JP4400956B2 - エレベータの安全装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータでは安全装置として、建築基準法施行令の129条の9第7号において、下降するかごの速度が規定された値を超えると、かごの下降を自動的に制止する装置を設けなければならないことが規定されている。
【0003】
図8は、非常停止装置が設けられた一般的なエレベータの概略機構を示す図であり、エレベータの乗りかご1は主ロープ2で吊られ巻上機3によって昇降路内を昇降するとともに、その昇降路に設けられた一対のガイドレール4、4によってその昇降が案内される。上記乗りかご1又は主ロープ2の他端に設けられたつり合いおもり5には各ガイドレール4に対応して非常止め装置6が装着されている(図8には乗りかご1にだけ非常止め装置6が装着されている例を示す)。非常止め装置6は、主ロープ2が切断したり巻上げ機3の回転速度が異常になる等の要因によりエレベータの乗りかご1の速度が定格速度以上になった場合に、ガイドレール4を掴み、乗りかご1を機械的に停止させる。
【0004】
すなわち、エレベータの速度超過を機械室に設けられた調速機7が検知すると、この調速機7に組み込まれているロープつかみ部(図示せず)が作動し、調速機7に巻装されている調速機ロープ8が把持される。調速機ロープ8が把持されると、乗りかご1に装着されているセフティーリンク9を介して非常止め装置6が動作する。
【0005】
ところで、非常止め装置6を作動させるこのセフティーリンク9には、クサビを上部より引き上げる構造のものと、クサビを下部より持ちあげる構造のものとがある。
【0006】
図9および図10は、クサビを上部より引き上げる構造のセフティーリンク9の一例を示した図であり、図10はクサビ11と引き上げ棒10の係合部を非常止め装置6の正面から見た図である。
【0007】
図9に示すように、セフティーリンク9は乗りかご1の上枠1aに取り付けられている。セフティーリンク9は、調速機ロープ8に一端が固定されたロープレバー12と、このロープレバー12の回転運動により上部に引き上げられる引き上げ棒10と、ロープレバー12の回転運動を反対側の引き上げ棒10に伝えるコンロッド13とから構成され、引き上げ棒10の端部には係合ピン14によってクサビ11が係止されている。
【0008】
このように構成されたセフティーリンク9においては、かごの下降速度が規定された値を超えると、調速機ロープ8が調速機7のつかみ部で把持され、乗りかご1に対してロープレバー12が相対的に上昇することにより、引き上げ棒10が引き上げられ、これにより非常止め装置6が動作する。
【0009】
図11および図12は、前述したクサビを下部より持ち上げる構造のセフティーリンク9の一例を示した図であり、図12はクサビと押し上げレバーとの係合部を非常止め装置8の正面から見た図である。
【0010】
図11において、前述した図9で示したクサビを引き上げる構造のセフティーリンク9と大きく異なるところは、引き上げ棒10の代わりにロープレバー12の回転運動を受けて回転運動を行う押し上げレバー15によりクサビ11を下部より持ち上げる点にある。従って、この場合、セフティーリンク9は乗りかご1の下枠1bに取り付けられ、かごとガイドレール4の隙間に引き上げ棒10の様なリンク機構の一部が配置されることはない。
【0011】
すなわち、図11に示すように、このセフティーリンク9は、乗りかご1に回転可能に取り付けられた回転軸18aと、回転軸18aにそれぞれの基端側が取り付けられたロープレバー12、一対の押し上げレバー15a、15a及びコンロッドレバー19aと、をその一側(図11左側)に有する。また、このセフティーリンク9は、乗りかご1に回転可能に取り付けられた回転軸18bと、回転軸18bにそれぞれの基端側が取り付けられた押し上げレバー15b、15b及びコンロッドレバー19bと、をその他側(図11右側)に有する。コンロッドレバー19aおよびコンロッドレバー19bの先端側には、コンロッド13aの両端がそれぞれ枢着されている。
【0012】
ロープレバー12の先端側には、調速機ロープ8が固着されている。かごの下降速度が規定された値を超えると、調速機ロープ8が調速機7のつかみ部で把持され、これによりロープレバー12が回転する。ロープレバー12の回転運動は、押し上げレバー15a、15aに伝達され、これにより対応する各クサビ11が押し上げられる。これにより一方の非常止め装置6が動作する。また、ロープレバー12の回転運動は、コンロッド13aを介して反対側の押し上げレバー15b、15bに伝達され、同様に対応する各クサビ11が押し上げられる。
【0013】
図11及び図12に示すように、各押し上げレバー15aの先端部よりやや基端側は、対応するクサビ11の底部側に形成された溝部17に挿通されている。各押し上げレバー15aの溝部17に挿通される部分には、係止ピン14が固着されている。係止ピン14は、溝部17を通ってクサビ11を水平方向に貫通する長穴16に挿入されている。すなわち、各押し上げレバー15aは、対応するクサビ11に対して、係止ピン14を介して枢着されている。
【0014】
