JP4395886B2 - 水性塗料組成物、抗菌性部材及び塗膜形成方法 - Google Patents

水性塗料組成物、抗菌性部材及び塗膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料組成物に関わるものであり、詳しくは優れた抗菌作用が長期に渡り効果的に発現し、さらに湿度や光に対する優れた耐変退色性と耐候性を併せ持つ水性塗料組成物、該組成物により形成した塗膜で一部または全体が覆われた被覆物、および、該被覆物の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、構造物や建造物の表面を被覆する塗膜には、基材を外気から遮断し保護する目的や着色等により基材が本来持つものとは異なる意匠を付与する目的以外に、さまざまな機能を付与することが提案され、実用化されている。戸建・集合住宅の屋内環境では、省エネルギー対応の観点から内空間の気密性が大きく向上し、その結果、熱・湿気の逃げ場が無く、細菌などの微生物が繁殖しやすい環境になりやすく、アレルギー性疾患や感染症の遠因となっている。病院ではメシチレン耐性ブドウ球菌やバンコマイシン耐性腸球菌などの耐性菌が猛威を振るい院内感染が問題視されるようになってきた。学校や老健施設の給食施設、食品工場などでも、黄色ブドウ球菌や大腸菌などに起因した食中毒が毎年発生しており、一向に減少する傾向にない。構造物や建造物の内装空間における微生物に対する安全性は年々重要になっている。
【0003】
抗菌性を発現する水性塗料組成物に関する従来技術としては、以下のものが挙げられる。
▲1▼ 微生物繁殖に効果がある有機薬剤類を配合した塗料
▲2▼ 銀イオン担持ゼオライトを配合した塗料
▲3▼ 銀イオン担持無機系抗菌剤と変色防止剤を配合した塗料
▲4▼ 銀イオン担持光触媒と結晶性層状リン酸化合物を配合した塗料
▲5▼ 樹脂成分と水性コロイダルシリカと抗菌剤を配合した塗料
【0004】
従来技術▲1▼に関しては、有機薬剤としてフェノール系薬剤、ブロム系薬剤、ヨウド系薬剤などを含有した塗料があるが、塗膜形成後、これら有機薬剤が溶出しつつ抗菌性が発揮されるため、その持続性に課題がある。
【0005】
従来技術▲2▼に関しては、銀イオン担持ゼオライトを配合した塗料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では1μm程度のゼオライトを用いており、ゼオライトは塗膜中に均一に分散していると考えられる。また、ゼオライト添加量も塗料中に1〜5%とやや多めであり、塗膜が変色する可能性が考えられる。また、銀イオン担持ゼオライトを外気と接する状態に露出させるために、ポーラスな塗膜構造となり、そこに汚れが充填され取れなくなったり、清掃時に抗菌性を発揮する成分が溶出する可能性が考えられる。
【0006】
従来技術▲3▼に関しては、銀イオン担持無機系抗菌剤と変色防止剤を配合した塗料が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この場合も、変色は抑制されているものの、無機系抗菌剤の添加量は比較的多く、また変色防止剤の添加は室内用塗料としては好ましくない。
【0007】
従来技術▲4▼に関しては、従来技術▲2▼と同様の理由で、抗菌性能が劣化する。また、塗膜中での抗菌剤である銀担持酸化チタンの分散、分布状態に別段工夫がなされていないため、酸化チタンの光触媒反応によって、徐々に有機樹脂が分解されることによる塗膜自体の劣化も危惧される。
【0008】
従来技術▲5▼に関しては、エチレン性不飽和モノマーとメルカプト基および親水性極性基含有ウレタンプレポリマーとをラジカル重合によって結合した自己乳化性共重合体を含有する樹脂成分及び水性コロイダルシリカからなる水性無機塗料に抗菌剤を添加した塗料が開示されている(例えば、特許文献3参照)。本公報に記載されている塗料はアクリル−ウレタンの共重合体であり、コロイダルシリカを多く含有するものである。このような塗料では、塗膜の組成は傾斜しておらず均一である。従って抗菌性を得るために、多量の抗菌剤を添加する必要があり、塗膜の変色などの課題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開昭60−202162号公報
【特許文献2】
特開平6−14979号公報
【特許文献3】
特開2001−40272号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術における課題を解決するためになされたもので、その課題は、所望の抗菌活性をより少ない抗菌剤添加量で長期に渡って発現し、耐変色性および耐候性に優れる塗膜を一回の塗布にて形成でき、さらに着色顔料などにより基材が本来持つ意匠とは異なる意匠を付与できる水性塗料組成物、および抗菌部材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決すべく、(a)アクリル系樹脂エマルジョンと、(b)シリカ微粒子と、(c)抗菌剤粒子と、(d)水と、(e)顔料と、を少なくとも含んだ水性塗料組成物であって、前記(a)成分中に分散した粒子の平均粒子径が145nm以上であり、(b)成分の平均粒子径が50nm以下であり、(c)成分の平均粒子径が50nm以下であり、かつ(b)成分が全固形分の10〜70重量%であることを特徴とする水性塗料組成物を提供する。
【0012】
また、前記水性塗料組成物を基材上に塗布し、乾燥して形成した塗膜で被覆された部材であって、(b)成分および(c)成分が外気に接する塗膜表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有する塗膜で被覆された抗菌性部材を提供する。
【0013】
本発明に係る水性塗料組成物を基材に塗布して得られた塗膜構造を図1に模式的に示す。本発明では、(a)、(b)、(c)各成分の粒径を最適化することで、前記水性塗料組成物を塗布した後の乾燥過程で(b)成分、および(c)成分が表面側で多くなるような濃度勾配が達成される。
【0014】
(c)成分が外気に接する塗膜表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有するため、塗料構成材料が均一に分布した塗膜に比べて、所望の抗菌性能をより少ない抗菌剤配合量で得ることができる。その結果、銀などの抗菌金属に起因した変色も抑制できる。
