JP4399989B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアコン(エアコンディショナ)及びロックアップクラッチを備える車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両減速時には、エンジンへの燃料供給を一時中断する燃料カットが行われる。こうした燃料カットの実施中にエンジン回転速度が低下しすぎると、燃料カットの復帰時、すなわち燃料供給の再開時にエンジンストールが発生するおそれがある。
【0003】
一方、例えば特開2000−16121号公報にみられるように、エンジンと変速機とを断接するロックアップクラッチを有する車両にあって、車両減速中にロックアップクラッチを係合状態として減速時ロックアップを実行する車両の制御装置が知られている。減速時ロックアップの実行時には、ロックアップクラッチによってエンジンと変速機とが直結、若しくは半直結状態となって、駆動輪の回転がエンジンに伝達される。したがって減速時ロックアップを行えば、駆動輪の回転によってエンジンの回転が維持されるため、燃料カット領域を拡大して燃費向上を図ることができる。
【0004】
なお、車両減速中には、再加速時の加速性能の確保のため、車速の低下に応じて変速機の変速比をロー側に変更していくことが望ましい。ロックアップクラッチの係合状態を維持したままでも、滑らかに変速比を変更可能な無段変速機を備える車両では、減速時ロックアップの実行領域をより広く設定可能であり、燃費をより大きく向上することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両に搭載されるエアコンの使用にかかる制約によって、そうした減速時ロックアップの実行領域が制限されてしまうことがある。
【0006】
エアコンは、冷媒の蒸発時の潜熱を利用して温度調整を行っており、冷媒を圧縮するコンプレッサを備えている。こうしたエアコン用コンプレッサは、エンジンの回転によって駆動されており、その稼働時にはその稼働にかかる分の負荷(エアコン負荷)がエンジンに付与される。
【0007】
このため、そうしたエアコン負荷が大きなときに、減速時ロックアップの実行領域を低車速・低回転速度域まで拡張し過ぎると、燃料カット復帰時にエンジンストールが発生するおそれがある。このため、エンジンストールの発生を回避可能なように、減速時ロックアップの実行領域を狭くせざるを得ず、燃費向上の効果を十分に得ることができなかった。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、更なる燃費向上を図ることのできる車両の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果を記載する。請求項1記載の発明は、エンジンと変速機とを断接するロックアップクラッチと、前記エンジンの回転によって稼働されるエアコン用コンプレッサとを有する車両に適用されて、車両減速時に前記ロックアップクラッチを係合状態とする減速時ロックアップを実行する車両の制御装置において、前記減速時ロックアップの実行中は同減速時ロックアップの非実行中よりも前記コンプレッサの稼働度合いを低下させる制御を行うエアコン制御手段を備え、該エアコン制御手段は、前記制御の前回実行時からの経過時間が所定時間よりも長いことを条件に同制御を行うようにしたものである。
【0010】
この構成では、減速時ロックアップの実行中には、非実行中よりもエアコン用コンプレッサの稼働度合いが低下され、同コンプレッサの稼働にかかるエンジンの負荷(エアコン負荷)が低減される。このため、減速時ロックアップの実行中における減速に応じたエンジン回転速度の低下が抑えられるようになる。したがって、より低車速・低回転速度まで減速時ロックアップを実行可能となり、燃費向上を図ることができる。一方、このようにコンプレッサの稼働度合いを低下させる制御が頻繁に行われば、エアコンの効きが次第に悪化してしまうおそれがある。その点、上記構成では、所定時間が経過しない限りにおいて、そうした制御が行われないようになるため、燃費向上を図りながらも、エアコンの効きの悪化を好適に抑制することができる。
【0011】
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、前記コンプレッサの稼働を停止する、若しくは同コンプレッサの容量を所定値以下に保持することで前記制御を行うものである。
【0012】
上記のようにコンプレッサを制御することで、その稼働度合いを低下させることができる。例えば電磁クラッチ等によって、エンジンとコンプレッサとの接続を切り離せば、その稼働を停止することができる。また例えば容量を調節可能な可変容量型のコンプレッサの場合には、その容量をゼロとすることで、その稼働を停止することができる。
【0013】
さらにそうした可変容量型コンプレッサの場合には、その容量を所定値以下に保持することで、その稼働度合いを低下させ、エアコン負荷を十分に低減することができる。また上記所定値の設定によっては、エアコン負荷を十分に低減しながら、コンプレッサの稼働をある程度保持できるようにもなって、エアコンの効きの悪化の抑制と燃費向上とを適宜に両立させることが可能にもなる。
【0014】