特に図12に示すように、溝部17の幅は、各押し上げレバー15aの厚さより大きく、各クサビ11とこれに対応する押し上げレバー15aは図12左右方向に相対移動が可能となっている。従って、非常止め装置6の作動時においても、押し上げレバー15aに無理な横方向力が作用することなくクサビ11を支持できるようになっている。また、長穴16は、上下方向に長くなっているため、非常止め装置6作動時に各クサビ11の上昇量に差異が生じても、この長穴16によりその差異を吸収でき、確実な制動力が得られるようになっている。
【0015】
なお、押し上げレバー15bとクサビ11との結合部の構成も上記と同一である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図9で示したクサビを引き上げる構造のセフティーリンクでは、乗りかご1とガイドレール4の間の狭い隙間に引き上げ棒10が配置される。この構造では、非常止め装置6とガイドレール4の間に十分な隙間を取ることが難しい場合、非常止め装置6がレール側にはみだし、レールクリップなどレール締結具と引き上げ棒10の隙間を確保することが難しくなる。また、固定式レールクリップなどの大きな形状の締結具が用いられると、レールクリップと引き上げ棒10の隙間を確保することが難しくなる。このような状況では、地震や風、乗客のいたずらなどに起因する乗りかご1の横揺れにより引き上げ棒10がレールクリップなどに接触し、非常止め装置6が誤動作する可能性がある。これでは、利用者に多大な迷惑をかけると共にエレベータの信頼性を欠くことになる。
【0017】
この様な危険性が懸念される場合、図11に示したクサビ11を下部より持ち上げる構造のセフティーリンクを用いると、前述の様に引き上げ棒10は必要なく、ガイドレール4とかごの隙間に装置が配置されないため、引き上げ棒10がレールクリップなどに接触することによる、非常止め装置6の誤動作を防ぐことができる。
【0018】
しかし、このようにクサビ11を下部より持ち上げる構造のセフティーリンク9では、押し上げレバー15a、15bとクサビ11とを連結する機構が下部に設けられる。係止ピン14や溝部17がクサビ11に組み込まれるためクサビ11は大型化し、結果として非常止め装置6が大型化となり取り付け空間が増加する。クサビ11が大型化し、その重量が重くなるとクサビ11を持ち上げるセフティーティーリンク9に大きな力が作用するため、セフティーリンク9も大型化してしまう。すると、限られた昇降路内の空間に装置を組み込む事ができなくなるばかりか、かごの重量も増え不経済である。また、このようなクサビ11の穴加工や溝加工など加工箇所が増えると、これによる加工数や加工時間が増加し生産性が低下するばかりか、部品点数が多くなり製造コストが大きくなる。
【0019】
また、組立や調整、点検などのためにクサビ11を取り出す際には、作業性の悪い昇降路の中でクサビ11と押し上げレバー15a、15bを連結している係止ピン14を外さなくてはならないため、多くの労力が必要になり、作業時間も長くなる。
【0020】
本発明は上記実状に鑑みなされたものであり、クサビおよび非常止め装置全体を大型化させることなく、簡潔な構造で、信頼性の高いエレベータの安全装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、乗りかご又は釣り合いおもりからなる昇降体の走行速度が規定値より超過した場合に作動して調速機ロープを制動する調速機と、前記昇降体を案内する第1及び第2のガイドレールに対応して前記昇降体の両側に設けられた第1及び第2の非常止め装置と、前記昇降体に取り付けられたセフティーリンクであって、前記調速機ロープに一端が固定されたロープレバーと、前記第1及び第2の非常止め装置にそれぞれ対応して設けられるとともに前記第1及び第2の非常止め装置のクサビをそれぞれ上昇させる第1及び第2の押し上げレバーと、を有し、前記調速機ロープの動きに基づいて変位する前記ロープレバーの動きを前記第1及び第2の押し上げレバーに伝達して対応するクサビを上昇させ、前記第1及び第2の非常止め装置を作動させるセフティーリンクと、を備えたエレベータの安全装置において、前記セフティーリンクは、側方から見た場合に互いに交差するような位置関係で配置された第1及び第2のコンロッドと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの一端が枢着された第1のコンロッドレバーと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの一端が枢着された第2のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの他端が枢着された第3のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの他端が枢着された第4のコンロッドレバーと、を有し、前記第1の押し上げレバーの回転運動が前記第2の押し上げレバーに伝達される場合および前記第2の押し上げレバーの回転運動が前記第1の押し上げレバーに伝達される場合に、前記第1及び第2のコンロッドのうち少なくとも一方が引っ張り荷重を受けるように構成され、前記第1及び第2のコンロッドと前記第1乃至第4のコンロッドレバーとの4カ所の枢着部のうち少なくとも一カ所を、長穴が形成された連結部材と前記長穴に係合する係合ピンとにより形成するとともに、
