JP4392529B2 - 廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば魚介類の不可食分から分離された油脂や、使用後の食用油である廃食用油などの廃油脂からディーゼル燃料油を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、牛、豚などの家畜の解体工場等から排出される家畜の不可食分は、油脂成分と骨粉とに分離された後、骨粉は飼料や肥料として用いられ、油脂成分は調味料や化粧品等の原料として再利用されている。しかしながら、魚市場などから排出される魚介類の頭、内臓、骨といった不可食分(魚腸骨)を家畜と同様に油脂成分と骨粉とに分離した場合、骨粉は家畜の場合と同様に利用できるものの、油脂成分は化学的に不安定な性質であるために再利用することができないのが現状である。
【0003】
一方、菜種油、ごま油、大豆油、トウモロコシ油、向日葵油、パーム油、パーム核油、椰子油、コーン油、紅花油などの食用油を使用した後の廃食用油については、近年、ディーゼル燃料油の原料として用いることが考えられている。
【0004】
廃食用油からディーゼル燃料油を製造する方法として、アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成し、この脂肪酸エステルと副生成物であるグリセリンとを重量分離してディーゼル燃料油を製造する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−231497号公報(段落0018)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法の場合、グリセリンの除去が十分ではなく、脂肪酸エステル中に比較的多くのグリセリンが含まれているので、粘度が高くなったり、グリセリンが噴射ノズルに詰まったりしてディーゼルエンジンの運転に悪影響を及ぼすことがある。
【0007】
グリセリンを除去する効果的な方法として、脂肪酸エステル中のグリセリンを洗浄水により抽出除去することが考えられるが、脂肪酸エステル中には遊離脂肪酸や、エステル交換未反応のモノグリセリド、ジグリセリドなどが存在するため、これらが強い界面活性剤となり、脂肪酸エステルと水のエマルジョンが生じやすい状態にある。このようなエマルジョン相が形成されると、水と脂肪酸エステルとの分離が困難になり、製品としての脂肪酸エステルの回収率が低下するとともに、洗浄排水中に脂肪酸エステルが混入してBODおよびCODが増加し、さらに脂肪酸エステル中に水とともにグリセリンが混入するという問題がある。
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、製品としての脂肪酸エステルの回収率を向上させることができるとともに、洗浄排水中のBODおよびCODの増加を防止することができる廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
請求項1の発明による廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法は、アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成してディーゼル燃料油を製造する方法において、脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、塩素化コッパラス、水溶性アニリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリチオ尿素およびポリアミンアンモニウム塩からなる群から選ばれた1つの凝集剤を添加した洗浄水により洗浄して抽出除去することを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の発明において、凝集剤は、洗浄水に対して0.01〜10wt%添加することが好ましい。なお、凝集剤の添加量は、脂肪酸エステル中の遊離脂肪酸およびジグリセリド、トリグリセリドの量に基づいて、上記範囲内において適宜変更される。
【0011】
請求項1の発明の方法によれば、凝集剤の働きにより脂肪酸エステルと水のエマルジョンが形成されることが防止され、製品としての脂肪酸エステルの回収率が向上する。また、脂肪酸エステルの回収率が向上することにより、洗浄排水のBODおよびCODの増加が防止される。しかも、脂肪酸エステル中へのグリセリンの混入が防止され、製品としての脂肪酸エステル中のグリセリン量を低減することができる。
【0012】
請求項2の発明による廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法は、アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成してディーゼル燃料油を製造する方法において、脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを洗浄水により洗浄して抽出除去するとともに、その洗浄排水中に凝集剤を添加するものである。
