JP4392931B2 - フラッシュパネル構造体用ビット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、枠体と外板により構成されているフラッシュパネル構造体(以下、主としてフラッシュパネルと略称して使用する)の外板を所要の形状に切抜くためのビットにかかり、更に詳しくは切削抵抗を小さくすることにより刃の切れ味を向上させてバリの発生を抑えると共に、刃の消耗を抑えて切れ味を長く維持させ、材料焼けを防止するようにしたフラッシュパネル構造体用ビット(以下、主としてフラッシュビットと略称して使用する)に関する。
【0002】
【従来技術】
図14に示すように、この種のフラッシュビットにおいては一般鋼部材で形成されたビット本体9に、直線状に形成された超硬合金のチップ91(以下、超硬チップと略す)を鑞付けしたものが一般的である。
フラッシュビットの構造を詳しく説明すると、超硬チップ91の回転側には、フラッシュパネルの枠体に当接する当接部10の外周面101と同一直径の軌跡を有する外周切刃911が形成されている。また超硬チップ91は、図14においてビット本体9の軸線に対し約5°の角度で左上がりに傾斜している。なお、符号11は切屑をビット本体9からビット先端へ誘導するための切屑誘導溝で、超硬チップ91の回転側に沿って設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来のものでは次のような課題があった。
即ち、従来のフラッシュビットの超硬チップ91は軸線に対し約5°の傾斜角度で鑞付けされているので、超硬チップ91に形成されている外周切刃911の傾斜角度も超硬チップ91と同様に約5°と小さい。このため、外周切刃911は回転方向に対してほぼ直角となっており、この外周切刃911の取付け方がフラッシュビットにかかる切削抵抗を増加させ、外周切刃911の切れ味に悪影響を及ぼしていた。また、フラッシュビットの切削抵抗が大きいと外周切刃911の消耗が早く、材料焼けも生じやすかった。
【0004】
更に、超硬チップ91の回転側に沿って設けてある切屑誘導溝11についても、外周切刃911と同様、軸線に対する傾斜角度が小さいので、切屑がビット本体9から速やかに排出されにくかった。即ち、ビット本体9に溜まった切屑がフラッシュビットの切削抵抗を更に増加させ、高速回転による外板の切抜き加工を妨げていた。
【0005】
(発明の目的)
そこで本発明の目的は、切削抵抗を小さくすることにより刃の切れ味を向上させてバリの発生を抑えると共に、刃の消耗を抑えて切れ味を長く維持させ、材料焼けを防止するようにしたフラッシュパネル構造体用ビットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、枠体と外板により構成されるフラッシュパネル構造体の外板を所要の形状に切抜くためのビットであって、超硬合金で形成された一本の棒体を切削加工することによって得られるものであり、フラッシュパネル構造体を構成する枠体に当接させるための当接部と、螺旋状のねじれ辺とねじれ溝により構成されている切削部と、先端部に形成されている尖頭部と、を含んでおり、上記ねじれ辺の回転側には、上記当接部の外周面と同一直径または径小の軌跡を有する外周切刃が形成されており、上記ねじれ辺とねじれ溝は、回転時に切屑を当接部に向かって誘導するように構成されており、上記ねじれ辺の周面の半径は、回転方向とは逆方向に向かって小さくなるように構成されており、上記ねじれ辺のねじれ角は5°〜40°に設定されている、フラッシュパネル構造体用ビットである。
【0007】
第2の発明にあっては、切削部が当接部を長手方向に挟んで両側に設けてある、第1の発明に係るフラッシュパネル構造体用ビットである。
【0008】
本発明の「螺旋状のねじれ辺とねじれ溝」は、回転時に切屑を当接部と逆方向に向かって誘導するように構成することもできる。
【0009】
本発明に係るフラッシュビットは、螺旋状のねじれ辺とねじれ溝で構成された切削部を含んでおり、そのねじれ辺の回転側には当接部の外周面と同一直径または径小の軌跡を有する外周切刃が形成されている。したがって、外周切刃の傾斜角度を螺旋状のねじれ辺と同様に大きく形成することができ、切削時の刃の逃げ角度を大きくすることが可能である。よって、本発明に係るフラッシュビットは、従来のものに比べ、フラッシュビットにかかる切削抵抗を減少させて、刃の切れ味を向上させることができる。
