JP2007309346A - 回転軸支持構造 - Google Patents
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- F16C2360/23—Gas turbine engines
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Abstract
【課題】ハウジング等の外径側部材1の横孔1a内に略水平姿勢にした回転軸2を、フローティングブッシュ5を介して回転自在に支持させる構造において、外径側部材1の給油孔から潤滑油をフローティングブッシュ5の外径側および内径側へ効率よく供給させるようにする。
【解決手段】外径側部材1に、その横孔1a内へ潤滑油を導くための給油孔7が、またフローティングブッシュ5に、その厚み方向を連通する貫通孔8が、それぞれ設けられている。給油孔7の内径側開口および貫通孔8の外径側開口が、回転軸2の回転方向の下流側へ向くように傾斜されている。
【選択図】図2
【解決手段】外径側部材1に、その横孔1a内へ潤滑油を導くための給油孔7が、またフローティングブッシュ5に、その厚み方向を連通する貫通孔8が、それぞれ設けられている。給油孔7の内径側開口および貫通孔8の外径側開口が、回転軸2の回転方向の下流側へ向くように傾斜されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ハウジング等の外径側部材の横孔内に略水平姿勢にした回転軸を、フローティングブッシュを介して回転自在に支持させる構造に関する。この回転軸としては、例えば排気ガスタービン過給機等において軸方向一端側にタービンホイールがまた軸方向他端側にコンプレッサホイールが設けられる回転軸や、その他の工作機械等の回転軸等が挙げられる。
例えば図6および図7に示すように、ハウジング等の外径側部材50の横孔51内に円筒形のフローティングブッシュ52を介して回転軸53を略水平姿勢で回転自在に支持させるような構造において、フローティングブッシュ52の潤滑や冷却を行うために、外径側部材50に、横孔51内に潤滑油を供給するための給油孔54を設け、また、フローティングブッシュ52の円周等間隔の複数箇所(図では四箇所)に、給油孔54から吐出される潤滑油をフローティングブッシュ52と回転軸53との対向隙間へ導くための貫通孔55を設けている。
なお、給油孔54は、横孔51の上側に鉛直方向に沿うように設けられており、また、貫通孔55は、フローティングブッシュ52の回転中心Oから放射方向に伸びる直線Yに沿って厚み方向に貫通するように設けられている。
このような構成では、下記する三つの理由により、フローティングブッシュ52の内径側に潤滑油を供給しにくくなっているために、フローティングブッシュ52と回転軸53との間の潤滑、冷却作用が不足することが懸念される。
第1に、給油孔54から吐出された潤滑油がフローティングブッシュ52の外径側でフローティングブッシュ52の回転方向の同一方向と反対方向とに分流されるために、フローティングブッシュ52の回転方向と反対方向へ流れる潤滑油が、次に給油孔54から吐出される潤滑油に衝突して、給油孔54の回転方向上流側に潤滑油が滞留しやすくなるなど、潤滑油の流れが悪くなる。
第2に、フローティングブッシュ52の外径側に供給される潤滑油は、フローティングブッシュ52が回転軸53と連れ回りする関係より、図8に示すような速度三角形が成立し、フローティングブッシュ52の貫通孔55に入りにくくなる。なお、図8において、Uはフローティングブッシュ52の回転方向と速度を表すベクトル、Cは給油孔54からの潤滑油の吐出方向と速度を表すベクトル、Wは貫通孔55に対する潤滑油の相対的な流入方向と速度を表すベクトル、αは潤滑油の相対的な流れ角である。但し、前記各速度は、任意であり、それに応じて流れ角αが変わる。
第3に、貫通孔55に流入した潤滑油には、フローティングブッシュ52の回転遠心力が作用するために、貫通孔55内の潤滑油がフローティングブッシュ52の内径側へと進みにくくなる。
