JP6917338B2 - 木枠架構補強材 - Google Patents

木枠架構補強材 Download PDF

Info

Publication number
JP6917338B2
JP6917338B2 JP2018091109A JP2018091109A JP6917338B2 JP 6917338 B2 JP6917338 B2 JP 6917338B2 JP 2018091109 A JP2018091109 A JP 2018091109A JP 2018091109 A JP2018091109 A JP 2018091109A JP 6917338 B2 JP6917338 B2 JP 6917338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
horizontal member
pillar
frame
horizontal
column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018091109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019196634A (ja
Inventor
匠 佐藤
匠 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tobishima Corp
Original Assignee
Tobishima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tobishima Corp filed Critical Tobishima Corp
Priority to JP2018091109A priority Critical patent/JP6917338B2/ja
Publication of JP2019196634A publication Critical patent/JP2019196634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6917338B2 publication Critical patent/JP6917338B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、木造建築物の木枠架構に設置される木枠架構補強材に関する。
木造建築物の木枠架構には、木造建築物を耐震補強するための各種の補強材が設置される場合がある。木枠架構の補強の一例としては、図13に示すように、木枠架構の柱脚と土台との連結箇所の両側に断面三角形状の補強材60を設置し、木枠架構の柱頭と梁や桁との連結箇所の両側に断面三角形状の補強材60を設置する。木枠架構の補強の他の一例としては、図14に示すように、木枠架構の柱脚と土台との連結箇所の背面に面付金物61(V金物)を取り付け、木枠架構の柱頭との連結箇所の背面に面付金物61(V金物)を取り付ける。なお、木造建築物に対する補強が特開2014−224415号公報(特許文献1)や特開2017−002569号公報(特許文献2)に開示されている。
特開2014−224415号公報 特開2017−002569号公報
図13に示す木枠架構の補強は、補強材60を柱脚と土台との連結箇所の両側や柱頭と梁や桁との連結箇所の両側に設置する必要があり、柱脚と土台との連結箇所の片側のみや柱頭と梁や桁との連結箇所の片側のみに設置しても補強として機能しない。また、外壁の隅角部に施工することはできず、室内空間に干渉する場合も施工することができない。さらに、壁の基部に引き抜き防止のための鎹等の金物を別途取り付ける必要があり、施工時にそれらの補強材が納まるような別段の加工や特別な配慮が必要になる。図14に示す面付金物は、大きなせん断力に抵抗するために大きな厚み寸法の面付金物61を利用する必要があり、補強後に面材等を取り付ける場合や直交方向に壁がある場合、それらを納めるための別段の加工や特別な配慮が必要となり、施工工程が複雑かつ多くなり、施工に時間と手間とを要する。
なお、木造建築物の木枠架構は、ホゾ穴にホゾを嵌め込み、柱と土台とを木ネジによって連結しつつ、柱と梁または桁とを木ネジによって連結して作られるが、地震等による震動によって水平方向のせん断力が生じた場合、ホゾやホゾ穴が脆性破壊され、柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結が不用意に解除されて木造建築物の倒壊につながる場合がある。
本発明の目的は、別段の加工や特別な配慮を必要とせず容易に施工することができ、木造建築物の他の部材に干渉することなく木枠架構内に納めることができるとともに、各種の施工をプランどおりに行うことができる木枠架構補強材を提供することにある。本発明の他の目的は、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じた場合の柱の水平変形を抑えることで木枠架構の耐震性能を向上させることができ、地震等から木造建築物を保護することができる木枠架構補強材を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、ホゾ穴にホゾを嵌め込むことで柱と土台とを連結しつつ柱と梁または桁とを連結して作られた木造建築物の木枠架構に設置され、木造建築物を耐震補強する木枠架構補強材である。
前記前提における本発明の第1の特徴は、木枠架構補強材が、木枠架構の土台の側に設置された架構下補強材と、木枠架構の梁または桁の側に設置された架構上補強材とから形成され、架構下補強材が、木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる土台の直上に配置され、木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第1水平部材と、横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と第1水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第1コーチボルトまたは横方向へ長い第1ロングビスと、横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と第1水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第2コーチボルトまたは横方向へ長い第2ロングビスとから形成され、架構上補強材が、木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる梁または桁の直下に配置され、木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第2水平部材と、横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と第2水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第3コーチボルトまたは横方向へ長い第3ロングビスと、横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と第2水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第4コーチボルトまたは横方向へ長い第4ロングビスとから形成され、第1水平部材が、土台から上方へ離間する第1上面と、土台の上面に当接する第1下面と、一方の柱の内側面に当接する一方の第1端面と、他方の柱の内側面に当接する他方の第2端面とを有し、第2水平部材が、梁または桁から下方へ離間する第2下面と、梁または桁の下面に当接する第2上面と、一方の柱の内側面に当接する一方の第3端面と、他方の柱の内側面に当接する他方の第4端面とを有し、第1コーチボルトまたは第1ロングビスのネジ部が、一方の柱の内部を貫通しつつ、第1水平部材の第1端面から第1水平部材の内部に進入し、第2コーチボルトまたは第2ロングビスのネジ部が、他方の柱の内部を貫通しつつ、第1水平部材の第2端面から第1水平部材の内部に進入し、第3コーチボルトまたは第3ロングビスのネジ部が、一方の柱の内部を貫通しつつ、第2水平部材の第3端面から第2水平部材の内部に進入し、第4コーチボルトまたは第4ロングビスのネジ部が、他方の柱の内部を貫通しつつ、第2水平部材の第4端面から第2水平部材の内部に進入し、架構下補強材では、第1水平部材が一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、一方の柱の外側面から第1水平部材の第1端面に向かって螺着または打ち込まれた第1コーチボルトまたは第1ロングビスによって一方の柱と第1水平部材とが隙間なく連結されているとともに、他方の柱の外側面から第1水平部材の第2端面に向かって螺着または打ち込まれた第2コーチボルトまたは第2ロングビスによって他方の柱と第1水平部材とが隙間なく連結され、架構上補強材では、第2水平部材が一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、一方の柱の外側面から第2水平部材の第3端面に向かって螺着または打ち込まれた第3コーチボルトまたは第3ロングビスによって一方の柱と第2水平部材とが隙間なく連結されているとともに、他方の柱の外側面から第2水平部材の第4端面に向かって螺着または打ち込まれた第4コーチボルトまたは第4ロングビスによって他方の柱と第2水平部材とが隙間なく連結され、木枠架構補強材では、地震による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、一方の柱や他方の柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の横方向内方へ作用した場合、一方の柱の内側面や他方の柱の内側面に当接する第1水平部材が横方向外方へ抵抗し、第1水平部材がその圧縮剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制するとともに、一方の柱の内側面や他方の柱の内側面に当接する第2水平部材が横方向外方へ抵抗し、第2水平部材がその圧縮剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制し、地震による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、一方の柱や他方の柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の横方向外方へ作用した場合、第1水平部材と一方の柱および他方の柱とを連結する第1コーチボルトまたは第1ロングビスや第2コーチボルトまたは第2ロングビスが横方向内方へ抵抗し、第1コーチボルトまたは第1ロングビスや第2コーチボルトまたは第2ロングビスがその引張剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制するとともに、第2水平部材と一方の柱および他方の柱とを連結する第3コーチボルトまたは第3ロングビスや第4コーチボルトまたは第4ロングビスが横方向内方へ抵抗し、第3コーチボルトまたは第3ロングビスや第4コーチボルトまたは第4ロングビスがその引張剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制することにある。
前記第1の特徴を有する本発明の一例としては、第1コーチボルトまたは第1ロングビスのネジ部の第1水平部材の第1端面および第2端面から第1水平部材の内部への進入寸法が、一方の柱および他方の柱の横方向の厚み寸法程度であり、第2コーチボルトまたは第2ロングビスのネジ部の第2水平部材の第3端面および第4端面から第2水平部材の内部への進入寸法が、一方の柱および他方の柱の横方向の厚み寸法程度である。
