JP4392146B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるラインヘッドを用いた画像記録装置の技術分野に属し、詳しくは、ラインヘッドの長寿命化を図ることができる画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒータによる加熱でインクの一部を急速に気化させ、その膨張力等によってインク液滴をノズルから吐出させる、サーマルインクジェットが各種のプリンタに利用されている(特開昭48−9622号、同54−51837号等の各公報参照)。
また、静電気や、ピエゾ素子等の駆動手段で振動板を振動して、そのエネルギによってインク液滴をノズルから吐出させるインクジェットを利用するプリンタも知られている(特開平11−207956号、同11−309850号等の各公報等参照)。
【0003】
このようなインクジェットプリンタをはじめとして、サーマルプリンタやドットインパクトプリンタのように、記録素子を配列してなる、いわゆる記録ヘッドを用いる各種のプリンタは、受像紙等の記録媒体に比して大幅に小さい記録ヘッドを用い、記録媒体を断続的な搬送と、記録ヘッドの走査とを組み合わせて画像記録を行う、いわゆるシリアルタイプのプリンタが主流である。
【0004】
これに対し、記録媒体の一つの辺の全域に対応して、記録素子が配列されている、いわゆるラインヘッドを用いるプリンタも知られている。
ラインヘッドを用いれば、記録媒体とラインヘッドとを、記録素子の配列方向と直交する方向に相対的に移動(走査)するだけで、記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。そのため、ラインヘッドを用いるプリンタによれば、迅速に、かつ記録ヘッドの移動や記録媒体の間欠的な搬送等のない簡易な動作で、画像記録を行える。
【0005】
このようなラインヘッドを用いるプリンタでは、対象となる最大サイズに応じて、通常、複数サイズの画像記録が行えるようになっている。例えば、最大でA4サイズの画像記録が可能なプリンタであれば、それ以下の、B5サイズやA5サイズ、はがきサイズ等の画像記録も可能に構成されるのが、通常である。
また、記録サイズに応じて、ラインヘッドによって複数の画像記録が可能な場合には、記録に先立って、ラインヘッドの記録素子列方向に記録媒体を振り分けて、記録媒体を2列や3列等の複数列にして走査し、複数枚の画像記録を同時に行うことにより、高速処理を可能にしたプリンタも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、このようなラインヘッドを用いるプリンタでは、常に、ラインへッドが対応する最大サイズの画像を記録しているわけではない。むしろ、通常は小型の1サイズの画像記録を行い、最大サイズの画像記録を行う頻度が少ないプリンタも、多々、存在する。
【0007】
ところが、このように、最大サイズ以下の特定サイズの画像記録を主に行うプリンタでは、各記録素子の駆動回数に差が生じてしまい、一部の記録素子のみが劣化してしまうという問題点がある。
例えば、最大A4サイズの画像記録が可能なプリンタにおいて、主にはがきサイズの画像記録を行う場合には、はがきサイズに応じたラインヘッドの一部の記録素子のみが高い頻度で駆動する結果となり、この記録素子が早く劣化する。また、前述のような振り分けを行う場合であっても、振り分けられた記録媒体の間の記録素子は駆動しないので、特定サイズの画像記録が多い場合には、駆動頻度の高い記録素子と、低い記録素子とが生じて、駆動頻度が高い記録素子が早く劣化する。
【0008】
その結果、記録素子の残寿命に差が生じてしまい、また、一部のみが迅速に劣化するので、ラインヘッドの寿命が短くなってしまい、問題となる。
特に、インクジェット、中でも特にサーマルインクジェットでは、記録ヘッドの耐久性向上が課題となっている上に、ラインヘッドは、ノズルの集積数が多くなるため、非常に歩留りが悪く、コストが高い。そのため、プリンタのランニングコストや寿命等の点からも、ラインヘッドの寿命向上が、より一層、求められている。
