するように変形実施してもよい。また、この変形例においては、プレストレスを受けないため、柱梁接合体9(図1参照)を柱本体8(図1参照)と同様の木質材料から構成してもよい。
図4は、第4実施形態に係る柱梁架構41における接合部42の近傍を示す。第4実施形態に係る柱梁架構41は、主として接合部42の構造において第2実施形態と相違し、以下に説明しない構成は第2実施形態と同様である。
接合部42は、木質梁4の延在方向に直交するように配置されたフランジと、鉛直方向及び木質梁4の延在方向に平行に配置されたウェブとを含む1対のCT形鋼43を含む。1対のCT形鋼43は、フランジが互いに反対側を向くように配置される。CT形鋼43のフランジにおけるウェブとは反対側の表面が、梁部材10に圧着する接合面17を形成している。
間柱本体上部44は、1対のCT形鋼43の双方のウェブを挟持する1対の鋼板を含み、下端側において制振装置5(図1参照)に固定されている。1対のCT形鋼43のウェブと間柱本体上部44の上側部分とはボルト及びナット等の締結具24によって互いに固定される。
梁部材10と柱梁接合体9及び接合部42との圧着に関する作用効果、並びに、プレストレスの導入後に接合部42と間柱本体上部44とを互いに締結することによる作用効果は、第2実施形態と同様である。
図5は、第5実施形態に係る柱梁架構51における接合部13の近傍を示す。第5実施形態に係る柱梁架構51は、主として緊張材52の配置において第1実施形態と異なり、以下に説明しない構成については第1実施形態と同様である。
互いに隣り合う柱3(図1参照)間に架け渡された木質梁53は、1対の梁部材54を含む。梁部材54における間柱6側の端部の側面には凹部55が設けられている。
緊張材52は、接合部13及び1対の梁部材54における間柱6側の端部に挿通され、両端部において定着具18によって凹部55の内面に定着される。すなわち、緊張材52は、木質梁53の全体にプレストレスを与えるのではなく、梁部材54における間柱6の近傍にのみプレストレスを与える。
なお、梁部材54と柱梁接合体9(図1参照)との接合は、ピン接合でもよく、また、梁部材54における柱3(図1参照)側の端部の側面に凹部(図示せず、間柱6側の端部の側面の凹部55と同様のもの)を設けて、緊張材(図示せず)の両端部を柱梁接合体9及び該凹部の内面に固定するモーメント抵抗接合としてもよい。
梁部材54と接合部13との圧着に関する作用効果は、第1実施形態と同様である。
図6は、第6実施形態に係る柱梁架構61における接合部62の近傍を示す。第6実施形態に係る柱梁架構61は、木質梁63が接合部62を挟んで分離しておらず、接合部62が木質梁63に埋め込まれる点で第1〜第5実施形態と異なり、以下に説明しない構成については第1実施形態と同様である。
木質梁63は、その延在方向の中央部に鉛直方向に貫通する接合孔64を有する。接合部62及び間柱本体上部65は、一体のH形鋼によって構成され、H形鋼のフランジが木質梁63の延在方向に直交し、H形鋼のウェブが鉛直方向及び木質梁63の延在方向に平行に配置される。間柱本体上部65の下端側は制振装置5(図1参照)に固定されており、制振装置5は間柱本体下部12(図1参照)の上端側に固定されている。接合部62は、接合孔64に受容されている。
柱梁架構61は、木質梁63の延在方向の全長に渡ってプレストレスを与える第1緊張材66と、延在方向の両端部から接合孔64までの間にプレストレスを与える第2緊張材67とを備える。第1緊張材66は、木質梁63に設けられた挿通孔内に挿通され、両端部において互いに隣り合う柱3(図1参照)の柱梁接合体9(図1参照)に定着具18によって固定される。第1緊張材66は、接合孔64を避けて配置されることが好ましい。第2緊張材67は、木質梁63に設けられた挿通孔内に挿通され、一端側において柱梁接合体9(図1参照)に定着具18によって固定され、他端側において接合孔64の内面に定着具18によって固定される。第1緊張材66は木質梁63の下部に配置され、第2緊張材67は木質梁63の上部に配置されることが好ましい。
接合部62は、第2緊張材67の定着後に接合孔64に挿入され、第2緊張材67が定着された接合孔64の内面と接合部62を構成するH形鋼のフランジとの間は、グラウト等の充填材68によって充填される。
間柱69が、中間部に制振装置5(図1参照)を含んで制振部材として機能し、接合部62を構成するH形鋼にフランジにおけるウェブとは反対側の表面が、間柱69からの曲げを圧縮力として充填材68を介して木質梁63に伝達する接合面70を形成する。このため、第1〜第5実施形態と同様に、木質梁63に伝わる力の方向が木質梁63の繊維の方向、すなわち圧縮強度の高い方向と一致し、制振部材として木造ダンパーを使用した場合よりも木質梁63に大きな反力がとれる。
第1緊張材66のプレストレスによって、接合面70が木質梁63に圧着するため、この接合を剛接合とみなすことができる。
また、木質梁63が1本の部材からなるため、木質梁63の架設作業時間を短縮できる。