前記前提における本発明の第2の特徴は、木枠架構補強材が、木枠架構の土台の側に設置された架構下補強材と、木枠架構の梁または桁の側に設置された架構上補強材とから形成され、架構下補強材が、木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる土台の直上に配置され、木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第1水平部材と、横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と第1水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第1連結プレートおよび第1ドリフトピンと、横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と第1水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第2連結プレートおよび第2ドリフトピンとから形成され、架構上補強材が、木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる梁または桁の直下に配置され、木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第2水平部材と、横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と第2水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第3連結プレートおよび第3ドリフトピンと、横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と第2水平部材とを連結し、木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第4連結プレートおよび第4ドリフトピンとから形成され、第1水平部材が、土台から上方へ離間する第1上面と、土台の上面に当接する第1下面と、一方の柱の内側面に当接する一方の第1端面と、他方の柱の内側面に当接する他方の第2端面とを有し、第2水平部材が、梁または桁から下方へ離間する第2下面と、梁または桁の下面に当接する第2上面と、一方の柱の内側面に当接する一方の第3端面と、他方の柱の内側面に当接する他方の第4端面とを有し、第1連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、一方の柱と第1水平部材とが交差する第1交差箇所において、一方の柱の外側面から第1水平部材の第1端面に向かって挿入され、一方の柱の内部を貫通しつつ、第1水平部材の第1端面から第1水平部材の内部に進入し、第1ドリフトピンが、棒状に成形され、第1水平部材の第1両側面から第1水平部材の内部に打ち込まれているとともに、一方の柱の両側面から一方の柱の内部に打ち込まれ、第1連結プレートの各貫通孔に挿入され、第2連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、他方の柱と第1水平部材とが交差する第2交差箇所において、他方の柱の外側面から第1水平部材の第2端面に向かって挿入され、他方の柱の内部を貫通しつつ、第1水平部材の第2端面から第1水平部材の内部に進入し、第2ドリフトピンが、棒状に成形され、第1水平部材の第1両側面から第1水平部材の内部に打ち込まれているとともに、他方の柱の両側面から他方の柱の内部に打ち込まれ、第2連結プレートの各貫通孔に挿入され、第3連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、一方の柱と第2水平部材とが交差する第3交差箇所において、一方の柱の外側面から第2水平部材の第3端面に向かって挿入され、一方の柱の内部を貫通しつつ、第2水平部材の第3端面から第2水平部材の内部に進入し、第3ドリフトピンが、棒状に成形され、第2水平部材の第2両側面から第2水平部材の内部に打ち込まれているとともに、一方の柱の両側面から一方の柱の内部に打ち込まれ、第連結プレートの各貫通孔に挿入され、第4連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、他方の柱と第2水平部材とが交差する第4交差箇所において、他方の柱の外側面から第2水平部材の第4端面に向かって挿入され、他方の柱の内部を貫通しつつ、第2水平部材の第4端面から第2水平部材の内部に進入し、第4ドリフトピンが、棒状に成形され、第2水平部材の第2両側面から第2水平部材の内部に打ち込まれているとともに、他方の柱の両側面から他方の柱の内部に打ち込まれ、第4連結プレートの各貫通孔に挿入され、架構下補強材では、第1水平部材が一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、第1連結プレートと第1ドリフトピンとによって一方の柱と第1水平部材とが隙間なく連結されているとともに、第2連結プレートと第2ドリフトピンとによって他方の柱と第1水平部材とが隙間なく連結され、架構上補強材では、第2水平部材が一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、第3連結プレートと第3ドリフトピンとによって一方の柱と第2水平部材とが隙間なく連結されているとともに、第4連結プレートと第4ドリフトピンとによって他方の柱と第2水平部材とが隙間なく連結され、木枠架構補強材では、地震による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、一方の柱や他方の柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の横方向内方へ作用した場合、一方の柱の内側面や他方の柱の内側面に当接する第1水平部材が横方向外方へ抵抗し、第1水平部材がその圧縮剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制するとともに、一方の柱の内側面や他方の柱の内側面に当接する第2水平部材が横方向外方へ抵抗し、第2水平部材がその圧縮剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制し、地震による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、一方の柱や他方の柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の横方向外方へ作用した場合、第1水平部材と一方の柱および他方の柱とを連結する第1連結プレートおよび第1ドリフトピンや第2連結プレートおよび第2ドリフトピンが横方向内方へ抵抗し、第1連結プレートおよび第1ドリフトピンや第2連結プレートおよび第2ドリフトピンがその引張剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制するとともに、第2水平部材と一方の柱および他方の柱とを連結する第3連結プレートおよび第3ドリフトピンや第4連結プレートおよび第4ドリフトピンが横方向内方へ抵抗し、第3連結プレートおよび第3ドリフトピンや第4連結プレートおよび第4ドリフトピンがその引張剛性によって一方の柱や他方の柱の水平変形を抑制することにある。
前記第1または第2の特徴を有する本発明の一例としては、第1水平部材が、その第1上面から前記土台の上面に向かって打ち込まれた横方向へ並ぶ複数本のビスによって土台に固定され、第2水平部材が、その第2下面から梁または桁の下面に向かって打ち込まれた横方向へ並ぶ複数本のビスによって梁または桁に固定されている
前記第1または第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、木造建築物の震動を抑制する耐震ブレースが、架構下補強材と架構上補強材との間であって、架構下補強材および架構上補強材を設置した木枠架構の横方向へ対向する一方の柱と他方の柱とに架設されている。
本発明に係る木枠架構補強材によれば、それが木枠架構の土台の側に設置された架構下補強材と木枠架構の梁または桁の側に設置された架構上補強材とから形成され、架構下補強材が柱の間に延びる土台の直上に配置された第1水平部材、一方の柱と第1水平部材とを連結する第1連結部材、他方の柱と第1水平部材とを連結する第2連結部材から形成され、架構上補強材が柱の間に延びる梁または桁の直下に配置された第2水平部材、一方の柱と第2水平部材とを連結する第3連結部材、他方の柱と第2水平部材とを連結する第4連結部材とから形成されているから、第1水平部材を土台の上に配置し、第1連結部材と第2連結部材とでそれら柱と第1水平部材とを連結するとともに、第2水平部材を梁や桁の下に配置し、第3連結部材と第4連結部材とでそれら柱と第2水平部材とを連結することで、木枠架構に架構下補強材や架構上補強材を施工することができ、別段の加工や特別な配慮を必要とせず木枠架構に容易に施工することができる。木枠架構補強材は、架構下補強材および架構上補強材が木造建築物の他の部材に干渉することはなく、架構下補強材と架構上補強材とを木枠架構内に納めることができ、木枠架構補強材の取り付け後の各種の施工をプランどおりに行うことができる。木枠架構補強材は、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の内側方向(横方向内方)に作用した場合、第1水平部材や第2水平部材がその圧縮剛性によって柱の水平変形を抑制し、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の外側方向に作用した場合、第1〜第4連結部材がその引張剛性によって柱の水平変形を抑制するから、木枠架構の耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結を維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
第1水平部材が土台から上方へ離間する第1上面、土台の上面に当接する第1下面、一方の柱の内側面に当接する一方の端面、他方の柱の内側面に当接する他方の端面を有し、第2水平部材が梁または桁から下方へ離間する第2下面、梁または桁の下面に当接する第2上面、一方の柱の内側面に当接する一方の端面、他方の柱の内側面に当接する他方の端面を有し、第1水平部材が一方の柱と他方の柱との間に隙間なく嵌め込まれ、第1連結部材によって一方の柱と第1水平部材とが隙間なく連結されているとともに、第2連結部材によって他方の柱と第1水平部材とが隙間なく連結され、第2水平部材が一方の柱と他方の柱との間に隙間なく嵌め込まれ、第3連結部材によって一方の柱と第2水平部材とが隙間なく連結されているとともに、第4連結部材によって他方の柱と第2水平部材とが隙間なく連結されている木枠架構補強材は、第1水平部材を一方の柱と他方の柱との間に嵌め込み、第1水平部材のそれら端面を各柱の内側面に当接させ、第2水平部材を一方の柱と他方の柱との間に嵌め込み、第2水平部材のそれら端面を各柱の外側面に当接させ、第1および第2連結部材によってそれら柱と第1水平部材とを連結し、第3および第4連結部材によってそれら柱と第2水平部材とを連結することで、木枠架構に架構下補強材と架構上補強材を施工することができ、別段の加工や特別な配慮を必要とせず木枠架構に容易に施工することができる。木枠架構補強材は、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の内側方向(横方向内方)に作用した場合、各端面が各柱の内側面に当接する第1水平部材や第2水平部材がその圧縮剛性によって柱の水平変形を抑制し、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の外側方向に作用した場合、第1および第2水平部材と各柱とを連結する第1〜第4連結部材がその引張剛性によって柱の水平変形を抑制するから、木枠架構の耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結を維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
木造建築物の震動を抑制する耐震ブレースが架構下補強材と架構上補強材との間であって、架構下補強材および架構上補強材を設置した木枠架構の横方向へ対向する一方の柱と他方の柱とに架設されている木枠架構補強材は、架構下補強材と架構上補強材とによって木枠架構の接合部耐力が向上し、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結を維持することができる。同時に架構下補強材と架構上補強材によって木枠架構の接合部剛性が向上し、地震等による水平方向のせん断変形が一方の柱と他方の柱とに架設された耐震ブレースに効率良く伝達し、震動抑制機能を最大限に発揮することができ、地震等による震動から木造建築物を確実に保護することができる。
