JP2002234340A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP2002234340A
JP2002234340A JP2001030507A JP2001030507A JP2002234340A JP 2002234340 A JP2002234340 A JP 2002234340A JP 2001030507 A JP2001030507 A JP 2001030507A JP 2001030507 A JP2001030507 A JP 2001030507A JP 2002234340 A JP2002234340 A JP 2002234340A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】減速時ロックアップを実行する車両において、
更なる燃費向上を図ることのできる車両の制御装置を提
供する。 【解決手段】車両減速時には、ロックアップクラッチ1
2を係合状態としてエンジン10と変速機13とを直結
状態とする減速時ロックアップを実行する。ECU17
は、その減速時ロックアップの実行中、エンジン10の
回転によって稼働されるエアコン用コンプレッサ15の
容量を所定値以下に保持する減速時エアコンカットを実
施する。こうしてコンプレッサ15の稼働度合いを低下
させて、エンジン10へのエアコン負荷を低減すること
で、減速時ロックアップの実行領域を拡大し、更なる燃
費向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアコン(エアコ
ンディショナ)及びロックアップクラッチを備える車両
の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両減速時には、エンジンへの燃料供給
を一時中断する燃料カットが行われる。こうした燃料カ
ットの実施中にエンジン回転速度が低下しすぎると、燃
料カットの復帰時、すなわち燃料供給の再開時にエンジ
ンストールが発生するおそれがある。
【0003】一方、例えば特開2000−16121号
公報にみられるように、エンジンと変速機とを断接する
ロックアップクラッチを有する車両にあって、車両減速
中にロックアップクラッチを係合状態として減速時ロッ
クアップを実行する車両の制御装置が知られている。減
速時ロックアップの実行時には、ロックアップクラッチ
によってエンジンと変速機とが直結、若しくは半直結状
態となって、駆動輪の回転がエンジンに伝達される。し
たがって減速時ロックアップを行えば、駆動輪の回転に
よってエンジンの回転が維持されるため、燃料カット領
域を拡大して燃費向上を図ることができる。
【0004】なお、車両減速中には、再加速時の加速性
能の確保のため、車速の低下に応じて変速機の変速比を
ロー側に変更していくことが望ましい。ロックアップク
ラッチの係合状態を維持したままでも、滑らかに変速比
を変更可能な無段変速機を備える車両では、減速時ロッ
クアップの実行領域をより広く設定可能であり、燃費を
より大きく向上することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車両に搭載
されるエアコンの使用にかかる制約によって、そうした
減速時ロックアップの実行領域が制限されてしまうこと
がある。
【0006】エアコンは、冷媒の蒸発時の潜熱を利用し
て温度調整を行っており、冷媒を圧縮するコンプレッサ
を備えている。こうしたエアコン用コンプレッサは、エ
ンジンの回転によって駆動されており、その稼働時には
その稼働にかかる分の負荷(エアコン負荷)がエンジン
に付与される。
【0007】このため、そうしたエアコン負荷が大きな
ときに、減速時ロックアップの実行領域を低車速・低回
転速度域まで拡張し過ぎると、燃料カット復帰時にエン
ジンストールが発生するおそれがある。このため、エン
ジンストールの発生を回避可能なように、減速時ロック
アップの実行領域を狭くせざるを得ず、燃費向上の効果
を十分に得ることができなかった。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、更なる燃費向上を図ること
のできる車両の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果を記載する。請求項1記
載の発明は、エンジンと変速機とを断接するロックアッ
プクラッチと、前記エンジンの回転によって稼働される
エアコン用コンプレッサとを有する車両に適用されて、
車両減速時に前記ロックアップクラッチを係合状態とす
る減速時ロックアップを実行する車両の制御装置におい
て、前記減速時ロックアップの実行時に前記コンプレッ
サの稼働度合いを低下させる制御を行うエアコン制御手
段を備えるようにしたものである。
【0010】この構成では、減速時ロックアップの実行
時には、エアコン用コンプレッサの稼働度合いが低下さ
れ、同コンプレッサの稼働にかかるエンジンの負荷(エ
アコン負荷)が低減される。このため、減速時ロックア
ップの実行中における減速に応じたエンジン回転速度の
低下が抑えられるようになる。したがって、より低車速
・低回転速度まで減速時ロックアップを実行可能とな
り、燃費向上を図ることができる。
【0011】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、
前記コンプレッサの稼働を停止する、若しくは同コンプ
レッサの容量を所定値以下に保持することで前記制御を
行うものである。
【0012】上記のようにコンプレッサを制御すること