【0015】
逆に、基材と密着する下層部分には(a)成分が多く分布するように濃度勾配を有するため、密着性に優れた塗膜を形成できる。
【0016】
このような傾斜組成を達成するのに、2液を用いることなく1液で施工できるため、塗装工程は簡便である。
【0017】
また、(c)成分とともに(b)成分も同様に分布するため、(c)成分が抗菌金属担持光触媒の場合でも、樹脂との直接的な接触を防ぎ、樹脂が光触媒によって酸化分解されること無く、優れた耐候性を有する抗菌性塗膜を得ることができる。さらに、(b)成分や(c)成分のような無機微粒子材料が塗膜表面近傍に優先的に傾斜充填するため親水撥油性が発揮され、水中でのオレイン酸の接触角は60°を上回り、組成によっては100°を上回る。このような親水撥油表面は油汚れが落としやすい易洗浄性表面になる。また、基材の種類に依らず、帯電半減期は50秒以下に短くすることができ、その結果、抗菌性を効果的に発現するだけでなく、ホコリが付着しにくく、油汚れが落としやすい表面をもつ部材を提供することが可能となる。
【0018】
本発明の塗料から得られる塗膜は、(c)成分が塗膜表層に多く分布するように濃度勾配を有するため、(c)成分の添加量が少なくても、充分な抗菌性を発揮する。具体的には、大腸菌を用いたJIS Z 2801記載の試験で接触時間3時間後に生菌数が0となる。また、銀による着色も小さい。具体的には、相対湿度100%、紫外線強度1mW/cm2 の環境下に1ヶ月放置しても変色色差は2に達することはない。
【0019】
本発明において、(b)成分の固形分量が全固形分の10〜70重量%である。このような水性塗料組成物を塗布して形成した塗膜では、外気に接する塗膜表層が、親水性を示す(b)成分で覆われ、簡単な拭き掃除で抗菌性発現を妨害する汚れの蓄積を防ぐことができる。
【0020】
本発明の好ましい態様においては、(a)成分の固形分量が全固形分の10重量%以上である。(a)成分の固形分量が全固形分の10重量%以上であれば、水性エマルジョンの硬化により、基材もしくは下塗り材との密着性が得られ、耐久性に優れた塗膜を得ることができる。より好ましい(a)成分の固形分量は全固形分の20重量%以上である。
【0021】
本発明の好ましい態様においては、(c)成分が抗菌金属担持光触媒である。光の当たる場所では、担持した抗菌金属の作用と、担体の光触媒作用が相乗的に作用して、優れた抗菌性を持続的に発揮することが可能となる。
【0022】
本発明の好ましい態様においては、(c)成分が抗菌金属担持光触媒であって、その固形分が(b)成分に対して、1〜50重量%であるようにする。この範囲であれば、塗膜を形成した時に(b)成分、(c)成分が塗膜表面近傍に多くなるような濃度勾配を持たせることが出来、(c)成分による抗菌性が充分得られ、かつ(c)成分と(a)成分の直接の接触を防ぐため、光触媒機能を有するにもかかわらず、十分な耐候性が得られるのである。
【0023】
本発明の好ましい態様においては、(c)成分の抗菌金属担持光触媒に用いる抗菌金属が、銀、銅のいずれかを1種類以上含む。これらの金属類は優れた抗菌性を発揮すると共に、光触媒に担持することで抗菌性能の持続性、光触媒機能の向上に寄与する。
【0024】
本発明の好ましい態様においては、(c)成分が抗菌金属光触媒であって、抗菌金属の光触媒に対する担持率が0.1〜10重量%であるようにする。塗膜表面近傍に抗菌剤成分が多くなるように濃度勾配をもたせることで、塗膜の変色を抑制しつつ所望の抗菌性を発揮できる。
【0025】
本発明の好ましい態様においては、(e)成分の平均粒径が100nm以上になるようにする。その結果、(e)成分は塗膜と基材との界面側に多く分布するように濃度勾配を有するため、密着性の向上に貢献する。
【0026】
本発明の好ましい態様においては、(b)成分と(c)成分の固形分の合計の(e)成分の固形分に対する比率が0.4以上であるようにする。さらに好ましくは0.6以上であるようにする。そうすることで、表面への(e)成分の露出を抑制でき、(b)成分と(c)成分が塗膜表面に多く存在するようにさせることができる。
【0027】
本発明の好ましい態様においては、水性塗料組成物中の固形分濃度が20重量%以上であるようにする。さらに好ましくは35重量%以上になるようにする。そうすることで、通常の建築物の塗装工程である、下塗り1回、上塗り2回の作業で、膜厚1μm〜200μmで十分な隠蔽性を有する塗膜を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に基づき、実施の形態を説明する。
まず、以下に本発明で用いる語について説明する。
【0029】
本発明において、(a)成分の「アクリル系樹脂エマルジョン」は、ビニル系単量体としてアルキル(メタ)アクリレート類を主成分とするビニル共重合体であり、さらに、ビニル系単量体としてクロトン酸アルキル類、不飽和二塩基酸ジアルキル類、モノカルボン酸ビニルエステル類もしくは芳香族ビニル系単量体類の如き、各種の非官能性の単量体類、3級アミノ基、酸基、中和された酸基、アミド基、シアノ基、水酸基、エポキシ基、加水分解性シリル基の如き官能基を有する各種のビニル系単量体、さらに1分子あたり2個以上の重合性二重結合を有する多官能のビニル系単量体類を使用することができる。
【0030】
更に、上記アクリル系樹脂エマルジョンに架橋剤を加えた、架橋性タイプのもの、自己架橋タイプのものや、非架橋性タイプのもの等の各種乾燥(硬化)タイプのもの、一つのエマルジョン粒子中にシェル部と芯部からなるコアシェルタイプのもの、多段乳化重合法によりエマルジョン芯部より殻部へ段階的にモノマー組成を変えたタイプを利用することができる。
【0031】
本発明において(b)成分の「シリカ微粒子」には、ガラス状シリカ、石英、無定型シリカ、シリカゲル、シリカ粉末、シリカゾルや、シリカ表面をアルミ等で被覆した各種被覆シリカ微粒子、及び樹脂粒子や金属酸化物ゾル等の表面をシリカで被覆したシリカ被覆粒子、球状シリカ微粒子、棒状シリカ微粒子、球状シリカが連結したネックレス状シリカ微粒子、等が利用できる。これらの材料は、日産化学工業(株)製のスノーテックスのような市販品を用いても良いし、ゾルゲル法に代表される各種合成方法に従って調製した物を用いることができる。
【0032】
