JP2001158920A - 連続焼鈍炉における幅変動防止方法 - Google Patents

連続焼鈍炉における幅変動防止方法

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JP2001158920A
JP2001158920A JP34059999A JP34059999A JP2001158920A JP 2001158920 A JP2001158920 A JP 2001158920A JP 34059999 A JP34059999 A JP 34059999A JP 34059999 A JP34059999 A JP 34059999A JP 2001158920 A JP2001158920 A JP 2001158920A
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steel strip
roll
furnace
temperature
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Yoshiyuki Kaseda
良之 綛田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先行鋼帯から後行鋼帯に替わる際などの非定
常状態における幅縮み量を推定し、幅縮み変動を抑制す
ることができる連続焼鈍炉における板幅変動防止方法を
提供する。 【解決手段】 炉内の鋼帯温度ならびに各ハースロール
の軸方向温度分布を計算にて求め、次いでその軸方向温
度分布に基づいて各ハースロールのサーマルクラウン形
状を求め、そのサーマルクラウン形状ならびに上記鋼帯
温度に基づいて炉内での鋼帯の幅縮み量を算出し、次い
でその幅縮み量が目標値に一致するように張力を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続焼鈍炉における
鋼帯の幅変動防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は連続焼鈍ラインの一例を模式的に
示す概要図である。図1において、鋼帯1はペイオフリ
ール2より連続的に炉内に供給され、炉内に設けられた
多数のハースロール11で支持され、加熱帯3、均熱帯
4、冷却帯5、過時効帯6および冷却帯7を順次通過す
ることで所定の熱処理を施された後、テンションリール
8で巻き取られる。なお、符号9は入側ルーパ、10は
出側ルーパ、12、13はブライドルロールを示す。
【0003】鋼帯は蛇行防止のために所定の張力が負荷
された状態で炉内を走行し、また、加熱帯出側から均熱
帯における鋼帯温度は700℃〜850℃となる。この
ような高温状態下で張力を負荷された鋼帯は、ハースロ
ールによる繰り返し曲げを受けて塑性変形が生じる。す
なわち、鋼帯の長手方向には伸びが生じ、幅方向には縮
み(以下、幅縮みともいう)が生じる。
【0004】連続焼鈍ラインに供給される鋼帯の幅は、
製品幅に上記幅縮みを考慮して決定されており、幅縮み
量の変動が大きいと、次工程で幅トリムが必要となり歩
留まりの低下と作業コストの増加を招くといった問題
や、最悪の場合には幅不足で製品幅が確保できないとい
った問題がある。したがって、幅縮み量の変動抑制は、
連続焼鈍ライン出側での鋼帯幅を所定の寸法公差の範囲
内に収めるために重要であり、従来から種々の方法が提
案されている。
【0005】特開平4−6226号公報には、焼鈍炉の
入側及び出側で板幅を測定し、その板幅に基づいて炉内
張力を制御する方法が開示されている。
【0006】特開昭57−94525号公報には、炉内
温度が高く、炉内張力が大きいほど炉内での幅縮み量が
大きくなることを前提として、鋼帯幅が広い領域では大
きな張力を付与し、鋼帯幅が狭い領域では張力を緩める
ようにして幅縮み量を制御する方法が開示されている。
【0007】特開昭63−171835号公報には、鋼
帯厚分布と鋼帯幅に基づいて炉内張力や炉内温度を調節
することにより、鋼帯の断面形状や鋼帯幅を制御する方
法が開示されている。
