JP4400988B2 - 圧延パススケジュール設定方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,鋼材を圧延機で1又は複数回圧延して所定板厚とする際の圧延パススケジュールを設定する方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼材を,タンデム式,或いはリバース式の圧延機で1又は複数回圧延し,所定の製品板厚とする際の圧延パススケジュールの設定方法としては,従来は,圧延開始時の鋼材の温度(例えば板中央部での温度や平均温度など)から各パスにおける鋼材温度を予測し,該鋼材温度に基づいて各パスでの圧下率等を設定する方法が一般的であった。即ち,鋼材面内での温度分布は一定であるという仮定のもとでパススケジュールが設定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,圧延される鋼材は,必ずしも面内均一温度であるとは限らない。例えば,圧延開始前の加熱炉でスキッド上に載置されることにより上記スキッド位置はその他の部分よりも過冷却され,鋼材温度は面内で不均一となる。このような面内温度が不均一な鋼材を,上記従来の方法で得られたパススケジュールに従って圧延すると,鋼材の面内温度偏差のために圧延後の製品はその面内で材質ムラが生じてしまう。
このような問題点を解決するためには,例えば板圧延中の部分加熱や部分冷却によって板面内の温度分布を均一にすることが考えられるが,実際の圧延で板厚方向の温度分布も含めて温度を均一化することは極めて困難であり,現実的ではない。
また,特開平7−204705号公報には,鋼材の先尾端での温度差による材質ムラを解消するため,制御圧延直前パスにて鋼材の一端から他端に向けて漸次板厚の変化するテーパープレート状に圧延する技術が提案されている。しかしながら,この方法では,鋼材の一端から他端に向かってほぼ一定の傾きで温度差が生じる場合にしか対応できず,また,温度と材料との関係を経験的に求めなければならないなど,課題が多い。更に,あくまでも鋼材温度の均一化を保証するものであり,製品の材質の均一化を保証できるかどうかは未知数である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,圧延対象の鋼材の長手方向温度分布が不均一であっても,容易に圧延後の製品の材質を均一化することが可能な圧延パススケジュールの設定方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,第1の発明(方法)は,鋼材を圧延機で1又は複数回圧延して所定板厚とする際の圧延パススケジュールを設定する方法において,圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定し,これに基づいてパス毎の上記鋼材の長手方向の温度分布を予測する温度分布予測工程と,少なくとも上記温度分布予測工程で予測されたパス毎の鋼材長手方向の温度分布とパス毎の鋼材長手方向の圧下歪み分布とパス毎の鋼材長手方向の圧延時間間隔とをパラメータとして鋼材の圧延後の材質分布を規定する所定の材質モデルを用いて,圧延後の鋼材長手方向の板厚分布を均一とする制約条件の下で,上記材質モデルによる材質評価値の鋼材長手方向の変動を小さくするようなパス毎の圧下歪み分布を求める圧下歪み分布算出工程と,上記圧下歪み分布算出工程で得られた上記圧下歪み分布に基づいて,各パスにおける圧下率を上記鋼材長手方向に適宜変化させた圧延パススケジュールを設定するパススケジュール設定工程とを具備してなることを特徴とする圧延パススケジュール設定方法として構成されている。
これにより,圧延対象の鋼材の長手方向温度分布が不均一であっても,圧延後の製品の板厚を一定としつつ鋼材長手方向の材質変動を最小とすることが可能である。
更には,圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定し,これに基づいて上記鋼材の長手方向の位置毎に温度の平均値を求め,これに基づいて,圧延後の板厚が上記所定板厚となるようにパス毎の基準圧下歪みを設定する基準圧下歪み設定工程を具備し,上記圧下歪み分布算出工程において,上記圧下歪み分布を上記基準圧下歪み設定工程で得られた上記基準圧下歪みからの変動量として求めるようにすることも可能である。
また,上記圧下歪み分布算出工程においては,例えばラグランジェの未定定数法を用いることができる。
