JP6189171B2 - ノーパンクチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、弾性変形時におけるタイヤ外皮との無数回の接触によっても損傷されない耐久性を備えたうえで軽量化が図られ、しかも乗り心地性に優れた中空パイプ状をしたノーパンクチューブに関するものである。
本明細書において、チューブ又はチューブ分割体の「周方向」とは、横断面視における外形の方向を示し、「長手方向」とは、中空パイプ状をしたチューブ又はチューブ分割体の軸方向を示す。
釘類が刺さってもパンクをしないノーパンクチューブ(以下、単に「チューブ」と略すこともある)の一つとして、特許文献1に開示のものが知られている。このチューブは、空気を注入させる空気タイヤのチューブ(以下、「空気チューブ」という)内に、加熱されて溶融した樹脂を注入させて冷却硬化させたゲル状の弾性体として使用するものであって、空気チューブ(重量:170g)が必要なのに加えて、サイズ(26×1 3/8)のタイヤにおいて、空気チューブに対して約1300gの重量増となる。
また、特許文献2に記載のチューブは、発泡エラストマーから成って、チューブの周長に対応する長さを有する1本棒状のものであって、タイヤを構成するタイヤ外皮の円環状空間に、その両端面を突き合せた状態にして、嵌め込んで使用するものである。このチューブは、タイヤ外皮に嵌め込んだ状態で、当該チューブとタイヤリムとの間の隙間を塞ぐスペーサが必要となるために、空気チューブに比較して、830gの重量増となって、上記したゲル状弾性体を空気チューブに充填する構造に比較すると、重量増の割合は減少して、軽量化される。
また、特許文献3には、チューブの重量増を少なくするために、エラストマーで成形された中空パイプ状をしたチューブが開示され、更に、本出願人は、特願2012−97250として、熱可塑性樹脂から成る多数本の樹脂糸群が任意に絡み付くことにより全体が弾性変形可能に成形された立体ネット体を用い、当該立体ネット体を棒状に成形したチューブに係る出願を行った。いずれのチューブも、直状のものを環状に変形させて、タイヤ外皮に嵌め込んで使用するものである。中空パイプ、及び立体ネット体を用いたノーパンクチューブは、いずれも空気チューブが不要であり、上記サイズ(26×1 3/8)のタイヤにおいて、空気チューブに対してそれぞれ約680g,510gの重量増となる。
図20は、上記した4種類のチューブの「材料又は形状」、「重量」、「空気チューブの要否」、「スペーサの要否」及び「重量増」の各項目を表にして比較したものであって、「チューブの材料又は形状」の項目においては、上記の記載順に、「ゲル」、「発泡エラストマー」、「パイプ」及び「立体ネット体」と表示してある。また、チューブが嵌め込まれるタイヤのサイズは、(26×1 3/8)の汎用自転車である軽快車であり、「発泡エラストマー」に係るチューブのみは、横断面視においてチューブの形状をタイヤ形状に合致させるためのスペーサが使用されている。
ノーパンクチューブの開発では、チューブの性質又は機能の点において、材料の反発弾性及び曲げ弾性に起因する乗り心地性、耐久性、及び軽量性の三つの要素が同時に達成されることが本質的に求められ、乗り心地性及び耐久性は、チューブを形成する材料又は形状の工夫によって達成できても、軽量性の達成は、乗り心地性及び耐久性と相反する部分もあって、困難を極める。上記した従来の各チューブにおいても、乗り心地性及び耐久性は、基準を達成できても、重量の面において、空気チューブに対する重量増加の割合が大き過ぎて、軽量化を実現できないという問題があった。そして、チューブの主たるユーザーである自転車業界では、軽量性を満足させる基準として、空気チューブに対する重量増として、500gが目安とされている。
ここで、本発明者は、図26(a)に示されるように、肉厚が1mm程度の薄肉パイプ部101の外周面の全面に亘って、正逆両方向の螺旋リブR’が形成されて補強することで、軽量化を図ったノーパンクチューブC’を実験的に製作して、耐久試験を行った。ここで、タイヤ外皮51は、図26(b)に示されるように、接地部57からビード部54に向けて漸次肉厚が小さくなっていて、しかも接地圧が作用した場合には、接地部57に接続する両側部58の変形量が最も多い。この結果、上記チューブC’は、軽量性の基準は達成できるが、耐久試験においては、使用状態で接地部57の両側に接続する両側部58は、タイヤの接地圧の変化に応じた変形量の最も大きな部分であるために、当該側部58が変形を繰り返すことで、前記螺旋リブR’によって、その外側のタイヤ外皮51の両側部58から反接地部59に至る部分が内側から損傷され、当該損傷の程度が大きくなると、タイヤ外皮51の上記部分が破損されてしまうという知見を実験によって得た。なお、図26(b)において、53は、タイヤリムを示す。
特開2005−205885号公報 特開2010−111378号公報 特開2010−210930号公報
本発明は、上記知見に基き、成形材料である熱可塑性エラストマーが本来的に備える反発弾性及び曲げ弾性と、チューブの全体形状との組み合せによって、軽量性と耐久性とを備えたうえで、優れた乗り心地性を有するノーパンクチューブの提供を課題としている。
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、円環状のタイヤリムに着脱可能に取付けられる同じく円環状のタイヤ外皮の円環状空間に嵌め込まれる中空パイプ状のノーパンクチューブであって、
前記チューブは、熱可塑性エラストマーにより、横断面形状が、前記タイヤ外皮の円環状空間の横断面形状に対して僅かに大きな相似形状に射出成形により成形され、
前記チューブの肉厚は、接地部からタイヤリムの側の反接地部に向けて漸次厚肉に形成され、
全体が円環状に形成されて、タイヤ外皮の引張り応力により、圧縮された状態で前記円環状空間に嵌め込まれ、
前記チューブにおけるタイヤリムと対向する内周側の反接地部は、長手方向に沿って連続した開口部に、当該長手方向に沿って一定ピッチをおいて周方向に沿ったリブが形成されることで、部分的に開口した構造であることを特徴としている。
使用時において、タイヤ外皮に嵌め込まれたチューブには、常に接地力が作用しているため、長期間の使用によって、接地力を解除しても、チューブが原形状に復元されない現象(クリープ現象)が発生し、チューブが徐々に偏平化して乗り心地性が低下されてしまう。請求項1の発明によれば、チューブの肉厚は、接地部からタイヤリムの側の反接地部に向けて漸次厚肉に形成されていることで、チューブの両側部の変形を阻止する力である「側面耐力」が大きくなって、即ち、チューブの両側部の変形が小さくなって、チューブの全体形状を維持しようとする力が大きくなって、長期間に亘る良好な乗り心地性を確保できる。一方、チューブの接地部、及び当該接地部の両側の部分は、他の部分に比較して薄肉であるため、長期間に亘ってチューブの全体形状を維持した状態で、接地圧による弾性変形性が豊かになって、乗り心地性が高められる。
