JP4399872B2 - テンションレベラならびにストリップの矯正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属ストリップの形状不良を曲げと張力を付与して矯正するテンションレベラに係わり、特に金属ストリップの幅端部や幅中央部などの平坦度不良を矯正するテンションレベラならびにその矯正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧延された金属ストリップ(以下、単にストリップという)は完全に平坦ではなくいわゆる中伸び、耳波などが生じており矯正処理を施し平坦なコイルとした後に出荷される。この矯正には、従来よりテンションレベラが用いられている。
【0003】
図1は、従来のテンションレベラを模式的に示す概要図であり、上流、下流のブライドルロールユニット4、4によってストリップ11の張力域を形成し、この張力域に該ストリップ11に伸びを付与する伸張ロールユニット2と矯正ロールユニット3を設け、被矯正材である前記ストリップ11に張力と曲げによる複合応力を与えてストリップ11を0.2〜1.5%伸長することで、幅方向の伸び差を消去し平坦矯正がおこなわれる。なお、符号5は、デフレクターロールである。
【0004】
ところが、このようにストリップを高張力下でロールに沿わせて曲げ伸ばす加工を行うと、ストリップの幅端部は幅中央部に比べて幅方向の拘束がないことや、幅中央部に比べ幅端部付近の降伏応力が低い等の理由により幅端部と幅中央部で僅かに伸びが異なり、板幅全体を矯正しても幅端部には平坦不良が残存する場合がある。
【0005】
また、圧延後のストリップの断面は必ずしも矩形でなく、エッジドロップやロール撓みによる板クラウンがあり、このようなストリップを矯正しても、板厚の幅方向における不均一が幅方向の伸び差として現れ、形状不良や歩留まりの低下をもたらす。
【0006】
この対策として、以下の技術が提案されている。
図2は、特公昭51−8830号公報に提示された技術の模式図で、ワークロール21の片側端部のロール径を軸端に向かって漸次小径化させることによって幅方向の伸び差を形成させるものである。なお、符号11は被矯正材のストリップである。
【0007】
図3(a)、(b)は、特公平4−35241号公報に提示された技術の模式図で、ワークロール21に隣接するアンチクリンピングローラ22の片側に端部に向かって漸次小径となるようにテーパを形成させ矯正材に幅方向伸び差を付与するものである。
【0008】
両公報に開示された技術は、いずれもワークロールで曲げ引張り加工を受けるストリップに対して張力差を付与することで、張力による加工量つまり伸び量の差を発生させる方法である。
【0009】
また、特開昭63−90319公報には、伸長ロールに対向して押えロールを配置し、それぞれのロールには互いに反対位置の一方端にロール端に向かって直径が減少するようにクラウニングを設け、両ロールにてストリップを挟んで矯正する方法が開示されている。これは曲げ引張り加工を受けるストリップに対して板厚方向応力の幅方向差を負荷することで伸び差を調整する方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報などに開示された従来技術は、幅方向に張力差を発生させて幅方向に伸び差を付与することは可能であるが、ロールのクラウニングとロールの押し込み量によって幅方向の伸び差を調節するため、形成される張力差は通板経路長さの幅方向差で決定され、ロールの加工精度や機械の製作精度の影響をうけ微小量の設定が難しい。また、板端をテーパ部の所定位置に合わせるには、ロールのシフトで対応できるが、テーパ形状の変更にはロールの交換が必要であり、作業能率の低下やロール在庫数の増加によるコスト上昇の問題もある。更に、大きなクラウニングを有するロールを用いる場合には、テーパ部での折れや光沢差を誘発する危険性も高い。
【0011】
本発明の課題は、金属ストリップに負荷される幅方向の張力分布を付与しておこなう平坦矯正において、小さな量の張力差でも容易に付与でき、かつ任意の張力分布の形成が可能なテンションレベラならびにそれを用いた矯正方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