以上のように、本発明に係るフラッシュビットは、切削抵抗を減少させて高速回転による外板の切抜きを円滑に行うことができ、バリの発生を抑えて切削面を美しく仕上げることができる。
また、フラッシュビットにかかる切削抵抗が小さいと、刃の消耗を抑えて切れ味を長く維持させることが可能であり、材料焼けの発生も防止することができる。
【0010】
更に、切削後の切屑は螺旋状に構成されたねじれ辺とねじれ溝によって誘導される。したがって、ねじれ辺のねじれ角を大きくすることにより、切削部の単位長さ当たりのねじれ溝の容量を増やすことができ、更に切屑を抱持させやすくするので、切屑はねじれ溝に詰まることなく速やかに誘導される。したがって、本発明に係るフラッシュビットは、切屑を速やかに誘導してフラッシュビットにかかる切削抵抗を減少させることができ、刃の切れ味を向上させることが可能である。
【0011】
ねじれ辺とねじれ溝が回転時に切屑を当接部に向かって誘導するように構成されているものにあっては、切削時に生じる切屑を当接部が位置するフラッシュパネルの枠体側(内部側)に誘導するようになっている。したがって、切削時にバリが生じても、そのバリは外板の表面側でなく裏面側に出るので、切削表面をより美しく仕上げることができる。
【0012】
ねじれ辺の周面の半径が、回転方向とは逆方向に向かって小さくなるように構成されているものにあっては、高速回転によるねじれ辺の外板への接触を防止することができるので、フラッシュビットの切削抵抗を減少させ、高速回転による外板の切抜きを円滑に行うことができる。
【0013】
ねじれ辺とねじれ溝によって構成される切削部が当接部を挟んで両側に設けられているものにあっては、枠体を挟む両側2枚の外板を同時に切抜くことができる。したがって、両側を切抜く場合は、切削部が当接部の片方のみにしか設けられていないものを使用するより、切抜き加工に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
【0014】
一本の棒体を加工することによって一体的に形成されているものにあっては、フラッシュビットを連続的に長期間使用した場合でも、当接部がフラッシュビット本体から外れることはなく、鑞付け等により当接部をフラッシュビット本体に接合して形成したものよりも、強度的に優れている。
【0015】
【発明の実施形態】
本発明を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係るフラッシュビットの参考例を示す斜視図、
図2は図1に示すフラッシュビットの正面図、
図3は図1に示すフラッシュビットの平面図、
図4は図1に示すフラッシュビットの右側面図、
図5は図2に示すフラッシュビットのA−A拡大端面図である。
なお、フラッシュビットの背面図は正面図(図2参照)と、左側面図は右側面図(図4参照)と同一に表れる。
【0016】
フラッシュビット1は全体が超硬合金で形成されており、ビット本体2と、その先端部に鑞付けされたほぼ円柱形の当接部3とから構成される。
まず、当接部3について説明する。
当接部3はフラッシュパネルの外板を枠体の内壁面に沿って切り抜くために必要なものであり、この当接部3の外周面31がフラッシュパネルの枠体に当接する。また、当接部3の上面側のほぼ中央には、切削時に外板を穿孔してビット本体2を挿入するための尖頭部32が取付けられている。
【0017】
次に、ビット本体2について説明する。
ビット本体2は切削部4とシャンク部5を有している。切削部4は螺旋状に構成された各々一対のねじれ辺41とねじれ溝42によって二条に構成され、回転時(図1における矢印方向)に当接部3に向かって切屑を誘導するように左螺旋になっている。
【0018】
また本参考例において、ねじれ辺41のねじれ角は軸線に対し約20°に設定されている。なお、ねじれ辺41のねじれ角は外板の材料や厚みなどに応じて適宜設定される。ただし、ねじれ角が5°未満ではフラッシュビット1の切削抵抗が大きくなり、また40°を越えると切削時において外板にかかる表裏方向の分力が大きくなって外板がバタついて破損したり、あるいはバリが発生して切削面が見苦しくなる場合がある。したがって、ねじれ辺41のねじれ角は5°〜40°の範囲が好適である。