で、その稼働度合いを低下させることができる。例えば
電磁クラッチ等によって、エンジンとコンプレッサとの
接続を切り離せば、その稼働を停止することができる。
また例えば容量を調節可能な可変容量型のコンプレッサ
の場合には、その容量をゼロとすることで、その稼働を
停止することができる。
【0013】さらにそうした可変容量型コンプレッサの
場合には、その容量を所定値以下に保持することで、そ
の稼働度合いを低下させ、エアコン負荷を十分に低減す
ることができる。また上記所定値の設定によっては、エ
アコン負荷を十分に低減しながら、コンプレッサの稼働
をある程度保持できるようにもなって、エアコンの効き
の悪化の抑制と燃費向上とを適宜に両立させることが可
能にもなる。
【0014】また請求項3記載の発明は、請求項1また
は2記載の車両の制御装置において、前記エアコン制御
手段を、前記コンプレッサの稼働度合いを低下させる時
間を所定時間以内に制限するとともに、その所定時間を
前記コンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設定
するようにしたものである。
【0015】この構成では、減速時ロックアップの実行
時におけるコンプレッサの稼働度合いが低減されている
時間が、そのコンプレッサの稼働要求の度合いに応じて
可変設定された所定時間以内に制限されるようになる。
このため、コンプレッサの稼働度合いの低下に伴うエア
コンの効きの悪化が抑制可能となる。したがって、エア
コンの効きの悪化を抑制しながら、燃費向上を図ること
ができる。
【0016】更に請求項4記載の発明は、請求項3記載
の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段を、
前記コンプレッサの稼働要求が高いほど、前記所定時間
を短く設定するようにしたものである。
【0017】この構成では、コンプレッサの稼働要求の
度合いが高いほど、その稼働度合いが低下されている時
間が短く設定され、その稼働要求の度合いが低いほど、
同時間が長く設定される。したがって、エアコンの効き
の悪化を好適に回避しながらも、可能な限りコンプレッ
サの稼働度合いを低下させておくことができるようにな
り、エアコンの効きの悪化と燃費向上とを好適に両立さ
せることができる。
【0018】また請求項5記載の発明は、請求項4記載
の車両の制御装置において、前記エアコン制御手段は、
前記制御の前回実行時からの経過時間が所定時間よりも
長いことを条件に同制御を行うようにしたものである。
【0019】上記コンプレッサの稼働度合いを低下させ
る制御が頻繁に行われば、エアコンの効きが次第に悪化
してしまうおそれがある。その点、上記構成では、所定
時間が経過しない限りにおいて、そうした制御が行われ
ないようになるため、燃費向上を図りながらも、エアコ
ンの効きの悪化を好適に抑制することができる。
【0020】また請求項6記載の発明は、請求項1〜5
のいずれか記載の車両の制御装置において、前記エアコ
ン制御手段を、前記コンプレッサの稼働要求が所定の稼
働要求を下回ることを条件に同制御を行うようにしたも
のである。
【0021】この構成によれば、コンプレッサの稼働要
求が所定の稼働要求を下回らない限りにおいて、上記コ
ンプレッサの稼働度合いを低下させる制御が行われない
ようになる。これにより、例えば悪化したエアコンの効
きを早期回復させる必要があるときや、エアコンの効き
の更なる向上が求められているときなどのような、コン
プレッサへの稼働要求が所定の稼働要求よりも高いとき
には、上記制御の実行が制限される。したがって、燃費
向上を図りながらも、エアコンの効きの悪化を好適に抑
制することができる。
【0022】また請求項7記載の発明は、請求項1〜6
のいずれか記載の車両の制御装置において、前記エアコ
ン制御手段を、前記減速時ロックアップの実行時に、前
記コンプレッサの稼働度合いを一旦増大させた後、前記
コンプレッサの稼働度合いを低下させる制御を行うよう
にしたものである。
【0023】この構成では、エアコン用コンプレッサの
稼働度合いを低下させる制御に先立って、その稼働度合
いが一旦増大され、一時的にエアコンの冷却能力が増大
されて蓄冷がなされるようになる。このため、稼働度合
いを低下させる制御に伴うエアコンの効きの悪化を好適
に抑制することができるようになる。なお、低車速・低
回転速度域では、エアコン負荷の増大により、上述した
ような不具合が生じるおそれがあるため、上記稼働度合
いの増大の実行は、高車速・高回転速度域のみに制限す
ることが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる車両の制御
装置を具体化した一実施形態について、図を参照して詳
細に説明する。
【0025】まず、本発明の適用される車両の動力伝達
系の構造を図1を参照して説明する。この図1に示され
るように、エンジン10の出力軸は、内部の作動流体
(オイル)を媒介してトルク伝達を行うトルクコンバー
タ11を介して変速機13に接続され、更にその変速機
13を通じて駆動輪14に駆動連結されている。このト
ルクコンバータ11は、ロックアップクラッチ12を備
えており、その作動に応じて、エンジン10と変速機1
3とが機械的に直結されるようになっている。
【0026】またこの車両には、上記変速機13とし
て、連続して滑らかに変速比を変更可能な無段変速機が
採用されている。同図1に示されるベルト式の無段変速
機13は、トルクコンバータ11側及び駆動輪14側に
それぞれ接続された2つのプーリと、それらプーリの間
に巻き掛けられたベルトとを備えている。両プーリは、