また請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、前記コンプレッサの稼働度合いを低下させる時間を所定時間以内に制限するとともに、その所定時間を前記コンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設定するようにしたものである。
【0015】
この構成では、減速時ロックアップの実行時におけるコンプレッサの稼働度合いが低減されている時間が、そのコンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設定された所定時間以内に制限されるようになる。このため、コンプレッサの稼働度合いの低下に伴うエアコンの効きの悪化が抑制可能となる。したがって、エアコンの効きの悪化を抑制しながら、燃費向上を図ることができる。
【0016】
更に請求項4記載の発明は、請求項3記載の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、前記コンプレッサの稼働要求が高いほど、前記所定時間を短く設定するようにしたものである。
【0017】
この構成では、コンプレッサの稼働要求の度合いが高いほど、その稼働度合いが低下されている時間が短く設定され、その稼働要求の度合いが低いほど、同時間が長く設定される。したがって、エアコンの効きの悪化を好適に回避しながらも、可能な限りコンプレッサの稼働度合いを低下させておくことができるようになり、エアコンの効きの悪化と燃費向上とを好適に両立させることができる。
【0020】
また請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか記載の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、前記コンプレッサの稼働要求が所定の稼働要求を下回ることを条件に同制御を行うようにしたものである。
【0021】
この構成によれば、コンプレッサの稼働要求が所定の稼働要求を下回らない限りにおいて、上記コンプレッサの稼働度合いを低下させる制御が行われないようになる。これにより、例えば悪化したエアコンの効きを早期回復させる必要があるときや、エアコンの効きの更なる向上が求められているときなどのような、コンプレッサへの稼働要求が所定の稼働要求よりも高いときには、上記制御の実行が制限される。したがって、燃費向上を図りながらも、エアコンの効きの悪化を好適に抑制することができる。
【0022】
また請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか記載の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、前記減速時ロックアップの実行時に、前記コンプレッサの稼働度合いを一旦増大させた後、前記コンプレッサの稼働度合いを低下させる制御を行うようにしたものである。
【0023】
この構成では、エアコン用コンプレッサの稼働度合いを低下させる制御に先立って、その稼働度合いが一旦増大され、一時的にエアコンの冷却能力が増大されて蓄冷がなされるようになる。このため、稼働度合いを低下させる制御に伴うエアコンの効きの悪化を好適に抑制することができるようになる。なお、低車速・低回転速度域では、エアコン負荷の増大により、上述したような不具合が生じるおそれがあるため、上記稼働度合いの増大の実行は、高車速・高回転速度域のみに制限することが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる車両の制御装置を具体化した一実施形態について、図を参照して詳細に説明する。
【0025】
まず、本発明の適用される車両の動力伝達系の構造を図1を参照して説明する。この図1に示されるように、エンジン10の出力軸は、内部の作動流体(オイル)を媒介してトルク伝達を行うトルクコンバータ11を介して変速機13に接続され、更にその変速機13を通じて駆動輪14に駆動連結されている。このトルクコンバータ11は、ロックアップクラッチ12を備えており、その作動に応じて、エンジン10と変速機13とが機械的に直結されるようになっている。
【0026】
またこの車両には、上記変速機13として、連続して滑らかに変速比を変更可能な無段変速機が採用されている。同図1に示されるベルト式の無段変速機13は、トルクコンバータ11側及び駆動輪14側にそれぞれ接続された2つのプーリと、それらプーリの間に巻き掛けられたベルトとを備えている。両プーリは、例えば油圧などを駆動源としてその溝幅をそれぞれ自在に変更可能となっており、その溝幅の変更に応じて上記ベルトの巻き掛け半径を各々調整することができるようになっている。そして、ベルトを撓ませないように両プーリの溝幅を連動して変更し、両プーリのベルトの巻き掛け半径を各自適宜に調整することで、変速比を無段階に変更可能となっている。
【0027】
一方、エンジン10の出力軸は、ベルト機構などを通じてエアコン用コンプレッサ15を始めとする各種補機類にも駆動連結されている。なおここでは、このコンプレッサ15として可変容量型のコンプレッサが採用されている。
【0028】