また、請求項1の発明に係るチューブは、横断面形状がタイヤ外皮の横断面形状に対して僅かに大きな相似形状となるように、熱可塑性エラストマーにより中空パイプ状に射出成形されて形成されていて、全体が円環状に変形されて、横断面視で僅かに変形されると共に、チューブの端面どうしの当接部においては、互いに突っ張り合う力が作用した状態で、即ち、円環状に形成されたチューブが恰も連結部を有しない状態で、タイヤ外皮に嵌め込まれる。このようにして、チューブがタイヤ外皮に嵌め込まれた状態では、チューブの外周面は、タイヤリムと対向する部分を除いて、タイヤ外皮の内周面に密着して、チューブは、タイヤと一体となって弾性変形する。チューブが熱可塑性エラストマーにより中空パイプ状に成形された中空構造であるために、チューブとして必要不可欠な軽量性及び反発弾性の双方が得られて、良好な乗り心地性を確保できる。
また、チューブにおける接地部に接続する両側部の部分は、使用時において最も変形量の大きな部分であって、タイヤ外皮の内周面に対して擦られる部分であるが、この部分は、凹凸のない曲面に成形されているため、タイヤ外皮の内周面に対して擦られても、損傷されることは殆どない。この結果、チューブの前記した両側部の耐久性を確保できる。
更に、請求項の発明によれば、チューブにおけるタイヤリムと対向する内周側の反接地部は、タイヤ外皮の内周面に接触しないため、当該反接地部にリブを設けて、部分的に開口された構造とすることで、チューブの軽量化が図られる。また、リブは、チューブの内周側に設けられているため、成形後においてアニーリングにより、1本パイプ状のチューブ又はチューブ分割体を円環状又は円弧状にわん曲させる際に、内周側の圧縮歪が逃げ易くなるため、わん曲後におけるチューブの断面形状の変化が殆どなくなると共に、当該わん曲作業が容易になる。更に、リブが設けられた部分は、タイヤ外皮とは接触しない部分であるために、前記リブを設けても、タイヤ外皮を損傷させることはない。
請求項の発明は、請求項1の発明において、前記チューブは、長手方向に沿って複数に分割され、その端部が互いに連結されて円環状に形成される複数のチューブ分割体から成り、各チューブ分割体の長手方向の両端部が連結手段を介して全体が円環状に連結されることを特徴としている。
請求項の発明によれば、複数のチューブ分割体によりチューブが構成されているため、射出成形時において、成形上の制限がある場合に、成形上の利点がある。なお、チューブ分割体は、当該タイヤに嵌め込み可能にするために、タイヤ中心の直径に対応した円弧状に形成する必要があるが、この方法として、直線状に成形されたチューブ分割体の成形品を二次加工であるアニーリングにより変形させる場合と、予め、タイヤ外皮の円環状空間の中心の直径に対応した円弧状で射出成形する場合とがある。また、タイヤ外皮の円環状空間に嵌め込まれる複数本のチューブ分割体が連結具を介して連結されていることで、チューブ分割体の嵌め込みの際に、互いに連結状態となる2本のチューブ分割体の周方向の位相がずれる(接続される2本のチューブ分割体が相対的に廻ってしまう)のを防止できる。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、円環状に連結される1本のチューブ又は複数本のチューブ分割体の端面どうしの干渉を回避すべく、当該端面は、長手方向に対して所定角度だけ傾斜して形成されていることを特徴としている。
チューブ又はチューブ分割体の端面が長手方向に対して直交している場合には、当該チューブ又はチューブ分割体を円環状に変形させた状態で、或いはチューブ分割体を円弧状のままで成形した状態で、1本パイプ状のチューブの両端部を連結したり、或いは隣接するチューブ分割体の端部どうしを連結する際に、内周側と外周側との周長差(円環方向に沿った長さの差)によって、端面どうしが干渉することがある。しかし、請求項の発明によれば、1本のチューブ又はチューブ分割体の端面が長手方向に対して傾斜されているので、円環状にして両端部を接続するチューブ又はチューブ分割体の端面どうしの干渉を回避して、支障なく円環状に連結できる。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記連結手段は、別体の連結具であって、当該連結具は、ラック状の複数の嵌合突部を備えた形状であって、各嵌合突部が、リブの間の隙間に嵌合される構成であることを特徴としている。
請求項の発明によれば、チューブの内周側に形成されたリブの間の隙間を利用して、当該隙間に連結具の嵌合突部を嵌合させることで、当該連結具を介して2本のチューブ分割体の両端部を連結したり、或いは円環状に形成された1本パイプ状のチューブの両端部を連結できる。
請求項の発明は、請求項の発明において、互いに連結される各チューブ分割体の一方の長手方向の端部の反接地側の部分に連結片が当該長手方向に一体に突出され、前記連結手段は、前記連結片に設けられた連結孔と、前記各チューブ分割体の他方の長手方向の端部の同様の部分に設けられて、前記連結孔に嵌合される連結突起とから成ることを特徴としている。
請求項の発明によれば、チューブ分割体の一方の長手方向の端部の反接地側に当該長手方向に突設された連結片を用い、当該連結片に設けられた連結孔に、前記各チューブ分割体の他方の長手方向の端部の同様の部分に設けられた連結突起を嵌合させることで、別体の連結具を用いないで、各チューブ分割体を連結できる。
請求項6の発明は、請求項ないしのいずれかの発明において、前記各チューブ分割体の長手方向の一端部における接地側の内周部には、連結される別のチューブの内周に嵌め込まれて、使用時に当該各チューブ分割体の各連結端部が横断面視で変形されるのを防止する変形防止片が長手方向に一体となって突設されていることを特徴としている。
チューブ分割体の長手方向の両端部は、他の部分に比較して、形状的に非拘束な状態となっているために、外力の作用により変形され易い性質を有する。そこで、請求項の発明によれば、各チューブ分割体の長手方向の一端部における接地側の内周部には、連結される別のチューブの内周に嵌め込まれる変形防止片が長手方向に一体となって突設されているため、各チューブ分割体が互いに連結された状態では、各チューブ分割体の連結部の接地側の部分は、前記変形防止片により補強されるために、横断面視での変形を防止、或いは抑制できる。この結果、各チューブ分割体の一体連結性が高まって、乗り心地性の向上にも寄与する。特に、チューブ分割体の両端部のうち接地側の部分は、タイヤを介して直接に接地し、しかも反接地側に比較して薄肉となっているため、前記変形防止片による変形防止又は抑制の効果は大きい。
請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかの発明において、1本状のチューブ又はチューブ分割体が移動しないようにセットした状態で、当該1本状のチューブ又はチューブ分割体の長手方向又はわん曲方向に対して直交する方向から外力を作用させて、前記チューブ又はチューブ分割体の高さ寸法が(1/3)だけ減ぜられる特定外力をチューブ又はチューブ分割体の硬さの基準とした場合において、当該特定外力が(150〜400)Nであることを特徴としている。
請求項の発明によれば、上記した特定外力の測定により、チューブの硬さの評価が可能となって、当該特定外力が150N以下では、チューブが柔らかすぎると共に、400N以上では、逆にチューブが硬すぎて、いずれも実用に供することができない。