テンションレベラの矯正では、ストリップに負荷される張力が増加するとロール径やロール配置が適切であれば通常は伸び量が増加することは周知であり、したがって、幅方向に張力差を形成することで幅方向の伸び差が得られる。ここで、形成させる張力差を精度良く設定できれば、正確な伸び差が得られ、平坦度の改善効果を高めることが可能である。
【0013】
そこで、本発明者らは、幅方向における張力差を形成させる手段として、ストリップの熱膨張を利用する方法を想到した。熱膨張歪みは 熱膨張係数と温度変化量の積で求まるのは周知である。例えば普通鋼であれば10℃の温度差を付与すれば1.2×10-4程度の歪み差を形成できる。この歪み差と弾性係数との積で求まる応力差が形成される。よって、幅方向の所定の位置を適宜加熱できればストリップに幅方向の温度差が発生し、張力差が形成されるため、その状態でテンショレベリングを行えば幅方向に伸び差を変更できる。すなわち、通常のテンションレベリングでは伸び差が残存する場合でも、温度差を与えて矯正することできわめて平坦に矯正できると考えられる。
【0014】
次に、ストリップの幅方向に効率的に温度差を形成させる加熱方法を検討した。ストリップの加熱では加熱炉内を通板して昇温する方法が一般的ではあるが、この方法では、ストリップの幅方向に温度差を形成するのが困難である。また、誘導加熱による方法では部分的な加熱は可能であるが、正確な幅方向位置に限定した加熱は難しい。そこで、本発明者らは、高温のロールと接触させてストリップを加熱するロール加熱の適用を試みた。ロール加熱ではストリップとロール間の接触熱伝達で熱の授受が行われ、単位時間、単位面積当たりの入熱量qは下記の式で与えられる。
【0015】
q=α×(Tr−Ts)
ここで、α:ロールとストリップの熱伝達係数
Tr:ロール表面温度
Ts:ストリップ温度
ロールによるストリップの加熱は、ロールへのストリップの巻き付き角度を変更し、ストリップとロールの接触時間を変更してストリップへの入熱量を調節するのが一般的であるが、従来の加熱ロールは、軸方向にロール表面温度が均一であるため、基本的にはストリップは幅方向に同じ温度となる。そこで、ロール内部に軸方向に分割したヒータを備えた加熱ロールを製作し、ストリップの加熱を行ったところ、ストリップの幅方向に温度差が形成され、ロール表面の温度と加熱前のストリップ温度の差に比例した温度分布が形成された。加熱ロールへのストリップ巻き付け時の張力が小さいと熱膨張の影響で加熱温度の高いところがロールから浮き上がるため大幅な温度差の形成が難しいが、テンションレベリングを想定した高張力下では、ストリップに形成される温度差を大きくできることが判った。更に、加熱ロールの軸方向における温度分布を変更することで、ストリップの幅方向の温度分布の変更も可能であり、また、加熱ロールを軸方向にシフトすることで、ストリップに形成される温度分布も即座に移動(シフト)し、ロール温度そのものを変更するよりも早期にストリップの温度分布を変更できることが判った。
【0017】
本発明は、上記知見に基づくもので、その要旨は以下(1)〜(4)の通りである。
(1)ストリップの張力域を形成するブライドルロールユニットと、この張力域にストリップの進行方向に向かって該ストリップに伸びを付与する伸張ロールユニットと前記ストリップの反りを矯正する矯正ロールユニットとを順次配置したテンションレベラであって、前記伸張ロールユニットの入側にロール軸方向に温度勾配の形成が可能な加熱ロールを設け、加熱ロールを軸方向に移動させるロールシフト機構を設けたことを特徴とするテンションレベラ。
【0018】
(2)加熱ロールの内部に軸方向に分割した電気ヒータを備えたことを特徴とする上記(1)項に記載のテンションレベラ。
(3)加熱ロールへのストリップの巻き付き角度を変更するロール押し込み量の変更機構を設けたことを特徴とする上記(1)項に記載のテンションレベラ。
(4)上記(1)ないし(3)項のいずれかに記載のテンションレベラにより、ストリップの幅方向に温度差を形成させた後に伸長ロールユニットでストリップに伸びを付与することを特徴とするストリップの矯正方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明に係るテンションレベラを模式的に示す概要図である。