なお、以上説明した車両の動力伝達系を構成する各要素は、電子制御装置(ECU)17によって制御されている。ECU17は、エンジン制御、変速機制御、或いはエアコン制御などをそれぞれ専門に司る複数のマイクロコンピュータ・ユニットによって構成されている。そしてECU17は、車両各部に設けられたセンサ類によって検出された情報をもとに、上述したような車両の各種制御を行っている。車両には、そうしたセンサ類として、例えば車速SPDを検出する車速センサ18やアクセルペダルの踏み込み量ACCPを検出するアクセルセンサ19等が設けられている。またエンジン10内にも、各種センサ類が設けられており、その回転速度NEなどが検出されている。
【0029】
続いて、上記コンプレッサ15の稼働に応じて空気を冷却して、車室内の空調(エアコンディショニング)を行うエアコンの構成について、図2を併せ参照して説明する。
【0030】
同図2に示すように、車両のエアコンは、空気を取り入れる吸込口20aから車室内の吹出口(図示略)に至る送風路20を備えて構成されている。送風路20には、その上流の吸込口20aから、ブロワ22、エバポレータ23、エアミックスダンパ24、ヒータコア25が配設されている。
【0031】
ブロワ22は、モータ21によって駆動され、吸込口20aから空気を吸入し、送風路20を通じて吹出口に向けて送り出している。ちなみに、本実施形態の車両において、この吸込口20aは、内気(車室内の空気)と外気(車外から取り込んだ空気)とのいずれかを選択して取り入れることができるように構成されている。
【0032】
エバポレータ23には、コンプレッサ15での圧縮によって高温・高圧となった冷媒ガスが、空冷されて一旦は液化された後、再び膨張されて低温・低圧となった状態で送られる。一方、そのエバポレータ23の下流側に設けられたヒータコア25には、エンジン10内を通過して温水となった冷却水が、ウォータバルブ26を通じて導入されるようになっている。
【0033】
ブロワ22によって送風路20内を流される空気は、まずエバポレータ23を通過することで潜熱を奪われ、除湿された冷気となる。冷気となった空気は、エアミックスダンパ24によって、ヒータコア25を通過する空気と、同コア25を通過しない空気とに振り分けられる。ヒータコア25を通過する側に振り分けられた空気は、そのコア25に導入された温水との熱交換によって暖められる。一方、ヒータコア25を通過しない空気は、冷気のまま吹出口に送られて、上記ヒータコア25にて暖められた空気と混合される。したがって、エアミックスダンパ24での振り分けられる空気の配分によって、吹出口から車室内に吹き出される空気の温度が決定される。
【0034】
こうしたエアコンは、上記ECU17によって、詳しくはそのECU17のエアコン制御用コンピュータ・ユニットによって、室内のコントロールパネル(図示略)で設定された車室内温度を保持するように制御されている。例えばECU17は、上記モータ21の回転速度の制御によって吹出口からの送風量を調整し、エアミックスダンパ24の開度制御によって吹出口からの送風温度を調整している。
【0035】
なお、車両には、こうしたECU17によるエアコン制御のため、車両各部の温度状態等を検出している。このため、車両内の各部には、例えば上記エバポレータ23下流の空気温度を検出するエバポセンサ27、車室内の温度を検出する内気温度センサ28、車外の温度を検出する外気温度センサ29、日照量を検出する日照量センサ(図示略)を始めとする各種センサ類が設けられている。
【0036】
更にECU17は、上記コンプレッサ15の容量の制御も行っている。ここではECU17は、上記エバポセンサ27の検出結果やエンジン10の負荷状態などから求められた算出された容量デューティ比DUTYに応じてコンプレッサ15を制御している。容量デューティ比DUTYは、コンプレッサ15の容量を、その最大容量を100%とする百分率で示したものであり、その値が大きくなればコンプレッサ15の容量が増大され、その値が小さくなれば同容量が低減される。
【0037】
さて、以上説明したように構成された車両では、車両減速時に上記ロックアップクラッチ12を係合状態として、エンジン10と変速機13とを機械的に直結する減速時ロックアップ(L/U)を行っている。この減速時ロックアップ制御の実行中は、駆動輪14からの動力伝達によってエンジン10の回転が維持されるため、燃料カット(F/C)領域を拡大して燃費向上を図ることができる。本実施形態では、こうした減速時ロックアップにあわせてエアコン制御を行うことで、更なる燃費向上を図るようにしている。
【0038】
続いて、こうした減速時の車両の制御について、図3〜図5を併せ参照して説明する。
車両減速時にECU17は、アクセルペダルの踏み込みが解除されること、及び車速SPDが所定のロックアップ解除車速以上であることを条件に、減速時ロックアップを実行し、ロックアップクラッチ12を係合状態とする。
【0039】
減速時ロックアップの実行中は、非実行中と比べて大きなエンジンブレーキ(減速加速度)が作用するため、その解除時には、車両の減速加速度が一時に減少して乗員に違和感を与えることがある。また車両減速時には、再びアクセルペダルが踏み込まれたときの加速性能の確保のため、車速SPDの低下とともに、変速機13の変速比がロー側に変更される。このため、ある程度よりも低車速まで減速時ロックアップを継続すると、エンジンブレーキによる減速加速度が増大して、やはり乗員に違和感を与える結果となる。したがって、そうした違和感が生じる以前に減速時ロックアップが解除されるように、上記ロックアップ解除車速が設定されている。
