JP4392055B1 - ノーパンクチューブ、及びその嵌込み方法、ノーパンクタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】
エラストマーを原材料として押出成形されたチューブ長尺材を設定長に切断したものをチューブとして使用することにより、各種サイズのタイヤに簡単に嵌め込むことができて、繰り返して使用できるノーパンクチューブの提供である。
【解決手段】
環状のリム3に着脱可能に取付けられる同じく環状のタイヤ外皮1の環状空間部2に圧縮変形されて嵌め込まれるチューブC1 であって、当該チューブC1 は、エラストマーを原材料として押出成形された長尺材を、前記タイヤ外皮1の環状空間部2の中心の周長L0 となるように、長手方向に対して垂直に切断して形成され、しかも前記タイヤ外皮1の環状空間部2の断面積に対して1ないし1.3倍の断面積を有し、前記タイヤ外皮1の環状空間部2に前記チューブC1 を圧縮変形させて嵌め込んだ状態において、当該チューブC1 の長手方向の両端部は周方向に圧縮されて、当該チューブC1 の両端面は互いに反対方向に押し合って突き合わされた構造とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、エラストマーを原材料として押出成形されたチューブ長尺材を設定長に切断した長尺状部材をチューブとして使用することにより、各種サイズのタイヤに簡単に嵌め込むことができて、繰り返して使用できるノーパンクチューブ、及びその嵌込み方法、ノーパンクタイヤに関するものである。
釘類が刺さってもパンクをしないチューブ(ノーパンクチューブ)の一つとして、型成形により発泡ポリウレタンをタイヤサイズに対応したリング状に成形する方法がある(特許文献1)。このチューブは、タイヤサイズに対応したリング状に成形されるために、サイズ面からは、タイヤサイズ毎に異なるチューブを成形せざるを得ない問題がある。また、タイヤ(タイヤ外皮)に対する嵌め込みの観点からは、リング状をしているために、嵌込み完了の直前において、チューブがリムを乗り越えることを可能とすべく当該チューブのリム乗り越え部分を周方向に引っ張って周長を部分的に長くする必要があって、人力で対応できないことが多いため、専用の工具(嵌込み具)を必要とし、タイヤに対するチューブの嵌め込みは大変に面倒な作業であった。更に、断面視における過度の変形を防止するためには、発泡ポリウレタンをある程度硬いものにする必要があり、硬い発泡ポリウレタン製のチューブは、弾性が小さくて、路面に凹凸が存在する場合には衝撃や振動となって身体に伝わるために乗り心地性が悪いと共に、車体に対する衝撃が大きいために、当該車体の耐久性も低下する。また、一般的に発泡ポリウレタンは耐水性が悪いので、雨天時での使用により吸水してもろくなるという問題もある。
他のノーパンクチューブとしては、注入機を用いて溶液状をした熱硬化性ポリウレタンエラストマーをタイヤバルブを介して空気チューブ内に注入して熱硬化させるものがある。このチューブの製造には、注入機の使用を不可欠とするのに加えて、熱硬化性ポリウレタンエラストマーは、材料的に重いために乗り心地性が悪く、しかも耐水性が悪いために雨天時での使用に適さない等の制約がある。
更に他のノーパンクチューブとしては、注入機を用いて溶液状をした熱可塑性エラストマーをタイヤバルブを介して空気チューブ内に注入して常温にて硬化させるものがある(特許文献2)。このチューブの製造においても、注入機の使用を不可欠とするのに加えて、熱硬化性ポリウレタン製のチューブ(比重:約1.1)に比較すれば、軽いチューブ(比重:約0.9)となるが、溶液状のエラストマーを圧力により空気チューブ内に注入するために、内部に中空部を形成したり、或いは発泡構造にすることができないため、タイヤチューブとしては、空気チューブに比較すれば、なお重いために乗り心地性が十分ではないという問題がある。
特開平8−142603号公報 特開2005−96471号公報
本発明は、上記した既存のノーパンクチューブの各問題点を解消すべく、エラストマーを原材料として押出成形されたチューブ長尺材を設定長に切断したものをチューブとして使用することにより、各種サイズのタイヤに簡単に嵌め込むことができて、繰り返して使用できるノーパンクチューブの提供を主たる課題としている。
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、環状のリムに着脱可能に取付けられる同じく環状のタイヤ外皮の環状空間部に直状のままで圧縮変形されて嵌め込まれるチューブであって、当該チューブは、エラストマーから成形され、両端面が長手方向に対して垂直に形成されて、前記タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長の1〜1.03倍の長さを有する直状に形成されていると共に、前記タイヤ外皮の環状空間部の断面積に対して1〜1.3倍の断面積を有し、前記タイヤ外皮の環状空間部に前記チューブを直状のままで、断面視で圧縮させることにより周方向に伸長させて嵌め込んだ状態、当該チューブ周方向に圧縮されて、当該チューブの両端面は互いに反対方向に押し合って突き合わされていることを特徴としている。
タイヤ外皮の環状空間部に嵌め込む前の形状が長手方向視、及び断面視の双方において弾性変形可能な長尺状であって、従来のチューブのようにリング状をしていない。このため、断面視においてリムの一対の引掛り部の一方のみがタイヤ外皮の被引掛り部から解除されて、断面視におけるリムの一方側に環状のチューブ挿入開口が形成された状態で、タイヤ外皮の環状空間部に前記チューブを嵌め込む際に、従来のリング状のチューブであると、嵌込み完了の直前において、前記リムにおけるタイヤ外皮との引っ掛かりが解除された引掛り部を乗り越えさせて、タイヤ外皮の環状空間部にチューブを挿入する必要があるが、請求項1の発明に係るチューブは弾性変形可能な直線状であるために、チューブの長手方向の一端部から、当該チューブを順次タイヤ外皮の環状空間部に挿入して、当該環状空間部において環状となって配置されたチューブの両端部を互いに突き合わせることにより、タイヤ外皮の環状空間部にチューブが嵌め込まれる。このように、タイヤ外皮の環状空間部にチューブを嵌め込む際に、嵌込み完了の直前において、チューブがリムを乗り越えることを可能とすべく当該チューブを大きな力により周方向に引っ張る必要がなくなるので、タイヤ外皮の環状空間部に対するチューブの嵌め込みが容易となる。
チューブがエラストマーの中実体であって、しかもエラストマー自体が材料的に良好な弾性を備えていて、圧縮空気に近い弾性、即ち圧縮性と復元性を備えているので、タイヤ外皮の環状空間部に当該チューブを嵌め込んだタイヤは、空気チューブに対して遜色のない乗り心地性が得られ、しかも車体への衝撃も小さい。また、タイヤ外皮の環状空間部にチューブが嵌め込まれた状態においても、チューブの両端部が存在していて、チューブの両端部は突き合せ状態になっていて、周方向に沿って非連続部が存在するが、突き合せ状態となっているチューブの両端部(チューブの非連続部)はタイヤ外皮で覆われることにより、乗り心地性、及び耐久性の両面において問題はない。
