JP4393828B2 - 転がり軸受用保持器およびそれを備えた転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受用保持器およびそれを備えた転がり軸受 Download PDF

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この発明は、工作機械主軸用軸やその他、一般産業機械に用いられる転がり軸受の保持器、およびそれを備えた転がり軸受、並びに転がり軸受の潤滑構造に関する。
転がり軸受において、潤滑の目的は、転がり面および滑り面に対して薄い油膜を形成して、金属と金属が直接に接触するのを防ぐことであり、次のような効果がある。
(1) 摩擦および摩耗の低減、(2) 摩擦熱の排出、(3) 軸受寿命の延長、(4) さび止め、異物の浸入防止。
これらの効果を発揮させるためには、使用条件に適した潤滑方法を用いる必要がある。 一般に、工作機械の主軸では、攪拌による発熱をできるだけ小さくするために、非常に少ない量の潤滑油を用いており、使用条件によってグリース潤滑、オイルミスト潤滑、エアオイル潤滑、ジェット潤滑などが採用される。軸受の油量と摩擦損失、軸受温度の関係を図7に示す。
エアオイル潤滑(図7の領域II)は、潤滑油を軸受毎に最適間隔で正確に計量して送り出し、給油管の末端まで連続的に圧送した後、軸受に向けて設けたノズルで潤滑必要部に吹きつけるという構成を持つ。この潤滑方法は工作機械主軸の高速化、低温度上昇に適合する潤滑方法として広く用いられている。その潤滑油供給システムを図8に、軸受周辺図を図9にそれぞれ示す。
図8の潤滑油供給システムは、タンク61から計量して油経路62より供給される潤滑油を、エア経路63,64から送られるエアーと混合させてエアオイルとし、エアオイルライン65からノズル66を経て転がり軸受51に吐出するものである。図9のように、このエアオイルはノズル66から転がり軸受51の内輪52の転走面52aに向けて吐出する。
同図の潤滑システムでは、高速回転時には軸受温度が高くなるため、潤滑油の油圧形成能が低下する。加えて、回転部周辺の空気が連れ回って形成されるエアカーテンも増大するため、高速回転ほど、潤滑条件が厳しく、ノズル66から供給された潤滑油も軸受51の内部へ入り難くなる。
また、排油(エアオイルの排気)が円滑に行わなければ、軸受内部で潤滑油が滞留し、攪拌抵抗が増大することによって、昇温大となる。昇温が大きいと、主軸の熱膨張による加工制度劣化を引き起こす。
したがって、エアオイル潤滑をはじめとする微量潤滑での高速運転では、
(1) 高い給油性を持つこと(潤滑油が軸受内部に入り易いこと)、
(2) 高い排油性を持つこと(潤滑油が軸受外部に排出され易いこと)、
という2つの特性が軸受に要求される。
特許第2740304号公報
上記のように、エアオイル潤滑での高速運転の際には、昇温大となることを防ぐために給油性、排油性を高めた軸受仕様とすることが重要となる。
図9,図10は、上記の軸受の潤滑構造の仕様例であり、ノズル66の狙いを軸受中で発熱が最も大きい箇所、つまり潤滑油を最も必要する内輪転走面52aとすることで、給油効率を高めている。加えて、ノズル66の狙う軸受背面側の内輪外径も小さくし、給油空間を広げている。アンギュラ玉軸受には、背面側内輪外径または正面側外輪内径に「カンウタボア」と呼ばれる組立に必要なテーパ面が設けてある。カウンタボアが背面側内輪外径に設けてある場合には、内輪52の外径が小さくなるため、給油空間を広げる働きも持つことになる。
ところが、軸受幅に対して転動体54が大きい場合には、保持器55の幅を軸受幅と同程度まで広げなければならない。その結果、ノズルから噴射されたエアオイルの一部が保持器55と衝突し、円滑な潤滑油供給が妨げられる。例えば図11にRで示す領域が、潤滑油の供給が妨げられる領域である。
このような場合、保持器55とエアオイルが干渉しないように、ノズル66の狙い位置を低くすることも可能であるが、内輪側に設けられた間座58の外径が小さく、つまり間座58の肉厚が薄くなるため、ノズル狙い位置の高さにも制限がある。