本願発明は、チューブの内周側となる部分にリブが設けられているため、チューブが一層に軽量化されるのに加えて、1本パイプ状のチューブを円環状にわん曲させたり、或いはチューブ分割体を円弧状にわん曲させる際に内周側或いは外周側に発生する圧縮歪又は引張り歪が吸収されて、わん曲後におけるチューブの横断面形状の変化が殆どなくなると共に、当該わん曲作業も容易となる。
また、本願発明によれば、チューブの肉厚が、接地部からタイヤリムの側の反接地部に向けて漸次厚肉に形成されていると、チューブの両側部の変形を阻止する力である「側面耐力」が大きくなって、即ち、両側部の変形が小さくなって、チューブの形状を維持しようとする力が大きくなって、長期間に亘る良好な乗り心地性を確保できる。
チューブC1 を構成するチューブ分割体C1a" 及び連結具Sの斜視図である。 チューブ分割体C1a" の長手方向に沿った断面図(縦断面図)である。 (a),(b)は、それぞれ図2のX1 −X1 線及びX2 −X2 線の拡大断面図である。 (a)〜(c)は、3本のチューブ分割体C1a”を円環状に連結してチューブC1 を形成する工程を示す図である。 2本のチューブ分割体C1a’が連結具Sを介して連結される状態の部分拡大縦断面図である。 タイヤ外皮51の円環状空間52にチューブC1 が嵌め込まれたタイヤTの一部を破断した状態の正面図である。 (a)は、チューブC1 が嵌め込まれた非接地状態のタイヤTの横断面図であり、(b)は、接地圧が作用した状態のタイヤTの横断面図である。 (a),(b)は、それぞれチューブの硬さ試験装置Aの平面図及び側面図である。 試験片の曲げ弾性率の試験方法を示す図である。 チューブの走行耐久試験方法を示す図である。 実施例1の形状に係るチューブC1 の具体的実施例1−a〜1−d及び比較例1−a〜1−cを示す表である。 チューブC2 を構成するチューブ分割体C2a”の斜視図である。 チューブ分割体C2a”の長手方向に沿った断面図(縦断面図)である。 (a),(b)は、それぞれ図13のY1 −Y1 線及びY2 −Y2 線の拡大断面図である。 チューブC2 が嵌め込まれた非接地状態のタイヤTの横断面図である。 実施例2の形状に係るチューブC2 の具体的実施例2−a〜2−d及び比較例2−aを示す表である。 チューブC3 を構成するチューブ分割体C3a”の斜視図である。 チューブ分割体C3a”の長手方向に沿った縦断面図である。 チューブC3 が嵌め込まれた非接地状態のタイヤTの横断面図である。 空気チューブに対する従来のチューブの重量増を示す表である。 (a),(b)は、変形防止片91が一体に設けられたチューブ分割体C1a”の斜視図及び側面図である。 一方のチューブ分割体C1a’に設けられた変形防止片91が、他方のチューブ分割体C1a’の中空部に嵌め込まれた状態の部分縦断面図である。 互いに連結されるチューブ分割体C1a”の各端部に嵌め込まれる別体構造の変形防止具Bの斜視図である。 互いに連結されるチューブ分割体C1a’の各端部に別体構造の変形防止具Bが嵌め込まれた状態の部分縦断面図である。 (a),(b)は、チューブ分割体C1aの長手方向の一端部の反接地側に一体に設けられた連結片31を用いて、2本のチューブ分割体C1a’を連結する構造を示す連結前後の斜視図である。 (a),(b)は、本発明者の試作に係る従来のチューブC’のチューブ分割体Ca'の斜視図及び当該チューブC’が嵌め込まれたタイヤTの斜視図である。
以下、複数の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。最初に、図1ないし図6を参照して、請求項1の発明に係るチューブC1 について説明する。チューブC1 は、直線状の3本のチューブ分割体C1a" で構成されて、自転車のタイヤTに嵌め込まれる際に、直線状の3本のチューブ分割体C1a" は、タイヤTの直径(Dt)〔図6に示されるタイヤ外皮51の横断面の中心Kの部分の直径〕に対応した円弧状にわん曲されて、長手方向の両端部において連結具Sを介して互いに連結され、全体として円環状のチューブC1 に形成される。直線状のチューブ分割体C1a" は、図1〜図3に示されるように、内径(dc1)の断面円形の中空部4を有する変則円筒状であって、チューブC1 に形成された状態で外周側となる接地部1から、当該接地部1と対向していて内周側となる反接地部2に向けて周方向の肉厚が漸次厚くなっているため、両側部3の肉厚(t12)は、接地部1の肉厚(t11)よりも厚くて、反接地部2の肉厚(t13)よりも薄く形成されている。反接地部2の内周面は、円弧状に形成されているが、外周面は、周方向の隣接部に対して僅かに窪んだ状態で部分的に周方向に沿って平面状に形成されて、後述の連結具Sとの密着性を良好にしている。図7に示されるように、チューブC1 における第1リブR1 が設けられた反接地部2の部分は、タイヤリム53に対して対向配置されて、タイヤ外皮51の内周面に密着しない部分であり、チューブC1 におけるタイヤ外皮51の内周面に密着する外周面、特に、チューブC1 の両側部3の外周面は、凹凸部を全く有しない平滑曲面に形成されている。また、後述の具体的な実施例1−a〜1−dに示されるように、サイズが(26×1 3/8)の軽快車において、チューブC1 の中空部4の横方向の内径(dc1)は、20mm程度であり、接地部1の肉厚(t11)は、2〜3mmであり、側部の肉厚(t12)は、3〜5mmである。
チューブ分割体C1a" の横断面における各部の肉厚を上記のように変化させたのは、以下の理由による。即ち、直線状のチューブ分割体C1a" は、熱可塑性エラストマー(TPE)により成形されて、反発弾性を備えているが、全体が円弧状に変形された3本のチューブ分割体C1aが円環状に連結されたチューブC1 がタイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれて、タイヤTとして使用された場合に、長期間の使用によって、接地力を解除しても、チューブC1 が原形状に復元しないクリープ現象が発生し、チューブC1 が徐々に偏平化し、反発弾性の低下により乗り心地性が低下される。この現象を回避するために、チューブC1 の断面視における各部の肉厚を上記のように、接地部1から反接地部2に向けて漸次厚くすることで、両側部3の肉厚を接地部1よりも厚くして、チューブC1 の全体形状、特に両側部の変形を阻止する力である「側面耐力」を大きくしてある。なお、チューブC1 の横断面形状を「接地部リブなし形状」と称する。
また、タイヤTの中心Kの直径は、(Dt)であるため、当該タイヤTの中心Kの周長(L)は、(L=π×Dt)であって、3分割された前記チューブ分割体C1a”の中心(軸心)(非接地状態において、タイヤTの円環状空間52の中心Kと同一とみなす)の部分の長さは、連結部に隙間を生じないこと、及び嵌込みを可能にすることからして、〔L×(1.00〜1.01)/3〕である。ここで、チューブの分割数は、射出成形が可能な長さとの関係で相対的に決定されるものであって、幼児用自転車のようにタイヤの直径が小さくなれば、チューブの分割数を減少させられる。そして、最終的にタイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれるチューブとしては、連結部の数が少ない程、構造的に安定化するため、成形可能であることを条件として、非分割構造である1本状のチューブが最も好ましい。
