JP2022153830A - 支持部材の製造方法、及び、半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Keisuke Ogawara
義信 尾崎
Yoshinobu Ozaki
紘平 谷口
Kohei Taniguchi
裕貴 橋本
Yuki Hashimoto
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Abstract

【課題】支持部材のピックアップ性を向上することができる支持部材の製造方法を提供すること。【解決手段】支持部材の製造方法は、基材フィルムに粘着層を介して接着フィルムが貼り付けられた積層フィルムを準備する工程と、接着フィルムを複数の支持部材に個片化する工程と、複数の支持部材それぞれを基材フィルムからピックアップする工程と、を備える。ピックアップする工程では、基材フィルムを3mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で、複数の支持部材それぞれをピックアップする。【選択図】図5

Description

本開示は、支持部材の製造方法、及び、半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の一態様として、基板上に配置された半導体チップの上に別の半導体チップを積層させる構造が注目を集めている。例えば、特許文献1は、半導体チップの上にスペーサを介して別の半導体チップを積層させる構成を開示している。また、特許文献2は、コントローラダイと、コントローラダイの上に支持部材によって支持されたメモリダイとを含む半導体ダイアッセンブリを開示している。このような構造は、例えば、ドルメン(Dolmen)構造とも呼ばれている。
特開2007-220913号公報 特表2017-515306号公報
例えば特許文献2に示す半導体装置の構造には、高価なシリコンチップを含む支持部材が用いられている。また、この支持部材を作製するには、ダイシングにより各支持部材に個片化する前にシリコン等を研磨する工程が必要とされる。そこで、シリコンチップを含まない安価な支持部材を樹脂フィルム、例えばDAF(Die attach film)等の接着フィルムから作製することが検討されている。しかしながら、シリコンを含まずに樹脂フィルムから支持部材を作製する場合に樹脂フィルムをダイシングすると、ダイシングによって発生した粘着性のあるバリが個片化された支持部材の間に付着し、支持部材のピックアップを阻害してしまうことがある。
そこで、本開示は、支持部材のピックアップ性を向上することができる支持部材の製造方法、及び、当該製造方法によって製造された支持部材を用いた半導体装置の製造方法を提供する。
本開示は、支持部材の製造方法に関する。この製造方法は、基材フィルムに粘着層を介して接着フィルムが貼り付けられた積層フィルムを準備する工程と、接着フィルムを複数の支持部材に個片化する工程と、複数の支持部材それぞれを基材フィルムからピックアップする工程と、を備える。ピックアップする工程では、基材フィルムを3mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で、複数の支持部材それぞれをピックアップする。
上記の製造方法では、個片化された支持部材をピックアップする際、基材フィルムを3mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で各支持部材をピックアップしている。この場合、エキスパンド量を通常よりも大きくしていることから、個片化された各支持部材の側面等へ粘着しているバリをエキスパンドにより引き剥がして、隣接する支持部材同士がバリで粘着されている状態を解消することができる。よって、この製造方法によれば、個片化された各支持部材をピックアップする際、隣接する支持部材同士がバリで繋がれていないため、個片化された支持部材のピックアップ性を向上することができる。なお、ここでいう「エキスパンド量」は、基材フィルムを固定端(例えばリングへの貼付け端)に対して持ち上げて支持部材間の距離を広げた際の基材フィルムの持ち上げ量(距離)である。
上記の支持部材の製造方法は、接着フィルムが個片化用のリングの内側に配置されるように基材フィルムを粘着層を介してリングに貼り付ける工程を更に備えてもよく、この貼り付ける工程では、積層フィルムの伸び率が100%より大きくなるように積層フィルムに張力を付与しながら積層フィルムをリングに貼り付けてもよい。この場合、ダイシングを行う前に積層フィルムが外側に向けて伸ばされる張力が付与されており、ダイシングで当該張力が解放されることになる。よって、隣接する支持部材同士の間にダイシングでバリが形成されたとしても、この張力の解放による急激な縮みによりバリが支持部材間のダイシング溝等から掻き出されるため、隣接する支持部材同士がバリで繋がれていないことになり、個片化された支持部材のピックアップ性を更に向上することができる。なお、ここでいう「積層フィルムの伸び率」は、リングに貼り付ける前の積層フィルムを基準(100%)として、リングに貼り付けた際の積層フィルムの伸び率を示す値である。
上記の支持部材の製造方法において、貼り付ける工程では、積層フィルムの伸び率が101%以下となるように積層フィルムに張力を付与しながら積層フィルムをリングに貼り付けてもよい。この場合、積層フィルムに掛かる張力がそれほど高くないことから、積層フィルムを構成する接着フィルムに掛かる伸びの力も低く抑えられ、積層フィルムをリングに貼り付ける際、基材フィルムから接着フィルムが剥離することが低減される。特に基材フィルム(粘着層)と接着フィルムの外周付近では剥離が生じやすいが、上記の製造方法により、基材フィルムから接着フィルムが剥離することが低減される。その結果、基材フィルム及び粘着層からなる積層体と接着フィルムとの間でボイドが生じにくくなる。このようなボイドの低減により、この製造方法によれば、個片化の際のチップ飛び等を抑制し、安価な支持部材を高い歩留まりで製造することが可能となる。
上記の支持部材の製造方法において、ピックアップする工程では、基材フィルムを5mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で、複数の支持部材それぞれをピックアップしてもよい。この場合、エキスパンド量を通常よりも更に大きい値の範囲としていることから、個片化された各支持部材の側面等へ粘着しているバリを更に強く引き剥がして、隣接する支持部材同士がバリで粘着されている状態を解消することができる。よって、この製造方法によれば、個片化された各支持部材をピックアップする際、個片化された支持部材のピックアップ性を更に向上することができる。
上記の支持部材の製造方法において、ピックアップする工程では、エキスパンドする方向と交差する突上げ方向に300μm以上の突上げ量で基材フィルムを突き上げて複数の支持部材それぞれをピックアップしてもよい。この場合、ピックアップする際の基材フィルムからの支持部材の距離をより多く取ることができるため、個片化された支持部材のピックアップ性を更に向上することができる。
上記の支持部材の製造方法において、接着フィルムの引張弾性率が8.0MPa以上であってもよい。また、接着フィルムは、ポリイミドを含んでもよい。この場合、安価で且つ強度に優れた支持部材を得ることが可能となる。