このような構成において、例えば図6および図7中に仮想線で示すように、外径側部材50の横孔51内周面において給油孔54の内径側開口の周囲に陥没部56を設けることにより、フローティングブッシュ52の外径側に供給された潤滑油を、フローティングブッシュ52の貫通孔55に入れやすくしようとすることが考えられている。
しかしながら、その場合、陥没部56を形成するための加工が面倒でコストアップを招くだけことに加えて、外径側部材50の横孔51内周面がフローティングブッシュ52の案内面となる関係より、フローティングブッシュ52の外周面が偏摩耗しやすくなることが懸念される。しかも、陥没部56を設けても、期待する程の効果を得ることができないと言える。
ところで、上述したような外径側部材の給油孔を回転方向上流側または下流側に向けるよう傾斜させるようにしたものがある(例えば特許文献1参照。)。この特許文献1には、上述した陥没部を無くすことも記載されている。
この特許文献1では、給油孔から放出される潤滑油をフローティングブッシュの回転方向と反対方向または同方向に流すことによって、フローティングブッシュの回転を減速または増速させることを目的としている。
特開平5−71537号公報
上記特許文献1では、外径側部材に設けられる給油孔を傾斜させた構成としているが、前記給油孔の傾斜の向きは、フローティングブッシュの回転を減速させる場合に給油孔を回転方向上流側に向けて傾斜させるようにし、また、フローティングブッシュの回転を増速させる場合に給油孔を回転方向下流側に向けて傾斜させるようにする必要がある。
このように、上記特許文献1には、そもそもフローティングブッシュの内径側に潤滑油を効率よく供給させようという目的思想はない。
仮に、上記特許文献1において、外径側部材に設けられる給油孔の傾斜の向きを回転方向上流側とした場合、前記給油孔からフローティングブッシュの外径側で回転方向上流側に供給された潤滑油が、フローティングブッシュの回転に伴い前記給油孔の存在する側へ送られるようになるために、この潤滑油が後で給油孔から吐出される潤滑油と衝突することになって軸方向両側へ流出するようになる。
このように上記特許文献1の構成では、給油孔からフローティングブッシュの外径側に吐出した潤滑油をフローティングブッシュの貫通孔へ効率よく入れることなど、到底不可能であると考えられる。
本発明は、ハウジング等の外径側部材に設けられる横孔内に略水平姿勢にした回転軸を、フローティングブッシュを介して回転自在に支持した構造において、外径側部材の給油孔から潤滑油をフローティングブッシュの外径側および内径側に効率よく供給可能とすることを目的としている。
本発明は、外径側部材に設けられる横孔内に略水平姿勢にした回転軸を、フローティングブッシュを介して回転自在に支持した構造であって、前記外径側部材に、その横孔内へ潤滑油を供給するための給油孔が、また前記フローティングブッシュに、その厚み方向に貫通する貫通孔が、それぞれ設けられていて、前記給油孔の内径側開口および前記貫通孔の外径側開口が、前記回転軸の回転方向下流側へ向くようにそれぞれ傾斜されていることを特徴としている。
この構成によれば、下記する三つの理由により、フローティングブッシュの外径側および内径側に潤滑油を効率よく供給することが可能になって、外径側部材および回転軸とフローティングブッシュとの間の潤滑、冷却作用が向上するようになる。これにより、外径側部材および回転軸とフローティングブッシュとの間のフリクションロスを軽減できるようになり、それらの耐焼付き性および耐摩耗性の向上、ならびに回転軸の回転特性の向上に貢献できるようになる。
第1に、外径側部材の給油孔へ供給される潤滑油を、フローティングブッシュと外径側部材との対向隙間において回転軸の回転方向下流側つまり回転方向と同じ向きに斜めに吐出させるようにしているから、給油孔から順次吐出される潤滑油のすべての流れが円周方向の一方向になる。これにより、フローティングブッシュの外径側に供給された潤滑油がフローティングブッシュの回転抵抗にならずに済み、フローティングブッシュ5の外径側のクリアランス内で前記回転方向にスムーズに流れるようになる。