また、チューブC1 は、タイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれた状態では、タイヤリム53と対向する反接地部2のみが、当該タイヤ外皮51の内周面に密着せずに開放されていて、残りの全ての部分は、当該タイヤ外皮51の内周面に密着させて、チューブC1 は、その使用時においては、タイヤ外皮51と一体となって弾性変形することが必要である。よって、図3(a)及び図 7(a)において、タイヤ外皮51の横断面視において、円環状空間52のタイヤTの中心Kを通る部分の横方向に沿った内径を(dt)〔図7(a)参照〕とし、チューブ分割体C1a”の横断面視において、中心Kを通る外径を(Dc1) 〔図3(a)参照〕とすると、Dc1 =〔(1.01〜1.10)×dt 〕の関係が必要であり、タイヤ外皮51の円環状空間52にチューブC1 が嵌め込まれた状態では、当該タイヤ外皮51は、横断面視において周長が僅かに長くなるように伸ばされることで、周方向及びタイヤ外皮51の内部に長手方向(円環方向)との両方向を主体としたほぼ全方向に引張り力(内部応力)が発生した状態で、チューブC1 は、長手方向(円環方向)に沿った長さを維持したままで、横断面視において、横方向で極僅かに圧縮されると共に、縦方向(タイヤTの径方向)において極僅かに伸長された状態で弾性変形されて、タイヤ外皮51の円環状空間52にチューブC1 が嵌め込まれる。この結果、図6に示されるように、タイヤ外皮51の円環状空間52内に嵌め込まれた円弧状のチューブ分割体C1aの両端面6は、タイヤ外皮51の内部に発生している長手方向(円環方向)に沿った引張り力により、互いに当接し合った状態が維持されるため、3本のチューブ分割体C1aは、タイヤ外皮51の円環状空間52内において、恰も一体となって連結された状態となる。
また、図3及び図7において、チューブ分割体C1a”又はチューブC1 の横断面視における高さ寸法(H0 )〔図3参照〕は、チューブC1 を嵌め込んだタイヤ外皮51のビード部54をタイヤリム53に嵌め込んだ状態において、タイヤ外皮51の接地部からタイヤリム53の外端までの高さ、及びタイヤリム53の内壁部55までの高さを、それぞれ(H1 ),(H2 )〔図7(a)参照〕とした場合において、(H2 >H0 >H1 )の範囲内で定められる。
チューブ分割体C1a" の反接地部2は、最大肉厚の部分であって、当該反接地部2には、長手方向に一定ピッチ(P1 )をおいて多数の第1リブR1 が周方向に沿って形成され、隣接する各第1リブR1 の間には、中空隙間5が形成されている。第1リブR1 は、板状に形成され、第1リブR1 の外側の部分の全体形状は、平面状に形成されて、チューブC1 の全体の外周面に対して僅かな段差の凹部7(図2及び図3参照)が形成されている。第1リブR1 のピッチP1 は(8mm)であり、周方向に沿った長さ(J)〔図3(a)参照〕及び板厚(t0 )〔図2参照〕は、それぞれ(10mm),(3mm)である。このように、チューブC1 の内周側となる厚肉の反接地部2に多数の第1リブR1 を形成して、隣接する第1リブR1 の間に中空隙間5が形成された構造にしたのは、主として以下の2つの理由による。第1の理由は、中空隙間5の形成により、チューブC1 を軽量化させることであり、第2の理由は、チューブ分割体C1a" を円弧状にわん曲させる際に、第1リブR1 の側が内周側となるため、中空隙間5の存在により、内周側の圧縮歪を吸収可能にして、当該わん曲作業を容易にすることである。
直線状の3本のチューブ分割体C1a" は、それぞれタイヤTの直径(Dt)に対応するように円弧状にわん曲されたチューブ分割体C1a’に二次成形されて、連結具Sを介して互いに連結されたチューブC1 となって、タイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれる。よって、直線状のチューブ分割体C1a" の両端面6は、長手方向に対して所定角度(θ)だけ傾斜させることで、わん曲形状に変形させて連結する際の、端面どうしの干渉を回避させている。汎用自転車である軽快車のサイズ(26×1 3/8)において、5°程度である。
チューブ分割体C1a" は、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、ウレタン系(TPU)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)等の各種の熱可塑性エラストマー(TPE)を原材料樹脂として、射出成形により成形される。チューブとして不可欠な物性である反発弾性率及び曲げ弾性率を得るのに好適な熱可塑性エラストマー(TPE)としては、エステル系エラストマー(TPEE)、ウレタン系エラストマー(TPU)、或いはこれらのポリマーアロイが挙げられる。射出成形型としては、チューブ分割体C1a" の外形を形成するための一対の割型と、当該一対の割型で形成される中空円柱状のキャビティの中心部に挿入されて、チューブ分割体C1a" の中空部4を成形するためのロッド状のスライド型とを使用して成形可能である。また、チューブの分割数(チューブ分割体の数)が多い場合、或いは幼児用自転車のチューブのように外径が小さな場合には、射出成形時に最終形状である円弧状に形成することも可能であり、この場合には、全体形状が円弧状をしている一対の割型で形成された中空わん曲円柱状のキャビティの中心部に挿入されるロッド状のスライド型は、成形されるチューブ分割体の円弧形状と同一の円弧形状に形成され、成形後には、当該円弧中心を中心にして、回動させて円弧ロッド状のスライド型を成形品内から抜き出すことで、成形可能となる。射出成形時にチューブ分割体を最終形状である円弧状に成形することで、二次成形が不要となる。
チューブの材料である熱可塑性エラストマーの弾性特性に関しては、曲げ弾性率は、15〜1700MPaの範囲内であることが必要である。また、反発弾性率に関しては、45%よりも大きいことが必要である。
チューブの材料である熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率が1700MPaを超えると、曲げ変形性が極度に少なくなって、材料として硬すぎて脆くなり、耐久性が低下する。一方、曲げ弾性率が15MPa以下であると、材料として柔らかすぎて接地抵抗が大きくなり、自転車等を漕ぐのに大きな力を必要として、実用に供し得ない。現実的には、チューブの材料である熱可塑性エラストマーの曲げ弾性率は、15〜1000MPaであることが望ましい。また、熱可塑性エラストマーの反発弾性率が45%以下では、タイヤとして必要な軽快な弾みがなくなって接地抵抗が多くなって、自転車等において、漕ぐのに大きな力が必要となる。現実的には、チューブの材料の反発弾性は、50%以上であることが望ましい。