【0005】
また,上記目的を達成するために.第2の発明(装置)は,鋼材を圧延機で1又は複数回圧延して所定板厚とする際の圧延パススケジュールを設定する装置において,圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定する温度測定手段と,上記温度測定手段で得られた上記鋼材の長手方向の温度分布に基づいてパス毎の上記鋼材の長手方向の温度分布を予測する温度分布予測手段と,少なくとも上記温度分布予測手段で得られたパス毎の鋼材長手方向の温度分布とパス毎の鋼材長手方向の圧下歪み分布とパス毎の鋼材長手方向の圧延時間間隔とをパラメータとして鋼材の圧延後の材質分布を規定する所定の材質モデルを用いて,圧延後の鋼材長手方向の板厚分布を均一とする制約条件の下で,上記材質モデルによる材質評価値の鋼材長手方向の変動を小さくするようなパス毎の圧下歪み分布を求める圧下歪み分布算出手段と,上記圧下歪み分布算出手段で得られた上記圧下歪み分布に基づいて,各パスにおける圧下率を上記鋼材長手方向に適宜変化させた圧延パススケジュールを設定するパススケジュール設定手段とを具備してなることを特徴とする圧延パススケジュール設定装置として構成されている。
これにより,圧延対象の鋼材の長手方向温度分布が不均一であっても,圧延後の製品の板厚を一定としつつ鋼材長手方向の材質変動を最小とすることが可能である。
更には,圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定し,これに基づいて上記鋼材の長手方向の位置毎に温度の平均値を求め,これに基づいて,圧延後の板厚が上記所定板厚となるようにパス毎の基準圧下歪みを設定する基準圧下歪み設定手段を具備し,上記圧下歪み分布算出手段において,上記圧下歪み分布を上記基準圧下歪み設定手段で得られた上記基準圧下歪みからの変動量として求めるようにすることも可能である。
また,上記圧下歪み分布算出工程においては,例えばラグランジェの未定定数法を用いることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照して本発明の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る圧延パススケジュール設定方法の処理手順を示すフローチャート,図2は上記圧延パススケジュール設定処理におけるステップS7(圧延制御手順)の一例を示すフローチャート,図3は本発明の実施の形態に係る圧延パススケジュール設定装置Z1の概略構成を示すブロック図である。
【0007】
本実施の形態に係る圧延パススケジュール設定装置Z1は,粗圧延の後の仕上げ圧延における圧延パススケジュールを設定する装置であって,図3に示すような概略構成を有する。ここで,温度測定部1は,仕上げ圧延入側における鋼材長手方向座標yでの温度を実測する測定装置により構成されるが,それ以外の平均圧下率算出部2,温度分布予測部3,圧下歪み分布算出部4,及びパススケジュール設定部5は,パーソナルコンピュータ等の電子計算機上で,後述する処理手順を記述したプログラムを実行させることで具現化される。
【0008】
以下,上記圧延パススケジュール設定装置Z1を用いて行われる圧延パススケジュール設定方法の概略を説明する。
鋼材の材質(YP(降伏点)やTS(引っ張り強さ)等)を予測するための材質予測式は,一般に各パスnにおける圧延時間間隔(パス間時間)tn ,その時の材料温度Tcn,及び圧下歪みεn によって決定される。即ち,材料評価値Xは,
X=F(ε1 ,t1 ,Tc1,…,εn ,tn ,Tcn) …(1)
と表すことができる。
また,nパス目の圧下率rn ,圧下歪みεn は,
n =(H1n−H2n)/H2n …(2)
εn =ln(H2n/H1n) …(3)
で表される。但し,H1nはnパス目の入側板厚,H2nはnパス目の出側板厚である。
ここで,製品板厚(仕上げ圧延後の板厚)h,圧延開始板厚Hは固定されているため,製品板厚を満足するためには各パスで与える圧下歪みεn の和である全歪みεTOT =Σεn は一定である必要がある。
【0009】
また,鋼材の長手方向に座標yをとり,上記(1)式を座標yに依存した形に書き換えると次のようになる。
X(y)=F(ε1 (y),t1 (y),Tc1(y),
…,εn (y),tn (y),Tcn(y)) …(4)
ここで,上記座標yは,板の先端と後端でそれぞれ0,1となるように規格化されているものとする。
