JP3596484B2 - 熱間圧延設備および熱間圧延方法 - Google Patents

熱間圧延設備および熱間圧延方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗圧延後に粗圧延材のキャンバを矯正してから加熱装置に搬送し、加熱して仕上圧延する熱間圧延設備およびその設備を用いて熱間圧延する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間で粗圧延をおこなう粗圧延機列と仕上圧延をおこなう熱間仕上圧延機列との間を通過中の粗圧延材は、温度が低下する。特にエッジ部は部分的に温度が低下する。この温度低下を補償する手段として、粗圧延機列と仕上圧延機列との間に粗圧延材をその全幅にわたって加熱する加熱装置やエッジ部を加熱するエッジヒータが実操業で用いられている。
【0003】
これらの粗圧延材の加熱装置は、誘導加熱方式であるため加熱装置内面と粗圧延材との間隙が小さいほど加熱効率がよく、加熱時になるべく加熱装置に近接させて粗圧延材を通過させることが望ましい。しかし、粗圧延材に反り不良がある場合には、加熱装置内部の上面または下面に粗圧延材が衝突し、加熱装置を損傷させる恐れがあった。
【0004】
特許第2792788号公報には、上記のような問題を解決するための熱間圧延設備として、加熱装置の上流側に粗圧延材の反り不良を矯正するためのレベラを設置し、その前後に反り検出器を設けて反りを検出し、レベラを制御することにより粗圧延材の反りを矯正し、加熱装置に対する通板性を向上させる設備が開示されている。
【0005】
また、粗圧延材が加熱装置のパスライン中心からオフセンタして加熱装置内に案内された場合、粗圧延材の温度は幅方向で不均一となる。その結果、粗圧延材にその幅方向に変形抵抗差が生じて、仕上圧延での通板トラブルおよび形状不良を引き起こすことがあった。
【0006】
特開平9−314201号公報には、粗圧延機列と仕上圧延機列との間にレベラおよび加熱装置の入側に粗圧延材のセンタリングを目的としたサイドガイドを設置した圧延装置が開示されている。
【0007】
しかしながら、粗圧延後の粗圧延材(特に先後端部)にはキャンバと呼ばれる水平方向での横曲がりが発生する場合がある。このキャンバは狭幅材であれば大きな問題とはならないが、広幅材では加熱装置の間口幅と材料側面の間隙にあまり余裕がなくなるので、加熱装置の内側部に衝突して装置を破損させる恐れがある。
【0008】
また、狭幅材であっても加熱装置の入側にサイドガイドを設置してセンタリングした場合、粗圧延材にキャンバがあれば、先端部でキャンバによるオフセンタ量△dが生じ、粗圧延材を長手方向全長にわたって加熱装置中心部に送り込むことは不可能となる。したがって、先端部に幅方向不均一加熱による左右非対称温度分布が発生し、仕上圧延での通板性を損なう可能性がある。
【0009】
図1は、オフセンタ量△dを説明するための図で、加熱装置とその入側部の平面図である。粗圧延材1の先端にキャンバが発生しており、サイドガイド9に誘導されて加熱装置6内に入っている状態を示す。加熱装置のセンタラインC1と粗圧延材のキャンバ発生部のセンタラインC2とのズレがオフセンタ量である。図1に示す加熱装置6の出側でのオフセンタ量が△dとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする問題】
本発明の課題は、粗圧延材のキャンバに起因する加熱装置の破損を防止することができ、さらには粗圧延材の幅方向での非対称加熱を防止することのできる熱間圧延設備および熱間圧延方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、粗圧延機列と仕上圧延機列との間に設けた加熱装置に粗圧延材が入る前の段階でキャンバを矯正をする方法を開発するため鋭意研究をおこなった結果、以下の2通りの方法でキャンバ矯正が可能であるとの知見を得た。
【0012】
第1の方法は、加熱装置の入側に粗圧延材を押圧する押圧手段を設け、さらに、この押圧手段の入側直近あるいは入側直近と出側直近の両方にサイドガイドを設け、押圧手段で粗圧延材を上下から押圧することによって、粗圧延材のライン方向への進行は妨げずに圧延ラインと直交する水平方向の移動を抑制するとともに、粗圧延機列の最終スタンド出側で測定されたキャンバ測定値に基づいて、サイドガイドをラインと直交する水平方向に移動制御する方法である。