そして、直線状に射出成形された3本のチューブ分割体C1a" を円環状に連結してチューブC1 とするには、以下の二次成形を経て行う。即ち、図4に示されるように、専用のアニール(anneal) 治具(図示せず)に形成されたわん曲した倣い面に対して、チューブ分割体C1a" をわん曲させた状態を保持してセットし、この状態で80°C程度の温度を保持した恒温室に20時間程度放置することで、直線状のチューブ分割体C1a" をアニール治具の倣い面に倣わせてわん曲するようにアニールさせる。直線状のチューブ分割体C1a" をアニールさせて中間状態にわん曲されたチューブ分割体C1a’の曲率半径は、連結されてチューブC1 となったチューブ分割体C1aの曲率半径よりも大きいので、3本のチューブ分割体C1a’は、タイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれる際には、更にわん曲される。図4(c)は、3本のチューブ分割体C1a’は、タイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれた状態を示しており、当該円環状空間52に嵌め込む前には、おむすび状をなしている。なお、連結具Sを使用した場合には、基板部11がチューブ分割体C1a' の内周面(第1リブR1 が形成されている側の面)が突出していると、タイヤ外皮51にチューブ分割体C1a' を嵌め込む際に、タイヤリム53と干渉するので、連結具Sの基板部11の外面とチューブ分割体C1a' の内周面とを一致させるべく、チューブ分割体C1a" の端面6から起算して数個の第1リブR1 の高さは、残りの大多数の第1リブR1 よりも低く形成されている〔図1、図2及び図5参照〕。
また、連結具Sは、タイヤ外皮51に対してチューブ分割体C1a’を嵌め込む際の当該嵌め込みを容易にするために、連続する2本のチューブ分割体C1a' を互いに連結する機能の他に、各端面6が当接し合って連結状態となる2本のチューブ分割体C1a’の周方向に沿った位相を合致させる機能を有する。連結具Sは、図1及び図5に示されるように、基板部11の内側に、中間状態にわん曲されたチューブ分割体C1a’又はチューブC1 の連続する複数の中空隙間5に挿入嵌合される複数の嵌合突部12が設けられた構成である。隣接する2本のチューブ分割体C1a’の各端面6を当接させた状態で、連結具Sの各嵌合突部12を2本のチューブ分割体C1a’の各端部に跨って配置させて、各チューブ分割体C1a’の中空隙間5に挿入嵌合させることで、隣接する2本のチューブ分割体C1a’を内周側において互いに連結させる。連結具Sの基板部11は、チューブ分割体C1a’の凹部7に嵌込み可能なように、当該基板部11の幅J(図1参照)は、当該凹部7の幅J(第1リブR1 の周方向に沿った長さJと同一である)に対応させてある。3本のチューブ分割体C1a’を連結具Sを介して円環状に連結して、タイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込まれた状態で、当該連結具Sは、タイヤ外皮51のビード部54の間の余剰空間部に配置されるため、当該タイヤ外皮51及びタイヤリム53の双方に対して干渉しない状態で配置される。
上記したように、タイヤ外皮51の円環状空間52内に嵌め込まれた円弧状のチューブ分割体C1aの両端面6は、タイヤ外皮51の内部に発生している長手方向(円環方向)に沿った引張り力(内部応力)により、互いに当接し合った状態が維持されるため、3本のチューブ分割体C1aは、タイヤ外皮51の円環状空間52内において、恰も一体となって連結された状態となっており、しかも二次成形後のチューブ分割体C1a' は、最終形状のチューブ分割体C1aの曲げ半径よりも大きな曲げ半径の「曲げ癖」が付けられていて、2 本のチューブ分割体C1a' を連結状態で、タイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込む際に、周方向に沿った位相がずれて嵌め込まれることは殆どない。この2つの点からして、上記した連結具Sを使用しなくても、タイヤ外皮51に対するチューブ分割体C1a' の嵌め込みは可能であるが、当該連結具Sの使用により、隣接する2本のチューブ分割体C1a' の周方向の位相を確実に一致させられる。
上記のようにして、中間状態にわん曲された3本のチューブ分割体C1a’を連結具Sを介して円環状に連結したチューブC1 をタイヤ外皮51の円環状空間52に嵌め込むと、タイヤ外皮51の内部に発生する周方向、及び長手方向(円環方向)を主体としたほぼ全方向の引張り応力(内部応力)によって、チューブC1 は、タイヤ外皮51の内周面に密着した状態で嵌め込まれると共に、チューブC1 を構成する各チューブ分割体C1aの各端面6が全面密着して押付け力(F1 )で互いに押し付け合って、タイヤ外皮51の円環状空間52にチューブC1 が横断面視及び長手方向視の双方において隙間なく嵌め込まれて、タイヤTとなる(図6参照)。
そして、上記したチューブC1 を軽快車のタイヤTに使用した場合には、図7(b)に示されるように、接地圧の作用によって、チューブC1 の両側部3の間隔が広くなるように、当該チューブC1 は、タイヤ外皮51と一体となって弾性変形され、チューブC1 の反発弾性によって段差等において受ける衝撃力を吸収しながら、軽快車は前進する。非使用時においては、同図で2点鎖線で示されるように、ほぼ原形状に復元する。このように、軽快車の走行時において、チューブC1 は、タイヤ外皮51と一体となって弾性変形することで、チューブC1 の外周面とタイヤ外皮51の内周面との間で僅かのすべりが生ずることがあっても、チューブC1 の外周面におけるタイヤ外皮51の内周面と密着する部分は、凹凸部の全くないわん曲面であるために、長期間の使用によっても、前記すべりによって、チューブC1 によりタイヤ外皮51が損傷されることもない。
本発明に係るチューブに関しては、評価対象の物性として、「硬さ」及び「曲げ弾性率」があり、また、評価項目の一つとして、「耐久性」があり、具体的な実施例及び比較例の検討を行う前に、具体的実施例及び比較例の各データを得るために使用したチューブの「硬さ試験方法」、「曲げ弾性率の試験方法」及び「耐久性の試験方法」について簡単に説明する。
図8に示されるチューブの硬さ試験装置Aは、本発明者が発案したものであって、チューブに対して軸方向と直交する方向の外力F0 を作用させて、横断面形状を変形させ、その変形量が一定値に達するのに要する特定外力によって、「チューブの硬さ」を評価するものである。「チューブの硬さ」は、外力F0 に耐え得る指標であって、チューブを成形する熱可塑性エラストマーの「曲げ弾性率」と関連する物性である。方形状のベース61の長手方向の一端部には、ブロック状のチューブ支持具62が固定され、ベース61の中央部に固定されたガイド板63に対して可動台64が矢印Qの方向にスライド可能に支持され、当該可動台64の上面に荷重ゲージ65がセットされ、可動台64に内装されたナット体(図示せず)と、ねじロッド支持具66に支持されたねじロッド67とが螺合され、当該ねじロッド67の端部に設けられたハンドル68の回転によって、可動台64が矢印Qの方向にスライドされる。荷重ゲージ65の先端部には、連結ロッド69を介してチューブ分割体C1a”の外周面を軸直角方向から押し付ける押付け具71が設けられている。押付け具71の前面の押付け面71aは、チューブ分割体C1a”の外周面の損傷防止のために円弧面状に形成されている。
