JP4393022B2

JP4393022B2 - 電気掃除機

Info

Publication number: JP4393022B2
Application number: JP2001231267A
Authority: JP
Inventors: 定基小寺; 定男福島; 真一萩野; 潤吉田; 達則福田
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd
Priority date: 2001-07-31
Filing date: 2001-07-31
Publication date: 2010-01-06
Anticipated expiration: 2021-07-31
Also published as: JP2003038404A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、掃除機本体の上面側に、集塵室の開口を開閉する集塵蓋と、掃除機本体の持ち運び時に使用される上下可動式のハンドルとを備えた電気掃除機に係わり、特にハンドルのグリップ部が前後方向に向いて付いているものに適用して好適な技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般的な床移動型の電気掃除機においては、掃除機本体の前側に紙パック等の集塵袋が内蔵される集塵室が配置され、後側に重量のある電動送風機を内蔵する電動送風機室や電源コードを巻き取るコードリールを内蔵するコードリール室が配置されている。
【０００３】
従って、掃除機本体の上面側には、前側に集塵室の開口を開閉する集塵蓋が設けられ、その後側に掃除機本体の持ち運び時に使用される前後起倒式や上下可動式のハンドルが設けられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上下可動式のハンドル、特にハンドルのグリップ部が前後方向に向いて付いているもの（縦ハンドル）では、集塵蓋の後端とハンドルの前端が近接するので、集塵蓋を開くときには、ハンドルを下げた状態にする必要がある。
【０００５】
すなわち、ハンドルを引き上げたままの状態では、集塵蓋と干渉してしまい、そのまま集塵蓋を無理に開けようとすると、集塵蓋やハンドル等を損傷してしまう。なお、ハンドルから手を離すと、自重で下がる構造にしても、掃除機はごみを扱うものであるので隙間にごみが入ったり、設計や製造時の誤差で、可動部が引っかかって自重では下がらなくなることがあり、上述した不具合が発生する虞がある。
【０００６】
また、ハンドルと集塵蓋が当たらないように、各々が離れた位置に配置されるように構成すると、掃除機本体が大きくなりすぎるという弊害が発生する。
【０００７】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、集塵蓋に近接して配置されたハンドルが引き上げられたままの状態で集塵蓋が開けられても、集塵蓋やハンドル等の損傷を防ぐことができる電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本願発明は、掃除機本体の上面側に、集塵室の開口を開閉する集塵蓋と、掃除機本体の持ち運び時に使用される上下可動式のハンドルとを備え、前記ハンドルは、そのグリップ部が掃除機本体の前後方向を向くように配置され、前記集塵蓋の開放に連動して、引き上げられた状態のハンドルを下方に移動する安全機構を備え、前記安全機構は、前記ハンドルの前端側に縦方向の溝を形成して、該溝の前側底面を下方に傾斜させて形成した傾斜面と、前記集塵蓋の後端側に形成され、集塵蓋の開放時に前記ハンドル側の溝に挿入されて、その底面側の傾斜面に当接してハンドルを押し下げる縦方向のリブとから成ることを特徴とする。
【００１５】
さらに、前記ハンドル側の傾斜面は、外側に湾曲した円弧状を成すように形成されて成ることを特徴とするものである。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を排気還流式の電気掃除機に適用した一実施形態を図１〜図９を参照して詳細に説明する。
【００１７】
本実施形態の掃除機本体１は、下ケース２と上ケース３から成る本体ケース４内に、前側から、ホースが差し込まれる差込口５に連通して紙パック等の集塵袋が内蔵される集塵室６、電動送風機７を内蔵する電動送風機室８、コードリール９を内蔵するコードリール室１０を順次備えている。
【００１８】