【0040】
なお、エアコン使用時(コンプレッサ15の稼働時)には、エアコン負荷の分、減速時ロックアップ実行中のエンジンブレーキが大きくなり、上記のような違和感が生じる車速SPDが非使用時に比して高速側となる。このため、エアコン使用時の上記解除車速は、非使用時に比して高車速側に設定されている。例えば本実施形態では、エアコン使用時の解除車速は時速30kmに、非使用時の解除車速は時速12kmにそれぞれ設定されている。
【0041】
一方、車両減速時には、エンジン10への燃料供給を一時停止する燃料カットが実施される。ECU17は、減速時ロックアップの実行中であること、及びエンジン回転速度NEが所定の復帰回転速度以上であることを条件に、燃料カットを実施する。この復帰回転速度は、エンジンストールを発生させることなく燃料カットからの復帰が図られるように設定されている。このため、エアコン負荷のため、エンジン回転速度NEの落ち込みがより急速なエアコン使用時には、非使用時に比して、復帰回転速度は高回転側に設定されている。そして、燃料カットの実施中にエンジン回転速度NEが上記復帰回転速度を下回ったときには、減速時ロックアップが解除され、エンジン10への燃料供給が再開される。
【0042】
以上説明したように、車両が上記ロックアップ解除車速以上の車速SPDで走行されているときに、アクセルペダルの踏み込みを解除すると、減速時ロックアップが実行され、燃料カットが実施される。燃料カットは、アクセルペダルが再び踏み込まれるか、車速SPDが解除車速未満となって減速時ロックアップが解除されるか、或いはエンジン回転速度NEが復帰回転速度未満となるか、のいずれかが成立するまで継続される。
【0043】
ただし、エアコン使用時には、上記のように解除車速及び復帰回転速度が設定されており、またエアコン負荷のためにエンジン回転速度NEの落ち込みが急なため、非使用時に比して、より早期に燃料カットが終結されてしまう。そこで本実施形態では、減速時ロックアップの実行中にエアコン用コンプレッサ15の稼働を制限する「減速時エアコンカット」を実施することで、更なる燃費向上を図るようにしている。
【0044】
減速時エアコンカットは、上記エアコン用コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYを、所定の値A%として、同コンプレッサ15の容量を所定値以下に保持し、その稼働度合いを低下させることによって行われる。この値A%は、エアコン負荷が実質ゼロとなる容量デューティ比DUTYに設定されている。このため、減速時エアコンカットの実行中は、エアコンの使用が事実上停止された状態となり、上記ロックアップの解除車速及び燃料カットの復帰回転速度もエアコン非使用時の値に設定される。またエアコン負荷が実質ゼロであるため、減速時ロックアップ実行中のエンジン回転速度NEの低下も抑えられる。したがって、減速時エアコンカットを実行することで、減速時ロックアップの実行領域が拡大され、燃料カットをより長期に亘って実施可能となる。
【0045】
ただし、減速時エアコンカットの実行中は、コンプレッサ15の容量低下に応じてエバポレータ23の冷却能力が低下して、エアコンの効きが悪化する。そこで本実施形態では、以下のような態様で減速時エアコンカットを実行することで、そうしたエアコンの効きの悪化を抑制するようにしている。
【0046】
図3は、本実施形態における減速時エアコンカット制御の処理ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンの処理は、ECU17によって所定時間毎に周期的に実行される。
【0047】
さて本ルーチンに移行すると、ECU17はまずステップ10において、減速時ロックアップの実行中であるか否かを判断し、実行中でなければ(NO)、本ルーチンの処理を直ちに終了する。
【0048】
減速時ロックアップの実行中であれば(YES)、ステップ20において、前回の減速時エアコンカットが実行されてからの経過時間Tonを算出する。そしてステップ30において、その経過時間Tonが所定時間Tよりも長いか否かを判定する。そして経過時間Tonが所定時間T以下であれば(NO)、ステップ40において、エアコンカットを禁止し、本ルーチンを終了する。
【0049】
すなわち、本実施形態では、減速時エアコンカットが所定時間T以内に続けて実行されることを禁止することで、その実行頻度を低減するようにしている。そして、減速時エアコンカットの実行に伴うエアコンの効きの悪化を抑制するようにしている。なお、上記所定時間Tは、減速時エアコンカットの実行によるエアコンの効きの悪化からの回復に必要十分な時間に設定することが望ましい。例えば、こうした所定時間Tは、減速時エアコンカットの実行によって上昇したエバポレータ23下流の冷風温度が必要な温度以下に低下するまでに要する時間、或いはその実行に伴うエアコンの効きの悪化によって上昇した車室内温度の回復に要する時間などに基づいて設定することができる。
【0050】
さて、こうした経過時間Tonの制約によって実行が禁止されていなければ、すなわちその経過時間Tonが所定時間Tよりも長ければ(ステップ30:YES)、ECU17はステップ50以下の処理を通じて減速時エアコンカットを実行する。
【0051】