例えば油圧などを駆動源としてその溝幅をそれぞれ自在
に変更可能となっており、その溝幅の変更に応じて上記
ベルトの巻き掛け半径を各々調整することができるよう
になっている。そして、ベルトを撓ませないように両プ
ーリの溝幅を連動して変更し、両プーリのベルトの巻き
掛け半径を各自適宜に調整することで、変速比を無段階
に変更可能となっている。
【0027】一方、エンジン10の出力軸は、ベルト機
構などを通じてエアコン用コンプレッサ15を始めとす
る各種補機類にも駆動連結されている。なおここでは、
このコンプレッサ15として可変容量型のコンプレッサ
が採用されている。
【0028】なお、以上説明した車両の動力伝達系を構
成する各要素は、電子制御装置(ECU)17によって
制御されている。ECU17は、エンジン制御、変速機
制御、或いはエアコン制御などをそれぞれ専門に司る複
数のマイクロコンピュータ・ユニットによって構成され
ている。そしてECU17は、車両各部に設けられたセ
ンサ類によって検出された情報をもとに、上述したよう
な車両の各種制御を行っている。車両には、そうしたセ
ンサ類として、例えば車速SPDを検出する車速センサ
18やアクセルペダルの踏み込み量ACCPを検出する
アクセルセンサ19等が設けられている。またエンジン
10内にも、各種センサ類が設けられており、その回転
速度NEなどが検出されている。
【0029】続いて、上記コンプレッサ15の稼働に応
じて空気を冷却して、車室内の空調(エアコンディショ
ニング)を行うエアコンの構成について、図2を併せ参
照して説明する。
【0030】同図2に示すように、車両のエアコンは、
空気を取り入れる吸込口20aから車室内の吹出口(図
示略)に至る送風路20を備えて構成されている。送風
路20には、その上流の吸込口20aから、ブロワ2
2、エバポレータ23、エアミックスダンパ24、ヒー
タコア25が配設されている。
【0031】ブロワ22は、モータ21によって駆動さ
れ、吸込口20aから空気を吸入し、送風路20を通じ
て吹出口に向けて送り出している。ちなみに、本実施形
態の車両において、この吸込口20aは、内気(車室内
の空気)と外気(車外から取り込んだ空気)とのいずれ
かを選択して取り入れることができるように構成されて
いる。
【0032】エバポレータ23には、コンプレッサ15
での圧縮によって高温・高圧となった冷媒ガスが、空冷
されて一旦は液化された後、再び膨張されて低温・低圧
となった状態で送られる。一方、そのエバポレータ23
の下流側に設けられたヒータコア25には、エンジン1
0内を通過して温水となった冷却水が、ウォータバルブ
26を通じて導入されるようになっている。
【0033】ブロワ22によって送風路20内を流され
る空気は、まずエバポレータ23を通過することで潜熱
を奪われ、除湿された冷気となる。冷気となった空気
は、エアミックスダンパ24によって、ヒータコア25
を通過する空気と、同コア25を通過しない空気とに振
り分けられる。ヒータコア25を通過する側に振り分け
られた空気は、そのコア25に導入された温水との熱交
換によって暖められる。一方、ヒータコア25を通過し
ない空気は、冷気のまま吹出口に送られて、上記ヒータ
コア25にて暖められた空気と混合される。したがっ
て、エアミックスダンパ24での振り分けられる空気の
配分によって、吹出口から車室内に吹き出される空気の
温度が決定される。
【0034】こうしたエアコンは、上記ECU17によ
って、詳しくはそのECU17のエアコン制御用コンピ
ュータ・ユニットによって、室内のコントロールパネル
(図示略)で設定された車室内温度を保持するように制
御されている。例えばECU17は、上記モータ21の
回転速度の制御によって吹出口からの送風量を調整し、
エアミックスダンパ24の開度制御によって吹出口から
の送風温度を調整している。
【0035】なお、車両には、こうしたECU17によ
るエアコン制御のため、車両各部の温度状態等を検出し
ている。このため、車両内の各部には、例えば上記エバ
ポレータ23下流の空気温度を検出するエバポセンサ2
7、車室内の温度を検出する内気温度センサ28、車外
の温度を検出する外気温度センサ29、日照量を検出す
る日照量センサ(図示略)を始めとする各種センサ類が
設けられている。
【0036】更にECU17は、上記コンプレッサ15
の容量の制御も行っている。ここではECU17は、上
記エバポセンサ27の検出結果やエンジン10の負荷状
態などから求められた算出された容量デューティ比DU
TYに応じてコンプレッサ15を制御している。容量デ
ューティ比DUTYは、コンプレッサ15の容量を、そ
の最大容量を100%とする百分率で示したものであ
り、その値が大きくなればコンプレッサ15の容量が増
大され、その値が小さくなれば同容量が低減される。
【0037】さて、以上説明したように構成された車両
では、車両減速時に上記ロックアップクラッチ12を係
合状態として、エンジン10と変速機13とを機械的に
直結する減速時ロックアップ(L/U)を行っている。
この減速時ロックアップ制御の実行中は、駆動輪14か
らの動力伝達によってエンジン10の回転が維持される
ため、燃料カット(F/C)領域を拡大して燃費向上を
図ることができる。本実施形態では、こうした減速時ロ
ックアップにあわせてエアコン制御を行うことで、更な
る燃費向上を図るようにしている。
【0038】続いて、こうした減速時の車両の制御につ
いて、図3〜図5を併せ参照して説明する。車両減速時
にECU17は、アクセルペダルの踏み込みが解除され
ること、及び車速SPDが所定のロックアップ解除車速