一方、軸受に供給された潤滑油は、軸受内部を通過し、図12に示すような流れで軸受外部へと排出される。排油性を高めるためには、保持器55と外輪53との間にできる空間(排油経路A)や、保持器と内輪との間にできる空間(排油経路B)を広げることが有効である。
このようにするには、排油経路Bとなる正面側の内輪内径を小さく、外輪内径を大きくすれば良い。ところが、アンギュラ玉軸受の内輪は、正面側軌道面上で荷重を支持する(転動体との接触面を持つ)ため、内輪外径を小さくすることは、負荷能力、特にアキシアル方向の負荷能力の低下に繋がる。負荷能力が低下すると、軌道面および転動体に永久変に伴う圧痕が生じ易くなり、異音発生や振動増大等の要因になる。
この発明の目的は、軸受内への円滑な潤滑油供給と排油を可能にしつつ、荷重負荷能力の確保が可能な保持器およびその保持器を備えた転がり軸受を提供することである。
この発明の転がり軸受用保持器は、環状部分、およびこの環状部分の円周方向複数箇所から軸方向に延びてそれぞれ設けられて互いの間に転動体を保持するポケットを形成した複数の柱部を有し、かつ上記環状部分の内径面に、軸方向に傾斜して軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の略全幅に渡って有する。上記環状部分は軸方向の両側に設けられている。さらに、保持器の内径面における軸方向幅の中央に、転動体に案内されるための内径側へ突出する中央突部を有する。また、上記傾斜部は、環状部分だけでなく、環状部分から柱部に渡って設けられていても良い。上記中央突部は、軸方向に沿う断面形状が、軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の上記傾斜部側に有する下向きの台形状である。
この構成の保持器は、エアオイル潤滑構造やオイルミスト潤滑構造等の油潤滑の転がり軸受等に使用される。その場合に、この保持器は、内径面に、軸方向に傾斜して軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の略全幅に渡って有するため、保持器の内径面と内輪の外径面間の隙間で構成される給油空間および排油空間が広がる。
給油空間が広がると、軸受幅に対して転動体径が大きい軸受の場合でも、保持器と干渉することなく、内輪転走面へエアオイル等を狙うことができる。その場合に、ノズルの狙い位置を低くする必要がなく、したがって内輪間座を薄肉にする必要がなく、内輪間座の強度確保ができる。また、保持器内径面と内輪外径面の間で形成される排油経路についても、内輪外径を小さくする必要がなく、したがって負荷能力を低下させずに排油空間を広げることができる。このため、軸受内部での潤滑油の滞留を抑制することができる。
なお、上記の作用は、保持器が軸方向の両側に環状部分を持つ形式である場合の説明であるが、保持器が軸方向の片側のみに環状部分を持つ形式のものである場合は、給油空間または排油空間のいずれか一方が広がることになる。
このように、この保持器を用いると、内輪間座や内輪外径等の設計に制限を加えることなく、転がり軸受の給油性・排油性を高めることができ、昇温大の防止による運転信頼性の向上、および低温度上昇による高速化に寄与することができる。
保持器における上記傾斜部の傾斜角度は、10〜20°の範囲である。傾斜角度が10°未満の場合、給油空間、排油空間は、傾斜部を持たない従来の保持器と殆ど変わらないため、給油・排油効率を高めることは難しい。逆に、傾斜角度が20°を超える場合は、保持器肉厚の確保の理由から、保持器幅の内側まで傾斜部を設けることが難しくなるため、給油空間・排油空間を大きくすることが難しい。
保持器幅に対する上記傾斜部の幅の割合は、30%以上である。傾斜部の幅の割合が30%未満の場合は、給油空間、排油空間が、傾斜部を持たない従来の保持器と殆ど変わらないため、給油・排油効率を高めることは難しい。
この発明の転がり軸受は、内輪と外輪との間に複数の転動体が介在し、これら複数の転動体を保持する保持器を備えた転がり軸受であって、上記保持器に、この発明の上記いずれかの構成の保持器を用いたものである。この構成の転がり軸受によると、この発明の保持器の上記各効果が得られる。