ECU17は、ステップ50において、外気温度センサ29の検出した外気温度とそのとき設定されているブロワ風量とを読み込む。そして、続くステップ60において、それら外気温度及びブロワ風量に基づいて減速時エアコンカットの実行可能時間Tlimit を算出する。この実行可能時間Tlimit は、例えば図4に示されるような態様で設定される。同図4の設定態様例では、外気温度が高いほど、或いはブロワ風量が大きなほど、実行可能時間Tlimit は短く設定されている。すなわち、エバポレータ23に高い冷却能力が要求されて、コンプレッサ15の稼働要求の度合いが高いときほど、実行可能時間Tlimit は短く設定されている。
【0052】
そしてステップ70において、今回の減速時エアコンカットの開始からの経過時間Tcut を算出し、その経過時間Tcut がその実行可能時間Tlimit 未満であれば(ステップ80:NO)、上述の減速時エアコンカットを実行する(ステップ90)。また上記経過時間Tcut が実行可能時間Tlimit 以上であれば(ステップ80:YES)、減速時エアコンカットを終了する(ステップ100)。
【0053】
すなわち、本実施形態では、減速時ロックアップが実行されている限りにおいて、上記ステップ60において算出された実行可能時間Tlimit の間、減速時エアコンカットが実行される。こうして減速時エアコンカットの実行を実行可能時間Tlimit 以内に制限するとともに、その実行可能時間Tlimit をコンプレッサ15の稼働要求の度合いに応じて可変とすることで、エアコンの効きの悪化を抑えながら、可能な限り長期間に亘って減速時エアコンカットを実行するようにしている。
【0054】
なお、本実施形態では、減速時エアコンカットの終了時には、コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYを、上記所定値A%から本来の要求値へと徐変するようにしている。そして、これにより、減速時エアコンカット終了時のエアコン負荷の急変を抑え、急激なトルク変化によるショックを防止するようにしている。
【0055】
ちなみにこの車両では、より詳しくは、減速時ロックアップの開始直後にコンプレッサ15の容量を一時増大させており、上述の減速時エアコンカットは、その容量増大が終了した直後から実行されるようになっている。このコンプレッサ15の容量増大は、車速SPDが所定の速度Sup以上であることを条件に、減速時ロックアップの開始から所定時間Tupが経過するまで行われる。上記所定の速度Supは、上述したエアコン使用時のロックアップ解除車速(時速30km)よりも高速度側の速度(例えば時速35km)に設定されている。
【0056】
こうしてコンプレッサ15の稼働度合いを一時増大することで、エバポレータ23の冷却能力が増強され、その後も、しばらくはある程度の冷却能力が保持される。すなわち、エバポレータ23の下流の空気温度を通常の設定温度よりも低下させ、蓄冷しておくことができる。このため、減速時エアコンカットの実行に伴うエアコンの効きの悪化が更に好適に抑制される。なお、このときコンプレッサ15は、駆動輪14側からの動力伝達によって稼働されており、こうした蓄冷を、燃料消費を伴うことなく行うことができる。更に、こうした増大制御は、ドライバビリティや燃料カット復帰時のストール耐性に対し、エアコン負荷の与える影響の小さい高車速・高回転速度域に限定して行うことが望ましい。
【0057】
図5は、以上説明した本実施形態における車両減速時の制御態様の一例を示している。なお、同図5の例では、エアコンが使用中で、車速SPDがエアコン使用時のロックアップの解除車速(時速30km)よりも高速度で車両が走行されているときより、減速が開始される場合を示している。
【0058】
さて、時刻t0において、アクセルペダルの踏み込みが解除され、車両の減速が開始されると、同図5に示すように、減速時ロックアップ(L/U)が開始され(L/U:ON)、それとともに燃料カット(F/C)も開始される(F/C:ON)。
【0059】
また減速時ロックアップの開始とともに、コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYが増大され、同コンプレッサ15の稼働度合いが増大される。こうした容量デューティ比DUTYの増大は、車速SPDが上記所定の速度Sup(時速35km)を下回るか、減速時クロックアップの開始から所定時間Tupが経過するか、のいずれかが成立する時刻t1まで続けられる。
【0060】
さて、こうしたコンプレッサ15の稼働度合いの増大が完了した時刻t1より、減速時エアコンカットが開始され、コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYが上述の所定値A%に低下される。これにより、ロックアップの解除車速は、エアコン使用時(A/C:ON)の解除車速(時速30km)から非使用時(A/C:OFF)の解除車速(時速12km)に引き下げられる。また、減速時エアコンカットの実行によって、エアコン負荷が低減され、エンジン回転速度NEの低下が抑制される。
【0061】
ちなみに、同図5には、減速時エアコンカットを実行したときのエンジン回転速度NEの推移を実線で、実行しなかったときのエンジン回転速度NEの推移を一点鎖線で、それぞれ示している。なお、減速時エアコンカットの非実行時には、車速SPDがエアコン使用時の解除車速(時速30km)を下回った時点、或いはエンジン回転速度NEが復帰回転速度を下回った時点で燃料カットが終了する。同図5の制御態様例では、エアコン負荷による急速な低下によって、時刻t2にエンジン回転速度NEが復帰回転速度を下回り、燃料カットが終了されている。