以上であることを条件に、減速時ロックアップを実行
し、ロックアップクラッチ12を係合状態とする。
【0039】減速時ロックアップの実行中は、非実行中
と比べて大きなエンジンブレーキ(減速加速度)が作用
するため、その解除時には、車両の減速加速度が一時に
減少して乗員に違和感を与えることがある。また車両減
速時には、再びアクセルペダルが踏み込まれたときの加
速性能の確保のため、車速SPDの低下とともに、変速
機13の変速比がロー側に変更される。このため、ある
程度よりも低車速まで減速時ロックアップを継続する
と、エンジンブレーキによる減速加速度が増大して、や
はり乗員に違和感を与える結果となる。したがって、そ
うした違和感が生じる以前に減速時ロックアップが解除
されるように、上記ロックアップ解除車速が設定されて
いる。
【0040】なお、エアコン使用時(コンプレッサ15
の稼働時)には、エアコン負荷の分、減速時ロックアッ
プ実行中のエンジンブレーキが大きくなり、上記のよう
な違和感が生じる車速SPDが非使用時に比して高速側
となる。このため、エアコン使用時の上記解除車速は、
非使用時に比して高車速側に設定されている。例えば本
実施形態では、エアコン使用時の解除車速は時速30k
mに、非使用時の解除車速は時速12kmにそれぞれ設
定されている。
【0041】一方、車両減速時には、エンジン10への
燃料供給を一時停止する燃料カットが実施される。EC
U17は、減速時ロックアップの実行中であること、及
びエンジン回転速度NEが所定の復帰回転速度以上であ
ることを条件に、燃料カットを実施する。この復帰回転
速度は、エンジンストールを発生させることなく燃料カ
ットからの復帰が図られるように設定されている。この
ため、エアコン負荷のため、エンジン回転速度NEの落
ち込みがより急速なエアコン使用時には、非使用時に比
して、復帰回転速度は高回転側に設定されている。そし
て、燃料カットの実施中にエンジン回転速度NEが上記
復帰回転速度を下回ったときには、減速時ロックアップ
が解除され、エンジン10への燃料供給が再開される。
【0042】以上説明したように、車両が上記ロックア
ップ解除車速以上の車速SPDで走行されているとき
に、アクセルペダルの踏み込みを解除すると、減速時ロ
ックアップが実行され、燃料カットが実施される。燃料
カットは、アクセルペダルが再び踏み込まれるか、車速
SPDが解除車速未満となって減速時ロックアップが解
除されるか、或いはエンジン回転速度NEが復帰回転速
度未満となるか、のいずれかが成立するまで継続され
る。
【0043】ただし、エアコン使用時には、上記のよう
に解除車速及び復帰回転速度が設定されており、またエ
アコン負荷のためにエンジン回転速度NEの落ち込みが
急なため、非使用時に比して、より早期に燃料カットが
終結されてしまう。そこで本実施形態では、減速時ロッ
クアップの実行中にエアコン用コンプレッサ15の稼働
を制限する「減速時エアコンカット」を実施すること
で、更なる燃費向上を図るようにしている。
【0044】減速時エアコンカットは、上記エアコン用
コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYを、所定
の値A%として、同コンプレッサ15の容量を所定値以
下に保持し、その稼働度合いを低下させることによって
行われる。この値A%は、エアコン負荷が実質ゼロとな
る容量デューティ比DUTYに設定されている。このた
め、減速時エアコンカットの実行中は、エアコンの使用
が事実上停止された状態となり、上記ロックアップの解
除車速及び燃料カットの復帰回転速度もエアコン非使用
時の値に設定される。またエアコン負荷が実質ゼロであ
るため、減速時ロックアップ実行中のエンジン回転速度
NEの低下も抑えられる。したがって、減速時エアコン
カットを実行することで、減速時ロックアップの実行領
域が拡大され、燃料カットをより長期に亘って実施可能
となる。
【0045】ただし、減速時エアコンカットの実行中
は、コンプレッサ15の容量低下に応じてエバポレータ
23の冷却能力が低下して、エアコンの効きが悪化す
る。そこで本実施形態では、以下のような態様で減速時
エアコンカットを実行することで、そうしたエアコンの
効きの悪化を抑制するようにしている。
【0046】図3は、本実施形態における減速時エアコ
ンカット制御の処理ルーチンを示すフローチャートであ
る。本ルーチンの処理は、ECU17によって所定時間
毎に周期的に実行される。
【0047】さて本ルーチンに移行すると、ECU17
はまずステップ10において、減速時ロックアップの実
行中であるか否かを判断し、実行中でなければ(N
O)、本ルーチンの処理を直ちに終了する。
【0048】減速時ロックアップの実行中であれば(Y
ES)、ステップ20において、前回の減速時エアコン
カットが実行されてからの経過時間Tonを算出する。そ
してステップ30において、その経過時間Tonが所定時
間Tよりも長いか否かを判定する。そして経過時間Ton
が所定時間T以下であれば(NO)、ステップ40にお
いて、エアコンカットを禁止し、本ルーチンを終了す
る。
【0049】すなわち、本実施形態では、減速時エアコ
ンカットが所定時間T以内に続けて実行されることを禁
止することで、その実行頻度を低減するようにしてい
る。そして、減速時エアコンカットの実行に伴うエアコ
ンの効きの悪化を抑制するようにしている。なお、上記
所定時間Tは、減速時エアコンカットの実行によるエア
コンの効きの悪化からの回復に必要十分な時間に設定す
ることが望ましい。例えば、こうした所定時間Tは、減
速時エアコンカットの実行によって上昇したエバポレー