【0008】特開平8−127820号公報には、鋼帯
に与えられるヒートサイクルによる鋼帯の降伏応力、弾
性係数、ハースロール本数、径および張力から幅縮み量
を予測する方法が開示されている。
【0009】特開平9−31550号公報には、ハース
ロールのクラウン量と焼鈍炉入側での鋼帯の平坦度に基
づき幅縮み量を予測し、その予測値が許容範囲を超える
ときにはクラウン制御ロールを用いて幅縮み量を制御す
る方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−6226号公報、特開昭57−94525号公報お
よび特開昭63−171835号公報に記載の方法で
は、炉入側の板幅変動や板厚分布のみに対応させて炉内
張力などの操業条件を設定しているため、必ずしも狙い
の幅縮み量が得られないという問題がある。また、この
方法では、焼鈍炉の出側での鋼帯の幅を計測してフィー
ドバック制御を行うとしても、高温域以降でも設備は長
大であるため、その部分を通過している鋼帯に関しては
制御できないという問題もある。
【0011】特開平8−127820号公報や特開平9
−31550号公報に開示された方法は、ヒートサイク
ルや通板速度などの操業条件が一定の場合には幅縮み量
の推定が可能である。しかしながら、連続焼鈍において
は鋼帯が順次接続され連続的に処理されており、例えば
先行鋼帯とその鋼帯に接続された後行鋼帯との寸法や焼
鈍温度などの操業条件が異なる場合には、先行鋼帯と後
行鋼帯との接続部近傍の幅縮み量を正確に推定すること
ができないという問題がある。
【0012】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その課題は定常状態での幅縮み量のみな
らず先行鋼帯から後行鋼帯に替わる際などの非定常状態
における幅縮み量を推定し、幅縮み変動を抑制すること
ができる連続焼鈍炉における板幅変動防止方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】連続焼鈍炉では、焼鈍温
度や寸法の異なる鋼帯が順次接続され、また、所定のヒ
ートパターンを付与するために通板速度が変更されて連
続的に処理される。したがって、ハースロールを通過す
る際の鋼帯温度は常に一定でなく、先行鋼帯と後行鋼帯
との接続部近傍において経時的に変化する。そのため、
鋼帯との接触によりハースロールに形成されるサーマル
クラウンが変化し、それにともないロールクラウンが変
化する。
【0014】本発明者は、連続焼鈍炉を模擬したモデル
装置によりロールクラウンと幅縮みとの関係を調査し、
以下の知見を得た。
【0015】図2は、ロールクラウンと幅縮みの関係を
示すグラフで、幅縮みを幅方向歪みとして表している。
【0016】(a)図2に示すように、ロールクラウン
が変化すると幅方向歪みすなわち幅縮み量が変化する。
したがって、サーマルクラウンが経時的に変化する状況
では幅縮み量が変動することになる。
【0017】(b)先行鋼帯から後行鋼帯に替わる際に
生じる過渡的な幅変動の抑制には、サーマルクラウンの
変動を把握し、幅縮み量の変化を推定することが必要と
なる。
【0018】(c)図2に示すように、張力を変更する
と幅縮み量は変化する。したがって、幅縮み量の変動を
抑えるためにはサーマルクラウンの変動に基づき推定さ
れる幅縮み量の変動を相殺するように張力を制御するこ
とが有効となる。
【0019】(d)ロールクラウンの変動が大きいと幅
縮み変動が大きくなる。したがって、幅縮み変動の抑制
にはロールクラウンの変動原因となるサーマルクラウン
の低減が有効である。サーマルクラウンはロールの軸方
向の温度分布に起因するため、ロール加熱などでハース
ロールの軸方向温度分布を所定の分布に変更することに
よりサーマルクラウンを低減することができる。
【0020】(e)ロール加熱によるサーマルクラウン
の低下と張力の変更との双方により幅縮みの変動を抑制
する方法は、張力のみ調整する方法に比べて、張力の変
更量が少なくなる利点がある。例えば、張力を高める
と、炉内での鋼帯の絞り込みの発生をを誘発するが、張