【0009】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、インクジェットプリンタやサーマルプリンタのような、記録素子を一方向に配列してなる記録ヘッドを用いる画像記録装置であって、簡易な動作で迅速な画像記録が可能な、対象となる最大サイズの記録媒体の一辺の全域にわたる記録素子列を有するラインヘッドを用い、かつ、ラインヘッドの長寿命化を図ることができる画像記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の画像記録装置は、記録素子を一方向に配列してなる記録素子列を有するラインヘッドと、複数サイズの記録媒体に対応して、指定されたサイズの記録媒体を所定の画像記録位置に供給する供給手段と、前記ラインヘッドによる記録媒体への画像記録に先立ち、各記録素子の総駆動回数が略均一になるように、前記ラインヘッドと記録媒体との記録素子列方向の相対的な位置を調整する調整手段と、前記ラインヘッドによる記録媒体への画像記録の際に、前記記録素子列と直交する方向に、前記ラインヘッドと記録媒体とを相対的に移動する走査手段と、前記調整手段による位置調整および記録画像に応じて、前記ラインヘッドを駆動する駆動手段とを有することを特徴とする画像記録装置を提供する。
【0011】
また、このような本発明の画像記録装置において、前記調整手段は、前記ラインヘッドを記録素子列方向に移動し、もしくは、前記記録媒体を記録素子列方向に振り分けることにより、前記位置調整を行うのが好ましく、また、前記調整手段は、各記録素子の駆動回数を計測して、各記録素子の総駆動回数に応じて前記位置調整を行うのが好ましく、さらに、前記調整手段は、予め定められたシーケンスにしたがって、前記ラインヘッドの移動、もしくは、前記記録媒体の振り分けを行うことによって、前記位置調整を行うのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像記録装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
なお、以下の説明は、本発明をサーマルインクジェットのプリンタに利用した例で行う。しかしながら、本発明は、これに限定はされず、対象とする最大記録サイズの一辺の全域に対応する記録素子列を有する記録ヘッド、いわゆるラインヘッドを用い、記録素子列方向と直交する方向に、一回、ラインヘッドと記録媒体とを相対的に移動(走査)することにより、記録媒体の全面に画像を記録するプリンタであれば各種のものに利用可能である。従って、サーマルインクジェット以外にも、静電式のインクジェットプリンタ、圧電素子等を利用するいわゆる圧電タイプのインクジェットプリンタ等であってもよい。また、インクジェットプリンタ以外にも、ドットインパクトプリンタ、サーマルヘッドによって感熱材料に画像を記録するサーマルプリンタ、昇華型プリンタ、熱転写プリンタ等、各種のプリンタに好適に利用可能である。
中でも、ラインヘッドの長寿命化の効果という点で、インクジェットプリンタ、中でも特に、寿命が問題となることが多いサーマルインクジェットプリンタには、好適である。
【0013】
図1に、本発明の画像記録装置をインクジェットプリンタに利用した一例の概念図(平面図)を示す。
図1に示されるインクジェットプリンタ10(以下、プリンタ10とする)は、サーマルインクジェットのラインヘッド12を用いて受像紙Pに画像を記録できるものであり、基本的に、ラインヘッド12と、ラインヘッド12の駆動制御部14と、供給部16と、搬送手段18と、振り分け機構20と、サイズ指示部22とを有して構成される。
図示例のプリンタ10(ラインヘッド12)は、一例として、最大で一辺の長さが270mmまでの受像紙Pに画像を記録できるものであり、それよりも小型の、各種のサイズに対応して、画像を記録することができる。
【0014】
サイズ指示部22は、プリンタ10の使用者によって入力されたプリントサイズに応じて、出力するプリントサイズ(受像紙Pのサイズ)の指示を供給部16、振り分け機構20、および、駆動制御部14に送るものである。
【0015】
供給部16は、サイズ指示部22から指示されたプリントサイズ(以下、サイズとする)に応じた受像紙Pを、搬送手段18に供給する部位である。
本発明のプリンタ10において、供給部16は、各種のハードコピーのプリンタで利用されている、各種の構成が、全て利用可能である。