タ23下流の冷風温度が必要な温度以下に低下するまで
に要する時間、或いはその実行に伴うエアコンの効きの
悪化によって上昇した車室内温度の回復に要する時間な
どに基づいて設定することができる。
【0050】さて、こうした経過時間Tonの制約によっ
て実行が禁止されていなければ、すなわちその経過時間
Tonが所定時間Tよりも長ければ(ステップ30:YE
S)、ECU17はステップ50以下の処理を通じて減
速時エアコンカットを実行する。
【0051】ECU17は、ステップ50において、外
気温度センサ29の検出した外気温度とそのとき設定さ
れているブロワ風量とを読み込む。そして、続くステッ
プ60において、それら外気温度及びブロワ風量に基づ
いて減速時エアコンカットの実行可能時間Tlimit を算
出する。この実行可能時間Tlimit は、例えば図4に示
されるような態様で設定される。同図4の設定態様例で
は、外気温度が高いほど、或いはブロワ風量が大きなほ
ど、実行可能時間Tlimit は短く設定されている。すな
わち、エバポレータ23に高い冷却能力が要求されて、
コンプレッサ15の稼働要求の度合いが高いときほど、
実行可能時間Tlimit は短く設定されている。
【0052】そしてステップ70において、今回の減速
時エアコンカットの開始からの経過時間Tcut を算出
し、その経過時間Tcut がその実行可能時間Tlimit 未
満であれば(ステップ80:NO)、上述の減速時エア
コンカットを実行する(ステップ90)。また上記経過
時間Tcut が実行可能時間Tlimit 以上であれば(ステ
ップ80:YES)、減速時エアコンカットを終了する
(ステップ100)。
【0053】すなわち、本実施形態では、減速時ロック
アップが実行されている限りにおいて、上記ステップ6
0において算出された実行可能時間Tlimit の間、減速
時エアコンカットが実行される。こうして減速時エアコ
ンカットの実行を実行可能時間Tlimit 以内に制限する
とともに、その実行可能時間Tlimit をコンプレッサ1
5の稼働要求の度合いに応じて可変とすることで、エア
コンの効きの悪化を抑えながら、可能な限り長期間に亘
って減速時エアコンカットを実行するようにしている。
【0054】なお、本実施形態では、減速時エアコンカ
ットの終了時には、コンプレッサ15の容量デューティ
比DUTYを、上記所定値A%から本来の要求値へと徐
変するようにしている。そして、これにより、減速時エ
アコンカット終了時のエアコン負荷の急変を抑え、急激
なトルク変化によるショックを防止するようにしてい
る。
【0055】ちなみにこの車両では、より詳しくは、減
速時ロックアップの開始直後にコンプレッサ15の容量
を一時増大させており、上述の減速時エアコンカット
は、その容量増大が終了した直後から実行されるように
なっている。このコンプレッサ15の容量増大は、車速
SPDが所定の速度Sup以上であることを条件に、減速
時ロックアップの開始から所定時間Tupが経過するまで
行われる。上記所定の速度Supは、上述したエアコン使
用時のロックアップ解除車速(時速30km)よりも高
速度側の速度(例えば時速35km)に設定されてい
る。
【0056】こうしてコンプレッサ15の稼働度合いを
一時増大することで、エバポレータ23の冷却能力が増
強され、その後も、しばらくはある程度の冷却能力が保
持される。すなわち、エバポレータ23の下流の空気温
度を通常の設定温度よりも低下させ、蓄冷しておくこと
ができる。このため、減速時エアコンカットの実行に伴
うエアコンの効きの悪化が更に好適に抑制される。な
お、このときコンプレッサ15は、駆動輪14側からの
動力伝達によって稼働されており、こうした蓄冷を、燃
料消費を伴うことなく行うことができる。更に、こうし
た増大制御は、ドライバビリティや燃料カット復帰時の
ストール耐性に対し、エアコン負荷の与える影響の小さ
い高車速・高回転速度域に限定して行うことが望まし
い。
【0057】図5は、以上説明した本実施形態における
車両減速時の制御態様の一例を示している。なお、同図
5の例では、エアコンが使用中で、車速SPDがエアコ
ン使用時のロックアップの解除車速(時速30km)よ
りも高速度で車両が走行されているときより、減速が開
始される場合を示している。
【0058】さて、時刻t0において、アクセルペダル
の踏み込みが解除され、車両の減速が開始されると、同
図5に示すように、減速時ロックアップ(L/U)が開
始され(L/U:ON)、それとともに燃料カット(F
/C)も開始される(F/C:ON)。
【0059】また減速時ロックアップの開始とともに、
コンプレッサ15の容量デューティ比DUTYが増大さ
れ、同コンプレッサ15の稼働度合いが増大される。こ
うした容量デューティ比DUTYの増大は、車速SPD
が上記所定の速度Sup(時速35km)を下回るか、減
速時クロックアップの開始から所定時間Tupが経過する
か、のいずれかが成立する時刻t1まで続けられる。
【0060】さて、こうしたコンプレッサ15の稼働度
合いの増大が完了した時刻t1より、減速時エアコンカ
ットが開始され、コンプレッサ15の容量デューティ比
DUTYが上述の所定値A%に低下される。これによ
り、ロックアップの解除車速は、エアコン使用時(A/
C:ON)の解除車速(時速30km)から非使用時
(A/C:OFF)の解除車速(時速12km)に引き
下げられる。また、減速時エアコンカットの実行によっ
て、エアコン負荷が低減され、エンジン回転速度NEの
低下が抑制される。
【0061】ちなみに、同図5には、減速時エアコンカ
ットを実行したときのエンジン回転速度NEの推移を実