なお、第6実施形態の柱梁架構61は、第1緊張材66及び第2緊張材67を設けないように変形実施してもよい。この場合でも、間柱69からの力は木質梁63の延在方向に直交する接合面70によって圧縮力として木質梁63に伝わる。
図7は、第7実施形態に係る柱梁架構71を示す。第7実施形態に係る柱梁架構71は、接合部72を含む間柱73の鋼製において第1実施形態と異なり、以下に説明しない構成については第1実施形態と同様である。
間柱73は、土台2に立設された間柱本体下部75と、間柱本体下部75の上端部に固定された制振装置5と、下端部において制振装置5に固定された間柱本体上部74と、間柱本体上部74の上端部に固定されたコンクリート造の接合部72とを備える。間柱本体上部74及び間柱本体下部75はH形鋼からなる。間柱本体上部74の上端部は、コンクリート造の接合部72に埋設されている。接合部72は、木質梁4の延在方向からみて輪郭が木質梁4に一致する直方体形状をなし、木質梁4の延在方向に直交して柱梁接合体9に対向する面が接合面17を形成している。接合部72は、鉄筋コンクリート造であることが好ましく、また、プレキャストコンクリートであることが好ましい。なお、間柱本体上部74及び/又は間柱本体下部75を、H形鋼以外の鋼材(例えば溝形鋼等の形鋼)、木質材料(好ましくは鉛直方向にプレストレスが与えられた木質材料)、又は鉄筋コンクリートで構成してもよい。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。間柱に代えて、制振装置を含む壁を制振部材として用いてもよい。第1〜第5実施形態において、接合面を含む鋼材を、接着剤等により梁部材の端面に固定しておき、接合面を含む鋼材が緊張材のプレストレスによって間柱の他の部材に押されることにより、接合面が梁部材に圧着してもよい。
互いに隣り合う1対の柱の間に複数の間柱を設けてもよく、この場合の第1〜第5実施形態の変形例では互いに隣り合う間柱の間にも梁部材を設ける。更に、この場合の第2〜第4実施形態の変形例では、互いに隣り合う間柱の間に設けられた梁部材にプレストレスを与える緊張材は、両端部とも接合部に定着される。
1,21,31,41,51,61,71:柱梁架構
2:土台(水平部材)
3:柱
4,53,63:木質梁
5:制振装置
6,69:間柱
7,25,52:緊張材
10,54:梁部材
13,22,32,42,62,72:接合部
14:H形鋼
15:鋼板
17,70:接合面
23:溝形鋼
43:CT形鋼
66:第1緊張材(緊張材)

Claims (7)

  1. 水平部材、前記水平部材に立設された1対の柱、及び1対の前記柱間に架け渡された木質梁を備える柱梁架構であって、
    前記水平部材に立設され、制振装置と前記木質梁の中間部に接合された鋼製又はコンクリート造の接合部とを含む1又は複数の間柱又は壁を備え、
    前記接合部は、前記木質梁と力を伝達するべく前記木質梁の延在方向に直交して前記木質梁に当接する接合面を含むことを特徴とする柱梁架構。
  2. 前記接合部の前記接合面及び前記木質梁を互いに圧着させるプレストレスを与える緊張材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の柱梁架構。
  3. 前記木質梁は、それぞれ、両端部において、互いに隣り合う前記柱及び前記接合部、又は、互いに隣り合う2つの前記接合部に接合された複数の梁部材を備え、
    前記緊張材は、前記接合部を貫通して、両端部において前記柱又は前記梁部材に定着されたことを特徴とする請求項2に記載の柱梁架構。
  4. 前記接合部は、鋼製であって、H形鋼と、前記H形鋼の両端部に固定されて前記接合面を形成する1対の鋼板とを含むことを特徴とする請求項3に記載の柱梁架構。
  5. 前記木質梁は、両端部において、互いに隣り合う前記柱及び前記接合部、又は、互いに隣り合う2つの前記接合部に接合された複数の梁部材を含み、
    前記緊張材の各々は、1つの前記梁部材を貫通し、両端部において、互いに隣り合う前記柱及び前記接合部、又は、互いに隣り合う2つの前記接合部にそれぞれ定着されたことを特徴とする請求項2に記載の柱梁架構。
  6. 前記接合部は、鋼製であって、(i)互いに固定された1対の溝形鋼、及び1対の前記溝形鋼における互いに反対側の端部に固定されて前記接合面を形成する1対の鋼板、(ii)H形鋼、及び前記H形鋼の両端部に固定されて前記接合面を形成する1対の鋼板、又は(iii)前記接合面を形成するフランジを含み、互いに固定された1対のCT形鋼を含むことを特徴とする請求項5に記載の柱梁架構。
  7. 前記木質梁は、鉛直方向に延在する接合孔を前記中間部に有する1本の部材からなり、
    前記接合部は、鋼製であって、前記接合面を形成するフランジを備えるH形鋼を含み、前記接合孔に受容されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の柱梁架構。
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