すなわち、いわゆるロールペーパ(これを収容するマガジン)を装填して、サイズに応じて切断してカットシートとして供給するものであってもよく、あるいは、予め所定サイズに切断されたカットシート(これろを収容するカセット)を装填して、出力指示に応じて、カットシートを枚葉するものであってもよい。また、異なる幅および/または同じ幅の複数種のロールペーパを装填して、サイズに応じたロールペーパから受像紙Pを供給するものでもよく、また、サイズの異なる複数種のカットシートを装填して、指示されたサイズに応じたカットシートを枚葉するものであってもよい。
【0016】
また、供給部16からの受像紙Pの供給は、押圧による供給ローラ、供給ローラ対、吸盤を用いる枚葉機構等、公知の方法で行えばよい。
さらに、供給部16は、同サイズおよび/または異なるサイズの複数枚(複数列)の受像紙Pを供給してもよい。
【0017】
搬送手段18は、図中矢印yで示されるように、供給部16〜振り分け機構20〜ラインヘッド12(記録位置)〜排出まで、供給部16から供給された受像紙Pを搬送するものであり、図示例においては、一例として、受像紙Pを載置して搬送するベルトコンベアである。
なお、本発明において、搬送手段18(供給手段)は、図示例のようなベルトコンベアに限定はされず、搬送ローラ対を用いる搬送手段、吸盤とその移動手段を利用する搬送手段等、各種のシート状物の搬送手段が全て利用可能である。
また、搬送手段18は、複数に分割されてもよく、また、各位置で異なる搬送手段であってもよく、例えば、供給部16〜振り分け機構20、振り分け機構20〜ラインヘッド12とで、搬送手段を分割してもよい。さらに、分割された各搬送手段で、搬送速度が異なってもよい。
【0018】
振り分け機構20は、搬送手段18によって搬送された受像紙Pをラインヘッド12のノズル列方向(図中矢印x方向 以下、幅方向ともいう)に振り分けるものである。
【0019】
前述のように、図示例のラインヘッド12は、幅方向のサイズ(以下、単に幅とする)が270mmまでの受像紙Pに画像を記録できるものである。
プリンタ10においては、振り分け機構20は、一例として、サイズ指示部22からのサイズの指示に応じて、幅が90mm未満の受像紙Pは均等に割り振ったは幅方向に3列となるように(供給された受像紙Pの枚数やタイミング等に応じて、必ずしも、幅方向に3枚並ぶ必要は無い)、幅が90mm〜127mmの受像紙Pは均等に割り振った幅方向に2列に(同前)、受像紙Pを振り分ける。また、幅が127mm超の受像紙Pは、振り分けを行わずに、そのまま、素通しする。
【0020】
図示例のプリンタ10においては、このようなシーケンスに応じて受像紙Pを振り分けて、ラインヘッド12による画像記録を行うことにより、ラインヘッド12のノズル列の全域を満遍なく使用して、ラインヘッド12の各ノズルの累積吐出回数(記録素子の総駆動回数)を、略均一化している。これにより、ラインヘッド12のノズルの残寿命の差を小さくして、ラインヘッドの長寿命化を図ることができる。
【0021】
なお、図示例のような振り分けを行った場合でも、特定サイズの頻度が高い場合には、振り分けられた受像紙Pの間の部分のノズルの吐出頻度が低くなってしまう場合がある。
これを防止するために、一回毎に、あるいは、所定枚数毎等の定期的に、受像紙Pを振り分ける位置を、幅方向に、若干、移動するのが好ましい。
【0022】
振り分け機構20による受像紙Pの振り分け方法は、特に限定はなく、各種の手段が利用可能である。
一例として、受像紙Pを保持して持ち上げる吸盤と、この吸盤を幅方向(あるいは、搬送方向に対して斜め方向)に移動する移動手段とを用いる振り分け機構、受像紙Pを載置して回転するターンテーブルと、ターンテーブルへの受像紙Pの供給/排出手段とを用いる振り分け機構(この場合、振り分け後のサイズに応じて、振り分けを行う)、等が例示される。
【0023】
振り分け機構20によって横方向に振り分けられた受像紙Pは、次いで、ラインヘッド12に搬送される。
なお、振り分け機構20とラインヘッド12との間には、搬送される受像紙Pの姿勢を正しくする(幅方向をノズル列に、他方向を搬送方向に合わせる)、規制部材を設けてもよい。なお、このような規制部材としては、搬送先端面に当接して搬送を一度停止した後に回転するローラ対(トップレジ)、搬送方向の端部に当接して姿勢を正す規制板(サイドレジ)等が例示される。
また、振り分け機構20とラインヘッド12との間に、受像紙Pの幅方向の位置を検出して、駆動手段14等に指示を出す検出手段を設け、この検出結果に応じて、ラインヘッド12による画像記録位置を幅方向に調整してもよく、あるいは、ラインヘッド12もしくは受像紙Pの幅方向の位置を調整してもよい。