本発明において(c)成分の「抗菌剤粒子」には、抗菌金属担持ゼオライト、抗菌金属担持アパタイトなど平均粒子径が50nm以下であり、前記アクリル系樹脂エマルジョンやシリカ微粒子と混合して、分散性が悪化しない抗菌剤であれば、任意に利用できる。各種合成法に従い調製した材料以外に市販品を利用することもできる。例えば、アルミナシリカに銀を担持した触媒化成工業(株)製のアトミーボールUAなどがこれに該当する。なお、抗菌金属とは、銀、銅のように、イオンや酸化物の状態で抗菌性を発揮し得る金属種のことを示す。
【0033】
本発明において(c)成分として抗菌金属担持光触媒粒子を利用することができる。抗菌金属は単独あるいは2種類以上を組み合わせて利用することができる。
【0034】
抗菌金属担持光触媒は触媒化成工業(株)製のアトミーボールLのような、平均粒子径50nm以下の市販商品を用いることができるし、ゾルゲル法に代表される各種合成方法に従って調製したものを用いることもできる。
【0035】
前記光触媒には、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも一種を利用することができる。特に光触媒活性が高いアナターゼ型酸化チタンが好ましい。酸化チタンは石原産業(株)、昭和電工(株)、多木化学(株)の製品などの市販品を用いることができるし、調製した物を用いることもできる。近年、可視光に応答する酸化チタン光触媒が、住友化学(株)、豊田中央研究所(株)、エコデバイス(株)、昭和電工(株)、石原産業(株)などより発表されているが、これらの材料も平均粒子径を50nm以下に微細化できれば、利用可能である。このような光触媒材料への抗菌金属の担持には光触媒活性を利用した光還元電着法、含浸法などを利用することができる。
【0036】
本発明の水性エマルジョン塗料においては、シリカ微粒子と併用することのできる(e)成分「顔料」として、水性エマルジョン塗料に一般的に用いられている無機着色顔料、有機着色顔料、無機体質顔料が利用できる。無機着色顔料としては、酸化チタン白、チタンイエロー、スピネルグリーン、亜鉛華、ベンガラ、酸化クロム、コバルトブルー、鉄黒などの金属酸化物系、アルミナホワイト、黄色酸化鉄などの金属水酸化物系、紺青などのフェロシアン化合物系、黄鉛、ジンクロメート、モリブデンレッドなどのクロム酸鉛系、硫化亜鉛、朱、カドミウムイエロー、カドミウムレッドなどの硫化物、セレン化合物系、バライト、沈降性硫酸バリウムなどの硫酸塩系、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウムなどの炭酸塩系、含水珪酸塩、クレー、群青などの珪酸塩系、カーボンブラックなどの炭素系、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉末などの金属粉系、雲母・酸化チタン系などのパール顔料系などが挙げられる。また、有機顔料としてはアントラキノン系、キナクドリン系、ペリレン系、イソインドリン系等のキノン系顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。また、無機体質顔料としては、酸化チタンウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マイカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カリウム、珪砂、珪藻土、カオリン、クレー、セピオライト、陶土、炭酸バリウム等が好適に用いられる。これらの顔料はそれぞれ単独で使用しても、或いは2種以上を併用してもよく、例えば各種着色顔料と各種体質顔料とを併用することも可能である。
【0037】
水性エマルジョン塗料中でのこれらの顔料の配合量については、(b)成分「シリカ微粒子」、(c)成分「抗菌剤粒子」、(e)成分「顔料」を合計質量と全塗料固形分質量の比(PWC)が30〜90、好ましくは40〜80となるように配合することが好ましい。
【0038】
ここで、PWCとはPigment Weight Concentration (顔料質量濃度)のことであり、下記の式により算出される。
PWC=[(含有顔料質量%)/(全塗料固形分質量%)]×100
PWCが30未満である場合には、抗菌性が十分に発揮されず、汚れの清掃性も悪化する。逆に90を越えると成膜性が低下し、塗膜に割れ、剥離等が発生する傾向があるので好ましくない。
【0039】
本発明の水性塗料組成物において、(b)成分「シリカ微粒子」と(c)成分「抗菌剤粒子」の合計配合量はその他の顔料との合計配合量の10〜85質量%を占めることが好ましい。配合量が合計配合量の10質量%未満である場合には耐候性や抗菌性が十分には発揮されない。逆に配合量が合計配合量の85質量%を越える場合には成膜性が低下し、塗膜に割れ、剥離等が発生する傾向があるので好ましくない。
【0040】
本発明の水性塗料組成物には一般に防かび剤などに用いられる有機薬剤、たとえばジンクピリチオンやイミダゾール系薬剤、チアゾールやイソチアゾール系薬剤を添加しても良い。
【0041】
本発明の水性エマルジョン塗料は、以上に説明したアクリル樹脂系エマルジョン、シリカ微粒子、抗菌剤粒子、水、及び顔料を必須成分として含有し、その上に、必要に応じて、メタノール、エタノール、メチルセロソルブ、エチレングリコール等の各種親水性有機溶剤、中和剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、造膜助剤、防腐剤、凍結防止剤、造膜助剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有することもできる。しかし、塗料に関しては、近年、作業環境、周辺への影響、臭いなどの観点から、溶剤系塗料よりも水系塗料(水性塗料)を用いる傾向が高まりつつある。つまり、造膜助剤などの溶剤、特に揮発性有機溶剤を含有しないことが好ましい。
【0042】
本発明の水性塗料組成物の混合、分散処理には、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、羽根式攪拌機、マグネチックスターラー、高速分散機、乳化機、自転公転プロペラレス混和機などを用いることが出来る。
【0043】