同図に示すように、本発明のテンションレベラは、ストリップ11の張力域を形成するブライドルロールユニット4、4と、この張力域にストリップの進行方向に向かってそのストリップ11に伸びを付与する伸張ロールユニット2と前記ストリップ11に曲げを付与する矯正ロールユニット3とを順次配置したテンションレベラであって、伸張ロールユニット2の入側にロール軸方向に温度勾配の形成が可能な加熱ロール1を設けたことを特徴とする。なお、符号5はストリップのパスラインを規定するデフレクターロール、6はストリップの幅方向温度計で加熱ロール1の出側に設けられる。
【0020】
伸長ロールユニット2は、ストリップに曲げ変形を与え伸びを付与することができれば常法の手段でよく、図示例では、上下2対の小径の伸長ロール2−1と、それぞれの伸長ロールを保持する中間ロール2−2とバックアップロール2−3とで構成され、高張力下でストリップに曲げ変形を加えることにより平坦矯正がおこなわれる。なお、伸長ロールは上下1対でもよく、伸長ロールの直径は、10〜60mm程度とすることができる。矯正ロールユニット3は、ストリップの反りを矯正できれば常法の手段でよく、図示例では、小径の矯正ロール3−1とその矯正ロールを保持する中間ロール3−2とバックアップロール3−3を有し、更に、矯正ロール3−1に対向し、その矯正ロールの前後に配置した大径のロール3−4を備え、これらのロール構成を上下反転した1対のユニットから構成される。上流側の矯正ロールで、伸長ロールで形成された幅方向反りが矯正され、下流側の矯正ロールで、同じく長手方向反りが矯正される。なお、矯正ロールおよび大径ロールの直径は、それぞれ30〜120mm程度、150〜300mm程度とすることができる。加熱ロール1は、その押圧によりストリップに伸びを付与しないように、直径が250mm程度以上の大径ロールが望ましく、通常、直径が300〜500mmのロールが用いられる。加熱ロールの設置数は1個以上で、好ましくは、図4に示すように、ライン方向に前後し、ストリップ11を挟んで対向するように2個設けるのがよい。
【0021】
ここで、加熱ロールによるストリップの昇温について説明する。
幅方向に温度差のある加熱ロールにストリップを巻き付けて通板することにより、ストリップの温度上昇量ΔTは(1)式で求められる。なお、(1)式は、加熱ロール1本の場合であるが、加熱ロールが複数本ある場合にはそれぞれのロール出側位置でのストリップの温度をベースとして昇温量が加算される。
【0022】
ΔT=α×(Tr−Ts)×Δt/(a×ρ×c) (1)
ここで、α:熱伝達係数
Tr:加熱ロール表面温度
Ts:加熱ロール入側におけるストリップ表面温度
Δt:加熱ロールとストリップの接触時間(ロール接触弧長/ライン速度)
a:板厚
ρ:密度
c:比熱
(1)式に示すように、加熱ロール表面温度Trを幅方向に変更することにより幅方向におけるΔTが変化して幅方向に温度差が形成される。例えば、ストリップの表面温度Tsが幅方向に均一であり、加熱ロール表面温度がTr1とTr2とすると、ストリップの温度差ΔTsは、(2)式により求まり、この温度差が張力差として得られる。
【0023】
ΔTs=α×(Tr1−Tr2)×Δt/(a×ρ×c) (2)
図5は、本発明に係る加熱ロールの構造例を縦断面で模式的に示す概要図である。同図に示すように、加熱ロール1の内部には軸方向に分割した電気ヒータ7が軸方向中央部に対し対称に配置され、それぞれの電気ヒータ7に付帯された温度センサ(図示せず)によって個別に温度制御され、軸方向に温度差が形成される。なお、図示例は、ロール軸方向に5分割した例であるが、分割数はこれに限定されない。
【0024】
図6は、本発明に係る加熱ロールの構造の他の例を同じく縦断面で模式的に示す概要図である。同図において、加熱ロール1の内部には軸方向に分割した電気ヒータ8が軸方向中央部に対し非対称に配置され、それぞれの電気ヒータ8は温度制御され、軸方向に温度差が形成される。なお、図示例では、分割数を2としたが、分割数はこれに限定されない。
【0025】
本発明の好適態様にあっては、加熱ロールへのストリップの巻き付き角度を変更するロール押し込み量の変更機構を設けることを特徴とする。
図7は、ロール押し込み量の変更機構を説明する模式図である。
【0026】