【0024】
ラインヘッド12は、インク液滴を吐出するヒータやノズル(すなわち記録素子)を一方向に配列して有する、公知のサーマルインクジェットのライン記録ヘッドで、図示例においては、前述のように、最大で幅270mmまでの画像を記録することができる。
図示例のプリンタ10においては、ノズル列方向(図1矢印x方向)と、受像紙Pの搬送方向とが直交するように、ラインヘッド12が配置され、ラインヘッドを用いる通常のプリンタと同様に、搬送手段18によって受像紙Pをノズル列方向(=幅方向)と直交する方向に搬送(走査)しつつ、記録画像に応じて、ラインヘッド12の各ノズルからインクを吐出して、受像紙Pに画像を記録する。ここで、図示例においては、前述のように、受像紙Pは、サイズに応じて、振り分け機構20によって幅方向に振り分けられるので、ノズル列の全域が満遍なく利用され、すなわち、各ノズルの累積吐出回数は、略均一となる。
【0025】
このようなラインヘッド12の駆動(インクの吐出)は、駆動制御部14によって制御される。
駆動制御部14は、入力された画像データ、および、サイズ指示部22からのサイズの指示、ならびに、振り分け機構20から供給された振り分け情報(受像紙Pを、幅方向の何処に振り分けたかの情報)に応じて、例えば、ラインヘッド12のノズル列全域に対応した画素の並び替え等を行って、ラインヘッド12に対応する記録画像データ(駆動信号)に合成する。その後、搬送手段18による受像紙Pの搬送にタイミングを合わせて、記録画像データに応じて、ラインヘッド12を駆動して、各ノズルからインクを吐出させる。
また、前述のように、振り分け後の受像紙Pの位置検出手段を有する場合には、駆動制御部14は、この検出情報に応じて、記録画像データを再合成あるいは幅方向への位置調整を行って、ラインヘッド12による記録位置を幅方向に調整してもよい。
【0026】
なお、ラインヘッド12は、カラー画像の記録を行うものでも、モノクロ画像の記録を行うものでもよい。また、プリンタ10が、カラープリンタである場合には、各色毎に異なるラインヘッド12として、個々に、記録位置の制御や後述する幅方向への移動を行うのも好ましい。
【0027】
ラインヘッド12による画像記録を終了した受像紙Pは、搬送手段18によってさらに、搬送され、画像が記録されたハードコピーとして、排出トレイ等の所定の位置に排出される。
ここで、プリンタ10においては、振り分け機構20によって受像紙Pを幅方向に振り分けた後に、ラインヘッド10による画像記録を行っているが、受像紙Pの出力を整然と行うために、ラインヘッド10の下流に、記録を終了した受像紙Pを直線状の一列に再配列する、整列手段を設けるのが好ましい。
【0028】
以上の例は、受像紙Pのサイズに応じて振り分けを行っているが、本発明において、予め定められたシーケンスに応じた受像紙Pの振り分けは、これに限定はされず、各種の態様が利用可能である。
例えば、図2に示されるように、受像紙Pのサイズによらず、ノズル列の全域を網羅するように、幅方向の振り分け位置を複数箇所に設定し、さらに、その使用順番を予め定めておき、このシーケンスに従って受像紙Pを振り分けることにより、各ノズルの累積吐出回数を略均一としてもよい。
このような、シーケンスに応じた受像紙Pの振り分けは、一枚毎に行ってもよく、複数枚単位で振り分ける位置を切り換えてもよい。
【0029】
以上の例は、予め定められたシーケンスに応じて、受像紙Pを振り分けることによって、各ノズルの累積吐出回数を略均一としているが、本発明はこれに限定はされず、予め定められたシーケンスに応じて、ラインヘッド12を幅方向(ノズル列方向)に移動することにより、ノズル列の全域を満遍なく使用して、各ノズルの累積吐出回数を略均一としてもよい。
【0030】
このシーケンスには、各ノズルの累積吐出回数を略均一にできれば、各種の方法が利用可能であり、例えば、ノズルの使用領域が、図2に示されるシーケンスと同様になるように、ラインヘッド12を移動する方法が例示される。
また、別の一例として、図3に示される方法が例示される。
図3に示される方法は、いわゆる、ダブルマガジン等から受像紙Pを供給して、2枚の受像紙Pを並べて搬送(走査)して、ラインヘッド12によって同時に記録を行うものであり、受像紙Pの幅方向のサイズをW、受像紙Pの間隔をa、ヘッドの移動量をbとする。