上記の支持部材の製造方法において、接着フィルムは、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる一対の表面層と、一対の表面層の間に配置された中間層とを含でもよい。この場合、接着フィルムが多層構造であり、接着フィルムを比較的厚くなるように形成しても、接着フィルムの反りを抑制することができる。反りを抑制することにより、この製造方法によれば、平面方向に広がる接着フィルムの厚さをより均一なものとして、製造される支持部材の厚みをより均一化させることが可能となる。この実施形態において、中間層はポリイミド層又は金属層であってもよい。これにより、強度及び耐熱性に優れた支持部材を得ることができる。なお、中間層の厚みは50μm以下であってもよい。これにより、多層構造であっても支持部材をそれほど厚くせずに薄いものとすることができる。
本開示は、半導体装置の製造方法に関する。この製造方法は、上記した何れかの支持部材の製造方法によって製造された支持部材を用いて半導体装置を製造する方法である。この場合、ピックアップ性を向上して安価に製造された支持部材を用いて、半導体装置を安価に形成することが可能となる。
本開示によれば、支持部材のピックアップ性を向上することができる支持部材の製造方法、及び、当該製造方法によって製造された支持部材を用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造される支持片を用いた半導体装置の一実施形態を示す断面図である。 図2(a)及び図2(b)は、第1のチップと複数の支持片との位置関係の例を模式的に示す平面図である。 図3(a)は、支持片を形成するための積層フィルムの一実施形態を示す平面図であり、図3(b)は、図3(a)のb-b線に沿った積層フィルムの断面図である。 図4は、基材フィルムを粘着層を介して支持片形成用の接着フィルムに貼り合わせる工程を模式的に示す断面図である。 図5(a)~図5(c)は、支持片の作製過程を模式的に示す断面図である。 図6は、積層フィルムをダイシングリングに貼り付ける工程を模式的に示す斜視図である。 図7(a)は、ピックアップ時のエキスパンド量が小さい場合に支持片間に付着したままであるバリの状態を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、ピックアップ時のエキスパンド量が大きい場合に支持片から引き剥がされたバリの状態を模式的に示す断面図である。 図8(a)は、ラミネート工程での貼付け張力が弱い場合にダイシング後の支持片間に付着したままであるバリの状態を模式的に示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に続くピックアップ時のバリの状態を模式的に示す断面図である。 図9(a)は、ラミネート工程での貼付け張力が強い場合に支持片間に付着しているバリがダイシング時の張力解放でダイシング溝から掻き出される状態を模式的に示す断面図であり、図9(b)は、図9(a)に続くピックアップ時のバリの状態を模式的に示す断面図である。 図10は、積層フィルムの変形例を示す断面図である。 図11は、図1に示す半導体装置の製造方法の一工程を示す図であって、基板上であって第1のチップの周囲に複数の支持片を配置した状態を示す断面図である。 図12は、図1に示す半導体装置の製造方法に用いる接着剤片付きチップの一例を示す断面図である。 図13は、図11に続いて図1に示す半導体装置の製造方法の一工程を示す図であって、基板上に形成されたドルメン構造を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について詳細に説明する。図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
(半導体装置)
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造される支持片を用いた半導体装置の一実施形態を示す断面図である。図1に示すように、半導体装置1は、基板10、半導体チップ20、半導体チップ21、半導体チップ22、半導体チップ23、複数の支持片30(複数の支持部材)、接着剤片40~43、ワイヤ45~48、及び、封止材50を備える。なお、本実施形態に係る製造方法によって製造される支持片は、他の半導体装置の製造に用いてもよい。
基板10は、有機基板であってもよく、リードフレーム等の金属基板であってもよい。半導体装置1の反りを抑制する観点から、基板10の厚さは、例えば、90~300μmであり、90~210μmであってもよい。
半導体チップ20は、例えば、コントローラーチップ(以下「CTL」とも記す)であり、基板10の表面上に配置される。半導体チップ20は、接着剤片40によって基板10に接着され且つワイヤ45によって基板10と電気的に接続される。平面視における半導体チップ20の形状は、例えば矩形(正方形又は長方形)である。半導体チップ20の一辺の長さは、例えば、5mm以下であり、2~5mm又は1~5mmであってもよい。半導体チップ20の厚さは、例えば、10~150μmであり、20~100μmであってもよい。
半導体チップ21は、例えば、メモリチップであり、接着剤片41を介して支持片30の上に接着される。これにより、半導体チップ21は、半導体チップ20の上に配置される。また、接着剤片41は、半導体チップ21と複数の支持片30とによって挟まれる。半導体チップ21は、平面視において、半導体チップ20よりも大きいサイズを有する。平面視における半導体チップ21の形状は、例えば矩形(正方形又は長方形)である。半導体チップ21の一辺の長さは、例えば、20mm以下であり、4~20mm又は4~12mmであってもよい。半導体チップ21の厚さは、例えば、10~170μmであり、20~120μmであってもよい。なお、半導体チップ22,23は、半導体チップ21と同様に、例えば、メモリチップであり、接着剤片42及び43を介して半導体チップ21の上に順に接着される。半導体チップ22,23の一辺の長さは半導体チップ21と同様であればよく、半導体チップ22,23の厚さも半導体チップ21と同様であればよい。
支持片30は、基板10の表面上であって半導体チップ20の周囲に配置され、半導体チップ20の周囲に空間を形成するスペーサの役割を果たす部材である。支持片30は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。なお、図2(a)に示すように、半導体チップ20の両側の離れた位置に、二つの支持片30(形状:長方形)を配置してもよいし、図2(b)に示すように、半導体チップ20の角に対応する位置にそれぞれ一つの支持片30(形状:正方形、計4個)を配置してもよい。平面視における支持片30の一辺の長さは、例えば、20mm以下であり、1~20mm又は1~12mmであってもよい。支持片30の厚さ(高さ)は、例えば、10~180μmであり、20~120μmであってもよい。
本実施形態においては、半導体チップ21と、複数の支持片30と、支持片30と半導体チップ21との間に位置する接着剤片41とによって基板10上にドルメン構造が構成される。図1に示す半導体装置1では、半導体チップ20は、接着剤片41と離間している。支持片30の厚さを適宜設定することで、半導体チップ20の上面と基板10とを接続するワイヤ45のためのスペースを確保することができる。なお、半導体チップ20を基板10上の電極にフリップチップ接続する場合には、半導体チップ20の上面に接着剤片41が接する構成であってもよい。