【0013】
ここで、サイドガイドの移動制御とは、簡便には左右両ガイドをラインセンタから左右対称に移動させること、すなわちサイドガイドの開き幅の変更のみを意味し、より完全なキャンバ矯正を狙う場合には、サイドガイド位置制御の自由度を増す必要から、左右両ガイドをその中心位置の変更も含めて移動させることを意味する。
【0014】
粗圧延材に生じているキャンバを、入側のサイドガイドまたは入側および出側の両サイドガイドで側方から押し曲げて矯正するに際し、押圧手段がラインと直交する水平方向への粗圧延材の移動を抑止する支点になると共に、粗圧延材を上下から押圧することで、粗圧延材の座屈を防止する効果を併せ持つ。
【0015】
更に、押圧手段をレベラとすれば、粗圧延材の反りを矯正する機能も持たせることができる。
キャンバ矯正量が大きい場合には、粗圧延材がサイドガイド内で座屈し易いので、その対策として、サイドガイド内に上下対のピンチロールを設け、このピンチロールで粗圧延材を狭持するのが望ましい。
【0016】
第2の方法は、粗圧延機列最終スタンド出側でキャンバを測定し、その測定値に基づきレベラの開度を左右非対称に制御する方法である。
本発明は上記知見に基づき完成されたもので、その要旨は、以下の通りである。
【0017】
(1)粗圧延機列と仕上圧延機列との間に、粗圧延機で粗圧延された粗圧延材を上下から押圧する押圧手段と、該押圧手段の入側に設けたサイドガイドと、前記押圧手段の下流側に設けた粗圧延材を加熱する加熱装置と、前記サイドガイドの入側に設けたキャンバ測定装置とを備え、前記サイドガイドの位置は前記キャンバ測定装置で測定されたキャンバ測定値に基づいて前記粗圧延材の進行方向と直行する方向に移動制御されることを特徴とする熱間圧延設備。
【0018】
(2)粗圧延材を押圧する前記押圧手段は、粗圧延材の反りを矯正するためのレベラであることを特徴とする前記(1)項に記載の熱間圧延設備。
(3)粗圧延機列と仕上圧延機列との間に、粗圧延機で粗圧延された粗圧延材の反りおよびキャンバを矯正するためのレベラと、該レベラの入側と出側とに設けたサイドガイドと、前記レベラの下流側に設けた粗圧延材の加熱装置と、粗圧延機とレベラとの間に設けたキャンバ測定装置および反り検出器と、前記キャンバ測定装置と反り検出器とでそれぞれ測定されたキャンバと反りとに基づいてレベラの開度を制御するための演算制御装置とを備えることを特徴とする熱間圧延設備。
【0019】
(4)粗圧延機列と仕上圧延機列との間に、粗圧延機で粗圧延された粗圧延材の反りを矯正するためのレベラと、該レベラの入側と出側とに設けたサイドガイドと、前記レベラの下流側に設けた粗圧延材の加熱装置と、粗圧延機列とレベラとの間に設けたキャンバ測定装置および反り検出器と、前記反り検出器で測定された反りに基づいてレベラの開度を制御するための演算制御装置と、前記キャンバ測定装置で測定されたキャンバに基づいて入側と出側に設けた前記サイドガイドの少なくともいずれか一方のサイドガイドの位置を粗圧延材の進行方向と直交する方向に移動制御するための演算制御装置とを備えることを特徴とする熱間圧延設備。
【0020】
(5)入側あるいは出側のサイドガイド内を通過中の粗圧延材を狭持するためのピンチロールを備えることを特徴とする前記3項または(4)項に記載の熱間圧延設備。
【0021】
(6)粗圧延機列で粗圧延材に粗圧延をし、次いで粗圧延材を加熱した後、熱間仕上圧延をおこなう方法であって、粗圧延機列の最終スタンドの出側で粗圧延材のキャンバを測定し、粗圧延材を上下から押圧するとともにサイドガイドに通し、キャンバの測定値に基づいて前記サイドガイドの位置を粗圧延材の進行方向と直交する方向に移動制御することによりキャンバを矯正し、その後、粗圧延材を加熱して熱間仕上圧延をすることを特徴とする熱間圧延方法。
【0022】
(7)粗圧延機列で粗圧延材に粗圧延をし、次いで粗圧延材を加熱した後、熱間仕上圧延をおこなう方法であって、粗圧延機列の最終スタンドの出側で粗圧延材のキャンバと反りとを測定し、粗圧延材をレベラに通し、キャンバと反りの測定値に基づいて前記レベラの開度を制御することによりキャンバと反りとを矯正し、その後、粗圧延材を加熱して熱間仕上圧延をすることを特徴とする熱間圧延方法。
