JP4403884B2 - 電子装置およびディスク記録再生装置 - Google Patents
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Description
背景技術としては、水晶発振回路の周囲温度を検出して、検出された温度に基づいて水晶発振回路の水晶振動子に並列接続するコンデンサを切り換えるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、発振動作と水晶発振回路の周囲温度とを検出して、検出結果に基づいて水晶発振回路の水晶振動子に並列接続されたコンデンサの容量を変更するようにしたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
また、水晶発振回路の周囲温度を検出して、検出された温度に基づいて水晶発振回路の水晶振動子に並列接続するコンデンサ、或いはコンデンサ・抵抗を切り換えるようにしたものがあった(例えば、特許文献3参照)。
また、水晶発振回路の周囲温度を検出して、検出された温度に基づいて水晶発振回路の水晶振動子に並列接続するコンデンサをトランジスタにより切り換え、コンデンサの切り換え時にノイズが発生しないようにしたものがあった(例えば、特許文献4参照)。
また、水晶発振回路の周囲温度を検出して、検出された温度に基づいて水晶発振回路の水晶振動子に接続された可変容量ダイオードのバイアス電圧を可変し、容量切り換え時の周波数変化をなくすようにしたものがあった(例えば、特許文献5参照)。
本発明は、背景技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、矩形波発振回路の周囲温度を検出することなく、周囲温度の変化による矩形波発振回路の発振周波数の変動を抑制することができる矩形波発振回路を備えた電子装置およびディスク記録再生装置を提供しようとするものである。
また、本発明に係るディスク記録再生装置は、ディスクに対し情報を記録再生する記録再生部と、発振素子と、この発振素子の一端にそれぞれ個々のスイッチ手段を介して直列接続される互いに容量の異なる複数個のコンデンサからなる第1のコンデンサ群と、該発振素子の他端にそれぞれ個々のスイッチ手段を介して接続される互いに容量の異なる複数個のコンデンサからなる第2のコンデンサ群とを有して、クロック信号を発生して時計回路に供給する矩形波発振回路と、前記記録再生部の動作待機状態、動作停止状態、再生状態および記録状態の少なくとも4種の状態における装置の仕向地毎の各々の平均的な温度上昇を予め求め、これらの温度上昇に対して前記矩形波発振回路を所定の基準発振周波数でそれぞれ発振させることのできる回路定数を設定するのに必要な容量のコンデンサを前記第1および第2の各コンデンサ群からそれぞれ選択するためにONすべき前記スイッチ手段を装置の仕向地毎にそれぞれ前記4種の状態に対応して特定したスイッチ切換データが予め設定されて、このスイッチ切換データが予め記憶されたROMと、装置全体を制御するマイコンとを備え、前記マイコンは、前記4種の状態のうちの何れの状態であるかを検知して、前記検知した状態に対応する少なくとも2つの前記スイッチ手段を前記スイッチ切換データから抽出する制御機能と、その抽出した前記各スイッチ手段をそれぞれONさせることにより、前記第1および第2の各コンデンサ群のうちから前記スイッチ切換データに基づきそれぞれ選択した所要の前記各コンデンサを前記発振素子に並列接続させる制御機能とを有していることを特徴とする。
請求項2記載の発明に係るディスク記録再生装置によれば、ディスク記録再生装置に組み込んだ場合に、待機状態、動作停止状態、再生状態および記録状態における各々の平均的な温度上昇に対して、発振素子とこれに並列接続される少なくとも2個のコンデンサによる回路定数を所定の発振周波数に維持できるようにしているので、矩形波発振回路の周囲温度を検出することなく、矩形波発振回路の発振周波数の温度変化による変動を抑制することができる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を詳述する。図1は本発明の一実施例の電子装置の構成を示すブロック図であり、図2は本発明の一実施例の電子装置における矩形波発振回路の動作状態に対するスイッチ切換データを示す図であり、図3は本発明の一実施例の同上の矩形波発振回路の動作を示すフローチャートである。
まず、図1は本発明の一実施例の電子装置の構成を示すブロック図を基に説明する。
