JP4394109B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明は、半導体装置の製造方法に関し、さらに詳しくは極薄チップの裏面に適当量の接着剤層を簡便に形成することができ、チップの欠けやチップクラックおよびパッケージクラックの発生を防止でき、しかもチップの整列性が良好であり、生産効率の向上が可能な半導体装置の製造方法に関する。
また、従来マウンティング用テープに固定されている半導体チップをピックアップし、基台上に固着する場合には、ディスペンサー法と呼ばれる方法や、フィルム状接着剤を用いる方法が採られている。
このため、特にチップ裏面に接着剤層を形成するための簡便かつ確実な方法の開発が要請されている。
半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路面に表面保護シートを貼着し、
上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行い、
研削面に、基材とその上に形成された接着剤層とからなるダイシング・ダイボンドシートを貼着し、該表面保護シートを剥離し、
チップ間に露出しているダイシング・ダイボンドシートの接着剤層を切断し、
該接着剤層をチップとともに、ダイシング・ダイボンドシートの基材から剥離し、
該接着剤層を介して、チップを所定の基台上に固着することを特徴とする半導体装置の製造方法」を提案している。
しかし、ダイシング・ダイボンドシートを貼着し、表面保護シートを剥離する際に、ダイシング・ダイボンドシートの接着剤層に歪みが起こり、結果的にチップの位置ズレが発生することがある。また、チップ間に露出しているダイシング・ダイボンドシートの接着剤層を切断する際に、接着剤層の振動・流動によりチップの位置ズレが起こることがある。チップの位置ズレが起こると、ピックアップ装置の認識不良が発生し、生産効率が低下する場合がある。
該回路面に表面保護シートを貼着し、
上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行い、
研削面に、基材とその上に形成されたエネルギー線硬化型粘着剤層とからなるピックアップ工程用粘着シートを貼着し、該粘着剤層にエネルギー線を照射した後に、
前記回路面の表面保護シートを剥離することを特徴としている。
半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路面に表面保護シートを貼着し、
上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行い、
研削面に、基材とその上に形成された接着剤層とからなるダイシング・ダイボンドシートを貼着し、該接着剤層を一次硬化し、
チップ間に存在しているダイシング・ダイボンドシートの接着剤層を切断し、
該接着剤層をチップとともに、ダイシング・ダイボンドシートの基材から剥離し、
該接着剤層を介して、チップを所定の基台上に載置して該接着剤層を二次硬化してチップを基台上に固着することを特徴としている。
半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路面に表面保護シートを貼着し、
上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行い、
研削面に、基材とその上に形成された熱可塑性接着剤層とからなるダイボンドシートを貼着し、該熱可塑性接着剤層を放冷し、
チップ間に存在しているダイボンドシートの熱可塑性接着剤層を切断し、
該熱可塑性接着剤層をチップとともに、ダイボンドシートの基材から剥離し、
該熱可塑性接着剤層を介して、チップを所定の基台上に載置し、加熱してチップを基台上に固着することを特徴としている。
前記回路面に表面保護シートを貼着し、エネルギー線硬化型粘着剤層を硬化した後に、半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行うことが好ましい。
まず、本発明に係る第1の製造方法について説明する。
第1工程:半導体回路が形成されたウエハ1表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝2を形成する。より具体的には、複数の回路を区画するウエハ1の切断位置に沿って所定の深さの溝2をウエハ1表面から形成する(図1参照)。
の深さは、目的とするチップの厚さに応じて適宜に設定され、通常は20〜500μm程
度である。また溝2の幅Wは、使用するダイシングブレードの幅と等しく通常は10〜100μm程度である。
表面保護シート10は、基材11上に、再剥離性接着剤層12が形成されてなり、所定の用に供した後、容易に剥離できる性質を有する。また再剥離性接着剤層12はエネルギー線硬化型の接着剤からなるものであってもよい。エネルギー線硬化型接着剤は、エネルギー線の照射前には充分な接着力で被着体を保持でき、エネルギー線の照射により硬化し接着力を失い、容易に剥離できる性質を有する。
前記回路面に表面保護シート10を貼着し、エネルギー線硬化型粘着剤層を硬化した後に、後述する各工程を実施することが好ましい。半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くする際には、ウエハには横方向の剪断力が負荷される。したがって、粘着剤層が軟質であると、剪断力によりチップが横方向に移動し、チップの位置ズレが起こることがある。しかし、上記方法により粘着剤層を硬化させておくと、横方向に力が加えられてもチップの位置ズレが起こることは無い。また、横方向の力によっては、チップの剥離・脱落は起きないので、チップの歩留りが低下することもない。
ピックアップ工程用粘着シート20は、基材21とこの上に形成されたエネルギー線硬化型粘着剤層22とからなる。
線硬化型共重合体から形成されていてもよい。このようなエネルギー線硬化型共重合体は、たとえば、特開平5−32946号公報、特開平8−27239号公報等にその詳細が記載されている。
エネルギー線としては、具体的には電子線、紫外線等が用いられ、特に紫外線が好ましく用いられる。エネルギー線の照射は、基材21の側から行われる。したがって、エネルギー線として紫外線を用いる場合には、基材21は透明である必要がある。