【0019】
また、ねじれ辺41の回転側には、当接部3の外周面31と同一直径の軌跡を有する外周切刃411が形成されている。
更に、ねじれ辺41の周面の半径は、回転方向とは逆方向に向かって段階的に小さくなるように構成されている(図5参照)。即ち、ねじれ辺41の外周面は、まず外周切刃411における周面の接線に対して約18°の傾斜角度で周面の半径が小さくなるように切削されており、次にその切削面から回転方向と逆方向に向かって更に約18°の傾斜角度で順次切削され、最後に外周面の端部側は傾斜角度が18°よりも大きくなるように切削されている。
【0020】
なお、本参考例では、ねじれ辺41の外周面は約18°の傾斜角度で数回に渡って段階的に小さく形成されているが、必ずしもその傾斜角度やその数に限定されるものではなく、曲線状に滑らかに形成することができる。
【0021】
本参考例では、各々一対のねじれ辺41とねじれ溝42によって二条の切削部4が構成されているが、それに限定されるものではなく、切削対象である外板の材料や厚みなどに応じて三条以上の切削部4を設けることもできる。
【0022】
また、フラッシュビット1はその全体が超硬合金によって形成されているが、通常の一般鋼部材(炭素工具鋼や合金工具鋼)によって形成することもでき、切削部4あるいは外周切刃411のみを超硬合金で形成することもできる。
【0023】
(作 用)
図6は図1に示すフラッシュビットを使用して外板を切抜いている状態を示す概略説明図、図7は図6のB−B拡大端面図である。図6及び図7を参照してフラッシュビットの作用を説明する。
【0024】
枠体61と外板62,62により構成されているフラッシュパネル6の片側の外板62を枠体61の内壁面611に沿って切り抜くためには、次のような手順をとる。
まず、フラッシュビット1のシャンク部5を電気ドリル7のチャックに装着する。そして、フラッシュビット1を回転駆動させ、フラッシュビット1の先端に設けてある尖頭部32によって枠体61の内壁面611付近aを穿孔する。
【0025】
次に、当接部3の外周面31を枠体61の内側面611に当接させ、外周切刃411が外板62を切削可能な所要の高さ位置までフラッシュビット1をフラッシュパネル6内に押し入れる。そうして、電気ドリル7を外板62に対して垂直にした状態で、外周面31を枠体61の内側面611に当接させたまま、図6の矢印Cのように移動させ、外周切刃411によって外板62を枠体61の内壁面611に沿って切削し切抜いていく。
【0026】
本参考例のフラッシュビット1の外周切刃411は約20°のねじれ角を有しているので、約5°の傾斜角度しか有していない従来のフラッシュビットに比べ、フラッシュビットにかかる切削抵抗を減少させて、刃の切れ味を向上させることができる。したがって、フラッシュビット1は、従来のものに比べ、高速回転による外板62の切抜きを円滑に行うことができ、バリの発生を抑えて切削面を美しく仕上げることができる。
【0027】
また、切削抵抗が小さくなることにより、外周切刃411の消耗を抑えて切れ味を長く維持させることが可能であり、材料焼けの発生も防止することができる。
【0028】
また、ねじれ辺41とねじれ溝42は螺旋状に構成されているため、切削部4の単位長さ当たりのねじれ溝42の容量が大きく、従来のフラッシュビットに比べ切屑を抱持させやすい。これにより、切屑はねじれ溝42に詰まることなく当接部3に向かって速やかに誘導される。したがって、フラッシュビット1は、切屑を速やかに誘導してフラッシュビット1にかかる切削抵抗を減少させることができ、切れ味を向上させることが可能である。
【0029】
更に、ねじれ辺41とねじれ溝42は、回転時に切屑を当接部3に向かって誘導するように構成されているので、切削時に生じる切屑は当接部3が位置するフラッシュパネル6の枠体61側(内部側)に誘導される。したがって、切削時にバリが生じても、そのバリは外板62の表面側でなく裏面側に出るので、切削表面をより美しく仕上げることができる。
【0030】
更に、ねじれ辺41の周面の半径は正回転方向とは逆方向に向かって段階的に小さくなるように構成されているので(図5参照)、高速回転によるねじれ辺41の外板62への接触を防止することができるので、フラッシュビット1の切削抵抗を減少させ、高速回転による外板の切抜きを円滑に行うことができる。