力変更量を小さくすることにより絞り込みの発生を抑制
することができる。
【0021】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たもので、その要旨は以下の(1)、(2)の通りであ
る (1)張力を付加した鋼帯を炉内に設けた複数のハース
ロールに巻掛けて搬送しながら熱処理を行う連続焼鈍炉
において、炉内の鋼帯温度ならびに各ハースロールの軸
方向温度分布を計算にて求め、次いでその軸方向温度分
布に基づいて各ハースロールのサーマルクラウン形状を
求め、そのサーマルクラウン形状ならびに上記鋼帯温度
に基づいて炉内での鋼帯の幅縮み量を算出し、次いでそ
の幅縮み量が目標値に一致するように張力を制御するこ
とを特徴とする連続焼鈍炉における幅変動防止方法。
【0022】(2)張力を付加した鋼帯を炉内に設けた
複数のハースロールに巻掛けて搬送しながら熱処理を行
う連続焼鈍炉において、上記ハースロールとしてハース
ロールの温度を調節する加熱手段を内部に備えたロール
を用い、炉内の鋼帯温度ならびに各ハースロールの軸方
向温度分布を計算にて求め、次いでその軸方向温度分布
に基づいて各ハースロールのサーマルクラウン形状を求
め、そのサーマルクラウン形状ならびに上記鋼帯温度に
基づいて炉内での鋼帯の幅縮み量を算出し、次いでその
幅縮み量が目標値に一致するように張力ならびにハース
ロール温度を制御することを特徴とする連続焼鈍炉にお
ける幅変動防止方法。
【0023】
【発明の実施の形態】図3は、本発明方法の手順を示す
フローチャートである。同図に示すように、本発明は、
操業条件から鋼帯温度、ロール軸方向温度分布、サーマ
ルクラウン、ロール形状を順次求め、次いで、ハースロ
ール通過の際に生じる幅縮み量と、ハースロール間すな
わちフリースパンでの幅縮み量とから炉出側の幅縮み量
を求め、その幅縮み量が目標値と一致するように張力を
制御するものである。幅縮み量の計算は、炉内の鋼帯を
長手方向に分割したモデルにて行う。
【0024】図4は、分割モデルの一例を示す図であ
る。符号15はハースロール、16は鋼帯を示す。図4
に示すように、N本のハースロール15が炉の上下に配
置され、各ハースロールの位置で鋼帯を長手方向にN分
割したモデルとする。各分割区間内での熱の出入りを計
算する。図示例は各ハースロール位置で鋼帯を分割して
いるが、更にハースロール間でも分割し、分割数を多く
することで計算精度を向上させることができる。
【0025】以下、図4に示すモデルで幅縮み量を推定
し、その幅縮み量の変動を抑制する手順を説明する。な
お、記号iは分割区間(i=1〜N)、記号jは時間ス
テップ、記号kはハースロールの幅方向位置を示す。
【0026】鋼帯温度の計算:計算で求める方式として
はいくつか考えられるが、本発明の実施態様としては次
のものが計算精度の点で好ましい。
【0027】計算開始時刻τ0 でのライン速度、板厚、
板幅、鋼種、炉内温度から時間δτ経過後の各分割区間
(以下、各区間ともいう)の鋼帯温度TS を(1)式で
求める。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、δV:体積(δL×W×t)、δ
Q:面積(δL×W×2)にδτの間に鋼帯に投入され
る熱エネルギ(炉から鋼帯への熱伝達、熱輻射及びロー
ルとの熱伝達)、δL:各分割区間の長さ、c:鋼帯比
熱、t:鋼帯厚、W:鋼帯幅、である。
【0030】なお、上記区間における鋼帯温度を放射温
度計などで測定し、その測定値に基づき上記(1)式で
計算される鋼帯温度を検証、修正することにより計算精
度を高めることができる。
【0031】ハースロール軸方向温度分布の計算:この
ときの計算方式もいくつか考えられるが、前述の計算結
果を利用できることから次の方式が好ましい。
【0032】上記(1)式で計算される鋼帯温度に基づ
き、鋼帯との接触熱伝達、炉からの熱伝達及び輻射熱を
考慮してハースロール内部の温度分布を計算する。ハー
スロール(以下、単にロールともいう)を半径方向と軸
方向に分割し、l:半径方向分割位置、m:軸方向分割
位置とすると、ロール内部温度Tl m は、ロール内部の