ピックアップ工程用粘着シート20のエネルギー線硬化型粘着剤層22は、上記第5工程により、エネルギー線照射後には硬化し、横方向の剪断力に対して強い耐性を示す。したがって、ピックアップ工程用粘着シート20のエネルギー線硬化型粘着剤層22を硬化した後に、表面保護シート10を剥離してもチップの位置ズレは起こらず、チップの整列性が保たれる。また、接着力が著しく減少しているため、チップの垂直剥離が容易に行える。なお、表面保護シート10を剥離する際は、ピックアップ工程用粘着シート20側を吸着固定しておくことが好ましい。
第1工程〜第3工程については、前記第1の製造方法と同一である。
第4工程:研削面にダイシング・ダイボンドシート30を貼着する(図5参照)。
第5工程においては、接着剤層32を、ダイシングブレード4で、完全に切断(フルカット)する。この際、ダイシング・ダイボンドシート30を吸着テーブル上に固定しておくことが好ましい。ダイシングブレード4の幅W1は、前記した溝2の幅Wよりもやや狭く、具体的には、W1はWの30〜90%程度であることが望ましい。
第6工程:接着剤層32をチップ3とともに、ダイシング・ダイボンドシート30の基材31から剥離する(図7参照)。接着剤層32は、前述したように基材31から剥離可能に形成されている。したがって、チップ3をピックアップすると、チップ裏面に接着剤層32が固着された状態で、基材31から剥離される。
第1工程〜第3工程については、前記第1の製造方法と同一である。
第4工程:研削面にダイボンドシート40を貼着する(図8参照)。
なお、図8においては、上記第4工程において、ダイボンドシート40を研削面に貼付
した後、表面保護シート10を剥離しているが、前記第2の製法と同様に、表面保護シート10を剥離するタイミングは特に限定はされない。後述する第5工程〜第7工程の何れかの段階で表面保護シート10の剥離を行っても良い。
第5工程においては、接着剤層42を、ダイシングブレード4で、完全に切断(フルカット)する。この際、ダイボンドシート40を吸着テーブル上に固定しておくことが好ましい。ダイシングブレード4の幅W1、切込み深さ等は、前記第2の製法と同様である。
第6工程:接着剤層42をチップ3とともに、ダイボンドシート40の基材41から剥離する(図10参照)。接着剤層42は、前述したように基材41から剥離可能に形成されている。したがって、チップ3をピックアップすると、チップ裏面に接着剤層42が固着された状態で、基材41から剥離される。
[実施例]
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
「チップ整列性の評価」
ウエハのオリエンテーションフラットに平行方向(x方向)および垂直方向(y方向)に溝を形成する。x方向の溝とy方向の溝が交差する点のうち、ウエハ中心から上下左右5本目の溝で交差する点(8ヵ所)の溝の位置と、チップに分割された後の前記溝に対応
するチップ間のラインの位置とのズレをウエハダイサー(A-WD-4000B、東京精密社製)のアライメント機能を用いて測定し、x方向およびy方向のズレの最大値を変動値として表わし、チップ整列性を評価した。
実施例1〜4の接着剤付シリコンチップならびに実施例5〜6および比較例1のシリコンチップの各々50個の側面を光学顕微鏡を用いて、チップ欠けやクラックの有無を観察した。
実施例1〜4のリードフレームに固着されたシリコンチップを所定の封止樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)を用いて、高圧封止する。175℃、6時間を要して、その樹脂を硬化させ、100個のパッケージクラックテスト用パッケージを得た。次いで、各々のパッケー
ジを高温高湿下(85℃、85%RH)に168時間放置する。その後、VPS(Vapor Phase Soldering 気相ハンダ付)と同等の環境下(215℃)に1分間放置後、室温に戻した。これを3回行った後、走査型超音波探傷機SAT(Scanning Acoustic Tomography)で封止樹脂のクラ
ックの有無を検査した。検査したパッケージ数(100個)に対し、クラックが発生したパ
ッケージ数の比率をパッケージクラック発生率とした。
ウエハダイシング装置:DAD 2H/6T(ディスコ社製)
裏面研削装置:DFG−850(ディスコ社製)
表面保護シート:Adwill E-6142S(リンテック社製)
[実施例1]
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚のブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付し、その表面保護シート面に紫外線照射を行った。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面研削を
行い、チップへ分割した。その後、ダイシング・ダイボンドシート(Adwill LE5000、リ
ンテック社製)を研削面側に貼付し、そのダイシング・ダイボンドシート面に紫外線照射して接着剤層を一次硬化した。その後、表面保護シートを剥離し、ウエハダイシング装置を用い、30μm厚のブレード、切り込み量35μmでシリコンチップの間の接着剤層を切断した。この時点で、チップ整列性の評価を行った。
[実施例2]
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚のブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付し、その表面保護シート面に紫外線照射を行った。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面研削を
行い、チップへ分割した。その後、ダイシング・ダイボンドシート(Adwill LE5000、リ
ンテック社製)を研削面側に貼付し、そのダイシング・ダイボンドシート面に紫外線照射して接着剤層を一次硬化した。その後、ダイシング・ダイボンドシート面側を吸着テーブル上に固定して表面保護シートを剥離し、30μm厚のブレード、切り込み量65μmでチップの間の接着剤層を切断した。この時点で、チップ整列性の評価を行った。
[実施例3]