【0031】
図8は本発明に係るフラッシュビットの第1の実施の形態を示す斜視図である。なお、参考例と同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、上記参考例で示してある箇所については、説明を省略し、主に相異点を説明する。
【0032】
フラッシュビット1aは、超硬合金で形成された一本の棒体(図示せず)を切削加工することにより得られる。即ち、まず棒体のうち切削部4が構成される部分を切削加工してねじれ溝42を形成する。そして、ねじれ溝42によって構成される残部をその周面の半径が回転方向とは逆方向に向かって段階的に小さくなるように切削し、ねじれ辺41を形成する。その後、棒体の先端部を切削加工して尖頭部32を形成し、フラッシュビット1aの形成を完了する。
以上のような形成工程を採ることにより、フラッシュビット1aは当接部3が鑞付けされたフラッシュビット1(図1参照)とは異なり、当接部3aとビット本体2aとの間に継目が形成されない。
【0033】
(作 用)
図8を参照してフラッシュビット1aの作用を説明する。
なお、参考例で示した作用のうち同様のものは説明を省略する。また、切削対象であるフラッシュパネルについては、説明の都合上、図示を省略している。
フラッシュパネルにおける外板の切抜き作業は、高速回転で駆動させたフラッシュビット1aの当接部3aをフラッシュパネルの枠体に当接した状態で行う。
したがって、当接部3aは枠体との摩擦によってかなりの高温となる。しかし、フラッシュビット1aは超硬合金で一体的に形成されているので、フラッシュビット1aを連続的に長期間使用した場合でも、当接部3aがビット本体2aから外れることはなく、当接部3が鑞付けされたフラッシュビット1(図1参照)よりも、強度的に優れている。
【0034】
図9は本発明に係るフラッシュビットの第2の実施の形態を示す斜視図、図10は図9に示すフラッシュビットの正面図、図11は図9に示すフラッシュビットの拡大平面図、図12は図9に示すフラッシュビットの右側面図である。また、フラッシュビットの背面図は正面図(図10参照)と、左側面図は右側面図(図12参照)と同一に表れる。
なお、参考例と同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、上記参考例で示してある箇所については、説明を省略し、主に相異点を説明する。
【0035】
符号1bは、第2の実施の形態にかかるフラッシュビットを示している。ビット本体2の先端部に設けてある当接部3bの上面側には、切削部8が設けられている。切削部8は、螺旋状に構成された各々一対のねじれ辺81とねじれ溝82によって二重に構成され、回転時(図9における矢印方向)に当接部3bに向かって切屑を誘導するように右螺旋となっている。
【0036】
また本実施の形態において、ねじれ辺81のねじれ角は軸線に対し約20°に設定されているが、外板の材料や厚みなどに応じて適宜設定される。ただし、上記したようにねじれ角は5°〜40°の範囲が好適である。
【0037】
ねじれ辺81の回転側には、当接部3bの外周面31bと同一直径の軌跡を有する外周切刃811が形成されている。また、ねじれ辺81の周面の半径は、正回転方向とは逆方向に向かって段階的に(本実施の形態では8回に分けて)小さくなるように構成されている。
【0038】
切削部8の先端側において、ねじれ溝82,82の回転方向側の端部には、穿孔時に外板を切削するための穿孔切削刃83,83が形成されている。また、図11に示すようにねじれ辺81の上面側は、回転方向とは逆方向に向かって所要角度で3段階に分けて傾斜しており、回転方向から上面部84、中面部85、下面部86を形成している。なお、上面部84,中面部85,下面部86は、軸線と直行する垂直な面に対して10°,20°,45°の角度でそれぞれ傾斜している。
また、切削部4,8の全長は参考例で示したフラッシュビット1の切削部4のそれよりもやや短小に形成されている。
【0039】
なお、フラッシュビット1bは超硬合金で形成された一本の棒体を切削加工することにより得られるため、ねじれ溝42の先端側とねじれ溝82の基部側が当接部3bにかかって形成されているが、実用上問題はない。