前記押し上げレバーと対応する前記クサビとをバネにより互いに連結し、前記押し上げレバーと対応する前記クサビとが離間することを防止または制限したことを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明は、乗りかご又は釣り合いおもりからなる昇降体の走行速度が規定値より超過した場合に作動して調速機ロープを制動する調速機と、前記昇降体を案内する第1及び第2のガイドレールに対応して前記昇降体の両側に設けられた第1及び第2の非常止め装置と、前記昇降体に取り付けられたセフティーリンクであって、前記調速機ロープに一端が固定されたロープレバーと、前記第1及び第2の非常止め装置にそれぞれ対応して設けられるとともに前記第1及び第2の非常止め装置のクサビをそれぞれ上昇させる第1及び第2の押し上げレバーと、を有し、前記調速機ロープの動きに基づいて変位する前記ロープレバーの動きを前記第1及び第2の押し上げレバーに伝達して対応するクサビを上昇させ、前記第1及び第2の非常止め装置を作動させるセフティーリンクと、を備えたエレベータの安全装置において、前記セフティーリンクは、側方から見た場合に互いに交差するような位置関係で配置された第1及び第2のコンロッドと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの一端が枢着された第1のコンロッドレバーと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの一端が枢着された第2のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの他端が枢着された第3のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの他端が枢着された第4のコンロッドレバーと、を有し、前記第1の押し上げレバーの回転運動が前記第2の押し上げレバーに伝達される場合および前記第2の押し上げレバーの回転運動が前記第1の押し上げレバーに伝達される場合に、前記第1及び第2のコンロッドのうち少なくとも一方が引っ張り荷重を受けるように構成され、前記第1及び第2のコンロッドと前記第1乃至第4のコンロッドレバーとの4カ所の枢着部のうち少なくとも一カ所を、長穴が形成された連結部材と前記長穴に係合する係合ピンとにより形成するとともに、前記押し上げレバーおよび対応する前記クサビにそれぞれ前記押し上げレバーおよび前記クサビを連結するための係合ピンを設け、これらの係合ピンを前記押し上げレバーおよび前記クサビを連結するために設けられた部材に形成された長穴に係合させ、この長穴の長手方向長さを、エレベータの通常運転時において前記押し上げレバーと前記クサビとが当接している場合の前記押し上げレバーの係合ピンと前記クサビの係合ピンとの間の距離とほぼ等しくし、前記押し上げレバーと対応する前記クサビとが離間することを防止または制限したことを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明によるエレベータの安全装置の実施形態について説明する。なお、本発明の第1乃至第6の実施形態を説明する図1乃至図7において、従来技術を説明する際に参照した図11及び図12に記載された部材と同一部材については同一符号を付し、その部材に関する重複説明は省略することとする。
【0029】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明する。図1は本発明によるエレベータの安全装置の第1の実施形態を示す図であり、押上げレバーとクサビとの関係を説明する図である。なお、図1には、本実施形態に係るエレベータの安全装置の全体構成のうち、従来技術を示す図11の右側の一点鎖線で囲んだ領域Aに対応する領域のみを示しているが、図11の左側の一点鎖線で囲んだ領域Bについても、図1に示したものと同様の構成が採用されている。また、本実施形態に係るエレベータの安全装置の構成は、押し上げレバー15a、15bとクサビ11との関係が改良されている点を除いては、図11及び図12に示す従来の安全装置の構成と同一であるため、同一部分についての重複説明は省略する。
【0030】
本実施形態では、従来のように(図11及び図12参照)クサビ11を係止ピン14を介して押し上げレバー15bに結合することに代えて、図1に示すように、クサビ11が、クサビ11の底面に当接する押し上げレバー15bの上面によって下方から支持されるように構成し、かごの速度が超過した場合には、押し上げレバー15bが、直接、クサビ11を押し上げるようになっている。
【0031】