即ち、タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長の1〜1.03倍の長さを有する直状のチューブは、タイヤ外皮の環状空間部に嵌め込まれることにより、断面視で圧縮されて周方向に伸ばされる第1要因と、圧縮されたチューブの中心は、断面視においてタイヤ全体の中心側に微動する第2要因とが相乗して、タイヤ外皮の環状空間部に嵌め込まれた圧縮状態のチューブの周長は、非圧縮状態のチューブの長さよりも見掛け上僅かに長くなって、タイヤ外皮に嵌め込まれて環状となったチューブの両端部に「重なり代」が生ずる。チューブにおける圧縮により見掛け上長くなって、環状のチューブの両端部に発生した前記「重なり代」は、当該チューブの両端面が突き合わされて圧接されて、当該チューブが周方向に圧縮されることにより消失される。ここで、タイヤ外皮に嵌め込まれた環状となったチューブが「見掛け上長くなる原因」は、前記第2要因のみによるものであって、前記第1要因は、環状となったチューブの長さ(周長)を実質的に長くしている。この結果、環状となったチューブは周方向に圧縮されて、長手方向に対して垂直に切断されたチューブの両端面は、互いに反対方向に押し合って突き合わされて、連続しているのと同様の状態となっている。よって、チューブの両端面の当接状態は安定していて、使用中においてずれたり、分離したりすることはない。特に、乗り心地性に関しては、タイヤ外皮に嵌め込まれたチューブは、断面視において僅かに圧縮されて、周方向に沿って僅かに伸びるために、チューブの突き合せ部は、チューブの両端部が互いに反対方向に押圧し合っているために、乗り心地性の観点からは、周方向に沿ってチューブが連続しているのと同様の状態となる。更に、タイヤ外皮が磨り減って、当該タイヤ外皮を交換する場合においても、チューブはそのまま新規のタイヤ外皮に嵌め込むことにより、繰り返して使用できる。
ここで、タイヤ外皮の環状空間部の断面積に対するチューブの断面積の比を11.3倍としたのは、1.3倍を超えると、タイヤ外皮に対するチューブの嵌め込みが困難となり、1倍より小さいと、タイヤ外皮の内周面との間に隙間が発生して、タイヤ外皮とチューブとの一体性が崩されて、チューブとしての機能を果さないからである。一方、直状のチューブの長さを、タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長の1〜1.03倍としたのは、前記第1要因により、前記タイヤ外皮の環状空間部に嵌め込まれた圧縮状態のチューブは、被圧縮状態のチューブよりも実質的に長くなるので、前記直状のチューブの長さをタイヤ外皮の環状空間部の中心の周長と同一にしても、当該チューブは周方向に圧縮されて、当該チューブの両端面は、互いに突き合わせられるので問題はないが、当該チューブはチューブ長尺材を切断して成形されるために、その切断誤差を考慮すると、チューブの長さは、タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長の1.03倍を限度にして、長くすることが望ましい。
また、エラストマーからなるチューブ長尺材を、タイヤ外皮の中心の周長に対応する長さに切断してチューブとし、当該チューブをタイヤ外皮の環状空間部に嵌め込む構成であって、従来の空気チューブ、ウレタンチューブ等のように、リング状に成形されたチューブをタイヤ外皮に嵌め込む構成ではないので、外径と幅で特定されるタイヤサイズが異なっていても、前記チューブ長尺材の切断長をタイヤサイズに合わせて変更することにより、同一のチューブ長尺材の使用により各種サイズのタイヤに対応したチューブの製作が可能となる。この結果、タイヤのサイズが異なる毎に種々のサイズのチューブを製作する必要がなくなるので、チューブの製造、及び管理が著しく容易となる。
このように、請求項1の発明に係るチューブが嵌め込まれたタイヤは、タイヤ外皮を通して釘類が刺さってもパンクせず、しかも空気タイヤに不可欠な定期的な空気入れ作業が不要となるうえで、上記した理由により空気タイヤと遜色のない良好な乗り心地性が得られる。また、熱硬化性ポリウレタンエラストマーや熱可塑性エラストマーの溶液を注入機を用いて中空の空気チューブ内に注入して得られる樹脂注入チューブにおいて不可欠な注入機が不要となる。また、チューブが長尺状であって環状(リング状)でないため、自転車からタイヤを外さなくても組立てることができて、自転車のタイヤに対しても嵌込みが可能である。例えば、通常の自転車の空気チューブと取り替える場合には、空気チューブの空気を抜いて、リムとタイヤ外皮との間から前記空気チューブを取り出した後に、当該空気チューブを切断してタイヤから取り出し、その後に、リムに対してタイヤ外皮が取付けられたままの状態で、当該リムとタイヤ外皮との間から長尺状のチューブを挿入して嵌め込むことが可能となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記タイヤ外皮の環状空間部に圧縮変形されて嵌め込まれる本体部と、当該本体部に一体に成形されて、前記リムの環状空間部に圧縮変形されて嵌め込まれるスペーサとから成ることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、チューブを構成する本体部、及びスペーサは、それぞれタイヤ外皮、及びリムの各環状空間部に僅かに圧縮変形されて嵌め込まれるため、請求項2の発明に係るチューブを嵌め込んだタイヤの内部には、接地圧の作用方向(タイヤの半径方向)に沿って空隙部が発生しなくなる。この結果、タイヤに接地圧が作用した使用状態においても、内部に嵌め込まれたチューブには、当該チューブを大きく変形させようとする変形荷重が殆ど作用しなくなって、タイヤ内部においてくびれ状をしたタイヤ外皮の被引掛り部に対するチューブの繰返し接触の程度が大幅に低下されて、チューブの耐久性を大幅に向上させられる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記スペーサの硬度は、本体部の硬度よりも高いことを特徴としている。
請求項3の発明によれば、本来的に乗り心地性を左右するチューブの本体部の硬度は、当該乗り心地性を確保できる程度の小さな硬度に設定しておき、リムの環状空間部に嵌め込まれるスペーサの硬度を前記本体部の硬度よりも高く設定することにより、タイヤ外皮の被引掛り部に接触する部分の硬度を高めることができて、チューブの耐久性を大幅に向上させられる。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、前記本体部とスペーサとは、別体であることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、リムの環状空間部にスペーサを嵌め込んだ後に、タイヤ外皮の環状空間部に本体部を嵌め込むことができるので、タイヤに対するチューブの嵌込み作業が容易となる。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記リムのバルブ孔を閉塞する防水キャップは、弾性変形可能な材料から成形されてキャップ本体部の基端部に鍔部が形成され、前記バルブ孔にはリムの内側から前記キャップ本体部が圧入されて、前記バルブ孔が閉塞されていることを特徴としている。
既存のタイヤのリムにバルブが装着されたままであると、当該バルブにおけるリム内側への突出部、及び当該バルブと一体となっている空気チューブが、本発明に係るチューブ又はスペーサを嵌め込む際の障害となると共に、残存する空気チューブによりタイヤ全体としての重量が増すため、当該バルブを空気チューブと一緒に取り外すことが望ましいが、これによりリムのバルブ孔から水が浸入して、タイヤ内部のチューブが滑る等の走行に対する悪影響が生じる恐れがある。このため、請求項5の発明では、キャップ本体部の基端部に鍔部が形成された防水キャップを使用して、当該防水キャップのキャップ本体部をバルブ孔におけるリムの内側から圧入して、当該バルブ孔を閉塞すると、外部からの水の浸入を防止できる。なお、本発明のチューブを嵌め込むための新規のタイヤを製作する際には、リムにバルブ孔を設ける必要はない。