矩形波発振回路1は、インバータIC1、水晶振動子XT1、抵抗R1、コンデンサC1〜C8、スイッチSW1〜SW8で構成されていて、水晶振動子XT1がインバータIC1の入力端子と出力端子とに接続され、インバータIC1の出力をフィードバックする抵抗R1がインバータIC1の入力端子と出力端子とに接続されている。水晶振動子XT1の一端は、スイッチSW1〜SW4を介してそれぞれコンデンサC1〜C4の一端に接続され、コンデンサの他端が接地されている。また、水晶振動子XT1の他端は、スイッチSW5〜SW8を介してそれぞれコンデンサC5〜C8の一端に接続され、コンデンサの他端が接地されている。矩形波発振回路1が組み込まれた電子装置は、矩形波発振回路1と記録媒体に情報を記録再生する記録再生部5とのシステム全体を制御するマイコン2と、マイコン2が実行する制御プログラムと記録再生部5の動作状態に応じて矩形波発振回路1のスイッチSW1〜SW8のON/OFFを切り換えるスイッチ切換データとが格納されたROM3と、マイコン2が演算処理データ等の各種データを一時的に記憶するRAM4と、矩形波発振回路1から送出されたクロック信号に基づいて日付と時刻とを管理する時計回路6と、時計回路6により管理された日付と時刻とを表示する表示部7とで構成されている。
以上のように構成された電子装置について、以下その動作について説明する。
矩形波発振回路1の発振周波数は、電子装置の記録再生部5の動作に伴う温度上昇により変動する。矩形波発振回路1の温度が変動すると、矩形波発振回路1の水晶振動子XT1、コンデンサC1〜C8の回路定数が温度変化により変動して、発振周波数が変動する。電子装置の動作状態中、最も温度上昇が小さいのは、記録再生部5が待機状態になる電子装置の待機中である。次に温度上昇が小さいのは、電子装置の動作の停止中である。電子装置の動作の停止中には、電子装置の記録再生部5に直流電力が供給されるので、電子装置の動作が停止中であっても、矩形波発振回路1の温度は待機中よりも温度が上昇する。また、光ディスクに記録された情報を再生する場合、停止中よりも更に温度が上昇する。光ディスクに記録された情報を再生する際、スピンドルモータ、スレッドモータが駆動され、トラッキングアクチュエータ、フォーカスアクチュエータが駆動されて、レーザダイオードがレーザ発振されて所定の光強度のレーザ光が光ディスクの情報記録面に集光されてスポット光を照射され、光ディスクに記録された情報が再生されるので、矩形波発振回路1は停止中よりも温度が上昇する。電子装置の動作状態の中で最も温度上昇が大きいのは、光ディスクに情報を記録する記録動作時である。光ディスクに情報を記録する際、再生中と同様に、スピンドルモータ、スレッドモータが駆動され、トラッキングアクチュエータ、フォーカスアクチュエータが駆動されて、レーザダイオードがレーザ発振させて再生時よりも高出力の所定の光強度のレーザ光が光ディスクの情報記録面に集光されてスポット光を照射され、光ディスクに情報が記録されるので、矩形波発振回路1は再生中よりも更に温度が上昇して最も温度が高い状態になる。
矩形波発振回路1が組み込まれた電子装置の電源コードがコンセントに接続されると、マイコン2は、電子装置の記録再生部5の動作状態を常時監視して、電子装置の記録再生部5の動作状態に対応して、電子装置の動作状態毎に予め設定されたスイッチ切換データに基づいてスイッチSW1〜SW8のON/OFFを切り換え、矩形波発振回路1の発振素子XT1に選択的に並列接続する複数のコンデンサC1〜C8のそれぞれの接続を切り換えて、電子装置の記録再生部5の動作に伴う温度上昇による矩形波発振回路1の発振周波数の変動を抑制する。図2は、電子装置の動作状態毎の平均的な温度上昇時に、矩形波発振回路1の発振周波数を所定の基準周波数で発振させるために設定されたコンデンサを水晶振動子XT1に選択的に並列接続する、スイッチSW1〜SW8のON/OFFを切り換えるスイッチ切換データである。
電子装置の記録再生部5の動作が待機中である場合、マイコン2は、スイッチSW1、SW5をONにし、他のスイッチを全てOFFにして(図2参照)、複数のコンデンサC1〜C8の中、コンデンサC1、C5を水晶発振子XT1に並列接続する。コンデンサC1、C5は、電子装置の記録再生部5の待機中の平均的な温度上昇に対し、水晶振動子XT1、コンデンサC1、C5の回路定数の温度変化を考慮して、待機時に、矩形波発振回路1が所定の基準発振周波数で発振するように設定されている。電子装置の記録再生部5が待機中、水晶振動子XT1にコンデンサC1、C5を並列接続することにより、矩形波発振回路1の発振周波数を所定の基準発振周波数で発振させることができ、矩形波発振回路1の発振周波数の温度変化による変動を抑制することができる。