本発明の塗料組成物で被覆可能な基材としては、金属、プラスチック、ガラス、タイル、ホーロー、陶磁器、木材、セメント、目地、コンクリート、窯業系無機質板、石膏ボード、または、それらの複合体、それらの積層体、それらの塗装体、それらの表面に有機または無機の皮膜やフィルムを有するもの等である。窯業系無機質板とは、繊維強化セメント板、珪酸カルシウム板、スレート板、パーライトセメント板、軽量起泡コンクリート(ALC)、ガラス繊維強化コンクリート(GRC)、窯業系サイディング等の基材であり、特に限定されない。プラスチック基材とは、繊維強化プラスチック、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリプロピレン(PP)、アクリルブタジエンスチレン共重合体樹脂(ABS)樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の成形体およびフィルム状にしたものが挙げられ、特に限定されない。塗装体に関しては、有機被膜としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、メタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂等の被膜が挙げられ、無機被膜としては、アルカリシリケート系、りん酸系、ほう酸系等の被膜が挙げられるが、特に限定されない。
【0044】
本発明の塗料組成物を塗布する前に、適宜、各種基材に適した下塗り材を塗装することも可能である。塗膜に接して下塗り材によって形成されるアンダーコート層としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フタル酸樹脂、アルキド樹脂、シリコンアルキド樹脂などの有機樹脂系塗膜に加えて無機系塗膜も用いることができる。
【0045】
本発明の塗料組成物は抗菌性が期待される物品に適用される。このような物品としては、建築物や構造物や車輌の外装および内装などが挙げられる。より具体的には、屋根材、瓦、カラートタン、カラー鉄板、窯業系建材、サイディング材、セメント壁、アルミサイディング、カーテンウォール、塗装鋼板、石材、ALC、タイル、ガラスブロック、サッシ、ビルサッシ、網戸、雨戸、門扉、窓枠、ベランダ、ベランダ手すり、屋根樋、エアコン室外機、店舗看板、サイン、広告塔、冷蔵・冷凍ショーケース、シャッタ−、屋外ベンチ、自動販売機、プラント外壁、プラント内壁、石油貯蔵タンク、テント、キッチン設備部材、浴室設備部材、陶磁器、浴槽、洗面台、台所用品、食器乾燥器、流し、キッチンフ−ド、換気扇、などが挙げられる。
【0046】
本発明による抗菌性部材は、基材の表面に本発明の塗料組成物が塗布され、その後乾燥または硬化されて塗膜を形成されたものである。
【0047】
ここで塗料組成物を塗布する手段はとくに限定されず、刷毛塗り、スポンジ塗り、ロールコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティングなどの方法が挙げられる。
【0048】
ここで塗膜の乾燥または硬化は、1〜80℃までの常温乾燥、強制乾燥、加熱、紫外線照射等によって実施することができる。
【0049】
また、本発明の塗料組成物が適用される基材表面は清浄であることが好ましい。特に建築物の内壁や外壁等、既設の基材に塗布する場合には、予め洗浄剤の使用など、公知の方法にて洗浄することが望ましい。
【0050】
平均粒子径とは、MALVERN社のZETASIZER 3000HS を用いて光子相関分光法(PCS)により測定した体積平均粒子径である。
【0051】
塗膜の基材密着部分から外気に接する表層部分までの構造・組成解析は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡による直接観察、塗膜断面のエネルギー拡散X線(EDX)分析あるいはX線マイクロアナリシス(EPMA)分析、または表面からの深さ方向の組成分析として、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、二次イオン質量分析法(SIMS)などの方法を利用することができる。また塗膜表面から機械的、多段階的に削り取った成分の組成分析、観察を行なっても良い。
【0052】
本発明に係る水性塗料組成物は、50nm以下の(b)成分「シリカ微粒子」、(c)成分「抗菌剤粒子」の小粒子径成分と、100nmよりも大きな(a)成分「アクリル系樹脂エマルジョン」、(e)成分「顔料」の大粒子径成分と(d)成分「水」で構成される。水分量はTG−DTA等の熱分析にて評価ができる。小粒径成分と大粒径成分は、孔径50nmから100nmのフィルターを用いて分離でき各種評価法を用いて定性、定量が可能である。例えば光子相関分光法などにより粒子径の情報が得られる。分離後の再分散が困難な場合は走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡のような直接観察によって用いた材料の粒子径評価を実施することもできる。蛍光X線分析などによれば組成の解析ができる。
【0053】
本発明に係る抗菌金属担持光触媒の抗菌金属担持率は、担体である光触媒の量に対する抗菌金属の担持量の割合を示すものであって、分離した小粒径成分を乾燥させ、蛍光X線分析や酸やアルカリに溶解して原子吸光分析やICP発光分析にて定量、評価できる。
【0054】
塗膜の厚さは走査型電子顕微鏡による断面観察で測定できる。
【0055】
帯電半減期は、気温25℃、相対湿度20%に調整された環境下で、シシド静電気(株)製STATIC HONESTMETERを用いて測定した。印加電圧10kVとし、塗膜表面が飽和帯電電位に達した後に、帯電電位がその1/2まで減衰するのに必要とした時間である。
【0056】
紫外線強度の測定は、MINOLTA(株)製紫外線強度計UM-10(受光部UM-360)で計測した。
【0057】
高湿度、紫外線照射環境下に放置した後の塗膜の変色色差は下記の式に従って算出する。
色差△E*={(L* 1L* 02+(a* 1a* 02+(b* 1b* 021/2
ここで、(L*,a*,b*):JIS Z 8729記載のL*a*b*表色系、(L* 0,a* 0,b* 0):放置前のサンプル表面の色値、(L* 1,a* 1,b* 1):放置後のサンプル表面の色値である。尚、色値測定はMINOLTA(株)製分光測色計CM-3700dにて測定した。
【0058】