ワイヤ45~48は、基板10の表面上の電極(不図示)と半導体チップ20~23とをそれぞれ電気的に接続する。封止材50は、半導体チップ20と半導体チップ21との隙間を充填すると共に、半導体チップ21~23及びワイヤ46~48の全体を覆うように基板10上を封止する。封止材50は、例えばエポキシ樹脂である。
(支持片の作製方法)
次に、上述した半導体装置等に用いられる支持片の作製方法の一例について説明する。なお、図1に示す支持片30は、熱硬化性樹組成物が硬化した後のもの(硬化物)である。一方、この製造方法で製造される支持片は、熱硬化性樹組成物が完全に硬化する前の状態のものである。
まず、図3(a)及び図3(b)に示す支持片形成用の積層フィルム60を準備する。積層フィルム60は、基材フィルム61、粘着層62、及び、支持片形成用の接着フィルム63を備える。基材フィルム61及び粘着層62は、パンチング等によって例えば円形に形成される(図3(a)参照)。接着フィルム63は、支持片30を形成するための材料となるフィルムである。接着フィルム63は、パンチング等によって円形に形成されており、基材フィルム61及び粘着層62よりも小さい直径を有する(図3(a)参照)。
基材フィルム61は、例えば、ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)又はポリエチレンフィルム(PEフィルム)である。粘着層62は、例えば、紫外線硬化型の粘着剤からなる。すなわち、粘着層62は紫外線が照射されることによって粘着性が低下する性質を有する。基材フィルム61及び粘着層62は、第1の積層体65(図4を参照)を構成する。第1の積層体65は、例えば、ダイシングテープ(DCT)であり、15MPa以上40MPa以下の引張強さ及び300%以上700%以下の伸び率の少なくとも一方を有している。第1の積層体65は、用途に応じて、伸びやすい基材フィルム又は伸びにくい基材フィルムを用いることができる。伸びやすい基材フィルムを用いた場合、第1の積層体65は、15MPa以上30MPa未満の引張強さと、600%以上700%以下の伸び率を有することができる。伸びにくい基材フィルムを用いた場合、第1の積層体65は、30MPa以上40MPa以下の引張強さと、300%以上600%未満の伸び率を有することができる。
上述した「引張強さ」及び「伸び率」は以下の方法により算出することができる。まず、試験片のサイズとして、幅が10mmであり且つ長さはチャック間距離が50mmとなるように切断して試験片を準備する。試験装置は、JIS B7721に規定する引張試験機又はこれと同等の引張試験機を用いる。そして、試験片をこの試験装置にセットし、300±30mm/分の速さで引っ張り、試験片が切断するまでの荷重及び伸びを測定する。これらの測定値から、以下の式に基づいて、「引張強さ」及び「伸び率」を算出する。
引張強さ(MPa)=テープ破断時の強度(N)÷テープ断面積(mm
伸び率(%)=(破断時の長さ(mm)-初期長さ(50mm))÷初期長さ(50mm)
接着フィルム63は、例えば、熱硬化性樹脂組成物からなる。接着フィルム63を構成する熱硬化性樹脂組成物は、半硬化(Bステージ)状態を経て、その後の硬化処理によって完全硬化物(Cステージ)状態となり得るものである。熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、エラストマ(例えば、アクリル樹脂)とを含み、必要に応じて、無機フィラー及び硬化促進剤等を更に含む。接着フィルム63を構成する熱硬化性樹脂組成物の詳細については後述する。
積層フィルム60は、例えば、基材フィルム61とその表面上に粘着層62とを有する第1の積層体65と、カバーフィルム64とその表面上に接着フィルム63とを有する第2の積層体66とを貼り合わせることによって作製することができる(図4参照)。第1の積層体65は、基材フィルム61の表面上に粘着層62を塗工によって形成する工程と、基材フィルム61及び粘着層62をパンチング等によって所定の形状(例えば、円形)に加工する工程を経て得られる。第2の積層体66は、カバーフィルム64(例えば、PETフィルム又はポリエチレンフィルム)の表面上に接着フィルム63を塗工によって形成する工程と、接着フィルム63をパンチング等によって所定の形状(例えば、円形)に加工する工程を経て得られる。積層フィルム60を使用するに際し、カバーフィルム64は適当なタイミングで剥がされる。
続いて、図5の(a)に示されたように、上述した積層フィルム60にダイシング用のリングフレーム100(リング)を貼り付ける。すなわち、粘着層62を介して基材フィルム61をリングフレーム100に貼り付け、リングフレーム100の内側に接着フィルム63が配置された状態にする。リングフレーム100は、図6に示すように、例えば、略円環形状のリングであり、基材フィルム61を含む積層体65の外周部が粘着層62を介して、リングフレーム100に貼り付けられる。この貼り付けは、リングフレーム100の一方の端100aから他方の端100bに向けてローラ等の押圧部材によって押しつけられながら行われる。なお、ローラが水平方向に移動しないように固定され(回転移動は可能)、リングフレーム100及び積層フィルム60がローラに対して移動するように構成されていてもよい。
また、この貼り付けの際、基材フィルム61及び粘着層62と接着フィルム63とからなる積層フィルム60は、ある程度の張力がかかるようにリングフレーム100に貼り付けられる。具体的には、積層フィルム60の貼付け時の伸び率が100%より大きくなるように積層フィルム60に張力を付与して、リングフレーム100への貼り付けを行う。好ましくは、積層フィルム60の貼付け時の伸び率が100.40%以上となるように積層フィルム60に張力を付与して、リングフレーム100への貼り付けを行ってもよく、より好ましくは、積層フィルム60の貼付け時の伸び率が101%以上となるように積層フィルム60に張力を付与して、リングフレーム100への貼り付けを行ってもよい。このように積層フィルム60の所定の張力をかけた状態でリングフレーム100への貼り付けを行うことにより、後述するダイシングの際の張力解放により、ダイシングによるバリがダイシング溝から掻き出され(図9(a)を参照)、支持片のピックアップ性を向上することができる(図9(b)を参照)。なお、ここでいう「積層フィルムの伸び率」は、貼付け前の積層フィルムの長さ(径)を100%とした場合において、貼付け後の積層フィルムの長さ(径)の比を示す値である。
また、積層フィルム60の貼付け時の伸び率が101%以下となるように積層フィルム60に張力を付与して、リングフレーム100への貼り付けを行ってもよい。この場合、積層フィルム60に掛かる張力がそれほど高くないことから、積層フィルム60を構成する接着フィルム63に掛かる伸びの力も低く抑えられ、積層フィルム60をリングフレーム100に貼り付ける際、基材フィルム61から接着フィルム63が剥離することが低減される。特に基材フィルム61(粘着層62)と接着フィルム63の外周付近では剥離が生じやすいが、積層フィルム60の伸び率を上記の範囲に抑えることにより、基材フィルム61から接着フィルム63が剥離することが低減される。よって、積層フィルム60の貼付け時の伸び率が100%より大きく且つ101%以下となるように積層フィルム60に張力を付与してリングフレーム100への貼付けを行うことにより、支持片のピックアップ性の向上と積層フィルム60の剥離低減とを両立することが可能となる。