また、当接部3bにかかるねじれ溝42の先端側及びねじれ溝82の基部側に溝の形状に合致した炭素工具鋼や合金工具鋼等を鑞付けして溝埋めしたり、または鑞接剤そのものを流して溝埋めすることにより、当接部3bを面一に形成することもできる。
更に、図8に示すフラッシュビット1aのように、ねじれ溝42の先端側及びねじれ溝82の基部側が当接部3bにかからないようにしてフラッシュビット1bを形成することもできる。
また更に、ビット本体2の先端面に当接部3bを鑞付けした後、当接部3bの先端面に更に切削部8を鑞付けしてフラッシュビット1bを形成することもできる。
【0040】
(作 用)
図13は本実施の形態にかかるフラッシュビットを使用して外板を切抜いている状態を示す概略説明図である。図13を参照してフラッシュビットの作用を説明する。なお、参考例及び第1の実施の形態で示した作用のうち同様のものは説明を省略する。
フラッシュビット1bには当接部3bを長手方向に挟んで両側に切削部4,8がそれぞれ設けてあるので、枠体61を挟む両側2枚の外板62を同時に切抜くことができる。したがって、両側を切抜く場合は、参考例で示したフラッシュビット1を使用するより、切抜き加工に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
【0041】
また、ねじれ辺81とねじれ溝82は、ねじれ辺41とねじれ溝42と同様に、回転時に切屑を当接部3bに向かって誘導するように構成されているので、切削時に生じる切屑は当接部3bが位置するフラッシュパネル6の枠体62側に誘導される。したがって、切削時にバリが生じても、そのバリは外板62の表面側でなく裏面側に出るので、切削表面をより美しく仕上げることができる。
【0042】
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係るフラッシュビットは、螺旋状のねじれ辺とねじれ溝で構成された切削部を含んでおり、そのねじれ辺の回転側には当接部の外周面と同一直径または径小の軌跡を有する外周切刃が形成されている。したがって、外周切刃の傾斜角度を螺旋状のねじれ辺と同様に大きく形成することができ、切削時の刃の逃げ角度を大きくすることが可能である。よって、本発明にかかるフラッシュビットは、従来のものに比べ、フラッシュビットにかかる切削抵抗を減少させて、刃の切れ味を向上させることができる。
以上のように、本発明に係るフラッシュビットは、切削抵抗を減少させて高速回転による外板の切抜きを円滑に行うことができ、バリの発生を抑えて切削面を美しく仕上げることができる。また、フラッシュビットにかかる切削抵抗が小さいと、刃の消耗を抑えて切れ味を長く維持させることが可能であり、材料焼けの発生も防止することができる。
【0044】
(b)切削後の切屑は螺旋状に構成されたねじれ辺とねじれ溝によって誘導されるので、ねじれ辺のねじれ角を大きくすることにより、切屑をねじれ溝に詰まらせることなく速やかに誘導させることができる。したがって、本発明に係るフラッシュビットは、切屑を速やかに誘導してフラッシュビットにかかる切削抵抗を減少させることができ、刃の切れ味を向上させることが可能である。
【0045】
(c)ねじれ辺とねじれ溝が回転時に切屑を当接部に向かって誘導するように構成されているものにあっては、切削時に生じる切屑を当接部が位置するフラッシュパネルの枠体側(内部側)に誘導するようになっている。したがって、切削時にバリが生じても、そのバリは外板の表面側でなく裏面側に出るので、切削表面をより美しく仕上げることができる。
【0046】
(d)ねじれ辺の周面の半径が、回転方向とは逆方向に向かって小さくなるように構成されているものにあっては、高速回転によるねじれ辺の外板への接触を防止することができるので、フラッシュビットの切削抵抗を減少させ、高速回転による外板の切抜きを円滑に行うことができる。
【0047】
(e)ねじれ辺とねじれ溝によって構成される切削部が当接部を挟んで両側に設けられているものにあっては、枠体を挟む両側2枚の外板を同時に切抜くことができる。したがって、両側を切抜く場合は、切削部が当接部の片方のみにしか設けらていないものを使用するより、切抜き加工に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