【0013】
請求項2の発明において、凝集剤は、洗浄排水に対して0.01〜10wt%添加することが好ましい。なお、凝集剤の添加量は、洗浄排水中の遊離脂肪酸およびジグリセリド、トリグリセリドの量に基づいて、上記範囲内において適宜変更される。
【0014】
請求項2の発明の方法によれば、凝集剤の働きにより洗浄排水中の脂肪酸エステルと水のエマルジョンが破壊され、洗浄排水からも脂肪酸エステルを回収することができる。したがって、製品としての脂肪酸エステルの回収率が向上するとともに、洗浄排水のBODおよびCODの増加が防止される。
【0015】
請求項2の発明において、凝集剤としては、たとえばAl3+を有する化合物、Fe2+やFe3+を有する化合物などの高電荷のイオンを有する化合物が用いられる。Al3+を有する化合物としては、たとえば硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどが用いられ、Fe2+やFe3+を有する化合物としては、たとえば硫酸鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、塩素化コッパラスなどが用いられる。また、凝集剤としては、水溶性アニリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリチオ尿素などのカチオン性の有機高分子ポリマーが用いられることもある。
【0016】
請求項3の発明による廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法は、アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成してディーゼル燃料油を製造する方法において、脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを洗浄水により洗浄して抽出除去するとともに、この洗浄排水に電圧を印加することを特徴とするものである。
【0017】
請求項3の発明において、直流電圧および交流電圧のいずれを印加してもよい。印加電圧は0.1〜100Vであることが好ましく、水が電気分解しない0.1〜1.5Vであることが望ましい。エマルジョンを分解するには印加電圧が高い方がよいが、高くなりすぎると水が電気分解し水素が発生して危険であるからである。
【0018】
請求項3の発明の方法によれば、界面活性剤の負電荷を中和してエマルジョンが破壊され、洗浄排水からも脂肪酸エステルを回収することができる。したがって、製品としての脂肪酸エステルの回収率が向上するとともに、洗浄排水のBODおよびCODの増加が防止される。
【0019】
請求項1〜3の発明の方法は、40〜100℃の温度域で実施することが好ましく、60〜80℃の温度域で実施することが望ましい。エマルジョンが分解するには水温が高い方がよいが、高くなりすぎると水が蒸発し、水洗浄を行うことができないからである。
【0020】
また、請求項1〜3の発明の方法において、洗浄水による洗浄は、2回繰り返して行うことが好ましい。この場合、1回目の洗浄は緩慢な攪拌速度で混合して脂肪酸、未反応のトリグリセリドおよびジグリセリドを取り除き、2回目の洗浄は高速の攪拌速度で混合してグリセリンを極低濃度まで分離する。
【0021】
請求項4の発明による廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法は、請求項1〜3のうちのいずれかの発明において、エステル交換反応を行う前に、廃油脂に吸着剤を添加して80〜200℃に加熱することにより、硫黄分を除去するものである。
【0022】
請求項4の発明において、吸着剤としては、たとえば活性白土が用いられる。吸着剤の添加量は、廃油脂100重量部に対して3〜30重量部程度である。また、請求項4の発明の方法は、80〜200℃、好ましくは90〜150℃の温度域で、10分〜2時間、好ましくは30分〜1時間実施するのがよい。上記温度域において、約30分間で吸着平衡に達するからである。
【0023】
請求項4の発明の方法によれば、廃油脂中に硫黄が含まれていたとしても、製造されたディーゼル燃料油中の硫黄量は少なくなり、これを燃焼させた際の大気汚染を抑制することができる。なお、請求項4の発明は、廃油脂として廃食用油を用いた場合に特に効果的である。すなわち、上述した食用油の新しいものには硫黄がほとんど含まれていないが、食用油が揚げ物などに使用されるうちに、硫黄を含有しているタンパク質類が油中に溶解し、その結果廃食用油には100〜200ppm程度の硫黄が含まれることになるからである。そして、廃食用油を用いて請求項1〜3の発明の方法によりディーゼル燃料油を製造した場合、硫黄がそのまま残存し、ディーゼルエンジンで燃焼させると硫黄酸化物が発生し、軽油の場合と同様に大気汚染の原因となる。製品としての脂肪酸エステルから硫黄を吸着除去する方法も考えられるが、この方法では除去率が低くなる。
【0024】