【0062】
こうした減速時エアコンカットは、上述のように、外気温度とブロワ風量とに応じて設定された実行可能時間Tlimit がその開始から経過するか、或いは減速時ロックアップが解除されるか、のいずれかが成立する時刻t3まで続けられる。そしてコンプレッサ15の容量デューティ比DUTYは、この時刻t3から、本来の要求値へと徐々に徐々に増大されるようになる。
【0063】
そしてこの時刻t3において、減速時エアコンカットが終了したことにより、減速時ロックアップの解除車速が、エアコンの非使用時の解除車速から使用時の解除車速へと引き上げられる。したがって、同図5の例のように、減速時エアコンカットの終了した時刻t3において、車速SPDがエアコン使用時の解除車速を下回っていれば、その時点で減速時ロックアップが解除され、それとともに燃料カットが終了する。
【0064】
このように減速時エアコンカットを実施することで、減速時ロックアップの実行領域を、エアコン使用時の解除車速よりも低車速側の領域まで拡大可能となり、より長期に亘って燃料カットを行うことができるようになる。
【0065】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、減速時ロックアップの実行中に減速時エアコンカットを行うことで、エアコン用コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYを低下させて、容量を所定値以下としてその稼働度合いを低下させている。したがって、減速時ロックアップの実行中のエアコン負荷が低減されて、その実行領域をより低車速・低回転速度の領域まで拡大し、更なる燃費向上を図ることができるようになる。
【0066】
(2)本実施形態では、減速時エアコンカットの実行時間を実行可能時間Tlimit 以内に制限するとともに、その実行可能時間Tlimit を、外気温度及びブロワ風量に基づき把握されるコンプレッサ15の稼働要求の度合いに応じて可変設定するようにしている。そして、その稼働要求の度合いが大きな程、実行可能時間Tlimit を短く設定するようにしている。したがって、減速時エアコンカットの実行に伴うエアコンの効きの悪化の抑制と燃費向上との両立を好適に図ることができる。
【0067】
(3)本実施形態では、前回の減速時エアコンカットの実行からの経過時間Tonが所定時間Tを超えることを条件に、その再実行を許可している。したがって、減速時エアコンカットの実行頻度を適度に抑え、エアコンの効きの悪化を抑えつつ、燃費向上を図ることができる。
【0068】
(4)本実施形態では、減速時ロックアップの実行中に、コンプレッサ15の稼働度合いを一旦増大させた後、減速時エアコンカットを実行するようにしている。これにより、減速時エアコンカットの実行を制限することなくエアコンの効きの悪化を抑制できる。したがって、エアコンの効きの悪化を抑制しつつ、更に好適に燃費向上を図ることができる。
【0069】
以上説明した実施形態は、次のように変更しても良い。
・上記実施形態では、減速時エアコンカットの実行可能時間Tlimit を、ブロワ風量及び外気温度から求めていた。そしてこれにより、コンプレッサ15の稼働要求の度合いに応じて減速時エアコンカットの実行時間を制限し、エアコンの効きの悪化を抑えながら、燃費向上を図っていた。こうした実行可能時間Tlimit は、他のパラメータ等から求めることもできる。例えばコンプレッサ15によって加圧吐出される冷媒の圧力、エバポレータ23下流の空気の目標温度、車室内の設定温度、エアコン吹出口の温度などによっても、エアコン用コンプレッサ15の稼働要求の度合いを把握することができる。そしてそれらを用いて実行可能時間Tlimit を求めた場合であれ、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0070】
・また、そうしたエアコンの稼働要求の度合いに応じて、減速時エアコンカット時のコンプレッサ15の稼働度合いの低下度合いを可変としても良い。こうした場合にも、燃費を向上しながらエアコンの効きの悪化を抑えることができる。そして例えば、コンプレッサの稼働要求の高いときには、その稼働をある程度維持するように、その低下の度合いを抑え、稼働要求の低いときには、エアコン負荷をより低減すべくその低下の度合いを高めるようにすれば、エアコンの効きの悪化と燃費向上とを好適に両立させることができる。
【0071】
・また上記実施形態では、前回の制御実行からの経過時間Tonに応じて減速時エアコンカットの実行の有無を判定するようにしているが、そうした判定の条件を適宜変更しても良い。例えば、前回のエアコンカットの実行によって上昇したエバポレータ23下流の空気温度が、所定温度(例えばその目標温度)以下まで低下していないことを条件に、減速時エアコンカットを禁止するようにしても良い。要は前回の減速時エアコンカットの実行によって低下したエアコンの能力が十分に回復しているか否かに応じて、減速時エアコンカットの実行の有無を判定するように実行条件を設定すれば、減速時エアコンカットの実行頻度を適度に抑え、エアコンの効きの悪化を抑えつつ、燃費向上を図ることができる。
