JP2008050932A - 建築物の防蟻構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】白蟻の侵入・食害を確実に防止すると共に、柱材を容易に立設することができ、かつ、コストの低廉化を図れるようにした建築物の防蟻構造を提供すること。
【解決手段】建築物を白蟻の侵入及び食害から防ぐ建築物の防蟻構造において、建築物の基礎1上に敷設される土台2に、白蟻に対する耐食性を有する金属製接続部材4を介在して柱材6を立設する。この際、柱材の下面に突設されるほぞ部材5を、接続部材の上面に設けられたほぞ穴43に挿入することで柱材と接続部材を接合する。
【選択図】 図2
【解決手段】建築物を白蟻の侵入及び食害から防ぐ建築物の防蟻構造において、建築物の基礎1上に敷設される土台2に、白蟻に対する耐食性を有する金属製接続部材4を介在して柱材6を立設する。この際、柱材の下面に突設されるほぞ部材5を、接続部材の上面に設けられたほぞ穴43に挿入することで柱材と接続部材を接合する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、建築物を白蟻の侵入及び食害から防ぐ建築物の防蟻構造に関するものである。
一般の主な木造住宅は、コンクリートからなる基礎上に土台となる木材を敷設し、土台の上に柱を立設するという工法が採られている。そのため、住宅を白蟻の侵入・食害から防ぐための防蟻処理が必要となる。
一般的な防蟻処理としては、建築物の基礎等の表面に防蟻剤を施すことが多い。しかしながら、防蟻剤を使用する化学的方法は、その効果を維持できる期間が限られている上に、人間にも毒性があるため、近年では防蟻剤をしない方法が考えられている。
この防蟻剤を使用しない防蟻方法として、建築物の構成部材のうち、グランドレベルを基準にして所定高さ以下に存在する構成部材や所定高さ以下に存在する構成部材の部分の、少なくとも屋外側の面を、三次元の不規則な網目構造の金属製パッドで被覆してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の防蟻剤を使用しない防蟻方法として、建築物を構成する土台及び柱材を筒状のメッシュ体に挿通した構造が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−124484号公報(特許請求の範囲、図2)
特開2004−305103号公報(特許請求の範囲、図1,図3〜図6)
しかしながら、特開2004−124484号公報に記載の構造においては、三次元の不規則な網目構造の金属製パッドを対象となる柱材等に巻き付けて被覆するため、施工が面倒な上、コストが嵩むという問題があった。また、特開2004−305103号公報に記載の構造においては、筒状のメッシュ体に柱材等を挿通する必要があるため、これにおいても施工が面倒な上コストが嵩むという問題があった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたのもので、白蟻の侵入・食害を確実に防止すると共に、柱材を容易に立設することができ、かつ、コストの低廉化を図れるようにした建築物の防蟻構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、建築物を白蟻の侵入及び食害から防ぐ建築物の防蟻構造であって、上記建築物の基礎上に敷設される土台に、白蟻に対する耐食性を有する金属製接続部材を介在して柱材を立設し、上記柱材の下面に突設されるほぞを、上記接続部材の上面に設けられたほぞ穴に挿入・固定することで柱材と接続部材を接合してなる、ことを特徴とする。
このように構成することにより、土台に立設される柱材の下端部側を、白蟻に対する耐食性を有する金属製接続部材にて構成することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の建築物の防蟻構造において、上記接続部材は、断面が中空矩形状で、中空部内に互いに平行な少なくとも2以上のリブを有するアルミニウム製押出形材にて形成され、上記ほぞ穴は、上記接続部材のリブ間に形成されている、ことを特徴とする。ここで、アルミニウムとは、アルミニウム合金を含む意味である。
このように構成することにより、接続部材を軽量にすることができると共に、ほぞ穴の加工を不要にすることができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の建築物の防蟻構造において、上記接続部材の上端部のリブを切り欠いて凹所を形成し、上記凹所内に柱材の下端部を嵌挿してなる、ことを特徴とする。この場合、柱材の下端部の外側面に、接続部材の中空部を形成する内側面の寸法に合う切欠き段部を設けてもよい。