請求項5の発明による廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法は、請求項1〜4のうちのいずれかの発明において、エステル交換反応を行う前に、廃油脂にアルカリ土類金属酸化物を添加して加熱することにより、遊離脂肪酸を除去するものである。
【0025】
請求項5の発明において、アルカリ土類金属酸化物としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどが用いられる。その添加量は廃油脂100wt%に対して10wt%以下、好ましくは5wt%以下である。廃油脂100wt%に対して10wt%を越えるアルカリ土類金属酸化物を添加しても遊離脂肪酸の除去効果はそれ以上向上せず、廃油脂の回収率の低下、処理時間の増大およびランニングコストの増加につながるからである。アルカリ土類金属酸化物は、塊状、粒状、粉末状のいかなる形態のものを用いてもよいが、反応性を考慮すると粉末状が好ましい。また、加熱温度は120℃以上であることが好ましい。120℃未満では遊離脂肪酸を除去できないおそれがあるからである。さらに、処理時間は1時間以上、好ましくは1.5時間以上とするのがよい。処理時間が1時間未満であると遊離脂肪酸の除去率が極端に低下するからである。
【0026】
請求項5の発明の方法によれば、廃油脂中の遊離脂肪酸を除去することができ、その結果、請求項1〜4の発明の方法において、遊離脂肪酸が界面活性剤として作用することによる脂肪酸エステルと水のエマルジョンの生成が防止される。すなわち、酸化カルシウムや酸化マグネシウムなどと遊離脂肪酸との反応により遊離脂肪酸のカルシウム塩やマグネシウム塩が生成するが、この生成物は水に難溶であるため水分存在下でも溶解しにくく、これを濾過などにより除去することによって、確実に遊離脂肪酸を除去することができる。特に、酸化カルシウムは、水分を吸収して水酸化カルシウムに変化しやすい性質があるため、廃油脂中の水分除去も同時に行うことができる。
【0027】
油脂中に存在する遊離脂肪酸を除去する一般的な方法として、苛性ソーダや苛性カリにより中和し、遠心分離除去する方法があるが、アルカリ金属塩は水溶性で、少量の水分存在下でも加水分解を起こし、逆に遊離脂肪酸を生成してしまう可能性がある。特に、廃油脂中には遊離脂肪酸の他に、水分、夾雑物等が含まれており、複雑な反応を起こす可能性があり、さらなる処理が必要になることがある。また、苛性ソーダにより生成した石鹸は水溶性であり、水分が存在すれば溶解してしまう。
【0028】
請求項1〜5のうちのいずれかの発明において、アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより得られた反応物中のグリセリンを重量分離した後、再度アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより残りの反応物から脂肪酸エステルを生成することがある。この場合、2度目のエステル交換反応も40〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度域で行う。
【0029】
また、請求項1〜5のうちのいずれかの発明において、触媒としてアルカリ性触媒を使用し、エステル交換反応を行う前に廃油脂の酸価を測定し、その測定値に基づいてアルカリ性触媒の使用量を調整することがある。この場合、予め、廃油脂を有機性溶媒に溶解した際のpHと、この廃油脂の酸価との相関関係を求めておき、廃油脂を有機性溶媒に溶解した際のpHを測定して上記相関関係から廃油脂の酸価を決定することにより、廃油脂の酸価を測定することが好ましい。
【0030】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0031】
図1はこの発明の方法を実施する装置を概略的に示す。
【0032】
図1において、廃油脂からのディーゼル燃料油の製造装置は、廃油脂受け入れタンク(1)と、廃油脂中の水分を蒸発させる水分蒸発器(2)と、水分を蒸発させた廃油脂から脂肪酸エステルを生成するエステル交換反応器(3)と、エステル交換反応器(3)にアルコールおよび触媒を供給する供給タンク(4)と、エステル交換反応器(3)で生成された脂肪酸エステルからアルコールを蒸発させるアルコール蒸発器(5)と、アルコールを蒸発させた脂肪酸エステルから副生成物であるグリセリンを重量分離する1次分離タンク(6)と、分離されたグリセリンを溜めるグリセリンタンク(7)と、グリセリンが重量分離された脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを、凝集剤を添加した洗浄水により抽出除去する2次分離タンク(8)と、2次分離タンク(8)に洗浄水を供給する洗浄水タンク(9)および凝集剤を供給する凝集剤タンク(10)と、2次分離タンク(8)内において洗浄排水と脂肪酸エステルとの界面を検出するとともに洗浄排水と脂肪酸エステルとに分離して2次分離タンク(8)から排出する界面検出器(11)と、2次分離タンク(8)において分離された洗浄排水を溜める洗浄排水タンク(12)と、グリセリンが抽出除去された脂肪酸エステル中の水分を蒸発させる水分蒸発器(13)と、製品としての脂肪酸エステルを溜める製品タンク(14)とを備えている。