第2に、フローティングブッシュが回転軸と連れ回ることに伴い、フローティングブッシュの貫通孔の外径側開口が、外径側部材の給油孔における内径側開口を通り過ぎる毎に、フローティングブッシュの外径側に供給された潤滑油を迎え入れやすい角度となるから、貫通孔に潤滑油がスムーズに入るようになる。
第3に、貫通孔内に入った潤滑油は、フローティングブッシュの回転遠心力を受けるものの、この回転遠心力が、貫通孔の傾斜している内壁面によって潤滑油を貫通孔の内径側開口へ向けて付勢する力として変換されるから、フローティングブッシュの内径側へ潤滑油がスムーズに供給されるようになる。
ところで、上述したように潤滑油がフローティングブッシュの貫通孔にスムーズに入るようになることに伴い、この貫通孔の少なくとも外径側開口の内径を必要以上に大きくする必要がなくなる。これにより、フローティングブッシュの貫通孔における外径側開口の面積を可及的に小さくすることが可能になるから、フローティングブッシュの受圧面積が大きくなり、フローティングブッシュの負荷能力の向上に貢献できるようになる。
但し、フローティングブッシュの負荷能力を必要以上に高める必要がないのであれば、フローティングブッシュの貫通孔における外径側開口の面積を小さくせずに、その分、フローティングブッシュの軸方向幅を小さくして重量を軽減することが可能になり、回転軸の回転特性を向上するうえで有利となる。
好ましくは、前記給油孔の内径側開口および前記貫通孔の外径側開口の傾斜角度は、前記回転軸の実用回転域において前記給油孔から放出されて前記貫通孔へ流入する潤滑油の流れ角を20度以上80度未満とするように設定される。
この構成によれば、フローティングブッシュの外径側および内径側への潤滑油の供給量を必要十分に確保することが可能になる。これにより、フローティングブッシュの内径側における潤滑油の過不足を防止できるようになる等、回転軸とフローティングブッシュとの間のフリクションロスを抑制しつつ攪拌抵抗を軽減することが可能になる。
好ましくは、前記給油孔の内径側開口の内径が、前記貫通孔の外径側開口の内径と同等かそれより小さく設定される。
この構成によれば、外径側部材とフローティングブッシュとの当接面積を可及的に大きくすることが可能になるので、フローティングブッシュの受圧面積が大きくなり、フローティングブッシュの負荷能力の向上に貢献できるようになる。但し、負荷能力を拡大しなくてよいならば、フローティングブッシュの軸方向幅を小さくして重量を軽減することが可能になるから、回転軸の安定性向上に貢献できるようになる。
本発明によれば、外径側部材の給油孔から潤滑油をフローティングブッシュの外径側および内径側に効率よく供給することが可能になる。これにより、外径側部材および回転軸に対するフローティングブッシュの摺接部分の潤滑、冷却作用が向上するようになるので、外径側部材および回転軸とフローティングブッシュとの間のフリクションロスを軽減することができ、それらの耐焼付き性および耐摩耗性の向上、ならびに回転軸の回転特性向上に貢献できるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1から図5に、本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、排気ガスタービン過給機に本発明を適用した場合を例に挙げている。
図1は、本発明を適用した排気ガスタービン過給機の要部を示す縦断面図である。図中、1はセンターハウジングと呼ばれる外径側部材、2はタービンシャフトと呼ばれる回転軸である。
回転軸2の軸方向一端側には、タービンホイール3が一体に形成されており、この回転軸2の軸方向他端側には、それと別体のコンプレッサホイール4が一体的に取り付けられている。
この回転軸2が、外径側部材1の横孔1a内に略水平姿勢でフローティングブッシュ5を介して回転自在に支持されている。この実施形態では、回転軸2の軸方向中間領域における軸方向両端にそれぞれフローティングブッシュ5が配置されている。
左右のフローティングブッシュ5の間には、それらの間隔を保持するためのスペーサ6が介装されている。