本実施形態によれば、従来技術の説明で述べたようにクサビ11に大きな溝17や長穴16の加工を行わなくてよいため、クサビ11を小型、軽量化できるとともにクサビ11の加工時間が短縮でき、このため経済性および製造性が向上する。また、非常止め装置6全体の小型軽量化も図ることができ、昇降路の限られたスペースを有効に利用することができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、押し上げレバー15bをクサビ11に枢着する構成をとっていないため、押し上げレバー15bの軽量化を図ることができる。すなわち、従来の構成では、押し上げレバー15bとクサビ11が係止ピン14を介して連結されているため、押し上げレバー15bがクサビ11を押し上げると、押し上げレバー15bの係止ピン14用の穴の近傍部位および係止ピン14自体に大きな剪断力が作用する。このため、押し上げレバー15の係止ピン14用の穴の近傍部位の板厚と係止ピン14の径を大きしなければならない。また、適用重量が大きくクサビ11が大きな非常止め装置では、上記の部分をさらに強固に製作することが求められ、装置が大型化し重量が増大してしまう。
【0033】
しかし、本実施形態に係る構成によれば、押し上げレバー15bで直接クサビ11を押し上げるような構成となっているため、押し上げレバー15bとクサビ11との接触部に作用するのは圧縮荷重となる。このため、押し上げレバー15に働く剪断荷重を考慮する必要がなくなるため、押し上げレバー15bを薄板により製作することができる。そして押し上げレバー15bを軽く作ることができることにより、適用重量が大きな非常止め装置においてもセフティーリンク9自体を小型軽量化することができる。このため、安全装置全体の軽量化及び製作コストの低減を図ることができる。
【0034】
また、従来の構成では、組立や調整、点検などのためにクサビ11を取り出す際には、作業性の悪い昇降路の中でクサビ11と押し上げレバー15bを連結している係止ピン14を外さなくてはならないため、多くの労力が必要になり、作業時間も長くなるという問題があったが、本実施形態においては、このような労力が不要となり、据え付け、調整作業時間を短縮することができる。
【0035】
更に、本実施形態によれば、従来の構成のようにクサビ11に設けられる溝部17などに制約を受けず、クサビ底面の任意の場所を押し上げることが可能となる。このため、クサビ11の重心位置を持ち上げる様に容易に調節することができ、クサビ11の重心を支持することでクサビ11をスムーズに持ち上げることが可能となり、非常止め装置の作動がより確実なものとなる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、図2を参照して第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、押し上げレバー15bに、円形状(本例では半円形状)の突起20が形成されている点のみが異なり、他は第1の実施形態の構成と同一である。
【0037】
図2に示すように、押し上げレバー15の先端の上側には半円形状の突起20が形成されている。半円形状の突起20は、クサビ11の底面に当接してクサビ11を下方から支持し、かごの速度が超過した場合には、押し上げレバー15bの突起20が、直接、クサビ11を押し上げるようになっている。
【0038】
このように、クサビ11に接触する押し上げレバー15bの押し上げ部を円形状の突起20とすることにより、押し上げレバー15bとクサビ11の底面は線接触することになる。このため、非常止め装置6作動時に生じるクサビ11の横方向の運動に起因してクサビ11と押し上げレバー15bとの間に生じる摺動抵抗を極めて小さくすることができ、非常止め装置6の動作を妨げることなくクサビ11を支持することができる。
【0039】
また、突起20のクサビ11に対する接触面が円形であるため、押し上げレバー15の回転角度によらず、突起20とクサビ11の接触状態を常に最適に保つことができ、かつ、押し上げ力をクサビ11に対して常に垂直に作用させることができる。このためクサビ11をまっすぐ滑らかに上昇させることができるので、非常止め装置の作動が確実となる。また、クサビの上昇距離が大きな非常止め装置に適用しても、押し上げレバー15bの回転運動による押し上げ力をクサビ11に垂直に伝えることができる。
【0040】
[第3の実施形態]
次に、図3を参照して第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態に対して、押し上げレバー15bにローラ21が設けられている点と、クサビ11の底面形状がローラ21に対応して変更されている点が異なり、他は第1の実施形態と同一である。
【0041】
図4で示すように、押し上げレバー15bの先端の上部には円盤状のローラ21が回転可能に取り付けられている。クサビ11の底面は、ローラ21の半径より僅かに大きい半径を有する円形(円弧)状の窪み22が形成されている。なお、ローラ21を、窪み22上を転動可能な他の部材、例えばボール等に置換してもよい。
【0042】
ローラ21は、クサビ11の底面の窪み22に当接してクサビ11を下方から支持し、かごの速度が超過した場合には、押し上げレバー15bに設けられたローラ21が、直接、クサビ11を押し上げるようになっている。
【0043】
このように、押し上げレバー15bの押し上げ部をローラ21によって構成することで、第1乃至第3の実施形態のように押し上げレバー15bの回転運動に伴い押し上げレバー15bの押し上げ部とクサビ11底面とが摺動するのではなく、押し上げレバー15bの回転運動に伴い、ローラ21がクサビ11底面の窪み22上を転動するようになっているため、押し上げ力が滑らかにクサビ11に伝達され、クサビ11をよりスムーズに持ち上げることができ、確実に非常止め装置6を作動させることができる。