チューブ支持具62と押付け具71との間でチューブ分割体C1a”を挟持した状態で、ハンドル68を回転させて、チューブ分割体C1a”に対して押付け具71を押し付けて、チューブ分割体C1a”の横断面視における高さ寸法(H0 )が(1/3)だけ減ぜられた時点における外力を荷重ゲージ65により測定する。なお、押付け具71の前面の押付け面71aは、円弧面で形成され、当該円弧面の半径(V)は、50mmである。このようにして、硬さ試験装置Aにより測定された特定外力F0 の大きさを「チューブの硬さ」の指標として使用する。一般的に、曲げ弾性率が大きい材料で成形されたチューブは、曲げ弾性率の小さな材料で成形されたチューブに比較して、「チューブの硬さ」は大きくなる。乗り心地性の確保の観点からは、前記特定外力F0 は、(150〜400)N(ニュートン)の範囲が望ましい。上記した特定外力が150N以下では、チューブが柔らかすぎると共に、400N以上では、逆にチューブが硬すぎて、いずれも実用に供することができない。上記した試験方法による「チューブの硬さ試験」は、社内規格であって、一般規格ではない。
チューブの硬さの指標である上記した特定外力F0 は、使用される自転車により異なる。例えば、汎用自転車である軽快車では、特定外力F0 は(180〜300)N程度であり、マウンテンバイク及び電動アシスト自転車では、特定外力F0 は、それぞれ(200〜300)及び(200〜320)Nとなる。一方、クロスバイク、ロードバイク、重量物運搬車は、使用時に作用する接地圧、衝撃力等が大きいために、特定外力F0 は、それぞれ(225〜350)、(250〜400)及び(240〜350)Nとなる。更に、幼児車では、上記した各自転車に比較して接地圧及び衝撃力の双方が小さいために、特定外力F0 は、(150〜200)Nとなる。
図9は、「ASTM D790」によるテストピースTPの曲げ弾性率の試験方法を示す図である。支点間の長さ×幅×高さ=(Lt ×m×n)のテストピースTPの曲げ弾性率E(MPa)は、以下の式で表される。
E=(Lt3 /4mn3 )×(Ft /Z)
ここで、Ftは、荷重・たわみ曲線の初めの直線部分の任意に選んだ点の荷重〔N(ニュートン)〕であって、Zは、当該荷重Ft におけるたわみ(mm)である。
曲げ弾性率Eは、テストピースTPの高さ(n)の3乗に反比例するため、前記チューブC1 において、乗り心地性の確保の観点から、チューブC1 の材料、及び接地部1の肉厚(t11)の選択が重要な要素となる。
図10は、チューブの走行耐久試験方法を示す図である。「耐久性」は、JIS K 6302−2011(自転車タイヤ)の「7. 2性能の走行耐久性試験の条件」を準用して、最大荷重(50kg)、表面速度(30km/ h)、走行距離(5000km)の条件で、ドラム81に対して被試験チューブを嵌め込んだタイヤTを上記した最大荷重でドラム81に対して押し付けた状態で、当該ドラム81を駆動回転させて行った。なお、ドラム81の外径は、760mmであり、ドラム81の対向部分には、模擬段差としての一対のショックバー82が取付けられており、当該ショックバー82の幅及び高さ(段差)は、(10×5)mmであった。耐久試験結果の評価は、チューブの変形の程度、リム破損の有無により行った。
図11には、実施例1の形状に係るチューブC1 の具体的実施例1−a〜1−d及び比較例1−a〜1−cが示されている。ここで、チューブの「1本当りの重量」から空気チューブの重量(170g)を減じた重量が、空気チューブに対する重量増であって、評価の基準としては、500g以下が望ましいとし、「乗り心地性」の評価は、漕ぐのに要する力、地面からの振動、段差衝撃等のモニターによる総合評価であり、「チューブの耐久試験」の評価は、チューブの変形の程度(この程度を大、中、小とした)、リム破損の有無により行った。なお、「反発弾性率」は、「JIS K 6255」に基づく試験方法による値である。
この結果、空気チューブに対する重量増の点では、具体的実施例1−a〜1−cにおいては、500g以下の目標が達成され、具体的実施例1−dにおいてのみ、チューブC1 の接地部1及び側部3の各肉厚t11,t12がいずれも4mmであって、他の具体的実施例のものよりも厚肉であるため、空気チューブに対する重量増は570gとなって、目標を達成できなかったが、曲げ弾性率が15MPaであって、他の具体的実施例よりも低くて、チューブC1 が弾性変形し易くなって、他の具体的実施例と同等の良好な乗り心地性が得られ、全体としては、「合格」の評価が得られた。基本的な評価項目である空気チューブに対する重量増、乗り心地性及び耐久試験においては、具体的実施例1−a,1−cは、最良のものと評価され、具体的実施例1−bにおいては、同1−a,1−cに比較して、硬さ試験におけるチューブの硬さが大きい(硬い)ために、僅かの振動の発生があったが、乗り心地性としては、実用上問題のない程度であるため、「合格」と評価された。
これに対して、比較例1−a〜1−cにおいては、いずれも空気チューブに対する重量増の項目に関しては目標を達成しているが、比較例1−aに関しては、硬さ試験におけるチューブの硬さの値が大きい(硬い)ために、振動の発生により乗り心地性が悪く、また耐久試験においては、タイヤリムの破損が見られた。比較例1−bにおいては、硬さ試験においてチューブの硬さの値が特に小さい(柔らかい)ために、チューブの変形が大きくなり、大きな漕ぐ力を必要とする等して、全体として重たくなることで、乗り心地性が悪くなり、更に、比較例1−cにおいては、反発弾性率が小さいために、全体として重たくなって、いずれも「不合格」の評価であった。
次に、図12〜15を参照して、実施例2のチューブC2 について説明する。実施例2のチューブC2 は、実施例1のチューブC1 に対して、接地部1から両側部3の部分の間に第2リブR2 が設けられている構成が大きく異なり、残りの部分の基本構成は、チューブC1 と同等であるので、同一の部分には同一符号を、また同等の部分には同一符号に「’」をそれぞれ付して、異なる部分についてのみ説明する。チューブC2 のチューブ分割体C2a”の横断面形状は、実施例1のチューブ分割体C1a”と同等形状であって、断面視において内径(dc2)の中空部4を有する変則円筒状であって、接地部1’と両側部3’の間には、当該接地部1’から両側部3’に向けて漸次深さが浅くなる円弧溝8が形成されることで、長手方向に沿って、反接地部2’の側に設けられる第1リブR1'と同一のピッチP1 をおいて円弧状の第2リブR2 が形成されている。従って、円弧状の第2リブR2 の高さは、接地部1’から両側部3’に向けて高さが漸次低くなって、両側部3’において消失している。チューブ分割体C2a”の接地部1’から両側部3’の部分に一定ピッチ(P1 )をおいて円弧溝8を形成して、第2リブR2 を形成したのは、チューブC2 の軽量化のためである。なお、チューブC2 の横断面形状を「接地部リブ付き形状」と称する。
また、チューブC2 の反接地部2’の側には、チューブC1 と同様に、多数の第1リブR1'が一定ピッチP1 をおいて形成されている。反接地部2’の第1リブR1'の外周側の凹部7’は、連結具Sの嵌合突部12を中空隙間5’に嵌合させた状態で、基板部11がチューブ分割体C2a”の内周面から突出しない深さを有していて、チューブC1 の凹部7よりも深く成形されている。、その結果、反接地部2’である第1リブR1'の肉厚(t23)は、チューブC1 の第1リブR1 の肉厚(t13)よりも小さくなっている。第1リブR1'の周方向の長さ(J)及び板厚(t0 )は、いずれもチューブC1 の第1リブR1 と同一である。なお、図14において、dc2は、チューブC2 の中空部4の内径を示し、Dc2は、チューブC2 の中空部4の中心Kを通る当該チューブC2 の横方向の外径を示す。