上記電動送風機室８及びコードリール室１０の上方に位置する上ケース３中央部には、上下可動式のハンドル１１が、そのグリップ部１２が前後方向を向くように配置されている。このハンドル１１のグリップ部１２に対応する上ケース３上面には、ハンドル１１が下がった状態でも手を差し込めるように凹部１３が形成されている。
【００１９】
上記ハンドル１１は、図３に示すように上部材１１ａと下部材１１ｂで構成され、下部材１１ｂの前後両端側には上ケース３内に上下可動に取り付けられるアーム部１４，１５が形成されている。また、上部材１１ａの上面側には中央部に前後に伸びる化粧溝１６が形成されている。
【００２０】
一方、上記集塵室６の上面開口２０は、後側に回動支点が設けられた集塵蓋２１により開閉自在に密閉される。集塵蓋２１には、その上面中央部に臨ませて集塵室６内の集塵量を使用者に指示するためのインジケータ２２が取り付けられている。このインジケータ２２は指示部分のみを孔２３より露出させて、前記ハンドル１１に連続する如く前後に伸びる図４に示すインジケータカバー２４により覆われている。インジケータカバー２４は、その下端部の前後左右に設けられた爪２５が集塵蓋２１の上面に形成された爪孔２６にはめ込まれて、容易に外れないように取り付けられている。
【００２１】
前記ハンドル１１の前端側は、スペース等の関係で、集塵蓋２１及びインジケータカバー２４の後端側に近接しているので、前記ハンドル１１が引き上げられた状態で集塵蓋２１が開かれると、集塵蓋２１やインジケータカバー２４の後端側がハンドル１１の前端側と干渉してしまう。
【００２２】
そこで、本実施形態においては、前記ハンドル１１の上面側に形成される化粧溝１６を有効利用して、その前端側の底面を下方に傾斜させて、溝内に外側に緩やかに湾曲した円弧状を成す傾斜面１６ａを違和感無く形成している。また、これに対応して、インジケータカバー２４を有効利用して、集塵蓋２１自体はそのままに、インジケータカバー２４の後端側中央部に縦方向に伸びるリブ２４ａを形成している。
【００２３】
一方、電動送風機７はベース部３０に収まっており、その排気の一部は排気還流流路３１を通って、差込口５に接続されたホースや延長管等を介し、吸込具に還流されるように構成されている。
【００２４】
残りの排気は、図示を省略したフィルタを介して外部に排出される。掃除機本体１の両側に設けられた大径の後車輪３２，３２の内側にはそれぞれ、面積の大きな格子状の排気口３３ａ，３３ｂが形成されており、ここから掃除機本体１の両側に排気風速を抑えて排気する構造になっている。なお、格子状の排気口３３ａ，３３ｂの外側は、多数の小孔３４ａが形成されたホイールキャップ３４で覆われている。
【００２５】
上記電動送風機室８とコードリール室１０は、シールリブ３５によって仕切られており、シールリブ３５の中央部には、図６に示すように縦長の切欠き孔３５ａが形成されている。また、上記両後車輪３２の排気口３３ａ，３３ｂは、電動送風機室８からコードリール室１０にわたって形成されており、電動送風機室８側は目の細かな格子状の排気口３３ａで、コードリール室１０側は目の粗い格子状の排気口３３ｂとなっている。
【００２６】
コードリール室１０内のコードリール９に巻かれた電源コード３６は、コードリール室１０が配置された掃除機本体１後部の側面側上部に形成されたコード引出口３７から引き出されるようになっている。
【００２７】
以上の構成において、本実施形態の掃除機本体１を持ち運ぶときは、図１の状態のハンドル１１のグリップ部１２を握って、ハンドル１１を引き上げて掃除機本体１を持ち上げる。ハンドル１１のグリップ部１２に対応する上ケース２上面には凹部１３が形成されており、ハンドル１１が図１のように下がった状態でもグリップ部１２の下には隙間があるので、手の指を容易に挿入して握ることができる。
【００２８】
また、上記ハンドル１１は、重量があって掃除機本体１の重心がくる電動送風機７の上方にあって、グリップ部１２が前後方向を向くように取り付けられているので、手首が自然な状態のままグリップ部１２を握って持ち上げ、そのまま掃除機本体１が前後に揺れることもなく安定した状態で持ち運ぶことができる。
【００２９】
また、上記ハンドル１１は、前後両端側のアーム部１４，１５が共に上下可動するように取り付けられているので、そのままの状態で引き上げられ、掃除機本体１をほぼ水平状態に保った安定した状態で持ち運ぶことができる。
【００３０】