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、エラストマーが熱可塑性エラストマーであることを特徴としている。
請求項6の発明では、一般的に熱可塑性エラストマーは、弾性、及び押出成形性の双方に優れているので、請求項1ないし5のいずれかのチューブの材料として好適である。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴としている。
請求項7の発明では、スチレン系熱可塑性エラストマーは、熱可塑性エラストマーの本来の特性である弾性、及び押出成形性を備えたうえで、各メーカーが量産しているので、生産に際して入手が容易である。
また、請求項8の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、エラストマーがゴムであることを特徴としている。
請求項8の発明によれば、エラストマーの一種であるゴムも樹脂からなるエラストマーと同等の弾性と押出成形性を備えているので、請求項1ないし5のいずれかの発明のタイヤチューブの材料として好適である。
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの発明において、エラストマーのショアA硬度が1565であることを特徴としている。
請求項9の発明において、ショアA硬度が15以下であると柔らかすぎて押出成形が困難となり、65以上であると、硬すぎてタイヤに嵌め込んだ場合の乗り心地性が悪くなる。
また、請求項10の発明は、請求項1ないし9のいずれかの発明において、前記エラストマーは、発泡エラストマーであることを特徴としている。
請求項10のチューブは押出成形されたエラストマーからなるので、エラストマーとして発泡エラストマーの使用が可能となり、押出成形後において内部に断続した又は部分的に連続した気泡を有するので、未発泡のエラストマーに比較して比重が小さくなる。この点に関して、熱可塑性エラストマーの溶液状樹脂を注入機を用いて空気チューブ内に注入してチューブを作る方法では、タンク内で熱可塑性エラストマーが加熱溶解される際に発泡させるために、比重差により発泡部分と未発泡部分が分離してしまうので、熱可塑性エラストマーを均一にチューブ内に充填できない。また、均一に充填するには、タンクに複雑な攪拌機を装備させる必要があって実用的でない。そして、請求項10の発明によれば、熱可塑性エラストマーの溶液状樹脂を注入機を用いて空気チューブ内に注入する方法に比較して、チューブの比重は最大でほぼ1/3にできて、チューブの大幅な軽量化が可能となる。
また、請求項11の発明は、請求項10の発明において、発泡エラストマーの発泡倍率が3倍以下であることを特徴としている。
請求項11の発明において、「発泡倍率」とは、原料樹脂密度を発泡体密度で除した値をいい、発泡倍率が3を超えた場合には、チューブとしての弾性が無くなって乗り心地性が低下すると共に、チューブ自体が脆くなって耐久性が低下する。
また、請求項12の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、外層部は無発泡のエラストマーで成形され、残りの大部分を占める内層部は、高発泡のエラストマーで成形されていることを特徴としている。
請求項12の発明によれば、タイヤ外皮、及びリムの各内周面に直接に接触するチューブの外層部は耐磨耗性に富む無発泡のエラストマーが成形されているため、タイヤ外皮、及びリムの各内周面にチューブが直接に接触しても磨耗が少ないと共に、チューブの大部分を占める内層部は、高発泡のエラストマーで成形されていて、十分な弾性を備えているため、自転車等のタイヤとして使用した場合には、良好な乗り心地性が確保される。即ち、チューブの耐磨耗性と、自転車等のタイヤとして使用した場合の乗り心地性という相反する2つの特性を同時に発揮できる。
また、請求項13の発明は、請求項1ないし12のいずれかの発明において、ノーパンクチューブは、押出断面において長手方向に連続する孔が設けられた孔明き形状であることを特徴としている。
請求項13の発明によれば、押出断面において長手方向に連続する孔を設けることにより、チューブとして必要な弾性を確保したままで、チューブを軽量化できる。更に、発泡体に対して孔明き形状とすると、熱可塑性エラストマーの溶液状樹脂を注入機を用いて空気チューブ内に注入して得られたチューブに比較して、最大でほぼ1/4に軽量化できる。
また、請求項14の発明は、請求項13の発明において、複数個の孔が同一円周上にほぼ等間隔をおいて形成されていることを特徴としている。
請求項14の発明によれば、押出成形時においてチューブ内に複数個の孔を同一円周上にほぼ等間隔をおいて形成すると、使用時に接地面から圧力を受けてチューブが変形させられても、原形状である円形から大きく崩れることはないので、乗り心地性を維持したままでチューブの軽量化が図られる。
請求項15の発明は、請求項13又は14の発明において、空隙率が325%であることを特徴としている。
「空隙率」とは、チューブの押出断面において、空隙部を含む全体面積に対する当該空隙部の面積の割合をいう。請求項15の発明において、チューブの空隙率が25%を超えると、使用時に接地面から圧力を受けて変形するチューブの変形度合が大きくなり過ぎて、乗り心地性が悪くなると共に、チューブ自体が脆くなって耐久性が低下する。また、チューブの空隙率が3%を下回ると、内部に空隙部を設けることによる軽量化の効果が期待できない。
また、請求項16の発明は、請求項1に記載の直状のチューブをタイヤ外皮の環状空間部に嵌め込む方法であって、
前記チューブを直状のままで長手方向の一端部から順次タイヤ外皮の環状空間部に挿入して、当該チューブを断面視で圧縮させることにより周方向に僅かに伸長させて嵌め込んだ後に、当該環状空間部内においてチューブを周方向に圧縮させて、当該チューブの両端面を互いに反対方向に押し合った状態で突き合わせて、タイヤ外皮の環状空間部にチューブを直状のままで嵌め込むことを特徴としている。
請求項16の発明によれば、タイヤにチューブを嵌め込む際に、環状ではなくて長尺状のままで嵌め込むことが可能であって、従来の発泡ウレタンチューブのように、嵌込み完了の直前において、チューブがリムを乗り越えることを可能とすべく当該チューブを大きな力により周方向に引っ張る必要がなくなるので、タイヤに対するチューブの嵌め込みが容易となる。また、タイヤ外皮にチューブを一旦嵌め込んで、当該チューブの両端部を突き合わせた状態で余長部が存在する場合(長過ぎる場合)には、タイヤ外皮からチューブを取り外して前記余長部に対応する長さだけ切断すればよい。また、短か過ぎてタイヤ外皮に嵌め込まれたチューブの両端部の間に隙間が存在する場合には、押出成形されたチューブ長尺材から前記隙間に対応する長さのチューブ小片を切断し、前記隙間に充填すればよい。タイヤ内に本来のチューブとチューブ小片とが併存するが、当該チューブとチューブ小片との接続部(突合せ部)は、チューブが周方向に沿って圧縮されることにより発生する弾力(弾性復元力)によって密着して、全体として一体化されるため、チューブ小片の存在によって、タイヤとして支障を来すことはない。