線で、実行しなかったときのエンジン回転速度NEの推
移を一点鎖線で、それぞれ示している。なお、減速時エ
アコンカットの非実行時には、車速SPDがエアコン使
用時の解除車速(時速30km)を下回った時点、或い
はエンジン回転速度NEが復帰回転速度を下回った時点
で燃料カットが終了する。同図5の制御態様例では、エ
アコン負荷による急速な低下によって、時刻t2にエン
ジン回転速度NEが復帰回転速度を下回り、燃料カット
が終了されている。
【0062】こうした減速時エアコンカットは、上述の
ように、外気温度とブロワ風量とに応じて設定された実
行可能時間Tlimit がその開始から経過するか、或いは
減速時ロックアップが解除されるか、のいずれかが成立
する時刻t3まで続けられる。そしてコンプレッサ15
の容量デューティ比DUTYは、この時刻t3から、本
来の要求値へと徐々に徐々に増大されるようになる。
【0063】そしてこの時刻t3において、減速時エア
コンカットが終了したことにより、減速時ロックアップ
の解除車速が、エアコンの非使用時の解除車速から使用
時の解除車速へと引き上げられる。したがって、同図5
の例のように、減速時エアコンカットの終了した時刻t
3において、車速SPDがエアコン使用時の解除車速を
下回っていれば、その時点で減速時ロックアップが解除
され、それとともに燃料カットが終了する。
【0064】このように減速時エアコンカットを実施す
ることで、減速時ロックアップの実行領域を、エアコン
使用時の解除車速よりも低車速側の領域まで拡大可能と
なり、より長期に亘って燃料カットを行うことができる
ようになる。
【0065】以上説明した本実施形態によれば、以下の
効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、減速時ロックアップの実行中に
減速時エアコンカットを行うことで、エアコン用コンプ
レッサ15の容量デューティ比DUTYを低下させて、
容量を所定値以下としてその稼働度合いを低下させてい
る。したがって、減速時ロックアップの実行中のエアコ
ン負荷が低減されて、その実行領域をより低車速・低回
転速度の領域まで拡大し、更なる燃費向上を図ることが
できるようになる。
【0066】(2)本実施形態では、減速時エアコンカ
ットの実行時間を実行可能時間Tlimit 以内に制限する
とともに、その実行可能時間Tlimit を、外気温度及び
ブロワ風量に基づき把握されるコンプレッサ15の稼働
要求の度合いに応じて可変設定するようにしている。そ
して、その稼働要求の度合いが大きな程、実行可能時間
Tlimit を短く設定するようにしている。したがって、
減速時エアコンカットの実行に伴うエアコンの効きの悪
化の抑制と燃費向上との両立を好適に図ることができ
る。
【0067】(3)本実施形態では、前回の減速時エア
コンカットの実行からの経過時間Tonが所定時間Tを超
えることを条件に、その再実行を許可している。したが
って、減速時エアコンカットの実行頻度を適度に抑え、
エアコンの効きの悪化を抑えつつ、燃費向上を図ること
ができる。
【0068】(4)本実施形態では、減速時ロックアッ
プの実行中に、コンプレッサ15の稼働度合いを一旦増
大させた後、減速時エアコンカットを実行するようにし
ている。これにより、減速時エアコンカットの実行を制
限することなくエアコンの効きの悪化を抑制できる。し
たがって、エアコンの効きの悪化を抑制しつつ、更に好
適に燃費向上を図ることができる。
【0069】以上説明した実施形態は、次のように変更
しても良い。 ・上記実施形態では、減速時エアコンカットの実行可能
時間Tlimit を、ブロワ風量及び外気温度から求めてい
た。そしてこれにより、コンプレッサ15の稼働要求の
度合いに応じて減速時エアコンカットの実行時間を制限
し、エアコンの効きの悪化を抑えながら、燃費向上を図
っていた。こうした実行可能時間Tlimit は、他のパラ
メータ等から求めることもできる。例えばコンプレッサ
15によって加圧吐出される冷媒の圧力、エバポレータ
23下流の空気の目標温度、車室内の設定温度、エアコ
ン吹出口の温度などによっても、エアコン用コンプレッ
サ15の稼働要求の度合いを把握することができる。そ
してそれらを用いて実行可能時間Tlimit を求めた場合
であれ、上記実施形態と同様の効果を奏することができ
る。
【0070】・また、そうしたエアコンの稼働要求の度
合いに応じて、減速時エアコンカット時のコンプレッサ
15の稼働度合いの低下度合いを可変としても良い。こ
うした場合にも、燃費を向上しながらエアコンの効きの
悪化を抑えることができる。そして例えば、コンプレッ
サの稼働要求の高いときには、その稼働をある程度維持
するように、その低下の度合いを抑え、稼働要求の低い
ときには、エアコン負荷をより低減すべくその低下の度
合いを高めるようにすれば、エアコンの効きの悪化と燃
費向上とを好適に両立させることができる。
【0071】・また上記実施形態では、前回の制御実行
からの経過時間Tonに応じて減速時エアコンカットの実
行の有無を判定するようにしているが、そうした判定の
条件を適宜変更しても良い。例えば、前回のエアコンカ
ットの実行によって上昇したエバポレータ23下流の空
気温度が、所定温度(例えばその目標温度)以下まで低
下していないことを条件に、減速時エアコンカットを禁
止するようにしても良い。要は前回の減速時エアコンカ
ットの実行によって低下したエアコンの能力が十分に回
復しているか否かに応じて、減速時エアコンカットの実
行の有無を判定するように実行条件を設定すれば、減速
時エアコンカットの実行頻度を適度に抑え、エアコンの