【0023】
(8)粗圧延機列で粗圧延材に粗圧延をし、次いで粗圧延材を加熱した後、熱間仕上圧延をおこなう方法であって、粗圧延機列の最終スタンドの出側で、粗圧延材のキャンバと反りを測定し、粗圧延材をレベラとサイドガイドとに通し、反りの測定値に基づいて前記レベラの開度を制御して反りを矯正するとともに、キャンバの測定値に基づき前記サイドガイドの位置を粗圧延材の進行方向と直交する方向に移動制御することによりキャンバを矯正し、その後、粗圧延材を加熱して熱間仕上圧延をすることを特徴とする熱間圧延方法。
【0024】
【発明の実施形態】
本発明に係る熱間圧延設備および熱間圧延方法の実施の形態を添付図を参照して説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、押圧手段がレベラである場合を例にとる。
【0025】
図2は、本発明の熱間圧延設備の一例を示す模式図である。粗圧延機最終スタンド7と仕上圧延機第一スタンド8との間には、粗圧延材1の反りを矯正するためのレベラ10と、その入側と出側直近とにそれぞれサイドガイド9a、9bが設置され、レベラ10とサイドガイド9a、9bとの間には、粗圧延材を狭持するためのピンチロール15a、15bが設置されている。また、レベラ10の下流側に粗圧延材をその全幅にわたって加熱する加熱装置6aおよび粗圧延材の幅方向エッジを加熱する加熱装置6b(エッジヒータともいう)が設置されており、加熱装置6a、6bの間にはサイドガイド9cが設けられている。また、粗圧延機列最終スタンド出側には、キャンバ測定装置17および反り検出器11が設けられ、更に、キャンバと反りの測定値を入力してレベラの開度を制御するための演算制御装置12が設けられている。
【0026】
連続鋳造鋳片等が粗圧延機列により圧延され、最終スタンド7から出てきた粗圧延材1はサイドガイド9aに誘導されてレベラ10により反りの矯正がおこなわれ、サイドガイド9bを経て加熱装置6aにて粗圧延材の全幅にわたり連続的に加熱され、サイドガイド9cを経てエッジヒータ6bで粗圧延材の両エッジが加熱されて幅方向における温度を均一な状態にして、仕上圧延機列で仕上圧延されストリップとなる。
【0027】
この熱間圧延設備では、粗圧延機列最終スタンド出側に設けたキャンバ測定装置17および反り検出器11により粗圧延材のキャンバ形状、反りが測定され演算制御装置12に入力されてレベラ10のロール開度が制御されキャンバおよび反りが矯正される。キャンバ測定装置17は一般に使用されている形状検出器のような装置でよい。また、反り検出器11も、通常使用されている板厚方向位置検出器のような検出器でよい。
【0028】
図3は、レベラによりキャンバおよび反りを矯正する方法を説明するための模式図である。この例は、矯正ロールを5本(16a〜16e)使用したレベラ10であり、例えば、キャンバの矯正は矯正ロール16bの左右開度に偏差を与えることによりおこない、反りの矯正は矯正ロール16dの開度を調整することによりおこなう。例えば、図3に示すようなキャンバを矯正するには、矯正ロール16bのB側の開度をA側の開度よりも小さくすればよい。
【0029】
図4は、本発明の熱間圧延設備の他の例を示す模式図である。この設備は、キャンバ測定装置17による測定値を入力する演算制御装置13と、キャンバ矯正が可能なサイドガイド9a、9bおよびピンチロール14a、14bとを備えているところが、図2で示した設備と相違している。
【0030】
この設備におけるサイドガイド9a、9bは、粗圧延材を誘導する機能に加え、キャンバを矯正する機能も有している。
図5は、キャンバを矯正する方法を説明するための模式図である。この図は、粗圧延材1がサイドガイド5aを経てレベラ10で反りが矯正され、その出側のサイドガイド5bに進入した状態を示している。図5に示すようにキャンバの矯正が必要な部分がサイドガイドに進入した時、サイドガイド5bを粗圧延材の進行方向に対して水平に直交する方向、すなわち図5の矢印で示す方向にキャンバ量分だけ移動させることによりキャンバを矯正することができる。
【0031】