上記(4)式において,nパスにおける座標yでの圧下歪みεn (y)は,鋼材の平均温度に基づくパススケジュール計算によって求められる平均圧下歪みεn0と,座標yにおける上記平均圧下歪みεn0からの変動分である圧下歪み変化δεn (y)を用いて次のように表すことができる。
εn (y)=εn0+δεn (y) …(5)
また,上記(4)式におけるtn (y)は,座標yでのnパス目のパス間時間であり,鋼材の圧延長さと圧延速度から場所ごとに決まる値である。
また,上記(4)式におけるTcn(y)は,圧延開始時の鋼材長手方向の温度分布T0 (y),nパス目のロールバイト中の温度低下ΔTRCn ,nパス目の空冷による単位時間当たりの温度低下δTn ,上述したnパス目のパス間時間tn (y),及びデスケ─リング(冷却)による温度低下量ΔTndを用いて例えば次のように表すことができる。
cn(y)=T0 (y)−ΣΔTRCn
−ΣδTn (T0 (y))・tn (y)−ΣΔTnd…(6)
ここで,ΔTRCn はnパス目の圧下量から計算できる値であり,δTn はT0 (y)に依存して決まる値であり,tn (y)は上述したように鋼材の圧延長さと圧延速度から場所ごとに決まる値であり,ΔTndは予め決められている値である。尚,上記圧延開始時の鋼材長手方向の温度分布T0 (y)は,圧延開始時に実測により求めることができる。
上記(5)式を用いて上記(4)式を書き直すと次のようになる。
X(y)=F(ε10+δε1 (y),t1 (y),Tc1(y),
…,εn0+δεn (y),tn (y),Tcn(y))…(7)
【0010】
ここで,仕上げ圧延においては,製品板厚を一定にすることが最低条件である。この制約条件を式で表すと,次のようになる。
Σδεn (y)=0.0 …(8)
また,製品の材質を長手方向に均一化するということは,言い換えれば,長手方向座標yにおける材質評価値X(y)の値と,長手方向の所定の基準位置pでの材料評価値X(p)との差をなるべく0に近づけることである。従って,上記基準位置pを0.5,即ち長手方向の中心位置とすると,(X(y)−X(0.5))2 の値をできる限り小さくすることができれば,製品の材質を長手方向に均一化することができる。
更に,圧延機に余計な負荷を与えないようにするため,圧延によって与える長手方向の圧下歪み変動はなるべく小さくすることが望ましい。即ち,Σ(δεn (y))2 はなるべく小さいほうが望ましい。
以上のような点を考慮して,材質変動の重み係数WM ,圧下歪み変動の重み係数WE ,及びラグランジェの未定定数Λを用いて評価関数Φ(y)を次のように定義する。
Φ(y)=WM (X(y)−X(0.5))2
+WE ・Σ(δεn (y))2 +Λ・Σδεn (y) …(9)
この評価関数Φ(y)は,鋼材の座標yの関数であると同時に,δεn (y)の関数と見なすことができる。このため,
【数1】
を満足させるδεn (y)が,即ち製品板厚を一定とする制約条件の下で,鋼材長手方向の位置yと長手方向中心位置との材質変動を最小にし,各パスでの長手方向の圧下歪み変化量を最小にするδεn (y)となる。
【0011】
ここで,y=0.5の位置での圧下歪みを平均圧下歪みと仮定すると,上記(7)式より次式が得られる。
X(0.5)=F(ε10+δε1 0.5),t1 (0.5),Tc1(0.5),
…,εn0+δεn 0.5),tn (0.5),Tcn(0.5))
…(11)
上記(11)式をテーラー展開して2次以上の偏微分項を無視すると,
【数2】
となる。従って,上記(9)式の(X(y)−X(0.5))は次のようになる。
【数3】
尚,上記(10)は非線形方程式となるため,Φを数値微分して解くことができる。また,このような方法では計算機負荷が高くなりすぎる場合には,Φをδεn (y)の線形式に展開して線形多項式によって解を求めることもできる。
【0012】
以上の計算を,鋼材長手方向の任意の位置yにおいて行うことにより,δεn (y)がyの関数として決定される。即ち,実際の圧延時には,パス毎に,予め従来と同様の方法で平均温度に基づいて求められた平均圧下歪みεn0を基準として,各座標位置yにおいて上記δεn (y)だけ圧下歪みを変動させるように制御すれば,製品板厚を一定としつつ,鋼材長手方向の位置yと長手方向中心位置との材質変動を最小にし,各パスでの長手方向の圧下歪み変化量を最小にすることが可能となる。