【0033】
界面検出器(11)は、電気伝導率計により洗浄排水相と脂肪酸エステル相との電気伝導率を測定し、洗浄排水と脂肪酸エステルの電気伝導率の相違に基づいて、洗浄排水のみを2次分離タンク(8)から排出した後に脂肪酸エステルを排出するものである。すなわち、洗浄排水の電気伝導率は10〜50mS/mであるのに対し、脂肪酸エステルはほぼ0mS/mあるから、この電気伝導率の相違に基づいて、洗浄排水のみを2次分離タンク(8)から排出した後に脂肪酸エステルを排出する。
【0034】
この装置を用いての廃油脂からのディーゼル燃料油の製造は、次の方法で行われる。
【0035】
まず、受け入れタンク(1)内の廃油脂中の水分を水分蒸発器(2)で蒸発させた後、エステル交換反応器(3)において、供給タンク(4)からアルコールおよび触媒を供給し、廃油脂をエステル交換反応させることにより脂肪酸エステルを生成する。アルコールとしては、好ましくはメタノール、エタノールなどの低級アルコールが用いられる。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、濃硫酸が用いられる。使用するアルコール量は、廃油脂100wt%に対して11〜30wt%、好ましくは15〜25wt%である。使用する触媒の量は、廃油脂100wt%に対して0.1〜2.0wt%、好ましくは0.2〜1.5wt%である。
【0036】
ついで、アルコール蒸発器(5)において生成された脂肪酸エステルからアルコールを蒸発させた後、1次分離タンク(6)においてグリセリンを重量分離し、分離したグリセリンをグリセリンタンク(7)に溜める。このグリセリンは、たとえばボイラ燃料として利用される。
【0037】
ついで、2次分離タンク(8)において、グリセリンが重量分離された脂肪酸エステルを、凝集剤を添加した洗浄水により洗浄して脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを抽出除去し、所定時間、たとえば30分間静置する。そして、界面検出器(11)により、2次分離タンク(8)から洗浄排水のみを排出して洗浄排水タンク(12)に溜めた後、脂肪酸エステルを排出する。脂肪酸エステルは、水分蒸発器(13)において水分が蒸発させられた後に、製品タンク(14)に溜められる。こうして、ディーゼル燃料油が製造される。
【0038】
水分蒸発器(2)(13)で蒸発した水分は、洗浄水タンク(9)に送られて凝縮し、洗浄水として用いられる。アルコール蒸発器(5)で蒸発したアルコールは、供給タンク(4)に送られて凝縮し、アルコールとして用いられる。
【0039】
上記の製造方法において、触媒としてアルカリ性触媒を使用し、受け入れタンク(1)内の廃油脂の酸価を測定し、その測定値に基づいてアルカリ性触媒の使用量を調整することがある。この場合、予め、廃油脂を有機性溶媒に溶解した際のpHと、この廃油脂の酸価との相関関係を求めておき、廃油脂を有機性溶媒に溶解した際のpHを測定して上記相関関係から廃油脂の酸価を決定することにより、廃油脂の酸価を測定する。具体的には、たとえば次のようにして行う。廃油脂1gを水10mlと1−プロパノール125mlとの混合溶媒に溶解し、30分間攪拌した後pHを測定する。一方、これと同じ廃油脂5gを2−プロパノール50mlに溶解し、指示薬としてプロモチモールブルー0.5mlを加えて0.1規定水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、酸価を計算する。この操作を繰り返し、pHと酸価との関係を求める。この関係は、図2に示すようになる。そして、酸価が未知の廃油脂1gを水10mlと1−プロパノール125mlとの混合溶媒に溶解し、30分間攪拌した後pHを測定したところ6.80であり、図2に示す関係からその酸価は1.31mgKOH/gとなる。ここで、同じ廃油脂5gを2−プロパノール50mlに溶解し、指示薬としてプロモチモールブルー0.5mlを加えて0.1規定水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、酸価を計算したところ1.28mgKOH/gであり、図2に示す関係から求めた酸価とほぼ一致している。
【0040】
また、酸価に基づくアルカリ性触媒の使用量は、具体的にいえば、次のようにして決定される。飲食店から回収した酸価0.3mgKOH/gの廃食用油A1000gを60℃に加熱し、この廃食用油に、水酸化カリウム2.6g(廃食用油に対して0.26wt%)、5.0g(同じく0.5wt%)、7.0g(同じく0.7wt%)、10.0g(同じく1.0wt%)、13.0g(同じく1.3wt%)をそれぞれメタノール200gに溶解させたメタノール溶液を添加して30分間攪拌してエステル交換反応させた。ついで、過剰のメタノールを減圧除去し、2時間静置してグリセリンを重量分離し、5種類のディーゼル燃料を得た。そして、全てのディーゼル燃料中のエステル化物を測定したところ、それぞれ88.7wt%、92.4wt%、96.0wt%、94.1wt%、94.0wt%であった。この結果、最も反応率の高かったのは水酸化カリウム0.7wt%を添加した場合であった。