このように構成することにより、柱材の下端部を接続部材の中空部内に嵌挿させて、接続部材と柱材とを接合することができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、上記土台は断面が中空矩形状で、中空部内に互いに平行な少なくとも2以上のリブを有するアルミニウム製押出形材にて形成され、上記土台の上面のリブ間に相当する箇所を切り欠いてほぞ穴が形成され、上記土台と接続部材は、土台の上面のほぞ穴に挿入される第1の挿入部と、接続部材の下面に形成されるほぞ穴に挿入される第2の挿入部を有する金属製の固定部材の各挿入部を上記ほぞ穴に挿入・固定することで接合されている、ことを特徴とする。この場合、上記固定部材を、アルミニウム製押出形材を切断して形成することができる(請求項5)。この場合、上記接続部材のほぞ穴を、土台のリブ間の隙間にて形成する方が好ましい(請求項6)。
このように構成することにより、土台に白蟻に対する耐食性を持たせることができると共に、土台の軽量化が図れ、かつ、土台と接続部材との接合を容易にすることができる。
この場合、接続部材のほぞ穴をリブ間の隙間にて形成することにより、ほぞ穴加工を不要にすることができる(請求項6)。
また、請求項7記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、上記柱材の下面に突設されるほぞは、柱材の下面に設けられた凹部に挿入・固定される金属製のほぞ部材にて形成されている、ことを特徴とする。この場合、上記ほぞ部材を、アルミニウム製押出形材を切断して形成することができる(請求項8)。
このように構成することにより、柱材と接続部材を接合するほぞを、白蟻に対する耐食性を有する金属製ほぞ部材にて形成することができる。
また、請求項9記載の発明は、請求項4ないし8のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、上記固定部材とほぞ部材が一体の部材にて形成されている、ことを特徴とする。
このように構成することにより、固定部材とほぞ部材を一体に形成した部材を用いて、土台と接続部材の接合、及び接続部材と柱材の接合を行うことができる。
加えて、請求項1ないし4のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、上記接続部材に、筋交いの取付用リブを設けてもよい(請求項10)。
このように構成することにより、接続部材を介して立設される柱材に筋交いの取り付けを容易にすることができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明によれば、土台に立設される柱材の下端部側を、白蟻に対する耐食性を有する金属製接続部材にて構成することができるので、柱材を白蟻の侵入及び食害から保護することができる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、断面が中空矩形状で、中空部内に互いに平行な少なくとも2以上のリブを有するアルミニウム製押出形材にて形成され、ほぞ穴は、接続部材のリブ間に形成されているので、接続部材を軽量にすることができると共に、ほぞ穴の加工を不要にすることができる。したがって、上記(1)に加えて、更に施工の容易化及びコストの削減を図ることができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、柱材の下端部を接続部材の中空部内に嵌挿させて、接続部材と柱材とを接合することができるので、上記(1),(2)に加えて、更に接続部材と柱材との接合を強固にすることができる。
(4)請求項4,5記載の発明によれば、土台に白蟻に対する耐食性を持たせることができると共に、土台の軽量化が図れ、かつ、土台と接続部材との接合を容易にすることができる。したがって、上記(1)〜(3)に加えて、更に施工を容易にすることができると共に、白蟻の侵入及び食害を更に確実に防止することができる。この場合、接続部材のほぞ穴をリブ間の隙間にて形成することにより、ほぞ穴加工を不要にすることができるので、更にコストの低廉化を図ることができる(請求項6)。
(5)請求項7記載の発明によれば、柱材と接続部材を接合するほぞを、白蟻に対する耐食性を有する金属製ほぞ部材にて形成することができるので、上記(1)〜(4)に加えて、更に柱材のほぞ部分に防蟻機能を持たせることができる。
(6)請求項9記載の発明によれば、固定部材とほぞ部材を一体に形成した部材を用いて、土台と接続部材の接合、及び接続部材と柱材の接合を行うことができるので、上記(1)に加えて、更に構成部材の削減を図ることができる。