なお、粗圧延材1がレベラ10の位置でラインセンタに位置している場合には、左右のサイドガイド5bの一方で粗圧延材先端をラインセンタまで押し曲げればほぼキャンバを矯正できる。この場合、図5に示すように、左右のサイドガイドは同じ方向に移動する必要はなく、ラインセンタに対して対称に移動してもよい。すなわち、左右のサイドガイドを、例えば機械的に連動して開閉のみが可能な形態に構成し、左右のサイドガイドの中心をラインセンタに一致させたままで開閉動作をすることによりキャンバを矯正することができる。
【0032】
但し、粗圧延材をレベラ10の位置で常にラインセンタを中心にして通過させることは困難であり、粗圧延材先端がラインセンタに位置するように、サイドガイド5bを移動させてもキャンバを完全に矯正できるとは限らない。また、粗圧延材がレベラの位置でラインセンタを通過していたとしても、キャンバを完全に矯正するためには、粗圧延材先端を一旦元のキャンバとは逆方向にまで曲げ、その後すぐにラインセンタ位置に戻す動作が必要となる場合もある。よって、左右のサイドガイドをその中心位置がラインセンタからずれるように移動可能に構成するのが望ましい。
【0033】
キャンバ矯正は入側サイドガイド5aを移動制御する方法でも実施できる。
図6(a)、(b)は入側サイドガイド5aによるキャンバ矯正方法を示す模式図で、同図(a)は粗圧延材の先端がレベラに達する前のサイドガイドの幅方向位置を制御している状態、同図(b)はサイドガイドを移動制御している状態を示す。図6(a)に示すように、キャンバ測定装置で測定された粗圧延材1のキャンバ形状に基づき、サイドガイド5aの幅方向位置を制御して、粗圧延材1の先端がレベラ10に達する時点でラインセンタに位置するように誘導する。次いで、図6(b)に示すように、粗圧延材1がレベラ10に到達した時点で、サイドガイド5aを図6(b)の矢印の方向に移動させることによってキャンバを矯正することができる。
【0034】
図5、6に示す例ではキャンバが小さい場合に有効であるが、キャンバが大きい場合にはサイドガイドの移動量が大きくなるため、粗圧延材に例えばねじれのような面外変形が生じる。このような場合には、サイドガイド内で粗圧延材を押圧するピンチロールを設けるのがよい。
【0035】
図7は、サイドガイド内の粗圧延材を押圧するピンチロール14a、14bを設けた状態を示す図である。粗圧延材の面外変形は、サイドガイド内で発生するためピンチロールは、サイドガイド5a、5b内に設けるのが好ましい。
【0036】
但し、レベラ10の入側に配したサイドガイド5aの内部に設けたピンチロール14aは、レベラの開度が大きく押圧作用が小さい場合にはサイドガイド5a内でも粗圧延材の表面変形が生じる恐れがあるので必要となるが、レベラの押圧作用が大きい場合は粗圧延材がレベラでしっかり挟持され表面変形が発生しないので特に設けなくともよい。
【0037】
図4に示した設備で、粗圧延を終えた粗圧延材1が粗圧延機列最終スタンド7から搬送されてくると、キャンバ検出器17は粗圧延材のキャンバ形状をトレースして演算制御装置13に、また、粗圧延材が反り検出器11に到達すると、検出器は粗圧延材の反りを検出して演算制御装置12に送る。演算制御装置12は検出された反りを矯正するようにレベラ4の開度を制御し、演算制御装置13は検出されたキャンバ形状を基にこれを矯正するようレベラ前後に設置されたサイドガイド9a、9bを制御し、レベラで反りを、サイドガイドで粗圧延材のキャンバをそれぞれ矯正する。キャンバの矯正量が大きい場合は、ピンチロール14a、14bでサイドガイド内の粗圧延材を狭持することにより、キャンバ矯正時の粗圧延材の面外変形を防止する。
【0038】
本実施形態では、押圧手段としてレベラを用いる場合を示したが、これに限定されるものでなく、粗圧延材を上下から押圧できる手段であればよく、例えば上下対で構成されるピンチロールなどを用いることができる。好ましくはレベラである。
【0039】
本実施形態では、加熱装置として、粗圧延材を幅方向の全体にわたって加熱する加熱装置6aと粗圧延材の幅方向エッジを加熱する加熱装置6bを設けたが、いずれか一方とすることもできる。
【0040】
上記のような熱間圧延設備を用いることにより、粗圧延材は加熱装置6a、6bに案内される以前にキャンバが矯正されるため、加熱装置を損傷させることなく、また加熱ムラが生じることもない。
【0041】
【実施例】