また、請求項17の発明は、ノーパンクタイヤであって、タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長に切断された請求項1ないし15のいずれかに記載のチューブを、両端部を突き合わせた状態で当該タイヤ外皮の環状空間部に嵌め込んだことを特徴としている。
請求項17の発明によれば、請求項1の発明の作用効果の部分で説明した理由によって、従来の発泡ウレタンチューブに比較してタイヤ外皮に対するチューブの嵌込み作業が著しく容易となる。
本発明に係るチューブは、エラストマーからの押出成形品であるチューブ長尺材を、タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長に対応する長さに切断した長尺状部材をチューブとして使用しているため、タイヤ外皮を通して釘類が刺さってもパンクせず、空気タイヤに不可欠な定期的な空気入れ作業を不要にし、しかも各種サイズのタイヤに簡単に嵌め込むことができて、繰り返して使用できる。また、チューブが長尺状であって環状でないため、リムに対する嵌め込み作業が、従来の環状のチューブに比較して著しく容易になると共に、自転車等のフレームからタイヤを外さなくても、フレームにタイヤが取付けられたままの状態で、当該タイヤに対してチューブを嵌め込むことが可能となる。
(a),(b)は、それぞれチューブ長尺材C0 の正面図、及び部分拡大斜視図である。 断面視において一方側のタイヤ外皮1をリム3から外して、タイヤT1 にチューブC1 を嵌め込む当初の斜視図である。 同じく正面図である。 チューブC1 の全体がタイヤT1 内に嵌め込まれた状態の正面図である。 チューブC1 の全体をタイヤT1 内に嵌め込んだ後に、外れた側のタイヤ外皮1がリム3に引っ掛けられた状態の正面図である。 チューブ小片10を用いてチューブC1 をタイヤT1 に嵌め込んだ状態の周方向に沿った部分拡大断面図である。 (a),(b)は、タイヤT1 にチューブC1 を嵌め込む順序を示す断面図である。 (c),(d)は、タイヤT1 にチューブC1 を嵌め込む順序を示す断面図である。 (e)は、タイヤT1 にチューブC1 が嵌め込まれた状態の断面図である(図5のX−X線拡大断面図である)。 (a)〜(c)は、それぞれチューブC1 〜C3 の断面図である。 (a),(b)は、それぞれチューブC11及び当該チューブC11が嵌め込まれたタイヤT2 の断面図である。 (a),(b)は、それぞれチューブC12及び当該チューブC12が嵌め込まれたタイヤT2 の断面図である。 本体部11’とスペーサ部12’とで硬度が異なるチューブC13の断面図である。 (a),(b)は、それぞれ内外二層構造のチューブC4 ,C14の拡大断面図である。 チューブの成形原料であるTPE(熱可塑性エラストマー)の硬度を、TPEの発泡と内部に形成する孔(空隙)とにより調整可能であることを示す概念図である。 同様のことを示すグラフである。
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明に係るチューブC1 は、図1及び図7−1に示されるように、タイヤ外皮1内に形成される環状空間部2の形状と略相似大形の断面円形であって、当該環状空間部2の断面積に対して11.3倍の断面積を有していて、エラストマーを材料として押出成形されたチューブ長尺材を、前記タイヤ外皮1の環状空間部2の中心K〔図7−1(a)参照〕の周長に対応する長さ(L)を有する長尺状をなしている。ここで、「タイヤ外皮1の環状空間部2の中心Kの周長に対応する長さ」とは、タイヤ外皮1の環状空間部2の中心Kの周長(L0)に対して〔(1.00〜1.03)×L0 〕の長さを意味する。後述のように、チューブC1 の切断長さ(L)は、理論上は、タイヤ外皮1の環状空間部2の中心Kの周長(L0)でもよいが、押出成形されたチューブ長尺材の切断誤差を考慮すると、上記したように長めに切断することが望ましい。チューブC1 の材料としてのエラストマーは、タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込んでタイヤT1 とした場合に、良好な乗り心地性を有する弾性を有するものであれば、ゴムを含む全てのエラストマーが使用可能であるが、本来の弾性特性、軽量性、生産性、原材料入手の容易性等を考慮すると、TPE(熱可塑性エラストマー)が好適であり、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好適である。本発明に対して好適なスチレン系熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンブロックとポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されたブロック重合体であって、ポリスチレン―ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック(SEP)及びポリスチレン―ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック―ポリスチレン(SEEPS)が挙げられる。なお、上述したスチレン系熱可塑性エラストマー以外でも、SBS(スチレン―ブタジエン―スチレン共重合体)、SEBS(スチレン―エチレン―ブタジエン―スチレン共重合体)、SEBC(スチレン―エチレン―ブタジエン―高結晶エチレン共重合体)、SEPS(スチレン―エチレン―プロピレン―スチレン共重合体)等でも同様に用いることができる。
また、エラストマーの硬度に関しては、ショアA硬度が1565の範囲内であることが望ましく、2055の範囲が好適である。ショアA硬度が15以下であると、柔らかすぎて押出方向に沿った全断面が一定となるように連続して押出成形することが困難になると共に、タイヤに嵌め込んだ場合に弾性が乏しくて乗り心地性が悪くなり、65以上であると硬すぎて、即ち反発弾性が大きくなり過ぎて、タイヤに嵌め込んだ場合に接地面からの跳ね返りが大きくなり過ぎて乗り心地性が悪くなる。
また、本発明に係るチューブC1 は、上記したようにスチレン系熱可塑性エラストマーを主体としたエラストマーを連続して押出成形することにより成形したチューブ長尺材C0 をタイヤのサイズに対応した長さに切断した長尺状をした押出成形品であるために、成形ダイの形状の工夫によって、長手方向(押出方向)に沿って連続する1ないし複数の孔を有する形状に押出成形することが可能となる。このように、押出成形品であるチューブの断面視において1ないし複数の孔を形成することにより、チューブとして本来的に必要な弾性を維持、又は殆ど低下させることなくチューブの軽量化が図られる。ここで、チューブの断面視における「空隙率」は325%であることが望ましい。「空隙率」が25%を超えると接地面から圧力を受けて変形するチューブの変形度合が大きくなり過ぎて、乗り心地性が悪くなると共に、チューブ自体が脆くなって耐久性が低下する。一方、「空隙率」が3%を下回ると、軽量化の効果が期待できなくなるのに加えて、成形ダイから中間押出成形品が出た後に、周囲の圧力により小さな中空部が潰される等して押出成形も難しくなる。
また、チューブの断面視における孔(空隙部)の配置に関しては、1つの比較的大きな孔を中心部に配置するよりも、同一断面形状の複数個の孔を同一円周上にほぼ等間隔で配置することが好ましい。その理由は、空隙率が一定の場合には、前者の場合には接地面から圧力を受けて変形するチューブの原形状に対する変形度合が大きくなって、乗り心地性が悪くなるのに対して、後者の場合にはチューブの原形状に対する変形度合を小さく抑えることが可能となって、形状的にチューブの変形による乗り心地性の低下を抑制できる。