熱バランスから得られる離散化した下記(2)式から計
算される。したがって、幅方向k位置におけるロール胴
部の厚さ方向の平均温度(以下、ロール温度ともいう)
は、(2)式で求まるロール内部温度を厚み方向に平均
して計算される。これらの計算を全ロールを対象に同様
に繰り返すことで全ロールのロール温度TR (i,j,k) 、
すなわち全ロールの軸方向温度分布が下記(3)式で求
まる。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、l2:ロール外側座標、l1:ロー
ル内側座標、である。
【0035】なお、上記各点のロール温度をロール内部
に設けた温度センサで測定し、その測定値に基づき上記
(3)式で計算されるロール温度を検証、修正すること
により計算精度を高めることができる。
【0036】サーマルクラウンの計算:上記ロール温度
R より、軸方向各位置での温度上昇量ΔTk を求め、
離散化した各位置で半径方向に等方的に働く力pk に換
算し、力pk がロールの円筒部に負荷されたと仮定し
て、そのときのロールの膨らみ・へこみ形状を計算す
る。pk は、温度上昇量ΔTk から下記(4)式で計算
され、xをロール軸方向座標とするとロールの膨らみ・
へこみ形状crk(x)は下記(5)式で計算される。
【0037】
【数3】
【0038】但し、hs:ロール胴部厚み、ν:ロール
のポアソン比、E:ロールの弾性係数、RO :ロール半
径である。したがって、サーマルクラウンCrは、
(5)式の総和として下記(6)式で表わされる。な
お、ロール温度は左右対称と仮定すれば、p-k=pk
してよい。
【0039】
【数4】
【0040】ここで、ke はロール胴部片側の分割数で
ある。
【0041】ロール形状の計算:(6)式で得られるサ
ーマルクラウンにロールの初期クラウン等を加算して、
下記(7)式からロール形状を表すロール半径の幅方向
分布R(i ) が求まる。ここで、Crintは初期クラウ
ン形状であり、Crwはロールのアクスル部の拘束の影響
によるたわみ形状、である。
【0042】
【数5】
【0043】幅縮み量の計算:幅縮み量は、ハースロー
ル通過の際に生じる幅縮み量とハースロール間、すなわ
ちフリースパンにおける幅縮みの和として求めることが
できる。
【0044】ロールにクラウンがあると幅方向位置で伸
びが異なるため、伸びの計算には鋼帯を幅方向に分割
し、分割した各条についてその位置でのロールのクラウ
ンを考慮して伸び歪みを求める。ロールを1回通過する
ことで形成される各条の伸び歪みの増分は下記(8)式
で計算される曲げによる伸び歪みの増分と下記(9)式
で計算される曲げ戻しによる伸び歪みの増分との和にな
る。
【0045】
【数6】
【0046】ここで、σT:張力、σx0:2次元降伏応
力である。したがって、幅方向歪み分布の比率を関数f
1で表すと、ハースロール通過の際に生じる幅方向歪み
δεWRは(10)式で与えられる。なお、関数f1は実
験によって得られ、0<f1<0.5、である。
【0047】
【数7】
【0048】フリースパンでの各条の伸び歪みの増分δ
εcrは、(11)式で演算される。
【0049】
【数8】
【0050】ここで、
【数9】 、である。したがって、幅方向歪み分布の比率を関数f
2とすると、フリースパンでの幅方向歪みδεWFは(1
3)式で与えられる。なお、関数f2は実験によって得
られ、0<f2<0.5、である。
【0051】
【数10】
【0052】炉出側の幅縮み量εwは、(10)式で与
えられるハースロール通過の際の幅方向歪みと(13)
式で与えられるフリースパンでの幅方向歪みとの全分割
区間の総和として(14)式で演算される。
【0053】
【数11】
【0054】張力の制御:(14)式で計算される幅縮
み量(計算値という)が目標値と一致するように、張力
を変更する。すなわち、計算値が目標値より大きい場合
は張力を低下させ、目標値より小さいときは張力を高め
るように張力を制御することにより、幅縮み量の変動の
結果として生じる幅変動を防止することができる。図5