第1連結部材〜第4連結部材が横方向へ長いコーチボルトまたは横方向へ長いロングビスであり、少なくとも1本のコーチボルトまたは少なくとも1本のロングビスが、一方の柱の外側面から第1水平部材の一方の端面に向かって螺着または打ち込まれることで一方の柱と第1水平部材とが連結され、他方の柱の外側面から第1水平部材の他方の端面に向かって螺着または打ち込まれることで他方の柱と第1水平部材とが連結されているとともに、一方の柱の外側面から第2水平部材の一方の端面に向かって螺着または打ち込まれることで一方の柱と第2水平部材とが連結され、他方の柱の外側面から第2水平部材の他方の端面に向かって螺着または打ち込まれることで他方の柱と第2水平部材とが連結されている木枠架構補強材は、第1水平部材を一方の柱と他方の柱との間に嵌め込み、第1水平部材のそれら端面を各柱の内側面に当接させ、第2水平部材を一方の柱と他方の柱との間に嵌め込み、第2水平部材のそれら端面を各柱の外側面に当接させ、少なくとも1本のコーチボルトまたは少なくとも1本のロングビスを柱の外側面から第1および第2水平部材の端面に向かって螺着または打ち込み、コーチボルトまたはロングビスによってそれら柱と第1水平部材とを連結し、コーチボルトまたはロングビスによってそれら柱と第2水平部材とを連結することで、木枠架構に架構下補強材と架構上補強材を施工することができ、別段の加工や特別な配慮を必要とせず木枠架構に容易に施工することができる。木枠架構補強材は、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の内側方向(横方向内方)に作用した場合、各端面が各柱の内側面に当接する第1水平部材や第2水平部材がその圧縮剛性によって柱の水平変形を抑制し、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の外側方向に作用した場合、第1および第2水平部材と各柱とを連結するコーチボルトまたはロングビスがその引張剛性によって柱の水平変形を抑制するから、木枠架構の耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、コーチボルトやロングビスによって柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結を維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
コーチボルトまたはロングビスのネジ部の第1水平部材の一方の端面および他方の端面から第1水平部材の内部への進入寸法を十分に取り、コーチボルトまたはロングビスのネジ部の第2水平部材の一方の端面および他方の端面から第2水平部材の内部への進入寸法を十分に取る木枠架構補強材は、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じたとしても、第1および第2水平部材と各柱とを連結が解除されることはなく、各端面が各柱の内側面に当接する第1水平部材や第2水平部材の圧縮剛性によって柱の水平変形を確実に抑制することができ、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の外側方向に作用した場合、第1および第2水平部材と各柱とを連結するコーチボルトまたはロングビスの引張剛性によって柱の水平変形を確実に抑制することができる。木枠架構補強材は、木枠架構の耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、コーチボルトやロングビスによって柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結を確実に維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
第1連結部材〜第4連結部材が横方向へ長い連結プレートとドリフトピンとであり、少なくとも1つの連結プレートが、一方の柱の外側面から第1水平部材の一方の端面に向かって挿入され、他方の柱の外側面から第1水平部材の他方の端面に向かって挿入され、一方の柱の外側面から第2水平部材の一方の端面に向かって挿入されているとともに、他方の柱の外側面から第2水平部材の他方の端面に向かって挿入され、少なくとも1つのドリフトピンが、第1水平部材の上面と側面との少なくとも一面から連結プレートに向かって打ち込まれることで一方の柱および他方の柱と第1水平部材とが連結され、第2水平部材の上面と側面との少なくとも一面から連結プレートに向かって打ち込まれることで一方の柱および他方の柱と第2水平部材とが連結されている木枠架構補強材は、第1水平部材を一方の柱と他方の柱との間に嵌め込み、第1水平部材のそれら端面を各柱の内側面に当接させ、第2水平部材を一方の柱と他方の柱との間に嵌め込み、第2水平部材のそれら端面を各柱の外側面に当接させ、連結プレートを柱の外側面から第1および第2水平部材の端面に向かって挿入し、ドリフトピンを第1および第2水平部材の面から連結プレートに向かって打ち込み、連結プレートおよびドリフトピンによってそれら柱と第1水平部材とを連結し、連結プレートおよびドリフトピンによってそれら柱と第2水平部材とを連結することで、木枠架構に架構下補強材と架構上補強材を施工することができ、別段の加工や特別な配慮を必要とせず木枠架構に容易に施工することができる。木枠架構補強材は、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構に生じ、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の内側方向(横方向内方)に作用した場合、各端面が各柱の内側面に当接する第1水平部材や第2水平部材がその圧縮剛性によって柱の水平変形を抑制し、柱にかかる水平方向のせん断力が木枠架構の外側方向に作用した場合、第1および第2水平部材と各柱とを連結する連結プレートおよびドリフトピンがその引張剛性によって柱の水平変形を抑制するから、木枠架構の耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、コーチボルトやロングビスによって柱と土台との連結や柱と梁または桁との連結を維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
一例として示す木枠架構補強材を設置した木枠架構11Aの正面図。 木枠架構補強材の架構下補強材の斜視図。 架構下補強材の部分拡大斜視図。 木枠架構補強材の架構上補強材の斜視図。 架構上補強材の部分拡大斜視図。 木枠架構補強材を設置した木枠架の部分拡大側面図。 木枠架構補強材の架構下補強材のせん断力に対する抵抗の一例を説明する図。 木枠架構補強材を設置した他の一例として示す木枠架構の正面図。 木枠架構補強材を設置した他の一例として示す木枠架構の正面図。 木枠架構補強材の架構下補強材の斜視図。 木枠架構補強材の架構上補強材の斜視図。 木枠架構補強材の架構下補強材のせん断力に対する抵抗の一例を説明する図。 木枠架構の従来の補強材の一例を示す図。 木枠架構の従来の補強材の他の一例を示す図。
一例として示す木枠架構補強材10Aを設置した木枠架構11Aの正面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る木枠架構補強材の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、木枠架構補強材10Aの架構下補強材15の斜視図であり、図3は、架構下補強材15の部分拡大斜視図である。図4は、木枠架構補強材10Aの架構上補強材16の斜視図であり、図5は、架構上補強材16の部分拡大斜視図である。図6は、木枠架構補強材10Aを設置した木枠架構11Aの部分拡大側面図である。図1,2,4では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
木枠架構補強材10A(木枠架構補強材10Bを含む)は、木造建築物の木枠架構11A(木枠架構11Bを含む)に設置され、木枠架構11Aを補強するとともに、地震等による震動から木造建築物を保護する。木造建築物に特に制限はなく、一般住宅や店舗、社寺等のあらゆる木造建築物に木枠架構補強材10A(木枠架構補強材10Bを含む)を設置することができる。なお、木造建築物には、新築のみならず既設(中古)のそれも含まれる。
木造建築物の木枠架構11A(木枠架構11Bを含む)は、横方向へ離間対向して上下方向へ延びる一対の柱12a,12bと、上下方向へ離間対向して横方向へ延びる土台13および梁14aまたは桁14bとから形成されている。木枠架構11A(木枠架構11Bを含む)は、それら柱12a,12bに形成されたホゾ(図示せず)を土台13および梁14aまたは桁14bに穿孔されたホゾ穴(図示せず)に嵌め込み、それら柱12a,12bと土台13とを木ネジ(図示せず)によって連結しつつ、それら柱12a,12bと梁14aまたは桁14bとを木ネジによって連結することから作られている。木枠架構11Aには、木枠架構補強材10Aが設置されている。
木枠架構補強材10Aは、木枠架構11Aの土台13の側に設置された架構下補強材15と、木枠架構11Aの梁14aまたは桁14bの側に設置された架構上補強材16とから形成されている。架構下補強材15は、第1水平部材17と第1連結部材18と第2連結部材19とから形成されている。架構上補強材16は、第2水平部材20と第3連結部材21と第4連結部材22とから形成されている。
第1水平部材17は、木枠架構11Aの横方向へ対向する柱12a,12bの間であってそれら柱12a,12bの間に延びる土台13の直上に配置されている。第1水平部材17は、木枠架構11Aの横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。第1水平部材17には横方向へ長い六面体の角材(木材)が使用されているが、第1水平部材17が横方向へ長い角柱状の合成樹脂材であってもよい。第1水平部材17は、土台13から上方へ離間する矩形の第1上面23と、土台13の上面24に当接する矩形の第1下面25と、第1上面23と第1下面25との間に延びる矩形の第1両側面26と、一方の柱12aの内側面27に当接する矩形の第1端面28(一方の端面28)と、他方の柱12bの内側面29に当接する矩形の第2端面30(他方の端面30)とを有する。
第1水平部材17の横方向の長さ寸法L1は、横方向へ対向する一方の柱12aと他方の柱12bとの間の土台13の横方向の長さ寸法L2と略同一または土台13の横方向の長さ寸法L2よりもわずかに短い。第1水平部材17は、横方向へ対向する一方の柱12aと他方の柱12bとの間の木枠架構11Aの下スペース31に配置され、一方の柱12aと他方の柱12bとの間に隙間なく嵌め込まれている。
第1水平部材17には、その第1上面23から土台13の上面24に向かって横方向へ並ぶ複数本のビス32(ボルトや釘を含む)が打ち込まれている。第1水平部材17は、それらビス32によって土台13に固定されている。第1水平部材17の前後方向の長さ寸法L3は、土台13の前後方向の長さ寸法L4と略同一である。第1水平部材17は、その第1下面25が土台13の上面24の略全域に当接している。なお、第1水平部材17の前後方向の長さ寸法L3が土台13の前後方向の長さ寸法L4より短くてもよい。
第1連結部材18には、横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第1コーチボルト18a(コーチボルト)または横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第1ロングビス18b(ロングビス)のいずれかが使用されている。第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bは、一方の柱12aと第1水平部材17(土台13)とが交差する第1交差箇所33において、一方の柱12aの外側面34から第1水平部材17の第1端面28に向かって螺着または打ち込まれている。
第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bは、そのネジ部35が柱12aの内部を貫通しつつ、第1水平部材17の第1端面28から第1水平部材17の内部に進入している。第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
第1コーチボルト18a(第1連結部材18)や第1ロングビス18b(第1連結部材18)によって一方の柱12aと第1水平部材17とが隙間なく連結されている。第1コーチボルト18aまたは第1ロングビス18bのネジ部35の第1水平部材17の第1端面28から第1水平部材17の内部への進入寸法L5を十分に取る(図3参照)。第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bは、その頭部36が一方の柱12aの外側面34から柱12aの内部に進入し、頭部36が柱12aの外側面34に露出せず、柱12aの外側面34と第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bの頭部36の頂面とが面一になっている。
第2連結部材19には、横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第2コーチボルト19a(コーチボルト)または横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第2ロングビス19b(ロングビス)のいずれかが使用されている。第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bは、他方の柱12bと第1水平部材17(土台13)とが交差する第2交差箇所37において、他方の柱12bの外側面38から第1水平部材17の第2端面30に向かって螺着または打ち込まれている。