外径側部材1において横孔1aの上側の一箇所には、横孔1a内へ潤滑油を導くための給油孔7が設けられている。
外径側部材1の給油孔7は、回転軸2の中心軸線Oと平行に設けられかつ図示しない潤滑油ポンプから供給される潤滑油が導入される上流部7aと、この上流部7aの軸方向両端の二箇所からそれぞれ横孔1aへ向けて開放される下流部7b,7bとを組み合わせたような構成になっている。
また、両フローティングブッシュ5は、一般的に公知のすべり軸受に用いられる適宜の金属や樹脂等で円筒形に形成されており、その円周等間隔の複数箇所(例えば四箇所)には、給油孔7へ導入される潤滑油をフローティングブッシュ5と回転軸2との対向隙間へ導くための貫通孔8が厚み方向に貫通するように設けられている。
ここで、本発明を適用した部分について詳細に説明する。
図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図である。この図に示すように、外径側部材1の給油孔7の下流部7bの内径側開口およびフローティングブッシュ5の貫通孔8の外径側開口は、共に、回転軸2の回転方向(図2の矢印Aで示す時計回り方向)の下流側へ向くように傾斜されている。
具体的に、給油孔7の下流部7bは、その中心軸線X1が横孔1aの中心から放射方向に伸びる直線Yに対し所定角度θ1傾けられている。
一方、フローティングブッシュ5に設ける貫通孔8は、その中心軸線X2がフローティングブッシュ5の回転中心Oから放射方向に伸びる直線Yに対し所定角度θ2傾けられている。
なお、この実施形態では、給油孔7の軸方向途中における内径が、貫通孔8の軸方向途中における内径と同等とされている。
図3は、図2の給油経路における速度三角形を示す説明図である。図中、Uはフローティングブッシュ5の回転方向と速度を表すベクトル、Cは給油孔7からの潤滑油の吐出方向と速度を表すベクトル、Wは貫通孔8に対する潤滑油の相対的な流入方向と速度を表すベクトル、αは潤滑油の相対的な流れ角度である。
図3において、本実施形態に関する速度三角形を実線で示しており、従来例に関する速度三角形を仮想線つまり二点鎖線で示している。従来例としては、図6から図8に示したもの、つまり、外径側部材1の給油孔7およびフローティングブッシュ5の貫通孔8を、共に、フローティングブッシュ5の回転中心Oから放射方向に伸びる直線Yに沿わせるように形成したものとしている。
なお、前記フローティングブッシュ5の回転速度や給油孔7からの潤滑油の吐出速度等は、任意であり、それに応じて流れ角αが変わる。この潤滑油の流れ角αは、回転軸2の実用回転域において20度以上80度未満とするのが好ましい。この点を考慮し、給油孔7の下流部7bの中心軸線X1および貫通孔8の中心軸線X2の傾斜角度θ1,θ2を、セッティングするのが好ましい。
次に、上述したような回転軸2の支持構造を有する排気ガスタービン過給機における給油時の動作について説明する。
回転軸2が図2の矢印Aで示す時計回り方向に所定回転数以上で回転しているときに、フローティングブッシュ5が回転軸2と同方向に連れ回りすることになる。
この状態において、図示しない潤滑油ポンプから外径側部材1の給油孔7に潤滑油を所定圧力で供給すると、給油孔7の下流部7b,7bから横孔1a内周面とフローティングブッシュ5との対向隙間に噴射されることになる。
このとき、潤滑油は、フローティングブッシュ5の外径側において回転軸2およびフローティングブッシュ5の回転方向下流側に向けて回転方向と同じ向きに斜めに噴射されるので、給油孔7から順次吐出される潤滑油のすべての流れが円周方向の一方向になる。これにより、フローティングブッシュ5の外径側に供給された潤滑油がフローティングブッシュ5の回転抵抗にならずに済み、フローティングブッシュ5の外径側のクリアランス内で前記回転方向にスムーズに流れるようになる。そのため、外径側部材1に対するフローティングブッシュ5の摺接部分を効率よく潤滑、冷却することができ、そこのフリクションロスを軽減できるようになる。