【0041】
一方、飲食店から回収した酸価3.4mgKOH/gの廃食用油B1000gを60℃に加熱し、この廃食用油に、水酸化カリウム2.6g(廃食用油に対して0.26wt%)、7.0g(同じく0.7wt%)、10.0g(同じく1.0wt%)、13.0g(同じく1.3wt%)、15.0g(同じく1.5wt%)、20.0g(同じく2.0wt%)をそれぞれメタノール200gに溶解させたメタノール溶液を添加して30分間攪拌してエステル交換反応させた。ついで、過剰のメタノールを減圧除去し、2時間静置してグリセリンを重量分離し、5種類のディーゼル燃料を得た。そして、全てのディーゼル燃料中のエステル化物を測定したところ、それぞれ0.5wt%、69.0wt%、89.4wt%、87.5wt%、75.0wt%、39.1wt%であった。この結果、最も反応率の高かったのは水酸化カリウム1.0wt%を添加した場合であった。
【0042】
これらの結果を図3に示す。図3に示す結果から、エステル交換反応において、劣化がほとんどない酸価の小さい廃油脂の最適な水酸化カリウムの添加量は廃油脂に対して0.7wt%であり、劣化が進行した廃油脂の最適な水酸化カリウムの添加量は、廃油脂に対して遊離脂肪酸中和量、すなわち(酸価値×0.1)wt%+0.7wt%となる。
【0043】
上記の製造方法において、エステル交換反応を行う前に、廃油脂に、活性白土からなる吸着剤を添加して加熱することにより、硫黄分を除去することがある。この処理は80〜200℃、好ましくは90〜150℃で、1時間以上、好ましくは2時間以上行うのがよい。また、使用する吸着剤の量は廃油脂100wt%に対して3〜30wt%程度である。
【0044】
上記の製造方法において、エステル交換反応を行う前に、廃油脂にアルカリ土類金属酸化物を添加して加熱することにより、遊離脂肪酸を除去することがある。この処理は120℃以上で、1時間以上、好ましくは1.5時間以上行うのがよい。また、使用するアルカリ土類金属酸化物の量は廃油脂100wt%に対して10wt%以下である。
【0045】
さらに、上記の製造方法において、アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより得られた反応物中のグリセリンを重量分離した後、再度アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより残りの反応物から脂肪酸エステルを生成することがある。
【0046】
また、廃油脂からのディーゼル燃料油の製造は、次の方法により行われることもある。
【0047】
まず、受け入れタンク(1)内の廃油脂中の水分を水分蒸発器(2)で蒸発させた後、エステル交換反応器(3)において、供給タンク(4)からアルコールおよび触媒を供給し、廃油脂をエステル交換反応させることにより脂肪酸エステルを生成する。アルコールとしては、好ましくはメタノール、エタノールなどの低級アルコールが用いられる。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、濃硫酸が用いられる。
【0048】
ついで、アルコール蒸発器(5)において生成された脂肪酸エステルからアルコールを蒸発させた後、1次分離タンク(6)においてグリセリンを重量分離し、分離したグリセリンをグリセリンタンク(7)に溜める。このグリセリンは、たとえばボイラ燃料として利用される。
【0049】
ついで、2次分離タンク(8)において、グリセリンが重量分離された脂肪酸エステルを、凝集剤を添加せずに洗浄水により洗浄して脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを抽出除去し、所定時間、たとえば30分間静置する。そして、界面検出器(11)により、2次分離タンク(8)から洗浄排水のみを排出して洗浄排水タンク(12)に溜めた後、脂肪酸エステルを排出する。脂肪酸エステルは、水分蒸発器(13)において水分が蒸発させられた後に、製品タンク(14)に溜められる。一方、洗浄排水タンク(12)を図示しない3次分離タンクに送り、ここで洗浄排水に凝集剤を添加して脂肪酸エステルと水とのエマルジョンを破壊し、洗浄排水から脂肪酸エステルを回収する。この脂肪酸エステルも、水分蒸発器において水分が蒸発させられた後に、製品タンク(14)に溜められる。こうして、ディーゼル燃料油が製造される。
【0050】
さらに、廃油脂からのディーゼル燃料油の製造は、次の方法により行われることもある。
【0051】
まず、受け入れタンク(1)内の廃油脂中の水分を水分蒸発器(2)で蒸発させた後、エステル交換反応器(3)において、供給タンク(4)からアルコールおよび触媒を供給し、廃油脂をエステル交換反応させることにより脂肪酸エステルを生成する。アルコールとしては、好ましくはメタノール、エタノールなどの低級アルコールが用いられる。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、濃硫酸が用いられる。