効きの悪化を抑えつつ、燃費向上を図ることができる。
【0072】・更に、エアコンをフル稼働させる必要が
ある場合など、コンプレッサの稼働要求が所定の稼働要
求よりも高いときには、減速時エアコンカットの実行を
禁止するようにしても良い。これにより、通常は燃費向
上のための減速時エアコンカットを実行しながらも、必
要に応じてその実行を禁止して、エアコンの効きを維持
することができる。
【0073】・また上記実施形態では、減速時エアコン
カットの開始からその実行可能時間Tlimit が経過した
時刻t3において、直ちにロックアップ解除車速をエア
コン使用時の解除車速に引き上げているが、そうした引
き上げタイミングは、適宜変更しても良い。例えば、コ
ンプレッサ15の容量が所定値以上に増大されるまで、
解除速度及び復帰回転速度をエアコン非使用時の値に保
持するようにしても良い。この場合であれ、適度な値に
上記所定値を設定すれば、ロックアップ解除時のドライ
バビリティの悪化や燃料カット復帰時のエンジンストー
ルの発生などを十分に防止することができる。
【0074】・また、上記実施形態では、減速時ロック
アップの実行中にエアコン用コンプレッサ15の容量を
一旦所定値以下に保持した後、徐々に本来の要求値へと
増大させているが、そうしたコンプレッサ15の容量の
増大に応じて、解除速度及び復帰回転速度も徐々に引き
上げるようにしても良い。
【0075】・また、上記実施形態では、減速時ロック
アップの実行中にエアコン用コンプレッサ15の容量を
一旦所定値以下に保持した後、徐々に本来の要求値へと
増大させているが、減速時エアコンカットの終結ととも
に直ちに本来の要求値に戻すようにしても良い。
【0076】・また、上記実施形態では、減速時エアコ
ンカット時に、コンプレッサ15の容量デューティ比D
UTYをエアコン負荷が実質ゼロとなる所定値A%に低
下させているが、コンプレッサ15の容量を全くの
「0」としても良い。また、このときエアコン負荷がゼ
ロとはならないまでも、エアコン負荷がある程度小さく
なるような値に(すなわち上記所定値A%よりも大きな
値に)、上記コンプレッサ15の容量を保持するように
しても良い。要は、エアコン用コンプレッサ15の容量
を所定値以下に保持すれば、エアコン負荷が低減されて
減速時ロックアップの実行領域をある程度は拡大可能で
あり、燃費向上を図ることはできる。しかもこの場合に
は、エアコンカットの実行期間中も、コンプレッサ15
の稼働をある程度に維持して、エアコンの効きの悪化を
抑制することができる。
【0077】・上記実施形態では、コンプレッサ15の
容量制御を通じて減速時エアコンカットを行っている
が、エンジン10とコンプレッサ15との駆動連結を切
断して同コンプレッサ15の稼働を停止することによっ
ても、同様の減速時エアコンカット制御を行うことがで
きる。例えば、エンジン10とコンプレッサ15との間
に電磁クラッチ機構などを備える構成では、こうした制
御を行うことができる。勿論、こうした構成であれ、上
記実施形態のように、コンプレッサ15の稼働要求の度
合いに応じて減速時エアコンカットの実行可能時間を可
変設定したり、前回の実行からの経過時間に応じてその
実行を制限したりすれば、燃費向上を図りながらもエア
コンの効きの悪化を抑えることができる。
【0078】・また更に、例えば上記電磁クラッチ等を
用いて、エアコン用コンプレッサの稼働(オン)とその
稼働の停止(オフ)とを切り替え可能な構成では、例え
ば次のような態様で減速時エアコンカットを行うことも
できる。すなわち、そのコンプレッサのオン・オフを周
期的に切り替えるとともに、例えばデューティ制御など
によってそのオン期間とオフ期間との割合を変更してコ
ンプレッサの稼働度合いを調整して、減速時エアコンカ
ットを行うようにすることができる。そしてこの場合、
そうしたオン・オフ期間の割合を上記実施形態でのコン
プレッサ15の容量と同様に変更することで、同様の減
速時エアコンカット制御を行うこともできる。
【0079】・また、そうした電磁クラッチ等を始めと
する任意の手段によって、その稼働度合いを変更可能な
エアコン用コンプレッサであれば、可変容量型以外のエ
アコン用コンプレッサを備える構成についても、本発明
は適用することができる。
【0080】・なお、上記実施形態では、エンジン10
と変速機13とをロックアップクラッチ12によって直
結状態とすることで減速時ロックアップを実行するよう
にしているが、クラッチをある程度の滑りを許容して係
合した状態(スリップ状態)として減速時ロックアップ
を実行するようにしても良い。こうした構成であれ、減
速時ロックアップの実行中は、エンジン10と変速機1
3とはある程度の係合状態にあり、駆動輪14側からエ
ンジン10へとある程度の動力伝達が行われる。このた
め、こうした構成にあっても減速時ロックアップを実行
することで、燃料カット領域を拡大することができる。
そしてこうした構成であれ、本発明を適用して、更なる
燃費向上を図ることができる。
【0081】・なお、上記実施形態では、変速機13と
してベルト式の無段変速機を採用する構成について説明
したが、本発明は、ベルト式以外の無段変速機を備える
車両については勿論のこと、無段変速機以外の変速機を
備える車両についても適用することができる。
【0082】以下に、上記実施形態から把握される技術
的思想を記載する。 (イ)前記エアコン制御手段は、前記減速時ロックアッ
プの開始時の車速が所定速度以下であれば、前記コンプ
レッサの稼働度合いを増大させることを禁止するもので
ある請求項7記載の車両の制御装置。減速時ロックアッ