また、本発明に係るチューブは、エラストマーを原材料として押出成形されたチューブ長尺材をタイヤサイズに対応して切断したもの(押出成形品)であるため、原材料としての発泡エラストマーを使用しても押出成形が可能となるため、材料選択によってチューブの一層の軽量化が可能となる。この点において、熱可塑性エラストマーの溶液状樹脂を注入機を用いて空気チューブ内に注入した後に硬化させてチューブを成形する場合には、発泡エラストマーの使用ができないことは上述した通りである。ここで、発泡エラストマーを使用する場合の「発泡倍率」は、3以下であることが望ましい。「発泡倍率」が3を超えると、接地面から圧力を受けた場合の原形状に対する変形割合が著しく大きくなって、即ちチューブとしての弾性がなくなって、乗り心地性が低下するのに加えて、チューブ自体が脆くなって耐久性が急激に低下する。
図1〜図7−3に示されるチューブC1 は、タイヤサイズ(26×1 3/8)に対応するように外径30mmの断面円形であって、発泡エラストマーを原材料として押出成形により形成され、断面視において中心部に1個と、当該中心部の周囲の同一円周上に8個の計9個の内径4mmの孔Hを形成することにより、材料面と形状面との双方において軽量化が図られている。チューブC1 の「空隙率」は16%であり、タイヤ外皮1の環状空間部2の断面積に対する断面積の割合は約1.15倍であり、更に発泡倍率は1.5倍であった。
次に、図1〜図7−3を参照して、上記したチューブC1 をタイヤT1 に嵌め込む方法について説明する。図1(a),(b)は、それぞれチューブ長尺材C0 の正面図、及び部分拡大斜視図であり、図2及び図3は、断面視において一方側のタイヤ外皮1をリム3から外して、タイヤT1 にチューブC1 を嵌め込む当初の斜視図、及び正面図であり、図4は、チューブC1 の全体がタイヤT1 内に嵌め込まれた状態の正面図であり、図5は、チューブC1 の全体をタイヤT1 内に嵌め込んだ後に、外れた側のタイヤ外皮1がリム3に引っ掛けられた状態の正面図であり、図6は、チューブ小片10を用いてチューブC1 をタイヤT1 に嵌め込んだ状態の周方向に沿った部分拡大断面図であり、図7−1(a)〜図7−3(e)は、タイヤT1 にチューブC1 を嵌め込む順序を示す断面図である。なお、図7−3(e)は、図5のX−X線拡大断面図である。まず、図1(a)に示されるように、チューブ長尺材C0 をタイヤサイズに対応した長さ、即ち、タイヤ外皮1の断面の中心K〔図7−1(a)参照〕の周長に対応する長さ(L)に切断して、タイヤサイズに対応した設定長のチューブC1 を形成する。タイヤ外皮1の環状空間部2の中心Kの部分の直径を(D1 )〔図5参照〕とすると、〔L=2πD1 ×(1.00〜1.03)〕である。
ここで、既存の空気タイヤT1 のリム3には、チューブに対して空気を注入するためのバルブが装着されており、当該バルブを装着したままであると、当該バルブにおけるリム3の内方に突出した部分が、チューブC1 、或いは後述のスペーサ12を嵌め込む際の障害となるので、取り外すと、バルブ孔31が残存して、当該バルブ孔31から内部に浸入した水によりチューブC1 が劣化される。そこで、当該バルブ孔31に防水キャップ32を嵌め込んで水の浸入を防止する。防水キャップ32は、弾性変形可能な材質から成り、図7−3に示されるように、前記バルブ孔31に圧入されるキャップ本体部32aと、リム3の内側に配置される鍔部32bとから成る。防水キャップ32は、タイヤ外皮1の環状空間部2にチューブC1 を嵌め込む前に、リム3の内側からバルブ孔31にキャップ本体部32aを圧入して、鍔部32bをリム3の内面に当接させておく。
次に、図2,図3及び図7−1(a),(b)に示されるように、断面視でリム3に対してタイヤ外皮1の一方側を取り外すことにより、取り外された側のタイヤ外皮1とリム3との間にチューブ挿入開口4を形成する。この状態で、長尺状に切断されたチューブC1 の長手方向の一端部側を前記チューブ挿入開口4からタイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込み、以後チューブC1 の残りの部分を順次嵌め込んで、最後に当該チューブC1 の他端部側をタイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込む。これにより、チューブC1 がタイヤサイズに対応した長さに切断されている場合には、当該チューブC1 がタイヤ外皮1内に嵌め込まれた状態において当該チューブC1 の両端面が突き合わされて当接した状態となる。図4及び図5において、6は、チューブC1 の両端部の突合せ部(当接部)を示す。このように、長尺状をしたチューブC1 の一端部側から他端部側を順次タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込むために、環状をしたチューブの場合には、嵌込み完了の直前において当該チューブを引っ張ってリムを乗り越えさせることが不可欠であるが、当該チューブC1 は環状ではなくて長尺状であるので、引っ張ってリム3を乗り越えさせる必要がないため、タイヤT1 に対するチューブC1 の嵌込み作業が容易となる。なお、図2ないし図5において、7は自転車の車輪、8は車輪のスポーク、9は車軸をそれぞれ示す。
次に、チューブC1 の切断長さ(L)について検討する。上記したように、チューブC1 の切断長さ(L)は、理論上は、タイヤ外皮1の環状空間部2の中心Kの周長(L0)でもよいが、押出成形されたチューブ長尺材の切断誤差を考慮すると、〔L=(1.00〜1.03)×L0 〕であることが望ましい。図7−3において、押出成形された長尺材をタイヤ外皮1の環状空間部2の中心Kの周長(L0)に切断されたチューブC1 は、タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込まれることにより、断面視で圧縮されて周方向に伸ばされる第1要因と、圧縮されたチューブC1 の中心は、断面視においてタイヤT1 の中心側(車軸9の側)に微動する第2要因とが相乗して、タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込まれた圧縮状態のチューブC1 の周長は、非圧縮状態である切断時のチューブC1 の長さよりも見掛け上僅かに長くなって、タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込まれて環状となったチューブC1 の両端部に「重なり代」が生ずる。チューブC1 における圧縮により見掛け上長くなって、環状のチューブC1 の両端部に発生した前記「重なり代」は、当該チューブC1 の両端部が周方向に圧縮されることにより、当該チューブC1 の両端面が突き合わされて圧接されることにより消失される。タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込まれた環状となったチューブC1 が「見掛け上長くなる原因」は、前記第2要因のみによるものであって、前記第1要因は、環状となったチューブC1 の長さ(周長)を実質的に長くしている。この結果、環状となったチューブC1 の両端部が集中的に圧縮されて、長手方向に対して垂直に切断されたチューブC1 の両端面は、互いに反対方向に押し合って突き合わされて、連続しているのと同様の状態となっている。よって、長期間の使用によっても、チューブC1 の両端面の当接状態は安定していて、使用中においてずれたり、分離したりすることはない。