続いて、積層フィルム60のリングフレーム100への貼り付けが終了すると、図5の(b)に示すように、接着フィルム63をダイシングによって個片化する。これにより、接着フィルム63から多数の支持片63aが得られる。その後、粘着層62に対して紫外線を照射することにより、粘着層62と支持片63aとの間の粘着力を低下させる。なお、紫外線の照射が終了した後に、基材フィルム61を水平方向の外側に向けてエキスパンドして、支持片63aを互いに離間させてもよい。
続いて、図5の(c)に示すように、基材フィルム61をエキスパンドした状態で、突上げ治具111で突き上げることによって粘着層62から各支持片63aを剥離させるとともに、吸引コレット112で吸引して支持片63aをピックアップする。このピックアップ時に行うエキスパンドによる量(エキスパンド量E)は、3mm以上9mm以下である。より好ましくは、エキスパンド量Eは5mm以上9mm以下であってもよく、また、5mm以上7mm以下であってもよい。このような通常よりも大きいエキスパンド量Eでエキスパンドしながら支持片63aをピックアップすることにより、支持片63a間に付着するバリが剥がれ、吸引コレット112によるピックアップを容易且つ確実に行うことができる。なお、ここでいう「エキスパンド量E」は、リングフレーム100に貼り付けられている基材フィルム61の端部に対してエキスパンド治具により基材フィルム61の中央部が持ち上げられている量(距離)を意味する。また、突上げ治具111による突上げ量は、300μm以上であってもよく、より好ましくは、400μm以上であってもよい。また、突上げ治具111による突上げ速度は、0.1mm/s以上であってもよく、1mm/s以上であってもよく、10mm/s以上であってもよい。なお、ダイシング前の接着フィルム63又はピックアップ前の支持片63aを加熱することによって、熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させておいてもよい。ピックアップする際に支持片63aが適度に硬化していることで優れたピックアップ性を達成し得る。以上により、支持片63aを取得する。
ここで、図7を参照して、上述した支持片30の製造方法において、所定範囲のエキスパンド量Eで基材フィルム61をエキスパンドしながら支持片63aをピックアップすることによる作用効果について説明する。図7(a)は、ピックアップ時のエキスパンド量Eが小さい場合に支持片63a間に付着したままであるバリGの状態を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、ピックアップ時のエキスパンド量Eが大きい場合に支持片63aから引き剥がされたバリGの状態を模式的に示す断面図である。
図7(a)に示すように、積層フィルム60の接着フィルム63をダイシングで個片化すると、ダイシング後に個片化された支持片63a間に粘着性のバリGが付着する。バリGは、例えば、ダイシングで削られた接着フィルム63等の一部である。この場合、ピックアップ時のエキスパンド量Eが小さいと、支持片63a間のダイシング溝Hに残された粘着性のバリGは、支持片63aに付着したままであり、各支持片63aのピックアップを阻害することになる。一方、図7(b)に示すように、本実施形態に係る製造方法であれば、ピックアップ時に基材フィルム61をエキスパンドした状態となり、ダイシング溝H内のバリGが支持片63aから剥がれたり又は付着している領域が低減されたりする。よって、支持片63aのピックアップの際に積層フィルム60をエキスパンドしておくことにより、バリGによる支持片63aのピックアップが阻害されることが大幅に低減され、ピックアップ性が向上する。なお、エキスパンド量Eが大き過ぎると(例えばエキスパンド量が9mmより大きい場合)、基材フィルム61等が硬くなり、その結果、支持片63aを突き上げる際の突上げ治具111(ピン)への追従性が低下し、ピックアップ率が低下する。
また、図8及び図9を参照して、上述した支持片30の製造方法において、所定の貼付け張力で積層フィルムをリングフレーム100へ貼り付けることによる作用効果について説明する。図8(a)は、ラミネート工程での貼付け張力が弱い場合にダイシング後の支持片間に付着したままであるバリの状態を模式的に示す断面図であり、図8(b)は、図8(a)に続くピックアップ時のバリの状態を模式的に示す断面図である。図9(a)は、ラミネート工程での貼付け張力が強い場合に支持片間に付着しているバリがダイシング時の張力解放でダイシング溝から掻き出される状態を模式的に示す断面図であり、図9(b)は、図9(a)に続くピックアップ時のバリの状態を模式的に示す断面図である。
積層フィルム60の貼付け張力が低い状態で基材フィルム61をリングフレーム100に貼り付けた場合、図8(a)に示すように、接着フィルム63をダイシングすると、粘着性のバリGがダイシング溝にそのまま残存してしまう。この状態で、図8(b)に示すように、支持片63aのピックアップを行うと、バリGによりピックアップが阻害される。一方、積層フィルム60の貼付け張力が高い状態(例えば積層フィルムの伸び率が100%より大きい場合)で基材フィルム61をリングフレーム100に貼り付けた場合、図9(a)に示すように、接着フィルム63をダイシングすると、貼付け時の張力の解放によりバリGがダイシング溝Hから掻き出されることになる。よって、この状態であれば、図9(b)に示すように、支持片63aのピックアップを行っても、バリGによるピックアップが阻害されず、支持片63aのピックアップを問題なく行うことができる。即ち、ピックアップ性を向上させることができる。
(接着フィルム63を構成する熱硬化性樹脂組成物)
次に、支持片30を形成するための接着フィルム63を構成する熱硬化性樹脂組成物について詳細に説明する。この熱硬化性樹脂樹脂組成物は、上述のとおり、エポキシ樹脂と、硬化剤と、エラストマとを含み、必要に応じて、無機フィラー及び硬化促進剤等を更に含む。本発明者らの検討によると、支持片63a及び硬化後の支持片30は以下の特性を有することが好ましい。
・特性1:基板10の所定の位置に支持片30を熱圧着したとき位置ずれが生じにくいこと(120℃における支持片30の溶融粘度が、例えば、4300~50000Pa・s又は5000~40000Pa・sであること)
・特性2:半導体装置1内において支持片30が応力緩和性を発揮すること(熱硬化性樹脂組成物がエラストマ(ゴム成分)を含むこと)
・特性3:接着剤片付きチップの接着剤片41との接着強度が十分に高いこと(接着剤片41に対する支持片30のダイシェア強度が、例えば、2.0~7.0Mpa又は3.0~6.0Mpaであること)
・特性4:硬化に伴う収縮率が十分に小さいこと
・特性5:ピックアップ工程においてカメラによる支持片63aの視認性が良いこと(熱硬化性樹脂組成物が、例えば、着色料を含んでいること)
・特性6:支持片30が十分な機械的強度を有すること
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等の二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