上記のようにしてハンドル１１を持って掃除機本体１を持ち運んだ後、ハンドル１１から手を離すと、通常はハンドル１１が自重で下がって図１に示した状態に戻るが、前述したように隙間にごみが入ったり、設計や製造時の誤差で、アーム部１４，１５が引っかかって自重では下がらなくなることがある。ハンドル１１が引き上げられた状態のまま集塵蓋２１を開けると、集塵蓋２１とハンドル１１とが干渉する。
【００３１】
このような場合でも、本実施形態の上述した構成によれば、図５に示すように、集塵蓋２１を開くため上方に回動するにつれて、集塵蓋２１に取り付けられたインジケータカバー２４の後端に形成されたリブ２４ａが、ハンドル１１上に形成された化粧溝１６の前端側に入り込んで、その底面側の緩やかに外側に湾曲した円弧状を成す傾斜面１６ａに滑るように当接して、ハンドル１１を徐々に押し下げるので、集塵蓋２１をスムーズに開くことができる。
【００３２】
従って、ハンドル１１が引き上げられたままの状態で集塵蓋２１が開けられても、インジケータカバー２４を含む集塵蓋２１やハンドル１１等の損傷を防ぐことができる。上記リブ２４ａが当接するのは溝内の傾斜面１６ａであり、この傾斜面１６ａに当接傷などが生じても、溝内であるので外観が損なわれることもない。
【００３３】
なお、本実施形態では、上述したような比較的簡単な構成で実現したが、集塵蓋２１の開放に連動して、引き上げられた状態のハンドル１１を下方に移動するものであれば上述したとほぼ同様な作用効果が得られる。
【００３４】
また、ハンドル１１の前後両端側のアーム部１４，１５が共に上下可動なものに適用したが、前端側のみが上下可動で後端側が回動するものに適用しても、上述したとほぼ同様な作用効果が得られる。
【００３５】
一方、掃除をしているときに電動送風機７から出る排気は、還流される排気を除きほとんどが直接、電動送風機室８の両側に対応して両後車輪３２に形成された排気口３５ａから排気されるが、一部はシールリブ３５に形成された切欠き孔３５ａからコードリール室１０に送り込まれ、コードリール室１０内の電源コード３６を冷却する。
【００３６】
両側の後車輪３２に形成された排気口３３ａ，３３ｂは、その一部の排気口３３ｂがコードリール室１０にかかる構造であるため、電源コード３６を冷却した排気は、この排気口３３ｂを通して風速を抑えて排出することができる。
【００３７】
なお、掃除機本体１後部の側面側上部に形成されたコード引出口３７からも排気が出るが、コード引出口３７は、排気口３３ｂに比べて面積はかなり小さいので、ほとんどが排気口３３ｂから排出されてコード引出口３７からの排気は風量及び風速とも僅かである。
【００３８】
本実施形態のようなコードリール室１０に対応した排気口３３ｂを設けない場合、上記コード引出口３７から排気が勢いよく吹き出されるため、排気風量と共に排気風速を低減するという排気還流式電気掃除機の主な特徴が損なわれる。
【００３９】
これを防ぐため、コードリール室１０に排気を流さないようにすると、コードリール室１０内の電源コード３６の冷却が行えず温度上昇が大きくなってしまい、電動送風機７の消費電力を一定以上にすることが困難になる。これは消費電力の高い、吸引力の大きな電動送風機が使えなくなることを意味するので、排気還流式電気掃除機の吸い込み性能が低下してしまう。
【００４０】
これに対して、本実施形態では、上述したように掃除機本体１から直接外部に排出される排気風速を抑えたまま、電源コード３６を冷却できるので、消費電力の高い電動送風機７を採用することができ、吸い込み性能の高い排気還流式電気掃除機が実現できる。
【００４１】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、集塵蓋の開放に連動して、引き上げられた状態のハンドルを下方に移動する安全機構を備えたことにより、集塵蓋に近接して配置さえたハンドルが引き上げられたままの状態で集塵蓋が開けられても、集塵蓋やハンドル等の損傷を防ぐことができる。安全機構は、ハンドルの前端側に縦方向の溝を形成して、この溝の前側底面を下方に傾斜させて形成した傾斜面と、集塵蓋の後端側に形成され、集塵蓋の開放時にハンドル側の溝に挿入されて、その底面側の傾斜面に当接してハンドルを押し下げる縦方向のリブとから構成したので、比較的簡単に構成することができると共に、溝内の底面側の傾斜面に当接傷などが生じても、溝内であるので外観が損なわれることもなく、傾斜面をハンドルの溝の底面を下方に傾斜させて形成したことにより、溝を有効利用して違和感なく形成することができる。また、ハンドルは、そのグリップ部が掃除機本体の前後方向を向くように配置されてなるものであるから、手首が自然な状態のままグリップ部を握って持ち上げ、そのまま掃除機本体が前後に揺れることなく安定した状態で持ち運ぶことができる。