図4に示した熱間圧延設備を用いて熱間圧延をおこない、粗圧延後に反り矯正とキャンバの矯正を実施することを想定した具体例を以下に示す。使用する各装置は下記の通りである。
【0042】
キャンバ測定装置17:CCDカメラによる形状検出器
反り検出器11:レーザー変位計
レベラ10:上3本、下4本の直径400mmの矯正ロールからなる装置
加熱装置6a:ソレノイド式誘導加熱装置
加熱装置6b:誘導加熱装置
ピンチロール:直径200mm、長さ500mm
キャンバ矯正後のキャンバを測定するために加熱装置6aの入側にもキャンバ測定装置を設けた。
【0043】
板幅1150mm、板厚234mmの炭素鋼のスラブを加熱炉で1250℃に加熱し、6スタンドからなる粗圧延機列で圧延して板厚29mm、板幅1142mmの粗圧延材とした。
【0044】
粗圧延機列最終スタンド出側に設けたキャンバ測定装置によりキャンバを測定した結果、先端10mで最大160mmの横ぶれがキャンバとして生じていた。また反り検出器により粗圧延材の反りを検出した結果、先端部に150mmの上反りがあった。
【0045】
先ず、反りおよびキャンバをレベラの左右の開度制御によって矯正することとした。レベラは下4本の矯正ロールを固定し、上3本の矯正ロールを一体として、入口側と出口側とを独立に、また幅方向右側と左側とを独立に開閉動作させる方式とした。
【0046】
反りおよびキャンバ測定値から演算した結果、反りの修正にはレベラの開度を入口で(板厚−16mm)から(板厚−24mm)の間、すなわち13mmから5mmの間に設定し、出口で(板厚−6mm)すなわち23mmとする必要があった。一方、キャンバの矯正には粗圧延材先端部で左右の開度差を入口で8mmとし、出口で2.4mmとする必要があった。そこで、キャンバ形状の内周側のレベラ開度を入口で5mm、出口で21.8mmとし、外周側の開度を入口で13mm、出口で24.2mmに初期設定し、粗圧延材の先端通過後、キャンバが次第に緩やかになるのに応じてレベラの開度差も漸減させ、先端10m以降の中間部では左右の開度を共に入口で9mm、出口で23mmに合わせた。このような制御の結果、残存した反りは18mm、残存したキャンバは25mmとなった。
【0047】
次に、先端部に同じ反りとキャンバが生じた粗圧延材に対し、反りはレベラの開度制御でおこない、キャンバはサイドガイド9a、9bを粗圧延の進行方向と直交する方向に移動制御することによりおこなうこととした。レベラの開度を入口で9mm、出口で23mmに設定した。また、レベラ入側サイドガイドは初期状態では160mm横ぶれした粗圧延材を案内するために、(板幅+320mm)に4mmの余裕を加えた幅、すなわち1466mmの開き幅とし、その後キャンバの減少にともない(板幅+4mm)すなわち1146mmまで漸減させた。その間、左右両ガイドの中央位置は常にラインセンタと一致させた。出側ガイドは終始1146mmの開き幅とし、初期状態では左右両ガイドの中央位置をキャンバ発生方向に160mmずらした。粗圧延材の先端進入後、両ガイド中央位置を一旦キャンバとは逆方向に20mmまで移動させた後、すぐにラインセンタと一致する位置まで戻した。その結果、矯正後に残存した反りは18mmとなり、残存キャンバはわずかなS字形状となったものの、先端10mmでの最大横ぶれ量は20mmに軽減された。
【0048】
上記の反りおよびキャンバ矯正をおこなった結果、粗圧延材が加熱装置6a、6bの内面に衝突することはなく、且つ、幅方向にほぼ均一に加熱され、ついで7スタンドからなる仕上圧延機列により圧延して形状精度の良い熱延鋼帯を製造することができた。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、キャンバ矯正効果により粗圧延材の加熱装置への衝突が防止でき、また粗圧延を幅方向に均一に加熱することができ、幅方向の温度の不均一に基づく仕上圧延での通板不良が抑制され圧延歩留が向上するという優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗圧延材のキャンバから発生する加熱装置内でのオフセンタを示す模式図である。
【図2】本発明の熱間圧延設備の一例を示す模式図である。
【図3】キャンバおよび反りの矯正方法を説明するための模式図である。
【図4】本発明の熱間圧延設備の他の例を示す模式図である。
【図5】出側サイドガイドによりキャンバを矯正する方法を説明するための模式図である。