しかも、フローティングブッシュ5が回転軸と連れ回ることに伴い、フローティングブッシュ5の貫通孔8の外径側開口が、外径側部材1の給油孔7の下流部7bにおける内径側開口を通り過ぎる毎に、フローティングブッシュ5の外径側に供給された潤滑油を迎え入れやすい角度になるから、貫通孔8に潤滑油がスムーズに入るようになる。
このとき、フローティングブッシュ5の貫通孔8が回転軸2の回転方向下流側に向けて傾斜しているので、潤滑油が貫通孔8内に抵抗少なく入ることになる。しかも、フローティングブッシュ5の貫通孔8の外径側開口が楕円形になっていて、その開口面積が貫通孔8の軸方向途中での断面積よりも増大されているので、貫通孔8への潤滑油流入量が増す結果となる。
このように、フローティングブッシュ5の貫通孔8に潤滑油を効率よく導入させることができるようになっている。
そして、貫通孔8に流入した潤滑油は、フローティングブッシュ5と回転軸2との対向隙間へと供給されて、フローティングブッシュ5と回転軸2との摺接部分を潤滑、冷却する。
このとき、貫通孔8内に流入した潤滑油は、フローティングブッシュ5の回転遠心力を受けるものの、この回転遠心力が、貫通孔8の傾斜している内壁面によって潤滑油を貫通孔8の内径側開口へ向けて付勢する力として変換されるから、フローティングブッシュ5の内径側へ潤滑油がスムーズに供給されるようになる。
以上説明したように、外径側部材1の給油孔7とフローティングブッシュ5の貫通孔8とを工夫することにより、フローティングブッシュ5の外径側および内径側に潤滑油を効率よく供給することが可能になって、外径側部材1および回転軸2とフローティングブッシュ5との間の潤滑、冷却作用が向上するようになる。
これにより、外径側部材1および回転軸2とフローティングブッシュ5との間のフリクションロスを軽減できるようになり、それらの耐焼付き性および耐摩耗性の向上、ならびに回転軸の回転特性の向上に貢献できるようになる。
しかも、上述したようにフローティングブッシュ5の貫通孔8に潤滑油を流入しやすくなることに伴い、この貫通孔8における少なくとも外径側開口の内径寸法を小さくすることが可能になる。
これにより、フローティングブッシュ5の貫通孔8における外径側開口の面積を可及的に小さくすることが可能になるから、外径側部材とフローティングブッシュとの当接面積を可及的に大きくすることが可能になる。そのため、フローティングブッシュ5の受圧面積が大きくなり、フローティングブッシュ5の負荷能力の向上に貢献できるようになる。
但し、フローティングブッシュ5の負荷能力を必要以上に高める必要がないのであれば、フローティングブッシュ5の貫通孔8における外径側開口の面積を小さくせずに、その分、例えばフローティングブッシュ5の軸方向幅を小さくして重量を軽減することが可能になり、回転軸2の回転特性を向上するうえで有利となる。
実質的には、フローティングブッシュ5の貫通孔8の内径寸法は、フローティングブッシュ5の内径側に対する潤滑油の必要供給量と、フローティングブッシュ5の外径側に対する潤滑油の必要供給量とのバランスを考慮して、適宜設定すればよいのである。
さらに、フローティングブッシュ5の内径側へ潤滑油を効率よく供給できるようになることに伴い、フローティングブッシュ5の内径側のクリアランスを小さくすることが可能となる。これにより、回転軸2の回転安定性が向上してタービンホイール3およびコンプレッサホイール4の回転振れを低減できる等、排気ガスタービン過給機の性能向上に貢献できるようになる。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、本発明を排気ガスタービン過給機に適用した例を挙げたが、それ以外のいろいろな場所に用いられる回転軸の支持構造に本発明を適用することができる。
(2)上記実施形態では、フローティングブッシュ5に設ける貫通孔8の数は特に限定されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
(3)上記実施形態では、フローティングブッシュ5の貫通孔8を一直線形状としているが、図4および図5に示すような形状とすることが可能である。