塗膜の抗菌性評価は、基本的にJIS Z 2801に記載の方法に従って実施した。ただし、菌の塗装面への接触時間は、任意に変化させた。
【0059】
<銀担持酸化チタンの作製>
表1に記載の条件に従って、酸化チタン分散液に硝酸銀を溶解し、紫外線照射を行なって酸化チタン表面に銀を光電着した。
【0060】
【表1】
Figure 0004395886
【0061】
表2に用いた市販抗菌剤を記載する。
【0062】
【表2】
Figure 0004395886
【0063】
表1および表2に記載の平均粒子径は、MALVERN社のZETASIZER3000HS を用いて光子相関分光法(PCS)により測定した体積平均粒子径である。
【0064】
<塗料組成物>
実施例1
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)9重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)29.98重量部、表1記載の抗菌剤A(銀担持酸化チタン:平均粒子径35nm)0.2重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)29重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)20重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)8重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0065】
実施例2
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)10重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)29.95重量部、表2記載の抗菌剤C(A社銀担持酸化チタン:平均粒子径3.5nm)0.05重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)24重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)20重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)10重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)6重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0066】
実施例3
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)8重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)29.64重量部、表2記載の抗菌剤D(A社銀担持酸化チタン:平均粒子径13.8nm)0.06重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)29重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)19.6重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)9.6重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4.1重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0067】
実施例4
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)10重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)29.965重量部、表2記載の抗菌剤E(A社銀担持酸化チタン:平均粒子径15.8nm)0.035重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)23重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)24重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)9重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0068】
実施例5
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)8.2重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)10重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)20重量部、表2記載の抗菌剤G(C社銀担持酸化チタン:平均粒子径32.1nm)0.2重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)28重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)20.1重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)9.6重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4.1重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0069】
実施例6
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスXL)8重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)10重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)20重量部、表2記載の抗菌剤H(C社銅担持酸化チタン:平均粒子径30.8nm)0.2重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)28重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)21.6重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)9.6重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4.1重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のCuO濃度は11.25ppmであった。