【0048】
(f)一本の棒体を加工することによって一体的に形成されているものにあっては、フラッシュビットを連続的に長期間使用した場合でも、当接部がフラッシュビット本体から外れることはなく、鑞付け等により当接部をフラッシュビット本体に接合して形成したものよりも、強度的に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフラッシュビットの参考例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すフラッシュビットの正面図である。
【図3】図1に示すフラッシュビットの平面図である。
【図4】図1に示すフラッシュビットの右側面図である。
【図5】図2に示すフラッシュビットのA−A拡大端面図である。
【図6】図1に示すフラッシュビットを使用して外板を切抜いている状態を示す概略説明図である。
【図7】図6のB−B拡大端面図である。
【図8】本発明に係るフラッシュビットの第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るフラッシュビットの第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】図9に示すフラッシュビットの正面図である。
【図11】図9に示すフラッシュビットの拡大平面図である。
【図12】図9に示すフラッシュビットの右側面図である。
【図13】図9に示すフラッシュビットを使用して外板を切抜いている状態を示す概略説明図である。
【図14】従来のフラッシュビットを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1,1a,1b フラッシュビット
2,2a ビット本体
3,3a,3b 当接部
31 外周面
32 尖頭部
4 切削部
41 ねじれ辺
411 外周切刃
42 ねじれ溝
5 シャンク部
6 フラッシュパネル
61 枠体
611 内壁面
62 外板
7 電気ドリル
8 切削部
81 ねじれ辺
811 外周切刃
82 ねじれ溝
83 穿孔切削刃
84 上面部
85 中面部
86 下面部
Claims (2)
- 枠体(61)と外板(62)により構成されるフラッシュパネル構造体(6)の外板(62)を所要の形状に切抜くためのビット(1a)であって、超硬合金で形成された一本の棒体を切削加工することによって得られるものであり、
フラッシュパネル構造体(6)を構成する枠体(61)に当接させるための当接部(3a)と、
螺旋状のねじれ辺(41)とねじれ溝(42)により構成されている切削部(4)と、
先端部に形成されている尖頭部(32)と、
を含んでおり、
上記ねじれ辺(41)の回転側には、上記当接部(3a)の外周面(31)と同一直径または径小の軌跡を有する外周切刃(411)が形成されており、
上記ねじれ辺(41)とねじれ溝(42)は、回転時に切屑を当接部(3a)に向かって誘導するように構成されており、
上記ねじれ辺(41)の周面の半径は、回転方向とは逆方向に向かって小さくなるように構成されており、
上記ねじれ辺(41)のねじれ角は5°〜40°に設定されている、
フラッシュパネル構造体用ビット。 - 切削部(4,8)が当接部(3b)を長手方向に挟んで両側に設けてある、
請求項1記載のフラッシュパネル構造体用ビット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000007204A JP4392931B2 (ja) | 1998-12-29 | 2000-01-14 | フラッシュパネル構造体用ビット |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37760098 | 1998-12-29 | ||
JP10-377600 | 1998-12-29 | ||
JP2000007204A JP4392931B2 (ja) | 1998-12-29 | 2000-01-14 | フラッシュパネル構造体用ビット |
Related Parent Applications (1)
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