【0031】
図3(A)に示される方法は、「サイズW≦移動量b≦間隔a」として、ラインヘッド12を往復動することにより、各ノズルの累積吐出回数を略均一とするものである。
また、図3(B)に示される例は、受像紙Pの間隔aによらず、「サイズW≧移動量b」として、移動量bの移動を所定回数(図示例では二回)行った後に、移動量−bの移動を同回数行う、ラインヘッド12の往復動のシーケンスを繰り返すことにより、各ノズルの累積吐出回数を略均一とするものである。
なお、ラインヘッド12の移動は、一枚毎に行ってもよく、複数枚毎に行ってもよい。
【0032】
以上の例では、予め設定したシーケンスに応じて、受像紙Pの振り分けを行う、あるいは、ラインヘッド12をノズル列方向に移動することにより、各ノズルの累積吐出回数を略均一化しているが、本発明はこれに限定はされず、各ノズル毎に、累積吐出回数(累積駆動回数)をカウントし、その結果に応じて、ラインヘッド12の全ノズルから記録に使用するノズルを決定して、受像紙Pの振り分けを行って、各ノズルの累積吐出回数を略均一にしてもよい。
あるいは、振り分けを行わず、決定したノズルに応じて、ラインヘッド12をノズル列方向に移動してもよい。
【0033】
ここで、吐出回数の累積カウントは、プリンタ10の使用開始(機器の運用開始時)からの累積であってもよく、あるいは、起動開始時からの累積であってもよい(この場合には、起動あるいは終業毎に、累積リセット)。
また、各ノズル毎に、実際の吐出回数をカウントしてもよく、あるいは、吐出の有無に関わらず画像データの送信回数を吐出回数としてもよく、あるいは、吐出の有無に関わらず記録を行った受像紙Pの枚数を吐出回数としてもよい。
さらに、振り分け位置の決定(すなわち変更)タイミングは、受像紙Pの1枚毎でも、所定枚数毎でもよい。
【0034】
このような各ノズル毎の累積吐出回数に応じた振り分け(ラインヘッド12の移動)方法は、各ノズルの累積吐出回数を略均一化できるものであれば、各種の方法が利用可能であるが、一例として、最も累積吐出回数の少ないノズルが吐出するように、振り分けを決定する方法が例示される。
以下、その一例を、ノズル数が5つ(n1〜n5)のラインヘッドを用い、幅方向に2ドット、搬送方向に5ドットの2×5=10ドットの画像記録を行う場合を例に説明する。
【0035】
例えば、各ノズル(n1〜n5)の累積吐出回数が以下であったとする。
n1=10 n2=40 n3=70 n4=12 n5=90
この状態では、n1が最も累積吐出回数が少ないので、n1が吐出するようにする。従って、受像紙Pの振り分けは、n1とn2に対応する位置となる。
この状態で、幅方向×搬送方向=2×5ドットの画像記録を行うと、各ノズルの累積吐出回数が以下のようになる。
n1=15 n2=45 n3=70 n4=12 n5=90
従って、次に、記録を行う場合には、累積吐出回数が12回で最も少ないn4がインクを吐出するように、受像紙Pの振り分けを行う。ここで、この際には、n3とn4を使うように振り分けを行う場合と、n4とn5を使うように振り分けを行う場合が考えられるが、n3とn5とでは、n5の方が累積吐出回数が少ないので、n3とn4を使うように振り分けを行うのが好ましい。
【0036】
なお、以上の例では、累積吐出回数が最小のノズルが吐出を行うように、受像紙Pの振り分けを行っているが、逆に、累積吐出回数が最大のノズルが吐出を行わないように、受像紙Pの振り分けを行ってもよい。
【0037】
以上の例は、累積吐出回数のみに応じた、フィードバック的な制御で受像紙Pの振り分けを決定しているが、本発明はこれに限定はされず、次に記録する画像を加味した、フィードフォワード的な制御によって、受像紙Pの振り分けを決定してもよい。
一例として、次に記録する画像に応じて、使用するノズルの累積吐出回数の合計が最小となるように、振り分け位置を決定する方法が例示される。
【0038】
先と同様に、ノズル数が5つ(n1〜n5)のラインヘッドを用いて、画像を記録するとする。この例において、記録画像は、幅方向(x方向)に2ドット、搬送方向(y方向)に5ドットの2×5=10ドットが画像サイズ(受像紙Pのサイズ)とする。
従って、本例においては、4ヶ所の振分け位置が考えられる。すなわち、n1とn2とがインクを吐出するように振り分ける振分位置a、同様にn2とn3に対応する振分位置b、n3とn4に対応する振分位置c、および、n4とn5に対応する振分け位置dが考えられる。