[硬化剤]
硬化剤として、例えば、フェノール樹脂、エステル化合物、芳香族アミン、脂肪族アミン及び酸無水物が挙げられる。これらのうち、高いダイシェア強度を達成する観点から、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の市販品として、例えば、DIC(株)製のLF-4871(商品名、BPAノボラック型フェノール樹脂)、エア・ウォーター(株)製のHE-100C-30(商品名、フェニルアラキル型フェノール樹脂)、DIC(株)製のフェノライトKA及びTDシリーズ、三井化学(株)製のミレックスXLC-シリーズとXLシリーズ(例えば、ミレックスXLC-LL)、エア・ウォーター(株)製のHEシリーズ(例えば、HE100C-30)、明和化成(株)製のMEHC-7800シリーズ(例えばMEHC-7800-4S)、JEFケミカル(株)のJDPPシリーズが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合量は、高いダイシェア強度を達成する観点から、それぞれエポキシ当量と水酸基当量の当量比が0.6~1.5であることが好ましく、0.7~1.4であることがより好ましく、0.8~1.3であることが更に好ましい。配合比が上記範囲内であることで、硬化性及び流動性の両方を十分に高水準に達成しやすい。
[エラストマ]
エラストマとして、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリルが挙げられる。
高いダイシェア強度を達成する観点から、エラストマとしてアクリル系樹脂が好ましく、更に、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート等のエポキシ基又はグリシジル基を架橋性官能基として有する官能性モノマーを重合して得たエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体等のアクリル系樹脂がより好ましい。アクリル系樹脂のなかでもエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエポキシ基含有アクリルゴムが好ましく、エポキシ基含有アクリルゴムがより好ましい。エポキシ基含有アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体、エチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体などからなる、エポキシ基を有するゴムである。なお、アクリル系樹脂は、エポキシ基だけでなく、アルコール性又はフェノール性水酸基、カルボキシル基等の架橋性官能基を有していてもよい。
アクリル樹脂の市販品としては、ナガセケムテック(株)製のSG-70L、SG-708-6、WS-023 EK30、SG-280 EK23、SG-P3溶剤変更品(商品名、アクリルゴム、重量平均分子量:80万、Tg:12℃、溶剤はシクロヘキサノン)等が挙げられる。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、高いダイシェア強度を達成する観点から、-50~50℃であることが好ましく、-30~30℃であることがより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、高いダイシェア強度を達成する観点から、10万~300万であることが好ましく、50万~200万であることがより好ましい。ここで、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値を意味する。なお、分子量分布の狭いアクリル樹脂を用いることにより、高弾性の接着剤片を形成できる傾向にある。
熱硬化性樹脂組成物に含まれるアクリル樹脂の量は、高いダイシェア強度を達成する観点から、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の合計100質量部に対して10~200質量部であることが好ましく、20~100質量部であることがより好ましい。
[無機フィラー]
無機フィラーとして、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミウィスカ、窒化ホウ素及び結晶性シリカ、非晶性シリカが挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
無機フィラーの平均粒径は、高いダイシェア強度を達成する観点から、0.005μm~1.0μmが好ましく、0.05~0.5μmがより好ましい。無機フィラーの表面は、高いダイシェア強度を達成する観点から、化学修飾されていることが好ましい。表面を化学修飾する材料として適したものにシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤の官能基の種類として、例えば、ビニル基、アクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、ジアミノ基、アルコキシ基、エトキシ基が挙げられる。
高いダイシェア強度を達成する観点から、熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分100質量部に対して、無機フィラーの含有量は20~200質量部であることが好ましく、30~100質量部であることがより好ましい。
[硬化促進剤]
硬化促進剤として、例えば、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩が挙げられる。高いダイシェア強度を達成する観点から、イミダゾール系の化合物が好ましい。イミダゾール類としては、2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチルー2-メチルイミダゾール等が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂組成物における硬化促進剤の含有量は、高いダイシェア強度を達成する観点から、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の合計100質量部に対して0.04~3質量部が好ましく、0.04~0.2質量部がより好ましい。
また、支持片30となる接着フィルムは、複数層から形成されるものであってもよい。図10は、変形例に係る積層フィルム60Aを示す断面図である。図10に示すように、積層フィルム60Aは、基材フィルム61、粘着層62、及び、接着フィルム63Aを有している。接着フィルム63Aは、上述した何れかの熱硬化性樹脂組成物からなる一対の表面層66a,66bと、一対の表面層66a,66bの間に配置された中間層67とを含んで構成される。表面層66a,66bの厚さは、例えば、5~60μmであり、5~25μm又は5~20μmあってもよい。中間層67の厚さは、例えば、5~75μmであり、10~75μm又は10~50μmであってもよい。中間層67の引張弾性率は、例えば、8.0MPa以上であり、9.0MPa以上又は10.0MPa以上であってもよい。中間層67の引張弾性率が8.0MPa以上であることで、支持片63aをピックアップする工程において(図5(c)を参照)、中間層67がバネ板のような役割を果たし、優れたピックアップ性を達成できる。なお、中間層67の引張弾性率の上限値は材料の入手のしやすさの点から15MPa程度である。中間層67は、例えば、ポリイミド若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂層、又は、金属層から構成される。中間層67は引張弾性率が上記範囲となるように硬化処理が施された熱硬化性樹脂組成物又は光硬化性樹脂組成物からなる層であってもよい。