は、本発明の別の方法における幅縮み予測のフローチャ
ートである。
【0055】本発明の別の方法は、ハースロールの内部
にハースロール温度を調節する加熱手段を設け、炉出側
の幅縮み量が目標値に一致するように張力とハースロー
ル温度とを同時に制御する、あるいは最初に張力制御を
行い、十分でないときにハースロール温度制御を行う。
炉出側の幅縮み量は、上記と同様の手順で(14)式か
ら求めることができる。ハースロール温度の調整は、ハ
ースロールとして内部に加熱手段を設けた加熱ロールを
用いることにより行うことができる。
【0056】図6は、加熱ロールの構造例を示す模式図
である。この加熱ロール20は、内部の幅方向に複数個
のヒータ21と複数個の温度センサ23を備える。温度
センサでロール内部の温度分布を測定しながらそれぞれ
のヒータの出力を調節することによりロール幅方向温度
分布の変更が可能となり、サーマルクラウンが低減する
ように変更することで幅縮み量の変動を抑制することが
できる。したがって、張力の変更に加えて、ロール加熱
によりロール幅方向温度分布を変更することにより幅縮
み量の変動の抑制をより効果的に行うことができる。す
なわち、張力の変更のみでは蛇行やヒートバックルの発
生を誘発する場合でもロール加熱を併用することにより
上記発生を防止して幅縮み量の変動をより効果的に抑制
することができる。
【0057】例えば、焼鈍温度を上昇させる場合には、
予めロールの板幅外側を加熱することによりサーマルク
ラウンの増加が抑制され幅縮みの変動を低減できる。板
幅が広がる場合には、予めロールの板幅外側を加熱して
昇温することで、広幅に幅変わりする場合の板幅当たり
のサーマルクラウンを低減できる。
【0058】
【実施例】(実施例1)図7はモデル通板装置の基本構
成を示す模式図である。符号イ〜オはハースロール、図
1と同じ要素は同一の符号で示す。符号14は加熱装置
である。
【0059】図7に示すモデル通板装置を用い、加熱装
置14で炉内Aゾーンは830℃、Bゾーンは500℃
に加熱した雰囲気中に、表1に示す通板条件にて材質S
PCCの先行材と後行材を一定速度で連続して通板し幅
縮み量を調査した。
【0060】
【表1】
【0061】はじめに、250mm幅の鋼帯を走行させ
た後、続けて350mm幅の鋼帯を連続して走行させ
た。図3に示す手順に従って、幅250mmから幅35
0mmへの板幅替わりでの過渡的な状態のサーマルクラ
ウン形状変化の計算をもとに幅縮み量を推定し、その幅
縮み量が目標値に一致するように張力を制御した。比較
のために張力を一定に制御した試験(比較例)も実施し
た。表2に装置出側の幅縮み量の測定結果を示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示すように、比較例では板幅が拡大
する事で板幅当たりのクラウンが増加し、ロールのサー
マルクラウンが安定するまでは幅縮み量が増加する傾向
が見られた。本発明例では、比較例に比べ板幅替わりの
過渡期の幅縮み量の増加は少なく、幅縮み量の変動が抑
制された。 (実施例2)図7に示す基本構成のモデル通板装置を用
い、ハースロール(ロ、二、へ、チ、ル)には図6に示
す加熱ロールを用い、表1と同じ条件で、材質SPCC
の先行材と後行材を一定速度で連続して通板し幅縮み量
を調査した。はじめに、250mm幅の鋼帯を走行させ
た後、続けて350mm幅の鋼帯を連続して走行させ
た。図5に示す手順に従って、板幅替わりでの過渡的な
状態のサーマルクラウン形状変化の計算をもとに幅縮み
量を推定し、その幅縮み量が目標値に一致するように張
力ならびにロール温度を制御した。比較のために張力を
一定に制御した試験(比較例)も実施した。表3に装置
出側の幅縮み量の測定結果を示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3に示すように、比較例では板幅が拡大
する事で板幅当たりのクラウンが増加し、ロールのサー
マルクラウンが安定するまでは幅縮み量が増加する傾向
が見られた。本発明例では、板幅替わりの過渡期の幅縮