【0039】
記録前における各ノズルの累積吐出回数が以下である場合に、図4に示されるような画像を記録する(●がインク吐出)とする。この場合、それぞれの振分位置における、記録後の各ノズルの予測累積吐出回数は、以下のようになる。
【0040】
各振分位置における、記録後の予想累積吐出回数の両ノズルの合計は、振分位置aが55、振分位置bが115、振分位置cが87、振分位置dが107となる。
従って、この場合には、n1とn2に対応する振分位置aに受像紙Pを振り分けて、画像記録を行う。
【0041】
以上、説明した例は、何れも、搬送手段18によって受像紙Pを搬送しつつ、搬送方向と直交する方向にノズル列を有する、ラインヘッド12で記録を行っているが、本発明は、これに限定はされず、受像紙Pの搬送を停止して、ラインヘッド12をノズル列と直交する方向に移動することにより、同方向に受像紙Pとラインヘッド12とを相対的に移動(走査)してもよい。
あるいは、図5に示されるように、搬送手段18による搬送方向と、ラインヘッド12のノズル列方向とを一致して配置し、受像紙Pが所定位置に搬送された時点で、搬送を停止して、矢印zで示すように、ラインヘッド12をノズル列方向(搬送方向)と直交する方向に移動することにより、ラインヘッド12と受像紙とをノズル列と直交する方向に相対的に移動(走査)して、画像を記録してもよい。
【0042】
以上、本発明の画像記録装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
例えば、以上の例では、振り分け機構20によって、受像紙Pを振り分けたが、これ以外にも、供給部16からの受像紙Pの供給位置を幅方向に変更することにより、ラインヘッド12と受像紙Pとの幅方向の相対的な位置を変更してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、インクジェットプリンタやサーマルプリンタなどでラインヘッドを用いたプリンタにおいて、全記録素子の累積駆動回数を略均一化することができるので、他に比して使用頻度が高く劣化が進行した記録素子等を無くし、各記録素子の残寿命を略均一化できるので、ラインヘッドの寿命が長い、耐久性に優れた画像記録装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像記録装置の一例の概念図である。
【図2】 本発明の画像記録装置における受像紙の振り分けの別の例を示す概念図である。
【図3】 (A)および(B)は、本発明の画像記録装置の別の例の概念図である。
【図4】 本発明の画像記録装置における受像紙の振り分け方法の一例を説明するための概念図である。
【図5】 本発明の画像記録装置の別の例の概念図である。
【符号の説明】
10 (インクジェット)プリンタ
12 ラインヘッド
14 駆動制御部
16 供給部
18 搬送手段
20 振り分け機構
22 サイズ指示部
Claims (2)
- 記録素子を一方向に配列してなる記録素子列を有するラインヘッドと、
複数サイズの記録媒体に対応して、指定されたサイズの記録媒体を所定の画像記録位置に供給する供給手段と、
前記ラインヘッドによる記録媒体への画像記録に先立ち、各記録素子の総駆動回数が略均一になるように、前記ラインヘッドと記録媒体との記録素子列方向の相対的な位置を調整する調整手段と、
前記ラインヘッドによる記録媒体への画像記録の際に、前記記録素子列と直交する方向に、前記ラインヘッドと記録媒体とを相対的に移動する走査手段と、
前記調整手段による位置調整および記録画像に応じて、前記ラインヘッドを駆動する駆動手段とを有する画像記録装置において、
前記調整手段は、各記録素子の累計駆動回数を計測するとともに、次の記録画像のデータを取得し、前記次の記録画像の記録が終了した際に、使用する前記記録素子の累計駆動回数の合計が最小となるように、前記ラインヘッドと記録媒体との相対位置を調整することを特徴とする画像記録装置。 - 前記調整手段は、前記ラインヘッドを記録素子列方向に移動し、もしくは、前記記録媒体を記録素子列方向に振り分けることにより、前記位置調整を行う請求項1に記載の画像記録装置。
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