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚のブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付し、その表面保護シート面に紫外線照射を行った。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面研削を
行い、チップへ分割した。その後、ダイシング・ダイボンドシート(Adwill LE5000、リ
ンテック社製)を研削面側に貼付し、そのダイシング・ダイボンドシート面に紫外線照射して、接着剤層を一次硬化させた。その後、ウエハダイシング装置を用い、30μm厚のブ
レード、切り込み量65μmでチップ間の接着剤層を表面保護シートごと切断した。この時
点で、チップ整列性の評価を行った。
チップを固着した。
[実施例4]
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚の
ブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付し、その表面保護シート面に紫外線照射をする。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面研削を行
い、チップへ分割した。その後、ポリイミドからなる熱可塑性接着剤層を有するダイボンドシートを研削面側に貼付し、130℃で熱圧着し、室温まで放冷した。さらにダイシングテープ(Adwill D-650,リンテック社製)をダイボンドシート側に貼付して固定し、ウエハダイシング装置を用い、30μm厚のブレード、切り込み量65μmでチップ間の接着剤層を表面保護シートごと切断した。この時点で、チップ整列性の評価を行った。
[実施例5]
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚のブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付した。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面研削を行い、チップへ分割した。その後、その表面
保護シート面に紫外線照射を行った。その後、ピックアップ工程用粘着シート(Adwill D-675、リンテック社製)を研削面側に貼付し、そのピックアップ工程用粘着シート面に紫外線照射して粘着剤層を硬化した。その後、表面保護シートを剥離し、この時点で、チップ整列性の評価を行った。
[実施例6]
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚のブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付した。その後、表面保護シート面に紫外線照射を行った。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面
研削を行い、チップへ分割した。その後、ピックアップ工程用粘着シート(Adwill D-675、リンテック社製)を研削面側に貼付し、そのピックアップ工程用粘着シート面に紫外線照射して粘着剤層を硬化した。その後、表面保護シートを剥離し、この時点で、チップ整列性の評価を行った。
直径6インチ、厚み625μmのシリコンウェハをウエハダイシング装置を用い、35μm厚のブレードで、切り込み量150μm、チップサイズ10mm□の条件で溝を形成した。次いで、表面保護シートを、溝を形成した面に貼付した。その後、裏面研削装置を用いて、厚さ80μmになるまでシリコンウエハの裏面研削を行い、チップへ分割した。その後、表面保護
シート面に紫外線照射を行った。その後、ピックアップ工程用粘着シート(Adwill D-675、リンテック社製)を研削面側に貼付し、表面保護シートを剥離した。次いで、ピックアップ工程用粘着シート面に紫外線照射して粘着剤層を硬化し、この時点で、チップ整列性の評価を行った。
2…溝
3…チップ
4…ブレード
10…表面保護シート
20…ピックアップ工程用粘着シート
30…ダイシング・ダイボンドシート
40…ダイボンドシート
Claims (3)
- 半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路面に表面保護シートを貼着し、
上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行い、
研削面に、基材とその上に形成された接着剤層とからなるダイシング・ダイボンドシートを貼着し、該接着剤層を一次硬化し、
チップ間に存在しているダイシング・ダイボンドシートの接着剤層を切断し、
該接着剤層をチップとともに、ダイシング・ダイボンドシートの基材から剥離し、
該接着剤層を介して、チップを所定の基台上に載置して該接着剤層を二次硬化してチップを基台上に固着することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 半導体回路が形成されたウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路面に表面保護シートを貼着し、
上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行い、
研削面に、基材とその上に形成された熱可塑性接着剤層とからなるダイボンドシートを貼着し、該熱可塑性接着剤層を放冷し、
チップ間に存在しているダイボンドシートの熱可塑性接着剤層を切断し、
該熱可塑性接着剤層をチップとともに、ダイボンドシートの基材から剥離し、
該熱可塑性接着剤層を介して、チップを所定の基台上に載置し、加熱してチップを基台上に固着することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記表面保護シートが、エネルギー線硬化型粘着剤層を有し、
前記回路面に表面保護シートを貼着し、エネルギー線硬化型粘着剤層を硬化した後に、半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
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