プの実行中に低車速域でコンプレッサの稼働度合いを増
大させれば、エアコン負荷の増大によって乗員に違和感
を生じさせるなどの不具合が生じるものの、この構成に
よれば、そうした不具合を好適に回避できる。
【0083】(ロ)前記エアコン制御手段は、前記コン
プレッサの稼働度合いの低下度合いを前記コンプレッサ
の稼働要求の度合いに応じて可変設定するものである請
求項1〜7、及び上記(イ)のいずれか記載の車両の制
御装置。この構成では、減速時ロックアップの実行時に
おけるコンプレッサの稼働度合いの低下度合いが、その
ときのコンプレッサの稼働要求の度合いに応じて可変設
定されるようになる。このため、コンプレッサの稼働度
合いの低下に伴うエアコンの効きの悪化が抑制可能とな
る。そして、例えば稼働要求の高いときには、コンプレ
ッサの稼働をある程度維持するように、ある程度低下の
度合いを抑え、稼働要求の低いときには、エアコン負荷
をより低減すべく低下の度合いを高めるようにすれば、
エアコンの効きの悪化を好適に回避しながらも、可能な
限りコンプレッサの稼働度合いを低下させておくことが
できるようになり、エアコンの効きの悪化と燃費向上と
を好適に両立させることができる。
【0084】(ハ)前記エアコン制御手段は、前記減速
時ロックアップの開始時のエンジン回転速度が所定回転
速度以下であれば、前記コンプレッサの稼働度合いを増
大させることを禁止するものである請求項7、上記
(イ)または上記(ロ)のいずれか記載の車両の制御装
置。減速時ロックアップの実行中に低回転速度域でコン
プレッサの稼働度合いを増大させれば、エアコン負荷の
増大によって過度のエンジン回転速度の低下を招くとい
った不具合が生じるものの、この構成によれば、そうし
た不具合を好適に回避できる。
【0085】(ニ)前記変速機は、無段変速機である請
求項1〜7、上記(イ)〜(ハ)のいずれか記載の車両
の制御装置。ロックアップクラッチの係合状態を維持し
ながらも、連続的に滑らかに変速の可能な無段変速機を
備える車両では、車両の減速に伴う変速の必要からロッ
クアップクラッチを解除する必要がないため、その分、
減速時ロックアップを実行領域を拡大可能である。こう
した無段変速機を備える車両において、エアコン負荷に
よる制約を緩和することで、その利点を如何なく発揮で
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の動力伝達系の構成を示す
模式図。
【図2】同実施形態のエアコンディショナの構成を示す
模式図。
【図3】減速時エアコンカット制御の処理手順を示すフ
ローチャート。
【図4】同制御の実行可能時間の設定態様例を示すグラ
フ。
【図5】上記実施形態の制御態様例を示すタイムチャー
ト。
【符号の説明】
10…エンジン、11…トルクコンバータ、12…ロッ
クアップクラッチ、13…変速機、14…駆動輪、15
…エアコン用コンプレッサ、17…電子制御装置(EC
U:エアコン制御手段)、18…車速センサ、19…ア
クセルセンサ、20…送風路、20a…吸込口、21…
(ブロワ用)モータ、22…ブロワ、23…エバポレー
タ、24…エアミックスダンパ、25…ヒータコア、2
6…ウォータバルブ、27…エバポセンサ、28…内気
温度センサ、29…外気温度センサ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと変速機とを断接するロックアッ
    プクラッチと、前記エンジンの回転によって稼働される
    エアコン用コンプレッサとを有する車両に適用されて、
    車両減速時に前記ロックアップクラッチを係合状態とす
    る減速時ロックアップを実行する車両の制御装置におい
    て、 前記減速時ロックアップの実行時に前記コンプレッサの
    稼働度合いを低下させる制御を行うエアコン制御手段を
    備える車両の制御装置。
  2. 【請求項2】前記エアコン制御手段は、前記コンプレッ
    サの稼働を停止する、若しくは同コンプレッサの容量を
    所定値以下に保持することで、前記制御を行うものであ
    る請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 【請求項3】前記エアコン制御手段は、前記コンプレッ
    サの稼働度合いを低下させる時間を所定時間以内に制限
    するとともに、その所定時間を前記コンプレッサの稼働
    要求の度合いに応じて可変設定するものである請求項1
    または2記載の車両の制御装置。
  4. 【請求項4】前記エアコン制御手段は、前記コンプレッ
    サの稼働要求の度合いが高いほど、前記所定時間を短く
    設定するものである請求項3記載の車両の制御装置。
  5. 【請求項5】前記エアコン制御手段は、前記制御の前回
    実行時からの経過時間が所定時間よりも長いことを条件
    に同制御を行うものである請求項1〜4のいずれか記載
    の車両の制御装置。
  6. 【請求項6】前記エアコン制御手段は、前記コンプレッ
    サの稼働要求が所定の稼働要求を下回ることを条件に同
    制御を行うものである請求項1〜5のいずれか記載の車
    両の制御装置。
  7. 【請求項7】前記エアコン制御手段は、前記減速時ロッ
    クアップの実行時に、前記コンプレッサの稼働度合いを
    一旦増大させた後、前記コンプレッサの稼働度合いを低
    下させる制御を行うものである請求項1〜6のいずれか
    記載の車両の制御装置。
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