第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bは、そのネジ部35が柱12bの内部を貫通しつつ、第1水平部材17の第2端面30から第1水平部材17の内部に進入している。第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
第2コーチボルト19a(第2連結部材19)や第2ロングビス19b(第2連結部材19)によって他方の柱12bと第1水平部材17とが隙間なく連結されている。第2コーチボルト19aまたは第2ロングビス19bのネジ部35の第1水平部材17の第2端面30から第1水平部材17の内部への進入寸法L5を十分に取る(図3参照)。第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bは、その頭部36が他方の柱12bの外側面38から柱12bの内部に進入し、頭部36が柱12bの外側面38に露出せず、柱12bの外側面38と第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bの頭部36の頂面とが面一になっている。
木枠架構11Aに架構下補強材15を設置するには、第1水平部材17を一対の柱12a,12bの間の木枠架構11Aの下スペース31に嵌め込み、第1水平部材17の第1下面25を土台13の上面24に当接させるとともに、第1水平部材17の第1および第2端面28,30を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第1水平部材17の第1上面23から土台13の上面24に向かってビス32を打ち込み、第1水平部材17を土台13に固定する。
次に、一方の柱12aと第1水平部材17とが交差する第1交差箇所33において、第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bを一方の柱12aの外側面34から第1水平部材17の第1端面28に向かって螺着または打ち込み、第1コーチボルト18aや第1ロングビス18bによって一方の柱12aと第1水平部材17とを連結する。他方の柱12bと第1水平部材17とが交差する第2交差箇所37において、第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bを他方の柱12bの外側面38から第1水平部材17の第2端面30に向かって螺着または打ち込み、第2コーチボルト19aや第2ロングビス19bによって他方の柱12bと第1水平部材17とを連結する。
図2,3では、4本の第1および第2コーチボルト18a,19aまたは4本の第1および第2ロングビス18b,19bによって各柱12a,12bと第1水平部材17とが連結されているが、3本以下または5本以上の第1および第2コーチボルト18a,19aや第1および第2ロングビス18b,19bによって各柱12a,12bと第1水平部材17とが連結されていてもよい。なお、第1および第2コーチボルト18a,19aや第1および第2ロングビス18b,19bの他に、長尺の釘を利用することもできる。長尺の釘を利用する場合は、第1および第2柱12a,12bの外側面34,38から第1水平部材17の端面28,30に向かって釘を打ち込み、各柱12a,12bと第1水平部材17とを連結する。
第2水平部材20は、木枠架構11Aの横方向へ対向する柱12a,12bの間であってそれら柱12a,12bの間に延びる梁14aまたは桁14bの直下に配置されている。第2水平部材20は、木枠架構11Aの横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。第2水平部材20には横方向へ長い六面体の角材(木材)が使用されているが、第2水平部材20が横方向へ長い角柱状の合成樹脂材であってもよい。第2水平部材20は、梁14aまたは桁14bから下方へ離間する矩形の第2下面39と、梁14aまたは桁14bの下面40に当接する矩形の第2上面41と、第2下面39と第2上面41との間に延びる矩形の第2両側面42と、一方の柱12aの内側面27に当接する矩形の第3端面43(一方の端面43)と、他方の柱12bの内側面29に当接する矩形の第4端面44(他方の端面44)とを有する。
第2水平部材20の横方向の長さ寸法L7は、横方向へ対向する一方の柱12aと他方の柱12bとの間の梁14aまたは桁14bの横方向の長さ寸法L8と略同一または梁14aまたは桁14bの横方向の長さ寸法L8よりもわずかに短い。第2水平部材20は、横方向へ対向する一方の柱12aと他方の柱12bとの間の木枠架構11Aの上スペース45に配置され、一方の柱12aと他方の柱12bとの間に隙間なく嵌め込まれている。
第2水平部材20には、その第2下面39から梁14aまたは桁14bの下面40に向かって横方向へ並ぶ複数本のビス32(ボルトや釘を含む)が打ち込まれている。第2水平部材20は、それらビス32によって梁14aまたは桁14bに固定されている。第2水平部材20の前後方向の長さ寸法L9は、梁14aまたは桁14bの前後方向の長さ寸法L10と略同一である。第2水平部材20は、その第2下面39が梁14aまたは桁14bの下面40の略全域に当接している。なお、第2水平部材20の前後方向の長さ寸法L9が梁14aまたは桁14bの前後方向の長さ寸法L10より短くてもよい。
第3連結部材21には、横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第3コーチボルト21a(コーチボルト)または横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第3ロングビス21b(ロングビス)のいずれかが使用されている。第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bは、一方の柱12aと第2水平部材20(梁14aまたは桁14b)とが交差する第3交差箇所46において、一方の柱12aの外側面34から第2水平部材20の第3端面43に向かって螺着または打ち込まれている。
第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bは、そのネジ部35が柱12aの内部を貫通しつつ、第2水平部材20の第3端面43から第2水平部材20の内部に進入している。第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
第3コーチボルト21a(第3連結部材21)や第3ロングビス21b(第3連結部材21)によって一方の柱12aと第2水平部材20とが隙間なく連結されている。第3コーチボルト21aまたは第3ロングビス21bのネジ部35の第2水平部材20の第3端面43から第2水平部材20の内部への進入寸法L5を十分に取る(図5参照)。第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bは、その頭部36が一方の柱12aの外側面34から柱12aの内部に進入し、頭部36が柱12aの外側面34に露出せず、柱12aの外側面34と第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bの頭部36の頂面とが面一になっている。
第4連結部材22には、横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第4コーチボルト22a(コーチボルト)または横方向へ長い金属製または合成樹脂製の第4ロングビス22b(ロングビス)のいずれかが使用されている。第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bは、他方の柱12bと第2水平部材20(梁14aまたは桁14b)とが交差する第4交差箇所47において、他方の柱12bの外側面38から第2水平部材20の第4端面44に向かって螺着または打ち込まれている。
第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bは、そのネジ部35が柱12bの内部を貫通しつつ、第2水平部材20の第4端面44から第2水平部材20の内部に進入している。第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
第4コーチボルト22a(第4連結部材22)や第4ロングビス22b(第4連結部材22)によって他方の柱12bと第2水平部材20とが隙間なく連結されている。第4コーチボルト22aまたは第4ロングビス22bのネジ部35の第2水平部材20の第4端面44から第2水平部材20の内部への進入寸法L5を十分に取る(図5参照)。第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bは、その頭部36が他方の柱12bの外側面38から柱12bの内部に進入し、頭部36が柱12bの外側面38に露出せず、柱12bの外側面38と第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bの頭部36の頂面とが面一になっている。
図4,5では、4本の第3および第4コーチボルト21a,22aまたは4本の第3および第4ロングビス21b,22bによって各柱12a,12bと第2水平部材20とが連結されているが、3本以下または5本以上の第3および第4コーチボルト21a,22aや第3および第4ロングビス21b,22bによって各柱12a,12bと第2水平部材20とが連結されていてもよい。なお、第3および第4コーチボルト21a,22aや第3および第4ロングビス21b,22bの他に、長尺の釘を利用することもできる。長尺の釘を利用する場合は、第3および第4柱12a,12bの外側面34,38から第2水平部材20の端面43,44に向かって釘を打ち込み、各柱12a,12bと第2水平部材20とを連結する。
木枠架構11Aに架構上補強材16を設置するには、第2水平部材20を一対の柱12a,12bの間の木枠架構11Aの上スペース45に嵌め込み、第2水平部材20の第2上面41を梁14aまたは桁14bの下面40に当接させるとともに、第2水平部材20の第3および第4端面43,44を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第2水平部材20の第2下面39から梁14aまたは桁14bの下面40に向かってビス32を打ち込み、第2水平部材20を梁14aまたは桁14bに固定する。
次に、一方の柱12aと第2水平部材20とが交差する第3交差箇所46において、第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bを一方の柱12aの外側面34から第2水平部材20の第3端面43に向かって螺着または打ち込み、第3コーチボルト21aや第3ロングビス21bによって一方の柱12aと第2水平部材20とを連結する。他方の柱12bと第2水平部材20とが交差する第4交差箇所47において、第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bを他方の柱12bの外側面38から第2水平部材20の第4端面44に向かって螺着または打ち込み、第4コーチボルト22aや第4ロングビス22bによって他方の柱12bと第2水平部材20とを連結する。
図7は、木枠架構補強材10Aの架構下補強材15のせん断力に対する抵抗の一例を説明する図である。木枠架構補強材10Aは、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じ、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの図7に矢印N1で示す内側方向(横方向内方)へ作用した場合、一方の柱12aの内側面27や他方の柱12bの内側面29に当接する第1水平部材17が図7に矢印N2で示す外側方向(横方向外方)へ抵抗し、第1水平部材17がその圧縮剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
なお、架構上補強材16では、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの内側方向(横方向内方)へ作用した場合(図7の矢印N1参照)、一方の柱12aの内側面27や他方の柱12bの内側面29に当接する第2水平部材20が外側方向(横方向外方)へ抵抗し(図7の矢印N2参照)、第2水平部材20がその圧縮剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
逆に、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じ、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの図7に矢印N3で示す外側方向(横方向外方)へ作用した場合、第1水平部材17と柱12aおよび柱12bとを連結する第1コーチボルト18a(第1連結部材18)または第1ロングビス18b(第1連結部材18)や第2コーチボルト19a(第2連結部材19)または第2ロングビス19b(第2連結部材19)が図7に矢印N4で示す内側方向(横方向内方)へ抵抗し、第1コーチボルト18aまたは第1ロングビス18bや第2コーチボルト19aまたは第2ロングビス19bがその引張剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