チューブC2 において、接地部1’には、長手方向に沿って一定ピッチ(P1 )をおいて周方向に多数の円弧溝8が形成されていて、接地部1’における軸方向に連続して肉部が形成されている部分の肉厚(t21)と円弧溝8の深さ(e)との和(t21+e)が、チューブC2 の接地部1’の実質的な肉厚となる。複数本のチューブ分割体C2a”を円弧状にわん曲させて、その両端部を連結具Sを介して連結して円環状のチューブC2 に形成することは、実施例1のチューブC1 と同様である。なお、t22は、チューブC2 の側部3’の肉厚を示す。
また、第2リブR2 は、チューブC2 の接地部の変形に抗するように当該チューブC2 の周方向に形成されているため、接地圧が作用した場合には、当該接地部が過度に変形されることなく、適正範囲内で変形されるため、良好な乗り心地性を確保できる。これに対して、第2リブが長手方向に沿って形成されていると、長手方向に沿った第2リブは、接地圧に抗することができないので、接地圧の作用時に接地部が大きく変形されて、乗り心地性を低下させるのと異なる。更に、第2リブの存在により、1本のチューブを円環状に、或いはチューブ分割体を円弧状にわん曲させる際に、チューブの外周部の引張り歪が吸収され易くなって、当該わん曲作業が容易になって、わん曲後における断面形状の変化が殆どなくなる。
また、第2リブR2 は、タイヤ外皮51の接地部において、当該タイヤ外皮51の内周面に接触するが、当該タイヤ外皮51の肉厚は、接地部において特に厚肉に形成されていること、接地圧の作用によりチューブC2 及びタイヤ外皮51が変形時において、両者の周方向及び長手方向のずれは、反接地部2’に近い部分に比較して圧倒的に少ないか、或いは殆どないこと、及び第2リブR2 がチューブC2 の長手方向の成分を全く有していないために、タイヤ外皮51の内周面の損傷の程度が少なくなることのために、タイヤ外皮51の内周面は、第2リブR2 により殆ど損傷されない。
この結果、空気チューブに対する重量増の点では、具体的実施例2−a〜2−cにおいては、いずれも500g以下の目標が達成され、具体的実施例2−dにおいてのみ、チューブC1 の側部3’の肉厚t22が4.5mmであって、他の具体的実施例のものよりも厚肉であるため、空気チューブに対する重量増は530gとなって、目標を僅かに達成できなかったが、曲げ弾性率が15MPaであって、他の具体的実施例よりも低くて、チューブC1 が弾性変形し易くなって、他の具体的実施例と同等の良好な乗り心地性が得られ、全体としては、「合格」の評価が得られた。基本的な評価項目である空気チューブに対する重量増、乗り心地性及び耐久試験においては、具体的実施例2−a,2−cは、最良のものと評価され、具体的実施例2−bにおいては、同2−a,2−cに比較して、曲げ弾性率が高いために、僅かの振動の発生があったが、乗り心地性としては、実用上問題のない程度であるため、「合格」と評価された。なお、いずれの具体的実施例2−a〜2−dにおいても、第2リブR2 の存在により、タイヤTの接地部57の側の内周面が実用上問題のない程度に僅かに磨耗されていた点において、実施例1のチューブC1 と異なる実験結果であった。
また、比較例2−aは、具体的実施例2−aと比較して、原料樹脂、チューブC2 の各部の寸法及び反発弾性率は、同一であるが、曲げ弾性率及びチューブの硬さの値が、いずれも具体的実施例2−aよりも大きいために、大きな振動の発生により乗り心地性が悪いと共に、タイヤリム53が破損する等して耐久性の点で問題があると判定されて、「不合格」の評価であった。
次に、図17〜19を参照して、実施例3のチューブC3 について説明する。実施例3のチューブC3 は、実施例2のチューブC2 に対して、接地部1”の外周面に形成される第2リブR2a’, R2b’の形状が異なるのみで、残りの部分の構成は、前記チューブC2 と同一であるので、同一部分には、同一符号を付し、異なる部分である第2リブR2'についてのみ説明する。
チューブ分割体C3a”の接地部1”の外周部に一定のピッチP2 をおいて正逆両方向の傾斜した第2リブR2a’, R2b’が形成され、両第2リブR2a’, R2b’は、接地圧に対する強度が最も要求される部分である接地部1”の最も低い部分において互いに交差しているため、チューブC3 の強度の確保の点において、望ましい形状である。チューブ分割体C3a”の接地部1”と両側部3”との間の外周部に正逆両方向の傾斜した第2リブR2a’, R2b’を設けることで、チューブC3 が軽量化される。また、正逆両方向の傾斜した第2リブR2a’, R2b’は、チューブC3 の長手方向に沿った成分を有しているが、その長さは短いので、接地圧が作用した場合には、チューブC3 の長手方向(円環方向)に沿って接地部及びその両側部のみが部分的に弾性変形するので、実用上問題のない範囲内での乗り心地性が得られる。なお、図17〜図19において、21は、両第2リブR2a’, R2b’の交差部を示す。
また、第1〜第3の各実施例のチューブC1 〜C3 において、曲げ変形前の直線状の各チューブ分割体C1a”〜C3a”を、円弧状の各チューブ分割体C1a〜C3aにわん曲させた状態で、非接地側において連結具Sを介して連結させて、円環状のチューブC1 〜C3 に形成する際に、各チューブ分割体C1a”〜C3a”の両端の接続部は、両端部以外の部分に比較して横断面視での変形に対する拘束性が低いので、横断面視における変形の程度が他の部分に比較して大きくなり、その結果として、円環状となった各チューブC1 〜C3 の横断面形状に多少のバラツキが発生して、乗り心地性に影響する。
そこで、図21及び図22に示されるように、実施例1のチューブ分割体C1a”においては、その長手方向の両端部における薄肉の接地側の部分の内周部に、断面円弧状をしたべろ状の変形防止片91が所定長だけ突出して一体に形成されている。変形防止片91は、横断面視において、中央部から両端に向けて漸次薄肉となるように形成され、チューブ分割体C1a”の内周の半周程度に設けるのが好ましく、その最大肉厚、及び端面からの突出長は、軽快車において、それぞれ1mm,10mm程度が好ましい。変形防止片91の肉厚は、薄過ぎると、各チューブ分割体C1a”〜C3a”の横断面視での変形防止の効果が乏しいと共に、厚過ぎると、振動発生の原因となって、乗り心地性を低下させる。
このため、図22に示されるように、各チューブ分割体C1a”を円弧状にわん曲させて、その両端面6を圧接させて接続する際に、一方のチューブ分割体C1a”に一体に設けられた変形防止片91が、他方のチューブ分割体C1a”の中空部4に入り込んで、当該中空部4の内周面に密着される。この結果、当該他方のチューブ分割体C1a”の接地側の薄肉の部分が補強されると共に、変形防止片91が一体に設けられている側のチューブ分割体C1a”が補強され、各チューブ分割体C1a”の使用時に接地圧が作用する際において、その両端部の横断面視での変形を防止又は抑制できて、良好な乗り心地性を確保できる。