(7)請求項10記載の発明によれば、接続部材を介して立設される柱材に筋交いの取り付けを容易にすることができるので、上記(1)〜(4)に加えて、更に施工の容易化が図れると共に、柱材同士の強度を向上させることができる。
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、この発明に係る防蟻構造の第1実施形態の組立状態を示す斜視図、図2は、第1実施形態の要部を示す一部断面斜視図、図3は、第1実施形態の要部の分解斜視図である。
図1は、この発明に係る防蟻構造の第1実施形態の組立状態を示す斜視図、図2は、第1実施形態の要部を示す一部断面斜視図、図3は、第1実施形態の要部の分解斜視図である。
この発明に係る建築物は、図1に示すように、コンクリート製の基礎1の上面に土台2を敷設し、この土台2の上面に後述する固定部材3を介して白蟻に対して耐食性を有する金属製接続部材4を立設し、この接続部材4の上面にほぞ部材5を介して柱材6を立設し、柱材6の屋外側に外壁材7を取り付けてなる。この場合、グランドレベル好ましくは土台2の上面を基準にして1mの高さまでの領域に接続部材4が配設されている。また、隣接する柱材6には、接続部材4の対向する側面の下端部に突設された筋交い取付用リブ42にボルト8をもって固定される筋交い9が連結されている。
接続部材4は、図3に示すように、断面が中空矩形状で、中空部40内に互いに平行な2つのリブ41を有し、対向する側面の下端部側に筋交い取付用リブ42を有するアルミニウム製押出形材にて形成されている。筋交い取付用リブ42は、接続部材4の押出成形後に所定長さに切断されて形成される。なお、筋交いを取り付ける必要のない箇所においては、筋交い取付用リブ42を省略してもよい。なお、リブ41によって接続部材4の強度が保たれているので、リブ41を2つ以上設けることによって接続部材4の強度を更に高めることができる。また、接続部材4は、リブ41間の隙間によってほぞ穴43が形成されている。
接続部材4と柱材6とを接合するほぞ部材5は、金属製例えばアルミニウム合金製の押出形材を切断して形成されている。この場合、ほぞ部材5は、柱材6の下面に設けられた凹部60内に挿入される断面矩形状の第1の挿入部51と、接続部材4の上端部におけるほぞ穴43内に挿入される、第1の挿入部51より幅広の断面矩形状の第2の挿入部52とからなる。また、第1の挿入部51には、柱材6の下端部における対向する側面に水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔61をそれぞれ貫通する固定ピン10が貫通し嵌合する固定孔53が設けられている。また、第2の挿入部52には、接続部材4の上端部における対向する側面とリブ41に水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔44をそれぞれ貫通する固定ピン10が貫通し嵌合する固定孔53が設けられている。
土台2は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成されており、中空矩形状本体20と、この本体20の内方中空部21を区画する互いに平行な垂直方向に位置する2つのリブ22とで構成されている。なお、リブ22によって土台2の強度が保たれているので、リブ22を2つ以上設けることによって土台2の強度を更に高めることができる。
また、土台2の上面のリブ22間に相当する箇所を切り欠いて矩形状のほぞ穴23が形成されており、土台2と接続部材4は、土台2の上面のほぞ穴23に挿入される第1の挿入部31と、接続部材4の下面に形成されるほぞ穴43に挿入される第2の挿入部32を有する固定部材3の各挿入部31,32をほぞ穴43に挿入し、固定ピン10によって固定することで接合されている。
この場合、固定部材3は、例えばアルミニウム合金製の断面矩形状の押出形材を切断して形成されている。また、固定部材3における第1の挿入部31には、接続部材4の下端部における対向する側面とリブ41に水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔45をそれぞれ貫通する固定ピン10が嵌合する固定孔33が設けられている。また、第2の挿入部32には、土台2の対向する側面とリブ22に水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔24をそれぞれ貫通する固定ピン10が嵌合する固定孔33が設けられている。
上記のように構成される接続部材4を介在して土台2上に柱材6を組み立てるには、まず、基礎1の上面にスペーサ70を介在させて土台2を敷設すると共に、アンカーボルト80によって固定する。