【0070】
比較例1
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)9重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)29.98重量部、表1記載の抗菌剤B(銀担持酸化チタン:平均粒子径153.6nm)0.2重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)29重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)20重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)8重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0071】
比較例2
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)10重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)10重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)20重量部、表2記載の抗菌剤F(銀担持ゼオライト:平均粒子径458.3nm)0.2重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)26重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)20.3重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)9.6重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4.1重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0072】
比較例3
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)9重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックス50)29.98重量部、表1記載の抗菌剤A(銀担持酸化チタン:平均粒子径35nm)0.2重量部、アクリル系エマルジョン(日本エヌエスシー株式会社製、商品名 ヨドゾールAD76D、平均粒子径 130nm)29重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)20重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)8重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。本塗料組成物中のAg2O濃度は11.25ppmであった。
【0073】
比較例4
市販の抗菌塗料を比較例4とした。
【0074】
参考例1(SiO2 分布測定用)
コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスZL)9.6重量部、コロイダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名スノーテックスS)32.9重量部、アクリル系エマルジョン(大日本インキ工業株式会社製、商品名VF−1040、平均粒子径 150nm)23.2重量部、着色顔料(大日精化工業株式会社製、商品名MFカラーMF5765)19.6重量部、体質顔料(日本タルク株式会社、商品名 P−3)10.6重量部、体質顔料(大塚化学株式会社製、商品名 MTW−500)4.1重量部(以上固形分で表示)、の塗料組成物を調整した。このときの水分量は固形分の合計100重量部に対して127重量部であった。
【0075】
<基材への塗布方法>
50mm×50mmに裁断したポリカーボネイト板(JIS K 6735に準拠したもの)に微弾性下塗り剤(ジャパンハイドロテクトコーティングス、商品名RP11)をローラー塗布し、室温で24時間乾燥させた。
続いて、前記で調製した実施例1の塗料組成物をローラー塗りした。
実施例2〜6および、比較例1〜3、参考例1の塗料組成物についても、本塗布方法にしたがい塗布を行った。
最後に、上記被塗装物を室温で7日間乾燥させて試験片1から9を得た。
また市販の抗菌塗料(比較例4)についても同様に塗布し、試験片10を得た。
【0076】
試験片の番号と実施例,比較例、参考例は以下のように対応する。
試験片1: 実施例1に記載の塗料組成物を塗布
試験片2: 実施例2に記載の塗料組成物を塗布
試験片3: 実施例3に記載の塗料組成物を塗布
試験片4: 実施例4に記載の塗料組成物を塗布
試験片5: 実施例5に記載の塗料組成物を塗布
試験片6: 実施例6に記載の塗料組成物を塗布
試験片7: 比較例1に記載の塗料組成物を塗布
試験片8: 比較例2に記載の塗料組成物を塗布
試験片9: 比較例3に記載の塗料組成物を塗布
試験片10:比較例4に記載の市販の抗菌塗料を塗布
試験片11:参考例1に記載の塗料組成物を塗布
【0077】
<評価▲1▼ 抗菌性能>
JIS Z 2801記載の抗菌性試験方法に従い、菌種に大腸菌を用いて各試験片の抗菌性能の評価を行なった。表3に抗菌試験結果をまとめる。なお、表3に記載の「判定」は抗菌活性Rに依る。R<2を判定×、R≧2を判定○とした。
【0078】
抗菌活性値Rは24時間接触後の非抗菌試験片に対する各試験片の生菌数の減少桁数で表す。(JIS Z 2801記載)
R=Log10(B24/C24)
B24: 非抗菌試験片の24時間後の生菌数
C24: 各試験片の24時間後の生菌数
【0079】
表3において、抗菌速度kは2時間接触後の生菌数から求めた1時間当たりの菌の減少桁数とする。