同図において、ロール押し込み量の変更機構は、昇降機構9と昇降量制御装置(図示無し)を有し、昇降機構9は、加熱ロール1を保持するロールチョックの昇降が可能な昇降スクリュウ9−1を有し、昇降量制御装置によりハウジング9−2内で昇降スクリュウ9−1を昇降作動させることにより加熱ロール1の巻き付け角度の変更が可能となり、ストリップ11への入熱量を調節することができる。例えば、ライン速度を変更すると、ロール接触時間が変化してストリップ昇温量が変化するが、巻き付け角度を変更することによってストリップの昇温量を一定に保つことができる。例えば、ライン速度を2倍に変更したとき、巻き付け角度を2倍にすれば、ストリップの昇温量はほとんど変化しない。
【0027】
本発明の別の好適態様にあっては、加熱ロールを軸方向に移送させるロールシフト機構を設けたことを特徴とする。
【0028】
図8は、ロールシフト機構を模式的に示す概要図であり、ロールシフト機構10は、シフト駆動装置10−1とシフト制御装置(図示無し)を有し、シフト制御装置によりシフト駆動装置10−1を作動させることにより加熱ロール1を矢印で示す軸方向に移動させることができ、ストリップの板幅方向の温度差を変更することができる。なお、符号9は昇降機構、12は加熱ロール用回転駆動モータである。
【0029】
図9は、図6に示す加熱ロールによる幅方向の温度差付与方法を説明する模式図である。図9に示すように、加熱ロール1の軸方向における左右を反転してライン方向の前後に配置し、分割したヒータの温度をそれぞれT1、T2、T3、T4と個別の温度に設定すれば、加熱ロール出側のストリップの温度を幅方向に分割して設定できる。例えば、図9において、加熱ロール出側のストリップ幅方向における位置をA、B、Cとし、その温度をそれぞれTO(1、3)、TO(2、3)、TO(2、4)で表示すると、TO(i、j)は、次式で求めることができる。
【0030】
TO(i、j)=(Ts−(Ti−Ts)×Δt1 ×E)×(1−Δt2 ×E)+Tj×Δt2 ×E
ここで、E=α/(a×ρ×c)
Δt1 :第1加熱ロールとの接触時間
Δt2 :第2加熱ロールとの接触時間
図10は、ロールシフトによる幅方向の温度差付与方法を説明する模式図である。図10に示すように、例えば図8のロールシフト機構を用いて、加熱ロール1bを矢印で示す幅方向にシフトすることにより、A、B、Cの各温度域の幅を調整することができる。なお、図示例では、加熱ロール1bをシフトする場合であるが、加熱ロール1aをシフトしてもよく、また、両方の加熱ロール1a、1bをそれぞれ逆方向にシフトしてもよい。
【0031】
次に、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、ストリップの幅方向に温度差を形成させた後に伸長ロールユニットでストリップに所定の伸びを付与することを特徴とする。
【0032】
ロールの幅方向温度分布の変更、ロールの巻き付け角度の変更、ロールシフトによるストリップの加熱幅方向位置の変更などにより、ストリップの幅方向温度分布を変更し、ストリップの張力分布を幅方向に変更した後、通常のテンションレベリングによる伸長加工で幅方向に伸び差を発生させることができ、平坦度の著しい改善が可能となる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
図4に示す基本構成で、表1に示す主仕様の伸長ロールと矯正ロールを有し、図5と表2にそれぞれ基本構造と主仕様を示す2本の加熱ロールを備えたテンションレベラを用いて、0.8mm厚×1200mm幅の冷延鋼帯をライン速度100mpm、張力3kgf/mm2 で、伸長ロールの押し込み量を5mmとし、伸び率設定0.8%の条件で矯正した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
材料の降伏応力値が幅端部で約3kg/mm2 低下していたため、従来法(加熱ロールによるストリップの加熱無し)では若干の耳伸びとなる平坦不良が発生したが、加熱ロール両端のヒータを用いて鋼帯のエッジ部を約10℃高めたところ耳伸びは改善し極めて平坦な鋼帯が得られた。次いで、ライン速度を150mpmに高めるとエッジ部の昇温量が低下したため耳伸び改善効果が薄らいだが、巻き付け角度の増加またはロール設定温度の上昇の行ったところ、どちらの場合も再度平坦な鋼板が得られた。
【0037】
(実施例2)