次に、接続部材4のほぞ穴43内に固定部材3の第1の挿入部31を挿入した状態で、固定ピン10を接続部材4の貫通孔45,第1の挿入部31の固定孔33に嵌合して、固定部材3を固定し、固定部材3の第2の挿入部32を土台2のほぞ穴23内に挿入した状態で、固定ピン10を土台2の貫通孔24,第2の挿入部32の固定孔33に嵌合して、固定部材3を固定、すなわち土台2と接続部材4とを接合する。
一方、柱材6の下面の凹部60にほぞ部材5の第1の挿入部51を挿入した状態で、固定ピン10を柱材6の貫通孔61,ほぞ部材5の固定孔53に嵌合して、ほぞ部材5を突設し、次に、柱材6の下面に突出したほぞ部材5の第2の挿入部52を、接続部材4の上端部におけるほぞ穴43内に挿入した状態で、固定ピン10を接続部材4の貫通孔44,第2の挿入部52の固定孔53に嵌合して、ほぞ部材5を固定、すなわち接続部材4と柱材6とを接合する。その後、隣接する柱材6同士は、接続部材4に突設された筋交い取付用リブ42にボルト8をもって一端部が固定され、他端部が柱材6の上端の梁材(図示せず)との接合部側に固定される筋交い9によって連結される。
なお、上記説明では、土台2に接続部材4を接合(立設)した後に、接続部材4と柱材6とを接合(立設)する場合について説明したが、逆の手順にしてもよい。すなわち、まず、ほぞ部材5を介して柱材6と接続部材4とを接合し、その後に柱材6を接合した接続部材4を固定部材3を介して土台2上に接合(立設)するようにしてもよい。
<第2実施形態>
図4は、この発明に係る防蟻構造の第2実施形態の要部を示す断面図、図5は、第2実施形態の要部を示す分解斜視図である。
図4は、この発明に係る防蟻構造の第2実施形態の要部を示す断面図、図5は、第2実施形態の要部を示す分解斜視図である。
第2実施形態は、接続部材4と柱材6との接合を強固にした場合である。すなわち、接続部材4の上端部のリブ41を切り欠いて凹所46を形成し、この凹所46内に柱材6の下端部を嵌挿すると共に、ほぞ部材5を介して接続部材4と柱材6とを接合した場合である。なお、この場合、接続部材4の中空部40の内面間の寸法を柱材6の幅寸法より若干広く形成して接続部材4の凹所46内に柱材6に嵌挿してもよいが、接続部材4の外面間の寸法を柱材6の幅寸法と略同一にし、柱材6における接続部材4の凹所46内への嵌挿領域に切欠き段部62を設けて、柱材6の外面と接続部材4の外面とを同一面上に配置する方が美観の向上が図れる点で好ましい。
また、接続部材4における少なくとも柱材6を嵌挿領域における側壁に、白蟻の通過を阻止する開口の多数の通気孔47を設ける方が好ましい。これにより、接続部材4の凹所46に嵌挿されて、接続部材4で被覆された柱材6に通気性を持たせることができる。
また、接続部材4における凹所46の領域の対向する側面には、水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔48が設けられ、これら貫通孔48と柱材6に設けられた貫通孔61を貫通する固定ピン10がほぞ部材5に設けられた固定孔53に嵌合されて、接続部材4と柱材6とが接合されるようになっている。
なお、第2実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
<第3実施形態>
図6は、この発明に係る防蟻構造の第3実施形態の要部を示す断面図、図7は、第3実施形態の要部を示す分解斜視図である。
図6は、この発明に係る防蟻構造の第3実施形態の要部を示す断面図、図7は、第3実施形態の要部を示す分解斜視図である。
第3実施形態は、接続部材4と柱材6を接合するほぞ部56と、土台2と接続部材4を接合する固定部57とを一体に形成したほぞ・固定部材50を用いて、土台2,接続部材4及び柱材6を接合(立設)する場合である。
この場合、ほぞ・固定部材50は、例えばアルミニウム製の押出形材を切断して形成されている。また、ほぞ・固定部材50は、接続部材4の上端側及び下端側に長手通しに設けられるほぞ穴43内に挿入される断面矩形状の本体58の上端部に、柱材6の下面に設けられた凹部60内に挿入・固定される挿入部59を段部を介して延在してなる。
また、本体58の上端部のほぞ部56には、接続部材4の上端部における対向する側面とリブ41又は側面のみに水平方向に並列して穿設された4つの貫通孔44,48をそれぞれ貫通する固定ピン10が嵌合する固定孔53が設けられている。また、本体58の下端部の固定部57には、接続部材4の下端部における対向する側面とリブ41に水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔45をそれぞれ貫通する固定ピン10が嵌合する固定孔53と、土台2の対向する側面とリブ22に水平方向に並列して穿設された2つの貫通孔24をそれぞれ貫通する固定ピン10が嵌合する固定孔53が設けられている。