また、電子装置の記録再生部5の動作が停止中である場合、マイコン2は、スイッチSW2、SW6をONにし、他のスイッチを全てOFFにして(図2参照)、複数のコンデンサC1〜C8の中、コンデンサC2、C6を水晶発振子XT1に並列接続する。コンデンサC2、C6は、電子装置の記録再生部5の動作停止中の平均的な温度上昇に対し、水晶振動子XT1、コンデンサC2、C6の回路定数の温度変化を考慮して、動作停止時に、矩形波発振回路1が所定の基準発振周波数で発振するように設定されている。電子装置の記録再生部5が動作停止中、水晶振動子XT1にコンデンサC2、C6を並列接続することにより、矩形波発振回路1の発振周波数を所定の基準発振周波数で発振させることができ、矩形波発振回路1の発振周波数の温度変化による変動を抑制することができる。
また、電子装置の記録再生部5が光ディスクに記録された情報の再生中である場合、マイコン2は、スイッチSW3、SW7をONにし、他のスイッチを全てOFFにして(図2参照)、複数のコンデンサC1〜C8の中、コンデンサC3、C7を水晶発振子XT1に接続する。コンデンサC3、C7は、電子装置の記録再生部5の再生動作時の平均的な温度上昇に対し、水晶振動子XT1、コンデンサC3、C7の回路定数の温度変化を考慮して、再生動作時に、矩形波発振回路1が所定の基準発振周波数で発振するように設定されている。電子装置の記録再生部5が光ディスクから情報を再生する際に、その再生動作に伴う温度上昇により、矩形波発振回路1の発振周波数が変動するのを抑制することができる。
また、電子装置の記録再生部5の動作が光ディスクへの情報の記録中である場合、マイコン2は、スイッチSW4、SW8をONし、他のスイッチを全てOFFにして(図2参照)、複数のコンデンサC1〜C8の中、コンデンサC4、C8を水晶発振子XT1に接続する。コンデンサC4、C8は、電子装置の記録再生部5の記録動作時の平均的な温度上昇に対し、水晶振動子XT1、コンデンサC4、C8の回路定数の温度変化を考慮して、記録動作時に、矩形波発振回路1が所定の基準発振周波数で発振するように設定されている。電子装置の記録再生部5が光ディスクに情報を記録する際に、その記録動作に伴う温度上昇により、矩形波発振回路1の発振周波数が変動するのを抑制することができる。
また、図3は本発明の一実施例の電子装置の動作を示すフローチャートを基に説明する。
矩形波発振回路が組み込まれた電子装置の電源コードがコンセントに接続されると、ステップS1からステップS2に進み、ステップS2で、電子装置の記録再生部が待機中であるか否かが判断され、記録再生部が待機中である場合、ステップS3に進み、記録再生部が待機中でない場合、ステップS4に進む。
ステップS3で、スイッチSW1、SW5がONにされ、他のスイッチが全てOFFにされて、水晶発振子に並列接続される複数のコンデンサの接続がコンデンサC1、C5に切り換えられ、ステップS4に進む。
ステップS4で、電子装置の記録再生部が停止中であるか否かが判断され、記録再生部が停止中である場合、ステップS5に進み、記録再生部が停止中でない場合、ステップS6に進む。
ステップS5で、スイッチSW2、SW6がONにされ、他のスイッチが全てOFFにされて、水晶発振子に並列接続される複数のコンデンサの接続がコンデンサC2、C6に切り換えられ、ステップS6に進む。
ステップS6で、電子装置の記録再生部が光ディスクに記録された情報の再生中であるか否かが判断され、記録再生部が光ディスクに記録された情報の再生中である場合、ステップS7に進み、記録再生部が光ディスクに記録された情報の再生中でない場合、ステップS8に進む。
ステップS7で、スイッチSW3、SW7がONにされ、他のスイッチが全てOFFにされて、水晶発振子に並列接続される複数のコンデンサの接続がコンデンサC3、C7に切り換えられ、ステップS8に進む。
ステップS8で、電子装置の記録再生部が光ディスクへの情報の記録中であるか否かが判断され、記録再生部が光ディスクへの情報の記録中である場合、ステップS9に進み、記録再生部が光ディスクへの情報の記録中でない場合、ステップS2に戻って、ステップS2からのステップを繰り返す。
ステップS9で、スイッチSW4、SW8がONにされ、他のスイッチが全てOFFにされて、水晶発振子に並列接続される複数のコンデンサの接続がコンデンサC4、C8に切り換えられ、ステップS2に戻って、ステップS2からのステップを繰り返す。