k=(Log10(C0/C2))/2
なお、C0: 初期の接種菌数、C2: 2時間接触後の生菌数である。
【0080】
表3に記載のように、実施例1から実施例6で平均粒子径が50nm以下の抗菌剤を使用した場合、優れた抗菌性が得られるのに対して、比較例1と比較例2で平均粒子径が50nm以上の抗菌剤を使用した場合、全く抗菌性が得られなかった。本試験結果は粒径に依存して、塗膜中の抗菌剤分布が異なっていることを支持している。比較例3は、抗菌剤の平均粒径は50nm以下であるが抗菌活性値R<2で、前述した判定基準を満たさなかった。
【0081】
【表3】
Figure 0004395886
【0082】
<評価▲2▼ SEM観察>
日立走査型電子顕微鏡S−800にて試験片1(実施例1)および試験片7(比較例1)、試験片9(比較例3)の表面構造の観察を行なった。観察結果を図2に示す。
【0083】
図2に示すように、試験片1および試験片7は、50nm以下の微小粒子が塗膜表面に充填された表面構造をとる。一方、試験片9は塗料組成物を構成する各材料がランダムに露出した均一構造を示す。
【0084】
試験片1と試験片7を比較したとき、両者は同様の表面構造をとるように見えるにもかかわらず、抗菌性には大きく差が現れた。観察結果からは、抗菌剤の表面への露出は確認できなかった。
【0085】
試験片1で優れた抗菌活性が得られたのは、微小な抗菌剤Aが、同様に微小なコロイダルシリカとともに塗膜表面で多くなるような濃度勾配を持つためと考えられる。試験片7で抗菌性が得られなかったのは、抗菌剤Bの粒径が比較的大きいため、塗膜表面で多くなるような濃度勾配を持たず、微小なコロイダルシリカが緻密に充填した表層で覆われてしまった結果と考えられる。
【0086】
試験片1と同量の抗菌剤を含有するにもかかわらず、試験片9の抗菌活性は大きく劣っていた。図2のSEM像が示すように、試験片9は各材料が均一に分布した塗膜構造をもつため、塗膜表層での抗菌剤の分布が小さくなってしまった結果である。試験片1と試験片9の結果は、傾斜構造をとることによって、所望の抗菌活性をより少量の抗菌剤で実現できることを示唆している。
【0087】
<抗菌性能の持続性>
社団法人日本住宅設備システム協会規定の「住宅設備機器における抗菌性能試験方法・表示及び判定基準」に記載の
処理▲1▼水浸漬試験: 塗装面を50℃の温水に16時間浸漬する。
処理▲2▼耐洗剤試験: 塗装面に一般清掃用洗剤16時間接触する。
塗装面が汚れていく過程を想定して、
処理▲3▼汚染-洗浄サイクル試験: 汚れを模したカーボンブラックを分散したオレイン酸を塗装面に塗布し、水拭きを20回繰り返す。
を実施した。
【0088】
上記の方法によって、試験片6(実施例6)、試験片9(比較例3)、試験片10(比較例4)に処理▲1▼〜▲3▼を施して、抗菌性能の実用的な持続性を評価した。抗菌試験は前述した方法に従って行なった。
【0089】
表4に処理▲1▼から処理▲3▼を施した試験片と無処理の試験片での評価結果を示す。
【0090】
【表4】
Figure 0004395886
【0091】
表4に示したように、試験片6のみが高い抗菌速度を▲1▼〜▲3▼の各処理後にも維持した。また、試験片6は塗装面の帯電半減期が50秒未満であったのに対し、試験片9と試験片10では50秒以上であった。また、オレイン酸の水中接触角は試験片6は70°以上を示したのに対して、試験片9と試験片10では30°を下回った。試験片6は易洗浄性を有するため抗菌性が長期に渡って効果的に発揮されるのに対して、試験片9および試験片10では汚れを除去しにくいため、抗菌性が大きく劣化したと考えられる。
【0092】
<評価3 耐候性>
サンシャインウェザーメーターを用いて、試験片1(実施例1)と試験片9(比較例3)の耐候性を評価した。耐候性試験方法はJIS K 5600 7−7
に記載の方法に従った。
【0093】
図3に示す写真のように、試験片1は上記耐候性試験で塗膜表面にクラックや白化を生じないのに対して、試験片9はクラックや白化が生じた。
【0094】
試験片1では、抗菌剤Aが微小シリカ微粒子とともに塗膜表層部に多く分布するように濃度勾配を有するため、抗菌剤中の酸化チタン光触媒によるエマルジョンの分解を抑制できたと考えられる。一方、試験片9では、抗菌剤が均一に塗膜中に分散するため、前記光触媒によってエマルジョンが侵され、その結果クラックや白化が発生したと考えられる。
【0095】
<評価4 耐変退色性>
一般に銀系抗菌剤を使った抗菌塗料は、抗菌スペクトルが広く多くの菌種に対して効果を発揮するが、一方で、多量添加すると湿度や光による銀の価数変化のために、塗料自体が褐色を帯びてくる。
【0096】
試験片1(実施例1)と試験片10(比較例4)について、耐変退色性の評価を行なった。各試験片を相対湿度100%、気温25℃、紫外線強度1mW/cm2の条件下に1ヶ月放置し、塗膜の変色度を評価した。変色度は、高湿度下・紫外線照射前後の色差ΔE*で評価した。表5に各サンプルの抗菌試験結果とともに、色差ΔEをまとめた。
【0097】
【表5】
Figure 0004395886
【0098】
表5に示したように、実施例は比較例に比べて、抗菌速度が3倍優れているにもかかわらず、変色度が小さく耐変退色性に優れている。
【0099】
<評価5 塗膜断面のSiO2分布>
実施例および比較例に記載した組成物中のTiO2の固形分量は非常に少ないため、代用としてSiO2の塗膜断面での分布を評価した。塗膜断面分析用試料、試験片11の塗膜表面及び試験片11を破断してサンプリングした破断面に白金を約50Åの厚さでコーティングして塗膜断面の分析用試料を作製した。
【0100】
塗膜断面の観察、分析塗膜断面をSEM(日立製作所社製、S800)、EDX(堀場製作所社製、EMAX−2770)により分析した。分析視野の光触媒性塗膜の膜厚は40μmであった。次いで、分析視野中央部、塗膜最表面から基材側界面まで線上にEDX分析を行った。シリコン(Si)について検出した塗膜最表面から基材との界面までのX線強度の変化を図4に示す。
【0101】
図4から、SiO2に由来するSiが塗膜の最表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有することが分かる。また図2に示した試験片1の塗膜表面写真では平均粒子径10nm程度の微小な粒子が確認できた。これらの結果は、平均粒子径が小さいシリカ微粒子が最表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有することを示唆している。