(半導体装置の製造方法)
ここで、図11~図13を参照して、上述した製造方法によって製造される支持片30を用いて3次元実装構造を有する半導体装置1を製造する方法について説明する。図11は、半導体装置1の製造方法の一工程を示す図であって、基板10上であって半導体チップ20の周囲に複数の支持片30を配置した状態を示す断面図である。図12は、半導体装置1の製造方法に用いる接着剤片付きチップの一例を示す断面図である。図13は、図11に続いて半導体装置1の製造方法の一工程を示す図であって、基板10上に形成されたドルメン構造を模式的に示す断面図である。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、以下の(A)~(G)の工程を含む。
(A)複数の支持片30を準備する工程(図5の(a)~(c)を参照)
(B)基板10上に半導体チップ20を配置する工程
(C)基板10上であって半導体チップ20の周囲に複数の支持片30を配置する工程(図11参照)
(D)半導体チップ21と、半導体チップ21の一方の面上に設けられた接着剤片41とを備える接着剤片付きチップ21aを準備する工程(図12を参照)
(E)複数の支持片30の表面上に接着剤片付きチップ21aを配置することによってドルメン構造を構築する工程(図13を参照)
(F)更なる半導体チップ22,23を半導体チップ21の上に積層する工程(図1を参照)
(G)半導体チップ20と半導体チップ21との隙間を埋めると共に、半導体チップ21~23とワイヤ46~48を覆うように、基板10上を封止材50で封止する工程(図1参照)
(A)~(G)工程は、複数の支持片30を使用してドルメン構造を基板10上に構築していくプロセスである。(A)工程では、図5等に示す製造方法によって製造される支持片30を所定数用意する。(A)工程では、図5等に示す製造方法によって支持片30を製造してもよいし、製造された支持片30を取得してもよい。
[(B)工程]
(B)工程は、基板10上に半導体チップ20を配置する工程である。例えば、まず、基板10上の所定の位置に接着剤片40を介して半導体チップ20を実装する。その後、半導体チップ20をワイヤ45で基板10と電気的に接続する。
[(C)工程]
(C)工程は、基板10上であって半導体チップ20の周囲に複数の支持片30を配置する工程である。この工程を経て、図11に示す構造体Tが作製される。構造体Tは、基板10と、その表面上に配置された半導体チップ20と、複数の支持片30とを備える。支持片30の配置は圧着処理によって行ってもよい。圧着処理は、例えば、80~180℃、0.01~0.50MPaの条件で、0.5~3.0秒間にわたって実施することが好ましい。なお、支持片30は(C)工程の時点で完全に硬化した支持片となっていてもよく、この時点では完全硬化していなくてもよい。支持片30は(C)工程の開始前の時点で完全硬化した支持片となっていることが好ましい。
[(D)工程]
(D)工程は、図12に示す接着剤片付きチップ21aを準備する工程である。接着剤片付きチップ21aは、半導体チップ21と、その一方の表面に設けられた接着剤片41とを備える。接着剤片付きチップ21aは、例えば、半導体ウェハ及びダイシング・ダイボンディング一体型フィルムを使用し、ダイシング工程及びピックアップ工程を経て得ることができる。
[(E)工程]
(E)工程は、複数の支持片30の上面に接着剤片41が接するように、半導体チップ20の上方に接着剤片付きチップ21aを配置する工程である。具体的には、支持片30の上面に接着剤片41を介して半導体チップ21を圧着する。この圧着処理は、例えば、80~180℃、0.01~0.50MPaの条件で、0.5~3.0秒間にわたって実施することが好ましい。次に、加熱によって接着剤片41を硬化させる。この硬化処理は、例えば、60~175℃、0.01~1.0MPaの条件で、5分間以上にわたって実施することが好ましい。これにより、接着剤片41が硬化する。この工程を経て、基板10上にドルメン構造が構築される(図13参照)。
[(F)工程]
(F)工程では、半導体チップ21の上に接着剤片42を介して半導体チップ22を配置し、更に、半導体チップ22の上に接着剤片43を介して半導体チップ23を配置する。接着剤片42及び43は上述の接着剤片40及び41と同様の熱硬化性樹脂組成物であればよく、加熱硬化によって接着剤片となる(図1参照)。他方、半導体チップ21,22,23と基板10とをワイヤ46~48で電気的にそれぞれ接続する。なお、半導体チップ20の上方に積層するチップの数は本実施形態の三つに限定されず、適宜設定することができる。
[(G)工程]
(G)工程では、半導体チップ20と半導体チップ21との隙間を埋めると共に、半導体チップ21~23とワイヤ46~48を覆うように、基板10上を封止材50で封止する(図1参照)。封止材50は、例えばエポキシ樹脂を含む。この工程を経て図1に示す半導体装置1が完成する。
以上、本実施形態に係る支持片の製造方法では、個片化された支持片63aをピックアップする際、基材フィルム61を3mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で各支持片63aをピックアップしている。この場合、エキスパンド量を通常よりも大きくしていることから、個片化された各支持片63aの側面等へ粘着しているバリGをエキスパンドにより引き剥がして、隣接する支持片63a同士がバリGで粘着されている状態を解消することができる。よって、この製造方法によれば、個片化された各支持片63aをピックアップする際、隣接する支持片63a同士がバリGで繋がれていないため、個片化された支持片63aのピックアップ性を向上することができる。
また、本実施形態に係る支持片の製造方法は、接着フィルム63が個片化用のリングフレーム100の内側に配置されるように基材フィルム61を粘着層62を介してリングフレーム100に貼り付ける工程を更に備えてもよく、この貼り付ける工程では、積層フィルム60の伸び率が100%より大きくなるように積層フィルム60に張力を付与しながら積層フィルム60をリングフレーム100に貼り付けている。この場合、ダイシングを行う前に積層フィルム60が外側に向けて伸ばされる張力が付与されており、ダイシングで当該張力が解放されることになる。よって、隣接する支持片63a同士の間にダイシングでバリGが形成されたとしても、この張力の解放による急激な縮みによりバリGが支持片63a間のダイシング溝H等から掻き出されるため、隣接する支持片63a同士がバリGで繋がれていないことになり、個片化された支持片63aのピックアップ性を更に向上することができる。