以上、本発明を実施するための最良の形態について詳述したが、本発明はこれに限らず、当業者の通常の知識の範囲内でその変形や改良が可能である。例えば、電子装置の動作状態毎に予め設定されたスイッチ切換データに基づいて矩形波発振回路の水晶発振子に選択的に並列接続される複数のコンデンサの接続を切り換えることを説明したが、電子装置の動作状態毎のスイッチ切換データを電子装置の仕向地別に予め設定し、仕向地別の電子装置の動作状態毎のスイッチ切換データに基づいて矩形波発振回路の水晶発振子に選択的に並列接続される複数のコンデンサの接続を切り換えるようにしてもよい。
矩形波発振回路の水晶発振子に選択的に並列接続される複数のコンデンサの接続をスイッチのON/OFFにより切り換えることを説明したが、矩形波発振回路の水晶発振子に選択的に並列接続される複数のコンデンサの接続をアナログスイッチ等の半導体スイッチ素子により切り換えるようにしてもよい。
1 矩形波発振回路
2 マイコン
3 ROM
4 RAM
5 記録再生部
6 時計回路
7 表示部
IC1 インバータ
XT1 水晶振動子
R1 抵抗
C1〜C8 コンデンサ
SW1〜SW8 スイッチ
Claims (2)
- 発振素子と、この発振素子の一端にそれぞれ個々のスイッチ手段を介して直列接続される互いに容量の異なる複数個のコンデンサからなる第1のコンデンサ群と、該発振素子の他端にそれぞれ個々のスイッチ手段を介して接続される互いに容量の異なる複数個のコンデンサからなる第2のコンデンサ群とを有して、クロック信号を発生して時計回路に供給する矩形波発振回路と、
装置の動作待機状態、動作停止状態、第1の動作状態および第2の動作状態の少なくとも4種の状態における装置の仕向地毎の各々の平均的な温度上昇を予め求め、これらの温度上昇に対して前記矩形波発振回路を所定の基準発振周波数でそれぞれ発振させることのできる回路定数を設定するのに必要な容量のコンデンサを前記第1および第2の各コンデンサ群からそれぞれ選択するためにONすべき前記スイッチ手段を装置の仕向地毎にそれぞれ前記4種の状態に対応して特定したスイッチ切換データが予め設定されて、このスイッチ切換データが予め記憶されたメモリと、
装置全体を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記4種の状態のうちの何れの状態であるかを検知して、その検知した状態に対応する少なくとも2つの前記スイッチ手段を前記スイッチ切換データから抽出する制御機能と、 その抽出した前記各スイッチ手段をそれぞれONさせることにより、前記第1および第2の各コンデンサ群のうちから前記スイッチ切換データに基づきそれぞれ選択した所要の前記各コンデンサを前記発振素子に並列接続させる制御機能とを有していることを特徴とする電子装置。 - ディスクに対し情報を記録再生する記録再生部と、
発振素子と、この発振素子の一端にそれぞれ個々のスイッチ手段を介して直列接続される互いに容量の異なる複数個のコンデンサからなる第1のコンデンサ群と、該発振素子の他端にそれぞれ個々のスイッチ手段を介して接続される互いに容量の異なる複数個のコンデンサからなる第2のコンデンサ群とを有して、クロック信号を発生して時計回路に供給する矩形波発振回路と、
前記記録再生部の動作待機状態、動作停止状態、再生状態および記録状態の少なくとも4種の状態における装置の仕向地毎の各々の平均的な温度上昇を予め求め、これらの温度上昇に対して前記矩形波発振回路を所定の基準発振周波数でそれぞれ発振させることのできる回路定数を設定するのに必要な容量のコンデンサを前記第1および第2の各コンデンサ群からそれぞれ選択するためにONすべき前記スイッチ手段を装置の仕向地毎にそれぞれ前記4種の状態に対応して特定したスイッチ切換データが予め設定されて、このスイッチ切換データが予め記憶されたROMと、
装置全体を制御するマイコンとを備え、
前記マイコンは、
前記4種の状態のうちの何れの状態であるかを検知して、前記検知した状態に対応する少なくとも2つの前記スイッチ手段を前記スイッチ切換データから抽出する制御機能と、 その抽出した前記各スイッチ手段をそれぞれONさせることにより、前記第1および第2の各コンデンサ群のうちから前記スイッチ切換データに基づきそれぞれ選択した所要の前記各コンデンサを前記発振素子に並列接続させる制御機能とを有していることを特徴とするディスク記録再生装置。
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