【0072】
・更に、エアコンをフル稼働させる必要がある場合など、コンプレッサの稼働要求が所定の稼働要求よりも高いときには、減速時エアコンカットの実行を禁止するようにしても良い。これにより、通常は燃費向上のための減速時エアコンカットを実行しながらも、必要に応じてその実行を禁止して、エアコンの効きを維持することができる。
【0073】
・また上記実施形態では、減速時エアコンカットの開始からその実行可能時間Tlimit が経過した時刻t3において、直ちにロックアップ解除車速をエアコン使用時の解除車速に引き上げているが、そうした引き上げタイミングは、適宜変更しても良い。例えば、コンプレッサ15の容量が所定値以上に増大されるまで、解除速度及び復帰回転速度をエアコン非使用時の値に保持するようにしても良い。この場合であれ、適度な値に上記所定値を設定すれば、ロックアップ解除時のドライバビリティの悪化や燃料カット復帰時のエンジンストールの発生などを十分に防止することができる。
【0074】
・また、上記実施形態では、減速時ロックアップの実行中にエアコン用コンプレッサ15の容量を一旦所定値以下に保持した後、徐々に本来の要求値へと増大させているが、そうしたコンプレッサ15の容量の増大に応じて、解除速度及び復帰回転速度も徐々に引き上げるようにしても良い。
【0075】
・また、上記実施形態では、減速時ロックアップの実行中にエアコン用コンプレッサ15の容量を一旦所定値以下に保持した後、徐々に本来の要求値へと増大させているが、減速時エアコンカットの終結とともに直ちに本来の要求値に戻すようにしても良い。
【0076】
・また、上記実施形態では、減速時エアコンカット時に、コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYをエアコン負荷が実質ゼロとなる所定値A%に低下させているが、コンプレッサ15の容量を全くの「0」としても良い。また、このときエアコン負荷がゼロとはならないまでも、エアコン負荷がある程度小さくなるような値に(すなわち上記所定値A%よりも大きな値に)、上記コンプレッサ15の容量を保持するようにしても良い。要は、エアコン用コンプレッサ15の容量を所定値以下に保持すれば、エアコン負荷が低減されて減速時ロックアップの実行領域をある程度は拡大可能であり、燃費向上を図ることはできる。しかもこの場合には、エアコンカットの実行期間中も、コンプレッサ15の稼働をある程度に維持して、エアコンの効きの悪化を抑制することができる。
【0077】
・上記実施形態では、コンプレッサ15の容量制御を通じて減速時エアコンカットを行っているが、エンジン10とコンプレッサ15との駆動連結を切断して同コンプレッサ15の稼働を停止することによっても、同様の減速時エアコンカット制御を行うことができる。例えば、エンジン10とコンプレッサ15との間に電磁クラッチ機構などを備える構成では、こうした制御を行うことができる。勿論、こうした構成であれ、上記実施形態のように、コンプレッサ15の稼働要求の度合いに応じて減速時エアコンカットの実行可能時間を可変設定したり、前回の実行からの経過時間に応じてその実行を制限したりすれば、燃費向上を図りながらもエアコンの効きの悪化を抑えることができる。
【0078】
・また更に、例えば上記電磁クラッチ等を用いて、エアコン用コンプレッサの稼働(オン)とその稼働の停止(オフ)とを切り替え可能な構成では、例えば次のような態様で減速時エアコンカットを行うこともできる。すなわち、そのコンプレッサのオン・オフを周期的に切り替えるとともに、例えばデューティ制御などによってそのオン期間とオフ期間との割合を変更してコンプレッサの稼働度合いを調整して、減速時エアコンカットを行うようにすることができる。そしてこの場合、そうしたオン・オフ期間の割合を上記実施形態でのコンプレッサ15の容量と同様に変更することで、同様の減速時エアコンカット制御を行うこともできる。
【0079】
・また、そうした電磁クラッチ等を始めとする任意の手段によって、その稼働度合いを変更可能なエアコン用コンプレッサであれば、可変容量型以外のエアコン用コンプレッサを備える構成についても、本発明は適用することができる。
【0080】
・なお、上記実施形態では、エンジン10と変速機13とをロックアップクラッチ12によって直結状態とすることで減速時ロックアップを実行するようにしているが、クラッチをある程度の滑りを許容して係合した状態(スリップ状態)として減速時ロックアップを実行するようにしても良い。こうした構成であれ、減速時ロックアップの実行中は、エンジン10と変速機13とはある程度の係合状態にあり、駆動輪14側からエンジン10へとある程度の動力伝達が行われる。このため、こうした構成にあっても減速時ロックアップを実行することで、燃料カット領域を拡大することができる。そしてこうした構成であれ、本発明を適用して、更なる燃費向上を図ることができる。
【0081】
・なお、上記実施形態では、変速機13としてベルト式の無段変速機を採用する構成について説明したが、本発明は、ベルト式以外の無段変速機を備える車両については勿論のこと、無段変速機以外の変速機を備える車両についても適用することができる。
【0082】
以下に、上記実施形態から把握される技術的思想を記載する。