ここでは,実際の圧延時にはパス毎に目標出側板厚に基づいてロールギャップを制御するものとする。上記圧下歪み変化δεn (y)を用いて,次式により,座標yにおける平均出側板厚H2nからの変動分である目標出側板厚の偏差ΔH2n(y)を求めることができる。
ΔH2n(y)=H2n・(1−exp (Σδεi (y))) …(14)
但し,Σはiについて1からnまでの添字の和である。
【0013】
続いて,図1及び図2に示すフローチャートに従って,本実施の形態に係る圧延パススケジュール設定装置による圧延パススケジュール設定手順について説明する。
前工程としての粗圧延が終了し,仕上げ圧延が開始される前に,温度測定部1により,仕上げ圧延入側における鋼材長手方向温度分布(座標yでの温度)T0 (y)を測定する(ステップS1)。
そして,平均圧下率算出部2(基準圧下歪み設定手段に相当)において,上記測定温度T0 (y)の平均値を求め,これに基づいて圧延スケジュール計算を行い,各パスでの圧下率rn を決定する(ステップS2:基準圧下歪み設定工程)。この圧延スケジュール計算は,従来より行われている種々の手法を用いることができる。
続いて,温度分布予測部3において,上記パススケジュールで得られた標準パス間時間に基づいて各パスの座標yにおけるパス間時間t0 (y)を計算すると共に,上記(6)式により各パスの予測温度分布Tcn(y)を計算する(ステップS3:温度分布予測工程)。
【0014】
次に,圧下歪み分布算出部4において,上記(7)式を用いて,y=0.5における材質評価値X(0.5)の値を計算する(ステップS4)。
X(0.5)=F(ε10 +δε 1 (0.5),t1 (0.5),Tc1(0.5),
…,εn0 +δε n (0.5),tn (0.5),Tcn(0.5))…(15)
そして,上記(9)式に示すような評価関数Φ(y)を定義し,上記(10)式に示す連立方程式を解くことによって座標yにおけるパス毎の圧下歪み変化δεn (y)を求める(ステップS5:圧下歪み分布算出工程)。ここで,上記ステップS4で得られたX(0.5)の値は,上記(12)式における影響係数(∂F/∂εn )の算出に用いられる。
パス毎の圧下歪み変化δεn (y)が得られると,これを用いて,パススケジュール設定部5において上記(14)式によりパス毎の目標出側板厚偏差ΔH2n(y)が求められ,図示しない圧延制御装置に出力される(ステップS6:パススケジュール設定工程)。
【0015】
その後,実際の仕上げ圧延が開始されると,上記ステップS6で得られたパス毎の目標出側板厚偏差ΔH2n(y)に基づいて,上記圧延制御装置により,実際の仕上げ圧延におけるロールギャップ制御が行われる(ステップS7)。
ここで,ステップS7の圧延制御は,例えば図2に示すようなフローチャートに従って行われる。
まず,パス数をn=1に設定し(ステップS71),上記ステップS2のパススケジュール計算で得られた1パス目における出側板厚H21を設定し(ステップS72),1パス目の圧延を開始する(ステップS73)。そして,出側板厚偏差が上記ステップS6で得られた目標出側板厚偏差ΔH2n(y)となるように,鋼材長手方向(座標y)に沿ってロールギャップを変化させつつ圧延を行う(ステップS74)。
以上のステップS71〜S74の処理を,nの値を1づつ加算しながら最終パスまで繰り返す(ステップS75,S76)。
【0016】
以上のような処理を行うことにより,各パスでの長手方向の圧下歪み変化量を最小にして圧延機に余計な負荷を与えることなく圧延を行うことができ,圧延後の製品の板厚を一定とし,しかも鋼材長手方向の材質変動を最小とすることが可能である。また,連立方程式を解くことにより最適値を求めているため,繰り返し計算を行う方法に比べて計算時間が短く,オンラインでの処理が可能である。
【0017】
【実施例】
上記実施の形態では,ステップS1においてステップS3以降で用いる仕上げ圧延入側の長手方向温度分布を実測し,その平均値を用いて圧延スケジュール計算(ステップS2)を行うようにしたが,もちろんこれに限られるものではない。例えば,直前の粗圧延出側の温度実測値に基づいて圧延スケジュール計算(ステップS2)を行った後,仕上げ圧延入側で長手方向温度分布を実測し,これに基づいてステップS3以降の処理を行うようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,圧延対象の鋼材の長手方向温度分布が不均一であっても,圧延後の製品の板厚を一定としつつ鋼材長手方向の材質変動を最小とすることが可能である。即ち,面内で材質が均一な製品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る圧延パススケジュール設定方法の処理手順を示すフローチャート。