ここで、図7−3において、サイズ(26×1 3/8)のタイヤT1 において、タイヤ外皮1の環状空間部2の断面積に対する比が(1.15)のチューブC1 では、タイヤ外皮1の環状空間部2の中心の周長L0 「=1,955=〔(26×25.4)−38〕×3.14」の場合には、タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込まれることにより、約20mmの「重なり代」を生ずる。なお、上記タイヤT1 において、タイヤ外皮1の外周面から環状空間部2の中心Kまでの距離Eは、約19mmであり、図7−3において、D2 は、タイヤ外皮1の外径を示す。チューブC1 の両端部を周方向に圧縮させて両端面を圧接させることにより、前記「重なり代」の長さ分だけチューブC1 は、全体として周方向に圧縮されるが、当該圧縮分は、チューブC1 の両端部に集中している。このように、理論上は、チューブC1 の切断長Lは、タイヤ外皮1の環状空間部2の中心の周長L0 で十分であるが、切断誤差等を考慮すると、チューブC1 の切断長Lは、必要長よりも少し長めとなることが望ましく、〔L=(1.00〜1.03)×L0 〕の程度が望ましい。そして、長過ぎる場合には、チューブC1 の両端部を周方向に圧縮させて、両端面を圧接させる際に、端部の余長部を切除すればよい。なお、図7−3において、K’は、圧縮前のチューブC1 の中心を示し、チューブC1 の圧縮により当該チューブC1 の中心K’は、タイヤT1 の全体の中心側(車軸9の側)に移動することを示す。
ここで、タイヤサイズに対応した長さにチューブ長尺材C0 を切断したチューブC1 が設定長から長短のいずれかにずれている場合には、以下のようにして対応する。チューブC1 が設定長よりも僅かに長い場合には、当該チューブC1 の一方の端部を所定長だけ切断して対応する。一方、チューブC1 が設計長よりも短い場合には、タイヤ外皮1内に嵌め込まれたチューブC1 の両端面の間に所定の隙間が存在するため、チューブ長尺材C0 から前記隙間の周長に対応する長さのチューブ小片10を切断して、当該チューブ小片10を前記隙間に嵌め込む。これにより、前記隙間がチューブ小片10により解消されると共に、当該チューブC1 と前記チューブ小片10との接続部(突合せ部)は、当該チューブC1 の周方向に沿った弾力により密着して全体として一体化されるため、チューブ小片10の存在によって、タイヤの周方向に沿った弾力性が不均一となることはない。なお、図6において、6’は、チューブC1 とチューブ小片との突合せ部(当接部)を示す。
最後に、工具Sを使用して、リム3に対して取り外された側のタイヤ外皮1を当該リム3の引掛り部3aに全周に亘って引っ掛けると、断面視においてチューブC1 が圧縮されると共に、タイヤ外皮1が僅かに膨張されることによって、前記タイヤ外皮1の断面視の両端の被引掛り部1aがリム3の引掛り部3aに外れることなくしっかりと引っ掛かって、タイヤT1 に対してチューブC1 が嵌め込まれた状態となる〔図5及び図7−3(e)参照〕。
ここで、チューブは押出成形品であるために、押出成形型に組み込まれるダイスの形状のみを替えることにより、孔Hの数と内径を変化させることにより、空隙率の異なる種々のチューブの成形が可能となる。例えば、図8(a)〜(c)には、孔Hの数と内径とが異ならしめて、空隙率を変化させた3種類のチューブC1 〜C3 の断面図が示されている。チューブC1 は、上記した通りであり、チューブC2 は、中心部に1個と、その周囲の同一円周上に6個との計7個の内径3mmの孔Hが形成されて、空隙率が7%となったものであり、チューブC3 は、同一円周上に6個の内径5mmの孔Hが形成されて、空隙率が17%となったものである。チューブC1 〜C3 のように、中心部に大きな孔を1個形成するのではなくて、同一円周上に内径の小さな孔を複数個形成することにより、使用時にタイヤが接地面から圧力を受けてチューブC1 〜C3 が変形させられても、原形状の円形からは大きく崩れることはないので、乗り心地性を維持したままでチューブの軽量化が図られる。
また、上記したチューブC1 〜C3 は、タイヤT1 に嵌め込まれた状態において、タイヤ外皮1の環状空間部2に大部分が嵌め込まれて、リム3の内側の環状空間部5には殆ど嵌め込まれない形状であって、タイヤT1 として使用される際に当該タイヤT1 に大きな接地圧が作用すると、当該接地圧により前記チューブC1 〜C3 には当該チューブC1 〜C3 を変形させる荷重が作用して、リム3の環状空間部5に一部が入り込むような形状に弾性変形されると共に、接地圧の変動により前記弾性変形量が変化する。このように、タイヤT1 の使用時においてチューブC1 〜C3 に変形荷重が作用するために、チューブC1 〜C3 の耐久性(寿命)が短くなる恐れがある。
そこで、図9(a)に示されるように、タイヤT2 にチューブC11を嵌め込んだ場合に、圧縮変形により当該チューブC11がタイヤ外皮1の環状空間部2のみならず、リム3の環状空間部5にまで嵌め込まれるように、当該チューブC11を、タイヤ外皮1の環状空間部2に嵌め込まれる本体部11と、当該本体部11とは別体であって、リム3’の環状空間部5に嵌め込まれるスペーサ12とで構成すると、タイヤT2 の使用時においてチューブC11に上記した変形荷重が殆ど作用しなくなる。即ち、チューブC11を別体構造の本体部11とスペーサ12とで構成することにより、タイヤT2 の使用時において変形荷重が殆ど作用しないようにできる。即ち、本体部11とスペーサ12とを合体させたチューブC11の断面形状は、タイヤT2 のタイヤ外皮1とリム3’との各環状空間部2,5とを合成させた形状に対して略相似大形をしている。
タイヤT2 にチューブC11を嵌め込むには、最初に長尺状をしたスペーサ12をリム3’の環状空間部5に嵌め込んでおき、その後に、上記したようにしてタイヤ外皮1の環状空間部2に本体部11を嵌め込む。このようにして、当該チューブC11がタイヤT2 に嵌め込まれた状態では、図9(b)に示されるように、タイヤT2 のリム3’の環状空間部5にスペーサ12が嵌め込まれていて、タイヤT2 に接地圧Fが作用する方向に沿って空間部が存在していないために、上記変形荷重が作用しなくなって、チューブC11を構成する本体部11の耐久性が増す。また、スペーサ12の硬度は、本体部11の硬度よりも高くなっていて、当該本体部11が主体となって弾性変形するので、乗り心地性が高めれる。ここで、タイヤの外径と幅とで特定されるタイヤサイズが同一であっても、深さを主体とするリム3’の形状が僅かに異なるものが存在するが、チューブC11を構成するスペーサ12の大きさを平均的なリム3’の形状に合致させておくことにより、1種類の本体部11を成形して準備しておくのみで、リムの形状のみが多少異なる同一サイズの複数のタイヤに対して対応可能となる。なお、図9に示されリム3’は、前記リム3よりも深い形状を有している。
また、図10(a),(b)に示されるチューブC12は、上記したチューブC11において本体部11’とスペーサ部12’とを一体にしたものである。