また、図23及び図24には、別体構造の変形防止具Bが示されている。変形防止具Bは、接地圧によるチューブC1 の自然な変形に影響を与えない程度の柔らかいエラストマーで成形されて、互いに連結される各チューブ分割体C1aの端部の中空部に嵌入される短円筒状をした防止具本体92の軸方向の中央部に鍔部93が形成された構成である。
図24に示されるように、防止具本体92を軸方向に二分割した部分が、それぞれ互いに連結される各チューブ分割体C1aの端部の中空部4に嵌入されて、鍔部93は、各チューブ分割体C1aの各端面6で挟持された形態となる。各チューブ分割体C1aの接続部分である端部の横断面視での変形が防止又は抑制される作用は、上記した変形防止片91と同等である。なお、図24において、S’は、嵌合突部12’の長さの短い連結具を示す。
また、図25に示されるように、チューブ分割体C1a" の長手方向の一端部の反接地側には、連結片31が当該長手方向に突設されて、当該連結片31に連結孔32が形成されていると共に、当該チューブ分割体C1a" の長手方向の他端部k 接地側には、別のチューブ分割体C1a" に設けられた連結片31の連結孔32に嵌合される連結突起33が設けられている。よって、互いに接続される2本の各チューブ分割体C1a" の一方の連結片31の連結孔32に、別のチューブ分割体C1a" の連結突起33を嵌合させることで、当該2本のチューブ分割体C1a" は、互いに廻ることなく連結される。
上記した各実施例1〜3のチューブC1 〜C3 は、いずれも熱可塑性エラストマーが本来的に備える反発弾性を主体とし、この反発弾性とチューブの全体形状との組み合せによって、軽量性と耐久性とを備えたうえで、優れた乗り心地性を有するものであるが、軽量性達成の観点からは、樹脂原料に対して(1〜3)重量部の発泡剤を添加することのみで、約(5〜20)%の割合のチューブの重量減が達成される。
また、上記した実施例1〜3は、いずれもチューブを複数のチューブ分割体に分割して、各チューブ分割体の両端部を連結具を介して連結する構成であって、射出成形のように、成形長に制限がある場合に対して有効である。しかし、本発明においては、成形可能であれば、チューブの全体が1本棒状になっていて、当該1本棒状のチューブを環状にわん曲させて、その両端部を連結具を介して連結する構成であってもよい。
上記した実施例1〜3においては、チューブの軽量化を図るために、内周側に形成された第1リブの間の中空隙間を、連結具の嵌合突部が嵌合される被嵌合部として利用しているため、チューブ、又はチューブ分割体の長手方向の両端部に専用の連結部を設ける必要がない利点がある。しかし、本発明においては、円環状にした1本状のチューブの両端部、或いは円弧状のチューブ分割体どうしを連結するために両端部に設ける被連結部の構造、及び連結具は、上記構成に限定されず、いかなる構成であってもよい。
本発明に係るノーパンクチューブは、軽快車のタイヤの他に、マウンテンバイク、電動アシスト自転車、クロスバイク、ロードバイク、重量物運搬車、幼児車、車椅子、シニアカー等の各タイヤのチューブとしても適用できる。
1 〜C3 :ノーパンクチューブ
1a〜C3a:チューブ分割体
0 :特定外力
K:タイヤの中心(軸心)
1 :第1及び第2の各リブのピッチ
2 :正逆両方向の傾斜リブに係る第2リブのピッチ
1,R1':第1リブ
2,R2', R2a',R2b' :第2リブ
S,S’:連結具
T:タイヤ
11,t21,t31:チューブの接地部の肉厚
12,t22,t32:チューブの側部の肉厚
13,t23,t33:チューブの反接地部の肉厚
θ:チューブの端面の傾斜角度
1,1’,1”:チューブの接地部
2,2’:チューブの反接地部
3,3’,3”:チューブの側部
4:チューブの中空部
5:中空隙間(連結具の被嵌合部)
6:チューブの端面
8:第2リブの間に形成された円弧溝
11:連結具の基板部
12:連結具の嵌合突部
31:連結片
32:連結孔
33:連結突起
51:タイヤ外皮
52:タイヤ外皮の円環状空間
53:タイヤリム
91:変形防止片

Claims (7)

  1. 円環状のタイヤリムに着脱可能に取付けられる同じく円環状のタイヤ外皮の円環状空間に嵌め込まれる中空パイプ状のノーパンクチューブであって、
    前記チューブは、熱可塑性エラストマーにより、横断面形状が、前記タイヤ外皮の円環状空間の横断面形状に対して僅かに大きな相似形状に射出成形により成形され、
    前記チューブの肉厚は、接地部からタイヤリムの側の反接地部に向けて漸次厚肉に形成され、
    全体が円環状に形成されて、タイヤ外皮の引張り応力により、圧縮された状態で前記円環状空間に嵌め込まれ、
    前記チューブにおけるタイヤリムと対向する内周側の反接地部は、長手方向に沿って連続した開口部に、当該長手方向に沿って一定ピッチをおいて周方向に沿ったリブが形成されることで、部分的に開口した構造であることを特徴とするノーパンクチューブ。
  2. 前記チューブは、長手方向に沿って複数に分割され、その端部が互いに連結されて円環状に形成される複数のチューブ分割体から成り、各チューブ分割体の長手方向の両端部が連結手段を介して全体が円環状に連結されることを特徴とする請求項に記載のノーパンクチューブ。
  3. 円環状に連結される1本のチューブ又は複数本のチューブ分割体の端面どうしの干渉を回避すべく、当該端面は、長手方向に対して所定角度だけ傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のノーパンクチューブ。
  4. 前記連結手段は、別体の連結具であって、当該連結具は、ラック状の複数の嵌合突部を備えた形状であって、各嵌合突部が、リブの間の隙間に嵌合される構成であることを特徴とする請求項に記載のノーパンクチューブ。
  5. 互いに連結される各チューブ分割体の一方の長手方向の端部の反接地側の部分に連結片が当該長手方向に一体に突出され、
    前記連結手段は、前記連結片に設けられた連結孔と、前記各チューブ分割体の他方の長手方向の端部の同様の部分に設けられて、前記連結孔に嵌合される連結突起とから成ることを特徴とする請求項に記載のノーパンクチューブ。
  6. 前記各チューブ分割体の長手方向の一端部における接地側の内周部には、連結される別のチューブの内周に嵌め込まれて、使用時に当該各チューブ分割体の各連結端部が横断面視で変形されるのを防止する変形防止片が長手方向に一体となって突設されていることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載のノーパンクチューブ。
  7. 1本状のチューブ又はチューブ分割体が移動しないようにセットした状態で、当該1本状のチューブ又はチューブ分割体の長手方向又はわん曲方向に対して直交する方向から外力を作用させて、前記チューブ又はチューブ分割体の高さ寸法が(1/3)だけ減ぜられる特定外力をチューブ又はチューブ分割体の硬さの基準とした場合において、当該特定外力が(150〜400)Nであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のノーパンクチューブ。
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