なお、架構上補強材16では、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの外側方向(横方向外方)へ作用した場合(図7の矢印N3参照)、第2水平部材20と柱12aおよび柱12bとを連結する第3コーチボルト21a(第3連結部材21)または第3ロングビス21b(第3連結部材21)や第4コーチボルト22a(第4連結部材22)または第4ロングビス22b(第4連結部材22)が内側方向(横方向内方)へ抵抗し(図7の矢印N4参照)、第3コーチボルト21aまたは第3ロングビス21bや第4コーチボルト22aまたは第4ロングビス22bがその引張剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
木枠架構補強材10Aは、第1水平部材17を一方の柱12aと他方の柱12bとの間の木枠架構11Aの下スペース31に嵌め込み、第1水平部材17の第1下面25を土台13の上面24に当接させるとともに、第1水平部材17の第1および第2端面28,30を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第1水平部材17を土台13に固定し、第2水平部材20を一方の柱12aと他方の柱12bとの間の木枠架構11Aの上スペース45に嵌め込み、第2水平部材20の第2上面41を梁14aまたは桁14bの下面40に当接させるとともに、第2水平部材20の第3および第4端面43,44を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第2水平部材20を梁14aまたは桁14bに固定し、第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22a(第1〜第4連結部材18,19,21,22)または第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22b(第1〜第4連結部材18,19,21,22)を各柱12a,12bの外側面34,38から第1および第2水平部材17,20の各端面28,30,43,44に向かって螺着または打ち込み、第1および第2コーチボルト18a,19aまたは第1および第2ロングビス18b,19bによってそれら柱12a,12bと第1水平部材17とを連結し、コーチボルト21a,22aまたはロングビス21b,22bによってそれら柱12a,12bと第2水平部材20とを連結することで、木枠架構11Aに架構下補強材15と架構上補強材16を施工することができ、別段の加工や特別な配慮を必要とせず木枠架構11Aに容易に施工することができる。
木枠架構補強材10Aは、第1および第2コーチボルト18a,19a(第1および第2連結部材18,19)または第1および第2ロングビス18b,19b(第1および第2連結部材18,19)が各柱12a,12bの内部と第1水平部材17の内部とに螺着または打ち込まれ、コーチボルト21a,22a(第3および第4連結部材21,22)またはロングビス21b,22b(第3および第4連結部材21,22)が各柱12a,12bの内部と第2水平部材20の内部とに螺着または打ち込まれ、第1および第2コーチボルト18a,19aや第1および第2ロングビス18b,19bが各柱12a,12bの外側面34,38から露出することはなく、第1および第2水平部材17,20が土台13や梁14aまたは桁14bからはみ出すことはないから、第1および第2水平部材17,20や第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22aまたは第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22b(架構下補強材15や架構上補強材16)が木造建築物の他の部材に干渉することはなく、第1および第2水平部材17,20や第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22aまたは第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22b(架構下補強材15や架構上補強材16)を木枠架構11A内に納めることができ、木枠架構補強材10Aの取り付け後の各種の施工をプランどおりに行うことができる。
木枠架構補強材10Aは、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じ、柱12a,12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの内側方向(横方向内方)に作用した場合、各端面28,30,43,44が各柱12a,12bの内側面27,29に当接する第1水平部材17や第2水平部材20がその圧縮剛性によって各柱12a,12bの水平変形を抑制し、柱12a,12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの外側方向(横方向外方)に作用した場合、第1および第2水平部材17,20と各柱12a,12bとを連結する第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22a(第1〜第4連結部材18,19,21,22)または第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22b(第1〜第4連結部材18,19,21,22)がその引張剛性によって各柱12a,12bの水平変形を抑制するから、木枠架構11Aの耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22aまたは第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22bによって各柱12a,12bと土台13との連結や各柱12a,12bと梁14aまたは桁14bとの連結を維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
木枠架構補強材10Aは、第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22a(第1〜第4連結部材18,19,21,22)または第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22b(第1〜第4連結部材18,19,21,22)のネジ部35の進入寸法L5が十分な長さであるから、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じたとしても、第1および第2水平部材17,20と各柱12a,12bとを連結が解除されることはなく、第1水平部材17や第2水平部材20の圧縮剛性によって各柱12a,12bの水平変形を確実に抑制することができ、第1〜第4コーチボルト18a,19a,21a,22aまたは第1〜第4ロングビス18b,19b,21b,22bの引張剛性によって各柱12a,12bの水平変形を確実に抑制することができ、木枠架構11Aの耐震性能を確実に向上させることができる。
図8は、木枠架構補強材10Aを設置した他の一例として示す木枠架構11Bの正面図である。図8に示す木枠架構11Bが図1のそれと異なるところは、木造建築物の震動を抑制する耐震要素の一例である耐震ブレース48がそれら柱12a,12bに架設されている点にある。木枠架構11Bに設置された木枠架構補強材10Aのその他の構成は、図1のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、木枠架構11Bに設置された木枠架構補強材10Aのその他の構成の詳細な説明は省略する。
木枠架構補強材10Aは、木枠架構11Bの土台13の側に設置された架構下補強材15と、木枠架構11Bの梁14aまたは桁14bの側に設置された架構上補強材16とから形成されている。架構下補強材15は、第1水平部材17と、第1コーチボルト18a(第1連結部材18)または第1ロングビス18b(第1連結部材18)と、第2コーチボルト19a(第2連結部材19)または第2ロングビス19b(第2連結部材19)とから形成されている。架構上補強材16は、第2水平部材20と、第3コーチボルト21a(第3連結部材21)または第3ロングビス21b(第3連結部材21)と、第4コーチボルト22a(第4連結部材22)または第4ロングビス22b(第4連結部材22)とから形成されている。
架構下補強材15を形成する第1水平部材17や第1コーチボルト18a(第1連結部材18)または第1ロングビス18b(第1連結部材18)、第2コーチボルト19a(第2連結部材19)または第2ロングビス19b(第2連結部材19)は、図1の木枠架構補強材10Aのそれらと同一である(図2,3参照)。架構上補強材16を形成する第2水平部材20や第3コーチボルト21a(第3連結部材21)または第3ロングビス21b(第3連結部材21)、第4コーチボルト22a(第4連結部材22)または第4ロングビス22b(第4連結部材22)は、図1の木枠架構補強材10Aのそれらと同一である(図4,5参照)。木枠架構11Bに設置された木枠架構補強材10Aの地震等の震動によるせん断力に対する抵抗は、木枠架構11Aに設置された図1の木枠架構補強材10Aのそれと同一である(図7参照)。
耐震ブレース48は、架構下補強材15と架構上補強材16との間であって、架構下補強材15および架構上補強材16を設置した木枠架構11Bの横方向へ対向する一方の柱12aと他方の柱12bとに架設されている。耐震ブレース48は、一対の固定金具49a,49bと筋かい材50とから形成されている。固定金具49aは、第1交差箇所33の近傍に延びる一方の柱12aの内側面27に取り付けられている。固定金具49bは、第4交差箇所47の近傍に延びる他方の柱12bの内側面29に取り付けられている。筋かい材50は、固定金具49b(他方の柱12b)から固定金具49a(一方の柱12a)に向かって斜め下方へ傾斜して延びている。筋かい材50は、その上端が固定金具49bに連結され、その下端が固定金具49aに連結されている。
耐震ブレース48は、たとえば、筋かい材50に内蔵された履歴ダンパーの塑性変形によって地震等による震動を吸収し、震動エネルギーを減衰させる。なお、耐震ブレース48の種類について特に限定はなく、各種の耐震要素を木枠架構11Bに設置することができる。また、耐震ブレース48の他に、各種の制震ダンパーを木枠架構11Bに設置することもできる。
木枠架構11Bに設置された木枠架構補強材10Aは、木枠架構11Aに設置された木枠架構補強材10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。木枠架構補強材10Aは、架構下補強材15と架構上補強材16とによって木枠架構11Bの接合部耐力(耐震性能)が向上し、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じたとしても、そのせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、各柱12a,12bと土台13との連結や各柱12a,12bと梁14aまたは桁14bとの連結を確実に維持することができる。木枠架構補強材10Aは、架構下補強材15と架構上補強材16によって地震等の震動による水平方向のせん断変形が一方の柱12aと他方の柱12bとに架設された耐震ブレース48(耐震要素)に効率良く伝達され、耐震ブレース48の震動抑制機能を最大限に利用することができ、地震等による震動から木造建築物を確実に保護することができる。
図9は、木枠架構補強材10Bを設置した他の一例として示す木枠架構11Aの正面図であり、図10は、木枠架構補強材10Bの架構下補強材15の斜視図である。図11は、木枠架構補強材10Bの架構上補強材16の斜視図である。図9〜11では、上下方向を矢印X、横方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図9に示す木枠架構補強材10Bが図1のそれと異なるところは、第1連結部材18として第1連結プレート18cおよび第1ドリフトピン18dが使用され、第2連結部材19として第2連結プレート19cおよび第2ドリフトピン19dが使用されているとともに、第3連結部材21として第3連結プレート21cおよび第3ドリフトピン21dが使用され、第4連結部材22として第4連結プレート22cおよび第4ドリフトピン22dが使用されている点にある。木枠架構11Aに設置された木枠架構補強材10Bのその他の構成は、図1のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、木枠架構11Bに設置された木枠架構補強材10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