【0052】
ついで、アルコール蒸発器(5)において生成された脂肪酸エステルからアルコールを蒸発させた後、1次分離タンク(6)においてグリセリンを重量分離し、分離したグリセリンをグリセリンタンク(7)に溜める。このグリセリンは、たとえばボイラ燃料として利用される。
【0053】
ついで、2次分離タンク(8)において、グリセリンが重量分離された脂肪酸エステルを、凝集剤を添加せずに洗浄水により洗浄して脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを抽出除去し、所定時間、たとえば30分間静置する。そして、界面検出器(11)により、2次分離タンク(8)から洗浄排水のみを排出して洗浄排水タンク(12)に溜めた後、脂肪酸エステルを排出する。脂肪酸エステルは、水分蒸発器(13)において水分が蒸発させられた後に、製品タンク(14)に溜められる。一方、洗浄排水タンク(12)を図示しない電圧印加タンクに送り、ここで洗浄排水に0.1〜100V、好ましくは0.1〜1.5Vの直流または交流電圧を印加して脂肪酸エステルと水とのエマルジョンを破壊し、洗浄排水から脂肪酸エステルを回収する。洗浄排水への電圧の印加は40〜100℃、好ましくは60〜80℃の温度域で行う。この脂肪酸エステルも、水分蒸発器において水分が蒸発させられた後に、製品タンク(14)に溜められる。こうして、ディーゼル燃料油が製造される。
【0054】
以下、この発明の具体的実施例を比較例とともに説明する。
【0055】
実施例1
飲食店から回収した廃食用油を用意した。そして、廃食用油100wt%に対して20wt%のメタノールと廃食用油100wt%に対して0.7wt%の水酸化カリウムを用意し、水酸化カリウムをメタノールに溶解した。そして、廃食用油を60℃に加熱しながら攪拌するとともに、水酸化カリウムのメタノール溶液を加えてエステル交換反応を行い、副生成物であるグリセリンを重量分離して脂肪酸エステルを生成した。脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は2100ppmであった。ついで、この脂肪酸エステル500gと水50gとポリ塩化アルミニウム5gとをガラス容器に入れ、パドル状の攪拌翼で攪拌した後、分液ロートに移して12時間静置した。ガラス容器中の排水相と脂肪酸エステル相の境界は明確であり、容易に脂肪酸エステルから排水を分離して脂肪酸エステルを回収することができた。また、脂肪酸エステル相は少し透明感があった。回収された脂肪酸エステルの回収率は94.7wt%であり、回収された脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は56ppmであった。また、排水中のBODは200mg/l、CODは150mg/lであった。
【0056】
実施例2
脂肪酸エステルと水とをガラス容器中で攪拌する際に、ポリ塩化アルミニウム5gの代わりにポリアミンアンモニウム塩5gを用いた他は、上記実施例1と同様な操作を行った。ガラス容器中の排水相と脂肪酸エステル相の境界は明確であり、容易に脂肪酸エステルから排水を分離して脂肪酸エステルを回収することができた。また、脂肪酸エステル相は透明であった。回収された脂肪酸エステルの回収率は96.1wt%であり、回収された脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は48ppmであった。また、排水中のBODは20mg/l、CODは20mg/lであった。
【0057】
実施例3
実施例1で得た脂肪酸エステル500gと水50gとをガラス容器に入れ、パドル状の攪拌翼で攪拌した後、分液ロートに移して12時間静置した。ついで、排水を分離して脂肪酸エステルを回収した。脂肪酸エステルの回収率は、83.3wt%であった。ついで、分離した排水100wt%に対して1wt%のポリアミンアンモニウム塩を添加して攪拌した後、20分間静置した。ガラス容器中の排水相と脂肪酸エステル相の境界は明確であり、容易に排水を分離して脂肪酸エステルを回収することができた。また、分離した排水からの脂肪酸エステルの回収率は9.2wt%であり、トータルの脂肪酸エステルの回収率は92.5wt%であり、回収された全脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は105ppmであった。また、排水中のBODは20mg/l、CODは20mg/lであった。
【0058】
実施例4
実施例1で得た脂肪酸エステル500gと水50gとをガラス容器に入れ、パドル状の攪拌翼で攪拌した後、分液ロートに移して12時間静置した。ついで、排水を分離して脂肪酸エステルを回収した。脂肪酸エステルの回収率は、83.3wt%であった。ついで、分離した排水を70℃に加熱し、攪拌しながら1.5Vの直流電圧を印加し、分離した排水から脂肪酸エステルを回収した。分離した排水からの脂肪酸エステルの回収率は8.5wt%であり、トータルの脂肪酸エステルの回収率は91.8wt%であり、回収された全脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は105ppmであった。また、排水中のBODは520mg/l、CODは380mg/lであった。