【0044】
また、本実施形態においては、クサビ11に円形状の窪み22を設けているため、押し上げレバー15bの回転運動に伴い生じるローラ21の変位に対するクサビ11の追従性を向上させることができる。さらに、非常止め装置6の動作時のクサビ11の横方向の運動をこの窪み22によって案内することで、ローラ21はクサビ11の最適な押し上げ位置を押し続けることができ、押し上げ力をより効率良くクサビ11に伝えることができるようになる。このため、非常止め装置6の作動をより正確なものにできるとともに、非常止め装置6の作動信頼性がより向上する。
【0045】
さらに、窪み22の半径をローラ21の半径より僅かに大きくすることにより、クサビ11に対するローラ21の追従性がより良くなり、さらに、窪み22とローラ21との接触面積が減少するため、クサビ11の上昇に伴う摺動運動の抵抗を小さくできるので、非常止め装置6の信頼性がさらに向上する。
【0046】
また、ローラ21は、押し上げレバー15bに対して着脱可能とすることが好ましい。このようにすれば、長年クサビ11の自重を支えることによりローラ21に疲労や変形、摩耗などの経年変化などに起因する不具合や異音が発生した際は、このローラ21を交換することで対応でき、常に正常な状態に整備、調整することが容易となる。また、適応速度が大きな非常止め装置では、非常止め装置を動作させるとその衝撃力によってローラ21が変形あるいは破損することもあり得るが、この場合もローラ21を交換するだけで、セフティーリンク9を復旧することが可能となり、部品交換や復旧作業の時間、費用を節約することができる。
【0047】
さらに、第2の実施形態の説明で述べたように、非常止め装置6作動時にはクサビ11が横方向にも運動するため、ローラ21上をクサビ11が横方向に摺動することになる。このため、このローラ21に潤滑性を持たせることが好ましい。このようにすれば、セフティーリンク作動時のクサビ11とローラ21との間の摺動抵抗を低減でき滑らかに支持することができ、これによりクサビ11持ち上げ時の抵抗が減少し、非常止め装置6をスムーズに動作させることができるので、非常止め装置6の信頼性が向上する。なお、ローラ21に潤滑性を持たせるには、例えば、ローラ21外周面に摩擦抵抗の低い樹脂被覆を形成したり、含油ブッシュをローラ21外周に装着する等すればよい。なお、上記横方向の摺動抵抗を低減するために、全方向に回転可能なボールおよびボール受けをローラ21に代えて設けてもよい。
【0048】
さらに、このローラ21にゴムなどの緩衝材を組み込むことが好ましい。このようにすれば、非常止め装置6動作時に押し上げレバー15bに伝わる衝撃力を緩和でき、非常止め装置の動作による押し上げレバー15bおよびセフティーリンクの故障や変形を防ぐことができる。緩衝材は、例えば、ローラ21とローラ21の軸との間に設けることができる。
【0049】
[第4の実施形態]
次に、図4を参照して第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第2の実施形態に対して、押し上げレバー15bとクサビ11の離間を防止するための手段としてバネ23が設けられている点が異なり、他は第2の実施形態と同一である。
【0050】
図4に示すように、クサビ11および押し上げレバー15bの側面には、係止ピン11c、15c(フック等の他の係止手段でもよい)がそれぞれ設けられており、係止ピン11c、15cには、バネ23の両端がそれぞれ係止されている。なお、言うまでもなくバネ23は、押し上げレバー15bからクサビ11への押し上げ力の伝達に寄与するものではない。
【0051】
この第4の実施形態は、第1乃至第3の実施形態の構成の場合に生じうる下記の問題点を解決するものである。すなわち、第1乃至第3の実施形態においては、クサビ11と押し上げレバー15bとは機構的に連結されていないため、クサビ11が押し上げレバー15bから離間する方向に動くことに対しては何ら制限はない。従って、乗りかご1の通常走行中またはかごが速度超過し非常止め装置6を作動させる必要が在る場合に、一方の非常止め装置6のクサビ11とガイドレール4とが何らかの要因で接触するなどすることによりそのクサビ11上昇すると、非常止め装置6は片側だけ作動してしまう。この様な状態になると乗りかご1が大きく傾き、乗りかご1を正常に停止させることができず、乗客の安全を保障できないばかりか、乗りかご1が傾くことで脱レールや昇降路に設置されているガイドレール4などの機器を破壊する可能性があり、エレベーターシステムに多大な損害を与えることになる。
【0052】
これに対して、本実施形態によれば、押し上げレバー15bとクサビ11の間にバネ23を取り付けることにより、エレベータの急停止や非常止め装置6が作動しなければならない状況下などでの予期しない衝撃や振動によってクサビ11のみが上昇しようとした際、このバネ23によりクサビ11の上昇運動を妨げることができる。これにより、片方のみの非常止め装置6が作動する等の誤動作を防ぐことができ、非常止め装置6の動作を確実なものにすることができる。このため、エレベータの安全装置の信頼性をより高めることができ、より安全なエレベーターシステムを提供することができる。