なお、第3実施形態において、その他の部分は第2実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
上記のように構成される第3実施形態の防蟻構造によれば、ほぞ・固定部材50を用いて、土台2と接続部材4の接合、及び接続部材4と柱材6の接合を行うことができるので、構成部材の削減が図れると共に、施工の簡略化が図れる。
<第4実施形態>
図8は、この発明に係る防蟻構造の第4実施形態の要部を断面で示す斜視図、図9は、第4実施形態の要部を示す斜視図である。
図8は、この発明に係る防蟻構造の第4実施形態の要部を断面で示す斜視図、図9は、第4実施形態の要部を示す斜視図である。
第4実施形態は、土台2と接続部材4を固定する固定部材を、土台2と基礎1の間に介在されるスペーサと一体に形成した場合である。
この場合、スペーサ付き固定部材100は、図8及び図9に示すように、扁平中空矩形状のスペーサ部110と、スペーサ部110の上面中央に起立する中空矩形状の固定部120とで構成されている。また、スペーサ部110の中空部111内には、互いに平行な2つの縦リブ112が設けられ、固定部120の中空部121内には1つ横リブ122が設けられている。また、固定部120の上部側の2箇所には貫通孔123が設けられている。なお、スペーサ部110の幅は、土台2の幅と略同一に形成され、固定部120の幅は、土台2のリブ22間に切り欠かれたほぞ穴23及び接続部材4に設けられたほぞ穴43内に挿入可能に形成されている。
上記のように構成されるスペーサ付き固定部材100は、アルミニウム合金製の中空押出形材を所定の寸法に切断して形成される。
上記のように構成されるスペーサ付き固定部材100は、固定部120が土台2のほぞ穴23内を貫挿し、土台2の上方に突出した突出部が接続部材4のほぞ穴43内に挿入され、この状態で、固定ピン10を接続部材4の貫通孔45,固定部120の貫通孔123に嵌合することで、土台2と接続部材4とを固定する。
上記のように構成される第4実施形態によれば、土台2と接続部材4を固定する固定部材と、土台2と基礎1の間に介在されるスペーサと一体に形成するので、柱材6の荷重をその直下で支持することが可能になる。また、スペーサ部110を土台2に固定することができるので、土台2に対してスペーサ部110の位置がずれることがなく、かつ、施工作業が容易になる。
なお、第4実施形態において、その他の部分は第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態では、接続部材4が筋交い取付用リブ42を有する場合について説明したが、筋交い取付用リブ42は必ずしも設ける必要はなく、筋交いの取付が必要ない柱材については筋交い取付用リブ42のない接続部材4を使用することができる。
なお、上記実施形態では、接続部材4が筋交い取付用リブ42を有する場合について説明したが、筋交い取付用リブ42は必ずしも設ける必要はなく、筋交いの取付が必要ない柱材については筋交い取付用リブ42のない接続部材4を使用することができる。
また、上記実施形態では、接続部材4と柱材6を接続するほぞ部材5をアルミニウム合金製の押出形材にて形成した場合について説明したが、図10に示すように、ほぞ部材5に代えて柱材6の下面にほぞ部63を形成してもよい。この場合、ほぞ部63は、接続部材4のリブ41間に形成されるほぞ穴43内に挿入され、この状態で固定ピン10を接続部材4の貫通孔44、ほぞ部63に設けられた貫通孔64に嵌合して固定する。
上記実施形態では、接続部材4はアルミニウム合金製の押出形材にて形成されているため、木材に比べて耐火性の向上が図られている。更に耐火性を高めるために、図11に示すように、接続部材4におけるリブ41と外側面との間に形成される側方中空部48内に、防火剤200、例えば水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムあるいはこれらを含有する珪藻土等を充填し、接続部材4側壁に、側方中空部48に連通する複数の透孔49を設けるようにする方が好ましい。なお、防火剤200に用いられる水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムあるいはこれらを含有する珪藻土等は、それ自体が不燃性であり、加熱時において水分子を放出する際に吸熱反応を起こす性質を有する。加えて、放出された水も熱容量が大きいため、不燃性に寄与できる。