【0102】
抗菌金属担持光触媒の添加量は微量であり、EDXによる濃度勾配の判断は難しいが、同程度の粒子径のシリカ微粒子が塗膜表面に傾斜充填していること、粒子径が小さい場合に限り抗菌性が発現することなどの結果から、抗菌金属担持光触媒も塗膜面近傍に最表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有すると考えられる。
【0103】
また、シリカ微粒子や抗菌剤粒子が最表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有するため、必然的にアクリル系樹脂は基材あるいは下塗り材と接する界面付近に多く分布するように濃度勾配を有すると考えられる。
【0104】
【発明の効果】
本発明では、塗料に添加するシリカ微粒子、抗菌剤粒子、およびエマルジョンの粒子径を規定することにより、塗装後の塗膜構造を制御して、シリカ微粒子と抗菌剤粒子が塗膜表面近傍に多くなるように濃度勾配をもたせる。その結果、均一に充填した時に比べて、所望の抗菌性能をより少ない抗菌剤添加量で得ることができる。その結果、コスト的に安価な塗料を作製できる上、塗料の安定性、塗膜の耐変退色性も大きく改善できる。また、抗菌剤に抗菌金属担持光触媒を用いた場合でも、抗菌金属担持光触媒はシリカ微粒子とともに塗膜表面に優先的に傾斜充填されるため、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂に比べて耐候性が劣るアクリル系樹脂でも光触媒によるアクリル系樹脂の酸化分解を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水性塗料組成物を各種基材に塗布して形成する塗膜の形態の模式図。
【図2】実施例1、比較例1、比較例3の水性塗料組成物を塗装して得られる試験片の走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図3】実施例1及び比較例3に記載の水性塗料組成物を塗装して得られる試験片はサンシャインウェザーメーターで処理した後の塗装表面写真。
【図4】参考例1に記載の水性塗料組成物を塗装して得られる塗膜の断面のSEM−EDX分析によって、得られたSiの深さ方向の分布。

Claims (16)

  1. (a)アクリル系樹脂エマルジョンと、
    (b)シリカ微粒子と、
    (c)抗菌剤粒子と、
    (d)水と、
    (e)顔料と、
    を少なくとも含んだ水性塗料組成物であって、
    前記(a)成分中に分散した粒子の平均粒子径が145nm以上であり、(b)成分の平均粒子径が50nm以下であり、(c)成分の平均粒子径が50nm以下であり、かつ(b)成分が全固形分の10〜70重量%であることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. 前記(a)成分の固形分が全固形分の10重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 前記(c)成分が抗菌金属担持光触媒粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性塗料組成物。
  4. 前記抗菌金属光触媒粒子の固形分が前記(b)成分に対して、1〜50重量%であることを特徴とする請求項3に記載の水性塗料組成物。
  5. 前記抗菌金属の担持率が光触媒担体に対して0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項3または4に記載の水性塗料組成物。
  6. 前記(e)成分が平均粒子径100nm以上であることを特徴とする請求項1から5いずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  7. 前記(e)成分の固形分に対する、前記(b)成分と前記(c)成分の合計固形分の比率が0.4以上であることを特徴とする請求項1から6いずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  8. 固形分濃度が20重量%以上であることを特徴とする請求項1から7いずれか一項に記載の水性塗料組成物
  9. 前記水性塗料組成物を基材に塗布、乾燥して得られる塗膜中の(b)成分および(c)成分が、塗膜が外気と接する最表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有することを特徴とする請求項1から8いずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  10. 請求項1から9いずれか一項に記載の水性塗料組成物を基材上に塗布し、乾燥して形成した塗膜で被覆された部材であって、(b)成分および(c)成分が、外気と接する塗膜最表面近傍に多く分布するように濃度勾配を有することを特徴とする抗菌性部材。
  11. アクリル系樹脂が、前記最表面近傍に比べて、塗膜が基材と接する界面に多く分布するように濃度勾配を有することを特徴とする請求項10に記載の抗菌性部材。
  12. 前記塗膜の厚さが1μm〜200μmであることを特徴とする請求項10または11に記載の抗菌性部材。
  13. 前記塗膜と前記基材の間に下塗り材として有機樹脂塗膜が設けられていることを特徴とする請求項10から12いずれか一項に記載の抗菌性部材。
  14. 前記基材が、金属、プラスチック、ガラス、タイル、ホーロー、陶磁器、木材、セメント、目地、コンクリート、窯業系無機質板、石膏ボードのいずれかであることを特徴とする請求項10から13いずれか一項に記載の抗菌性部材。
  15. 請求項1から9いずれか一項に記載の水性塗料組成物を刷毛、ローラー、アプリケーターのいずれかによって、機械的工程、あるいは手作業で、請求項10から14いずれか一項に記載の抗菌性部材を形成することを特徴とする塗装方法。
  16. 1〜80℃で乾燥させることを特徴とする請求項15に記載の塗装方法。
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