この発明の転がり軸受の潤滑構造は、内輪と外輪との間に複数の転動体が介在し、これら複数の転動体を保持する保持器を備えた転がり軸受と、上記保持器の内径面と内輪の外径面との間にエアオイルまたはオイルミスト等の潤滑油を吐出するノズル部材とを備え、上記保持器に、この発明の上記いずれかの構成の保持器を用いたものである。この潤滑構造によると、この発明の保持器の上記各効果が有効に発揮される。
この発明の保持器およびそれを備えた転がり軸受によると、保持器の環状部分の内径面に、軸方向に傾斜して軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の略全幅に渡って有し、上記環状部分を軸方向の両側に有し、上記傾斜部の傾斜角度が10〜20°であり、保持器幅に対する上記傾斜部の幅の割合が30%以上であり、保持器の内径面における軸方向幅の中央に、転動体に案内されるための内径側へ突出する中央突部を有し、この中央突部は、軸方向に沿う断面形状が、軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の上記傾斜部側に有する下向きの台形状であるため、軸受内への円滑な潤滑油供給と排油を可能にしつつ、荷重負荷能力の確保が可能となる。
この発明の第1の実施形態を図1と共に説明する。この転がり軸受1は、内輪2と外輪3の転走面2a,3a間に複数の転動体4が介在し、これら複数の転動体4を保持する保持器5を備えたものである。この転がり軸受1はアンギュラ玉軸受とされ、内輪2の背面側外径、および外輪3の正面側内径に、カンウタボアとなるテーパ面2b,3bが形成されている。転動体4は鋼球等のボールからなる。
図2に示すように、保持器5は、環状部分5aおよびこの環状部分5bの円周方向複数箇所から軸方向に延びてそれぞれ設けられて互いの間に転動体4を保持するポケット6を形成した複数の柱部5bを有している。環状部分5aは軸方向の両側に設けられている。これら環状部分5aの内径面に、軸方向に傾斜して軸方向の中央側が小径となる傾斜部7が設けられている。傾斜部7は、環状部分5aの略全幅に渡るものであり、図示の例では環状部分5aから柱部5bに渡って形成されている。また、保持器5の内径面における軸方向幅の略中央には、転動体に案内されるための内径側へ突出する中央突部8が設けられている。中央突部8は、柱部5bの円周方向幅の全幅にわたるものであり、軸方向に沿う断面形状が下向きの台形状とされている。
保持器5の上記傾斜部7の軸受軸心に対する傾斜角度は10〜20°の範囲とされる。傾斜部7の幅の保持器幅に対する割合は、30%以上とされる。ここで言う傾斜部7の幅は、両側の各傾斜部7の幅の合計幅のことである。この例では、傾斜部7の保持器幅に対する割合は略65%とされている。保持器5の案内方式は、例えば転動体案内方式とされる。保持器5の材質は、樹脂製または金属製等とされる。樹脂製とする場合に、例えばガラス繊維強化型ポリアミド樹脂等が使用される。
保持器5のポケット6の形状は、例えば転動体4の外径よりも若干大径の円筒状とされる。ポケット6の形状は、この他に、球面状であっても、また方形状であっても良い。保持器5は、この実施形態では両側に環状部5aを有しているが、片側のみに環状部を有する形式の保持器、例えば冠型等の保持器であっても良い。
この構成の転がり軸受1は、例えば図3に示すように、エアオイルを吐出するノズル部材9と組み合わせて使用され、転がり軸受1およびノズル部材9により、エアオイル潤滑構造が構成される。ノズル部材9は、保持器5の内径面と内輪2の外径面との間にエアオイルを吐出するノズル孔10を有する部材であり、転がり軸受1の外輪3に隣接して配置される。ノズル孔10の吐出口10aは、内輪2の転走面2aに向けられている。ノズル部材9は、例えば外輪3を設置したハウジング11の内径面に嵌合して設置される。ノズル部材9の内径側には内輪2に隣接して内輪間座12が設けられている。ノズル部材9のノズル孔10の吐出口10aは、エアオイル供給手段に接続される。エアオイル供給手段は、例えば図8と共に前述した潤滑油供給システムである。