【００４２】
また、前記ハンドルは、そのグリップ部が掃除機本体の前後方向を向くように配置されて成るものであるから、手首が自然な状態のままグリップ部を握って持ち上げ、そのまま掃除機本体が前後に揺れることもなく安定した状態で持ち運ぶことができると共に、スペース等の関係で、集塵蓋の後端側とハンドルの前端側がどうしても近接するので、本願発明を適用して特に効果的である。
【００４３】
また、前記ハンドルは、その両端側のアーム部が上下可動するので、そのままの状態で引き上げられ、掃除機本体をほぼ水平状態に保った安定した状態で持ち運ぶことができる。
【００４４】
そして、前記安全機構は、集塵蓋の後端側に形成された突起と、ハンドルの前端側に形成されて、集塵蓋の開放時に前記突起が当たってハンドルを押し下げる方向に傾斜させた傾斜面とから成るものであるから、比較的簡単な構成で上述した効果を実現することができる。
【００４５】
また、前記ハンドルの前端側に縦方向の溝を形成して、その底面を傾斜面とすると共に、前記集塵蓋の後端側の突起として、集塵蓋の開放時に前記ハンドル側の溝に挿入されて、その底面側の傾斜面に当接する縦方向のリブを形成したことにより、溝内の底面側の傾斜面に当接傷などが生じても、溝内であるので外観が損なわれることもない。
【００４６】
また、前記ハンドル側の傾斜面は、ハンドルの上面側に形成される化粧溝の前側底面を下方に傾斜させて形成したことにより、化粧溝を有効利用して違和感無く実現できる。
【００４７】
一方、前記集塵蓋側のリブは、集塵蓋の上面に臨ませて取り付けられて集塵室内の集塵量を指示するインジケータを覆うカバーの後端に形成したことにより、インジケータカバーを有効利用して、集塵蓋自体はそのままで実現できる。
【００４８】
さらに、前記ハンドル側の傾斜面は、外側に湾曲した円弧状を成すように形成されて成るものであるから、集塵蓋側の突起がハンドル側の傾斜面に滑るように当接して、ハンドルを徐々に押し下げるので、集塵蓋をスムーズに開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明の一実施形態による掃除機本体の外観斜視図。
【図２】同じく、上面図。
【図３】上記掃除機本体に備えられたハンドル単体を示す部品図で、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は上面図である。
【図４】同じく、掃除機本体の集塵蓋に取り付けられたインジケータカバー単体を示す部品図で、（ａ）は側面図、（ｂ）は背面図、（ｃ）は裏面図である。
【図５】掃除機本体の集塵蓋開放時の作用を示す側面図。
【図６】掃除機本体の内部構成を示す斜視図。
【図７】掃除機本体の内部構成を示す上面図。
【図８】ホイールキャップを外して見た掃除機本体の側面図。
【図９】掃除機本体の側断面図。
【符号の説明】
１掃除機本体
２下ケース
３上ケース
４本体ケース
５差込口
６集塵室
７電動送風機
８電動送風機室
９コードリール
１０コードリール室
１１ハンドル
１１ａ上部材
１１ｂ下部材
１２グリップ部
１３凹部
１４，１５アーム部
１６化粧溝
１６ａ傾斜面
２０集塵室の開口
２１集塵蓋
２２インジケータ
２４インジケータカバー
３１排気還流流路
３３ａ、３３ｂ排気口
３５シールリブ
３５ａ切欠き孔
３６電源コード
３７コード引出孔

Claims

掃除機本体の上面側に、集塵室の開口を開閉する集塵蓋と、掃除機本体の持ち運び時に使用される上下可動式のハンドルとを備え、
前記ハンドルは、そのグリップ部が掃除機本体の前後方向を向くように配置され、
前記集塵蓋の開放に連動して、引き上げられた状態のハンドルを下方に移動する安全機構を備え、
前記安全機構は、前記ハンドルの前端側に縦方向の溝を形成して、該溝の前側底面を下方に傾斜させて形成した傾斜面と、前記集塵蓋の後端側に形成され、集塵蓋の開放時に前記ハンドル側の溝に挿入されて、その底面側の傾斜面に当接してハンドルを押し下げる縦方向のリブとから成ることを特徴とする電気掃除機。
前記集塵蓋側のリブは、前記集塵蓋の上面に臨ませて取り付けられて集塵室内の集塵量を指示するインジケータを覆うカバーの後端に形成したことを特徴とする請求項１記載の電気掃除機。
前記ハンドル側の傾斜面は、外側に湾曲した円弧状をなすように形成されてなることを特徴とする請求項１又は請求項２記載の電気掃除機。