【図2】 上記圧延パススケジュール設定処理におけるステップS7(圧延制御手順)の一例を示すフローチャート。
【図3】 本発明の実施の形態に係る圧延パススケジュール設定装置Z1の概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…温度測定部
2…平均圧下率算出部(基準圧下歪み設定手段に相当)
3…温度分布予測部
4…圧下歪み分布算出部
5…パススケジュール設定部

Claims (6)

  1. 鋼材を圧延機で1又は複数回圧延して所定板厚とする際の圧延パススケジュールを設定する方法において,
    圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定し,これに基づいてパス毎の上記鋼材の長手方向の温度分布を予測する温度分布予測工程と,
    少なくとも上記温度分布予測工程で予測されたパス毎の鋼材長手方向の温度分布とパス毎の鋼材長手方向の圧下歪み分布とパス毎の鋼材長手方向の圧延時間間隔とをパラメータとして鋼材の圧延後の材質分布を規定する所定の材質モデルを用いて,圧延後の鋼材長手方向の板厚分布を均一とする制約条件の下で,上記材質モデルによる材質評価値の鋼材長手方向の変動を小さくするようなパス毎の圧下歪み分布を求める圧下歪み分布算出工程と,
    上記圧下歪み分布算出工程で得られた上記圧下歪み分布に基づいて,各パスにおける圧下率を上記鋼材長手方向に適宜変化させた圧延パススケジュールを設定するパススケジュール設定工程とを具備してなることを特徴とする圧延パススケジュール設定方法。
  2. 圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定し,これに基づいて上記鋼材の長手方向の位置毎に温度の平均値を求め,これに基づいて,圧延後の板厚が上記所定板厚となるようにパス毎の基準圧下歪みを設定する基準圧下歪み設定工程を具備し,
    上記圧下歪み分布算出工程において,上記圧下歪み分布を上記基準圧下歪み設定工程で得られた上記基準圧下歪みからの変動量として求めてなる請求項1記載の圧延パススケジュール設定方法。
  3. 上記圧下歪み分布算出工程において,ラグランジェの未定定数法を用いてなる請求項1又は2記載の圧延パススケジュール設定方法。
  4. 鋼材を圧延機で1又は複数回圧延して所定板厚とする際の圧延パススケジュールを設定する装置において,
    圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定する温度測定手段と,
    上記温度測定手段で得られた上記鋼材の長手方向の温度分布に基づいてパス毎の上記鋼材の長手方向の温度分布を予測する温度分布予測手段と,
    少なくとも上記温度分布予測手段で得られたパス毎の鋼材長手方向の温度分布とパス毎の鋼材長手方向の圧下歪み分布とパス毎の鋼材長手方向の圧延時間間隔とをパラメータとして鋼材の圧延後の材質分布を規定する所定の材質モデルを用いて,圧延後の鋼材長手方向の板厚分布を均一とする制約条件の下で,上記材質モデルによる材質評価値の鋼材長手方向の変動を小さくするようなパス毎の圧下歪み分布を求める圧下歪み分布算出手段と,
    上記圧下歪み分布算出手段で得られた上記圧下歪み分布に基づいて,各パスにおける圧下率を上記鋼材長手方向に適宜変化させた圧延パススケジュールを設定するパススケジュール設定手段とを具備してなることを特徴とする圧延パススケジュール設定装置。
  5. 圧延開始時点での上記鋼材の長手方向の温度分布を測定し,これに基づいて上記鋼材の長手方向の位置毎に温度の平均値を求め,これに基づいて,圧延後の板厚が上記所定板厚となるようにパス毎の基準圧下歪みを設定する基準圧下歪み設定手段を具備し,
    上記圧下歪み分布算出手段において,上記圧下歪み分布を上記基準圧下歪み設定手段で得られた上記基準圧下歪みからの変動量として求めてなる請求項4記載の圧延パススケジュール設定装置。
  6. 上記圧下歪み分布算出手段において,ラグランジェの未定定数法を用いてなる請求項4又は5記載の圧延パススケジュール設定装置。
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