【図6】サイドガイドおよびピンチロールを用いてキャンバを矯正する方法を説明するための模式図である。
【図7】入側サイドガイドによりキャンバを矯正する方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1:粗圧延材
7:粗圧延機列最終スタンド
6a、6b:加熱装置
8:仕上圧延機列第1スタンド
5a、5b、9a、9b、9c:サイドガイド
10:レベラ
11:反り検出器
12、13:演算制御装置
14a、14b、15a、15b:ピンチロール
17:キャンバ測定装置

Claims (8)

  1. 粗圧延機列と仕上圧延機列との間に、粗圧延機で粗圧延された粗圧延材を上下から押圧する押圧手段と、該押圧手段の入側に設けたサイドガイドと、前記押圧手段の下流側に設けた粗圧延材を加熱する加熱装置と、前記サイドガイドの入側に設けたキャンバ測定装置とを備え、前記サイドガイドの位置は前記キャンバ測定装置で測定されたキャンバ測定値に基づいて前記粗圧延材の進行方向と直行する方向に移動制御されることを特徴とする熱間圧延設備。
  2. 粗圧延材を押圧する前記押圧手段が、粗圧延材の反りを矯正するためのレベラであることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延設備。
  3. 粗圧延機列と仕上圧延機列との間に、粗圧延機で粗圧延された粗圧延材の反りおよびキャンバを矯正するためのレベラと、該レベラの入側と出側とに設けたサイドガイドと、前記レベラの下流側に設けた粗圧延材の加熱装置と、粗圧延機とレベラとの間に設けたキャンバ測定装置および反り検出器と、前記キャンバ測定装置と反り検出器とでそれぞれ測定されたキャンバと反りとに基づいてレベラの開度を制御するための演算制御装置とを備えることを特徴とする熱間圧延設備。
  4. 粗圧延機列と仕上圧延機列との間に、粗圧延機で粗圧延された粗圧延材の反りを矯正するためのレベラと、該レベラの入側と出側とに設けたサイドガイドと、前記レベラの下流側に設けた粗圧延材の加熱装置と、粗圧延機列とレベラとの間に設けたキャンバ測定装置および反り検出器と、前記反り検出器で測定された反りに基づいてレベラの開度を制御するための演算制御装置と、前記キャンバ測定装置で測定されたキャンバに基づいて入側と出側に設けた前記サイドガイドの少なくともいずれか一方のサイドガイドの位置を粗圧延材の進行方向と直交する方向に移動制御するための演算制御装置とを備えることを特徴とする熱間圧延設備。
  5. 入側あるいは出側のサイドガイド内を通過中の粗圧延材を狭持するためのピンチロールを備えることを特徴とする請求項3または4に記載の熱間圧延設備。
  6. 粗圧延機列で粗圧延材に粗圧延をし、次いで粗圧延材を加熱した後、熱間仕上圧延をおこなう方法であって、粗圧延機列の最終スタンドの出側で粗圧延材のキャンバを測定し、粗圧延材を上下から押圧するとともにサイドガイドに通し、キャンバの測定値に基づいて前記サイドガイドの位置を粗圧延材の進行方向と直交する方向に移動制御することによりキャンバを矯正し、その後、粗圧延材を加熱して熱間仕上圧延をすることを特徴とする熱間圧延方法。
  7. 粗圧延機列で粗圧延材に粗圧延をし、次いで粗圧延材を加熱した後、熱間仕上圧延をおこなう方法であって、粗圧延機列の最終スタンドの出側で粗圧延材のキャンバと反りとを測定し、粗圧延材をレベラに通し、キャンバと反りの測定値に基づいて前記レベラの開度を制御することによりキャンバと反りとを矯正し、その後、粗圧延材を加熱して熱間仕上圧延をすることを特徴とする熱間圧延方法。
  8. 粗圧延機列で粗圧延材に粗圧延をし、次いで粗圧延材を加熱した後、熱間仕上圧延をおこなう方法であって、粗圧延機列の最終スタンドの出側で、粗圧延材のキャンバと反りを測定し、粗圧延材をレベラとサイドガイドとに通し、反りの測定値に基づいて前記レベラの開度を制御して反りを矯正するとともに、キャンバの測定値に基づき前記サイドガイドの位置を粗圧延材の進行方向と直交する方向に移動制御することによりキャンバを矯正し、その後、粗圧延材を加熱して熱間仕上圧延をすることを特徴とする熱間圧延方法。
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