木枠架構補強材10Bは、木枠架構11Aの土台13の側に設置された架構下補強材15と、木枠架構11Aの梁14aまたは桁14bの側に設置された架構上補強材16とから形成されている。架構下補強材15は、第1水平部材17と、第1連結プレート18c(第1連結部材18)および第1ドリフトピン18d(第1連結部材18)と、第2連結プレート19c(第2連結部材19)および第2ドリフトピン19d(第2連結部材19)とから形成されている。架構上補強材16は、第2水平部材20と、第3連結プレート21c(第3連結部材21)および第3ドリフトピン21d(第3連結部材21)と、第4連結プレート22c(第4連結部材22)および第4ドリフトピン22d(第4連結部材22)とから形成されている。第1水平部材17や第2水平部材20は、図1の木枠架構補強材10Aのそれらと同一である。
第1連結プレート18cは、金属または合成樹脂から作られ、平面形状が横方向へ長い四角形の板状に成形されている。第1連結プレート18cには、第1ドリフトピン18dを挿入する貫通孔が穿孔されている。第1連結プレート18cは、一方の柱12aと第1水平部材17(土台13)とが交差する第1交差箇所33において、一方の柱12aの外側面34から第1水平部材17の第1端面28に向かって挿入されている。第1連結プレート18cは、柱12aの内部を貫通しつつ、第1水平部材17の第1端面28から第1水平部材17の内部に進入している。
第1ドリフトピン18dは、金属、合成樹脂または木材から作られて棒状に成形されている。第1ドリフトピン18dは、第1水平部材17の第1両側面26から第1水平部材17の内部に打ち込まれているとともに、柱12aの両側面から柱12aの内部に打ち込まれ、第1連結プレート18cの各貫通孔に挿入されている。第1連結プレート18cおよび第1ドリフトピン18dによって一方の柱12aと第1水平部材17とが隙間なく連結されている。第1連結プレート18cおよび第1ドリフトピン18dは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
第2連結プレート19cは、金属または合成樹脂から作られ、平面形状が横方向へ長い四角形の板状に成形されている。第2連結プレート19cには、第2ドリフトピン19dを挿入する貫通孔が穿孔されている。第2連結プレート19cは、他方の柱12bと第1水平部材17(土台13)とが交差する第2交差箇所37において、他方の柱12bの外側面38から第1水平部材17の第2端面30に向かって挿入されている。第2連結プレート19cは、柱12bの内部を貫通しつつ、第1水平部材17の第2端面30から第1水平部材17の内部に進入している。
第2ドリフトピン19dは、金属、合成樹脂または木材から作られて棒状に成形されている。第2ドリフトピン19dは、第1水平部材17の第1両側面26から第1水平部材17の内部に打ち込まれているとともに、柱12bの両側面から柱12bの内部に打ち込まれ、第2連結プレート19cの各貫通孔に挿入されている。第2連結プレート19cおよび第2ドリフトピン19dによって他方の柱12bと第1水平部材17とが隙間なく連結されている。第2連結プレート19cおよび第2ドリフトピン19dは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
木枠架構11Aに架構下補強材15を設置するには、第1水平部材17を一対の柱12a,12bの間の木枠架構11Aの下スペース31に嵌め込み、第1水平部材17の第1下面25を土台13の上面24に当接させるとともに、第1水平部材17の第1および第2端面28,30を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第1水平部材17の第1上面23から土台13の上面24に向かってビス32を打ち込み、第1水平部材17を土台13に固定する。次に、第1交差箇所33において第1連結プレート18cを一方の柱12aの外側面34から第1水平部材17の第1端面28に向かって挿入し、第1ドリフトピン18dを第1水平部材17の第1両側面26から第1水平部材17の内部に向かって打ち込むとともに柱12aの両側面から柱12aの内部に向かって打ち込み、一方の柱12aと第1水平部材17とを連結する。さらに、第2交差箇所37において第2連結プレート19cを他方の柱12bの外側面38から第1水平部材17の第2端面30に向かって挿入し、第2ドリフトピン19dを第1水平部材17の第1両側面26から第1水平部材17の内部に向かって打ち込むとともに柱12bの両側面から柱12bの内部に向かって打ち込み、他方の柱12bと第1水平部材17とを連結する。
図10では、2枚の第1連結プレート18cおよび2枚の第2連結プレート19c、8つの第1ドリフトピン18dおよび8つの第2ドリフトピン19dによって各柱12a,12bと第1水平部材17とが連結されているが、第1連結プレート18cや第2連結プレート19cの数、第1ドリフトピン18dおよび第2ドリフトピン19dの数に特に制限はない。
第3連結プレート21cは、金属または合成樹脂から作られ、平面形状が横方向へ長い四角形の板状に成形されている。第3連結プレート21cには、第3ドリフトピン21dを挿入する貫通孔が穿孔されている。第3連結プレート21cは、一方の柱12aと第2水平部材20(梁14aまたは桁14b)とが交差する第3交差箇所46において、一方の柱12aの外側面34から第2水平部材20の第3端面43に向かって挿入されている。第3連結プレート21cは、柱12aの内部を貫通しつつ、第2水平部材20の第3端面43から第2水平部材20の内部に進入している。
第3ドリフトピン21dは、金属、合成樹脂または木材から作られて棒状に成形されている。第3ドリフトピン21dは、第2水平部材20の第2両側面42から第2水平部材20の内部に打ち込まれているとともに、柱12aの両側面から柱12aの内部に打ち込まれ、第3連結プレート21cの各貫通孔に挿入されている。第3連結プレート21cおよび第3ドリフトピン21dによって一方の柱12aと第2水平部材20とが隙間なく連結されている。第3連結プレート21cおよび第3ドリフトピン21dは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
第4連結プレート22cは、金属または合成樹脂から作られ、平面形状が横方向へ長い四角形の板状に成形されている。第4連結プレート22cには、第4ドリフトピン22dを挿入する貫通孔が穿孔されている。第4連結プレート22cは、他方の柱12bと第2水平部材20(梁14aまたは桁14b)とが交差する第4交差箇所47において、他方の柱12bの外側面38から第2水平部材20の第4端面44に向かって挿入されている。第4連結プレート22cは、柱12bの内部を貫通しつつ、第2水平部材20の第4端面44から第2水平部材20の内部に進入している。
第4ドリフトピン22dは、金属、合成樹脂または木材から作られて棒状に成形されている。第4ドリフトピン22dは、第2水平部材20の第2両側面42から第2水平部材20の内部に打ち込まれているとともに、柱12bの両側面から柱12bの内部に打ち込まれ、第4連結プレート22cの各貫通孔に挿入されている。第4連結プレート22cおよび第4ドリフトピン22dによって他方の柱12bと第2水平部材20とが隙間なく連結されている。第4連結プレート22cおよび第4ドリフトピン22dは、木枠架構11Aの横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱12a,12bの水平変形を抑える。
木枠架構11Aに架構上補強材16を設置するには、第2水平部材20を一対の柱12a,12bの間の木枠架構11Aの上スペース45に嵌め込み、第2水平部材20の第2上面41を梁14aまたは桁14bの下面40に当接させるとともに、第2水平部材20の第3および第4端面43,44を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第2水平部材20の第2下面39から梁14aまたは桁14bの下面40に向かってビス32を打ち込み、第2水平部材20を梁14aまたは桁14bに固定する。次に、第3交差箇所46において第3連結プレート21cを一方の柱12aの外側面34から第2水平部材20の第3端面43に向かって挿入し、第3ドリフトピン21dを第2水平部材20の第2両側面42から第1水平部材17の内部に向かって打ち込むとともに柱12aの両側面から柱12aの内部に向かって打ち込み、一方の柱12aと第1水平部材17とを連結する。さらに、第4交差箇所47において第4連結プレート22cを他方の柱12bの外側面38から第2水平部材20の第4端面44に向かって挿入し、第4ドリフトピン22dを第2水平部材20の第2両側面42から第2水平部材20の内部に向かって打ち込むとともに柱12bの両側面から柱12bの内部に向かって打ち込み、他方の柱12bと第2水平部材20とを連結する。
図11では、2枚の第3連結プレート21cおよび2枚の第4連結プレート22c、8つの第3ドリフトピン21dおよび8つの第4ドリフトピン22dによって各柱12a,12bと第2水平部材20とが連結されているが、第3連結プレート21cや第4連結プレート22cの数、第3ドリフトピン21dおよび第4ドリフトピン22dの数に特に制限はない。
図12は、木枠架構補強材10Bの架構下補強材15のせん断力に対する抵抗の一例を説明する図である。木枠架構補強材10Bは、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じ、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの図12に矢印N1で示す内側方向(横方向内方)へ作用した場合、一方の柱12aの内側面27や他方の柱12bの内側面29に当接する第1水平部材17が図12に矢印N2で示す外側方向(横方向外方)へ抵抗し、第1水平部材17がその圧縮剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
なお、架構上補強材16では、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの内側方向(横方向内方)へ作用した場合(図12の矢印N1参照)、一方の柱12aの内側面27や他方の柱12bの内側面29に当接する第2水平部材20が外側方向(横方向外方)へ抵抗し(図12の矢印N2参照)、第2水平部材20がその圧縮剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
逆に、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じ、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの図12に矢印N3で示す外側方向(横方向外方)へ作用した場合、第1水平部材17と柱12aおよび柱12bとを連結する第1連結プレート18c(第1連結部材18)および第1ドリフトピン18d(第1連結部材18)や第2連結プレート19c(第2連結部材19)および第2ドリフトピン19d(第2連結部材19)が図12に矢印N4で示す内側方向(横方向内方)へ抵抗し、第1連結プレート18cおよび第1ドリフトピン18dや第2連結プレート19cおよび第2ドリフトピン19dがその引張剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
なお、架構上補強材16では、柱12aや柱12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの外側方向(横方向外方)へ作用した場合(図12の矢印N3参照)、第2水平部材20と柱12aおよび柱12bとを連結する第3連結プレート21c(第3連結部材21)および第3ドリフトピン21d(第3連結部材21)や第4連結プレート22c(第4連結部材22)および第4ドリフトピン22d(第4連結部材22)が内側方向(横方向内方)へ抵抗し(図12の矢印N4参照)、第3連結プレート21cおよび第3ドリフトピン21dや第4連結プレート22cおよび第4ドリフトピン22dがその引張剛性によって柱12aや柱12bの水平変形を抑制する。