ここで、上記したスペーサ12を備えたチューブC11において、図11に示されるように、本体部11’とスペーサ部12’とで硬度差を設けたチューブC13とすることにより、チューブの耐久性を一層増大させられる。即ち、チューブC13の本体部11’の硬度は、タイヤに嵌め込んで使用した場合に、本来的な乗り心地性が発揮できるショアA硬度が15〜65であるのに対して、スペーサ部12’の硬度は、本体部11’の硬度よりも高いショアA硬度が60以上の硬度にすると、乗り心地性を維持、或いは高めたうえで、全体が同一硬度のチューブに比較して耐久性の高いチューブが得られる。特に、タイヤT2 にチューブC13を嵌め込んだ状態において、チューブC13におけるタイヤ外皮1の被引掛り部1aの内側に配置される部分は、タイヤT2 の内部空間内に突出した形態となっている当該被引掛り部1aに繰り返し接触するために、荷重ストレスの最も大きな部分であり、当該部分を含むスペーサ部12’を本体部11’の硬度よりも高くすることにより圧縮変形量を大幅に抑制できる結果、前記荷重ストレスを小さくできてタイヤT2 の耐久性を大幅に増大させられる。本発明に係るチューブは、押出成形品であって、成形部位によって硬度の異なる二種類のエラストマーをそれぞれ押し出すこと(二色成形)は容易であるので、上記チューブC13の成形は、通常の押出成形技術により容易に実現できる。
また、本発明に係るチューブは、全体を高発泡のエラストマーで成形すると、脆くなると共に、タイヤ外皮1のくびれ状となった被引掛り部1aに対する繰返し接触により荷重ストレスが増大して、チューブとしての耐久性が低下する。そこで、本発明に係るチューブは、長尺状であって、エラストマーを原材料として押出成形されることに着目すると、以下のようにして耐久性を増す構造にすることも可能である。図12(a),(b)は、それぞれ内外二層構造のチューブC4 ,C14の拡大断面図である。各チューブC4 ,C14のいずれにおいても、内外二層構造にして、外層部21は無発泡のエラストマーにより成形すると共に、残りの大部分を占める内層部22は、高発泡のエラストマーにより成形することにより、タイヤ外皮1及びリム3の内周面に接触する外層部21は、無発泡のエラストマーにより成形されているために耐磨耗性に富むと共に、大部分を占めている内層部22は、高発泡のエラストマーにより成形されていて、チューブが本来的に要求される弾性を発揮する部分となる。従って、上記構造により、チューブが本来的に必要とされる十分な弾性を備えたうえで、タイヤ外皮1及びリム3の内周面に接触する部分は耐磨耗性が高くなって、耐久性に富んだチューブが得られる。外層部21の圧厚は、チューブC4 又はチューブC14の本体部11の外径が30mmである場合において、2〜10mm、好ましくは3〜8mmである。また、内外二層構造に係るチューブC4 ,C14は、内外において異なるエラストマーを使用して押出成形する二色成形により成形可能である。
ここで、図13及び図14に、本発明に係るチューブの硬度の調整に関する概念図が示されている。即ち、チューブの成形原料であるTPE(熱可塑性エラストマー)の硬度は、発泡剤の添加、及び空隙の形成の多少により調整可能であって、発泡剤の添加、及び空隙の形成が多い程、TPEの硬度は低下するので、発泡剤の添加と空隙の形成との異なる要素を組み合わせることにより、好適な硬度と重さ(比重)とを備えたチューブの成形が可能となる点は、本発明に係るチューブの特徴的な部分である。
上記したチューブが嵌め込まれた本発明に係るタイヤの用途の典型は、自転車であり、その他の用途として車椅子等が挙げられる。
以下に挙げる複数の実施例と複数の比較例によって、上記した本発明の作用効果が悉く確認できた。なお、以下の各実施例及び比較例においてチューブの嵌込み対象は、いずれもサイズ(26×1 3/8)の自転車タイヤであった。
〔実施例1〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度35A
断面形状:外径30mmの中実状(孔を有しない形状)
成形温度:150°C
チューブ長尺材の性状:自転車に好適な弾性を有していた。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:1290g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性は、いずれも問題なく乗り心地は快適であった。
〔実施例2〕
使用原料:クラレ株式会社製のスチレン系TPE セプトン 硬度20A
断面形状:外径30mmの中実状(孔を有しない形状)
成形温度:150°C
チューブ長尺材の性状:自転車に好適な弾性を有していた。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:1280g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性は、いずれも問題なく乗り心地は快適であった。
〔実施例3〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度45A
断面形状:外径30mmで、内径4mmの孔が9個設けられた形状(空隙率:16%)
成形温度:160°C
チューブ長尺材の性状:自転車に好適な弾性を有していた。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:1080g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性は、いずれも問題なく乗り心地は快適であった。
〔実施例4〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度50A(発泡倍率が1.5倍となるように、マイクロスフェアー発泡剤を添加した)
断面形状:外径30mmの中実状
成形温度:160°C
チューブ長尺材の性状:自転車に好適な弾性を有していた。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:860g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性は、いずれも問題なく乗り心地は快適であった。
〔実施例5〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度55A(発泡倍率が1.5倍となるように、マイクロスフェアー発泡剤を添加した)
断面形状:外径30mmで、内径3mmの孔が9個設けられた形状(空隙率:9%)
成形温度:165°C
チューブ長尺材の性状:自転車に好適な弾性を有していた。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:780g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性は、いずれも問題なく乗り心地は快適であった。
〔実施例6〕
使用原料:発泡倍率1.5倍に調整された発泡クロロプレンゴム
断面形状:外径30mmの中実状
成形内容:押出成形後に加硫処理を行ってチューブを形成した。
チューブ長尺材の性状:自転車に好適な弾性を有していた。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:930g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性は、いずれも問題なく乗り心地は快適であった。
〔比較例1〕
使用原料:クラレ株式会社製のスチレン系TPE セプトン 硬度10A
断面形状:外径30mmの中実状
成形温度:150°C
チューブ長尺材の性状:軟か過ぎて押出成形が困難で、チューブを成形できなかった。
〔比較例2〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度70A