【0053】
更に、このバネ23を伸ばした状態で取り付け、クサビ11が常に押し上げレバー15bに押しつけられるように調整すると、上記の誤動作防止機能がより確実なものとなるばかりでなく、エレベータの通常運転時の振動などによりクサビ11と押し上げレバー15bとが離れることを防止できる。これによりクサビ11と押し上げレバー15bとが衝突することにより生じる騒音を低減することができ、乗り心地を向上させることができる。
【0054】
なお、バネ23はクサビ11および押し上げレバー15bの側面に設けられているため、組立や調整、点検などのためにクサビ11を取り外す際の作業性を害することはない。
【0055】
[第5の実施形態]
次に、図5を参照して第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、第2の実施形態に対して、押し上げレバー15bとクサビ11の離間を防止するための手段として平板24が設けられている点が異なり、他は第2の実施形態と同一である。
【0056】
図5に示すように、押し上げレバー15b及びクサビ11には、係合ピン15d、11dがそれぞれ設けられており、また、平板24には、長穴25が形成されている。図5に示すように、係合ピン11d、15dは、エレベータの正常運転時には、長穴25の両端にそれぞれ位置するようになっている。従って、エレベータの正常運転時には、押し上げレバー15bの突起20とクサビ11とはほぼ接触した状態を維持する。なお、係合ピン11d、15dの位置は、押し上げレバー15bが図5に示す状態から図5における時計方向に回転した場合でも、係合ピン11d、15d間の距離が長穴25の両端間の距離より小さくならないような位置に設定されている。
【0057】
なお、平板24は、第2の実施形態におけるバネ23と同様に、押し上げレバー15bからクサビ11への押し上げ力の伝達に寄与するものではない。
【0058】
このように、押し上げレバー15bとクサビ11を長穴25を有する平板24により連結することで、正常作動時の押し上げレバー15bの運動を妨げることなくクサビ11と押し上げレバー15bとを連結することができるので、クサビ11の跳びはねを防止することができ、これによって押し上げレバー15bとクサビ11の接触部分から生じる騒音を減少でき、乗り心地を向上させることができる。
【0059】
さらに、エレベータの急停止や非常止め装置6が作動しなければならない状況下などでの予期しない衝撃や振動によってクサビ11のみが上昇しようとした時、(1)長穴25を有する平板24によって連結された押し上げレバー15bがこの上昇運動を防ぐか、もしくは、(2)平板24によって連結された押し上げレバー15bが持ち上げられ、これにより反対側の押し上げレバー15aも持ち上げられ、4つすべてのクサビ11が上昇する。
【0060】
すなわち、上記(1)の場合には、非常止め装置6の誤作動を防止することができ、また、上記(2)の場合には、最悪の事象である非常止め装置6の片効きを防止でき、エレベータを安全に停止させることができる。このため、エレベータの安全装置の信頼性を高めることができ、より安全なエレベータシステムを提供することができる。
【0061】
なお、本実施形態の構成を、第3の実施形態に記載の構成と組み合わせて用いることも好ましい。このようにすることにより、上記の効果をより確実に達成することができる。なお、この場合、係合ピン11d、15dは、バネ23を係止するための係止ピンとして共用することができる。
【0062】
[第6の実施形態]
次に図6及び図7を参照して第6の実施形態について説明する。なお、図6及び図7に示す実施形態は、図11に示す従来の技術に対して、ロープレバー12の回転運動を反対側の非常止め装置6に伝えるコンロッドを2本設け、これらコンロッド13a、13bを交差させて配置した点が異なり、他の構成は図11に記載された従来の技術と同一である。
【0063】
すなわち、本実施形態に係るセフティーリンクは、図11に示した従来のセフティーリンクに加えて、その基端側が回転軸18aに固着されるとともにコンロッドレバー19aと反対方向に延びるコンロッドレバー26aと、その基端側が回転軸18bに固着されるとともにコンロッドレバー19bと反対方向に延びるコンロッドレバー26bと、を更に有する。そして、コンロッドレバー26aおよびコンロッドレバー26bの各先端部にはコンロッド13bの両端がそれぞれ枢着されている。
【0064】
図11に示す従来のセフティーリンク9においては、唯一つだけ設けられているコンロッド13aは、ロープレバー12からの回転運動をロープレバー12と反対側に位置する非常止め装置6に伝えるように設計されていたため、セフティーリンク作動時には、コンロッド13aに引張り力のみが作用するような構造になっている。しかし、地震や風、乗客のいたずらなどに起因するかごの揺れなどの要因によってロープレバー12が無い側のクサビ11が上昇し、このクサビ11によってセフティーリンク9を動作させようとする力が発生すると、正常時とは逆に、コンロッド13aに圧縮力が作用し、コンロッド13は座屈してしまう。このため、ロープレバー12側の非常止め装置6を作動させることができなくなり、片側の非常止め装置6のみが作動するため、安全にエレベータが停止できなくなり、乗客に安全を保障できないばかりか、かごが傾き、エレベータシステムに多大なる被害を及ぼす可能性がある。