木枠架構補強材10Bは、第1水平部材17を一方の柱12aと他方の柱12bとの間の木枠架構11Aの下スペース31に嵌め込み、第1水平部材17の第1下面25を土台13の上面24に当接させるとともに、第1水平部材17の第1および第2端面28,30を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第1水平部材17を土台13に固定し、第2水平部材20を一方の柱12aと他方の柱12bとの間の木枠架構11Aの上スペース45に嵌め込み、第2水平部材20の第2上面41を梁14aまたは桁14bの下面40に当接させるとともに、第2水平部材20の第3および第4端面43,44を各柱12a,12bの内側面27,29に当接させ、第2水平部材20を梁14aまたは桁14bに固定し、第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22c(第1〜第4連結部材18,19,21,22)を各柱12a,12bの外側面34,38から第1および第2水平部材17,20の各端面28,30,43,44に向かって打ち込むとともに、第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22d(第1〜第4連結部材18,19,21,22)を第1および第22水平部材17,20の第1および第2両側面26,42および各柱12a,12bの両側面から第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22cに向かって打ち込み、第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22cおよび第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22dによってそれら柱12a,12bと第1および第2水平部材17,20とを連結することで、木枠架構11Aに架構下補強材15と架構上補強材16を施工することができ、別段の加工や特別な配慮を必要とせず木枠架構11Aに容易に施工することができる。
木枠架構補強材10Bは、第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22c(第1〜第4連結部材18,19,21,22)や第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22d(第1〜第4連結部材18,19,21,22)が各柱12a,12bの内部と第1および第2水平部材17,20の内部とに挿入または打ち込まれ、第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22cや第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22dが各柱12a,12bや第1および第2水平部材17,20の外側へ露出することはなく、第1および第2水平部材17,20が土台13や梁14aまたは桁14bからはみ出すことはないから、第1および第2水平部材17,20や第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22c、第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22d(架構下補強材15や架構上補強材16)が木造建築物の他の部材に干渉することはなく、第1および第2水平部材17,20や第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22c、第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22d(架構下補強材15や架構上補強材16)を木枠架構11A内に納めることができ、木枠架構補強材10Bの取り付け後の各種の施工をプランどおりに行うことができる。
木枠架構補強材10Bは、地震等による震動によって水平方向のせん断力が木枠架構11Aに生じ、柱12a,12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの内側方向(横方向内方)に作用した場合、各端面28,30,43,44が各柱12a,12bの内側面27,29に当接する第1水平部材17や第2水平部材20がその圧縮剛性によって各柱12a,12bの水平変形を抑制し、柱12a,12bにかかる水平方向のせん断力が木枠架構11Aの外側方向(横方向外方)に作用した場合、第1および第2水平部材17,20と各柱12a,12bとを連結する第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22c(第1〜第4連結部材18,19,21,22)や第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22d(第1〜第4連結部材18,19,21,22)がその引張剛性によって各柱12a,12bの水平変形を抑制するから、木枠架構11Aの耐震性能を向上させることができ、地震等による水平方向のせん断力によってホゾやホゾ穴が脆性破壊されることはなく、第1〜第4連結プレート18c,19c,21c,22cや第1〜第4ドリフトピン18d,19d,21d,22dによって各柱12a,12bと土台13との連結や各柱12a,12bと梁14aまたは桁14bとの連結を維持することができ、地震等による震動から木造建築物を保護することができる。
10A 木枠架構補強材
10B 木枠架構補強材
11A 木枠架構
11B 木枠架構
12a 一方の柱
12b 他方の柱
13 土台
14a 梁
14b 桁
15 架構下補強材
16 架構上補強材
17 第1水平部材
18 第1連結部材
18a 第1コーチボルト
18b 第1ロングビス
18c 第1連結プレート
18d 第1ドリフトピン
19 第2連結部材
19a 第2コーチボルト
19b 第2ロングビス
19c 第2連結プレート
19d 第2ドリフトピン
20 第2水平部材
21 第3連結部材
21a 第3コーチボルト
21b 第3ロングビス
21c 第3連結プレート
21d 第3ドリフトピン
22 第4連結部材
22a 第4コーチボルト
22b 第4ロングビス
22c 第4連結プレート
22d 第4ドリフトピン
23 第1上面
24 上面
25 第1下面
26 第1両側面
27 内側面
28 第1端面
29 内側面
30 第2端面
31 下スペース
32 ビス
33 第1交差箇所
34 外側面
35 ネジ部
36 頭部
37 第2交差箇所
38 外側面
39 第2下面
40 下面
41 第2上面
42 第2両側面
43 第3端面
44 第4端面
45 上スペース
46 第3交差箇所
47 第4交差箇所
48 耐震ブレース
49a 固定金具
49b 固定金具
50 筋かい材




Claims (3)

  1. ホゾ穴にホゾを嵌め込むことで柱と土台とを連結しつつ柱と梁または桁とを連結して作られた木造建築物の木枠架構に設置され、前記木造建築物を耐震補強する木枠架構補強材において、
    前記木枠架構補強材が、前記木枠架構の土台の側に設置された架構下補強材と、前記木枠架構の梁または桁の側に設置された架構上補強材とから形成され、
    前記架構下補強材が、前記木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる土台の直上に配置され、前記木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第1水平部材と、前記横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と前記第1水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第1コーチボルトまたは横方向へ長い第1ロングビスと、前記横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と前記第1水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第2コーチボルトまたは横方向へ長い第2ロングビスとから形成され、
    前記架構上補強材が、前記木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる梁または桁の直下に配置され、前記木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第2水平部材と、前記横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と前記第2水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第3コーチボルトまたは横方向へ長い第3ロングビスと、前記横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と前記第2水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える横方向へ長い第4コーチボルトまたは横方向へ長い第4ロングビスとから形成され、
    前記第1水平部材が、前記土台から上方へ離間する第1上面と、前記土台の上面に当接する第1下面と、前記一方の柱の内側面に当接する一方の第1端面と、前記他方の柱の内側面に当接する他方の第2端面とを有し、前記第2水平部材が、前記梁または桁から下方へ離間する第2下面と、前記梁または桁の下面に当接する第2上面と、前記一方の柱の内側面に当接する一方の第3端面と、前記他方の柱の内側面に当接する他方の第4端面とを有し、
    前記第1コーチボルトまたは前記第1ロングビスのネジ部が、前記一方の柱の内部を貫通しつつ、前記第1水平部材の第1端面から該第1水平部材の内部に進入し、前記第2コーチボルトまたは前記第2ロングビスのネジ部が、前記他方の柱の内部を貫通しつつ、前記第1水平部材の第2端面から該第1水平部材の内部に進入し、前記第3コーチボルトまたは前記第3ロングビスのネジ部が、前記一方の柱の内部を貫通しつつ、前記第2水平部材の第3端面から該第2水平部材の内部に進入し、前記第4コーチボルトまたは前記第4ロングビスのネジ部が、前記他方の柱の内部を貫通しつつ、前記第2水平部材の第4端面から該第2水平部材の内部に進入し、
    前記架構下補強材では、前記第1水平部材が前記一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、前記一方の柱の外側面から前記第1水平部材の第1端面に向かって螺着または打ち込まれた前記第1コーチボルトまたは前記第1ロングビスによって該一方の柱と該第1水平部材とが隙間なく連結されているとともに、前記他方の柱の外側面から前記第1水平部材の第2端面に向かって螺着または打ち込まれた前記第2コーチボルトまたは前記第2ロングビスによって該他方の柱と該第1水平部材とが隙間なく連結され、前記架構上補強材では、前記第2水平部材が前記一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、前記一方の柱の外側面から前記第2水平部材の第3端面に向かって螺着または打ち込まれた前記第3コーチボルトまたは前記第3ロングビスによって該一方の柱と該第2水平部材とが隙間なく連結されているとともに、前記他方の柱の外側面から前記第2水平部材の第4端面に向かって螺着または打ち込まれた前記第4コーチボルトまたは前記第4ロングビスによって該他方の柱と該第2水平部材とが隙間なく連結され、
    前記木枠架構補強材では、地震による震動によって水平方向のせん断力が前記木枠架構に生じ、前記一方の柱や前記他方の柱にかかる水平方向のせん断力が該木枠架構の横方向内方へ作用した場合、該一方の柱の内側面や該他方の柱の内側面に当接する前記第1水平部材が横方向外方へ抵抗し、該第1水平部材がその圧縮剛性によって前記一方の柱や前記他方の柱の水平変形を抑制するとともに、該一方の柱の内側面や該他方の柱の内側面に当接する前記第2水平部材が横方向外方へ抵抗し、該第2水平部材がその圧縮剛性によって前記一方の柱や前記他方の柱の水平変形を抑制し、前記地震による震動によって水平方向のせん断力が前記木枠架構に生じ、前記一方の柱や前記他方の柱にかかる水平方向のせん断力が前記木枠架構の横方向外方へ作用した場合、前記第1水平部材と前記一方の柱および前記他方の柱とを連結する前記第1コーチボルトまたは前記第1ロングビスや前記第2コーチボルトまたは前記第2ロングビスが横方向内方へ抵抗し、該第1コーチボルトまたは該第1ロングビスや該第2コーチボルトまたは該第2ロングビスがその引張剛性によって該一方の柱や該他方の柱の水平変形を抑制するとともに、前記第2水平部材と前記一方の柱および前記他方の柱とを連結する前記第3コーチボルトまたは前記第3ロングビスや前記第4コーチボルトまたは前記第4ロングビスが横方向内方へ抵抗し、該第3コーチボルトまたは該第3ロングビスや該第4コーチボルトまたは該第4ロングビスがその引張剛性によって該一方の柱や該他方の柱の水平変形を抑制することを特徴とする木枠架構補強材。
  2. ホゾ穴にホゾを嵌め込むことで柱と土台とを連結しつつ柱と梁または桁とを連結して作られた木造建築物の木枠架構に設置され、前記木造建築物を耐震補強する木枠架構補強材において、
    前記木枠架構補強材が、前記木枠架構の土台の側に設置された架構下補強材と、前記木枠架構の梁または桁の側に設置された架構上補強材とから形成され、