このようなエアオイル潤滑構造とする場合に、この実施形態の転がり軸受1によると、次の作用が得られる。すなわち、保持器5の内径面に、軸方向に傾斜して軸方向の中央側が小径となる傾斜部7が設けられているため、保持器5の内径面と内輪2の外径面間の隙間で構成される給油空間S1および排油空間S2が広がる。
給油空間S1が広がると、軸受幅に対して転動体4の径が大きい軸受の場合でも、保持器5と干渉することなく、内輪転走面2aへノズル孔10からエアオイル等を狙うことができる。その場合に、ノズルの狙い位置を低くする必要がなく、したがって内輪間座12を薄肉にする必要がなく、内輪間座12の強度確保ができる。また、保持器5の内径面と内輪2の外径面の間で形成される排油経路S2についても、内輪外径を小さくする必要がなく、したがって負荷能力を低下させずに排油空間S2を広げることができる。このため、軸受内部での潤滑油の滞留を抑制することができる。
このように、保持器5の内径面に傾斜部7を設けたため、内輪間座12や内輪2の外径等の設計に制限を加えることなく、転がり軸受1の給油性・排油性を高めることができ、昇温大の防止による運転信頼性の向上、および低温度上昇による高速化に寄与することができる。
ただし、保持器5に傾斜部7が設けてある場合でも、その大きさが適切でなければ、給油性および排油性を向上させることができず、また傾斜部7の角度についても、給油性および排油性に大きく影響する。例えば、図9,図10に示した保持器55のように内径面の縁部に面取り状に傾斜部57を設けた程度では、傾斜部57の幅が十分ではなく、給油性および排油性を向上させることができない。
この実施形態では、傾斜部7は保持器5の環状部分5aの略全幅に渡って設けられているため、上記給油空間S1および排油空間S2の拡大による給油性および排油性の向上効果が得られる。保持器幅に対する傾斜部7の幅の割合は、30%以上であることが好ましい。傾斜部7の幅の割合が30%未満の場合は、給油空間、排油空間が、傾斜部を持たない従来の保持器と殆ど変わらないため、給油・排油効率を高めることは難しい。
保持器5における傾斜部7の傾斜角度は、10〜20°の範囲が好ましい。傾斜角度が10°未満の場合、給油空間S1、排油空間S2は、傾斜部7を持たない従来の保持器と殆ど変わらないため、給油・排油効率を高めることは難しい。逆に、傾斜角度が20°を超える場合は、保持器肉厚の確保の理由から、保持器幅の内側まで傾斜部を設けることが難しくなるため、すなわち保持器幅に対する傾斜部7の幅の割合が少なくなるため、給油空間S1・排油空間S2を大きくすることが難しい。
図4は、この実施形態の転がり軸受1と、図9,図10に示す従来軸受51についてのエアオイル潤滑運転時の外輪温度上昇の試験結果を示す。上記従来の軸受51は、保持器55として、内径面の縁部に面取り状の傾斜部57を有するものを用いたものであり、その他の構成は実施形態に示す転がり軸受1と同じである。表1に保持器仕様を、表2に運転条件をそれぞれ示す。
Figure 0004393828
Figure 0004393828
図4より、14,000 min-1(dn値70万)までの低中速領域では両者同等の温度上昇を示すものの、14,000 min-1(dn値70万)を超える高速領域では、この実施形態の保持器5の方が低温度上昇を示す。dn値は軸受内体と回転速度の積である。この実施形態の軸受と従来軸受とは、保持器形状以外の軸受仕様および運転条件は同じであり、保持器5の違いによる給油性・排油性が低温度上昇に寄与していると言える。
図5,図6は、この実施形態の転がり軸受用1を用いたエアオイル潤滑構造における他の例を示す。この例では、ノズル部材9が、保持器5の内径面と内輪2の外径面との間に挿入されるノズル孔形成突部9aを有しており、この突部9aの内輪外径面との対向面にノズル孔10の開口部10aが設けられている。内輪2の上記ノズル孔形成突部9aが挿入された外径面は上記テーパ面2bとされている。ノズル孔形成突部9aと内輪2のテーパ面2bとの間は微小隙間とされている。また、この内輪2のテーパ面2bにおけるノズル開口部10aとの対向部分に、断面V字状の周溝13が形成されている。なお、ノズル部材9は、ノズル本体9Aと上記ノズル孔形成突部9aを有する突部形成部材9Bとに分割されているが、一体のものであっても良い。