また、本実施形態に係る支持片の製造方法において、貼り付ける工程では、積層フィルム60の伸び率が101%以下となるように積層フィルム60に張力を付与しながら積層フィルム60をリングフレーム100に貼り付けてもよい。この場合、積層フィルム60に掛かる張力がそれほど高くないことから、積層フィルム60を構成する接着フィルム63に掛かる伸びの力も低く抑えられ、積層フィルム60をリングフレーム100に貼り付ける際、基材フィルム61から接着フィルム63が剥離することが低減される。特に基材フィルム61(粘着層62)と接着フィルム63の外周付近では剥離が生じやすいが、上記の製造方法により、基材フィルム61から接着フィルム63が剥離することが低減される。その結果、基材フィルム61及び粘着層62からなる積層体と接着フィルム63との間でボイドが生じにくくなる。このようなボイドの低減により、この製造方法によれば、個片化の際のチップ飛び等を抑制し、安価な支持部材を高い歩留まりで製造することが可能となる。
また、本実施形態に係る支持片の製造方法において、ピックアップする工程では、基材フィルム61を5mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で、複数の支持片63aそれぞれをピックアップしてもよい。この場合、エキスパンド量を通常よりも更に大きい値の範囲としていることから、個片化された各支持片63aの側面等へ粘着しているバリGを更に強く引き剥がして、隣接する支持片63a同士がバリで粘着されている状態を解消することができる。よって、この製造方法によれば、個片化された各支持片63aをピックアップする際、個片化された支持片63aのピックアップ性を更に向上することができる。
また、本実施形態に係る支持片の製造方法において、ピックアップする工程では、エキスパンドする方向と直交する突上げ方向に300μm以上の突上げ量で基材フィルム61を突き上げて複数の支持片63aそれぞれをピックアップしてもよい。この場合、ピックアップする際の基材フィルム61からの支持片63aの距離をより多く取ることができるため、個片化された支持片のピックアップ性を更に向上することができる。
また、本実施形態に係る支持片の製造方法において、接着フィルム63の引張弾性率が8.0MPa以上であってもよい。また、接着フィルム63は、ポリイミドを含んでもよい。この場合、安価で且つ強度に優れた支持部材を得ることが可能となる。
また、本実施形態に係る支持片の製造方法において、接着フィルム63は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる一対の表面層66a,66bと、一対の表面層66a,66bの間に配置された中間層67とを含んでもよい。この場合、接着フィルム63Aが多層構造であり、接着フィルム63Aを比較的厚くなるように形成しても、接着フィルム63Aの反りを抑制することができる。反りを抑制することにより、この製造方法によれば、平面方向に広がる接着フィルム63Aの厚さをより均一なものとして、製造される支持片の厚みをより均一化させることが可能となる。この変形例において、中間層67はポリイミド層又は金属層であってもよい。これにより、強度及び耐熱性に優れた支持片を得ることができる。なお、中間層67の厚みは50μm以下であってもよい。これにより、多層構造であっても支持片をそれほど厚くせずに薄いものとすることができる。
以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、ドルメン構造の半導体装置に用いる支持片30の製造方法について説明したが、支持片30は、他の半導体装置の部材として用いてもよく、特に限定されない。また、紫外線硬化型の粘着層62を有する積層フィルム60を例示したが、粘着層62は感圧型であってもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、図10に示す構成の積層フィルム60Aを用いて支持片を作製した場合における支持片のピックアップ性を確認した。具体的には、積層フィルム60Aをリングフレーム100に貼り付けると共に、ダイシングにより接着フィルム63Aを個片化し、その後、個片化した支持片をピックアップした。これらに用いた装置は、(株)ディスコ製の12インチデュアルダイサ(DFD-6362)およびファスフォードテクノロジ(株)製のダイボンダ(DB-830P)であった。
また、各実施例で使用した化合物は以下の通りである。
(積層体)
積層体65として、以下の積層体を準備した。
<積層体の作製>
アクリル酸2-エチルヘキシルを78質量部、アクリル酸2-ヒドロキシエチルを20質量部、メタクリル酸を2質量部を原料として、溶媒には酢酸エチルを用いて、溶液ラジカル重合により共重合体を得た。次に、このアクリル共重合体に対し、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを8重量部反応させて、炭素-炭素二重結合を有する放射線反応型アクリル共重合体を合成した。上記の反応にあたっては、重合禁止剤としてヒドロキノン・モノメチルエーテルを0.05部用いた。合成したアクリル共重合体の重量平均分子量をGPCにより測定したところ、80万であった。
このようにして得られたアクリル共重合体と、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(東ソー(株)、商品名:コロネートL)を固形分換算で8.0部と、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.5部とを混合し、放射線硬化型粘着剤溶液を調製した。次に、上記のようにして得られた放射線硬化型粘着剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート製剥離フィルム(厚み:38μm)上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布・乾燥した。その後、粘着剤層に、片面にコロナ放電処理が施されたポリオレフィン製フィルム(厚み:90μm)を貼り合わせた。貼り合せた試料を40℃の恒温槽で72時間エージングを行い、積層体を作製した。なお、積層体の引張強さは、32MPaであり、伸び率は340%であった。
(接着フィルム)
接着フィルムは、上述したように、図10に示す三層構成の接着フィルム63Aを用いた。接着フィルム63Aの表面層66a、66bを構成する熱硬化性樹脂組成物は、以下の(a)~(h)を含んでいた。
(ワニスAの調製)
以下の材料を使用して支持片形成用フィルムのためのワニスAを調製した。
(a)エポキシ樹脂:YDCN-700-10:(商品名、新日鉄住金化学(株)製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、25℃において固体)13.2質量部
(b)フェノール樹脂(硬化剤):HE-100C-30:(商品名、エア・ウォーター(株)製、フェニルアラキル型フェノール樹脂)11.0質量部
(c)無機フィラー:アエロジルR972:(商品名、日本アエロジル(株)製、シリカ、平均粒径0.016μm)7.8質量部
(d)エラストマ:SG-P3溶剤変更品(商品名、ナガセケムテックス(株)製、アクリルゴム、重量平均分子量:80万、Tg:12℃、溶剤はシクロヘキサノン)66.4質量部
(e)カップリング剤1:A-189:(商品名、GE東芝(株)製、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)0.4質量部