    前記架構下補強材が、前記木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる土台の直上に配置され、前記木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第1水平部材と、前記横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と前記第1水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第1連結プレートおよび第1ドリフトピンと、前記横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と前記第1水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第2連結プレートおよび第2ドリフトピンとから形成され、
    前記架構上補強材が、前記木枠架構の横方向へ対向する柱の間であってそれら柱の間に延びる梁または桁の直下に配置され、前記木枠架構の横方向内方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第2水平部材と、前記横方向へ対向する柱のうちの一方の柱と前記第2水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第3連結プレートおよび第3ドリフトピンと、前記横方向へ対向する柱のうちの他方の柱と前記第2水平部材とを連結し、前記木枠架構の横方向外方へせん断力が作用したときにそれら柱の水平変形を抑える第4連結プレートおよび第4ドリフトピンとから形成され、
    前記第1水平部材が、前記土台から上方へ離間する第1上面と、前記土台の上面に当接する第1下面と、前記一方の柱の内側面に当接する一方の第1端面と、前記他方の柱の内側面に当接する他方の第2端面とを有し、前記第2水平部材が、前記梁または桁から下方へ離間する第2下面と、前記梁または桁の下面に当接する第2上面と、前記一方の柱の内側面に当接する一方の第3端面と、前記他方の柱の内側面に当接する他方の第4端面とを有し、
    前記第1連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、前記一方の柱と前記第1水平部材とが交差する第1交差箇所において、該一方の柱の外側面から該第1水平部材の第1端面に向かって挿入され、前記一方の柱の内部を貫通しつつ、前記第1水平部材の第1端面から該第1水平部材の内部に進入し、前記第1ドリフトピンが、棒状に成形され、前記第1水平部材の第1両側面から該第1水平部材の内部に打ち込まれているとともに、前記一方の柱の両側面から該一方の柱の内部に打ち込まれ、前記第1連結プレートの各貫通孔に挿入され、
    前記第2連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、前記他方の柱と前記第1水平部材とが交差する第2交差箇所において、該他方の柱の外側面から該第1水平部材の第2端面に向かって挿入され、前記他方の柱の内部を貫通しつつ、前記第1水平部材の第2端面から該第1水平部材の内部に進入し、前記第2ドリフトピンが、棒状に成形され、前記第1水平部材の第1両側面から該第1水平部材の内部に打ち込まれているとともに、前記他方の柱の両側面から該他方の柱の内部に打ち込まれ、前記第2連結プレートの各貫通孔に挿入され、
    前記第3連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、前記一方の柱と前記第2水平部材とが交差する第3交差箇所において、該一方の柱の外側面から該第2水平部材の第3端面に向かって挿入され、前記一方の柱の内部を貫通しつつ、前記第2水平部材の第3端面から該第2水平部材の内部に進入し、前記第3ドリフトピンが、棒状に成形され、前記第2水平部材の第2両側面から該第2水平部材の内部に打ち込まれているとともに、前記一方の柱の両側面から該一方の柱の内部に打ち込まれ、前記第連結プレートの各貫通孔に挿入され、
    前記第4連結プレートが、横方向へ長い四角形の板状に成形され、前記他方の柱と前記第2水平部材とが交差する第4交差箇所において、該他方の柱の外側面から該第2水平部材の第4端面に向かって挿入され、前記他方の柱の内部を貫通しつつ、前記第2水平部材の第4端面から該第2水平部材の内部に進入し、前記第4ドリフトピンが、棒状に成形され、前記第2水平部材の第2両側面から該第2水平部材の内部に打ち込まれているとともに、前記他方の柱の両側面から該他方の柱の内部に打ち込まれ、前記第4連結プレートの各貫通孔に挿入され、
    前記架構下補強材では、前記第1水平部材が前記一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、前記第1連結プレートと前記第1ドリフトピンとによって前記一方の柱と前記第1水平部材とが隙間なく連結されているとともに、前記第2連結プレートと前記第2ドリフトピンとによって前記他方の柱と前記第1水平部材とが隙間なく連結され、前記架構上補強材では、前記第2水平部材が前記一方の柱と他方の柱との間に嵌め込まれ、前記第3連結プレートと前記第3ドリフトピンとによって前記一方の柱と前記第2水平部材とが隙間なく連結されているとともに、前記第4連結プレートと前記第4ドリフトピンとによって前記他方の柱と前記第2水平部材とが隙間なく連結され、
    前記木枠架構補強材では、地震による震動によって水平方向のせん断力が前記木枠架構に生じ、前記一方の柱や前記他方の柱にかかる水平方向のせん断力が該木枠架構の横方向内方へ作用した場合、該一方の柱の内側面や該他方の柱の内側面に当接する前記第1水平部材が横方向外方へ抵抗し、該第1水平部材がその圧縮剛性によって前記一方の柱や前記他方の柱の水平変形を抑制するとともに、該一方の柱の内側面や該他方の柱の内側面に当接する前記第2水平部材が横方向外方へ抵抗し、該第2水平部材がその圧縮剛性によって前記一方の柱や前記他方の柱の水平変形を抑制し、前記地震による震動によって水平方向のせん断力が前記木枠架構に生じ、前記一方の柱や前記他方の柱にかかる水平方向のせん断力が前記木枠架構の横方向外方へ作用した場合、前記第1水平部材と前記一方の柱および前記他方の柱とを連結する前記第1連結プレートおよび前記第1ドリフトピンや前記第2連結プレートおよび前記第2ドリフトピンが横方向内方へ抵抗し、該第1連結プレートおよび該第1ドリフトピンや該第2連結プレートおよび該第2ドリフトピンがその引張剛性によって該一方の柱や該他方の柱の水平変形を抑制するとともに、前記第2水平部材と前記一方の柱および前記他方の柱とを連結する前記第3連結プレートおよび前記第3ドリフトピンや前記第4連結プレートおよび前記第4ドリフトピンが横方向内方へ抵抗し、該第3連結プレートおよび該第3ドリフトピンや該第4連結プレートおよび該第4ドリフトピンがその引張剛性によって該一方の柱や該他方の柱の水平変形を抑制することを特徴とする木枠架構補強材。
  3. 前記第1水平部材が、その第1上面から前記土台の上面に向かって打ち込まれた横方向へ並ぶ複数本のビスによって該土台に固定され、前記第2水平部材が、その第2下面から前記梁または前記桁の下面に向かって打ち込まれた横方向へ並ぶ複数本のビスによって該梁または該桁に固定されている請求項1または請求項2に記載の木枠架構補強材。


JP2018091109A 2018-05-10 2018-05-10 木枠架構補強材 Active JP6917338B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018091109A JP6917338B2 (ja) 2018-05-10 2018-05-10 木枠架構補強材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018091109A JP6917338B2 (ja) 2018-05-10 2018-05-10 木枠架構補強材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019196634A JP2019196634A (ja) 2019-11-14
JP6917338B2 true JP6917338B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=68538273

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018091109A Active JP6917338B2 (ja) 2018-05-10 2018-05-10 木枠架構補強材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6917338B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111119510A (zh) * 2020-01-16 2020-05-08 东南大学 一种古建筑混水油漆面木梁端部墩接方法
JP7496574B2 (ja) * 2020-01-17 2024-06-07 ミサワホーム株式会社 耐力壁構造
CN111425005A (zh) * 2020-04-14 2020-07-17 东南大学 一种古建筑清水面木梁端部墩接方法
JP7562092B2 (ja) 2020-08-11 2024-10-07 ミサワホーム株式会社 軸組補強構造の施工方法
CN116988673B (zh) * 2023-09-26 2023-12-15 山西一建集团有限公司 一种古建筑修复用加固保护装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6067769A (en) * 1997-11-07 2000-05-30 Hardy Industries Reinforcing brace frame
JP5166217B2 (ja) * 2008-11-21 2013-03-21 社団法人大阪府木材連合会 耐震構法、耐震構造体および耐震家屋
JP2010156175A (ja) * 2008-12-27 2010-07-15 Kenji Fukumi 可動式耐震補強装置
JP2019035252A (ja) * 2017-08-15 2019-03-07 株式会社ポラス暮し科学研究所 耐力壁および建築物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019196634A (ja) 2019-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6917338B2 (ja) 木枠架構補強材
KR101185974B1 (ko) 가새부재를 이용한 기둥부와 보의 연결부 보강장치 및 이를 이용한 구조물 보강방법
KR101348577B1 (ko) 건물의 개구부에 설치된 수평보형 댐퍼를 이용한 내진보강방법
JP2007321499A (ja) 木造軸組家屋の補強装置
JP4945428B2 (ja) 補強構造
JP2018162602A (ja) 接合金物および壁の接合構造
KR102567304B1 (ko) 응력 보강브레이스가 부착된 엔지니어링 플라스틱 보강패널을 이용한 콘크리트 구조물의 전단 보강공법
JP2011157728A (ja) ダンパ及びダンパを用いた木構造
KR102578034B1 (ko) 기둥의 내진 보강을 위한 frp 랩핑과 x형태 브레이스가 부착된 준불연 엔지니어링 플라스틱 패널의 조립 시공방법
JP7233153B2 (ja) 耐力壁
JP2008308820A (ja) 在来軸組木造建築物の耐力壁構造
KR20230037821A (ko) 면내강성 보강재를 활용한 대공간 천장의 가새시스템
JP2019085779A (ja) 制震装置の取付構造
KR102221921B1 (ko) 강봉을 이용한 조적조 건물의 면내, 면외 및 접합부의 내진보강 공법
JP2014080802A (ja) 木造構造の制振壁
JP6553003B2 (ja) 補強用制震耐力壁構造
JP7512559B2 (ja) 木造建物の補強構造
JP7308339B2 (ja) 耐力壁
JP7516708B2 (ja) 木造建物の補強構造
KR102311233B1 (ko) 목구조 건축물 지진 발생 시 2차 변형 제어를 위한 긴급 보강 강재이력댐퍼
JP7449254B2 (ja) 耐震壁の構築方法
JP7384732B2 (ja) 耐震補強構造
JP7163148B2 (ja) 制振装置
JP3453523B2 (ja) 木質系建造物の耐震構造
JP2009256915A (ja) 建物の壁構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210506

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6917338

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150