【0059】
実施例5
上記実施例1と同様な条件でエステル交換反応を行った。副生成物であるグリセリンを重量分離した後、再び60℃に加熱し、廃食用油100wt%に対して3wt%のメタノールに、廃食用油100wt%に対して0.1wt%の水酸化カリウムを溶解してなるメタノール溶液を加えて攪拌することによって、再度エステル交換反応を行った。得られた脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は5700ppmであった。ついで、この脂肪酸エステル500gと水50gとをガラス容器に入れ、パドル状の攪拌翼で20分間攪拌した後、分液ロートに移して12時間静置した。排水相と脂肪酸エステル相の境界は明確であり、脂肪酸エステル相は透明であった。その後、排水を分離して脂肪酸エステルを回収した。回収した脂肪酸エステルの回収率は98.3wt%であり、この脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は156ppmであった。また、排水中のBODは150mg/l、CODは130mg/lであった。
【0060】
実施例6
実施例5と同様な条件で2度のエステル交換反応を行い、副生成物であるグリセリンを重量分離して脂肪酸エステルを得た。ついで、この脂肪酸エステル500gと水50gとをガラス容器に入れて70℃に加熱した。そして、パドル状の攪拌翼で100rpmで20分間攪拌した後30分間静置し、排水相を分離した。ついで、残った脂肪酸エステルに水50gを加え、パドル状の攪拌翼で200rpmで20分間攪拌した。ついで、分液ロートに移して12時間静置した。排水相と脂肪酸エステル相の境界は明確であり、脂肪酸エステル相は少し透明感があった。また、排水相の粘度は高かった。その後、排水を分離して脂肪酸エステルを回収した。回収した脂肪酸エステルの回収率は97.8wt%であり、この脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は20ppmであった。また、排水中のBODは130mg/l、CODは120mg/lであった。
【0061】
比較例1
実施例1で得た脂肪酸エステル500gと水50gとをガラス容器に入れ、パドル状の攪拌翼で攪拌した後、分液ロートに移して12時間静置した。ついで、排水を分離して脂肪酸エステルを回収した。脂肪酸エステルの回収率は83.3wt%であり、脂肪酸エステル中のグリセリン濃度は105ppmであった。また、排水中のBODは78000mg/l、CODは56000mg/lであった。
【0062】
脂肪酸エステル中のグリセリン濃度、脂肪酸エステルの回収率、回収された脂肪酸エステル中のグリセリン濃度、洗浄排水中のBODおよびCODを表1にまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例7
飲食店から回収した硫黄濃度が100ppmである廃食用油100gと活性白土10gをガラス容器に入れ、120℃に加熱してパドル状の攪拌翼で2時間攪拌した。その後活性白土を濾過し、油中の硫黄濃度を分析した。処理後の硫黄濃度は9ppmであり、硫黄除去率は91wt%であった。
【0065】
実施例8
飲食店から回収した硫黄濃度が80ppmである廃食用油100gと活性白土10gをガラス容器に入れ、120℃に加熱してパドル状の攪拌翼で2時間攪拌した。その後活性白土を濾過し、油中の硫黄濃度を分析した。処理後の硫黄濃度は8ppmであり、硫黄除去率は90wt%であった。
【0066】
比較例2
加熱温度を70℃とした他は、上記実施例7と同様の操作を行った。処理後の硫黄濃度は33ppmであり、硫黄除去率は67wt%であった。
【0067】
比較例3
飲食店から回収した硫黄濃度が100ppmである廃食用油をエステル化して生成した脂肪酸エステル100gと活性白土10gをガラス容器に入れ、120℃に加熱してパドル状の攪拌翼で2時間攪拌した。その後活性白土を濾過し、硫黄濃度を分析した。脂肪酸エステル中の処理前の硫黄濃度は47ppmであり、処理後の硫黄濃度は23ppmであって、硫黄除去率は51wt%であった。
【0068】
実施例9
飲食店から回収した遊離脂肪酸含有量1.94wt%である廃食用油40gと、粉末状酸化カルシウム0.4gをガラス容器に入れ、120℃に加熱してパドル状の攪拌翼で2時間攪拌した。その後濾過し、油中の遊離脂肪酸含有量を分析した。処理後の遊離脂肪酸含有量は0.12wt%であり、除去率は93.8%であった。
【0069】
実施例10
粉末状酸化カルシウム0.2gを使用した他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は0.08wt%であり、除去率は95.9%であった。
【0070】
実施例11
粉末状酸化カルシウム4.0gを使用した他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は0.09wt%であり、除去率は95.6%であった。