この実施形態の場合、ノズル孔10から内輪2のテーパ面2bに吐出された潤滑油が、表面張力と内輪2の回転と伴う遠心力でテーパ面2bに付着しながら流れ、転走面2aに供給される。この場合に、保持器5の内径面にテーパ部7が設けられているため、この間の空間が広がって、ノズル部材9のノズル孔形成突部9aを深く挿入することができる。このため、図6に拡大して示すように、内輪2のテーパ面2bにおけるノズル孔形成突部9aとの対向範囲Lを長く得ることができ、潤滑油の付着流れが良好となって、潤滑性が向上する。すなわち、上記対向範囲Lが短いと、潤滑油が内輪2のテーパ面2bに良好に付着せずに、遠心力により飛散する恐れがあるが、ノズル孔形成突部9aをできるだけ深く挿入して対向範囲Lを長くすることにより、上記の飛散が防止され、転走面2aに有効に供給される潤滑油の割合が多くなる。
なお、上記実施形態は、アンギュラ玉軸受に適用した場合につき説明したが、この発明の転がり軸受1およびその保持器5は、深溝玉軸受やころ軸受等に適用した場合でも、給油性・排油性を向上させることができる。
また、保持器5の材質や案内形式には制限がなく、上記のように内径面に傾斜部7を持つものであれば、給油性・排油性を向上させることができる。
さらに、この保持器5の上記傾斜部7による効果は、エアオイル潤滑に限らず、オイルミスト潤滑など、油潤滑に有効である。
この発明の第1の実施形態にかかる転がり軸受の部分断面図である。 (A),(B)はそれぞれその保持器の縦断面図および内径側から見た展開図である。 同転がり軸受を用いたエアオイル潤滑構造の断面図である。 この実施形態と従来例の回転速度に対する外輪温度上昇傾向を比較したグラフである。 同転がり軸受を用いたエアオイル潤滑構造の他の例の断面図である。 図5の部分拡大断面図である。 軸受潤滑における油量領域と温度上昇傾向および摩擦損失の関係を示すグラフである。 従来のエアオイル供給システムの説明図である。 従来のエアオイル潤滑構造の軸受およびノズル部材の断面図である。 その部分拡大断面図である。 (A)は同従来例の潤滑油供給不良部分を示す断面図、(B)はその回避提案例の断面図である。 従来例の排油経路の説明図である。 従来例の内輪外径の説明図である。
符号の説明
1…転がり軸受
2…内輪
3…外輪
4…転動体
5…保持器
5a…環状部
5b…柱部
6…ポケット
7…傾斜部
9…ノズル部材
10…ノズル孔

Claims (3)

  1. 環状部分、およびこの環状部分の円周方向複数箇所から軸方向に延びてそれぞれ設けられて互いの間に転動体を保持するポケットを形成した複数の柱部を有し、かつ上記環状部分の内径面に、軸方向に傾斜して軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の略全幅に渡って有し、上記環状部分を軸方向の両側に有し、上記傾斜部の傾斜角度が10〜20°であり、保持器幅に対する上記傾斜部の幅の割合が30%以上であり、保持器の内径面における軸方向幅の中央に、転動体に案内されるための内径側へ突出する中央突部を有し、この中央突部は、軸方向に沿う断面形状が、軸方向の中央側が小径となる傾斜部を、上記環状部分の上記傾斜部側に有する下向きの台形状であることを特徴とする転がり軸受用保持器。
  2. 内輪と外輪との間に複数の転動体が介在し、これら複数の転動体を保持する保持器を備えた転がり軸受において、上記保持器に、請求項1に記載の保持器を用いた転がり軸受。
  3. 内輪と外輪との間に複数の転動体が介在し、これら複数の転動体を保持する保持器を備えた転がり軸受と、上記保持器の内径面と内輪の外径面との間にエアオイルまたはオイルミスト等の潤滑油を吐出するノズル部材とを備え、上記保持器に、請求項1に記載の保持器を用いた転がり軸受の潤滑構造。
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