断面形状:外径30mmで、内径4mmの孔が9個設けられた形状(空隙率:16%)
成形温度:165°C
チューブ長尺材の性状:硬過ぎて、自転車には好適といえなかった。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:1090g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性のいずれにも問題があって乗り心地が悪かった。
〔比較例3〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度65A(発泡倍率が1.5倍となるように、マイクロスフェアー発泡剤を添加した)
断面形状:外径30mmで、内径4mmの孔が9個設けられた形状(空隙率:16%)
成形温度:165°C
チューブ長尺材の性状:硬過ぎて、自転車には好適といえなかった。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:730g
乗り心地性:カーブ走行性、凹凸走行性、ブレーキ性のいずれにも問題があって乗り心地が悪かった。
〔比較例4〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度45A
断面形状:外径30mmで、内径6mmの孔が8個設けられた形状(空隙率:30%)
成形温度:165°C
チューブ長尺材の性状:弾力がなく、自転車には好適といえなかった。
チューブの長さ:1955mm
チューブの重量:870g
乗り心地性:弾力が無いためにこぐのが重く、乗り心地が全く悪かった。
〔比較例5〕
使用原料:アロン化成株式会社製のスチレン系TPE エラストマーAR 硬度59A(発泡倍率が3.5倍となるように、マイクロスフェアー発泡剤を添加した)
断面形状:外径30mmの中実状
成形温度:165°C
チューブ長尺材の性状:弾力がなく、自転車には好適といえなかった。
チューブの長さ:2075mm
チューブの重量:370g
乗り心地性:弾力が無いためにこぐのが重く、乗り心地が全く悪かった。
上記した実施例1〜6と比較例1〜5の対比から明白なように、チューブのショアA硬度が65Aを超えると、チューブとして硬過ぎて、反発弾性が大きくなって、乗り心地性を高める弾性とはならないため、チューブのショアA硬度は、65A以下である必要が分かった。また、チューブの空隙率が30%に至ったり、発泡倍率が3.5倍に至ると、チューブは軽量化されるが、弾性復元力がなくなるために、乗り心地性が低下することが分かった。
0 :チューブ長尺材
1 〜C4 ,C11〜C14:タイヤチューブ
H:タイヤチューブに形成された孔
K:タイヤ外皮の環状空間部の中心
K’:圧縮変性前のタイヤチューブの断面の中心
L:タイヤチューブの長さ
1 ,T2 :タイヤ
1:タイヤ外皮
2:タイヤ外皮の環状空間部
3,3’:リム
4:チューブ挿入開口
5:リムの環状空間部
10:チューブ小片
11,11’:タイヤチューブの本体部
12:タイヤチューブのスペーサ
12’:タイヤチューブのスペーサ部
21:タイヤチューブの外層部
22:タイヤチューブの内層部
32:防水キャップ

Claims (17)

  1. 環状のリムに着脱可能に取付けられる同じく環状のタイヤ外皮の環状空間部に直状のままで圧縮変形されて嵌め込まれるチューブであって、
    当該チューブは、エラストマーから成形され、両端面が長手方向に対して垂直に形成されて、前記タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長の1〜1.03倍の長さを有する直状に形成されていると共に、前記タイヤ外皮の環状空間部の断面積に対して1〜1.3倍の断面積を有し
    前記タイヤ外皮の環状空間部に前記チューブを直状のままで、断面視で圧縮させることにより周方向に伸長させて嵌め込んだ状態、当該チューブ周方向に圧縮されて、当該チューブの両端面は互いに反対方向に押し合って突き合わされていることを特徴とするノーパンクチューブ。
  2. 前記タイヤ外皮の環状空間部に圧縮変形されて嵌め込まれる本体部と、当該本体部に一体に成形されて、前記リムの環状空間部に圧縮変形されて嵌め込まれるスペーサとから成ることを特徴とする請求項1に記載のノーパンクチューブ。
  3. 前記スペーサの硬度は、本体部の硬度よりも高いことを特徴とする請求項2に記載のノーパンクチューブ。
  4. 前記本体部とスペーサとは、別体であることを特徴とする請求項2又は3に記載のノーパンクチューブ。
  5. 前記リムのバルブ孔を閉塞する防水キャップは、弾性変形可能な材料から成形されて、キャップ本体部の基端部に鍔部が形成され、前記バルブ孔にはリムの内側から前記キャップ本体部が圧入されて、前記バルブ孔が閉塞されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  6. エラストマーが熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  7. 熱可塑性エラストマーがスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項6に記載のノーパンクチューブ。
  8. エラストマーがゴムであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  9. エラストマーのショアA硬度が1565であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  10. 前記エラストマーは、発泡エラストマーであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  11. 発泡エラストマーの発泡倍率が3倍以下である請求項10に記載のノーパンクチューブ。
  12. 外層部は無発泡のエラストマーで成形され、残りの大部分を占める内層部は、高発泡のエラストマーで成形されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  13. 押出断面において長手方向に連続する孔が設けられた孔明き形状であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  14. 複数個の孔が同一円周上にほぼ等間隔をおいて形成されていることを特徴とする請求項13に記載のノーパンクチューブ。
  15. 空隙率が325%であることを特徴とする請求項13又は14に記載のノーパンクチューブ。
  16. 請求項1に記載の直状のチューブをタイヤ外皮の環状空間部に嵌め込む方法であって、
    前記チューブを直状のままで長手方向の一端部から順次タイヤ外皮の環状空間部に挿入して、当該チューブを断面視で圧縮させることにより周方向に僅かに伸長させて嵌め込んだ後に、当該環状空間部内においてチューブを周方向に圧縮させて、当該チューブの両端面を互いに反対方向に押し合った状態で突き合わせて、タイヤ外皮の環状空間部にチューブを直状のままで嵌め込むことを特徴とするノーパンクチューブの嵌込み方法。
  17. タイヤ外皮の環状空間部の中心の周長に切断された請求項1ないし15のいずれかに記載のチューブが、タイヤ外皮の環状空間部に両端部が突き合わされた状態で嵌め込まれていることを特徴とするノーパンクタイヤ。
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