み量の変動は大幅に抑制された。 (実施例3)図1に示す基本構成の連続焼鈍ラインで、
低炭素鋼の厚さ:1.0mm、幅1200〜1300m
mの鋼帯を焼鈍温度:800〜820℃で連続的に通板
し本発明の効果を検証した。図3に示す要領で焼鈍炉出
側の幅縮み量を推定し、幅縮み量が目標値に一致するよ
うに張力を制御した。図8に炉出側で測定した幅縮み量
の分布を示す。なお、図中の従来例は、張力を一定に制
御したものである。
【0066】図8に示すように、従来例では、各種鋼帯
が混在して走行する条件下では幅縮み量が大きく変化す
るが、本発明例では、幅縮み変動が低減されて、ほぼ均
一な幅縮み量(2.5〜3.5mm)となった。したが
って、板幅精度が向上し、従来では幅変動量を考慮して
大きく設定していたインライントリムのトリム代を両側
で2mm程度低減することができ、歩留まりが0.2%
程度向上した。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、鋼帯のサイズや焼鈍温
度の変更などで過渡的に発生する幅縮み変動の抑制が可
能となる。したがって、鋼帯全長に亘って板幅の精度が
大幅に向上し、鋼帯幅公差外れの発生を防ぐことができ
る。また、トリム代の低減が可能となり歩留りが向上す
る。更にまた、ロール加熱を併用することにより、幅縮
み変動の抑制効果を更にが高めることができ、蛇行等の
発生を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続焼鈍ラインの一例を模式的に示す概要図で
ある。
【図2】ロールクラウンと幅縮みの関係を示すグラフで
ある。
【図3】本発明方法の手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】分割モデルの一例を示す図である。
【図5】本発明の別の方法における幅縮み予測のフロー
チャートである。
【図6】加熱ロールの構造例を示す模式図である。
【図7】モデル通板装置の基本構成を示す模式図であ
る。
【図8】炉出側で測定した幅縮み量の分布を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1、16:鋼帯、2:ペイオフリール、3:加熱帯、
4:均熱帯、5:冷却帯、6:過時効帯、7:冷却帯、
8:テンションリール、9:入側ルーパ、10:出側ル
ーパ、11、15、イ〜オ:ハースロール、12、1
3:ブライドルロール、14:加熱装置、20:加熱ロ
ール、21:ヒータ、23:温度センサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張力を付加した鋼帯を炉内に設けた複数
    のハースロールに巻掛けて搬送しながら熱処理を行う連
    続焼鈍炉において、炉内の鋼帯温度ならびに各ハースロ
    ールの軸方向温度分布を計算にて求め、次いでその軸方
    向温度分布に基づいて各ハースロールのサーマルクラウ
    ン形状を求め、そのサーマルクラウン形状ならびに上記
    鋼帯温度に基づいて炉内での鋼帯の幅縮み量を算出し、
    次いでその幅縮み量が目標値に一致するように張力を制
    御することを特徴とする連続焼鈍炉における幅変動防止
    方法。
  2. 【請求項2】 張力を付加した鋼帯を炉内に設けた複数
    のハースロールに巻掛けて搬送しながら熱処理を行う連
    続焼鈍炉において、上記ハースロールとしてハースロー
    ルの温度を調節する加熱手段を内部に備えたロールを用
    い、炉内の鋼帯温度ならびに各ハースロールの軸方向温
    度分布を計算にて求め、次いでその軸方向温度分布に基
    づいて各ハースロールのサーマルクラウン形状を求め、
    そのサーマルクラウン形状ならびに上記鋼帯温度に基づ
    いて炉内での鋼帯の幅縮み量を算出し、次いでその幅縮
    み量が目標値に一致するように張力ならびにハースロー
    ル温度を制御することを特徴とする連続焼鈍炉における
    幅変動防止方法。
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