実施例1で示したテンションレベラを用い、1.6mm厚×1400mm幅の熱延酸洗上がり鋼帯(板クラウン80μm)をライン速度150mpm、張力2kgf/mm2 で、伸長ロールの押し込み量を4mmとし、伸び率設定1.0%の条件で矯正した。従来法(加熱ロールによるストリップの加熱無し)では中伸びが残存する傾向が見られたが、加熱ロールの中央のヒータを用いて鋼板の中央部温度を15℃程度高めると中伸びが改善し平坦な鋼帯が得られた。
【0038】
(実施例3)
図4に示す基本構成で、図6と表3にそれぞれ基本構造と主仕様を示す加熱ロールの左右を図9に示すように反転して配置したテンションレベラを用いて、0.8mm厚×1200mm幅ならびに1.0mm厚×1300mm幅の冷延鋼帯をライン速度100mpm、張力3kgf/mm2 で、伸長ロールの押し込み量を4〜5mmとし、伸び率設定1.0%の条件で矯正した。
【0039】
【表3】
【0040】
どちらの材料も降伏応力値が幅端部で約3kgf/mm2 低下しており、従来法では、若干の耳波が形成されたが、それぞれのロールの加熱幅の小さい側の温度を高めるように加熱し、加熱ロール出側で鋼帯のエッジ部の温度を約10℃高めるように設定することで平坦な鋼帯が得られた。なお、鋼帯幅の変更の際には、加熱ロールをそれぞれ50mmシフトし、鋼帯の加熱位置を変更した。
【0041】
【発明の効果】
本発明により、ストリップの幅端部や幅中央部などの平坦度不良を改善できる。詳述すれば、特に、幅方向に機械特性値が異なる場合や板クラウンの影響などで十分な平坦が得られない場合に、ストリップの幅方向に温度分布を付与することにより幅方向に張力分布を変えた矯正が可能となり、平坦度の優れた鋼板を容易に生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のテンションレベラを模式的に示す概要図である。
【図2】特公昭51−8830号公報に提示された技術の模式図である。
【図3】図3(a)、(b)は、特公平4−35241号公報に提示された技術の模式図である。
【図4】本発明に係るテンションレベラを模式的に示す概要図である。
【図5】本発明に係る加熱ロールの構造例を縦断面で模式的に示す概要図である。
【図6】本発明に係る加熱ロールの構造の他の例を縦断面で模式的に示す概要図である
【図7】ロール押し込み量の変更機構を説明する模式図である。
【図8】ロールシフト機構を模式的に示す概要図である。
【図9】図6に示す加熱ロールによる幅方向の温度差付与方法を説明する模式図である。
【図10】ロールシフトによる幅方向の温度差付与方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1、1a、1b:加熱ロール
2:伸張ロールユニット
2−1:伸長ロール
2−2、3−2:中間ロール
2−3、3−3:バックアップロール
3:矯正ロールユニット
3−1:矯正ロール
3−4:大径のロール
4:ブライドルロールユニット
5:デフレクターロール
6:幅方向温度計
7、8:電気ヒータ
9:昇降機構
9−1:昇降スクリュウ
9−2:ハウジング
10:ロールシフト機構
10−1:シフト駆動装置
11:ストリップ
12:加熱ロール用回転駆動モータ
21:ワークロール
22:アンチクリンピングロール
Claims (4)
- ストリップの張力域を形成するブライドルロールユニットと、この張力域にストリップの進行方向に向かって該ストリップに伸びを付与する伸張ロールユニットと前記ストリップの反りを矯正する矯正ロールユニットとを順次配置したテンションレベラであって、前記伸張ロールユニットの入側にロール軸方向に温度勾配の形成が可能な加熱ロールを設け、加熱ロールを軸方向に移動させるロールシフト機構を設けたことを特徴とするテンションレベラ。
- 加熱ロールの内部に軸方向に分割した電気ヒータを備えたことを特徴とする請求項1に記載のテンションレベラ。
- 加熱ロールへのストリップの巻き付き角度を変更するロール押し込み量の変更機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載のテンションレベラ。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のテンションレベラにより、ストリップの幅方向に温度差を形成させた後に伸長ロールユニットでストリップに伸びを付与することを特徴とするストリップの矯正方法。
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