【0065】
しかし、本実施形態によれば、一方の非常止め装置6のクサビ11が持ち上がり、セフティーリンクを動作させようとする力が発生しても、2本のコンロッド13a、13bを交差させて設置してあるため、どちらかのコンロッドに必ず引張り力のみが作用し、他側の非常止め装置6に正常な作動力を伝えることがでる。これにより、両側の非常止め装置6を正常に作動させることができ、より安全な、エレベータシステムを提供することが可能となる。
【0066】
図7は、コンロッド13a、13bとコンロッドレバー19b、26bとの係合部を詳細に示す図である。コンロッド13a、13bの端部には、係合板27a、27bがそれぞれ設けられている。係合板27a、27bには、長穴28a、28bがそれぞれ設けられている。コンロッドレバー19b、26bの先端部には、係合ピン29a、29bがそれぞれ設けられており、これら係合ピン29a、29bは長穴28a、28bにそれぞれ係合している。
【0067】
図6に示すように、2本のコンロッド13a、13bを交差配置した場合、リンクの角度によってコンロッド13の係合ピン間隔が変化し、従動側のコンロッドが突っ張ってしまい、リンクが回転できなくなることがある。このような現象が生じると、非常止め装置6を正常に作動させることが出来なくなり、エレベータの安全性を確保できなくなる。
【0068】
本実施形態においては、コンロッド13a、13bとコンロッドレバー19b、26bとの結合を、長穴28a、28bに係合ピン29a、29bを係合させることにより行っているため、リンクの回転によって生じるコンロッド両端の係合ピン間隔の変化をこの長穴28a、28bによって緩和、吸収し、コンロッド13a、13bが突っ張ること無く、セフティーリンク9を正常に作動させることが出来る。これにより、交差する2本のコンロッド13a、13bを設置したセフティーリンク9の動作がより確かなものとなり、地震や風、乗客のいたずらや非常止め装置が作動する様な状況下などでの乗りかご1の振動や予期しない挙動によって引き起こされる非常止め装置の片効きを未然に防止でき、より安全な、エレベータシステムを提供することが可能となる。
【0069】
なお、コンロッド13a、13bとコンロッドレバー19a、19b、26a、26bとの枢着箇所は全部で4箇所あるが、すべての枢着箇所において長穴を用いる必要はない。図7に示す実施形態のように片側の枢着箇所のみ、すなわち2箇所だけ長穴が用いることが好ましいが、少なくとも一カ所の枢着箇所に長穴が用いられていれば十分である。
【0070】
なお、上記の第1乃至第6の実施形態では、セフティーリンク9は乗りかごに取り付けられた非常止め装置を作動させるものであったが、つり合いおもりに取り付けられた非常止め装置を作動させる用途に対しても、全く同様に適用することが可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クサビおよび非常止め装置全体を大型化させることのない、簡潔な構造で、信頼性の高いエレベータの安全装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるエレベータの安全装置の第1の実施形態を示す要部正面図。
【図2】 本発明によるエレベータの安全装置の第2の実施形態を示す要部正面図。
【図3】 本発明によるエレベータの安全装置の第3の実施形態を示す要部正面図。
【図4】 本発明によるエレベータの安全装置の第4の実施形態を示す要部正面図。
【図5】 本発明によるエレベータの安全装置の第5の実施形態を示す要部正面図。
【図6】 本発明によるエレベータの安全装置の第6の実施形態を示す要部正面図。
【図7】 図6の領域VIIを拡大して示す図であって、コンロッドとレバーとの係合部の構成を示す図。
【図8】 非常止め装置が設けられた一般的なエレベータの概略構成図。
【図9】 従来の引き上げ型のセフティーリンクの一例を示す図。
【図10】 図9の要部を非常止め装置正面から見た図。
【図11】 従来の押し上げ型のセフティーリンクの一例を示す図。
【図12】 図11の要部を非常止め装置正面から見た図。
【符号の説明】
1 乗りかご
4 ガイドレール
5 つり合いおもり
6 非常止め装置
7 調速機
8 調速機ロープ
9 セフティーリンク
11 クサビ
11d、15d 係合ピン
12 ロープレバー
13a、13b コンロッド
15a、15b 押し上げレバー
18a、18b 回転軸
19a,19b、26a、26b コンロッドレバー
20 円形状の突起
21 転動部材
21 円形状の窪み
23 バネ
24 長穴が設けられた部材
25 長穴
27a、27b 長穴が形成された連結部材
28a、28b 長穴
29a、29b 係合ピン

Claims (2)

  1. 乗りかご又は釣り合いおもりからなる昇降体の走行速度が規定値より超過した場合に作動して調速機ロープを制動する調速機と、