(f)カップリング剤2:A-1160:(商品名、GE東芝(株)製、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン)1.15質量部
(g)硬化促進剤:キュアゾール2PZ-CN:(商品名、四国化成工業(株)製、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール)0.03質量部
(h)溶媒:シクロヘキサン
上記のとおり、溶媒としてシクロヘキサノンを使用し、ワニスAの固形分割合が16質量%となるように調整した。100メッシュのフィルターでワニスAをろ過するとともに真空脱泡した。ワニスAを塗布するフィルムとして、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)を準備した。真空脱泡後のワニスAを、PETフィルムの離型処理が施された面上に塗布した。塗布したワニスAを、90℃で5分間、続いて140℃で5分間の二段階で加熱乾燥した。こうして、Bステージ状態(半硬化状態)の熱硬化性樹脂層AをPETフィルムの表面上に作製した。
また、接着フィルム63Aの中間層67は、ポリイミド(宇部興産(株)製、商品名:ユーピレックス 50SGA、厚み50μm)から構成されていた。
次に熱硬化性樹脂層66a、66bを準備し、70℃のホットプレート上において中間層67の両面にゴムロールで貼り合わせ接着フィルム63Aとし、積層体65に室温でゴムロールで貼り合わせ、積層フィルム60Aを得た。
続いて、この得られた積層フィルム60Aを所定の貼付け張力でリングフレーム100に貼り付け(図5(a)を参照)、その後、ダイシング装置によるダイシングで接着フィルム63Aを個片化した(図5(b)を参照)。そして、所定のエキスパンド量で基材フィルム61をエキスパンドしながら各支持片を突上げ治具111で突き上げ、吸引コレット112による吸引でピックアップした。各試験におけるピックアップ数はそれぞれ20個とした。
以下の表1~表3に、エキスパンド量、貼付け張力、突上げ量、及び突上げ速度をそれぞれ変更した評価結果(実施例1~16)を示す。表1では、貼付け張力が100.19%であり、ダイシング時のカーフ幅は24μmであった。表2では、貼付け張力が100.47%であり、ダイシング時のカーフ幅は31μmであった。表3では、貼付け張力が101.00%であり、ダイシング時のカーフ幅は33μmであった。
Figure 2022153830000002

Figure 2022153830000003

Figure 2022153830000004
以上の実施例1~16に示すように、ピックアップ時のエキスパンド量を3mm~9mmの範囲とすることで、支持片のピックアップ率がほぼ100%であり、ピックアップ性が向上していることが確認できた。なお、実施例1及び実施例2に示すように、ピックアップ時のエキスパンド量が3mmの場合、突上げ量が275mm及び300mmであると、ピックアップ率が下がる傾向があるが、例えば実施例2の突上げ量を325μmに上げることで、ピックアップ率は20/20とすることができた。
また、以下の表4に、エキスパンド量を7mmとして、積層体65Aのリングフレーム100への貼付け張力を変更した実施例17~19を示す。
Figure 2022153830000005
以上の実施例17~19に示すように、積層体65Aのリングフレーム100への貼付け張力を100%よりも高くするにつれて、ピックアップ数を向上させることが出来ることが確認できた。なお、実施例17~19での突上げ量は、貼付け張力の変化による傾向を確認するため、低めに設定しており、実施例18及び19に対応する試験において突上げ量を225μmに上げることで(他の条件はそのまま)、ピックアップ率は20/20とすることができた。
以上の試験結果から明らかなように、基材フィルムを3mm以上9mm以下のエキスパンド量(より好ましくは、5mm以上9mm以下のエキスパンド量)でエキスパンドした状態で各支持片をピックアップすることにより、ピックアップ率を高くできることが確認できた。また、積層体のリングフレームへの貼付け張力を高くすることにより、ピックアップ性を向上できることが確認された。
1…半導体装置、10…基板、20…半導体チップ、21…半導体チップ、30…支持片(支持部材)、60,60A…積層フィルム、61…基材フィルム、62…粘着層、63…接着フィルム、63a…支持片、65…積層体、66a,66b…表面層、67…中間層、100…リングフレーム(リング)、111…突上げ治具、112…吸引コレット、E…エキスパンド量、G…バリ、H…ダイシング溝。

Claims (10)

  1. 基材フィルムに粘着層を介して接着フィルムが貼り付けられた積層フィルムを準備する工程と、
    前記接着フィルムを複数の支持部材に個片化する工程と、
    前記複数の支持部材それぞれを前記基材フィルムからピックアップする工程と、
    を備え、
    前記ピックアップする工程では、前記基材フィルムを3mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で、前記複数の支持部材それぞれをピックアップする、支持部材の製造方法。
  2. 前記接着フィルムが個片化用のリングの内側に配置されるように前記基材フィルムを前記粘着層を介して前記リングに貼り付ける工程を更に備え、
    前記貼り付ける工程では、前記積層フィルムの伸び率が100%より大きくなるように前記積層フィルムに張力を付与しながら前記積層フィルムを前記リングに貼り付ける、
    請求項1に記載の支持部材の製造方法。
  3. 前記貼り付ける工程では、前記積層フィルムの伸び率が101%以下となるように前記積層フィルムに張力を付与しながら前記積層フィルムを前記リングに貼り付ける、
    請求項2に記載の支持部材の製造方法。
  4. 前記ピックアップする工程では、前記基材フィルムを5mm以上9mm以下のエキスパンド量でエキスパンドした状態で、前記複数の支持部材それぞれをピックアップする、
    請求項1~3の何れか一項に記載の支持部材の製造方法。
  5. 前記ピックアップする工程では、前記エキスパンドする方向と交差する突上げ方向に300μm以上の突上げ量で前記基材フィルムを突き上げて前記複数の支持部材それぞれをピックアップする、
    請求項1~4の何れか一項に記載の支持部材の製造方法。
  6. 前記接着フィルムの引張弾性率が8.0MPa以上である、
    請求項1~5の何れか一項に記載の支持部材の製造方法。
  7. 前記接着フィルムは、ポリイミドを含む、
    請求項1~6の何れか一項に記載の支持部材の製造方法。
  8. 前記接着フィルムは、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる一対の表面層と、前記一対の表面層の間に配置された中間層とを含む、
    請求項1~7の何れか一項に記載の支持部材の製造方法。
  9. 前記中間層がポリイミド層又は金属層である、
    請求項8に記載の支持部材の製造方法。
  10. 請求項1~9の何れか一項に記載の支持部材の製造方法によって製造された支持部材を用いて半導体装置を製造する、半導体装置の製造方法。
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