このように接続部材4の側方中空部48内に、防火剤200を充填することにより、火災時に防火剤が透孔49から析出すなわち水分子を放出して接続部材4の表面を覆い、この際の吸熱反応と放出された水により耐火性能を確保することができる。
なお、図11において、その他の部分は第1実施形態及び第4実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
1 基礎
2 土台
20 中空矩形状本体
21 中空部
22 リブ
23 ほぞ穴
24 貫通孔
3 固定部材
31 第1の挿入部
32 第2の挿入部
33 固定孔
4 接続部材
40 中空部
41 リブ
43 ほぞ穴
44,45 貫通孔
46 凹所
5 ほぞ部材
50 ほぞ・固定部材
51 第1の挿入部
52 第2の挿入部
53 固定孔
56 ほぞ部
57 固定部
6 柱材
60 凹部
61 貫通孔
63 ほぞ部
64 貫通孔
10 固定ピン
100 スペーサ付き固定部材
2 土台
20 中空矩形状本体
21 中空部
22 リブ
23 ほぞ穴
24 貫通孔
3 固定部材
31 第1の挿入部
32 第2の挿入部
33 固定孔
4 接続部材
40 中空部
41 リブ
43 ほぞ穴
44,45 貫通孔
46 凹所
5 ほぞ部材
50 ほぞ・固定部材
51 第1の挿入部
52 第2の挿入部
53 固定孔
56 ほぞ部
57 固定部
6 柱材
60 凹部
61 貫通孔
63 ほぞ部
64 貫通孔
10 固定ピン
100 スペーサ付き固定部材
Claims (10)
- 建築物を白蟻の侵入及び食害から防ぐ建築物の防蟻構造であって、
上記建築物の基礎上に敷設される土台に、白蟻に対する耐食性を有する金属製接続部材を介在して柱材を立設し、
上記柱材の下面に突設されるほぞを、上記接続部材の上面に設けられたほぞ穴に挿入・固定することで柱材と接続部材を接合してなる、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項1記載の建築物の防蟻構造において、
上記接続部材は、断面が中空矩形状で、中空部内に互いに平行な少なくとも2以上のリブを有するアルミニウム製押出形材にて形成され、
上記ほぞ穴は、上記接続部材のリブ間に形成されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項2記載の建築物の防蟻構造において、
上記接続部材の上端部のリブを切り欠いて凹所を形成し、上記凹所内に柱材の下端部を嵌挿してなる、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、
上記土台は断面が中空矩形状で、中空部内に互いに平行な少なくとも2以上のリブを有するアルミニウム製押出形材にて形成され、
上記土台の上面のリブ間に相当する箇所を切り欠いてほぞ穴が形成され、
上記土台と接続部材は、土台の上面のほぞ穴に挿入される第1の挿入部と、接続部材の下面に形成されるほぞ穴に挿入される第2の挿入部を有する金属製の固定部材の各挿入部を上記ほぞ穴に挿入・固定することで接合されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項4記載の建築物の防蟻構造において、
上記固定部材は、アルミニウム製押出形材を切断して形成されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項4記載の建築物の防蟻構造において、
上記接続部材のほぞ穴は、リブ間の隙間にて形成されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、
上記柱材の下面に突設されるほぞは、柱材の下面に設けられた凹部に挿入・固定される金属製のほぞ部材にて形成されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項7記載の建築物の防蟻構造において、
上記ほぞ部材は、アルミニウム製押出形材を切断して形成されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項4ないし8のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、
上記固定部材とほぞ部材が一体の部材にて形成されている、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の建築物の防蟻構造において、
上記接続部材は、筋交いの取付用リブを有する、ことを特徴とする建築物の防蟻構造。
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