    前記昇降体を案内する第1及び第2のガイドレールに対応して前記昇降体の両側に設けられた第1及び第2の非常止め装置と、
    前記昇降体に取り付けられたセフティーリンクであって、前記調速機ロープに一端が固定されたロープレバーと、前記第1及び第2の非常止め装置にそれぞれ対応して設けられるとともに前記第1及び第2の非常止め装置のクサビをそれぞれ上昇させる第1及び第2の押し上げレバーと、を有し、前記調速機ロープの動きに基づいて変位する前記ロープレバーの動きを前記第1及び第2の押し上げレバーに伝達して対応するクサビを上昇させ、前記第1及び第2の非常止め装置を作動させるセフティーリンクと、
    を備えたエレベータの安全装置において、
    前記セフティーリンクは、側方から見た場合に互いに交差するような位置関係で配置された第1及び第2のコンロッドと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの一端が枢着された第1のコンロッドレバーと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの一端が枢着された第2のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの他端が枢着された第3のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの他端が枢着された第4のコンロッドレバーと、を有し、
    前記第1の押し上げレバーの回転運動が前記第2の押し上げレバーに伝達される場合および前記第2の押し上げレバーの回転運動が前記第1の押し上げレバーに伝達される場合に、前記第1及び第2のコンロッドのうち少なくとも一方が引っ張り荷重を受けるように構成され、
    前記第1及び第2のコンロッドと前記第1乃至第4のコンロッドレバーとの4カ所の枢着部のうち少なくとも一カ所を、長穴が形成された連結部材と前記長穴に係合する係合ピンとにより形成するとともに、
    前記押し上げレバーと対応する前記クサビとをバネにより互いに連結し、前記押し上げレバーと対応する前記クサビとが離間することを防止または制限したことを特徴とする、エレベータの安全装置。
  2. 乗りかご又は釣り合いおもりからなる昇降体の走行速度が規定値より超過した場合に作動して調速機ロープを制動する調速機と、
    前記昇降体を案内する第1及び第2のガイドレールに対応して前記昇降体の両側に設けられた第1及び第2の非常止め装置と、
    前記昇降体に取り付けられたセフティーリンクであって、前記調速機ロープに一端が固定されたロープレバーと、前記第1及び第2の非常止め装置にそれぞれ対応して設けられるとともに前記第1及び第2の非常止め装置のクサビをそれぞれ上昇させる第1及び第2の押し上げレバーと、を有し、前記調速機ロープの動きに基づいて変位する前記ロープレバーの動きを前記第1及び第2の押し上げレバーに伝達して対応するクサビを上昇させ、前記第1及び第2の非常止め装置を作動させるセフティーリンクと、
    を備えたエレベータの安全装置において、
    前記セフティーリンクは、側方から見た場合に互いに交差するような位置関係で配置された第1及び第2のコンロッドと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの一端が枢着された第1のコンロッドレバーと、前記第1の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの一端が枢着された第2のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第1のコンロッドの他端が枢着された第3のコンロッドレバーと、前記第2の押し上げレバーが固着された回転軸に固着されるとともに前記第2のコンロッドの他端が枢着された第4のコンロッドレバーと、を有し、
    前記第1の押し上げレバーの回転運動が前記第2の押し上げレバーに伝達される場合および前記第2の押し上げレバーの回転運動が前記第1の押し上げレバーに伝達される場合に、前記第1及び第2のコンロッドのうち少なくとも一方が引っ張り荷重を受けるように構成され、
    前記第1及び第2のコンロッドと前記第1乃至第4のコンロッドレバーとの4カ所の枢着部のうち少なくとも一カ所を、長穴が形成された連結部材と前記長穴に係合する係合ピンとにより形成するとともに、
    前記押し上げレバーおよび対応する前記クサビにそれぞれ前記押し上げレバーおよび前記クサビを連結するための係合ピンを設け、これらの係合ピンを前記押し上げレバーおよび前記クサビを連結するために設けられた部材に形成された長穴に係合させ、この長穴の長手方向長さを、エレベータの通常運転時において前記押し上げレバーと前記クサビとが当接している場合の前記押し上げレバーの係合ピンと前記クサビの係合ピンとの間の距離とほぼ等しくし、前記押し上げレバーと対応する前記クサビとが離間することを防止または制限したことを特徴とする、エレベータの安全装置。
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