(イ)前記エアコン制御手段は、前記減速時ロックアップの開始時の車速が所定速度以下であれば、前記コンプレッサの稼働度合いを増大させることを禁止するものである請求項7記載の車両の制御装置。減速時ロックアップの実行中に低車速域でコンプレッサの稼働度合いを増大させれば、エアコン負荷の増大によって乗員に違和感を生じさせるなどの不具合が生じるものの、この構成によれば、そうした不具合を好適に回避できる。
【0083】
(ロ)前記エアコン制御手段は、前記コンプレッサの稼働度合いの低下度合いを前記コンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設定するものである請求項1〜7、及び上記(イ)のいずれか記載の車両の制御装置。この構成では、減速時ロックアップの実行時におけるコンプレッサの稼働度合いの低下度合いが、そのときのコンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設定されるようになる。このため、コンプレッサの稼働度合いの低下に伴うエアコンの効きの悪化が抑制可能となる。そして、例えば稼働要求の高いときには、コンプレッサの稼働をある程度維持するように、ある程度低下の度合いを抑え、稼働要求の低いときには、エアコン負荷をより低減すべく低下の度合いを高めるようにすれば、エアコンの効きの悪化を好適に回避しながらも、可能な限りコンプレッサの稼働度合いを低下させておくことができるようになり、エアコンの効きの悪化と燃費向上とを好適に両立させることができる。
【0084】
(ハ)前記エアコン制御手段は、前記減速時ロックアップの開始時のエンジン回転速度が所定回転速度以下であれば、前記コンプレッサの稼働度合いを増大させることを禁止するものである請求項7、上記(イ)または上記(ロ)のいずれか記載の車両の制御装置。減速時ロックアップの実行中に低回転速度域でコンプレッサの稼働度合いを増大させれば、エアコン負荷の増大によって過度のエンジン回転速度の低下を招くといった不具合が生じるものの、この構成によれば、そうした不具合を好適に回避できる。
【0085】
(ニ)前記変速機は、無段変速機である請求項1〜7、上記(イ)〜(ハ)のいずれか記載の車両の制御装置。ロックアップクラッチの係合状態を維持しながらも、連続的に滑らかに変速の可能な無段変速機を備える車両では、車両の減速に伴う変速の必要からロックアップクラッチを解除する必要がないため、その分、減速時ロックアップを実行領域を拡大可能である。こうした無段変速機を備える車両において、エアコン負荷による制約を緩和することで、その利点を如何なく発揮できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の動力伝達系の構成を示す模式図。
【図2】同実施形態のエアコンディショナの構成を示す模式図。
【図3】減速時エアコンカット制御の処理手順を示すフローチャート。
【図4】同制御の実行可能時間の設定態様例を示すグラフ。
【図5】上記実施形態の制御態様例を示すタイムチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、11…トルクコンバータ、12…ロックアップクラッチ、13…変速機、14…駆動輪、15…エアコン用コンプレッサ、17…電子制御装置(ECU:エアコン制御手段)、18…車速センサ、19…アクセルセンサ、20…送風路、20a…吸込口、21…(ブロワ用)モータ、22…ブロワ、23…エバポレータ、24…エアミックスダンパ、25…ヒータコア、26…ウォータバルブ、27…エバポセンサ、28…内気温度センサ、29…外気温度センサ。
Claims (6)
- エンジンと変速機とを断接するロックアップクラッチと、前記エンジンの回転によって稼動されるエアコン用コンプレッサとを有する車両に適用されて、車両減速時に前記ロックアップクラッチを係合状態とする減速時ロックアップを実行する車両の制御装置において、
前記減速時ロックアップの実行中は同減速時ロックアップの非実行中よりも前記コンプレッサの稼動度合いを低下させる制御を行うエアコン制御手段を備え、該エアコン制御手段は、前記制御の前回実行時からの経過時間が所定時間よりも長いことを条件に同制御を行う車両の制御装置。 - 前記エアコン制御手段は、前記コンプレッサの稼働を停止する、若しくは同コンプレッサの容量を所定値以下に保持することで、前記制御を行うものである請求項1記載の車両の制御装置。
- 前記エアコン制御手段は、前記コンプレッサの稼働度合いを低下させる時間を所定時間以内に制限するとともに、その所定時間を前記コンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設定するものである請求項1または2記載の車両の制御装置。
- 前記エアコン制御手段は、前記コンプレッサの稼働要求の度合いが高いほど、前記所定時間を短く設定するものである請求項3記載の車両の制御装置。
- 前記エアコン制御手段は、前記コンプレッサの稼働要求が所定の稼働要求を下回ることを条件に同制御を行うものである請求項1〜4のいずれか記載の車両の制御装置。
- 前記エアコン制御手段は、前記減速時ロックアップの実行時に、前記コンプレッサの稼働度合いを一旦増大させた後、前記コンプレッサの稼働度合いを低下させる制御を行うものである請求項1〜5のいずれか記載の車両の制御装置。
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