【0071】
実施例12
攪拌時間を1時間にした他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は0.75wt%であり、除去率は61.2%であった。
【0072】
実施例13
攪拌時間を1.5時間にした他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は0.20wt%であり、除去率は89.7%であった。
【0073】
実施例14
魚介類の不可食分から分離された油脂(遊離脂肪酸含油量6.59wt%)40gと、粉末状酸化カルシウム2.0gをガラス容器に入れ、120℃に加熱してパドル状の攪拌翼で2時間攪拌した。その後濾過し、油中の遊離脂肪酸含有量を分析した。処理後の遊離脂肪酸含有量は0.08wt%であり、除去率は98.8%であった。
【0074】
比較例4
攪拌時間を0.5時間にした他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は1.77wt%であり、除去率は9.0%であった。
【0075】
比較例5
処理温度を24℃にした他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は1.92wt%であり、除去率は1.7%であった。
【0076】
比較例6
処理温度を80℃にした他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は1.86wt%であり、除去率は4.1%であった。
【0077】
比較例7
処理温度を100℃にした他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は1.87wt%であり、除去率は3.7%であった。
【0078】
比較例8
酸化カルシウムの代わりに、活性白土2.4gを使用した他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は1.90wt%であり、除去率は1.9%であった。
【0079】
比較例9
酸化カルシウムの代わりに、活性炭2.4gを使用した他は、上記実施例9と同様の操作を行った。処理後の油中の遊離脂肪酸含有量は1.86wt%であり、除去率は4.2%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施する装置を概略的に示す図である。
【図2】廃油脂の酸価とpHとの関係を表すグラフである。
【図3】触媒としての水酸化カリウムの添加量と廃油脂のエステル化率との関係を表すグラフである。
Claims (5)
- アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成してディーゼル燃料油を製造する方法において、
脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、塩素化コッパラス、水溶性アニリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリチオ尿素およびポリアミンアンモニウム塩からなる群から選ばれた1つの凝集剤を添加した洗浄水により洗浄して抽出除去することを特徴とする廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法。 - アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成してディーゼル燃料油を製造する方法において、
脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを洗浄水により洗浄して抽出除去するとともに、その洗浄排水中に凝集剤を添加することを特徴とする廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法。 - アルコールおよび触媒を用いてエステル交換反応させることにより、廃油脂から脂肪酸エステルを生成してディーゼル燃料油を製造する方法において、
脂肪酸エステル中に溶存するグリセリンを洗浄水により洗浄して抽出除去するとともに、この洗浄排水に電圧を印加することを特徴とする廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法。 - エステル交換反応を行う前に、廃油脂に吸着剤を添加して80〜200℃に加熱することにより、硫黄分を除去する請求項1〜3のうちのいずれかに記載の廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法。
- エステル交換反応を行う前に、廃油脂にアルカリ土類金属酸化物を添加して120度以上に1時間以上加熱することにより、遊離脂肪酸を除去する請求項1〜4のうちのいずれかに記載の廃油脂からのディーゼル燃料油の製造方法。
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