図4に示す例では、フローティングブッシュ5の貫通孔8について、その途中から内径側開口に至るまでの内径側領域をフローティングブッシュ5の回転中心から放射方向に伸びる直線に沿うように形成することにより、全体的な縦断面形状が略「く」の字形になっている。
この場合、貫通孔8から内径側へ導入される潤滑油が、回転軸2の外周で回転軸2の円周方向両方向へ分流されることになり、フローティングブッシュ5と回転軸2との摺接部分の潤滑、冷却作用のさらなる向上に貢献できる。
図5に示す例では、フローティングブッシュ5の貫通孔8をフローティングブッシュ5の回転中心Oから放射方向に伸びる直線Yに沿うように形成するとともに、その外径側開口においてフローティングブッシュ5の回転方向下流側領域をさらに回転方向下流側へ拡げることにより、当該貫通孔8の外径側開口つまり潤滑油の受け入れ口を拡大するような形状になっている。図では、拡大部に符号8aを付している。
この場合でも、外径側部材1の給油孔7からフローティングブッシュ5の外径側へ噴射される潤滑油がフローティングブッシュ5の貫通孔8へ導入されやすくなるので、フローティングブッシュ5の内径側への潤滑油供給作用が、上記実施形態より劣るものの、単純に貫通孔8をフローティングブッシュ5の回転中心Oから放射方向に伸びる直線Yに沿うように形成する場合に比べて向上することが可能になる。
1 外径側部材
1a ハウジングの横孔
2 回転軸
5 フローティングブッシュ
7 ハウジングの給油孔
7a 給油孔の上流部
7b 給油孔の下流部
8 フローティングブッシュの貫通孔
O フローティングブッシュの回転中心
X1 給油孔の下流部の中心軸線
X2 貫通孔の中心軸線
Y 放射方向に伸びる直線
1a ハウジングの横孔
2 回転軸
5 フローティングブッシュ
7 ハウジングの給油孔
7a 給油孔の上流部
7b 給油孔の下流部
8 フローティングブッシュの貫通孔
O フローティングブッシュの回転中心
X1 給油孔の下流部の中心軸線
X2 貫通孔の中心軸線
Y 放射方向に伸びる直線
Claims (3)
- 外径側部材に設けられる横孔内に略水平姿勢にした回転軸を、フローティングブッシュを介して回転自在に支持した構造であって、
前記外径側部材に、その横孔内へ潤滑油を供給するための給油孔が、また前記フローティングブッシュに、その厚み方向に貫通する貫通孔が、それぞれ設けられていて、
前記給油孔の内径側開口および前記貫通孔の外径側開口が、前記回転軸の回転方向下流側へ向くようにそれぞれ傾斜されていることを特徴とする回転軸支持構造。 - 請求項1に記載の回転軸支持構造において、前記給油孔の内径側開口および前記貫通孔の外径側開口の傾斜角度は、前記回転軸の実用回転域において前記給油孔から放出されて前記貫通孔へ流入する潤滑油の流れ角を20度以上80度未満とするように設定されることを特徴とする回転軸支持構造。
- 請求項1または2に記載の回転軸支持構造において、前記給油孔の内径側開口の内径が、前記貫通孔の外径側開口の内径と同等かそれより小さく設定されることを特徴とする回転軸支持構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006136196A JP2007309346A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 回転軸支持構造 |
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JP2006136196A JP2007309346A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 回転軸支持構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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- 2006-05-16 JP JP2006136196A patent/JP2007309346A/ja active Pending
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